JP5468484B2 - 自動車用内装品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車用内装品の製造方法に関するものであって、その中でも、特にインストルメントパネル、コンソールボックス、ドアトリム等の自動車用内装品の製造方法に関するものである。
一般にインストルメントパネル等の自動車用内装品は、硬質の芯材層と、ポリウレタン発泡体等からなる発泡層と、ポリ塩化ビニル等からなる表皮層とがこの順に積層された樹脂成形品により形成されている。当該樹脂成形品の製造方法としては、あらかじめ所定の形状に成形した表皮層と芯材層とをポリウレタン発泡成形型に装着した後、発泡ウレタン原料(ポリオールとポリイソシアネートの混合物)を注入することにより、成形されている(例えば、特許文献1)。なお、ポリウレタン発泡成形型には、図7に示すような、上型21と下型22とを有する成形型20が一般的に用いられる。まず、上型21と下型22に離型剤を塗布する(図7(a))。次に、上型21に硬質材料からなる芯材層2を、下型22にポリ塩化ビニル(PVC)からなる表皮層6をそれぞれ装着する(図7(b))。次に、型合わせを行い、この状態の成形型にポリオールとポリイソシアネートの混合物を注入し、成形型内で原料の反応を進めて発泡ウレタン樹脂を形成する(図7(c),(d))。最後に、樹脂成形品を離型する(図7(e))。このようにして、図8に示す積層構造を備え、芯材層2と表皮層6との間に発泡層3を有する樹脂成形品からなる自動車用内装品101が製造されている。なお、下型22に装着される表皮層6は、真空成形工法、パウダースラッシュ工法などの公知の方法により成形されている。
一方で、前記のような方法で製造された自動車用内装品においては、自動車使用時の太陽光や気温による熱などにより、表皮層(PVC)と発泡層(ポリウレタン)が劣化して硬化し、エアバッグ展開時に表皮層や発泡層が割れて飛散するという問題が指摘されている。劣化の原因としては、空気中の酸素による酸化、表皮層に含まれる可塑剤の発泡層への移行、発泡層中の残存触媒(3級アミン)の表皮層への移行、などが挙げられている。この課題を解決するために、特許文献2に開示された技術では、表皮層となる塩化ビニル系樹脂シートの裏面にプラスチックフィルムを貼り合わせることで対策を行っている。この技術によれば、表皮層と発泡層との間にプラスチックフィルムが介在し、両層が直接接触しない。そのため、可塑剤や残留触媒が隣接する層に移行することが阻止される。
特開2007−331144号公報 特開平5−50567号公報
しかし、インストルメントパネル等の自動車用内装品の表面は、3次元形状の曲面が多い。ここで、3次元形状の曲面が多い表皮の裏面にプラスチックフィルムを貼り合わせると、表皮とプラスチックフィルムとの間に気泡が封入されやすい。一旦、気泡が封入されてしまうと、自動車車内の熱により気泡が膨張して製品表面に凹凸ができるおそれがあり、見栄え、手触りともに悪化してしまうという問題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、前記プラスチックフィルムのようなバリア効果を備えつつ、3次元形状で曲面が多い自動車用内装品においても、気泡が封入されることがない自動車用内装品の製造方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、表皮層と芯材層を有すると共に、これらの層の間に発泡層を有する樹脂成形品からなる自動車用内装品の製造方法であって、前記樹脂成形品は、表皮層と発泡層との間に合成樹脂からなるバリア層をさらに有し、前記バリア層の原料となる樹脂原料を表皮層における発泡層側の面にコーティングし、表皮層上でバリア層を形成させる工程を包含し、前記樹脂原料は粉末であり、前記粉末を表皮層における発泡層側の面に付着させた後、加熱処理を行い、形成されたバリア層を表皮層に熱溶着させることを特徴とする自動車用内装品の製造方法である。
