JP2009233994A - ティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法及び成形装置 - Google Patents

ティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】破断性能に優れたティアラインを有する表皮材を簡単にかつ安価に成形する。
【解決手段】所定温度に加熱されたスラッシュ成形型13が組み付けられた原料ボックスを反転させて熱可塑性粉体樹脂をスラッシュ成形型13の成形面13aに付着させる。原料ボックスを再度反転させて未溶融の熱可塑性粉体樹脂を原料ボックスに落下回収する。スラッシュ成形型13の成形面13aの付着樹脂R1が完全に溶融する前に、エアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応する付着樹脂R1にエア(温風)A1を噴射してその噴射圧で未溶融の熱可塑性粉体樹脂を吹き飛ばして線状の凹み7を形成する。成形面13aに残った付着樹脂R1を溶融させる。スラッシュ成形型13を原料ボックスから外して冷却し、溶融樹脂を硬化させることにより、ティアラインが形成された表皮材を得る。
【選択図】図5

Description

この発明は、熱可塑性粉体樹脂を成形原料としてティアライン付スラッシュ成形表皮材を成形する方法と、その成形に用いられる成形装置の改良に関し、詳しくはティアラインを精度良く形成する対策に関するものである。
特許文献1には、自動車用内装品としてのインストルメントパネルの表皮材をスラッシュ成形により成形する方法が開示されている。具体的には、遮蔽部材をエアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応するようにスラッシュ成形型の成形面に接近して対峙させ、この遮蔽部材配置箇所に対応する成形面への熱可塑性粉体樹脂の付着量を減らすことにより、成形された表皮材の当該箇所の肉厚を一般部よりも薄くしてシームレスタイプのエアバッグドア部を開けるためのティアラインを形成している。
特開2000−102938号公報(第3,4頁、図1,3)
しかし、上記の特許文献1では、ティアラインは、ライン幅が広いため破断箇所が一定せず、エアバッグの展開性能が低下する。
さりとて、表皮材成形後に熱刃やレーザにより線状のティアラインを形成すると、表皮材成形工程とは別にティアライン形成工程が必要で手間が掛かるとともに製作費が嵩む。
この発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、破断性能に優れたティアラインを有する表皮材を簡単にかつ安価に成形することである。
上記の目的を達成するため、この発明は、表皮材を成形する過程で線状のティアラインを形成することを特徴とし、具体的には、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1〜4に記載の発明は、ティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法に関するものであり、そのうち、請求項1に記載の発明は、まず、所定温度に加熱されたスラッシュ成形型を原料ボックスにその開口を覆うように組み付け、次いで、該原料ボックスを上下方向に反転させてその内部に収容されている熱可塑性粉体樹脂を上記スラッシュ成形型の成形面に付着させ、その後、上記原料ボックスを上下方向に再度反転させて未溶融の熱可塑性粉体樹脂を原料ボックスに落下回収し、しかる後、上記スラッシュ成形型の成形面の付着樹脂が完全に溶融する前に、エアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応する上記付着樹脂にエアを噴射してその噴射圧で未溶融の熱可塑性粉体樹脂を吹き飛ばして線状の凹みを形成した後、上記成形面に残った付着樹脂を溶融させ、その後、上記スラッシュ成形型を原料ボックスから外して冷却して溶融樹脂を硬化させることにより、ティアラインが形成された表皮材を得ることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、エアの噴出による未溶融の熱可塑性粉体樹脂の吹き飛ばしは、スラッシュ成形型を原料ボックスに組み付けた状態で行われることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、噴出されるエアは、温風であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、まず、所定温度に加熱されたスラッシュ成形型を原料ボックスにその開口を覆うように組み付け、次いで、該原料ボックスを上下方向に反転させてその内部に収容されている