JP2007193878A - メモリ装置,および電気素子の再生電圧極性決定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造プロセスを簡単にする。
【解決手段】基板4上に下部電極3が形成され、下部電極3上に状態変化材料2が形成され、状態変化材料2上に上部電極1が形成される。電源5は、上部電極1および下部電極3間に所定の電圧を印加する。状態変化材料2は、順方向には電流が流れやすいが逆方向には電流が流れにくい特性(ダイオード特性)と、所定のパルス電圧が印加されることによって抵抗値が増加/減少する特性(可変抵抗特性)とを示す。
【選択図】図1
【解決手段】基板4上に下部電極3が形成され、下部電極3上に状態変化材料2が形成され、状態変化材料2上に上部電極1が形成される。電源5は、上部電極1および下部電極3間に所定の電圧を印加する。状態変化材料2は、順方向には電流が流れやすいが逆方向には電流が流れにくい特性(ダイオード特性)と、所定のパルス電圧が印加されることによって抵抗値が増加/減少する特性(可変抵抗特性)とを示す。
【選択図】図1
Description
本発明は、与えられるパルス電圧に応じてその抵抗値が変化する状態変化材料を含む電気素子を用いたメモリ装置,およびその電気素子の再生電圧極性決定方法に関する。
近年、電子機器におけるデジタル技術の進展に伴い、画像などのデータを保存するために、不揮発性記憶素子の要望が大きくなってきており、さらに記憶素子の大容量化、書き込み電力の低減、書き込み/読み出し時間の高速化、長寿命化の要求がますます高まりつつある。こうした要求に対し、与えられる電気的パルスに応じてその抵抗値が変化するペロブスカイト材料(例えば、Pr(1-X)CaXMnO3(PCMO)、LaSrMnO3(LSMO)、GdBaCoXOY(GBCO)など)を用いて不揮発性記憶素子を構成する技術が、米国特許第6,204,139号公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1に開示された技術は、これらの材料(以下、可変抵抗材料と記す。)に所定の電気的パルスを与えてその抵抗値を増大もしくは減少させ、その結果変化した抵抗値を異なる数値の記憶に用いることにより、記憶素子として用いるというものである。
また、米国特許第6,673,691号公報(特許文献2)には電気的パルスのパルス幅を変えることにより、可変抵抗材料の抵抗値を変化させる方法が開示されている。さらに、特許文献2には、これらの可変抵抗材料をメモリセルとして用い、メモリセル選択素子としてダイオードを用いた1D1R(1ダイオード/1レジスタ)タイプのメモリアレイセルを構成する例が記載されている。この構成は、メモリセル選択素子としてトランジスタを用いる場合に比べ、メモリセルサイズが小さくなる特徴を有している。
ここで、特許文献2に開示された従来の可変抵抗材料を用いたメモリ装置(1D1R型不揮発性記憶装置)900を図17に示す。この従来例では、基板901上にP/N接合のダイオード(N型Si領域902,P型Si領域903−1,903−2)を形成し、ダイオードのP型Si領域903−1上に下部電極904−1を形成し、ダイオードのP型Si領域903−2上に下部電極904−2を形成し、ダイオードのN型Si領域902上にコンタクトプラグ905を形成し、下部電極904−1,904−2上に可変抵抗材料906を形成し、可変変化材料906上に上部電極907−1,907−2を形成している。この従来例の場合、下部電極904−1,904−2および上部電極907−1,907−2はともにPtを用い、可変抵抗材料906としてはPr0.7Ca0.3MnO3を用いている。
図17に示したメモリ装置900では、上部電極907−1と下部電極904−1との間に所定のパルス電圧が印加されると、可変抵抗材料906のうち上部電極907−1と下部電極904−1との間に挟まれた領域(可変領域906α)の抵抗値が変化する。また、上部電極907−2と下部電極904−2との間に所定のパルス電圧が印加されると、可変抵抗材料906のうち上部電極907−2と下部電極904−2との間に挟まれた領域(可変領域906β)の抵抗値が変化する。つまり、このメモリ装置では、可変領域906αおよび可変領域906βの各々は、1つのメモリセルとして利用される。
また、図17に示したメモリ装置900では、メモリセル選択用のダイオードとして基板901上に形成したP/N接合のダイオードを使用している。そのため、上部電極907−1(907−2)から下部電極904−1(904−2)へ向かう方向(順方向)には電流は流れるが、下部電極904−1(904−2)から上部電極907−1(907−2)へ向かう方向(逆方向)または上部電極907−1と上部電極907−2との間には電流は流れない。
図17に示したメモリ装置900の等価回路を図18に示す。図18において、ワード線W1は上部電極907−1に対応し、ワード線W2は上部電極907−2に対応し、ビット線B1はコンタクトプラグ905に対応する。また、メモリセルMC911は可変抵抗領域906αに対応し、ダイオードD911はダイオード(N型Si領域902,P型Si領域903−1)に対応し、メモリセルMC912は可変抵抗領域906βに対応し、ダイオードD912はダイオード(N型Si領域902,P型Si領域903−2)に対応する。
<動作>
次に、図17に示したメモリ装置900による動作について図18を参照しつつ説明する。ここでは、メモリセルMC911に対する処理について説明する。
次に、図17に示したメモリ装置900による動作について図18を参照しつつ説明する。ここでは、メモリセルMC911に対する処理について説明する。
〔セット(記憶)/リセット〕
記憶時では、ワード線W2およびビット線B1をグランドに落とし、ワード線W1に所定の電気的パルスを印加する。これにより、メモリセルMC911の抵抗値は、低抵抗状態(リセット)あるいは高抵抗状態(セット)に変化する。例えば、特許文献2によると、電圧値が「+4V」でありパルス幅が「100nsec」であるパルス電圧を印加するとメモリセルMC911の抵抗値は高抵抗状態から低抵抗状態に変化し、電圧値が「+2.5V」でありパルス幅が「10μsec」であるパルス電圧を印加するとメモリセル911の抵抗値は低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。
記憶時では、ワード線W2およびビット線B1をグランドに落とし、ワード線W1に所定の電気的パルスを印加する。これにより、メモリセルMC911の抵抗値は、低抵抗状態(リセット)あるいは高抵抗状態(セット)に変化する。例えば、特許文献2によると、電圧値が「+4V」でありパルス幅が「100nsec」であるパルス電圧を印加するとメモリセルMC911の抵抗値は高抵抗状態から低抵抗状態に変化し、電圧値が「+2.5V」でありパルス幅が「10μsec」であるパルス電圧を印加するとメモリセル911の抵抗値は低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。
〔再生〕
再生時では、ワード線W2およびビット線B1をグランドに落とし、ワード線W1に所定の再生電圧(例えば、電圧値が「+0.5V」である電圧)を印加する。これにより、メモリセルMC911に流れる電流がビット線B1に流出する。一方、メモリセルMC912には電流が流れない。また、メモリセルMC912に対してダイオードD912(図17では、N型Si領域902,P型Si領域903−2)が設けられているので、ワード線W1からワード線W2へ電流は流れない。よって、メモリセルMC911の抵抗値だけを検出することができる。
再生時では、ワード線W2およびビット線B1をグランドに落とし、ワード線W1に所定の再生電圧(例えば、電圧値が「+0.5V」である電圧)を印加する。これにより、メモリセルMC911に流れる電流がビット線B1に流出する。一方、メモリセルMC912には電流が流れない。また、メモリセルMC912に対してダイオードD912(図17では、N型Si領域902,P型Si領域903−2)が設けられているので、ワード線W1からワード線W2へ電流は流れない。よって、メモリセルMC911の抵抗値だけを検出することができる。
このような手法により、従来のメモリ装置(1D1R型不揮発性記憶装置)900は、各々のメモリセルへの記録/再生を行っている。
米国特許第6,204,139号公報
米国特許第6,673,691号公報
2002 IEDM, 論文番号7.5,Dec.2002
しかしながら、ダイオードを用いるタイプ(1D1R型不揮発性記憶装置)においては、図17のように、基板901上にP/N接合からなるダイオードを形成しなければならず、さらにメモリセルを構成するために下部電極904−1,904−2および可変抵抗材料906をそのダイオード上に形成する必要がある。このような構成は、製造プロセス上複雑であり、実用化に適していない。また、図17に示したメモリ装置900では、ダイオードが形成されているので、上部電極907−1(907−2)が下部電極904−1(904−2)に対して「−」になるパルス電圧を与えても可変領域906α(906β)に所定のパルス電圧が印加されたことにはならない。つまり、図17に示したメモリ装置900では、可変領域906α(906β)の抵抗値を変化させるためには、上部電極907−1(907−2)が下部電極904−1(904−2)に対して「+」になるパルス電圧を印加する必要がある。このように、可変抵抗材料に印加するパルス電圧の極性が制限される。
また、図17に示したメモリ装置では、メモリセルの抵抗状態を高抵抗状態から低抵抗状態に変化させる(セットする)ためには「100nsec」の期間を要し、メモリセルの抵抗状態を低抵抗状態から高抵抗状態に変化させる(リセットする)ためには「10μsec」の期間を要する。このメモリセルへのセット/リセットを素早く実行するためには、印加するパルス電圧のパルス幅を短くする必要がある。
本発明は、上記の従来の課題を解決する筆者らによる特願2005−125686号公報に記載の、ダイオード特性と可変抵抗特性の両方の特性を示す状態変化材料を用いた電気素子の再生電圧極性決定方法、およびメモリ装置に関するものである。
この発明の1つの局面に従うと、メモリ装置は、複数の電気素子と、複数のワード線と、ワード線駆動部と、複数のビット線と、ビット線駆動部と、制御部とを備える。複数の電気素子の各々は、第1の電極と、第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に接続される状態変化材料からなる。ワード線駆動部は、複数のワード線に所定の電圧を印加する。ビット線駆動部は、複数のビット線に所定の電圧を印加する。制御部は、ワード線駆動部とビット線駆動部に接続されている。上記メモリ装置は、電気素子の抵抗値の変化によって情報を読み書きする。複数の電気素子の各々は、第1の電極が複数のワード線のうちいずれか一本に接続され、第2の電極が複数のビット線のうちいずれか一本に接続される。状態変化材料は、第1の電極から第2の電極へ向う第1の方向と第2の電極から第1の電極へ向かう第2の方向とのうちいずれか一方を順方向とし他方を逆方向とするダイオード特性と、第1の電極と第2の電極との間に印加される所定のパルス電圧に応じて当該状態変化材料の順方向における抵抗値が変化する可変抵抗特性を示す。制御部は、抵抗値が変化する範囲において低抵抗状態である電気素子に対してある極性を有する第1のパルス電圧を前記電気素子に印加し、第1のパルス電圧が印加された後の電気素子が低抵抗状態を示す極性を有するパルス電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とする。
上記メモリ装置では、電気素子が「ダイオード特性」を有しているので、別にダイオード素子を用いることなく電流の向きを規定することができる。さらに電気素子が「可変抵抗特性」を有しており、さらに情報を読み取るための再生電圧の極性が制御部によって決定されるので、例えば、1R1D型不揮発性記憶素子として利用することができる。このように利用した場合、従来の1R1D型不揮発性記憶素子の構成と比較すると、ダイオードを設ける必要がないので、製造プロセスを簡単にすることができる。また、ダイオードが設けられていないので、状態変化材料に印加するパルス電圧の極性が制限されない。よって、状態変化材料に「+」,「−」の両方の極性のパルス電圧を印加することができる。このようなパルス印加方法(パルス電圧の極性によって抵抗値を変化させる方法)では、従来のパルス印加方法(パルス電圧のパルス幅を調整することによって可変抵抗材料の抵抗値を変化させる方法)と比較すると、印加するパルス電圧のパルス幅が短い。つまり、記憶/リセットに要する時間を短縮することができる。
また、上記メモリ装置では、電気素子が「ダイオード特性」を有しているので、あるワード線から別のワード線に電流が流れることはない。このように、ダイオード素子を別に設けることなく、メモリ装置を構成することができる。その結果、上記メモリ装置では情報を読み出したい電気素子では順方向に電流が流れるが、他の電気素子では順方向に電流が流れない。これにより、情報を読み出したい電気素子に流れる電流のみを読み取ることができる。つまり、任意の電気素子を選択して、その選択した電気素子に記憶された情報を読み出すことができる。
この発明のもう1つの局面に従うと、電気素子の再生電圧極性決定方法は、第1のステップ〜第4のステップを備える。電気素子は、電気的パルスを印加することにより抵抗値を異なる状態に変化させることができる可変抵抗特性とダイオード特性との両方の特性を有する状態変化材料を用いている。第1のステップでは、電気素子の抵抗値を低抵抗値に変化させるフォーミングを実行する。第2のステップでは、電気素子にある極性を有する第1のパルス電圧を印加する。第3のステップでは、第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を電気素子に印加する。第4のステップでは、第1および第2のパルス電圧が印加された後の電気素子の抵抗値を比較し、低抵抗状態を示すときの極性を有するパルス電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とする。
上記電気素子の再生電圧極性決定方法により、「ダイオード特性」を有する電気素子に対して、情報を読み出すために印加する再生電圧の極性、即ち「ダイオード特性」の順方向に電流を流すために印加する電圧の極性を決定するため、情報を読み出したい電気素子では順方向に電流が流れるが、他の電気素子では順方向に電流が流れないように制御することができる。これにより、情報を読み出したい電気素子に流れる電流のみを読み取ることが可能となり、任意の電気素子を選択して、その選択した電気素子に記憶された情報を読み出すことができる。
以上のように、電気素子が「ダイオード特性」を有しているので、別にダイオード素子を用いることなく電流の向きを規定することができる。さらに電気素子が「可変抵抗特性」を有しており、さらに情報を読み取るための再生電圧の極性が制御部によって決定されるので、例えば、1R1D型不揮発性記憶素子として利用することができる。このように利用した場合、従来の1R1D型不揮発性記憶素子の構成と比較すると、ダイオードを設ける必要がないので、製造プロセスを簡単にすることができる。また、パルス電圧の極性によって抵抗値を変化させる方法では、従来のパルス印加方法(パルス電圧のパルス幅を調整することによって可変抵抗材料の抵抗値を変化させる方法)と比較すると、印加するパルス電圧のパルス幅が短い。つまり、記憶/リセットに要する時間を短縮することができる。
また、情報を読み出したい電気素子に流れる電流のみを読み取ることが可能となり、任意の電気素子を選択して、その選択した電気素子に記憶された情報を読み出すことができる。
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(電気素子の基本構成および基本特性)
まず、本発明の実施形態において用いられる電気素子の基本構成および基本特性について説明する。
(電気素子の基本構成および基本特性)
まず、本発明の実施形態において用いられる電気素子の基本構成および基本特性について説明する。
電気素子の基本構成を図1に示す。電気素子では、基板4上に下部電極3が形成され、下部電極3上に状態変化材料2が形成され、状態変化材料2上に上部電極1が形成される。電源5は、上部電極1および下部電極3間に所定の電圧を印加する。
本発明の電気素子に用いられる状態変化材料2は、順方向には電流が流れやすいが逆方向には電流が流れにくい特性(ダイオード特性)と、所定のパルス電圧が印加されることによって抵抗値が増加/減少する特性(可変抵抗特性)とを示す。状態変化材料2は、スピネル構造の金属酸化物材料,イルメナイト構造の金属が添加された酸化物強誘電体,CMR特性および高温超伝導特性のうち少なくとも1つの特性を有するペロブスカイト構造の材料であり、具体的には、CoFe2O4,CuFe2O4,NiCr2O4,Fe3O4,Cr-SrTiO3,Sr-LiNbO3,Mg-LiNbO3,Pr(1-X)CaXMnO3(0<X<0.5),LaSrMnO3,GdBaCoXOY(0<X<2, 0<Y<7)等である。
次に、上記特性(可変抵抗特性およびダイオード特性)を示す状態変化材料2を実現する方法について説明する。
(実施例1)
上記特性(可変抵抗特性およびダイオード特性)を有する状態変化材料2を実現するために、互いに仕事関数が異なる2つの材料を図1に示した上部電極1および下部電極3として用いて電気素子を構成した。以下に、その理由について説明する。
上記特性(可変抵抗特性およびダイオード特性)を有する状態変化材料2を実現するために、互いに仕事関数が異なる2つの材料を図1に示した上部電極1および下部電極3として用いて電気素子を構成した。以下に、その理由について説明する。