本発明は、表皮層と芯材層との間に発泡層を有する樹脂成形品からなる自動車用内装品の製造方法に係るものである。本発明では、製造される自動車用内装品(樹脂成形品)が、表皮層と発泡層との間に合成樹脂からなるバリア層をさらに有するものである。そして本発明の自動車用内装品の製造方法は、バリア層の原料となる樹脂原料を表皮層における発泡層側の面にコーティングし、表皮層上でバリア層を形成させる工程を包含する。本発明の自動車用内装品の製造方法では、表皮層上に樹脂原料をコーティングして表皮層上でバリア層を形成させるので、表皮層とバリア層との間に気泡が封入されることがなく、表皮層とバリア層とを一体化できる。それ故に、自動車車内の高温に晒されても、自動車用内装品の表面に気泡による膨れや凹凸が生じることがない。すなわち、本発明によれば、表面の平滑さが長期間にわたって維持できる自動車用内装品を製造することができる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、前記樹脂原料は粉末であり、前記粉末を表皮層における発泡層側の面に付着させた後、加熱処理を行い、形成されたバリア層を表皮層に熱溶着させる構成とする。
また、本発明に関連する発明として、前記樹脂原料は溶液状であり、前記樹脂原料を表皮層における発泡層側の面に塗布してバリア層を形成させる構成としてもよい
請求項に記載の発明は、前記バリア層を構成する合成樹脂は、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装品の製造方法である。
かかる構成によれば、特に優れたバリア機能を有するバリア層を形成することができる。
請求項1又は2に記載の自動車用内装品の製造方法において、表皮層は、ポリ塩化ビニルからなるものであることが好ましい(請求項)。
請求項1〜のいずれかに記載の自動車用内装品の製造方法において、発泡層は、ポリウレタン発泡体からなるものであることが好ましい(請求項)。
本発明の自動車用内装品の製造方法によれば、バリア層を表皮層上で形成するので、表皮層とバリア層との間に気泡が封入されることなく、表皮層とバリア層が一体化できる。そのため、自動車車内の高温に晒されても、自動車用内装品の表面に気泡による膨れや凹凸が生じることがなく、表面の平滑さが長期間にわたって維持できる自動車用内装品を製造することができる。
本発明で製造される自動車用内装品を構成する樹脂成形品の積層構造を示す断面図である。 表皮層形成工程で用いるスラッシュ成形工法の組み立て図である。 表皮層形成工程の説明図であり、(a)は表皮層形成工程の開始位置における図、(b)は(a)を時計回りに90度回転した図、(c)は(a)を時計回りに180度回転した図、(d)は(a)を時計回りに270度回転した図である。 バリア層形成工程の説明図であり、(a)はバリア層形成工程の開始位置における図、(b)は(a)を時計回りに90度回転した図、(c)は(a)を時計回りに180度回転した図、(d)は(a)を時計回りに270度回転した図である。 発泡層形成工程における表皮層とバリア層との一体層を成形型に装着した状態を示す説明図である。 本発明に関連する第2実施形態におけるバリア層の樹脂原料を表皮層に噴霧塗布する際の開始直後の状態を示す説明図である。 一体成形による自動車用内装品の製造工程を示す説明図であり、(a)は離型剤を塗布している図であり、(b)芯材層及び表皮層をそれぞれ装着している図であり、(c)は成形型を型合わせした図であり、(d)は発泡層を形成している図であり、(e)成形した樹脂成形品を離型している図である。 一般的な自動車用内装品を構成する樹脂成形品の積層構造を示す断面図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の自動車用内装品の製造方法で製造される自動車用内装品の構造から説明する。図1に示す自動車用内装品1は樹脂成形品であり、芯材層2、発泡層3、バリア層5、及び表皮層6がこの順に積層された構造を有している。すなわち、図8に示す一般的な自動車用内装品101の構造と比較すると、バリア層5をさらに備えている点が異なる。
芯材層2は、ABS樹脂やポリプロピレン(PP)等の樹脂からなるものであり、射出成形等を用いて成形されたものである。一部端部を除き、芯材層2の全面には発泡層3が積層されている。芯材層2の厚みは、例えば、0.5mm〜3.0mm程度である。
発泡層3は自動車用内装品1にクッション性を付与するものであり、ポリウレタン等の発泡樹脂からなる。発泡層3の全面にはバリア層5が積層されている。発泡層3は、例えば、比重が0.14〜0.20になるように一体成形を行うことにより形成することができる。発泡層3の厚みは、例えば、5.0mm〜8.0mm程度である。
バリア層5は、発泡層3と表皮層6との間に設けられている。バリア層5は、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール等からなる。バリア層5の厚みは1μm〜200μm程度であり、好ましくは10μm〜100μm程度、より好ましくは15μm〜50μm程度である。自動車用内装品1ではバリア層5が設けられているので、発泡層3と表皮層6とが直接接触することがない。