熱可塑性粉体樹脂を上記スラッシュ成形型の成形面に付着させ、その後、上記原料ボックスを上下方向に再度反転させて未溶融の熱可塑性粉体樹脂を原料ボックスに落下回収し、しかる後、上記スラッシュ成形型の成形面の付着樹脂が溶融した後、上記スラッシュ成形型を原料ボックスから外して冷却する過程で、エアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応する溶融樹脂に冷却エアを噴射してその噴射圧で溶融樹脂を押し退けて線状の凹みを形成し、該溶融樹脂を硬化させることにより、ティアラインが形成された表皮材を得ることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、ティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形装置であって、スラッシュ成形型と、該スラッシュ成形型が開口を覆うように結合分離可能に組み付けられる原料ボックスと、エアノズルを有し上記スラッシュ成形型が上記原料ボックスに組み付けられた状態で上記エアノズルの噴出口がエアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に沿うようにスラッシュ成形型の成形面に接近して対峙するエア噴出装置とを備え、該エア噴出装置は、所定温度に加熱されたスラッシュ成形型の成形面に付着した付着樹脂が完全に溶融する前に、エアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応する上記付着樹脂に上記エアノズルの噴出口からエアを噴出してその噴出圧で未溶融の熱可塑性粉体樹脂を吹き飛ばして線状の凹みを形成するように構成されていることを特徴とする。
請求項1,5に係る発明によれば、ティアラインは、エアの噴出により未溶融の熱可塑性粉体樹脂を吹き飛ばして形成された線状の凹みに対応して幅狭でシャープに形成されるため、エアバッグの膨張圧で精度良く速やかに破断してエアバッグの展開性能が向上する。また、ティアラインは、表皮材成形過程で形成されるため、表皮材成形後に熱刃やレーザによりティアラインを形成する場合に比べて簡単にかつ安価にティアラインを有する表皮材を成形できる。
加えて、請求項5に係る発明によれば、スラッシュ成形型を原料ボックスに組み付けると、エア噴出装置の噴出口がエアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に沿うようにスラッシュ成形型の成形面に接近して対峙するため、スラッシュ成形型の原料ボックスへの組付けとは別にエア噴出装置をセットする工程が不要で、作業性が向上する。
請求項2に係る発明によれば、スラッシュ成形型を原料ボックスに組み付けた状態で未溶融の熱可塑性粉体樹脂の吹き飛ばしが行われるため、吹き飛ばされた熱可塑性粉体樹脂は原料ボックスの外に飛散することなく原料ボックスの内部に回収され、熱可塑性粉体樹脂の無駄が解消されるとともに作業場の環境衛生が確保される。
請求項3に係る発明によれば、未溶融の熱可塑性粉体樹脂を温風で吹き飛ばすため、スラッシュ成形型の温度が下がり難く、成形サイクルが遅くならない。
請求項4に係る発明によれば、ティアラインは、冷却エアの噴出により溶融樹脂を押し退けて形成された線状の凹みに対応して幅狭でシャープに形成され、しかも、線状の凹みを形成する際、溶融樹脂が押し退けられることで凹み(ティアライン)の両側に厚肉部が線状に形成されるため、ティアラインの破断がその外側に及び難く、請求項1に比べてティアラインの破断性能が一段と向上してエアバッグの展開性能がさらに向上する。また、ティアラインは、請求項1と同様に、表皮材成形過程で形成されるため、表皮材成形後に熱刃やレーザによりティアラインを形成する場合に比べて簡単にかつ安価にティアラインを有する表皮材を成形できるこのことは請求項1と同様である。
以下、この発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図7は、自動車用内装品としてのインストルメントパネルのティアライン付スラッシュ成形表皮材1を示し、左ハンドル車用のものである。図7中、表皮材1右側の助手席前方領域には、衝突時にエアバッグ装置の作動により開くエアバッグドア部3が設けられ、該エアバッグドア部3には、ティアライン5が2つのY字を横向きにして左右対称に連結した形状に形成されている。
このような表皮材1は、図2及び図9に示すような成形装置11を用いてスラッシュ成形される。
