JP2007193110A - 導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体1と、該導電性支持体1上に形成された電気抵抗調整層2と、該電気抵抗調整層2と像担持体が一定の空隙を保持するように該像担持体と当接して該電気抵抗調整層2の両端部に形成された該電気抵抗調整層2とは異なる材質の空隙保持部材4,4と、からなる導電性部材10において、前記電気抵抗調整層2が、熱可塑性樹脂、アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマーを溶融混練してなる樹脂組成物で構成されているものとする。
【選択図】図1
Description
(1)帯電ローラを構成している物質が帯電ローラから染み出し、これが被帯電体の表面に付着移行して帯電ローラ跡を残すこと、
(2)帯電ローラに交流電圧を印加したときに、被帯電体に接触している帯電ローラが振動するので、帯電音が発生すること、
(3)像担持体上のトナーが帯電ローラに付着する(特に、上述の染み出しによって、よりトナー付着がおこりやすくなる。)ので、帯電ローラの帯電性能が低下すること、
(4)帯電ローラを構成している物質が像担持体へ付着すること、及び、
(5)像担持体を長期停止したときに、帯電ローラが永久変形すること、
といった問題があった。
(1)像担持体と帯電ローラとの間に空隙を形成させるので、帯電ローラ両端の非画像領域にスペーサ等の空隙保持部材を介在し近接させる必要があるが、弾性体で形成された帯電ローラでは、弾性体の変形により空隙を均一にすることが困難であるので、帯電電位変動やそれに起因する画像ムラが発生してしまうこと、及び、
(2)弾性体を構成する加硫ゴム材料は、経時で、へたりや変形が生じやすいので、経時で、空隙も変動すること、
といった問題があった。
前記電気抵抗調整層が、(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていることを特徴とする導電性部材である。
(A)ABS樹脂(GR−0500、電気化学工業社製)40重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテルエステルアミド(サンコノール TBX−65、三光化学工業製)60重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分に高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックHD HY540、日本ポリケム社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入した後、この空隙保持部材の前記電気抵抗調整層に対する接着面にプライマー(PR−550、アルテコ社製)を塗布し、このプライマーの溶剤成分を揮発させた後、前記空隙保持部材と導電性支持体及び電気抵抗調整層とをシアノアクリレート系接着剤(D、アルテコ社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、アクリルシリコーン樹脂(3000VH−P、川上塗料社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、カーボンブラック(全固形分に対して35重量%)からなる樹脂組成物(表面抵抗:2×109 Ω)により膜厚約10μmの保護層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
(A)ABS樹脂(デンカABS、GR−0500、電気化学工業社製)40重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(サンコノール TBX−310、三光化学工業製)60重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
(A)ABS樹脂(デンカABS GR−0500、電気化学工業製)50重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(サンコノール TBX−65、三光化学工業製)50重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:3×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
(A)ABS樹脂(デンカABS GR−0500、電気化学工業社製)60重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(サンコノール TBX−310、三光化学工業社製)40重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分に高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックHD HY540、日本ポリケム社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入した後、この空隙保持部材の前記電気抵抗調整層に対する接着面にプライマー(PR−500、アルテコ社製)を塗布し、このプライマーの溶剤成分を揮発させた後、このプライマーの溶剤成分を揮発させた後、前記空隙保持部材と導電性支持体及び電気抵抗調整層とを二液性エポキシ配合樹脂接着剤(6100、アルテコ社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、アクリルシリコーン樹脂(3000VH−P、川上塗料社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、カーボンブラック(全固形分に対して35重量%)からなる樹脂組成物(表面抵抗:2×109 Ω)により膜厚約10μmの保護層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
(A)HI−PS樹脂(H450、東洋スチレン製)40重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテルエステルアミド(サンコノール TBX−65、三光化学工業製)60重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
エピクロルヒドリンゴム(エピクロマーCG、ダイソー社製)100重量部及び過塩素酸アンモニウム3重量部を配合してゴム組成物(体積固有抵抗:4×108 Ωcm)とし、このゴム組成物をステンレスからなる外径8mmの導電性支持体(芯軸)に押出成形により被覆してゴム被覆層を形成した後、このゴム被覆層に加硫処理を処理を施し、続いて、この加硫処理を施したゴム被覆層を研削により外径12mmに仕上げて電気抵抗調整層を形成した。この電気抵抗調整層の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−K、電気化学工業社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物(表面固有抵抗:4×1010Ω)により、膜厚10μmの表面層を形成した。そして、この両端部周囲に一液性エポキシ配合樹脂接着剤(2202、スリーボンド社製)により厚さ50μmのテープ状部材(ダイタックPF025−H、大日本インキ社製)を貼り付け、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
