JP2007196491A - スラッシュ成形表皮材、その製造方法及びウレタン一体発泡成形品 - Google Patents

スラッシュ成形表皮材、その製造方法及びウレタン一体発泡成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物が原因となる表皮材の劣化を防止するとともに、揮発性有機化合物の飛散防止対策を確実に行い、かつ品質が優れた3層構造のウレタン一体発泡成形品を提供する。
【解決手段】樹脂製表皮材3と基材5との間にウレタン発泡体7が一体に成形されたパネル構成部材1において、表皮材3は、ウレタン発泡体7内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する粒状のキャッチャー材13が一部露出するように裏面に直接に埋設されたスラッシュ成形表皮材である。表皮材3から露出するキャッチャー材13の露出部分はウレタン発泡体7と直接に接触している。
【選択図】図1

Description

この発明は、スラッシュ成形表皮材、その製造方法及び上記スラッシュ成形表皮材を用いたウレタン一体発泡成形品の改良に関し、特にウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物の飛散防止対策に関するものである。
ウレタン一体発泡成形品として、樹脂製表皮材と基材との間にウレタン発泡体が一体に成形された3層構造の車両用インストルメントパネルがある。このような3層構造のインストルメントパネルでは、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物が表皮材に移行することにより、該表皮材が劣化して外観を損ねる。このため、基材にガス抜き孔を多数貫通形成することにより、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を上記各ガス抜き孔から外部に放出して揮発性有機化合物の表皮材への移行を減少させ、表皮材の劣化を抑制して品質の向上を図るようにしている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記のインストルメントパネルでは、表皮材の劣化を避けることができるものの、揮発性有機化合物がウレタン発泡体から車室内に飛散し、シックハウス症候群や化学物質過敏症等の健康障害を引き起こすことになる。このような問題は、ウレタン一体発泡成形品が特許文献1のような構造である限り、インストルメントパネル等の車両用内装品以外の例えば、建築物の建築材料に適用した場合においても同様に起こり得る。
一方、アミン類等からなるキャッチャー材を表面に塗布した軟質ポリウレタンフォームからなるシート用パッドや、上記キャッチャー材を添加した発泡ウレタン原料を成形型に注入して発泡成形した軟質ポリウレタンフォームからなるシート用パッドが知られている。これらパッドによれば、パッド内で発生した揮発性有機化合物を外部に飛散しないようにキャッチャー材で捕捉することができ、シックハウス症候群や化学物質過敏症等の健康障害をなくすことができるとしている(例えば、特許文献2参照)。
また、上記の特許文献1のような3層構造のインストルメントパネルに用いられる表皮材は、例えばスラッシュ成形により成形される(例えば、特許文献3参照)。
特許第3205671号公報(第2頁、図2) 特開2005−124743号公報(第3,5頁) 特開平7−96531号公報(第3,4頁、図1,4〜6)
ところで、特許文献1の如き3層構造のウレタン一体発泡成形品に特許文献2の如きキャッチャー材を適用することが考えられるが、特許文献1では、表皮材と基材との間で発泡ウレタン原料を発泡させてウレタン発泡体を成形しているため、成形されたウレタン発泡体は表皮材及び基材と一体に接合していて、最早、ウレタン発泡体表面にキャッチャー材を塗布することができず、特許文献2の前者の手法は採用できない。
一方、特許文献2の後者における発泡ウレタン原料にキャッチャー材を添加する手法は、キャッチャー材が発泡ウレタン原料とは異質な材料であるため、発泡ウレタン原料の発泡を阻害してウレタン発泡体を期待通りの硬度に成形することができず、品質が低下する。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物が原因となる表皮材の劣化を防止するとともに、揮発性有機化合物の飛散防止対策を確実に行い、かつ品質が優れた3層構造のウレタン一体発泡成形品を提供することである。