この成形装置11は、表皮材1の形状に対応した成形面13aを有するスラッシュ成形型13と、上方が開口し外側方に張り出すフランジ部15aを有する略直方体形状の原料ボックス15とを備え、該原料ボックス15には、上記スラッシュ成形型13が開口を覆うように結合分離可能に組み付けられるようになっている。また、上記原料ボックス15には、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、TPO(サーモプラスチックオレフィン)、TPU(サーモプラスチックウレタン)等の熱可塑性粉体樹脂Rが収容されている(図2参照)。
上記原料ボックス15の短辺側の互いに対向する側面15bには、回転軸17が1つずつ突設され、これら回転軸17を図示しない回転装置によって回転させることにより、原料ボックス15を鉛直面内で上下方向に180°反転させるようになっている。また、上記原料ボックス15の側面外周りには、クランプ装置19が所定間隔をあけて複数個取り付けられている。このクランプ装置19は、上方に延びるピストンロッド21aを有する流体圧シリンダ21と、支軸23に軸支されたクランプ治具25とを備え、このクランプ治具25下端は、上記流体圧シリンダ21のピストンロッド21a先端に回動自在に連結され、上記クランプ治具25が流体圧シリンダ21の伸縮作動により支軸23回りに回動してクランプ・アンクランプ作動するようになっている。
上記原料ボックス15の内部には、エア噴出装置27がエアバッグドア部3のティアライン5形成予定箇所に対応するように図9で右側に偏って設置されている。具体的には、上記エア噴出装置27は、エアバッグドア部3のティアライン5に対応するように2つのY字を横向きにして左右対称に連結した形状のエアノズル29を有し、該エアノズル29は、原料ボックス15の底面15cに立設された5本のパイプ材からなる支柱31先端に取り付けられて支持されている。これら支柱31の内部は、中継ボックス33及びエア供給ホース35を介して図外のエア供給源に接続されている。
上記エアノズル29は、図5及び図10に示すように、断面略三角形に形成され、基端側内部には断面円形の第1エア通路37がエアノズル29の形状に沿って延びているとともに、先端側にも断面矩形の第2エア通路39がエアノズル29の形状に沿って延び、これら第1エア通路37及び第2エア通路39は、エアノズル29の形状に沿って間隔をあけて形成された複数個の連通孔41によって連通されている。
上記エアノズル29の先端には、ノズルプレート43がゴム製シート44を介在させて着脱可能に取り付けられている。該ノズルプレート43は、上面部43aと、該上面部43aの両側端縁から斜め下方に延びる一対の側面部43bとを備え、上記上面部43aには、上記第2エア通路39に通ずる多数の噴出口43cが互いに接近して穿設されている。一方、上記両側面部43bの下端縁には、複数の係止片部43dが所定間隔をあけて垂設され、該各係止片部43d下端には係止爪43eが形成されている。この係止爪43eを上記エアノズル29先端寄りの係止凹部29aに係止させることで、ノズルプレート43をエアノズル29の先端に着脱可能に取り付けるようにしている。
そして、所定温度に加熱されたスラッシュ成形型13をその成形面13aを下に向けた姿勢で、スラッシュ成形型13の成形面13aと空間を有するように該スラッシュ成形型13外周のフランジ部13bを原料ボックス15のフランジ部15aで当接支持して原料ボックス15の開口をスラッシュ成形型13で覆い、上記クランプ装置19のクランプ治具25でスラッシュ成形型13のフランジ部13bを挟持してスラッシュ成形型13を原料ボックス15に組み付ける。この組付け状態で、エア噴出装置27(エアノズル29)の噴出口43cがエアバッグドア部3のティアライン5形成予定箇所に沿うようにスラッシュ成形型13の成形面13aに接近して対峙するようになっている。上記エア噴出装置27は、スラッシュ成形型13の成形面13aに付着した付着樹脂R1が完全に溶融する前に、エアバッグドア部3のティアライン5形成予定箇所に対応する上記付着樹脂R1に上記エアノズル29の噴出口43cからエア(温風)を噴出してその噴出圧で未溶融の熱可塑性粉体樹脂Rを吹き飛ばして線状の凹み7を形成するようになっている(図5(b)参照)。
次に、上述の如く構成された成形装置11を用いてインストルメントパネルの表皮材1を成形する要領について図1〜図6を参照しつつ説明する。
まず、図1に示すように、スラッシュ成形型13を成形面13aを下に向けた姿勢で、加熱装置45の上下の加熱ヒータ47間に搬入して所定温度に加熱する。
次いで、図2に示すように、上記加熱したスラッシュ成形型13を加熱装置45から搬出して成形面13aを下に向けた姿勢で、そのフランジ部13bをスラッシュ成形型13の成形面13aと空間を有するようにTPO樹脂等の熱可塑性粉体樹脂Rが収容された原料ボックス15のフランジ部15aで当接支持して原料ボックス15の開口をスラッシュ成形型13で覆い、複数のクランプ装置19のクランプ治具25で上記スラッシュ成形型13のフランジ部13bを挟持してスラッシュ成形型13を原料ボックス15に組み付ける。
