JP2007197061A - アンカー、側壁と基礎底版の接続構造および貯槽タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】施工性の向上と製作コストの低廉化を図ることのできるアンカーと、該アンカーによって形成された側壁と基礎底版の接続構造および該側壁と基礎底版の接続構造を有する貯槽タンクを提供する。
【解決手段】基礎底版2と、基礎底版2上に設けられた側壁と、から少なくとも構成される貯槽タンクにおいて、側壁と基礎底版2とを繋ぐアンカー1である。このアンカー1は、長尺のアンカー部材11と、アンカー部材11の一端に固設されるとともに基礎底版2上面に当接するベースプレート12と、ベースプレート12の下方に固設されるとともに基礎底版2内に埋め込まれる2枚の有孔プレート13a,13bと、からなり、有孔プレート13a,13bの孔に周方向の引張材21,…ないしは径方向の引張材22,…が貫通されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、LNG(液化天然ガス)などの貯槽タンクを構成する側壁と基礎底版とを繋ぐアンカーと、該アンカーによって形成された側壁と基礎底版の接続構造と、該側壁と基礎底版の接続構造を有する貯槽タンクに係り、特に、施工性の向上と製作コストの低廉化を図ることのできるアンカーと、該アンカーによって形成された側壁と基礎底版の接続構造および該側壁と基礎底版の接続構造を有する貯槽タンクに関するものである。
LNG(液化天然ガス)などの低温貯槽を必要とする液体貯槽用の低温貯槽タンクのうち、保冷用側壁の内側に設けられた内槽側板には、内槽されるガス圧力によって上向力が生じ、かかる上向力によって齎される転倒モーメントによる引張力に抗し得るアンカーにて該内槽側板と基礎底版とが接続された構造が採用されている。また、内槽側板には、上記する上向力以外にも、風や地震によって齎される転倒モーメントによって引張力が生じ、かかる引張力に対しても内槽側板と基礎底版とを繋ぐ上記アンカーが抵抗するものである。
例えばLNG貯槽タンクを設計するに際しては、社団法人日本ガス協会による「LNG地上式貯槽指針」(非特許文献1)に則って、その設計がおこなわれるのが一般的である。この指針においても、タンクに生じる上記上向力や地震力による転倒モーメントを考慮して、内槽アンカーを設ける旨の記載がある。
上記する低温貯槽タンクにおける従来の内槽アンカーは、その一端を基礎底版に強固に固定するために、該基礎底版に深く根入れさせる形態が一般的であった。しかし、内槽アンカーの根入れ長が長くなることにより、基礎の配筋と干渉し、したがって内槽アンカーの設置が極めて困難となるといった問題が生じていた。この場合、例えば基礎底版の配筋を一部切断したり、端部が折り曲げ加工された鉄筋を配筋する等し、内槽アンカーを設置後に補強筋をさらに配筋するといった具合にその施工性の低下は否めない。さらには、補強筋の設置等によって配筋がより密な状態となり、基礎底版コンクリートの打設の際に、コンクリートが配筋内に十分に充填されるか否かといった品質不良の発生の懸念もあった。
また、従来の側壁と基礎底版との接続構造は、図9にも示すように、側壁(保冷用側壁dとその内部の内槽側板eとその外部の外槽側板fからなる)の内槽側板eと基礎底版bとをアンカーaにて繋ぐ構造となっている。このアンカーaは、アンカー部材a1と、該アンカー部材a1が貫通する筒状のアンカースリーブa2と、該アンカースリーブa2の底面にせん断補強用のベースプレートa3を固設し、さらに、該ベースプレートa3の底面に補強用リブa4をさらに備えた構成となっており、その製作コストも比較的高価なものであった。また、アンカースリーブa2やベースプレートa3と基礎底版b内の引張材(鉄筋やPC鋼材)との干渉を回避するために、基礎底版bの中心から放射状に延びる引張材b1,b1,…の端部を折り曲げ加工しておき、さらには、アンカースリーブa2やベースプレートa3が設置されるスペースを確保するように円周方向に延びる引張材b2,b2,…を配設するように施工がなされていた。したがって、基礎底版用の引張材の配設施工やアンカーの設置、さらには補強用引張材の配設など、施工が複雑となることにより、施工性の低下は否めなかった。