上記の目的を達成するため、この発明は、表皮材として特許文献3のようなスラッシュ成形表皮材を採用し、かつキャッチャー材の用い方に工夫を凝らしてウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を外部に飛散しないように捕捉するようにしたことを特徴とする。
具体的には、請求項1に記載の発明は、スラッシュ成形表皮材に関するものであり、その解決手段は、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する粒状のキャッチャー材が一部露出するように裏面に直接に埋設されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、加熱されたスラッシュ成形型の成形面に粉体樹脂原料を供給して付着溶融させて溶融樹脂層を形成し、該溶融樹脂層を冷却硬化することで表皮材をスラッシュ成形するスラッシュ成形表皮材の製造方法に関するものであり、その解決手段は、上記スラッシュ成形型の成形面に上記溶融樹脂層が形成された段階で、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する粒状のキャッチャー材を溶融樹脂層に一部露出するように埋設し、該溶融樹脂層を冷却硬化することで上記キャッチャー材が一部露出するように裏面に直接に埋設されたスラッシュ成形表皮材を得ることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、樹脂製表皮材と基材との間にウレタン発泡体が一体に成形されたウレタン一体発泡成形品に関するものであり、その解決手段は、上記表皮材は、請求項1に記載のスラッシュ成形表皮材であり、該表皮材から露出するキャッチャー材の露出部分が上記ウレタン発泡体と直接に接触していることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、表皮材でウレタン発泡体を覆うと、上記表皮材から露出するキャッチャー材の露出部分が上記ウレタン発泡体に直接に接触するので、該ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を効率良く捕捉することができる。
請求項2に係る発明によれば、スラッシュ成形中に、つまりスラッシュ成形型の成形面に供給されて付着溶融した粉体樹脂原料からなる溶融樹脂層が硬化する前段階で、キャッチャー材を上記溶融樹脂層に一部露出するように埋設するだけでよく、よって、接着剤や粘着剤を用いてキャッチャー材を表皮材裏面に付着させる必要がなく、キャッチャー材が裏面に一部露出した表皮材を容易に得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を表皮材から露出するキャッチャー材の露出部分で効率良く捕捉してウレタン一体発泡成形品の外部に飛散しないようにすることにより、揮発性有機化合物による表皮材の劣化を防止することができるとともに、シックハウス症候群や化学物質過敏症等の健康障害をなくすことができる。また、キャッチャー材を予め表皮材に埋設しているので、特許文献2の如き発泡ウレタン原料に添加したキャッチャー材が発泡ウレタン原料の発泡を阻害するといったことがなく、期待通りの硬度を有する品質が優れた3層構造のウレタン一体発泡成形品とすることができる。さらに、キャッチャー材が粒状で、つまり揮発性有機化合物を捕捉する有機化合物等の集合体で平均粒径が大きく、1個当たりの揮発性有機化合物の捕捉量が多くなって揮発性有機化合物の捕捉機能を長期間に亘って確保することができる。加えて、キャッチャー材はウレタン一体発泡成形品を製造した後だけでなく、ウレタン一体発泡成形品の製造中においても、発泡ウレタン原料の発泡過程で発生する揮発性有機化合物を捕捉するので、揮発性有機化合物の工場内への飛散を低減して良好な作業環境を維持することができる。
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図2は車両用インストルメントパネルにおけるアッパパネルの右側半分を構成するパネル構成部材1を示し、このパネル構成部材1が実施形態に係るウレタン一体発泡成形品である。