<実験対象>
ここでは、次の3種類の電気素子に対して実験を行った。
試料(A):上部電極1の仕事関数が下部電極3の仕事関数よりも小さい電気素子。
試料(B):上部電極1の仕事関数が下部電極3の仕事関数よりも大きい電気素子。
ここでは、次の3種類の電気素子に対して実験を行った。
試料(A):上部電極1の仕事関数が下部電極3の仕事関数よりも小さい電気素子。
試料(B):上部電極1の仕事関数が下部電極3の仕事関数よりも大きい電気素子。
なお、試料(A),試料(B)を形成した後に、上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(電圧値:+3V,パルス幅:10μsec(マイクロセカンド))を印加することによって、形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値を初期の抵抗値として設定した(フォーミングと呼ばれるこの初期化は、特願2003-421374等に記載の方法と同様の方法により行った)。
<実験内容>
本実施例では、試料(A),試料(B)の各々に対して次のような実験を行った。
本実施例では、試料(A),試料(B)の各々に対して次のような実験を行った。
〔実験1〕
上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(以下、「パルス電圧(+極性)」と記す。)と上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(以下、「パルス電圧(−極性)」と記す。)とを1回ずつ交互に印加する(図2参照)。ここで、パルス電圧の印加が1回終了する毎に、状態変化材料2の抵抗値を測定するために、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる電圧(以下、「測定電圧(+極性)」と記す。)を印加する。
上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(以下、「パルス電圧(+極性)」と記す。)と上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(以下、「パルス電圧(−極性)」と記す。)とを1回ずつ交互に印加する(図2参照)。ここで、パルス電圧の印加が1回終了する毎に、状態変化材料2の抵抗値を測定するために、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる電圧(以下、「測定電圧(+極性)」と記す。)を印加する。
〔実験2〕
「パルス電圧(+極性)」と「パルス電圧(−極性)」とを1回ずつ交互に印加する(図2参照)。ここで、パルス電圧の印加が1回終了する毎に、状態変化材料2の抵抗値を測定するために、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる電圧(以下、「測定電圧(−極性)」と記す。)を印加する。
「パルス電圧(+極性)」と「パルス電圧(−極性)」とを1回ずつ交互に印加する(図2参照)。ここで、パルス電圧の印加が1回終了する毎に、状態変化材料2の抵抗値を測定するために、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる電圧(以下、「測定電圧(−極性)」と記す。)を印加する。
〔実験3〕
「パルス電圧(+極性)」と「パルス電圧(−極性)」とを1回ずつ交互に印加する(図2参照)。ここで、パルス電圧の印加が1回終了する毎に、状態変化材料2の電流−電圧特性を測定する。
「パルス電圧(+極性)」と「パルス電圧(−極性)」とを1回ずつ交互に印加する(図2参照)。ここで、パルス電圧の印加が1回終了する毎に、状態変化材料2の電流−電圧特性を測定する。
なお、ここでは、
パルス電圧(+極性):電圧値「+3V」,パルス幅「50nsec」
パルス電圧(−極性):電圧値「−3V」,パルス幅「50nsec」
測定電圧(+極性):電圧値「+0.5V」
測定電圧(−極性):電圧値「−0.5V」
とした。
パルス電圧(+極性):電圧値「+3V」,パルス幅「50nsec」
パルス電圧(−極性):電圧値「−3V」,パルス幅「50nsec」
測定電圧(+極性):電圧値「+0.5V」
測定電圧(−極性):電圧値「−0.5V」
とした。
<試料(A)に対する実験>
まず、試料(A)に対する実験について図3(A),図3(B),図4(A),図4(B)を参照しつつ説明する。なお、図3(A),図3(B)において、縦軸は、測定値Rを初期化直後の抵抗値R0によって規格化した値を示す(図6(A),図6(B)においても同様)。
まず、試料(A)に対する実験について図3(A),図3(B),図4(A),図4(B)を参照しつつ説明する。なお、図3(A),図3(B)において、縦軸は、測定値Rを初期化直後の抵抗値R0によって規格化した値を示す(図6(A),図6(B)においても同様)。
〔用いた材料〕
上部電極1:Ag(膜厚約0.2μm,仕事関数4.3eV(=electron volt))
状態変化材料2:CuFe2O4(膜厚約0.1μm)
下部電極3:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
〔実験1の結果〕
試料(A)に対して実験1を行った。その実験結果を図3(A)に示す。測定値は、パルス電圧(+極性)が印加された後では高抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて高い状態)から低抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて低い状態)へと変化し、パルス電圧(−極性)が印加された後では低抵抗状態から高抵抗状態へと変化した。このように、印加されるパルス電圧に応じて、上部電極1から下部電極3へ向う方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)が増加/減少することがわかった。
上部電極1:Ag(膜厚約0.2μm,仕事関数4.3eV(=electron volt))
状態変化材料2:CuFe2O4(膜厚約0.1μm)
下部電極3:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
〔実験1の結果〕
試料(A)に対して実験1を行った。その実験結果を図3(A)に示す。測定値は、パルス電圧(+極性)が印加された後では高抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて高い状態)から低抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて低い状態)へと変化し、パルス電圧(−極性)が印加された後では低抵抗状態から高抵抗状態へと変化した。このように、印加されるパルス電圧に応じて、上部電極1から下部電極3へ向う方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)が増加/減少することがわかった。
〔実験2の結果〕
また、試料(A)に対して実験2を行った。その実験結果を図3(B)に示す。測定値は、パルス電圧(+極性)を印加した後でも、低抵抗状態には変化せず高抵抗状態であった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、下部電極3から上部電極1へ向かう方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)は常に高抵抗状態であることがわかった。
また、試料(A)に対して実験2を行った。その実験結果を図3(B)に示す。測定値は、パルス電圧(+極性)を印加した後でも、低抵抗状態には変化せず高抵抗状態であった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、下部電極3から上部電極1へ向かう方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)は常に高抵抗状態であることがわかった。
〔実験3の結果〕
また、試料(A)に対して実験3を行った。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性を図4(A)に示す。図4(A)のように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、測定電圧(+極性)を印加したときには電流が流れやすく、測定電圧(−極性)を印加したときには電流が流れにくい結果となった。このように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、上部電極1から下部電極3へ向かう方向へは電流(状態変化材料2を流れる電流)が流れやすく、下部電極3から上部電極1へ向かう方向へは電流が流れにくくなることがわかった。
また、試料(A)に対して実験3を行った。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性を図4(A)に示す。図4(A)のように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、測定電圧(+極性)を印加したときには電流が流れやすく、測定電圧(−極性)を印加したときには電流が流れにくい結果となった。このように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、上部電極1から下部電極3へ向かう方向へは電流(状態変化材料2を流れる電流)が流れやすく、下部電極3から上部電極1へ向かう方向へは電流が流れにくくなることがわかった。
一方、パルス電圧(−極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性を図4(B)に示す。図4(B)のように、パルス電圧(−極性)を印加した後では、測定電圧(+極性)を印加したときでも電流が流れにくくなった。このように、パルス電圧(−極性)を印加した後では、パルス電圧(+極性)を印加した後と比較すると、上部電極1から下部電極3へ向かう方向へ電流が流れにくくなることがわかった。
〔検証結果〕
以上の実験により、試料(A)は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)上部電極1から下部電極3へ向かう方向を順方向とし、下部電極3から上部電極1へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、パルス電圧(+極性)が印加されると減少し、パルス電圧(−極性)が印加されると増加する特性(可変抵抗特性)。
以上の実験により、試料(A)は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)上部電極1から下部電極3へ向かう方向を順方向とし、下部電極3から上部電極1へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、パルス電圧(+極性)が印加されると減少し、パルス電圧(−極性)が印加されると増加する特性(可変抵抗特性)。
<試料(B)に対する実験>
次に、試料(B)に対する測定結果について図3(A),図3(B),図5(A),図5(B)を参照しつつ説明する。
次に、試料(B)に対する測定結果について図3(A),図3(B),図5(A),図5(B)を参照しつつ説明する。
<用いた材料>
上部電極1:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
状態変化材料2:CuFe2O4(膜厚約0.1μm)
下部電極3:Ti(膜厚約0.2μm,仕事関数4.3eV)
<実験結果>
〔実験1の結果〕
試料(B)に対して実験1を行った。その実験結果は、図3(B)のようになった。測定値は、パルス電圧(+極性)を印加した後でもパルス電圧(−極性)を印加した後でも、低抵抗状態に変化せず高抵抗状態であった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、上部電極1から下部電極3へ向かう方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)は常に高抵抗状態であることがわかった。
上部電極1:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
状態変化材料2:CuFe2O4(膜厚約0.1μm)
下部電極3:Ti(膜厚約0.2μm,仕事関数4.3eV)
<実験結果>
〔実験1の結果〕
試料(B)に対して実験1を行った。その実験結果は、図3(B)のようになった。測定値は、パルス電圧(+極性)を印加した後でもパルス電圧(−極性)を印加した後でも、低抵抗状態に変化せず高抵抗状態であった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、上部電極1から下部電極3へ向かう方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)は常に高抵抗状態であることがわかった。
〔実験2の結果〕
また、試料(B)に対して実験2を行った。その実験結果は、図3(A)のようになった。測定値は、パルス電圧(+極性)が印加された後では高抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて高い状態)から低抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて低い状態)へと変化し、パルス電圧(−極性)が印加された後では低抵抗状態から高抵抗状態へと変化した。このように、印加されるパルス電圧に応じて、下部電極3から上部電極1へ向う方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)が増加/減少することがわかった。
また、試料(B)に対して実験2を行った。その実験結果は、図3(A)のようになった。測定値は、パルス電圧(+極性)が印加された後では高抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて高い状態)から低抵抗状態(抵抗値が他方の状態に比べて低い状態)へと変化し、パルス電圧(−極性)が印加された後では低抵抗状態から高抵抗状態へと変化した。このように、印加されるパルス電圧に応じて、下部電極3から上部電極1へ向う方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)が増加/減少することがわかった。
〔実験3の結果〕
また、試料(B)に対して実験3を行った。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性を図5(A)に示す。図5(A)のように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、測定電圧(+極性)を印加したときには電流が流れにくく、測定電圧(−極性)を印加したときには電流が流れやすい結果となった。このように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、上部電極1から下部電極3へ向かう方向へは電流(状態変化材料2を流れる電流)が流れにくく、下部電極3から上部電極1へ向かう方向へは電流が流れやすくなることがわかった。
また、試料(B)に対して実験3を行った。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性を図5(A)に示す。図5(A)のように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、測定電圧(+極性)を印加したときには電流が流れにくく、測定電圧(−極性)を印加したときには電流が流れやすい結果となった。このように、パルス電圧(+極性)を印加した後では、上部電極1から下部電極3へ向かう方向へは電流(状態変化材料2を流れる電流)が流れにくく、下部電極3から上部電極1へ向かう方向へは電流が流れやすくなることがわかった。
一方、パルス電圧(−極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性を図5(B)に示す。図5(B)のように、パルス電圧(−極性)を印加した後では、測定電圧(−極性)を印加したときでも電流が流れにくくなった。このように、パルス電圧(−極性)を印加した後では、パルス電圧(+極性)を印加した後と比較すると下部電極3から上部電極1へ向かう方向へ電流が流れにくくなることがわかった。
〔検証結果〕
以上の実験により、試料(B)は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)下部電極3から上部電極1へ向かう方向を順方向とし、上部電極1から下部電極3へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、パルス電圧(+極性)が印加されると減少し、パルス電圧(−極性)が印加されると増加する特性(可変抵抗特性)。
以上の実験により、試料(B)は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)下部電極3から上部電極1へ向かう方向を順方向とし、上部電極1から下部電極3へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、パルス電圧(+極性)が印加されると減少し、パルス電圧(−極性)が印加されると増加する特性(可変抵抗特性)。
<まとめ>