なお、アンカーを基礎底版に定着させる従来技術としては、例えば特許文献1に開示の技術を挙げることができる。これは橋脚と基礎とを緊張材にて連結する構造であるが、基礎底版内に複数の有孔アンカープレートを埋め込んでおき、この孔に、基礎底版の下端と橋脚の上端に跨るプレストレスの導入が可能な緊張材を貫通させ、プレテンション方式にて橋脚と基礎底版とを連結してなる橋梁構造に関するものである。
LNG地上式貯槽指針 JGA指―108−02(社団法人日本ガス協会 ガス工作物等技術基準調査委員会) 4.5.1.6 内槽アンカー 特開平11−21816号公報
特許文献1に開示の橋梁構造によれば、緊張材からなるアンカーによって、地震時の水平力が橋脚に作用しても、アンカーに引抜きせん断破壊が生じる可能性が低くなる。しかし、アンカーは、基礎底版を貫通して設けられることから、基礎底版内の配筋との干渉の問題を解決するには至らず、したがって、施工性の向上も期待し難い。
本発明は、上記する問題に鑑みてなされたものであり、施工性の向上と製作コストの低廉化を図ることのできるアンカーと、貯槽タンクを構成する側壁と基礎底版とを該アンカーにて繋ぐことによって形成される側壁と基礎底版の接続構造、及び該側壁と基礎底版の接続構造を有する貯槽タンクを提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明によるアンカーは、基礎底版と、該基礎底版上に設けられた側壁と、から少なくとも構成される貯槽タンクにおいて、側壁と基礎底版とを繋ぐアンカーであって、前記アンカーは、長尺のアンカー部材と、アンカー部材の一端に固設されるとともに基礎底版上面に当接するベースプレートと、該ベースプレートの下面に固設されるとともに基礎底版内に埋め込まれる1枚以上の有孔プレートと、からなることを特徴とする。
本発明のアンカーは、少なくとも基礎底版と、側壁を備えてなる、例えば地上式ないしは地下式の貯槽タンクに好適であり、タンク内容物は特に限定されるものではない。側壁の上部には、例えば、フラットな形状ないしはドーム状の天井が取付けられる。この貯槽タンクは、鉄筋コンクリート構造、プレストレストコンクリート構造など、その構造形式は特に限定されるものではない。例えば、基礎底版と側壁の双方が鉄筋コンクリート造であったり、双方がプレストレストコンクリート造であったり、基礎底版がコンクリート造ないしはプレストレストコンクリート造であり、側壁がS造(鋼製)の組合せからなる構造形式などがある。さらに、基礎底版は、地盤上に直接支持される直接基礎形式であっても、鋼管杭やPHC杭、SRC杭、場所打ちRC杭などに支持される杭基礎形式であってもよい。
使用されるアンカー部材としては、長尺の平鋼や鋼棒など、所要の引張強度を備えた素材であれば特に限定されるものではない。
このアンカー部材は、その一端で側壁と接続され、その他端にはベースプレートが固設されている。このベースプレートは、例えば鋼製ないしはプレキャストコンクリート製からなる。アンカー部材と側壁との接続は、例えば溶接やボルト留めにておこなうことができる。一方、アンカー部材とベースプレートとの固設も同様に溶接やボルト留めにておこなうことができる。
上記するベースプレートは、基礎底版上に載置される。ベースプレートの下面には1枚以上の鋼製の有孔プレートが例えば溶接にて固設されており、この有孔プレートが基礎底版内に埋め込まれることにより、該有孔プレートとベースプレートとアンカー部材とを介して、側壁と基礎底版とを堅固に繋ぐことができる。