上記パネル構成部材1は、図1に示すように、パネル構成部材1の表側を構成する樹脂製表皮材3と、パネル構成部材1の裏側を構成する樹脂製基材5とが断面略平行に配置されており、これら表皮材3と基材5との間にウレタン発泡体7が一体に成形されている。上記表皮材3は、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、TPO(サーモプラスチックオレフィン)、TPU(サーモプラスチックウレタン)等の樹脂材でスラッシュ成形されたものである。上記基材5は、例えばPP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の樹脂材で射出成形されたものである。上記ウレタン発泡体7は、独立発泡と連通発泡とが約半分ずつ分布する半硬質構造である。
上記表皮材3の表皮材端末3aは基材5側に全周に亘って略直角に折れ曲がって形成されている。一方、上記基材5の基材端末5aには表皮材3側に開口する凹部5bが全周に亘って形成されている。この凹部5bの外側縦壁5c内面に上記表皮材端末3a表面が内側から密着し、ウレタン発泡体7端末の表皮材3と基材5とによるシール箇所を構成している。さらに、上記基材5の略中央部には表皮材3と基材5との間に発泡ウレタン原料を注入するための原料注入口9が形成され、該原料注入口9は基材5裏面側からシール材11が貼り付けられて閉塞されている。
上記表皮材3の裏面(ウレタン発泡体7側の面)には、ウレタン発泡体7内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する粒状のキャッチャー材13が一部露出するように直接に埋設され、表皮材3から露出するキャッチャー材13の露出部分が上記ウレタン発泡体7と直接に接触している。このことがこの発明の最大の特徴である。
上記キャッチャー材13は、上記揮発性有機化合物を捕捉する有機化合物の集合体で構成されている。上記キャッチャー材13を構成する有機化合物としては、ホリムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物を捕捉するものであれば特に限定されず、アミン類、イミン類、アミジン類、アミド類、カルバイド類、ヒドラジド類、アゾール類、アジン類、アミノ酸類等のような含窒素有機化合物を用いることが好ましいが、活性炭やシリカゲルのように揮発性有機化合物を物理的に捕捉する材料を用いることもでき、また、このような物理的捕捉材と含窒素有機化合物とを併用することもできる。しかし、これらに限定されない。そして、これら揮発性有機化合物を捕捉する有機化合物等を例えばアクリル樹脂やウレタン樹脂をバインダーとして、平均粒径5〜50μmの粒状に集合させてキャッチャー材13とする。キャッチャー材13の平均粒径を5〜50μmにしているのは、表皮材3表面から触った際に違和感がないようにするためである。また、キャッチャー材13が大きくなると、これに比例して表皮材3中に含まれる可塑剤がキャッチャー材13に多く吸収されて表皮材3が硬くなるので、これを防止する観点からも上記の平均粒径が望ましい。
次に、上述の如く構成された表皮材3の製造方法、及び該表皮材3を用いたパネル構成部材1の製造方法を図3〜14を参照しつつ説明する。以下に括弧書で付した番号は製造工程の順番を示す。
まず、表皮材3の製造方法について説明する。
(1) 図3に示すように、スラッシュ成形型15を成形面17が下になるようにして上下の加熱ヒータ19間に搬入し、例えば220℃に加熱する。
(2) 図4に示すように、上記加熱されたスラッシュ成形型15を成形面17が下になるようにした状態で、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、TPO(サーモプラスチックオレフィン)、TPU(サーモプラスチックウレタン)等の粉体樹脂原料R1が収容された原料収容ボックス21の開口端縁にスラッシュ成形型15の成形面17側外周縁を当接させてスラッシュ成形型15を原料収容ボックス21にセットし、該原料収容ボックス21側に設けられた図示しないクランプ治具で上記スラッシュ成形型15の外周を挟持して、スラッシュ成形型15と原料収容ボックス21との合わせ面をシール材23でシールする。
(3) 図5に示すように、回転軸25を図示しない回転装置によって回転させることにより、上記原料収容ボックス21を上下方向に180°反転させ、原料収容ボックス21内に収容された粉体樹脂原料R1を上記スラッシュ成形型15の成形面17に供給して付着させる。図5において成形面17に接近して沿う密集した点々は、粉体樹脂原料R1がスラッシュ成形型15の成形面17に付着している状態を示す。成形面17に付着した粉体樹脂原料R1が型温により加熱溶融して溶融樹脂層R2(図6参照)が形成され始める。その後、図6に示すように、原料収容ボックス21を上下方向に180°反転させて元の姿勢に戻し、余剰の粉体樹脂原料R1を原料収容ボックス21内に落下させて回収する。そして、スラッシュ成形型15を原料収容ボックス21から取り外し、再加熱して成形面17に付着した未溶融の粉体樹脂原料R1を完全に溶融させる。