試料(A)では、上部電極1の仕事関数は、下部電極3の仕事関数よりも小さい。一方、試料(B)では、上部電極1の仕事関数は、下部電極3の仕事関数よりも大きい。試料(A)および試料(B)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)仕事関数の小さい電極から仕事関数の大きい電極へ向かう方向を順方向とし、仕事関数の大きい電極から仕事関数の小さい電極へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加する特性(可変抵抗特性)。
試料(A)では、上部電極1の仕事関数は、下部電極3の仕事関数よりも小さい。一方、試料(B)では、上部電極1の仕事関数は、下部電極3の仕事関数よりも大きい。試料(A)および試料(B)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)仕事関数の小さい電極から仕事関数の大きい電極へ向かう方向を順方向とし、仕事関数の大きい電極から仕事関数の小さい電極へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加する特性(可変抵抗特性)。
また、試料(A),試料(B)では、上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧を各々の試料を形成した後に印加することによって、状態変化材料2の抵抗値を形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値に初期化した。しかし、試料(A),試料(B)の中には、上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(電圧値:−3V,パルス幅10μsec)を各々の試料を形成した後に印加することによって、状態変化材料2の抵抗値を形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値に設定したものもあった(このような試料(A),試料(B)を試料(A’),試料(B’)とする)。
試料(A),試料(B)と同様の実験(実験1〜実験3)を試料(A’),試料(B’)に対して行った。
<試料(A’)に対する実験>
試料(A’)に対する実験について図6(A),図6(B),図4(A),図4(B)を参照しつつ説明する。
試料(A’)に対する実験について図6(A),図6(B),図4(A),図4(B)を参照しつつ説明する。
〔実験1の結果〕
試料(A’)に対する実験1の結果は、図6(A)のようになった。測定値は、パルス電圧(+極性)が印加された後では低抵抗状態から高抵抗状態へと変化し、パルス電圧(−極性)が印加された後では高抵抗状態から低抵抗状態へと変化した。このように、印加されるパルス電圧に応じて、上部電極1から下部電極3へ向かう方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)が増加/減少することがわかった。
試料(A’)に対する実験1の結果は、図6(A)のようになった。測定値は、パルス電圧(+極性)が印加された後では低抵抗状態から高抵抗状態へと変化し、パルス電圧(−極性)が印加された後では高抵抗状態から低抵抗状態へと変化した。このように、印加されるパルス電圧に応じて、上部電極1から下部電極3へ向かう方向に対する抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)が増加/減少することがわかった。
〔実験2の結果〕
試料(A’)に対する実験2の結果は、図6(B)のようになった。測定値は、パルス電圧(−極性)を印加した後でも、低抵抗状態に変化せず高抵抗状態であった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、下部電極3から上部電極1へ向かう方向に対する抵抗値は常に高抵抗状態であることがわかった。
試料(A’)に対する実験2の結果は、図6(B)のようになった。測定値は、パルス電圧(−極性)を印加した後でも、低抵抗状態に変化せず高抵抗状態であった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、下部電極3から上部電極1へ向かう方向に対する抵抗値は常に高抵抗状態であることがわかった。
〔実験3の結果〕
試料(A’)に対する実験3の結果について述べる。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は図4(B)のようになった。また、パルス電圧(−極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は図4(A)のようになった。
試料(A’)に対する実験3の結果について述べる。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は図4(B)のようになった。また、パルス電圧(−極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は図4(A)のようになった。
<試料(B’)に対する実験>
試料(B’)に対する実験について図6(A),図6(B),図5(A),図5(B)を参照しつつ説明する。
試料(B’)に対する実験について図6(A),図6(B),図5(A),図5(B)を参照しつつ説明する。
〔実験1の結果〕
試料(B’)に対する実験1の結果は、図6(B)のようになった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、上部電極1から下部電極3へ向かう方向に対する抵抗値は、常に高抵抗状態であることがわかった。
試料(B’)に対する実験1の結果は、図6(B)のようになった。このように、印加されるパルス電圧にかかわらず、上部電極1から下部電極3へ向かう方向に対する抵抗値は、常に高抵抗状態であることがわかった。
〔実験2の結果〕
試料(B’)に対する実験2の結果は、図6(A)のようになった。このように、印加されるパルス電圧に応じて、下部電極3から上部電極1へ向かう方向に対する抵抗値が増加/減少することがわかった。
試料(B’)に対する実験2の結果は、図6(A)のようになった。このように、印加されるパルス電圧に応じて、下部電極3から上部電極1へ向かう方向に対する抵抗値が増加/減少することがわかった。
〔実験3の結果〕
試料(B’)に対する実験3の結果について述べる。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は、図5(B)のようになった。また、パルス電圧(−極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は、図5(A)のようになった。
試料(B’)に対する実験3の結果について述べる。パルス電圧(+極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は、図5(B)のようになった。また、パルス電圧(−極性)を印加した後に測定された電流−電圧特性は、図5(A)のようになった。
<まとめ>
つまり、試料(A’)〜試料(B’)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)仕事関数の小さい電極から仕事関数の大きい電極へ向かう方向を順方向とし、仕事関数の大きい電極から仕事関数の小さい電極へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少する特性(可変抵抗特性)。
つまり、試料(A’)〜試料(B’)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)仕事関数の小さい電極から仕事関数の大きい電極へ向かう方向を順方向とし、仕事関数の大きい電極から仕事関数の小さい電極へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少する特性(可変抵抗特性)。
以上の試料(試料(A),試料(B),試料(A’),試料(B’))の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)上部電極1の仕事関数と下部電極2の仕事関数とが互いに異なる場合、一方の電極から他方の電極へ向かう方向(第1の方向)を順方向とし第2の方向(第1の方向に対して逆向き)を逆方向とするダイオード特性。
(2)所定のパルス電圧が印加されると、前記ダイオード特性の順方向に対する抵抗値が増加/減少する特性(可変抵抗特性)。
(1)上部電極1の仕事関数と下部電極2の仕事関数とが互いに異なる場合、一方の電極から他方の電極へ向かう方向(第1の方向)を順方向とし第2の方向(第1の方向に対して逆向き)を逆方向とするダイオード特性。
(2)所定のパルス電圧が印加されると、前記ダイオード特性の順方向に対する抵抗値が増加/減少する特性(可変抵抗特性)。
また、抵抗値を変化させるために印加するパルス電圧に関しては、従来のパルス電圧のパルス幅(1μsec以上)よりも本実施例におけるパルス電圧のパルス幅(50nsec)の方が短いことが確認できた。
以上のような特性を確認することができたので、互いに仕事関数が異なる2つの材料を図1に示した上部電極1および下部電極3として用いて電気素子を構成した。
(実施例2)
また、上記特性(可変抵抗特性およびダイオード特性)を有する状態変化材料を実現するために、結晶性が不均一である状態変化材料2を用いて図1の電気素子を構成した。その理由について説明する。
また、上記特性(可変抵抗特性およびダイオード特性)を有する状態変化材料を実現するために、結晶性が不均一である状態変化材料2を用いて図1の電気素子を構成した。その理由について説明する。
<状態変化材料2の結晶性>
〔状態変化材料の形成方法1〕
下部電極3を形成した基板4の温度を状態変化材料2の結晶化温度付近(例えば、CuFe2O4では約600℃付近)まで上げて状態変化材料2を形成した。このように形成された状態変化材料2に対してX線回折を行い結晶構造の歪みを調査したところ、その状態変化材料2は、結晶格子面間隔Dを示す位置に鋭い分布を有する回折ピーク(強度の大きい回折ピーク)を有していることがわかった。つまり、このように形成された状態変化材料2の結晶性は、基本的に、膜厚方向で均一になることがわかった。
〔状態変化材料の形成方法1〕
下部電極3を形成した基板4の温度を状態変化材料2の結晶化温度付近(例えば、CuFe2O4では約600℃付近)まで上げて状態変化材料2を形成した。このように形成された状態変化材料2に対してX線回折を行い結晶構造の歪みを調査したところ、その状態変化材料2は、結晶格子面間隔Dを示す位置に鋭い分布を有する回折ピーク(強度の大きい回折ピーク)を有していることがわかった。つまり、このように形成された状態変化材料2の結晶性は、基本的に、膜厚方向で均一になることがわかった。
〔状態変化材料の形成方法2〕
一方、下部電極3を形成した基板4の温度を状態変化材料2の結晶化温度付近まで上げずに状態変化材料2を形成した。このように形成された状態変化材料2に対してX線回折を行い結晶構造の歪みを調査したところ、その状態変化材料2は、結晶構造の面間隔がバラツキを有している(強度の小さいブロードな回折ピークを有している)ことがわかった。つまり、このように形成された状態変化材料2には、結晶構造の歪が発生していることがわかった。
一方、下部電極3を形成した基板4の温度を状態変化材料2の結晶化温度付近まで上げずに状態変化材料2を形成した。このように形成された状態変化材料2に対してX線回折を行い結晶構造の歪みを調査したところ、その状態変化材料2は、結晶構造の面間隔がバラツキを有している(強度の小さいブロードな回折ピークを有している)ことがわかった。つまり、このように形成された状態変化材料2には、結晶構造の歪が発生していることがわかった。
〔状態変化材料の形成方法3〕
そこで、下部電極3を形成した基板4の温度を600℃位から徐々に低下させながら状態変化材料2を形成し、さらに状態変化材料2上に上部電極1を形成した。このように形成された状態変化材料2に透過電子顕微鏡による電子線回折を行うと、下部電極3近傍の状態変化材料2では結晶性の良い状態を示す電子線回折図形(ある周期での斑点模様)が観測され、上部電極1近傍の状態変化材料2では結晶性の悪い状態(アモルファスに近い状態)を示す電子線回折図形(ハローパターン)が観察された。つまり、下部電極2近傍の状態変化材料2では、結晶格子面間隔がほぼ均一な数値を示しており、結晶構造の歪の少ない結晶性の良い状態となっている。一方、上部電極1近傍の状態変化材料2では、結晶格子面間隔が下部電極3近傍と比較するとバラツキを持った分布を有しており、結晶構造の歪みが多くなった結晶性の悪い状態となっていることがわかった。
そこで、下部電極3を形成した基板4の温度を600℃位から徐々に低下させながら状態変化材料2を形成し、さらに状態変化材料2上に上部電極1を形成した。このように形成された状態変化材料2に透過電子顕微鏡による電子線回折を行うと、下部電極3近傍の状態変化材料2では結晶性の良い状態を示す電子線回折図形(ある周期での斑点模様)が観測され、上部電極1近傍の状態変化材料2では結晶性の悪い状態(アモルファスに近い状態)を示す電子線回折図形(ハローパターン)が観察された。つまり、下部電極2近傍の状態変化材料2では、結晶格子面間隔がほぼ均一な数値を示しており、結晶構造の歪の少ない結晶性の良い状態となっている。一方、上部電極1近傍の状態変化材料2では、結晶格子面間隔が下部電極3近傍と比較するとバラツキを持った分布を有しており、結晶構造の歪みが多くなった結晶性の悪い状態となっていることがわかった。
さらに、この状態変化材料2に対して透過電子顕微鏡による断面TEM観察を行って状態変化材料2の結晶粒径を測定した結果、下部電極3近傍の状態変化材料2の結晶粒径は、上部電極1近傍の状態変化材料2の結晶粒径の2倍以上の値を示していた。このように、下部電極3近傍の状態変化材料2の結晶性の方が上部電極1近傍の状態変化材料2の結晶性よりも良いことが確認できた。
以上より、下部電極3を形成した基板4の温度を600℃位から徐々に低下させながら状態変化材料2を形成すれば、下部電極3近傍においては結晶性が良いが上部電極1近傍においては結晶性が悪いといった結晶性が不均一な状態変化材料2を形成できることがわかった。
<試料(C)に対する実験>
上記〔状態変化材料の形成方法3〕に従って、下部電極3上に状態変化材料2を形成しさらに状態変化材料2上に上部電極1を形成して「試料(C)」を作成した。
上記〔状態変化材料の形成方法3〕に従って、下部電極3上に状態変化材料2を形成しさらに状態変化材料2上に上部電極1を形成して「試料(C)」を作成した。
〔試料(C)〕
上部電極1:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
状態変化材料2:CuFe2O4(膜厚約0.1μm)
下部電極3:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
なお、試料(C)を形成した後、上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(電圧値:+3V,パルス幅:10μsec)を試料(C)に印加することによって、形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値に初期化した。
上部電極1:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
状態変化材料2:CuFe2O4(膜厚約0.1μm)
下部電極3:Pt(膜厚約0.2μm,仕事関数5.7eV)
なお、試料(C)を形成した後、上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(電圧値:+3V,パルス幅:10μsec)を試料(C)に印加することによって、形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値に初期化した。
〔実験1〜実験3〕
次に、この試料(C)に対して実施例1と同様の実験(実験1〜実験3)を行ったところ、実施例1の試料(A)と同様の実験結果(図3(A),図3(B),図4(A),図4(B))になった。(試料(C)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)結晶性の悪い領域から結晶性の良い領域へ向かう方向を順方向とし、結晶性の良い領域から結晶性の悪い領域へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加する特性(可変抵抗特性)。
次に、この試料(C)に対して実施例1と同様の実験(実験1〜実験3)を行ったところ、実施例1の試料(A)と同様の実験結果(図3(A),図3(B),図4(A),図4(B))になった。(試料(C)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)結晶性の悪い領域から結晶性の良い領域へ向かう方向を順方向とし、結晶性の良い領域から結晶性の悪い領域へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加する特性(可変抵抗特性)。
また、試料(C)の中には、形成後に、上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(電圧値:−3V,パルス幅10μsec)を印加することによって、形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値に初期化したものもあった(このような試料(C)を試料(C’)とする)。
試料(C)と同様の実験(実験1〜実験3)を試料(C’)に対して行った。
<試料(C’)に対する実験>
