JP2007196748A - 車両用サイドシルの補強構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両用サイドシル構造において、車両前後に延びる閉断面サイドシル2を、サイドシルインナ21とサイドシルレインフォースメント22とで形成し、センターピラー4下方のサイドシル2内部にガセット3設けた。サイドシル2は、略コ字断面のサイドシルインナ21の上部フランジ212A及び下部フランジ213Aと、略コ字断面のサイドシルレインフォースメント22の上部フランジ222A及び下部フランジ223Aと、を溶接して形成され、ガセット3は、サイドシルレインフォースメント22の上面内側に袋状部23を形成するように設けられる。
【選択図】図5
Description
車両201は、閉断面構造のサイドシル202と、このサイドシル202の中央部の上面に略垂直に取り付けられた同じく閉断面構造のセンターピラー204と、を備える。
センターピラー204の閉断面構造は、それぞれ断面略コ字状のセンターピラーインナ204A及びセンターピラースチフナ204Bを互いに合わせて形成される。
また、センターピラースチフナ204Bの下端部は、サイドシルレインフォースメント202Bの上面及び側面に沿って延長されて、フランジ204Cとなっている。このフランジ204Cを、サイドシルレインフォースメント202Bの上面及び側面に溶接することにより、センターピラー204はサイドシル202に結合される。
他の車両がセンターピラー204に衝突した場合には、この衝突による衝撃荷重は、上下方向に延びるセンターピラー204のうちサイドシル202の上方の領域に、車両内側方向(図12中白抜き矢印の方向)に向かって作用する。一方、車両201の側部に設けられたドアに衝突した場合には、この衝撃荷重は、このドアの内部に設けられたビームに加わる。しかしながら、このビームはセンターピラー及びフロントピラーに跨って配置されるため、衝撃荷重はビームを介してセンターピラー204に作用する。
この第1の提案によれば、側面衝突による衝撃荷重に対して前壁部及び後壁部で抵抗することで、この衝撃荷重に対する剛性を向上させて、このサイドシルの閉断面の潰れを抑制できる。
この第2の提案によれば、第1の提案と同様に、側面衝突による衝撃荷重に対してブレースで抵抗することで、この衝撃荷重に対する剛性を向上させて、このサイドシルの閉断面の潰れを抑制できる。
そこで、サイドシルの補強に加えて、センターピラーにも補強を施すことが考えられるが、センターピラーの重量が過大になることを防ぐため、センターピラーの補強はできるだけ回避したい。
つまり、側面衝突時の初期において、サイドシル下部は、変形して衝突エネルギーを吸収し、サイドシル上部は、サイドシル下部ほど変形せず、高い剛性を維持する。そのため、高い剛性を維持しつつ、衝突エネルギーをある程度吸収できるから、サイドシル上部に結合されるセンターピラーの変形を抑制できる。
また、センターピラーとサイドシルとの結合部分の剛性を向上できる。
側面衝突時の後期において、さらに荷重衝撃が加わり、サイドシルインナ及び補強部材の上部が、それぞれのフランジで下方に屈曲する場合には、これらフランジに対し、オフセットされたガセットの端末が抵抗する。したがって、サイドシルインナ及び補強部材が、それぞれのフランジで下方に屈曲するのを抑制できる。
以下、本発明の第1実施形態に係る車両用サイドシル補強構造について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用サイドシル補強構造を示す斜視図である。
図2は、サイドシル2を示す分解斜視図である。
なお、図中のばつ印は、ガセット3のスポット溶接部の位置である。
前方延出部422の車幅方向内側の端には、前後方向に延びる前方フランジ422Aが設けられ、この前方フランジ422Aの車幅方向内側の面は、前方フランジ面422Dである。また、前方延出部422の下端には、前後方向に延びる下部フランジ422Bが設けられ、この下部フランジ422Bの下側の面は、下部フランジ面422Eである。
後方延出部423の車幅方向内側の端には、前後方向に延びる後方フランジ423Aが設けられ、この後方フランジ423Aの車幅方向内側の面は、後方フランジ面423Dである。また、後方延出部423の下端には、前後方向に延びる下部フランジ423Bが設けられ、この下部フランジ423Bの下側の面は、下部フランジ面423Eである。
図4は、サイドシル2の内部を示す分解斜視図である。
図5は、図1中の線III−III断面を示す断面図である。