有孔プレートには、基礎底版内に配筋される鉄筋ないしはPC鋼材(PC鋼線、PC鋼棒等)の引張材が通されることにより、有孔プレートと基礎底版との接続強度をより堅固なものとすることができる。また、有孔プレートには、引張材貫通用の孔のほかにも、基礎底版とのより強固な接続を可能にするために、スタッドジベル筋が該有孔プレートの一方面ないしは両面に固設された形態であってもよい。さらには、基礎底版用の引張材が貫通する孔以外の孔を有孔プレートに穿孔しておき、現場にて、該孔に補強筋を貫通固定させる形態であってもよい。さらに、有孔プレートの下端には、支圧強度を付与するためのフランジを固設しておくこともできる。なお、施工に際しては、本発明のアンカーを構成する有孔プレートの孔に基礎底版の引張材(鉄筋やPC鋼材)を貫通させた後に、基礎底版用のコンクリートが打設されることとなる。
本発明のアンカーを使用することにより、基礎底版内の配筋とアンカーとの干渉の問題を解消することができ、基礎底版内の配筋を切断した後に補強筋を配設する必要もないことから、施工性を格段に向上させることができる。また、アンカーの構成が、アンカー部材と、ベースプレートと、例えば2枚の有孔プレートとからなる極めてシンプルな構成であることから、低廉に本発明のアンカーを製作することができる。なお、ベースプレートを基礎底版上に設置することから、アンカー部材とベースプレートとの接続部を囲繞するようにアンカースリーブを設けた構成としてもよく、かかる形態であっても基礎底版内の引張材と干渉するといった問題は生じ得ない。
また、本発明によるアンカーの他の実施形態において、前記側壁は、筒状の保冷用側壁と、該保冷用側壁の内側に設けられた内槽側板と、から少なくとも構成されており、前記内槽側板と前記基礎底版とを繋ぐことを特徴とする。
例えば、本発明のアンカーが適用される貯槽タンクが、LNG貯蔵用の地上式ないしは地下式タンクの場合には、内容物の温度(冷熱)を外部に逃がさないような側壁構造が必要不可欠となる。そこで、本発明のアンカーは、特に、貯槽タンクを構成する側壁が筒状の保冷用側壁と、該保冷用側壁の内側に設けられた内槽側板とから構成される場合に、その内側の内槽側板と基礎底版とを繋ぐ用途に適用されるものである。なお、側壁の構造としては、保冷用側壁のさらに外側に鋼製の外槽側板が設けられた構造であってもよい。かかる貯槽タンクの内槽側板においては、既述するように、内槽されるガスの圧力によって上向力が生じ、かかる上向力によって転倒モーメントが齎されたり、風や地震によって転倒モーメントが齎される。かかる転倒モーメントによって引張力が発生するが、この引張力に対して、内槽側板と基礎底版とを繋ぐアンカーが抵抗することにより、側壁の安定が保持されることとなる。本発明のアンカーは、かかる用途の貯槽タンクに適用されるものであり、既述するように、そのシンプルな構成と、基礎底版内の配筋との干渉の問題を解消できることで、アンカーの製作に要するコストの低廉化と施工性の向上を図ることが可能となる。
また、本発明によるアンカーの他の実施形態において、2枚の前記有孔プレートはそれぞれ、所定径の円周方向に間隔を置いて配設されるとともに、該円周の法線方向または略法線方向に向けられた姿勢で前記ベースプレートに固設されていることを特徴とする。
例えば、貯槽タンクの基礎底版が平面視円形に形成されている場合には、該基礎底版内の配筋は、円周方向と径方向(放射方向)に主筋が配され、基礎底版の上下において、それらの配筋がシングル配筋ないしはダブル配筋されるのが一般的である。また、使用される引張材としては、鉄筋やPC鋼材(PC鋼棒、PC鋼線、PC鋼より線)、さらにはそれらを組合せた形態が適用される。