試料(C’)の実験1の結果は図6(A)のようになり、試料(C’)の実験2の結果は図6(B)のようになった。さらに、試料(C’)の実験3の結果(電流−電圧特性)は、パルス電圧(+極性)を印加した後では図4(B)のようになりパルス電圧(−極性)を印加した後では図4(A)のようになることが確認できた。試料(C’)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)結晶性の悪い領域から結晶性の良い領域へ向かう方向を順方向とし、結晶性の良い領域から結晶性の悪い領域へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少する特性(可変抵抗特性)。
試料(C’)の実験1の結果は図6(A)のようになり、試料(C’)の実験2の結果は図6(B)のようになった。さらに、試料(C’)の実験3の結果(電流−電圧特性)は、パルス電圧(+極性)を印加した後では図4(B)のようになりパルス電圧(−極性)を印加した後では図4(A)のようになることが確認できた。試料(C’)の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)結晶性の悪い領域から結晶性の良い領域へ向かう方向を順方向とし、結晶性の良い領域から結晶性の悪い領域へ向かう方向を逆方向とするダイオード特性。
(2)前記順方向における抵抗値は印加されるパルス電圧に応じて増減し、下部電極3に対して上部電極1が「+」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が増加し、下部電極3に対して上部電極1が「−」になるパルス電圧が印加されると前記順方向に対する抵抗値が減少する特性(可変抵抗特性)。
以上の試料(試料(C),試料(C’))の実験結果より、状態変化材料2は、次のような特性を示すことがわかった。
(1)状態変化材料2の結晶性が均一でない場合、一方の電極から他方の電極へ向かう方向(第1の方向)を順方向とし第2の方向(第1の方向に対して逆向き)を逆方向とするダイオード特性。
(2)所定のパルス電圧が印加されると、前記ダイオード特性の順方向に対する抵抗値が増加/減少する特性(可変抵抗特性)。
(1)状態変化材料2の結晶性が均一でない場合、一方の電極から他方の電極へ向かう方向(第1の方向)を順方向とし第2の方向(第1の方向に対して逆向き)を逆方向とするダイオード特性。
(2)所定のパルス電圧が印加されると、前記ダイオード特性の順方向に対する抵抗値が増加/減少する特性(可変抵抗特性)。
また、抵抗値を変化させるために印加するパルス電圧に関しては、従来のパルス電圧のパルス幅(1μsec以上)よりも本実施例におけるパルス電圧のパルス幅(50nsec)の方が短いことが確認できた。
以上のような特性を確認することができたので、結晶性が不均一である状態変化材料2を用いて図1の電気素子を構成した。
また、実施例1,実施例2において、状態変化材料2として、スピネル構造の金属酸化物材料であるCuFe2O4を用いた例を示したが、それ以外のスピネル構造の金属酸化物材料や、イルメナイト構造の金属が添加された酸化物強誘電体、あるいはペロブスカイト構造のCMR材料、高温超伝導材料でも、同様の特性を確認することができた。具体的に述べると、例えば、CoFe2O4、NiCr2O4,Fe3O4,Cr-SrTiO3,Sr-LiNbO3,Mg-LiNbO3,Pr(1-X)CaXMnO3,LaSrMnO3,GdBaCoXOYでも同様の特性を確認することができた。
また、上部電極1および下部電極3の材料として別の電極材料を用いても構わない。
<電気素子におけるダイオード特性順方向決定実験>
以上の試料(試料(A)、試料(A’)、試料(B)、試料(B’)、試料(C)、試料(C’))を形成した後、ダイオード特性の順方向を決定する実験を行うために、まず最初に各々の試料についてフォーミングを行い、形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値を初期の抵抗値として設定した。
以上の試料(試料(A)、試料(A’)、試料(B)、試料(B’)、試料(C)、試料(C’))を形成した後、ダイオード特性の順方向を決定する実験を行うために、まず最初に各々の試料についてフォーミングを行い、形成直後の抵抗値(約1MΩ)よりも約一桁強低い抵抗値を初期の抵抗値として設定した。
次に上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した後に、各々の試料の電流−電圧特性を測定した。その結果、試料(A)と試料(C)の2つについては、図4(A)に示すように電流−電圧特性図の第1象限において抵抗値の低い現象、即ちダイオード特性の順方向に相当する現象が確認できた。一方、試料(B)においては図5(A)に示すように電流−電圧特性図の第3象限において抵抗値の低い現象、即ちダイオード特性の順方向に相当する現象が確認できた。この時、試料(A’)、試料(C’)については図4(B)に示すような、また試料(B’)については図5(B)に示すような電流−電圧特性を示し、ダイオード特性は示さなかった。
さらに、上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(−極性)を各々の試料に印加した後に、各々の試料の電流−電圧特性を測定した。その結果、試料(A’)と試料(C’)の2つについては、図4(A)に示すように電流−電圧特性図の第1象限において抵抗値の低い現象、即ちダイオード特性の順方向に相当する現象が確認できた。一方試料(B’)においては図5(A)に示すように電流−電圧特性図の第3象限において抵抗値の低い現象、即ちダイオード特性の順方向に相当する現象が確認できた。この時、試料(A)、試料(C)については図4(B)のような電流−電圧特性を示し、また試料(B)については図5(B)のような電流−電圧特性を示し、いずれもダイオード特性は示さなかった。
以上の実験より、フォーミングされた電気素子に対してある極性を有する第1のパルス電圧と、第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を前記電気素子に印加し、第1および第2のパルス電圧が印加された後の電気素子の抵抗値が低い値を示す極性を有するパルス電圧の極性、つまり試料(A)、(A’)、(C)、(C)については電流−電圧特性図の第1象限に相当する電圧極性を、試料(B)、(B’)については電流−電圧特性図の第3象限に相当する電圧極性を情報読み取りのための再生電圧の極性とすればよいことがわかる。
<電気素子における再生電圧極性の決定実験1>
図7を用いて、電気素子における再生電圧極性の決定実験1について説明する。上述したように、各試料についてフォーミングを行った。次に上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した。図3(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(A)の実験1の結果より、試料(A)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。試料(C)についても試料(A)と同様の実験1の結果を示すことより、抵抗値は低い値のままである。一方、試料(B)については図3(B)のパルス印加回数1回目に示す実験1の結果より、抵抗値はフォーミング後の値より増加することがわかる。
図7を用いて、電気素子における再生電圧極性の決定実験1について説明する。上述したように、各試料についてフォーミングを行った。次に上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した。図3(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(A)の実験1の結果より、試料(A)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。試料(C)についても試料(A)と同様の実験1の結果を示すことより、抵抗値は低い値のままである。一方、試料(B)については図3(B)のパルス印加回数1回目に示す実験1の結果より、抵抗値はフォーミング後の値より増加することがわかる。
従って試料(A)、(B)、(C)については、上部電極1を第1の電極とし下部電極3を第2の電極として、フォーミング(ステップS001)後に第2の電極に対し第1の電極が正となるような予め決められたパルス電圧を印加し(ステップS002)、第2の電極に対して前記第1の電極が正となるような予め決められた電圧を印加して前記電気素子の抵抗値を読み取った結果(ステップS003、S004)、電気素子の抵抗値が増加した場合は電気素子が試料(B)に相当することがわかるので、第2の電極に対して第1の電極が負となるような再生電圧、すなわち下部電極3に対して上部電極1が負となる様な測定電圧(−極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS005)。また、電気素子の抵抗値が増加しなかった場合は電気素子が試料(A)または試料(C)に相当することがわかるので、第2の電極に対して第1の電極が正となるような再生電圧、すなわち下部電極3に対して上部電極1が正となるような測定電圧(+極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS006)。
次にフォーミングを行った各試料について、上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(−極性)を各々の試料に印加した後に、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を印加して抵抗値を測定した。図6(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(B’)の実験2の結果より、試料(B’)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。一方、試料(A’)については図6(B)のパルス印加回数2回目に示す実験2の結果より、抵抗値はフォーミング後の値より増加することがわかる。試料(C’)についても試料(A’)と同様の実験2の結果を示すことより、抵抗値は増加する。
従って試料(A’)、(B’)、(C’)については、下部電極3を第1の電極とし上部電極1を第2の電極として、フォーミング(ステップS001)後に第2の電極に対し第1の電極が正となるような予め決められたパルス電圧を印加し(ステップS002)、第2の電極に対して前記第1の電極が正となるような予め決められた電圧を印加して前記電気素子の抵抗値を読み取った結果(ステップS003、S004)、電気素子の抵抗値が増加した場合は電気素子が試料(A’)あるいは試料(C’)に相当することがわかるので、第2の電極に対して第1の電極が負となるような再生電圧、すなわち上部電極1に対して下部電極3が負となる、換言すると上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS005)。また、電気素子の抵抗値が増加しなかった場合は電気素子が試料(B’)に相当することがわかるので、第2の電極に対して第1の電極が正となるような再生電圧、すなわち上部電極1に対して下部電極3が正となる、換言すると上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS006)。
以上の実験より、フォーミングされた電気素子(ステップS001)に対して第2の電極に対し第1の電極が正となるような予め決められたパルス電圧を印加した後(ステップS002)、第2の電極に対して第1の電極が正となるような予め決められた電圧を印加して電気素子の抵抗値を読み取った結果(ステップS003、S004)、電気素子の抵抗値が増加した場合は、第2の電極に対して第1の電極が負となるような極性の電圧を再生電圧とし(ステップS005)、電気素子の抵抗値が増加しなかった場合は、第2の電極に対して第1の電極が正となるような極性の電圧を再生電圧とすれば良いことがわかる(ステップS006)。
本実験の場合、上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した後に、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を印加して抵抗値を測定する方法では試料(A’)、(B’)、(C’)の区別をつけることは困難であるが、上記の方法で再生電圧の極性を決定した後に、ある極性を有するパルス電圧を印加した後の電気素子の抵抗値と、上記ある極性とは異なる極性を有するパルス電圧を印加した後の電気素子の抵抗値を比較し、上記の方法で決定した再生電圧の極性が正しいのかどうかを判断することができる。このとき、抵抗値に変化が見られないのであれば、上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(−極性)を各々の試料に印加した後に、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を印加して抵抗値を測定し、再生電圧の極性を決定すればよい。試料(A)、(B)、(C)の区別をつけることが困難な場合も、同様にして再生電圧の極性を決定すればよい。
<電気素子における再生電圧極性の決定実験2−1>
図8を用いて、電気素子における再生電圧極性の決定実験2−1について説明する。上記の実験1と同様に、各試料についてフォーミングを行った(ステップS101)。次に上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した(ステップS102)後に、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を各々の試料に印加し、抵抗値を測定した(ステップS103、S104)。図3(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(A)、(C)の実験1の結果より、試料(A)および(C)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。一方、図3(B)のパルス印加回数1回目に示す試料(B)の実験1の結果と図6(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(A’)と(C’)の実験1の結果、および図6(B)のパルス印加回数1回目に示す試料(B’)の実験1の結果より、試料(B)、(A’)、(B’)、(C’)については抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(A)または試料(C)に相当することがわかるので、下部電極3に対して上部電極1が正となる様な測定電圧(+極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS105)。
図8を用いて、電気素子における再生電圧極性の決定実験2−1について説明する。上記の実験1と同様に、各試料についてフォーミングを行った(ステップS101)。次に上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した(ステップS102)後に、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を各々の試料に印加し、抵抗値を測定した(ステップS103、S104)。図3(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(A)、(C)の実験1の結果より、試料(A)および(C)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。一方、図3(B)のパルス印加回数1回目に示す試料(B)の実験1の結果と図6(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(A’)と(C’)の実験1の結果、および図6(B)のパルス印加回数1回目に示す試料(B’)の実験1の結果より、試料(B)、(A’)、(B’)、(C’)については抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(A)または試料(C)に相当することがわかるので、下部電極3に対して上部電極1が正となる様な測定電圧(+極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS105)。
次に上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を各々の試料に印加し(ステップS106)、電気素子の抵抗値の変化を調べた(ステップS107)。図3(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(B)の実験2の結果より、試料(B)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。一方、図6(B)のパルス印加回数1回目に示す試料(A’)と(C’)の実験2の結果、および図6(A)のパルス印加回数1回目に示す試料(B’)の実験2の結果より、試料(A’)、(B’)、(C’)については抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(B)に相当することがわかるので、下部電極3に対して上部電極1が負となる様な測定電圧(−極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS108)。