その後、図3に示すように、上記原料ボックス15の一対の回転軸17を図示しない回転装置によって回転させて原料ボックス15を上下方向に180°反転させ、その内部に収容されている熱可塑性粉体樹脂Rを上記スラッシュ成形型13の成形面13aに落下付着させる。
しかる後、図4に示すように、原料ボックス15を上下方向に再度180°反転させて元の姿勢に戻し、未溶融の熱可塑性粉体樹脂Rを原料ボックス15に落下回収し、上記スラッシュ成形型13の成形面13aの付着樹脂R1が完全に溶融する前に、図外のエア供給源からエア供給ホース35、中継ボックス33、支柱31、第1エア通路37、連通孔41及び第2エア通路39を介してエア(温風)A1を各噴出口43cに導入し、図5に示すように、エアバッグドア部3のティアライン5形成予定箇所に対応する上記付着樹脂R1にエア(温風)A1をエアノズル29の各噴出口43cから噴射してその噴射圧で未溶融の熱可塑性粉体樹脂Rを吹き飛ばして線状の凹み7を形成する。
その後、上記スラッシュ成形型13の成形面13aに残った付着樹脂R1を溶融させる。
次に、上記各クランプ装置19のクランプ治具25をアンクランプ作動させてスラッシュ成形型13を原料ボックス15から外し、図6に示すように、スラッシュ成形型13を成形面13aを下に向けた姿勢で冷却装置49に搬入し、複数の吹出ノズル51から冷却水Wを吹き出して上記スラッシュ成形型13を表側(反成形面側)から冷却してその成形面13aに付着している付着樹脂R1を硬化させる。これにより、ティアライン5が幅狭でシャープに形成された表皮材1を得る(図7及び図8参照)。
その後、スラッシュ成形型13を冷却装置49から搬出して表皮材1をスラッシュ成形型13の成形面13aから脱型し、次の成形に備える。上記脱型した表皮材1はインストルメントパネル成形工程に搬入され、金型にセットされてその裏面に基材が一体に成形され、インストルメントパネルが成形される。
このように、この実施形態1では、スラッシュ成形型13の成形面13aに付着している付着樹脂R1にエアノズル29の各噴出口43cからエア(温風)を噴射して未溶融の熱可塑性粉体樹脂Rを吹き飛ばすことにより、上記付着樹脂R1に線状の凹み7を形成し、該凹み7に対応してティアライン5を幅狭でシャープに形成するようにしたので、ティアライン5がエアバッグの膨張圧で精度良く速やかに破断してエアバッグの展開性能を向上させることができる。また、ティアライン5を表皮材成形過程で形成するので、表皮材成形後に熱刃やレーザによりティアライン5を形成する場合に比べて簡単にかつ安価にティアライン5を有する表皮材1を成形することができる。
加えて、この実施形態1では、スラッシュ成形型13を原料ボックス15に組み付けると、エア噴出装置27(吹出ノズル51)の噴出口43cがエアバッグドア部3のティアライン5形成予定箇所に沿うようにスラッシュ成形型13の成形面13aに接近して対峙するので、スラッシュ成形型13の原料ボックス15への組付けとは別にエア噴出装置27をセットする工程が不要で、作業性を向上させることができる。
さらに、この実施形態1では、スラッシュ成形型13を原料ボックス15に組み付けた状態で未溶融の熱可塑性粉体樹脂Rを吹き飛ばすので、吹き飛ばされた熱可塑性粉体樹脂Rを原料ボックス15の外に飛散することなく原料ボックス15の内部に無駄なく回収することができるとともに、作業場の環境悪化をなくすことができる。
また、この実施形態1では、未溶融の熱可塑性粉体樹脂Rをエア(温風)A1で吹き飛ばすので、スラッシュ成形型13の温度低下を抑えて成形サイクルを短縮することができる。
(実施形態2)
図11〜図18は実施形態2を示し、この実施形態2は、実施形態1と同様に、インストルメントパネルのエアバッグドア部3に2つのY字を横向きにして左右対称に連結した形状のティアライン5が形成された表皮材1をスラッシュ成形する方法であり、その成形に用いる成形装置11は、エア噴出装置27を原料ボックス15の内部に設けていない点で実施形態1と異なるが、そのほかは実施形態1と同様に構成されているので、同一の構成箇所には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。以下、表皮材1を成形する要領について説明する。
まず、図11に示すように、スラッシュ成形型13を成形面13aを下に向けた姿勢で、加熱装置45の上下の加熱ヒータ47間に搬入して所定温度に加熱する。