前壁部33及び後壁部34の上方の端には、それぞれ、車両前後方向に延びる上部フランジ332A,342Aが設けられている。これら上部フランジ332A,342Aの上方の面は、ガセット接合面332D,342Dである。
これにより、ガセット3の底部31、背部32、前壁部33、及び後壁部34と、サイドシルレインフォースメント22の上側延出部222及び側壁部221と、で包囲された略立方体形状の袋状部23が、サイドシル2の上面内側に形成される。
図6は、図1中の線III−III断面の側面衝突による変形を示す断面図である。
したがって、側面衝突時の初期において、下側延出部223の変形により衝突エネルギーを吸収する一方で、側壁部221及び上側延出部222の変形は小さく抑えられ、これにより、センターピラー4の変形は小さく抑えられている。
これにより、側面衝突時の初期において、サイドシル2下部の断面は変形して衝突エネルギーを吸収し、サイドシル2上部の断面はサイドシル2下部ほど変形せず、高い剛性を維持する。そのため、高い剛性を維持しつつ、衝突エネルギーある程度吸収できるから、サイドシル2上部に結合されるセンターピラー4の変形を抑制できる。
したがって、センターピラースチフナ42、サイドシルレインフォースメント22、及びガセット3を同時に溶接できる。これにより、車両の製造効率を向上できる。
これにより、サイドシルインナ21及びサイドシルレインフォースメント22が、それぞれの上部フランジ212A,222Aで下方に屈曲するのを抑制できる。
以下、本発明の第2実施形態に係る車両用サイドシル補強構造について、図面を参照して説明する。
なお、以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第2実施形態では、ガセット103の構成が第1実施形態と異なる。
図8は、ガセット103を示す斜視図である。
本実施形態の車両用サイドシル補強構造において、ガセット103は、背部32の上方の端から車幅方向外側へ傾斜して延びる上方延出部135を、さらに備える。上方延出部135の上端には、上方へ延びる上部フランジ451Aが設けられている。この上部フランジ451Aの車幅方向内側の面はガセット接合面451Dであり、車幅方向外側の面はガセット接合面451Eである。
図10は、図7中の線IV−IV断面の断面図である。
ガセット103は、図9及び図10に示すように、サイドシルレインフォースメント22の上面内側に袋状部123を形成するように設けられる。具体的には、ガセット103のガセット接合面332D,342D、及びガセット接合面311D,331D,341Dを、それぞれ、サイドシルレインフォースメント22の上側延出部222及び側壁部221の内側の面に合わせた状態で溶接するとともに、ガセット接合面451Eをサイドシルレインフォースメント22の上部フランジ面222Dの車幅方向内側にオフセットされた面に配置することにより、ガセット103は、サイドシルレインフォースメント22の内側に設けられる。
車両101の側部に他の車両が衝突した場合には、この衝突による衝撃荷重は、センターピラー4のうちサイドシル102の上方の領域に、車両方向内側(図6中白抜き矢印の方向)に向かって作用する。この衝撃荷重は、センターピラー4を介して、その下端に結合されたサイドシル102にも作用し、図11に示すようにセンターピラー4及びサイドシル102の断面が変形すると想定される。
2 サイドシル(フレーム)
21 サイドシルインナ(サイドシルインナ)
212A 上部フランジ
22 サイドシルレインフォースメント(補強部材)
222A 上部フランジ
23 袋状部(袋状部)
3 ガセット(ガセット)
4 センターピラー(センターピラー)
41 センターピラーインナ
42 センターピラースチフナ(センターピラーのスチフナ)
Claims (3)
- 車両前後に延びる閉断面フレームをサイドシルインナと補強部材とで形成し、センターピラー下方の当該フレーム内部にガセットを設け、
前記フレームは、略コ字断面のサイドシルインナのフランジと、略コ字断面の補強部材のフランジと、を溶接して形成され、
前記ガセットは、前記補強部材の上面内側に袋状部を形成するように設けられることを特徴とする車両用サイドシル構造。 - 前記補強部材の上部には、センターピラーが結合され、
前記センターピラーのスチフナ、前記補強部材、及び前記ガセットの接合範囲は、重なっていることを特徴とする請求項1記載の車両用サイドシル構造。 - 前記ガセットの車幅方向内側の端末は、前記サイドシルインナ及び前記補強部材のフランジより、車幅方向内側に位置することを特徴とする請求項1または2記載の車両用サイドシル構造。
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