さらに次のステップとして上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(−極性)を各々の試料に印加した(ステップS109)後に、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を各々の試料に印加し、抵抗値を測定した(ステップS110、S111)。図6(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(A’)と(C’)の実験1の結果より、試料(A’)と試料(C’)については抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。一方、図6(B)のパルス印加回数2回目に示す試料(B’)の実験1の結果より、試料(B’)では抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(A’)または試料(C’)に相当することがわかるので、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS112)。また、この段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加すれば電気素子が試料(B’)に相当することがわかるので、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS113)。
上記実験では、ステップS103において「正」極性の再生電圧を印加し、ステップS106において「負」極性の再生電圧を印加したが、ステップS103とステップS106を入れ替えると同時に、ステップS105とステップS108を入れ替えても良い。また、ステップS110において「正」極性の再生電圧を印加する代わりに「負」極性の再生電圧を印加し、ステップS112とステップS113を入れ替えても良い。
<電気素子における再生電圧極性の決定実験2−2>
図9を用いて、電気素子における再生電圧極性の決定実験2−2について説明する。上記実験2−1では各試料のフォーミング(ステップS101)後に、最初のステップとして上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した(ステップS102)が、本実験では各試料のフォーミング(ステップS201)後に最初のステップとして上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(−極性)を各々の試料に印加した(ステップS202)後に、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を各々の試料に印加し、抵抗を測定した(ステップS203、S204)。図6(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(B’)の実験2の結果より、試料(B’)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることがわかる。一方、図3(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(B)の実験2の結果と図3(B)のパルス印加回数2回目に示す試料(A)の実験2の結果、および図6(B)のパルス印加回数2回目に示す試料(A’)の実験2の結果より、試料(A)、(A’)、(B)、(C)、(C’)については抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(B’)に相当することがわかるので、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS205)。
図9を用いて、電気素子における再生電圧極性の決定実験2−2について説明する。上記実験2−1では各試料のフォーミング(ステップS101)後に、最初のステップとして上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した(ステップS102)が、本実験では各試料のフォーミング(ステップS201)後に最初のステップとして上部電極1が下部電極3に対して「−」になるパルス電圧(−極性)を各々の試料に印加した(ステップS202)後に、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を各々の試料に印加し、抵抗を測定した(ステップS203、S204)。図6(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(B’)の実験2の結果より、試料(B’)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることがわかる。一方、図3(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(B)の実験2の結果と図3(B)のパルス印加回数2回目に示す試料(A)の実験2の結果、および図6(B)のパルス印加回数2回目に示す試料(A’)の実験2の結果より、試料(A)、(A’)、(B)、(C)、(C’)については抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(B’)に相当することがわかるので、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS205)。
次に上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を各々の試料に印加し(ステップS206)、電気素子の抵抗値の変化を調べた(ステップS207)。図6(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(A’)と(C’)の実験1の結果より、試料(A’)と(C’)では抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることが判る。一方、図3(A)のパルス印加回数2回目に示す試料(A)と(C)の実験1の結果、および図3(B)のパルス印加回数2回目に示す試料(B)の実験1の結果より、試料(A)、(B)、(C)については抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(A’)または試料(C’)に相当することがわかるので、上部電極1が下部電極3に対して「+」になる測定電圧(+極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS208)。
さらに次のステップとして上部電極1が下部電極3に対して「+」になるパルス電圧(+極性)を各々の試料に印加した(ステップS209)後に、上部電極1が下部電極3に対して「−」になる測定電圧(−極性)を各々の試料に印加し、抵抗値を測定した(ステップS210、S211)。図3(A)のパルス印加回数3回目に示す試料(B)の実験2の結果より、試料(B)については抵抗値はフォーミング後の抵抗値と同様、低い値のままであることがわかる。一方、図3(B)のパルス印加回数3回目に示す試料(A)と試料(C)の実験2の結果より、試料(A)と試料(C)では抵抗値がフォーミング後の値より増加することがわかる。従ってこの段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加しなければ電気素子が試料(B)に相当することがわかるので、下部電極3に対して上部電極1が負となる様な測定電圧(−極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS212)。また、この段階で抵抗値がフォーミング後の値から増加すれば電気素子が試料(A)または試料(C)に相当することがわかるので、下部電極3に対して上部電極1が正となる様な測定電圧(+極性)を情報を読み取るための再生電圧とすれば良い(ステップS213)。
上記実験では、ステップS203において「負」極性の再生電圧を印加し、ステップS206において「正」極性の再生電圧を印加したが、ステップS203とステップS206を入れ替えると同時に、ステップS205とステップS208を入れ替えても良い。また、ステップS210において「負」極性の再生電圧を印加する代わりに「正」極性の再生電圧を印加し、ステップS212とステップS213を入れ替えても良い。
<ダイオード特性順方向決定実験2−1、2−2のまとめ>
上記の実験2−1、2−2より、フォーミングされた電気素子に対してある極性を有する第1のパルス電圧を印加した後に、互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を印加し、2つの予め決められた電圧を印加したときにどちらかの予め決められた電圧で低い抵抗値を示す場合は、低い抵抗値を示す極性を有する予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とし、2つの予め決められた電圧を印加したときにいずれも高い抵抗値を示す場合は、第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を電気素子に印加した後に、互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を印加し、低い抵抗値を示す極性を有する予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とすればよいことがわかる。
<ダイオード特性順方向決定実験2−1、2−2のまとめ>
上記の実験2−1、2−2より、フォーミングされた電気素子に対してある極性を有する第1のパルス電圧を印加した後に、互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を印加し、2つの予め決められた電圧を印加したときにどちらかの予め決められた電圧で低い抵抗値を示す場合は、低い抵抗値を示す極性を有する予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とし、2つの予め決められた電圧を印加したときにいずれも高い抵抗値を示す場合は、第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を電気素子に印加した後に、互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を印加し、低い抵抗値を示す極性を有する予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とすればよいことがわかる。
(第1の実施形態)
<回路記号の定義>
この発明の第1の実施形態によるメモリ装置200について説明する。なお、本実施形態で用いられる電気素子の回路記号を図10のように定義する。図10に示した電気素子102では、端子101−2に対して端子101−1が「+」になるパルス電圧を印加すると電気素子102の抵抗値は減少し、端子101−2に対して端子101−1が「−」になるパルス電圧を印加すると電気素子102の抵抗値は増加する。また、図10に示した電気素子102は、端子101−1から端子101−2へ向かう方向を「順方向」とし、端子101−2から端子101−1へ向かう方向を「逆方向」とするダイオード特性を示す。
<回路記号の定義>
この発明の第1の実施形態によるメモリ装置200について説明する。なお、本実施形態で用いられる電気素子の回路記号を図10のように定義する。図10に示した電気素子102では、端子101−2に対して端子101−1が「+」になるパルス電圧を印加すると電気素子102の抵抗値は減少し、端子101−2に対して端子101−1が「−」になるパルス電圧を印加すると電気素子102の抵抗値は増加する。また、図10に示した電気素子102は、端子101−1から端子101−2へ向かう方向を「順方向」とし、端子101−2から端子101−1へ向かう方向を「逆方向」とするダイオード特性を示す。
メモリ装置200の全体構成を図11に示す。この装置200は、メモリアレイ201と、アドレスバッファ202と、制御部203と、行デコーダ204と、ワード線ドライバ205と、列デコーダ206と、ビット線ドライバ207とを備える。
メモリアレイ201には、ワード線W1,W2と、ビット線B1,B2と、メモリセルMC211〜MC222とが設けられている。メモリセルMC211〜MC222の各々は、図10に示した電気素子102である。メモリセルMC211の一端はワード線W1に接続され、メモリセルMC211の他端はビット線B1に接続される(順方向:W1→B1)。メモリセルMC212の一端はワード線W2に接続され、メモリセルMC212の他端はビット線B1に接続される(順方向:W2→B1)。メモリセルMC221の一端はワード線W1に接続され、メモリセルMC221の他端はビット線B2に接続される(順方向:W1→B2)。メモリセルMC222の一端はワード線W2に接続され、メモリセルMC222の他端はビット線B2に接続される(順方向:W2→B2)。
制御部203は、上記の方法によって電気素子から情報を再生して読み取るための再生電圧の極性を決定する機能を有する。
<動作>
次に、図10に示した電気素子102による動作について説明する。ここでは、電気素子102は、メモリとして使用され、1ビットデータの処理を行う。なお、電気素子102の抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)は、高抵抗状態に初期化されているものとする。また、電気素子102の抵抗値が「高抵抗状態」であるときを「0」とし、電気素子102の抵抗値が「低抵抗状態」であるときを「1」とする。
次に、図10に示した電気素子102による動作について説明する。ここでは、電気素子102は、メモリとして使用され、1ビットデータの処理を行う。なお、電気素子102の抵抗値(状態変化材料2の抵抗値)は、高抵抗状態に初期化されているものとする。また、電気素子102の抵抗値が「高抵抗状態」であるときを「0」とし、電気素子102の抵抗値が「低抵抗状態」であるときを「1」とする。
〔記憶〕
電気素子102に「1」を示す1ビットデータを書き込む場合、端子101−2をグランドに落とし、端子101−1に記憶電圧を印加する。記憶電圧は、例えば、電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(+極性))である。電気素子102にはパルス電圧(+極性)が印加されるので、電気素子102の抵抗値(状態変化材料の抵抗値)は、低抵抗状態になる。このように、電気素子102は「1」を示す1ビットデータを記憶したことになる。
電気素子102に「1」を示す1ビットデータを書き込む場合、端子101−2をグランドに落とし、端子101−1に記憶電圧を印加する。記憶電圧は、例えば、電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(+極性))である。電気素子102にはパルス電圧(+極性)が印加されるので、電気素子102の抵抗値(状態変化材料の抵抗値)は、低抵抗状態になる。このように、電気素子102は「1」を示す1ビットデータを記憶したことになる。
〔リセット〕
電気素子102の記憶状態を初期の状態に戻す場合、端子101−2をグランドに落とし、端子101−1にリセット電圧を印加する。リセット電圧は、例えば、電圧値が「−3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(−極性))である。電気素子102にはパルス電圧(−極性)が印加されるので、電気素子102の抵抗値は、高抵抗状態に戻る。このように、電気素子102の記憶状態は初期状態に戻ったことになる。
電気素子102の記憶状態を初期の状態に戻す場合、端子101−2をグランドに落とし、端子101−1にリセット電圧を印加する。リセット電圧は、例えば、電圧値が「−3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(−極性))である。電気素子102にはパルス電圧(−極性)が印加されるので、電気素子102の抵抗値は、高抵抗状態に戻る。このように、電気素子102の記憶状態は初期状態に戻ったことになる。
〔再生〕
次に、端子101−2をグランドに落とし、端子101−1に制御部203によって決定された極性を有する再生電圧を印加する。再生電圧は、例えば、電圧値が「+0.5V」を示す電圧である。電気素子102には再生電圧(=測定電圧(+極性))が印加されるので、電気素子102の抵抗値に応じた電流値を有する電流が端子101−1から端子101−2へ向かう方向(順方向)に流れる。ここで、電気素子102の抵抗値が「高抵抗状態」であるときに流れる電流を「0」とし、電気素子102の抵抗値が「低抵抗状態」であるときに流れる電流を「1」とすれば、電気素子102から1ビットデータを再生したことになる。
次に、端子101−2をグランドに落とし、端子101−1に制御部203によって決定された極性を有する再生電圧を印加する。再生電圧は、例えば、電圧値が「+0.5V」を示す電圧である。電気素子102には再生電圧(=測定電圧(+極性))が印加されるので、電気素子102の抵抗値に応じた電流値を有する電流が端子101−1から端子101−2へ向かう方向(順方向)に流れる。ここで、電気素子102の抵抗値が「高抵抗状態」であるときに流れる電流を「0」とし、電気素子102の抵抗値が「低抵抗状態」であるときに流れる電流を「1」とすれば、電気素子102から1ビットデータを再生したことになる。
このように、電気素子102をメモリとして利用することができる。
<効果>
以上のように、電気素子が「ダイオード特性」を有しているので、特別にダイオード素子を用いることなく電流の向きを規定することができる。さらに電気素子が「可変抵抗特性」を有しているので、例えば、1R1D型不揮発性記憶素子として利用することができる。このように利用した場合、従来の1R1D型不揮発性記憶素子の構成と比較すると、ダイオードを設ける必要がないので、製造プロセスを簡単にすることができる。