なお、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコールはともに酸素に対する高いガスバリア性を有しており、発泡層3の酸素による酸化、表皮層6に含まれる可塑剤の発泡層3への移行、発泡層3中の残存触媒(3級アミン)の表皮層6への移行、の防止に優れているので、バリア層5に特に好適である。なお、バリア層5の全面に表皮層6が一体化している。
表皮層6は自動車用内装品1の表面を構成するものであり、ポリ塩化ビニル(PVC)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、オレフィンエラストマー(TPO)等からなる。表面層6は、真空成形工法、パウダースラッシュ工法などの公知の方法により成形されている。表皮層6の厚みは、例えば、0.5mm〜1.5mm程度である。
なお、芯材層2のうち、発泡層3が全面に積層されていない部分は、自動車用内装品を車内に取り付けるための取り付け部となる。
続いて、本発明の自動車用内装品の製造方法の実施形態について説明する。
本発明の自動車用内装品の製造方法は、図1に即して説明すると、バリア層5の原料となる樹脂原料を表皮層6における発泡層3側の面にコーティングし、表皮層6上でバリア層5を形成させる工程を包含することを特徴としている。
バリア層5の原料となる樹脂原料の形状としては特に限定はなく、例えば、粉末や液体状のものを使用することができる。また、樹脂原料のコーティング方法としては特に限定はなく、樹脂原料の形状等によって適宜選択することができる。例えば、樹脂原料が粉末であれば、パウダースラッシュ工法を利用して表皮層6上に付着させることができる。一方、樹脂原料が液体状であれば、スプレー等を用いて表皮層6上に塗布することができる。
以下に、本発明による自動車用内装品1の製造方法の具体的手順の例について、説明する。第一の例(第一実施形態)では、バリア層5の樹脂原料として粉末のものを用い、パウダースラッシュ工法により表皮層6上に付着させる。
まず予め、芯材層2となる樹脂成形品と、表皮層6となる樹脂成形品をそれぞれ作製する。芯材層2の作製は公知の方法を用いることができ、例えば、液状のポリプロピレン(PP)やABS樹脂等を利用し、射出成形できる。
表皮層6の作製についても、前述したように、真空成形工法、パウダースラッシュ工法などの公知の方法により成形することができる。本実施形態では、表皮層6の作製にパウダースラッシュ工法を用いる。
表皮層6の形成工程(表皮層形成工程)について、図2〜3を参照しながら説明する。本工程では、あらかじめ加熱したパウダースラッシュ成形の金型に樹脂原料たるポリ塩化ビニル(PVC)の粉末を入れ、熱を加えながら回転させると、PVCが型に密着し、目的の形状の表皮層6が成形される。
具体的には、まず、目的の形状を内側に備えたニッケル電鋳型10を準備し、このニッケル電鋳型10の内側面を熱風により加熱することによって、昇温する。その後、図2に示すように、ニッケル電鋳型10の開口面に嵌合するように形成された表皮原料収容体11を準備し、この表皮原料収容体11に所定量の樹脂原料12(PVC)を収容する。続いて、ニッケル電鋳型10の開口部に向けて表皮原料収容体11を移動させ、表皮原料収容体11の上面部をニッケル電鋳型10の開口部に嵌合させることにより型締めを行う。
次に、図3(a)〜(d)に示すように、ニッケル電鋳型10と表皮原料収容体11とを型締めした状態で回転させる。これにより、加熱されたニッケル電鋳型10にPVCが接触し、加熱されて液状化する。その後、液状化したPVCがニッケル電鋳型10の内側面に融着する。このようにして、ニッケル電鋳型10の内側面に所定の厚みの表皮層6が形成される。その後、図3(a)に示すように、表皮原料収容体11が下側に位置するように配置し、粉末状態のPVCを表皮原料収容体11に落下させることによって、ニッケル電鋳型10の内側面に表皮層6だけが残るようにする。最後に、表皮原料収容体11をニッケル電鋳型10から取り外す。以上のようにして、表皮層6が得られる。
なお、本実施形態では表皮層6の原料として粉末のポリ塩化ビニル(PVC)を用いたが、熱可塑性ポリウレタン(TPU)やオレフィンエラストマー(TPO)等を用いてもよい。
次に、本発明の特徴であるバリア層5の形成工程(バリア層形成工程)を行う(図4(a)〜(d))。本工程でもパウダースラッシュ工法を採用する。すなわち、表皮層形成工程により作製された表皮層6の表面に、続いて、樹脂原料たる粉末状のエチレン−ビニルアルコール共重合体を付着させる。そして、熱を加えながら回転させることによって表皮層6の上にエチレン−ビニルアルコール共重合体が熱融着し、バリア層5が形成される。その後、冷却し、表皮層6とバリア層5の一体層を取り外す。