次いで、図12に示すように、上記加熱したスラッシュ成形型13を加熱装置45から搬出して成形面13aを下に向けた姿勢で、そのフランジ部13bをスラッシュ成形型13の成形面13aと空間を有するようにTPO樹脂等の熱可塑性粉体樹脂Rが収容された原料ボックス15のフランジ部15aで当接支持して原料ボックス15の開口をスラッシュ成形型13で覆い、複数のクランプ装置19のクランプ治具25で上記スラッシュ成形型13のフランジ部13bを挟持してスラッシュ成形型13を原料ボックス15に組み付ける。
その後、図13に示すように、上記原料ボックス15の一対の回転軸17を図示しない回転装置によって回転させて原料ボックス15を上下方向に180°反転させ、その内部に収容されている熱可塑性粉体樹脂Rを上記スラッシュ成形型13の成形面13aに落下付着させる。
しかる後、図14に示すように、原料ボックス15を上下方向に再度180°反転させて元の姿勢に戻し、未溶融の熱可塑性粉体樹脂Rを原料ボックス15に落下回収し、上記スラッシュ成形型13の成形面13aの付着樹脂R1が溶融した後、上記各クランプ装置19のクランプ治具25をアンクランプ作動させてスラッシュ成形型13を原料ボックス15から外し、図15〜図17に示すように、スラッシュ成形型13を成形面13aを下に向けた姿勢で冷却装置49に搬入するとともに、エア噴出装置27をエアバッグドア部3のティアライン5形成予定箇所に対応するように上記スラッシュ成形型13の下方に対応配置する。ここで、複数の吹出ノズル51から冷却水Wを吹き出して上記スラッシュ成形型13を表側(反成形面側)から冷却する。この冷却過程で、図外のエア供給源からエア供給ホース35、中継ボックス33、支柱31、第1エア通路37、連通孔41及び第2エア通路39を介して冷却エアA2を各噴出口43cに導入し、図16に示すように、エアバッグドア部3のティアライン5形成予定箇所に対応する溶融樹脂R2に冷却エアA2を噴射してその噴射圧で溶融樹脂R2を押し退けて線状の凹み7を形成し、該溶融樹脂R2を硬化させる。これにより、ティアライン5が幅狭でシャープに形成された表皮材1を得る。このティアライン5(凹み7)の両側には、溶融樹脂R2が押し退けられることで厚肉部9が線状に形成されている(図18参照)。
その後、スラッシュ成形型13を冷却装置49から搬出して表皮材1をスラッシュ成形型13の成形面13aから脱型し、次の成形に備える。上記脱型した表皮材1はインストルメントパネル成形工程に搬入され、金型にセットされてその裏面に基材が一体に成形され、インストルメントパネルが成形される。
このように、この実施形態2では、スラッシュ成形型13の成形面13aに付着している溶融樹脂R2にエアノズル29の各噴出口43cから冷却エアA2を噴射して溶融樹脂R2を押し退けることにより、上記溶融樹脂R2に線状の凹み7を形成し、該凹み7に対応してティアライン5を幅狭でシャープに形成するようにした。しかも、凹み7(ティアライン5)の両側に溶融樹脂R2が押し退けられることで厚肉部9を線状に形成するようにしたので、ティアライン5の破断がその外側に及び難く、実施形態1に比べてティアライン5の破断性能が一段と向上してエアバッグの展開性能をさらに向上させることができる。また、ティアライン5は、実施形態1と同様に、表皮材成形過程で形成されるため、表皮材成形後に熱刃やレーザによりティアラインを形成する場合に比べて簡単にかつ安価にティアライン5を有する表皮材1を成形することができる。
なお、実施形態1及び実施形態2において、スラッシュ成形型13を原料ボックス15から外した後で、かつ冷却工程に搬入する前に、スラッシュ成形型13の成形面13aに付着している樹脂の溶融を促進するために、スラッシュ成形型13を再加熱工程に搬入してもよい。
この発明は、熱可塑性粉体樹脂を成形原料としてティアライン付スラッシュ成形表皮材を成形する方法と、その成形に用いられる成形装置について有用である。
実施形態1に係る成形方法において、スラッシュ成形型を加熱装置に搬入して加熱している状態を示す加熱工程図である。 実施形態1に係る成形方法において、スラッシュ成形型を原料ボックスに組み付けた状態を示す組付工程図である。 実施形態1に係る成形方法において、図2の状態から原料ボックスを反転させてスラッシュ成形型の成形面に熱可塑性粉体樹脂を落下供給した状態を示す供給工程図である。 実施形態1に係る成形方法において、図3の状態から原料ボックスを元の姿勢に戻して未溶融の熱可塑性粉体樹脂を原料ボックスに落下回収した状態を示す回収工程図である。 実施形態1に係る成形方法に用いたエア噴出装置のエアノズル先端部分を拡大して示す断面図であり、(a)はエア噴出前の状態、(b)はエアを噴出してティアラインを形成している状態である。 実施形態1に係る成形方法においてスラッシュ成形型を冷却装置に搬入して冷却している状態を示す冷却工程図である。 実施形態1に係る成形方法によりスラッシュ成形された表皮材の斜視図である。 図7のVIII−VIII線における断面図である。 実施形態1に係る成形装置の原料ボックスの斜視図である。 実施形態1に係る成形装置のエアノズル部分を拡大して示す斜視図である。 実施形態2の図1相当図である。 実施形態2の図2相当図である。 実施形態2の図3相当図である。 実施形態2の図4相当図である。 実施形態2に係る成形方法においてエア噴出装置のエアノズルからエアを噴出してティアラインを形成している状態を示すティアライン形成工程図である。 実施形態2の図5相当図である。 実施形態2の図6相当図である。 実施形態2の図8相当図である。