そこで、本発明では、アンカーを構成する例えば2枚の有孔プレートが、所定径の円周方向に間隔を置いて配設された姿勢でベースプレートに固設されてなるアンカーとするものである。ここで、所定径とは、円筒状の内槽側板の外周に複数のアンカーが設置される場合に、かかる複数のアンカーのベースプレートが位置決めされてできる円周の径のことを意味している。この円周の法線方向ないしは略法線方向に2枚の対向する有孔プレートを配設しておくことにより(有孔プレート面は円周方向に向いた姿勢となっている)、双方のプレートに穿孔された孔に基礎底版の周方向の引張材を貫通させることができ、アンカーと基礎底版とのより強固な接続が可能となる。
本発明のアンカーによれば、基礎底版の周方向の引張材はプレートの孔に貫通させ、基礎底版の径方向(放射方向)の引張材には、有孔プレートがほぼ平行な状態となることから、いずれの方向の引張材とも干渉することなく、したがって、施工性を低下させるといった問題は生じ得ない。
また、本発明によるアンカーの他の実施形態において、2枚の前記有孔プレートは、所定径の円周の径方向に間隔を置いて配設されながら前記ベースプレートに固設されていることを特徴とする。
本発明のアンカーは、基礎底版内において少なくとも該基礎底版の中心から径方向(放射方向)に配筋がなされる場合において、その配筋方向に2枚の有孔プレートを間隔をおいて配しながら、該2枚の有孔プレートを直立させた姿勢でベースプレートに固定してなるアンカーに関するものである。ここで、有孔プレート面は径方向の引張材に対して直交した姿勢となっている。有孔プレートの孔に放射方向に延びる鉄筋ないしはPC鋼材を貫通させることにより、かかる引張材を切断することなく、さらにはかかる引張材にて有孔プレートが拘束されることにより、アンカーと基礎底版との接続強度を向上させることができる。
また、かかる形態のアンカーでは、2枚の有孔プレートは円周方向に延びる引張材に対して平行ないしはほぼ平行に配されることとなり、したがって、この円周方向の引張材と有孔プレートとが干渉することもない。
また、本発明による側壁と基礎底版の接続構造は、前記アンカーを構成する有孔プレートの孔に、基礎底版の円周方向に延びる引張材が貫通してなることを特徴とするものである。また、他の実施形態としては、前記アンカーを構成する有孔プレートの孔に、基礎底版の径方向に延びる引張材が貫通してなることを特徴とするものである。
上記する本発明のアンカーを適用してなる側壁と基礎底版の接続構造とすることで、その施工性の向上と、側壁と基礎底版との強固な接続が可能となる。側壁が、既述する内槽側板と保冷用側壁とから少なくとも構成されている形態においては、該内槽側板と基礎底版とが本発明のアンカーを介して接続されることにより、側壁と基礎底版との接続構造が形成されることとなる。
また、本発明による貯槽タンクは、前記側壁と基礎底版の接続構造を備えてなることを特徴とする。
本発明の貯槽タンクの用途は、大規模タンク〜小規模タンクを包含し、さらには地上タンクや地下タンク、半地下式のタンクを包含し、その用途としては、例えば上下水道用の貯水タンクやファームポンドなど、あらゆる内容物を収容するタンクを包含するものである。
さらに、本発明の貯槽タンクの好ましい実施形態としては、前記基礎底版上には保冷用底版が設けられ、かつ、筒状の保冷用側壁と、該保冷用側壁の内側に設けられた内槽側板とからなる側壁が設けられており、少なくとも該側壁は地上に設置されていることを特徴とする。
保冷を必要とするLNGまたはLPG貯蔵用の地上タンクとして、本発明の側壁と基礎底版の接続構造を備えた貯槽タンクを適用するのが好適である。側壁の構造が多重構造であること、基礎底版内の配筋が一般に過密であること、引張材として鉄筋やPC鋼材が錯綜する構造であることなどから、よりシンプルな構成のアンカーを適用することにより、接続強度の確保は勿論のこと、その施工性を格段に向上させることができ、工費の大幅な削減に繋がるからである。