以上のように、電気素子が「ダイオード特性」を有しているので、特別にダイオード素子を用いることなく電流の向きを規定することができる。さらに電気素子が「可変抵抗特性」を有しているので、例えば、1R1D型不揮発性記憶素子として利用することができる。このように利用した場合、従来の1R1D型不揮発性記憶素子の構成と比較すると、ダイオードを設ける必要がないので、製造プロセスを簡単にすることができる。
また、ダイオードが設けられていないので、状態変化材料に印加するパルス電圧の極性が制限されない。よって、状態変化材料に「+」,「−」の両方の極性のパルス電圧を印加することができる。このようなパルス印加方法(パルス電圧の極性によって抵抗値を変化させる方法)では、従来のパルス印加方法(パルス電圧のパルス幅を調整することによって可変抵抗材料の抵抗値を変化させる方法)と比較すると、印加するパルス電圧のパルス幅が短い(本実施形態では、50nsec)。つまり、記憶/リセットに要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態において電気素子102の状態変化材料2としては、スピネル構造であるCuFe2O4,CoFe2O4,NiCr2O4,Fe3O4や、イルメナイト構造の金属が添加された酸化物強誘電体、さらには、ペロブスカイト構造のCMR材料および高温超伝導材料等でも同様な効果を得ることができる。具体的にはCr-SrTiO3,Sr-LiNbO3,Mg-LiNbO3,Pr(1-X)CaXMnO3,LaSrMnO3,GdBaCoXOY等でも同様の効果が得られる。
また、CMOSプロセスにおいて、高温による破壊等を防ぐために成膜時の温度は450℃以下であることが望ましい。ペロブスカイト構造を有する材料を成膜するためには、通常、基板の温度を700℃以上にする必要がある。一方、スピネル構造を有する材料を成膜するためには基板の温度が約400℃程度であればよい。したがって、スピネル構造を有する材料を図1の状態変化材料2として用いることによって、成膜時の温度を低くすることができる。このように、スピネル構造を有する材料は、ペロブスカイト構造を有する材料よりも半導体プロセスとの整合性が良好である。
また、一般的に、高温超伝導材料やCMR材料は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含む酸化物である。このような材料を用いて図1の電気素子を形成する場合、半導体プロセスの洗浄工程においてこの材料に含まれるアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属が溶出してしまうので、記憶素子としての特性が劣化する。このような特性劣化を防ぐためには、アルカリ金属およびアルカリ土類金属を含まない材料を状態変化材料2として用いることが好ましい。
また、本実施形態では1ビットデータを高抵抗状態と低抵抗状態の2個の状態として保持することによりメモリとして動作させているが、電気的パルスの幅および振幅を変えることにより、4個もしくはそれ以上の抵抗状態を2ビットもしくは3ビット以上の情報として記憶させる不揮発性記憶素子として動作させることも可能である。
(第2の実施形態)
<全体構成>
この発明の第2の実施形態によるメモリ装置200の全体構成を図11に示す。この装置200は、メモリアレイ201と、アドレスバッファ202と、制御部203と、行デコーダ204と、ワード線ドライバ205と、列デコーダ206と、ビット線ドライバ207とを備える。
<全体構成>
この発明の第2の実施形態によるメモリ装置200の全体構成を図11に示す。この装置200は、メモリアレイ201と、アドレスバッファ202と、制御部203と、行デコーダ204と、ワード線ドライバ205と、列デコーダ206と、ビット線ドライバ207とを備える。
メモリアレイ201には、ワード線W1,W2と、ビット線B1,B2と、メモリセルMC211〜MC222とが設けられている。メモリセルMC211〜MC222の各々は、図10に示した電気素子102である。メモリセルMC211の一端はワード線W1に接続され、メモリセルMC211の他端はビット線B1に接続される(順方向:W1→B1)。メモリセルMC212の一端はワード線W2に接続され、メモリセルMC212の他端はビット線B1に接続される(順方向:W2→B1)。メモリセルMC221の一端はワード線W1に接続され、メモリセルMC221の他端はビット線B2に接続される(順方向:W1→B2)。メモリセルMC222の一端はワード線W2に接続され、メモリセルMC222の他端はビット線B2に接続される(順方向:W2→B2)。
アドレスバッファ202は、外部からのアドレス信号ADDRESSを入力して、行アドレス信号ROWを行デコーダ204に出力するとともに、列アドレス信号COLUMNを列デコーダ206に出力する。アドレス信号ADDRESSは、メモリセルMC211〜MC222のうち選択されるメモリセルのアドレスを示す。行アドレス信号ROWは、アドレス信号ADDRESSに示されたアドレスのうち行のアドレスを示す。列アドレスCOLUMNは、アドレス信号ADDRESSに示されたアドレスのうち列のアドレスを示す。
制御部203は、外部からのモード選択信号MODEに応じて、記憶モード,リセットモード,および再生モードのうちいずれか1つになる。記憶モードでは、制御部203は、外部からの入力データDinに応じて、「記憶電圧印加」を指示する制御信号CONTをワード線ドライバ205およびビット線ドライバ207に出力する。再生モードでは、制御部203は、上記の方法によって電気素子から情報を再生して読み取るための再生電圧の極性を決定する機能を有すると共に、「再生電圧印加」を指示する制御信号CONTをワード線ドライバ205およびビット線ドライバ207に出力する。さらに、再生モードでは、ビット線ドライバ207からの信号IREADに応じたビット値を示す出力データDoutを外部へ出力する。信号IREADは、ビット線B1,B2を流れる電流の電流値を示す。また、リセットモードでは、制御部203は、メモリセルMC211〜MC222の記憶状態を確認し、その記憶状態に応じて、「リセット電圧印加」を指示する制御信号CONTをワード線ドライバ205およびビット線ドライバ207に出力する。
行デコーダ204は、アドレスバッファ202からの行アドレス信号ROWに応じて、ワード線W1,W2のうちいずれか1つを選択する。
ワード線ドライバ205は、制御部203から「記憶電圧印加」を指示する制御信号CONTを受けると、行デコーダ204によって選択されたワード線に記憶電圧V1WRITEを印加する。また、ワード線ドライバ205は、制御部203から「再生電圧印加」を指示する制御信号CONTを受けると、行デコーダ204によって選択されたワード線に再生電圧V1READを印加する。また、ワード線ドライバ205は、制御部203から「リセット電圧印加」を指示する制御信号CONTを受けると、行デコーダ204によって選択されたワード線にリセット電圧V1RESETを印加する。
列デコーダ206は、アドレスバッファ202からの列アドレス信号COLUMNに応じて、ビット線B1,B2のうちいずれか1つを選択する。
ビット線ドライバ207は、制御部203から「記憶電圧印加」を指示する制御信号CONTを受けると、列デコーダ206によって選択されたビット線に記憶電圧V2WRITEを印加する。また、ビット線ドライバ207は、制御部203から「再生電圧印加」を指示する制御信号CONTを受けると、列デコーダ206によって選択されなかったビット線に再生電圧V2READを印加した後、ビット線B1,B2を流れる電流の電流値を示す信号IREADを制御部203に出力する。また、ビット線ドライバ207は、制御部203から「リセット電圧印加」を指示する制御信号CONTを受けると、列デコーダ206によって選択されたビット線にリセット電圧V2RESETを印加する。
なお、記憶電圧V1WRITEは、例えば、電圧値が「+1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧であり、記憶電圧V2WRITEは、例えば、電圧値が「−1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧である。ここでは、記憶電圧V1WRITEと記憶電圧V2WRITEとの電位差は「3V」である。
また、再生電圧V1READ,V2READは、例えば、電圧値が「+0.5V」を示す電圧である。ここでは、再生電圧V1READ,V2READは、互いに等しい電圧である。
また、リセット電圧V1RESETは、例えば、電圧値が「−1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧であり、リセット電圧V2RESETは、例えば、電圧値が「+1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧である。ここでは、リセット電圧V1RESETとリセット電圧V2RESETとの電位差は「3V」である。
<動作>
次に、図11に示したメモリ装置200による動作について説明する。この装置200による動作には、メモリセルに入力データDinを書き込む記憶モードと、メモリセルに書き込まれた情報をリセットするリセットモードと、メモリセルに書き込まれた情報を出力データDoutとして出力(再生)する再生モードとが存在する。なお、メモリセルMC211〜MC222は、高抵抗状態に初期化されているものとする。また、アドレス信号ADDRESSは、メモリセルMC211のアドレスを示すものとする。
次に、図11に示したメモリ装置200による動作について説明する。この装置200による動作には、メモリセルに入力データDinを書き込む記憶モードと、メモリセルに書き込まれた情報をリセットするリセットモードと、メモリセルに書き込まれた情報を出力データDoutとして出力(再生)する再生モードとが存在する。なお、メモリセルMC211〜MC222は、高抵抗状態に初期化されているものとする。また、アドレス信号ADDRESSは、メモリセルMC211のアドレスを示すものとする。
〔記憶モード〕
まず、記憶モードにおける動作について説明する。
まず、記憶モードにおける動作について説明する。
制御部203は、入力データDinが「1」を示す場合、「記憶電圧印加」を示す制御信号CONTをワード線ドライバ205およびビット線ドライバ207に出力する。また、制御部203は、入力データDinが「0」を示す場合、制御信号CONTを出力しない。
次に、ビット線ドライバ207は、制御部203から「記憶電圧印加」を示す制御信号CONTを受けると、列デコーダ206によって選択されたビット線B1に記憶電圧V2WRITEを印加し、他のビット線B2(選択されなかったビット線)をグランドに落とす。
一方、ワード線ドライバ205は、制御部203から「記憶電圧印加」を示す制御信号CONTを受けると、行デコーダ204によって選択されたワード線W1に記憶電圧V1WRITEを印加し、他のワード線W2(選択されなかったワード線)をグランドに落とす。
メモリセルMC211では、電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(+極性))が印加されたことになるので、メモリセルMC211の抵抗値は低抵抗状態になる。
メモリセルMC212では、電圧値が「−1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(−極性))が印加されたことになるが、その電圧値が所定のレベル(ここでは、「−3V」)に達していないのでメモリセルMC212の抵抗状態は変化しない。
メモリセルMC221では、電圧値が「+1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(+極性))が印加されたことになるが、その電圧値が所定のレベル(ここでは、「+3V」)に達していないのでメモリセルMC221の抵抗状態は変化しない。
メモリセルMC222では、メモリセルMC222の両端の電位差は「0V」であるので、メモリセルMC222の抵抗状態は変化しない。
このように、メモリセルMC211の抵抗状態だけが「低抵抗状態」に変化するので、メモリセルMC211に「1」を示す1ビットデータが書き込まれたことになる。
次に、メモリセルMC211への書き込みが完了すると、アドレスバッファ202に新たなアドレス信号ADDRESSが入力されて、上述の記憶モードにおける動作が繰り返される。
〔再生モード〕
次に、再生モードにおける動作について説明する。
次に、再生モードにおける動作について説明する。
制御部203は、電気素子から情報を再生して読み取るための再生電圧の極性を決定し、「再生電圧印加」を指示する制御信号CONTをワード線ドライバ205およびビット線ドライバ207に出力する。
次に、ビット線ドライバ207は、制御部203から「再生電圧印加」を示す制御信号CONTを受けると、列デコーダ206によって選択されなかったビット線B2に再生電圧V2READを印加し、他のビット線B1(選択されたビット線)をグランドに落とす。
一方、ワード線ドライバ205は、制御部203から「再生電圧印加」を示す制御信号CONTを受けると、行デコーダ204によって選択されたワード線W1に再生電圧V1READを印加し、他のワード線W2(選択されなかったワード線)をグランドに落とす。
メモリセルMC211では、測定電圧(+極性)が印加されたことになるので、メモリセルMC211の抵抗値に応じた電流値を有する電流がメモリセルMC211に流れ、その電流がビット線B1に流出する。
メモリセルMC212の両端の電位差は「0V」であるので、メモリセルMC212には電流が流れない。また、メモリセルMC212においてビット線B1からワード線W2へ向かう方向は「逆方向」であるので、ビット線B1を流れる電流がワード線W2に流れ込むことはない。
メモリセルMC221の両端の電位差は「0V」になるので、メモリセルMC221には電流が流れない。
メモリセルMC222では、測定電圧(−極性)が印加されたことになるので、メモリセルMC222には電流が流れない。
次に、ビット線ドライバ207は、ビット線B1,B2を流れる電流の電流値を測定し、その測定値を示す信号IREADを制御部203に出力する。次に、制御部203は、その信号IREADに示された電流値に応じた出力データDoutを外部に出力する。例えば、低抵抗状態のときに流れる電流の電流値であるならば、制御部203は、「1」を示す出力データDoutを出力する。
このように、メモリセルMC211にのみ電流が流れ、その電流がビット線B1に流出するので、メモリセルMC211から1ビットデータを読み出したことになる。
次に、メモリセルMC211からの読み出しが完了すると、アドレスバッファ202に新たなアドレス信号ADDRESSが入力されて、上述の再生モードにおける動作が繰り返される。
〔リセットモード〕
次に、リセットモードにおける動作について説明する。
次に、リセットモードにおける動作について説明する。
まず、制御部203は、再生モードにおける処理を行うことによってメモリセルMC211の記憶状態を調べる。
次に、制御部203は、メモリセルMC211が「1」を示すビットデータを記憶していると判断すると(メモリセルMC211が低抵抗状態であると判断すると)、「リセット電圧印加」を示す制御信号CONTをワード線ドライバ205およびビット線ドライバ207に出力する。また、制御部203は、メモリセルNC211が「0」を示すビットデータを記憶している場合(メモリセルMC211が高抵抗状態である場合)には、制御信号CONTを出力しない。
次に、ビット線ドライバ207は、制御部203から「リセット電圧印加」を示す制御信号CONTを受けると、列デコーダ206によって選択されたビット線B1にリセット電圧V2RESETを印加し、他のビット線B2(選択されなかったビット線)をグランドに落とす。
一方、ワード線ドライバ205は、制御部203から「リセット電圧印加」を示す制御信号CONTを受けると、行デコーダ204によって選択されたワード線W1にリセット電圧V1RESETを印加し、他のワード線W2(選択されなかったワード線)をグランドに落とす。
メモリセルMC211では、電圧値が「−3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(−極性))が印加されたことになるので、メモリセルMC211の抵抗値は高抵抗状態になる。
メモリセルMC212では、電圧値が「+1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(+極性))が印加されたことになるが、電圧値が所定のレベル(ここでは、「+3V」)に達していないのでメモリセルMC212の抵抗状態は変化しない。
メモリセルMC221では、電圧値が「−1.5V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧(パルス電圧(−極性))が印加されたことになるが、電圧値が所定のレベル(ここでは、「−3V」)に達していないのでメモリセルMC221の抵抗状態は変化しない。
メモリセルMC222では、メモリセルMC222の両端の電位差は「0V」であるので、メモリセルMC222の抵抗状態は変化しない。
このように、メモリセルMC211の抵抗状態だけが「高抵抗状態」に変化するので、メモリセルMC211に記憶された1ビットデータをリセットしたことになる。
次に、メモリセルMC211のリセットが完了すると、アドレスバッファ202に新たなアドレス信号ADDRESSが入力されて、上述のリセットモードにおける動作が繰り返される。
<効果>