具体的には、図2と同様にして、ニッケル電鋳型10の開口面に嵌合するように形成されたバリア層原料収容体15を準備し、このバリア層原料収容体15に所定量の樹脂原料16(エチレン−ビニルアルコール共重合体)を収容する。そして、内側面に表皮層形成工程により作製された表皮層6を備えたニッケル電鋳型10の開口部に向けてバリア層原料収容体15を移動させ、バリア層原料収容体15の上面部をニッケル電鋳型10の開口部に嵌合させることにより型締めを行う。
続いて、図4(a)〜(d)に示すように、ニッケル電鋳型10とバリア層原料収容体15とを型締めした状態で回転させる。これにより、加熱状態の表皮層6の表面にエチレン−ビニルアルコール共重合体が付着し、粉末状のエチレン−ビニルアルコール共重合体が加熱されて液状化し、表皮層6の表面に融着し積層状態のバリア層5が形成される。その後、図4(a)に示すように、バリア層原料収容体15が下側に位置するようにニッケル電鋳型10の姿勢を設定し、粉末状態の樹脂原料16をバリア層原料収容体15に落下させることによって、ニッケル電鋳型10の内側面に表皮層6及びバリア層5だけが残るようにする。そして、バリア層原料収容体15をニッケル電鋳型10から取り外す。その後、冷却し、表皮層6とバリア層5の一体層を取り外す。以上のようして、表皮層6とバリア層5の一体層17が得られる。
なお、本実施形態ではバリア層5の樹脂原料として粉末状のエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いたが、粉末状のポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等を用いてもよい。
最後に、一体成形法により発泡層3を形成させる。本工程では、図7(a)〜(d)に示す公知の一体成形法をそのまま採用することができる。ただし、下型22には、表皮層6とバリア層5の一体層17を装着する。装着の方向は、図5に示すように、バリア層5が上型21に向く方向とする。
具体的には、成形型20に離型剤を塗布する。その後、上型21に芯材層形成工程によって形成した芯材層2を装着し、下型22にバリア層形成工程によって形成した表皮層6とバリア層5との一体層17を装着し、型合わせする(図5)。その後、この状態の成形型にポリオールとポリイソシアネートの混合物を注入し、成形型内で原料の反応を進めて発泡ウレタン樹脂を形成する。このようにして発泡層3が形成され、自動車用内装品1が完成する。
上記した第一実施形態では、バリア層5の樹脂原料として粉末のものを採用し、パウダースラッシュ工法にてバリア層5を形成させている。以下に説明する第二実施形態では、バリア層5の樹脂原料として液体状のものを用い、樹脂原料のコーティングをスプレー塗布により行う。
まず、第一実施形態と同様にして芯材層2と表皮層6を作製する。
次に、バリア層5の樹脂原料として、エチレン−ビニルアルコール共重合体を溶剤に溶かし、液体状の樹脂原料を調製する。この樹脂原料を表皮層6の表面にスプレー法により塗布する。そして、塗布した樹脂原料を乾燥させる。これにより、表皮層6上でエチレン−ビニルアルコール共重合体が硬化し、バリア層5が形成される。これにより表皮層6とバリア層5との一体層17が得られる。
具体的には、表皮層形成工程により作製された表皮層6を内側に有するニッケル電鋳型10の開口面に、液体状の樹脂原料18を吹き付ける(図6)。その後、加熱乾燥させ、表皮層6上に所定の厚さのバリア層5を形成する。その後、第一実施形態と同様にして、発泡層3を形成する。
なお、本実施形態ではバリア層5の樹脂原料としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を採用しているが、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等を用いてもよい。また本実施形態ではスプレー法によって樹脂原料を塗布しているが、ヘラ等によって直接塗布してもよい。
上記した実施形態ではパウダースラッシュ成形により表皮層6を成形しているが、真空成形工法を採用してもよい。例えば、板状のPVCに熱をかけて軟化させて、軟化したPVCを凸又は凹型に押さえつける。そして、PVCと型の間の空気を型側から吸引することで真空に近い状態を作り出す。すると、型にPVCが密着して、目的の形状の表皮層6が成形される。なお、この場合もPVC以外に、熱可塑性ポリウレタン(TPU)やオレフィンエラストマー(TPO)等を用いることができる。