以上の説明から理解できるように、本発明のアンカーおよび該アンカーを適用してなる側壁と基礎底版の接続構造によれば、アンカーの構成が極めてシンプルであることに加えて、基礎底版内の配筋と何ら干渉することがないために、アンカー製作コストを低廉にでき、施工性の向上も図ることができるため、全体工費の削減を実現できる。また、本発明の貯槽タンクによれば、上記する側壁と基礎底版の接続構造を備えたタンク構造とすることにより、側壁(例えば内槽側板)と基礎底版との十分な接続強度を確保しながら、その工費の大幅な削減を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明のLNG地上式貯槽タンクの外観およびその内部構造を示した模式図を、図2は、図1のLNG地上式貯槽タンクの基礎底版〜側壁の一部までを示した斜視図であって、基礎底版の一部の内部の配筋形態を示した図をそれぞれ示している。図3は、本発明のアンカーの一実施の形態を示した斜視図を、図4は、本発明のアンカーの他の実施の形態を示した斜視図をそれぞれ示している。図5は、図3に示すアンカーを使用した本発明の側壁と基礎底版の接続構造の一実施の形態を示した縦断図を、図6は、図5のVI−VI矢視図を、図7は、図4に示すアンカーを使用した本発明の側壁と基礎底版の接続構造の他の実施の形態を示した縦断図を、図8は、図7のVIII−VIII矢視図をそれぞれ示している。なお、図示する貯槽タンクはLNG地上式貯槽タンクを示しているが、本発明のアンカーおよび側壁と基礎底版の接続構造を適用してなる貯槽タンクが図示する実施形態や用途に限定されるものでないことは勿論のことである。例えば、本発明のアンカーは、有孔プレートの下端にフランジが取付けられた形態や、有孔プレートの側面にスタッドジベル筋が取付けられた形態などを適用することもできる。また、本発明の貯槽タンクは、LNGのほかにもLPGや水等を貯槽する用途に適用できるとともに、円筒状の側壁に限らず、平面視で楕円形状や矩形の側壁であってもよい。
図1は、本発明のアンカーが適用されるLNG地上式貯槽タンクの外観とその内部構造の一部を示した図である。LNG地上式貯槽タンク100は、杭92,92,…にて支持された基礎底版2と、その上方に設置された保冷用底版3、円筒状の保冷用側壁6と、その内側に取付けられた内槽側板4と、保冷用側壁6の外側に取付けられた外槽側板5、側壁上端に設置されたドーム状の天井7とから構成されている。ここで、内槽側板4と基礎底版2とが本発明のアンカー1にて接続されている。
内槽側板4内には、LNG(液化天然ガス)が貯槽されており、貯槽タンク100の外周には、液化天然ガスが漏洩した際に外部に流出するのを防止するための防液堤91が該貯槽タンク100を囲繞するように設置されている。なお、貯槽タンクは、図示する地上式のみならず、地下式、半地下式などの別途の形式であってもよく、さらには、地盤が極めて強固な場合には直接基礎形式が適用でき、所定の深度まで地盤改良を施した上で直接基礎形式を適用してもよい。
図2は、LNG地上式貯槽タンク100の基礎底版2〜側壁の一部までを示した斜視図であり、基礎底版2の一部の内部の配筋形態を示した図である。本発明のアンカー1,1,…は、円筒状の側壁の円周方向に沿って、一定の間隔を置いて内槽側板4と基礎底版2とを繋ぐように設置されている。
基礎底版2を構成する配筋形態は、円盤状の基礎底版2の中心から放射状(径方向)に配設された引張材22,22、…と、基礎底版2の中心から徐々に拡径されたリング状の周方向の引張材21,21,…と、から大略構成されており、さらに、図示しない平面内で直交するように配設された引張材とから構成されている。また、基礎底版2内において、上記引張材は、上方と下方にて配筋されており、例えばそれぞれが2段配筋された構成や1段配筋された構成、さらには、必要な箇所のみ2段配筋された構成などとなっている。
ここで、引張材としては、所定仕様の鉄筋(異形棒鋼SD295、SD345など)や、所定仕様のPC鋼材(PC鋼棒、PC鋼線、PC鋼より線)が組み合わされながら適用されている。