以上のように、電気素子(メモリセル)が「ダイオード特性」を有しているので、あるワード線から別のワード線に電流が流れることはない。このように、ダイオード素子を別に設けることなく、メモリ装置を構成することができるので、製造プロセスを簡単にすることができる。
以上のように、電気素子(メモリセル)が「ダイオード特性」を有しているので、あるワード線から別のワード線に電流が流れることはない。このように、ダイオード素子を別に設けることなく、メモリ装置を構成することができるので、製造プロセスを簡単にすることができる。
また、情報を記憶したい電気素子には所定のパルス電圧が印加されるが、他の電気素子には所定のパルス電圧が印加されない。これにより、情報を記憶したい電気素子の抵抗状態のみを変化させることができる。つまり、任意の電気素子を選択して、その選択した電気素子に情報を記憶することができる。
また、情報を読み出したい電気素子では順方向に電流が流れるが、他の電気素子では順方向に電流が流れない。これにより、情報を読み出したい電気素子に流れる電流のみを読み取ることができる。つまり、任意の電気素子を選択して、その選択した電気素子に記憶された情報を読み出すことができる。
なお、図11では、メモリセルが4つしか存在しないがこれに限らず、5つ以上のメモリセルをマトリックス状に配置することも可能である。
(第3の実施形態)
<構成>
この発明の第3の実施形態による半導体集積回路(Embedded-RAM)300の構成を図12に示す。この回路300は、図11に示したメモリ装置200と、論理回路301とを備え、1つの半導体チップ上に形成される。図11に示したメモリ装置200は、データRAMとして使用される。論理回路301は、所定の演算(例えば、音声データ・画像データの符号化/復号化)を行う回路であり、その演算の際に、メモリ装置200を利用する。論理回路301は、メモリ装置200にアドレス信号ADDRESSおよびモード選択信号MODEを制御して、メモリ装置200へのデータの書き込み/読み出しを行う。
<構成>
この発明の第3の実施形態による半導体集積回路(Embedded-RAM)300の構成を図12に示す。この回路300は、図11に示したメモリ装置200と、論理回路301とを備え、1つの半導体チップ上に形成される。図11に示したメモリ装置200は、データRAMとして使用される。論理回路301は、所定の演算(例えば、音声データ・画像データの符号化/復号化)を行う回路であり、その演算の際に、メモリ装置200を利用する。論理回路301は、メモリ装置200にアドレス信号ADDRESSおよびモード選択信号MODEを制御して、メモリ装置200へのデータの書き込み/読み出しを行う。
<動作>
次に、図12に示した半導体集積回路(Embedded-RAM)300による動作について説明する。この回路300による動作には、メモリ装置200に所定のデータ(ビットデータ)を書き込む書込処理と、メモリ装置200に書き込んだデータを読み出す読出処理と、メモリ装置200に書き込んだデータをリセットするリセット処理とが存在する。
次に、図12に示した半導体集積回路(Embedded-RAM)300による動作について説明する。この回路300による動作には、メモリ装置200に所定のデータ(ビットデータ)を書き込む書込処理と、メモリ装置200に書き込んだデータを読み出す読出処理と、メモリ装置200に書き込んだデータをリセットするリセット処理とが存在する。
〔書込処理〕
まず、書込処理について説明する。
まず、書込処理について説明する。
論理回路301は、メモリ装置200に所定のデータ(例えば、符号化動画像データ等)を書き込むために、「記憶モード」を示すモード選択信号MODEをメモリ回路200の制御部203に出力する。
次に、論理回路301は、その所定のデータを書き込むメモリセルを選択するために、アドレス信号ADDRESSをメモリ装置200のアドレスバッファ202に順次出力する。これにより、メモリ装置200では、アドレス信号ADDRESSに応じたメモリセルが順次選択される。
次に、論理回路301は、その所定のデータを1ビットずつ1ビットデータDinとしてメモリ装置200の制御部203に出力する。
次に、メモリ装置200では、第2の実施形態の記憶モードと同様の動作が行われる。これにより、メモリ装置200にその所定のデータが1ビットずつ書き込まれる。
〔読出処理〕
次に、読出処理について説明する。
次に、読出処理について説明する。
論理回路301は、メモリ装置200に書き込んだデータを読み出すために、「再生モード」を示すモード選択信号MODEをメモリ回路200の制御部203に出力する。
次に、論理回路301は、書き込まれたデータを読み出すメモリセルを選択するために、アドレス信号ADDRESSをメモリ装置200のアドレスバッファ202に順次出力する。これにより、メモリ装置200では、アドレス信号ADDRESSに応じたメモリセルが順次選択される。
次に、メモリ装置200では、第2の実施形態の再生モードと同様の動作が行われる。これにより、メモリ装置200に記憶されたデータが1ビットずつ出力データDoutとして読み出される。
〔リセット処理〕
次に、リセット処理について説明する。
次に、リセット処理について説明する。
論理回路301は、メモリ装置200に記憶されたデータをリセットすために、「リセットモード」を示すモード選択信号MODEをメモリ回路200の制御部203に出力する。
次に、論理回路301は、メモリ装置200に記憶されたデータをリセットするメモリセルを選択するために、アドレス信号ADDRESSをメモリ装置200のアドレスバッファ202に順次出力する。これにより、メモリ装置200では、アドレス信号ADDRESSに応じたメモリセルが順次選択される。
次に、メモリ装置200では、第2の実施形態のリセットモードと同様の動作が行われる。これにより、メモリ装置200に記憶されたデータが1ビットずつリセットされる。
<効果>
以上のように、メモリ装置200に大量の情報を高速に記憶することが可能となる。
以上のように、メモリ装置200に大量の情報を高速に記憶することが可能となる。
(第4の実施形態)
<構成>
この発明の第4の実施形態による半導体集積回路(reconfigurable LSI)400の構成を図13に示す。この回路400は、図11に示したメモリ装置200と、プロセッサ401と、インターフェイス402を備え、1つの半導体チップ上に形成される。図11に示したメモリ装置200は、プログラムROMとして使用され、プロセッサ401の動作に必要なプログラムを記憶する。プロセッサ401は、メモリ装置200に記憶されたプログラムに従って動作し、メモリ装置200およびインターフェイス402を制御する。インターフェイス402は、外部から入力されたプログラムをメモリ装置200に順次出力する。
<構成>
この発明の第4の実施形態による半導体集積回路(reconfigurable LSI)400の構成を図13に示す。この回路400は、図11に示したメモリ装置200と、プロセッサ401と、インターフェイス402を備え、1つの半導体チップ上に形成される。図11に示したメモリ装置200は、プログラムROMとして使用され、プロセッサ401の動作に必要なプログラムを記憶する。プロセッサ401は、メモリ装置200に記憶されたプログラムに従って動作し、メモリ装置200およびインターフェイス402を制御する。インターフェイス402は、外部から入力されたプログラムをメモリ装置200に順次出力する。
<動作>
次に、図13に示した半導体集積回路(reconfigurable LSI)400による動作について説明する。この回路400による動作には、記憶されたプログラムに従って動作するプログラム実行処理と、メモリ装置200に記憶されたプログラムを別の新たなプログラムに書き換えるプログラム書換処理とが存在する。
次に、図13に示した半導体集積回路(reconfigurable LSI)400による動作について説明する。この回路400による動作には、記憶されたプログラムに従って動作するプログラム実行処理と、メモリ装置200に記憶されたプログラムを別の新たなプログラムに書き換えるプログラム書換処理とが存在する。
〔プログラム実行処理〕
まず、プログラム実行処理について説明する。
まず、プログラム実行処理について説明する。
プロセッサ401は、メモリ装置200に記憶されたプログラムを読み出すために、「再生モード」を示すモード選択信号MODEをメモリ回路200の制御部203に出力する。制御部203は、上記の方法によって電気素子から情報を再生して読み取るための再生電圧の極性を決定する。
次に、プロセッサ401は、その必要なプログラムが書き込まれたメモリセルを示すアドレス信号ADDRESSをメモリ装置200のアドレスバッファ202に順次出力する。これにより、メモリ装置200では、アドレス信号ADDRESSに応じたメモリセルが順次選択される。
次に、メモリ装置200では、第2の実施形態の再生モードと同様の動作が行われる。これにより、メモリ装置200に記憶されたプログラムが出力データDoutとして1ビットずつ読み出される。
次に、プロセッサ401は、読み出したプログラムに従って、所定の演算を行う。
〔プログラム書換処理〕
次に、プログラム書換処理について説明する。
次に、プログラム書換処理について説明する。
プロセッサ401は、メモリ装置200に記憶されたプログラム(書換対象となるプログラム)を消去するために、「リセットモード」を示すモード選択信号MODEをメモリ装置200の制御部203に出力する。
次に、プロセッサ401は、書換対象となるプログラムを記憶するメモリセルの位置を示すアドレス信号ADDRESSをメモリ装置200のアドレスバッファ202に順次出力する。これにより、メモリ装置200では、アドレス信号ADDRESSに応じたメモリセルが順次選択される。
次に、メモリ装置200では、第2の実施形態のリセットモードと同様の動作が行われる。これにより、メモリセルに記憶されたプログラムが1ビットずつリセットされる。
次に、プロセッサ401は、メモリセルのリセットが完了すると、新たなプログラムを書き込むために、「記憶モード」を示すモード選択信号MODEをメモリ装置200の制御部203に出力する。
次に、プロセッサ401は、新たなプログラムを記憶すべきメモリセルの位置を示すアドレス信号ADDRESSをメモリ装置200のアドレスバッファ202に順次出力する。これにより、メモリ装置200では、アドレス信号ADDRESSに応じたメモリセルが順次選択される。
次に、プロセッサ401は、外部からインターフェイス402を介して1ビットずつメモリ装置200の制御部203に出力する。メモリ装置200では、第2の実施形態の記憶モードと同様の処理が行われる。これにより、新たなプログラムがメモリ装置200に1ビットずつ記憶される。
このように、メモリ装置200は書き換え可能な不揮発性メモリであるため、記憶するプログラムの内容を書き換えることが可能である。つまり、プロセッサ501において実現される機能を代えることができる。また、複数のプログラムをメモリ装置200に記憶しておき、読み出すプログラムに応じてプロセッサ401で実現される機能を代えることもできる。
<効果>
以上のように、1つのLSIで異なる機能を実現することが可能(いわゆるre-configurable)となる。
以上のように、1つのLSIで異なる機能を実現することが可能(いわゆるre-configurable)となる。
(第5の実施形態)
<構造>
この発明の第5の実施形態によるメモリ装置500の構造を図14に示す。このメモリ装置500では、基板501上に下部電極502が形成され、下部電極502上に状態変化材料503およびコンタクトプラグ504が形成され、状態変化材料503上に上部電極505−1,505−2が形成されている。ここでは、下部電極502としてPt(仕事関数:5.7eV)を用い、上部電極505−1,505−2としてAg(仕事関数:4.3eV)を用い、状態変化材料503としてCuFe2O4(膜厚:0.1μm)を用いている。また、コンタクトプラグ504にはAlを用いている。
<構造>
この発明の第5の実施形態によるメモリ装置500の構造を図14に示す。このメモリ装置500では、基板501上に下部電極502が形成され、下部電極502上に状態変化材料503およびコンタクトプラグ504が形成され、状態変化材料503上に上部電極505−1,505−2が形成されている。ここでは、下部電極502としてPt(仕事関数:5.7eV)を用い、上部電極505−1,505−2としてAg(仕事関数:4.3eV)を用い、状態変化材料503としてCuFe2O4(膜厚:0.1μm)を用いている。また、コンタクトプラグ504にはAlを用いている。
<状態変化材料>
ここで、図14に示した上部電極505−1と下部電極502との間に所定のパルス電圧を印加すると、状態変化材料503のうち上部電極の直下に存在する領域(状態変化領域503α)の抵抗値が変化する。また、図14に示した上部電極505−2と下部電極502との間に所定のパルス電圧を印加すると、状態変化材料503のうち上部電極505−2の直下に存在する領域(状態変化領域503β)の抵抗値が変化する。
ここで、図14に示した上部電極505−1と下部電極502との間に所定のパルス電圧を印加すると、状態変化材料503のうち上部電極の直下に存在する領域(状態変化領域503α)の抵抗値が変化する。また、図14に示した上部電極505−2と下部電極502との間に所定のパルス電圧を印加すると、状態変化材料503のうち上部電極505−2の直下に存在する領域(状態変化領域503β)の抵抗値が変化する。
また、図14に示した上部電極505−1と下部電極502との間に測定電圧(+極性)を印加すると、コンタクトプラグ504からは、状態変化領域503αの抵抗値に応じた電流値を有する電流が流れる。また、図14に示した上部電極505−1と下部電極502との間に測定電圧(−極性)を印加しても、電流は流れない。同様に、図14に示した上部電極505−2と下部電極502との間に測定電圧(+極性)を印加すると、コンタクトプラグ504からは、状態変化領域503βの抵抗値に応じた電流値を有する電流が流れる。また、図14に示した上部電極505−2と下部電極502との間に測定電圧(−極性)を印加しても、電流は流れない。
<等価回路>
図14に示したメモリ装置500の等価回路を図15に示す。図15では、ワード線W1は上部電極505−1に対応し、ワード線W2は上部電極505−2に対応し、下部電極502およびコンタクトプラグ504はビット線B1に対応する。また、メモリセルMC511は状態変化領域503αに対応し、メモリセルMC512は状態変化領域503βに対応する。
図14に示したメモリ装置500の等価回路を図15に示す。図15では、ワード線W1は上部電極505−1に対応し、ワード線W2は上部電極505−2に対応し、下部電極502およびコンタクトプラグ504はビット線B1に対応する。また、メモリセルMC511は状態変化領域503αに対応し、メモリセルMC512は状態変化領域503βに対応する。
<動作>
次に、図14に示したメモリ装置500による動作について、図15に示した等価回路を用いて説明する。図14に示したメモリ装置500よる動作には、メモリセルに1ビットデータを記憶する記憶モードと、メモリセルに記憶された1ビットデータをリセットするリセットモードと、メモリセルに記憶された1ビットデータを再生する再生モードとが存在する。
次に、図14に示したメモリ装置500による動作について、図15に示した等価回路を用いて説明する。図14に示したメモリ装置500よる動作には、メモリセルに1ビットデータを記憶する記憶モードと、メモリセルに記憶された1ビットデータをリセットするリセットモードと、メモリセルに記憶された1ビットデータを再生する再生モードとが存在する。
〔記憶モード〕
まず、ビット線B1(下部電極502およびコンタクトプラグ504)およびワード線W2(上部電極505−2)をグランドに落とし、ワード線W1(上部電極505−1)に記憶電圧を印加する。記憶電圧は、例えば、電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧である。これにより、メモリセルMC511(状態変化領域503α)の抵抗状態が「高抵抗状態」から「低抵抗状態」に変化する。
まず、ビット線B1(下部電極502およびコンタクトプラグ504)およびワード線W2(上部電極505−2)をグランドに落とし、ワード線W1(上部電極505−1)に記憶電圧を印加する。記憶電圧は、例えば、電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧である。これにより、メモリセルMC511(状態変化領域503α)の抵抗状態が「高抵抗状態」から「低抵抗状態」に変化する。
〔リセット〕
次に、ビット線B1およびワード線W2をグランドに落とし、ワード線W1にリセット電圧を印加する。リセット電圧は、例えば、電圧値が「−3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧である。これにより、メモリセルMC511の抵抗状態が「低抵抗状態」から「高抵抗状態」に変化する。
次に、ビット線B1およびワード線W2をグランドに落とし、ワード線W1にリセット電圧を印加する。リセット電圧は、例えば、電圧値が「−3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧である。これにより、メモリセルMC511の抵抗状態が「低抵抗状態」から「高抵抗状態」に変化する。
〔再生〕
次に、ビット線B1およびワード線W2をグランドに落とし、ワード線W1に再生電圧を印加する。再生電圧は、例えば、電圧値が「+0.5V」を示す電圧である。これにより、メモリセルMC511の抵抗状態に応じた電流がビット線B1から流出する。一方、メモリセルMC512においてビット線B1からワード線W2へ向かう方向は「逆方向」であるので、ビット線B1からワード線W2(上部電極505−1から下部電極502を介して上部電極505−2)へは電流は流れない。