ポリプロピレン樹脂(MA02、日本ポリケム社製)50重量%と四級アンモニウム塩基を含有するイオン導電性の高分子化合物(レオレックスAS−1700、第一工業製薬社製、)50重量%とを溶融混練して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径10mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分にポリアミド樹脂(ノバミッド1010C2、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入し、これと導電性支持体及び電気抵抗調整層とを一液性エポキシ配合樹脂接着剤(2202、スリーボンド社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、前記電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、フッ素樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物(表面固有抵抗:2×1010Ω)により、膜厚約10μmの表面層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
ポリプロピレン樹脂(MA2、日本ポリケム社製)100重量部と導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックインターナショナル社製)15重量部とを溶融混練して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径10mmの導電性支持体(芯軸)に押出成形により被覆して電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分にポリアミド樹脂(ノバミッド1010C2、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入し、これと導電性支持体及び電気抵抗調整層とを一液湿気硬化型弾性接着剤(1530、スリーボンド社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、前記電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、フッ素樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物(表面固有抵抗:2×1010Ω)により、膜厚約10μmの表面層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
以上、実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた導電性部材を帯電ローラとして、ローラ抵抗周方向偏差(logΔR)を測定した。その際、評価環境を23℃、50%RHとし、そして、印加電圧を500Vとした。試験結果は、次の表1
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた導電性部材を帯電ローラとし、図4に示した画像形成装置を使用して、300000枚の複写を行い、クラックが発生するまでの耐久枚数を調べた。その際、帯電ローラに印加する電圧をDC=−800V、AC=2400Vpp(周波数=2kHz)とし、評価環境を23℃、50%RHとした。試験結果は、次の表2
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた導電性部材を帯電ローラとし、図4に示した画像形成装置を使用して、像担持体の帯電電位、帯電電位のばらつき幅、及び、部分帯電不良(画像ムラ)を測定した。その際、帯電ローラに印加する電圧をDC=−800V、AC=2400Vpp(周波数=2kHz)とし、評価環境を23℃、50%RHとした。また、像担持体欠陥部への異常放電(リーク)によって生じる異常画像の有無を評価した。次いで、100000枚通紙後のローラ表面へのトナー固着の有無を評価し、また、連続複写後の部分帯電不良(画像ムラ)を測定した。その際、評価環境を23℃、50%RHとした。評価結果は、次の表3
2 電気抵抗調整層
3 保護層
4 空隙保持部材
10 導電性部材(帯電ローラ)
Claims (12)
- 導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層と像担持体が一定の空隙を保持するように該像担持体と当接して該電気抵抗調整層の両端部に形成された該電気抵抗調整層とは異なる材質の空隙保持部材と、を有する導電性部材において、
前記電気抵抗調整層が、(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていることを特徴とする導電性部材。 - 前記アルカリ金属塩が、リチウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
- 前記高分子イオン導電材料が、少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性部材。
- 前記少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物が、ポリエーテルエステルアミド、又は、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーを含有する化合物であることを特徴とする請求項3に記載の導電性部材。
- 前記グラフトコポリマーが、主鎖にポリカーボネートを有し、そして、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性部材。
- 前記空隙保持部材が、前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性部材。
- 前記空隙保持部材が、該空隙保持部材に施されたプライマーを介して、前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性部材。
- 前記電気抵抗調整層が、その外表面にトナーの付着を防止する保護層を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性部材。
- 前記電気抵抗調整層及び前記空隙保持部材が、円筒形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性部材。
- 前記導電性部材が帯電部材とされることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性部材。
- 請求項10に記載の帯電部材が被帯電体上に近接配置されるように設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項11に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
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