(4−1) 図7に示すように、スラッシュ成形型15を型温が150℃〜190℃の間に成形面17が下になるようにした状態で、キャッチャー材収容ボックス27の開口端縁にスラッシュ成形型15の成形面17側外周縁を当接させてスラッシュ成形型15をキャッチャー材収容ボックス27にセットし、該キャッチャー材収容ボックス27側に設けられた図示しないクランプ治具で上記スラッシュ成形型15の外周を挟持して、スラッシュ成形型15とキャッチャー材収容ボックス27との合わせ面をシール材29でシールする。上記キャッチャー材収容ボックス27内には、ウレタン発泡体7内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する粒状のキャッチャー材13(その種類は表皮材3の構成のところで既述している)がメッシュ状の仕切部材31で下方に落下しないように支持されて収容されている。
(5−1) 図8に示すように、キャッチャー材収容ボックス27内に加圧エアを図示しないエア加圧源から配管33を経て導入し、キャッチャー材13を吹き上げてスラッシュ成形型15の成形面17上の溶融樹脂層R2に付着させる。この間、キャッチャー材収容ボックス27内に導入された加圧エアは、メッシュ状物35で覆われたエア排出口37から外部に排出される。キャッチャー材13が溶融樹脂層R2に十分に付着してその一部が露出するように溶融樹脂層R2に埋設されると、エア加圧源を停止して加圧エアの導入を停止する。これにより、キャッチャー材13の吹き上げが終了し、今まで吹き上げられていたキャッチャー材13が仕切部材31上に落下する。
上記の(4−1)及び(5−1)の製造工程の代わりに、以下の(4−2)及び(5−2)の製造工程を採用してもよい。すなわち、
(4−2) 上記の(3)の製造工程後、スラッシュ成形型15を原料収容ボックス21から取り外し、図9に示すように、スラッシュ成形型15を型温が150℃〜190℃の間に成形面17が下になるようにした状態で、上記の(4−1)及び(5−1)の製造工程で使用したキャッチャー材収容ボックス27とは別のキャッチャー材収容ボックス39の開口端縁にスラッシュ成形型15の成形面17側外周縁を当接させてスラッシュ成形型15をキャッチャー材収容ボックス39にセットし、該キャッチャー材収容ボックス39側に設けられた図示しないクランプ治具で上記スラッシュ成形型15の外周を挟持して、スラッシュ成形型15とキャッチャー材収容ボックス39との合わせ面をシール材41でシールする。上記キャッチャー材収容ボックス39内には、ウレタン発泡体7内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する既述の粒状のキャッチャー材13が収容され、キャッチャー材収容ボックス39の開口はキャッチャー材13が通過可能なメッシュ状の仕切部材43で覆われている。
(5−2) 図10に示すように、回転軸45を図示しない回転装置によって回転させることにより、キャッチャー材収容ボックス39を加振しながら上下方向に180°反転させ、キャッチャー材13を仕切部材43から振るい落としてスラッシュ成形型15の成形面17上の溶融樹脂層R2に付着させる。その後、図11に示すように、キャッチャー材収容ボックス39を上下方向に180°反転させて元の姿勢に戻す。溶融樹脂層R2に対するキャッチャー材13の付着が完了すると、溶融樹脂層R2にはキャッチャー材13が一部露出するように埋設されている。
上述の如く二通りのやり方のいずれかで溶融樹脂層R2にキャッチャー材13が一部露出するように埋設されると、以下の製造工程に移る。すなわち、
(6) スラッシュ成形型15をキャッチャー材収容ボックス39から取り外してエアの吹付けにより冷却し、溶融樹脂層R2を硬化させる。これにより、図12に示すように、表皮材3がスラッシュ成形される。この表皮材3の裏面にはキャッチャー材13が一部露出するように直接に埋設されている。スラッシュ成形型15の成形面17外周縁寄りには、環状の突条17aが突設されており、上記表皮材3は突条17aで囲まれる内側部分が製品部分であり、不要部分である外側部分3bを手で引っ張って表皮材3をスラッシュ成形型15から脱型した後、上記外側部分3bを突条17aに対応する薄肉部から切除し、製品部分を以下に述べるパネル構成部材1の製造に供する。