次に、ビット線B1およびワード線W2をグランドに落とし、ワード線W1に再生電圧を印加する。再生電圧は、例えば、電圧値が「+0.5V」を示す電圧である。これにより、メモリセルMC511の抵抗状態に応じた電流がビット線B1から流出する。一方、メモリセルMC512においてビット線B1からワード線W2へ向かう方向は「逆方向」であるので、ビット線B1からワード線W2(上部電極505−1から下部電極502を介して上部電極505−2)へは電流は流れない。
<効果>
以上のように、状態変化材料が「ダイオード特性」を有しているので、特別にダイオードを形成することなく電流の向きを規定することができる。さらに状態変化材料が「可変抵抗特性」を有しているので、例えば、1R1D型不揮発性記憶装置として利用することができる。このように利用した場合、従来の1R1D型不揮発性記憶装置の構成と比較すると、ダイオードを形成する必要がないので、製造プロセスを簡単にすることができる。
以上のように、状態変化材料が「ダイオード特性」を有しているので、特別にダイオードを形成することなく電流の向きを規定することができる。さらに状態変化材料が「可変抵抗特性」を有しているので、例えば、1R1D型不揮発性記憶装置として利用することができる。このように利用した場合、従来の1R1D型不揮発性記憶装置の構成と比較すると、ダイオードを形成する必要がないので、製造プロセスを簡単にすることができる。
また、ダイオードが形成されていないので、状態変化材料に印加するパルス電圧の極性が制限されない。よって、状態変化材料に「+」,「−」の両方の極性のパルス電圧を印加することができる。このようなパルス印加方法(パルス電圧の極性によって抵抗値を変化させる方法)では、従来のパルス印加方法(パルス電圧のパルス幅を調整することによって可変抵抗材料の抵抗値を変化させる方法)と比較すると、印加するパルス電圧のパルス幅が短い(本実施形態では、50nsec)。つまり、記憶/リセットに要する時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、制御部が電気素子の再生のたびに再生電圧の極性を決定しても良いし、一度決定した再生電圧の極性をメモリーに記憶しておき、電気素子の再生のたびに再生電圧の極性を決定することを省いても良い。
なお、本実施形態では、上部電極505−1,505−2の仕事関数と下部電極502の仕事関数とが互いに異なる場合について説明したが、実施例2において説明したように、状態変化材料503の結晶性が不均一である場合も同様の効果を得ることができることは言うまでもない。
なお、本実施形態では、下部電極502が上部電極505−1(505−2)に対して「+」になるパルス電圧を印加すると状態変化領域503α(503β)の抵抗状態が「低抵抗状態」に変化し、かつ、上部電極505−1(505−2)から下部電極502へ向かう方向を「順方向」とする状態変化材料について説明したが、実施例1,実施例2で説明したように、下部電極502が上部電極505−1(505−2)に対して「−」になるパルス電圧を印加すると状態変化領域503α(503β)の抵抗状態が「低抵抗状態」に変化し、かつ、上部電極505−1(505−2)から下部電極502へ向かう方向を「逆方向」とする状態変化材料も存在する(例えば、実施例1の「試料(A’)等」)。状態変化材料503がこのような特性を示す場合、図14に示したメモリ装置500の等価回路は図16のようになる。また、この場合、記憶モードでは電圧値が「−3V」でありパルス幅が「50nsec」である記憶電圧をワード線W1に印加し、リセットモードでは電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるリセット電圧をワード線W1に印加し、再生モードでは電圧値が「−0.5V」を示す再生電圧をワード線W1に印加すれば、同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、上部電極が2つ形成されている例について説明したが、上部電極が3つ以上形成されている場合も同様の効果を得ることが可能である
以上の説明において、この電気素子の抵抗状態を変化させるためには、印加するパルス電圧が所定の条件を満たせば良い。よって、記憶時/リセット時にその条件を満たすパルス電圧が電気素子に印加されるようにし、再生時にはその条件を満たさない電圧が電気素子に印加されるようにすれば、同様の効果を得ることができる。つまり、電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧を印加すると電気素子の抵抗状態が「高抵抗状態」から「低抵抗状態」に変化する例について説明したが、このパルス電圧の電圧値およびパルス幅が他の数値であっても同様の効果を得ることは可能である。
以上の説明において、この電気素子の抵抗状態を変化させるためには、印加するパルス電圧が所定の条件を満たせば良い。よって、記憶時/リセット時にその条件を満たすパルス電圧が電気素子に印加されるようにし、再生時にはその条件を満たさない電圧が電気素子に印加されるようにすれば、同様の効果を得ることができる。つまり、電圧値が「+3V」でありパルス幅が「50nsec」であるパルス電圧を印加すると電気素子の抵抗状態が「高抵抗状態」から「低抵抗状態」に変化する例について説明したが、このパルス電圧の電圧値およびパルス幅が他の数値であっても同様の効果を得ることは可能である。
また、実施例の説明において、抵抗変化を規格化した値(R/R0)は、必ずしも図中の値と同一の値になるとは限らない。
本発明にかかる電気素子は、低電力、高速書き込み・消去、大容量化が可能である次世代の不揮発性メモリ等として有用である。
1 上部電極
2 状態変化材料
3 下部電極
4 基板
5 電源
101−1,101−2 端子
102 電気素子
200,500 メモリ装置
201 メモリアレイ
202 アドレスバッファ
203 制御部
204 行デコーダ
205 ワード線ドライバ
206 列デコーダ
207 ビット線ドライバ
MC211,MC212,MC221,MC222,MC511,MC512 メモリセル
W1,W2 ワード線
B1,B2 ビット線
300 半導体集積回路
301 論理回路
400 半導体集積回路
401 プロセッサ
402 インターフェイス
501 基板
502 下部電極
503 状態変化材料
503α,503β 状態変化領域
504 コンタクトプラグ
505−1,505−2 上部電極
2 状態変化材料
3 下部電極
4 基板
5 電源
101−1,101−2 端子
102 電気素子
200,500 メモリ装置
201 メモリアレイ
202 アドレスバッファ
203 制御部
204 行デコーダ
205 ワード線ドライバ
206 列デコーダ
207 ビット線ドライバ
MC211,MC212,MC221,MC222,MC511,MC512 メモリセル
W1,W2 ワード線
B1,B2 ビット線
300 半導体集積回路
301 論理回路
400 半導体集積回路
401 プロセッサ
402 インターフェイス
501 基板
502 下部電極
503 状態変化材料
503α,503β 状態変化領域
504 コンタクトプラグ
505−1,505−2 上部電極
Claims (10)
- 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に接続される状態変化材料からなる複数の電気素子と、
複数のワード線と、
前記複数のワード線に所定の電圧を印加するワード線駆動部と、
複数のビット線と、
前記複数のビット線に所定の電圧を印加するビット線駆動部と、
前記ワード線駆動部と前記ビット線駆動部に接続された制御部とを備え、前記電気素子の抵抗値の変化によって情報を読み書きするメモリ装置であって、
前記複数の電気素子の各々は、前記第1の電極が前記複数のワード線のうちいずれか一本に接続され、前記第2の電極が前記複数のビット線のうちいずれか一本に接続され、
前記状態変化材料は、前記第1の電極から前記第2の電極へ向う第1の方向と前記第2の電極から前記第1の電極へ向かう第2の方向とのうちいずれか一方を順方向とし他方を逆方向とするダイオード特性と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される所定のパルス電圧に応じて当該状態変化材料の順方向における抵抗値が変化する可変抵抗特性を示し、
前記制御部は、抵抗値が変化する範囲において低抵抗状態である電気素子に対してある極性を有する第1のパルス電圧を前記電気素子に印加し、前記第1のパルス電圧が印加された後の電気素子が低抵抗状態を示す極性を有するパルス電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とする
ことを特徴とするメモリ装置。 - 請求項1において、
前記制御部は、前記第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を前記電気素子にさらに印加し、前記第1および第2のパルス電圧が印加された後の電気素子の抵抗値が低い値を示す極性を有するパルス電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とする
ことを特徴とするメモリ装置。 - 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に接続される状態変化材料からなる複数の電気素子と、
複数のワード線と、
前記複数のワード線に所定の電圧を印加するワード線駆動部と、
複数のビット線と、
前記複数のビット線に所定の電圧を印加するビット線駆動部と、
前記ワード線駆動部と前記ビット線駆動部に接続された制御部とを備え、前記電気素子の抵抗値の変化によって情報を読み書きするメモリ装置であって、
前記複数の電気素子の各々は、前記第1の電極が前記複数のワード線のうちいずれか一本に接続され、前記第2の電極が前記複数のビット線のうちいずれか一本に接続され、
前記状態変化材料は、前記第1の電極から前記第2の電極へ向う第1の方向と前記第2の電極から前記第1の電極へ向かう第2の方向とのうちいずれか一方を順方向とし他方を逆方向とするダイオード特性と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される所定のパルス電圧に応じて当該状態変化材料の順方向における抵抗値が変化する可変抵抗特性を示し、
前記制御部は、
抵抗値が変化する範囲において低抵抗状態である前記電気素子の第2の電極に対し第1の電極が正となるような予め決められたパルス電圧を印加した後、前記第2の電極に対して前記第1の電極が正となるような予め決められた電圧を印加して前記電気素子の抵抗値を読み取った結果、
前記電気素子が高抵抗状態となった場合は、情報を読み取るための再生電圧として、前記第2の電極に対して前記第1の電極が負となるような前記再生電圧を印加するように前記ワード線駆動部と前記ビット線駆動部を制御し、
前記電気素子が低抵抗状態である場合は、情報を読み取るための再生電圧として、前記第2の電極に対して前記第1の電極が正となるような前記再生電圧を印加するように前記ワード線駆動部と前記ビット線駆動部を制御する
ことを特徴とするメモリ装置。 - 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に接続される状態変化材料からなる複数の電気素子と、
複数のワード線と、
前記複数のワード線に所定の電圧を印加するワード線駆動部と、
複数のビット線と、
前記複数のビット線に所定の電圧を印加するビット線駆動部と、前記ワード線駆動部と前記ビット線駆動部に接続された制御部とを備え、前記電気素子の抵抗値の変化によって情報を読み書きするメモリ装置であって、
前記複数の電気素子の各々は、前記第1の電極が前記複数のワード線のうちいずれか一本に接続され、前記第2の電極が前記複数のビット線のうちいずれか一本に接続され、
前記状態変化材料は、前記第1の電極から前記第2の電極へ向う第1の方向と前記第2の電極から前記第1の電極へ向かう第2の方向とのうちいずれか一方を順方向とし他方を逆方向とするダイオード特性と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される所定のパルス電圧に応じて当該状態変化材料の順方向における抵抗値が変化する可変抵抗特性を示し、
前記制御部は、
抵抗値が変化する範囲において低抵抗状態である電気素子に対してある極性を有する第1のパルス電圧を印加した後に、互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を印加し、
前記2つの予め決められた電圧を印加したときにどちらかの予め決められた電圧で低抵抗状態を示す場合は、低抵抗状態を示す極性を有する予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とし、
前記2つの予め決められた電圧を印加したときにいずれも高抵抗状態を示す場合は、前記第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を前記電気素子に印加した後に、互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を印加し、低抵抗状態を示す極性を有する予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とする
ことを特徴とするメモリ装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つにおいて、
前記第1の電極の仕事関数は、前記第2の電極の仕事関数と異なる
ことを特徴とするメモリ装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1つにおいて、
前記状態変化材料の結晶性は、不均一である
ことを特徴とするメモリ装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1つにおいて、
前記電気素子は、ダイオード素子として機能する
ことを特徴とするメモリ装置。 - 電気的パルスを印加することにより抵抗値を異なる状態に変化させることができる可変抵抗特性とダイオード特性との両方の特性を有する状態変化材料を用いた電気素子の再生電圧極性決定方法であって、
前記電気素子の抵抗値を低抵抗値に変化させるフォーミングの第1のステップと、
前記電気素子にある極性を有する第1のパルス電圧を印加する第2のステップと、
前記第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を前記電気素子に印加する第3のステップと、
前記第1および第2のパルス電圧が印加された後の電気素子の抵抗値を比較し、低抵抗状態を示すときの極性を有するパルス電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とする第4のステップとを備える
ことを特徴とする電気素子の再生電圧極性決定方法。 - 電気的パルスを印加することにより抵抗値を異なる状態に変化させることができる可変抵抗特性とダイオード特性との両方の特性を有する状態変化材料を用いた電気素子の再生電圧極性決定方法であって、
前記電気素子の抵抗値を低抵抗値に変化させるフォーミングの第1のステップと、
前記電気素子にある極性を有する予め決められたパルス電圧を印加する第2のステップと、
前記パルス電圧と同じ極性を有する予め決められた電圧を印加して前記電気素子の抵抗値を測定する第3のステップと、
前記電気素子が高抵抗状態となる場合は、前記パルス電圧と異なる極性を情報読み取りのための再生電圧の極性とし、前記電気素子が低抵抗状態である場合は、前記パルス電圧と同じ極性を情報読み取りのための再生電圧の極性とする第4のステップとを備える
ことを特徴とする電気素子の再生電圧極性決定方法。 - 電気的パルスを印加することにより抵抗値を異なる状態に変化させることができる可変抵抗特性とダイオード特性との両方の特性を有する状態変化材料を用いた電気素子の再生電圧極性決定方法であって、
前記電気素子の抵抗値を低抵抗値に変化させるフォーミングの第1のステップと、
前記電気素子に対してある極性を有する第1のパルス電圧を印加する第2のステップと、
前記電気素子に互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を連続して印加する第3のステップと、
前記2つの予め決められた電圧を印加した時の前記電気素子の抵抗値を比較し、
どちらかの前記予め決められた電圧で低抵抗状態を示す場合は、低抵抗状態を示す極性を有する前記予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とし、
前記2つの予め決められた電圧を印加したときにいずれも高抵抗状態を示す場合は、前記第1のパルス電圧と異なった極性を有する第2のパルス電圧を前記電気素子に印加した後に、互いに極性の異なる2つの予め決められた電圧を印加し、低抵抗状態を示す極性を有する予め決められた電圧の極性を、情報を読み取るための再生電圧の極性とする第4のステップとを備える
ことを特徴とする電気素子の再生電圧極性決定方法。
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-
2006
- 2006-01-18 JP JP2006009895A patent/JP2007193878A/ja active Pending
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