符号の説明
1 表皮材
3 エアバッグドア部
5 ティアライン
7 凹み
13 スラッシュ成形型
13a 成形面
15 原料ボックス
27 エア噴出装置
29 エアノズル
43c 噴出口
A1 エア(温風)
A2 冷却エア
R 熱可塑性粉体樹脂
R1 付着樹脂
R2 溶融樹脂

Claims (5)

  1. 所定温度に加熱されたスラッシュ成形型を原料ボックスにその開口を覆うように組み付け、
    次いで、該原料ボックスを上下方向に反転させてその内部に収容されている熱可塑性粉体樹脂を上記スラッシュ成形型の成形面に付着させ、
    その後、上記原料ボックスを上下方向に再度反転させて未溶融の熱可塑性粉体樹脂を原料ボックスに落下回収し、
    しかる後、上記スラッシュ成形型の成形面の付着樹脂が完全に溶融する前に、エアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応する上記付着樹脂にエアを噴射してその噴射圧で未溶融の熱可塑性粉体樹脂を吹き飛ばして線状の凹みを形成した後、上記成形面に残った付着樹脂を溶融させ、
    その後、上記スラッシュ成形型を原料ボックスから外して冷却して溶融樹脂を硬化させることにより、ティアラインが形成された表皮材を得ることを特徴とするティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法。
  2. 請求項1に記載のティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法において、
    エアの噴出による未溶融の熱可塑性粉体樹脂の吹き飛ばしは、スラッシュ成形型を原料ボックスに組み付けた状態で行われることを特徴とするティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法。
  3. 請求項1又は2に記載のティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法において、
    噴出されるエアは、温風であることを特徴とするティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法。
  4. 所定温度に加熱されたスラッシュ成形型を原料ボックスにその開口を覆うように組み付け、
    次いで、該原料ボックスを上下方向に反転させてその内部に収容されている熱可塑性粉体樹脂を上記スラッシュ成形型の成形面に付着させ、
    その後、上記原料ボックスを上下方向に再度反転させて未溶融の熱可塑性粉体樹脂を原料ボックスに落下回収し、
    しかる後、上記スラッシュ成形型の成形面で付着樹脂が溶融した後、上記スラッシュ成形型を原料ボックスから外して冷却する過程で、エアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応する溶融樹脂に冷却エアを噴射してその噴射圧で溶融樹脂を押し退けて線状の凹みを形成し、該溶融樹脂を硬化させることにより、ティアラインが形成された表皮材を得ることを特徴とするティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形方法。
  5. スラッシュ成形型と、
    該スラッシュ成形型が開口を覆うように結合分離可能に組み付けられる原料ボックスと、
    エアノズルを有し上記スラッシュ成形型が上記原料ボックスに組み付けられた状態で上記エアノズルの噴出口がエアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に沿うようにスラッシュ成形型の成形面に接近して対峙するエア噴出装置とを備え、
    該エア噴出装置は、所定温度に加熱されたスラッシュ成形型の成形面に付着した付着樹脂が完全に溶融する前に、エアバッグドア部のティアライン形成予定箇所に対応する上記付着樹脂に上記エアノズルの噴出口からエアを噴出してその噴出圧で未溶融の熱可塑性粉体樹脂を吹き飛ばして線状の凹みを形成するように構成されていることを特徴とするティアライン付スラッシュ成形表皮材の成形装置。
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