このように、表皮材3の裏面にキャッチャー材13を一部露出するように直接に埋設しているので、この表皮材3でウレタン発泡体を覆うことで、表皮材3から露出するキャッチャー材13の露出部分を上記ウレタン発泡体に直接に接触させることができ、該ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物の捕捉を効率良く行うことができる。
また、上記の二通りの製造方法では、スラッシュ成形型15の成形面17に付着している溶融樹脂層R2が硬化する前に、該溶融樹脂層R2にキャッチャー材13を一部露出するように埋設するだけでよいので、キャッチャー材13を接着剤や粘着剤で表皮材3裏面に付着させずに済み、キャッチャー材13が裏面に一部露出した表皮材3の製造を容易に行うことができる。
次に、パネル構成部材1の製造方法について説明する。
(7) 図13に示すように、成形型47の上型49をヒンジ軸51回りに上方に回動させて成形型47を型開きし、この状態で、上述の如くしてキャッチャー材13が一部露出するように裏面に直接に埋設されて成形された表皮材3をキャッチャー材13露出面(ウレタン発泡体7側となる面)が上を向くようにして、成形型47のベース53上に設けられた下型55のセット面55aにセットする。一方、予め所定の形状に成形された基材5をウレタン発泡体7側となる面が外側に向くように上記上型49のセット面49aに図示しないクランプ装置でクランプ保持してセットする。このセット状態で、図外の注入装置に接続された注入ノズル57が基材5の原料注入口9に挿入されている。また、上記上型49は支持プレート59に油圧シリンダ61で移動可能に支持され、この段階では上記油圧シリンダ61は収縮作動していて上型49は支持プレート59に接近している。
(8) 上型49をヒンジ軸51回りに下方に回動させて下型55上方に接近対応させた後、図14に示すように、油圧シリンダ61を伸長作動させて上記上型49を下降させて成形型47を型閉じし、基材端末5aにおける凹部5bの外側縦壁5c内面に表皮材端末3a表面を内側から密着させて当該箇所をシールする。その後、上型49から延びるアーム63先端のフック65を下型55から延びるアーム67先端のストライカ69に係合させ、成形型47の型閉じ状態を保持する。この状態で、注入装置から発泡ウレタン原料を注入ノズル57及び基材5の原料注入口9を経て成形型47内の表皮材3と基材5との間の空間に注入し、表皮材3と基材5との間にウレタン発泡体7が一体に成形されたパネル構成部材1を得る。このパネル構成部材1のウレタン発泡体7は、図1に示すように、表皮材3から露出するキャッチャー材13の露出部分と直接に接触している。
このようにして製造されたパネル構成部材1では、ウレタン発泡体7内で発生した揮発性有機化合物をパネル構成部材1の外部に飛散しないようにキャッチャー材13の露出部分で効率良く捕捉することができ、揮発性有機化合物による表皮材3の劣化防止、及びシックハウス症候群や化学物質過敏症等の健康障害の防止を達成することができる。
また、キャッチャー材13を予め表皮材3に埋設しているので、特許文献2のようにキャッチャー材を発泡ウレタン原料に添加した場合における発泡ウレタン原料の発泡阻害を防止でき、期待通りの硬度を有する品質が優れた3層構造のパネル構成部材1を製造することができる。
さらに、キャッチャー材13が揮発性有機化合物を捕捉する有機化合物等の集合体からなる粒状物で平均粒径が大きく、1個当たりの揮発性有機化合物の捕捉量が多くなって揮発性有機化合物の捕捉機能を長期間に亘って確保することができる。
加えて、表皮材端末3aの表面をウレタン発泡層7の発泡圧力で内側から基材端末5aの外側縦壁5c内面に押し付けて密着させているので、表皮材3と基材5とによるシール箇所の気密性を高めて、揮発性有機化合物のシール箇所からの飛散を確実に防止することができる。
さらにまた、キャッチャー材13はパネル構成部材1を製造した後だけでなく、パネル構成部材1の製造中においても、発泡ウレタン原料の発泡過程で発生する揮発性有機化合物を捕捉するので、揮発性有機化合物の工場内への飛散を低減して良好な作業環境を維持することができる。
なお、上記の実施形態では、スラッシュ成形表皮材3が単層である場合を示したが、2層構造であってもよく、この場合には、表皮材3の単価を低減する観点から、裏面側となる2層目を安価な汎用樹脂で成形することが望ましい。