図3は、本発明のアンカーの一実施の形態を示した図である。アンカー1は、長尺のアンカー部材11と、その端部がアンカースリーブ14内に遊嵌された状態で該アンカー部材11の端部11aとアンカースリーブ14の端部が溶接にて固設されたベースプレート12と、該ベースプレート12の下面に間隔を置いて固設された2枚の有孔プレート13a,13bとから構成されている。アンカー部材11の他端11bは、内槽側板4の外側表面と溶接やボルト留めにて接続される。
2枚の有孔プレート13a,13bは、基礎底版2の周方向の引張材21,21,…が貫通するための孔13a1,…,13b1,…がそれぞれのプレートに穿孔されており、周方向の引張材21,21,…の延設方向に直交ないしは略直交する方向に立設した姿勢でベースプレート12に溶接にて固設されている。
このアンカー1では、基礎底版2の径方向の引張材が2枚の有孔プレート13a,13bの間に配筋されることとなり、有孔プレート13a,13bは、周方向および径方向いずれの方向の引張材とも干渉する心配がない。なお、図示を省略するが、有孔プレートの下端には、支圧強度を付与するためのフランジを設けることもでき、さらには、有孔プレートの一方側ないしは両側から突出するスタッドジベル筋を設けることもできる。さらに、有孔プレートに別途のねじ孔を穿孔しておき、例えば現場にて、該ねじ孔に補強用のボルトを螺合させることもできる。
一方、図4は、本発明のアンカーの他の実施の形態を図示したものである。このアンカー1Aでは、ベースプレート12の下面に、2枚の有孔プレート13a,13bの各孔13a1,…,13b1,…が、基礎底版2の径方向の引張材22,…を貫通できるように径方向に間隔を置いて立設した姿勢で固設されている。このアンカー1Aにおいても、基礎底版2の周方向の引張材が2枚の有孔プレート13a,13bの間に配筋されることとなり、有孔プレート13a,13bは、周方向および径方向いずれの方向の引張材とも干渉する心配がない。
図5は、図3に示すアンカー1を適用してなる内槽側板4と基礎底版2との接続構造10を示した縦断図である。なお、図において、基礎底版2の下筋の図示は省略している。施工に際しては、基礎底版2の特に上筋の配筋に先んじてアンカー1を仮固定し、基礎底版2内の上筋21,22を配筋する。アンカー1は、予め工場や現場ヤードにて製作されており、アンカー部材11の端部とベースプレート12とは溶接Wにて固設されている。引張材の配筋において、周方向の引張材21,…は有孔プレート13a,13bの各孔に貫通される。その後、基礎底版2のコンクリートを打設/硬化させ、その上方の保冷用底版3の施工および側壁の施工に移行する。側壁の施工は、まず、型枠兼用となり得る内槽側板4と外槽側板5を設置し、内槽側板4の表面にアンカー部材11の端部を溶接Wし、その後に保冷用側壁6のコンクリートの打設がおこなわれる。
図6は、図5のVI−VI矢視図である。図からも明らかなように、アンカー1を構成する有孔プレート13a,13bの間に、径方向に延設する引張材22,…が配筋されるため、かかる引張材22,…の配筋に際して有孔プレート13a,13bが障害となる問題は生じ得ない。なお、有孔プレート13a,13bの基礎底版2への埋め込み長は、設計引張力に抗する基礎底版コンクリートとの間の摩擦力や、周方向引張材22,…が貫通する孔の位置等を勘案して適宜設定することができる。
本発明のアンカー1は、有孔プレート13a,13bに基礎底版2の引張材を貫通させることにより、アンカー1に作用する引抜力をこの引張材と有孔プレートおよびコンクリート間の摩擦力にて抗する構造となっており、原則として別途の引抜抵抗部材を設ける必要はない。したがって、基礎底版の引張材を有効に利用しながら所要の引抜強度を備えた側壁と基礎底版の接続構造を形成することができることに加えて、アンカーの構成が極めてシンプルであることから、その製作コストも安価となる。さらに施工性もよいため、工期の短縮にも寄与でき、全体工費の低減にも繋がるものである。