上記した実施形態では、バリア層5が表皮層6あるいは発泡層3と直接接触している例を示したが、バリア層5と表皮層6との間やバリア層5と発泡層3との間に、別の層を介在させてもよい。
上記した実施形態では、バリア層5が1つの層からなる例を示したが、バリア層5は複数の層からなるものでもよい。
以下に、実施例をもって本発明及び本発明に関連する発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
上記した第一実施形態または第二実施形態の方法により、表皮層6とバリア層5の一体層17および自動車用内装品1を6種(実施例1〜6、表1参照)作製し、以下の試験に供した。
バリア層5を構成する樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、又はポリアクリロニトリル(PAN)を用いた。これらの樹脂原料として粉末または溶液状のものを用い、粉末の場合はパウダースラッシュ工法による熱溶着(熱溶着温度160〜240℃)、溶液状(溶剤:メタノールなど)の場合はスプレー塗布を行った。
バリア層5の膜厚は、10〜200μmの範囲から選択した。
表皮層6はポリ塩化ビニルからなるものを採用した。可塑剤としてトリメリット酸系の可塑剤を用いた。
発泡層3はポリウレタン発泡体からなるものを採用した。触媒としてTEDA等の第三級アミンを用いた。
芯材層2はポリプロピレンにタルクを20%添加した樹脂を用いた。
比較例として、バリア層5を設けない樹脂成形品からなる自動車用内装品を用いた。
加熱後(120℃、1000時間)の製品外観(気泡による凹凸の有無)および表皮層6の破断時の伸び率(%)、並びに、エアバック展開試験での飛散物の有無を調べた。各試験方法の詳細は以下のとおりとした。
〔膜厚測定〕
断面を顕微鏡で測定した。
〔伸び率測定〕
JIS K 6251に基づき測定を実施した。
加熱前(0時間)と加熱後(1000時間)について測定した。
測定結果を表1に記す。
Figure 0005468484
加熱時の外観について、実施例1〜6ではいずれも気泡による膨れや凹凸は観察されず、外観は良好であった。一方、比較例は表皮が収縮してテアラインが見え、そこから自然に表皮にひび割れが生じた。
伸び率について、比較例では加熱前(0時間)の伸び率が319%、加熱後(1000時間)の伸び率が68%であり、表皮の柔軟性が低下していた。これに対し、実施例1〜6では、加熱前(0時間)の伸び率が302%、加熱後(1000時間)の伸び率が259%〜302%であり、加熱後も破断時に近い伸び率を維持し、表皮の柔軟性をほぼ維持できていた。
エアバッグ展開試験の結果から、比較例では、表皮、ウレタンフォームの飛散が確認されたが、実施例1〜6ではいずれも表皮、ウレタンフォームの飛散は確認されず、良好であった。
また、バリア層の膜厚を薄くしても、破断時の伸び率の急激な減少が見られず、バリア層に薄膜を用いても十分な効果が得られることがわかった。
1 自動車用内装品
2 芯材層
3 発泡層
5 バリア層
6 表皮層

Claims (4)

  1. 表皮層と芯材層を有すると共に、これらの層の間に発泡層を有する樹脂成形品からなる自動車用内装品の製造方法であって、
    前記樹脂成形品は、表皮層と発泡層との間に合成樹脂からなるバリア層をさらに有し、
    前記バリア層の原料となる樹脂原料を表皮層における発泡層側の面にコーティングし、表皮層上でバリア層を形成させる工程を包含し、
    前記樹脂原料は粉末であり、前記粉末を表皮層における発泡層側の面に付着させた後、加熱処理を行い、形成されたバリア層を表皮層に熱溶着させることを特徴とする自動車用内装品の製造方法。
  2. 前記バリア層を構成する合成樹脂は、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装品の製造方法。
  3. 表皮層は、ポリ塩化ビニルからなるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用内装品の製造方法。
  4. 発泡層は、ポリウレタン発泡体からなるものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の自動車用内装品の製造方法。
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