また、上記の実施形態では、型閉じ状態で発泡ウレタン原料を成形型47に注入したが、型開き状態で発泡ウレタン原料を成形型47に注入してもよい。
さらに、上記の実施形態では、ウレタン一体発泡成形品がインストルメントパネルのパネル構成部材1である場合を示したが、コンソールボックスのリッドやドアトリム等の車両用内装品であってもよく、車両以外の建築材料やその他のウレタン一体発泡成形品にも適用することができる。
この発明は、建築材料や車両用内装品等に適用されるウレタン一体発泡成形品において、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物の飛散防止対策について有用である。
図2のI−I線における断面図である。 車両用インストルメントパネルにおけるアッパパネルの右側半分を構成するパネル構成部材(実施形態に係るウレタン一体発泡成形品)の平面図である。 スラッシュ成形型の加熱工程図である。 スラッシュ成形型を原料収容ボックスにセットした状態を示す工程図である。 図4の状態から原料収容ボックスを反転させてスラッシュ成形型の成形面に粉体樹脂原料を付着溶融させている状態を示す工程図である。 図5の状態から原料収容ボックスを元の姿勢に戻して粉体樹脂原料を原料収容ボックスに回収しスラッシュ成形型の成形面に表皮材となる溶融樹脂層が形成された状態を示す工程図である。 図6で溶融樹脂層が形成されたスラッシュ成形型をキャッチャー材収容ボックスにセットした状態を示す工程図である。 図7の状態からキャッチャー材を加圧エアで吹き上げて溶融樹脂層に一部露出するように埋設した状態を示す工程図である。 図6で溶融樹脂層が形成されたスラッシュ成形型を別のキャッチャー材収容ボックスにセットした状態を示す工程図である。 図9の状態からキャッチャー材収容ボックスを反転させてキャッチャー材を溶融樹脂層に付着させている状態を示す工程図である。 図10の状態からキャッチャー材収容ボックスを元の姿勢に戻し溶融樹脂層に対するキャッチャー材の付着が完了して溶融樹脂層にキャッチャー材が一部露出するように埋設された状態を示す工程図である。 表皮材をスラッシュ成形型から脱型している状態を示す工程図である。 型開き状態の成形型に表皮材及び基材をセットした状態を示す型図である。 成形されたパネル構成部材の脱型前の状態を示す型図である。
符号の説明
1 パネル構成部材(ウレタン一体発泡成形品)
3 表皮材
5 基材
7 ウレタン発泡体
13 キャッチャー材
15 スラッシュ成形型
17 成形面
R1 粉体樹脂原料
R2 溶融樹脂層

Claims (3)

  1. ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する粒状のキャッチャー材が一部露出するように裏面に直接に埋設されていることを特徴とするスラッシュ成形表皮材。
  2. 加熱されたスラッシュ成形型の成形面に粉体樹脂原料を供給して付着溶融させて溶融樹脂層を形成し、該溶融樹脂層を冷却硬化することで表皮材をスラッシュ成形するスラッシュ成形表皮材の製造方法であって、
    上記スラッシュ成形型の成形面に上記溶融樹脂層が形成された段階で、ウレタン発泡体内で発生した揮発性有機化合物を捕捉する粒状のキャッチャー材を溶融樹脂層に一部露出するように埋設し、該溶融樹脂層を冷却硬化することで上記キャッチャー材が一部露出するように裏面に直接に埋設されたスラッシュ成形表皮材を得ることを特徴とするスラッシュ成形表皮材の製造方法。
  3. 樹脂製表皮材と基材との間にウレタン発泡体が一体に成形されたウレタン一体発泡成形品であって、
    上記表皮材は、請求項1に記載のスラッシュ成形表皮材であり、
    該表皮材から露出するキャッチャー材の露出部分が上記ウレタン発泡体と直接に接触していることを特徴とするウレタン一体発泡成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107554298A (zh) * 2017-08-28 2018-01-09 国金汽车集团有限公司 一种搪塑发泡密封结构

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CN107554298A (zh) * 2017-08-28 2018-01-09 国金汽车集团有限公司 一种搪塑发泡密封结构

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