図7は、図4に示すアンカー1Aを適用してなる内槽側板4と基礎底版2との接続構造10Aを示した縦断図であり、図8は、図7のVIII−VIII矢視図である。図からも明らかなように、アンカー1Aを構成する有孔プレート13a,13bの間に、周方向に延設する引張材21,…が配筋されるため、かかる引張材21,…の配筋に際して有孔プレート13a,13bが障害となる問題は生じ得ない。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本発明のLNG地上式貯槽タンクの外観およびその内部構造を示した模式図。 図1のLNG地上式貯槽タンクの基礎底版〜側壁の一部までを示した斜視図であって、基礎底版の一部の内部の配筋形態を示した図。 本発明のアンカーの一実施の形態を示した斜視図。 本発明のアンカーの他の実施の形態を示した斜視図。 図3に示すアンカーを使用した本発明の側壁と基礎底版の接続構造の一実施の形態を示した縦断図。 図5のVI−VI矢視図。 図4に示すアンカーを使用した本発明の側壁と基礎底版の接続構造の他の実施の形態を示した縦断図。 図7のVIII−VIII矢視図。 従来のアンカーを使用した側壁と基礎底版との接続構造を示した縦断図。
符号の説明
1,1A…アンカー、11…アンカー部材、12…ベースプレート、13a,13b…有孔プレート、13a1,13b1…孔、14…アンカースリーブ、2…基礎底版、21…引張材、22…引張材、3…保冷用底版、4…内槽側板、5…外槽側板、6…保冷用側壁、7…天井、10,10A…接続構造、100…LNG地上式貯槽タンク

Claims (8)

  1. 基礎底版と、該基礎底版上に設けられた側壁と、から少なくとも構成される貯槽タンクにおいて、側壁と基礎底版とを繋ぐアンカーであって、
    前記アンカーは、長尺のアンカー部材と、アンカー部材の一端に固設されるとともに基礎底版上面に当接するベースプレートと、該ベースプレートの下面に固設されるとともに基礎底版内に埋め込まれる1枚以上の有孔プレートと、からなることを特徴とするアンカー。
  2. 前記側壁は、筒状の保冷用側壁と、該保冷用側壁の内側に設けられた内槽側板と、から少なくとも構成されており、内槽側板と前記基礎底版とを繋ぐことを特徴とする請求項1に記載のアンカー。
  3. 2枚の前記有孔プレートはそれぞれ、所定径の円周方向に間隔を置いて配設されるとともに、該円周の法線方向または略法線方向に向けられた姿勢で前記ベースプレートに固設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンカー。
  4. 2枚の前記有孔プレートは、所定径の円周の径方向に間隔を置いて配設されながら前記ベースプレートに固設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンカー。
  5. 請求項3に記載のアンカーを構成する有孔プレートの孔に、基礎底版の円周方向に延びる引張材が貫通してなることを特徴とする側壁と基礎底版の接続構造。
  6. 請求項4に記載のアンカーを構成する有孔プレートの孔に、基礎底版の径方向に延びる引張材が貫通してなることを特徴とする側壁と基礎底版の接続構造。
  7. 請求項5または6に記載の側壁と基礎底版の接続構造を備えてなる貯槽タンク。
  8. 前記基礎底版上には保冷用底版が設けられ、かつ、筒状の保冷用側壁と、該保冷用側壁の内側に設けられた内槽側板とからなる側壁が設けられており、少なくとも該側壁は地上に設置されていることを特徴とする請求項7に記載の貯槽タンク。
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