JP2007193110A - 導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置 - Google Patents

導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電気抵抗調整層における電気抵抗値を半導電性領域に制御することができると共に、該電気抵抗調整層におけるイオン導電材料のブリードアウトに伴う帯電不良を防止することができ、しかも、該電気抵抗調整層におけるウェルド部分の強度低下、電気抵抗値の変動を防ぐことができる耐久性の優れた導電性部材を提供する。
【解決手段】導電性支持体1と、該導電性支持体1上に形成された電気抵抗調整層2と、該電気抵抗調整層2と像担持体が一定の空隙を保持するように該像担持体と当接して該電気抵抗調整層2の両端部に形成された該電気抵抗調整層2とは異なる材質の空隙保持部材4,4と、からなる導電性部材10において、前記電気抵抗調整層2が、熱可塑性樹脂、アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマーを溶融混練してなる樹脂組成物で構成されているものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において用いられる導電性部材及びそれを有するプロセスカートリッジ、並びに、そのプロセスカートリッジを有する画像形成装置関する。
従来の電子写真複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置においては、帯電ローラが、像担持体(感光体)に対して帯電処理を行う帯電部材として、一般的に用いられている。図4は、従来の帯電ローラを有する電子写真方式の画像形成装置の説明図である。
図4において、120は、従来の電子写真方式の画像形成装置である。従来の電子写真方式の画像形成装置120は、静電潜像が形成される像担持体101、像担持体101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザ光等の露光手段103、像担持体101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、像担持体101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の像担持体101をクリーニングするためのクリーニング装置108、及び、像担持体101の表面電位を測定する表面電位計109から構成されている。
また、従来の電子写真方式の画像形成装置120は、プロセスカートリッジ着脱方式の装置となっている。即ち、従来の電子写真方式の画像形成装置120は、像担持体101、帯電ローラ102、現像ローラ104、及び、クリーニング装置108の4つのプロセス機器を一括して画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ110としてある。このプロセスカートリッジ110は、少なくとも、像担持体101及び帯電ローラ102を備えていればよい。このプロセスカートリッジ110は、画像形成装置に対して所定の箇所に装着されることにより、画像形成装置本体側の駆動系及び電気系と接続状態となる。なお、図3では、他の電子写真プロセスにおいて通常必要な機能ユニットは、本明細書において必要としないので、省略してある。
次に、このような従来の電子写真方式の画像形成装置120の帯電における基本的な作像動作について説明する。
像担持体101に接触された帯電ローラ102に対してDC電圧をパワーパック105から給電すると、像担持体101の表面は、一様に高電位に帯電する。その直後に、画像光が像担持体101の表面に露光手段103により照射されると、像担持体101の照射された部分は、その電位が低下する。このような帯電ローラ102による像担持体101の表面への帯電メカニズムは、帯電ローラ102と像担持体101との間の微少空間におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。
画像光は、画像の白/黒に応じた光量の分布であるので、かかる画像光が照射されると、画像光の照射によって像担持体101の面に記録画像に対応する電位分布、即ち、静電潜像が形成される。このように静電潜像が形成された像担持体101の部分が現像ローラ104を通過すると、その電位の高低に応じてトナーが付着し、静電画像を可視像化したトナー像が形成される。かかるトナー像が形成された像担持体101の部分に、記録紙107が所定のタイミングでレジストローラ(図示せず)により搬送され、前記トナー像に重なる。そして、このトナー像が転写ローラ106によって記録紙に転写された後、該記録紙107は、像担持体101から分離される。分離された記録紙107は、搬送経路を通って搬送され、定着ユニット(図示せず)によって、加熱定着された後、機外へ排出される。このようにして転写が終了すると、像担持体101は、その表面がクリーニング装置108によりクリーニング処理され、さらに、クエンチングランプ(図示せず)により、残留電荷が除去されて、次回の作像処理に備えられる。
帯電ローラを用いた帯電方式としては、像担持体にローラを接触させる接触帯電方式が一般に用いられているが、このような接触帯電方式には、
(1)帯電ローラを構成している物質が帯電ローラから染み出し、これが被帯電体の表面に付着移行して帯電ローラ跡を残すこと、
(2)帯電ローラに交流電圧を印加したときに、被帯電体に接触している帯電ローラが振動するので、帯電音が発生すること、
(3)像担持体上のトナーが帯電ローラに付着する(特に、上述の染み出しによって、よりトナー付着がおこりやすくなる。)ので、帯電ローラの帯電性能が低下すること、
(4)帯電ローラを構成している物質が像担持体へ付着すること、及び、
(5)像担持体を長期停止したときに、帯電ローラが永久変形すること、
といった問題があった。
このような問題を解決する技術として、帯電ローラを像担持体に近接させるようにした近接帯電方式(特許文献1〜3を参照。)が提案されている。この近接帯電方式は、帯電ローラを像担持体に最近接距離(50〜300μm)になるように対向させて、帯電ローラに電圧を印加することにより、像担持体の帯電を行うようにした帯電方式である。この近接帯電方式では、ローラと像担持体とが接触していないために、従来の接触帯電方式において問題となっていた、(a)帯電ローラを構成している物質が像担持体へ付着すること、及び、(b)像担持体が長期停止したときに永久変形すること、といった問題はない。また、この近接帯電方式では、帯電ローラに付着するトナーが少なくなるので、像担持体上のトナー等が帯電ローラに付着することが少なく、そのために、帯電ローラの帯電性能が低下することがない。
近接帯電方式に使用される帯電ローラの要求特性は、それまでの接触帯電方式に使用される帯電ローラのそれとは異なる。接触帯電方式では、芯金の周囲に加硫ゴム等の弾性体を被覆した帯電ローラが一般的に用いられてきたが、かかる帯電ローラを用いて像担持体を均一に帯電させるには、帯電ローラを像担持体に対して均一に接触させる必要がある。
近接帯電方式において、加硫ゴム等の弾性体で形成された帯電ローラを使用した場合には、
(1)像担持体と帯電ローラとの間に空隙を形成させるので、帯電ローラ両端の非画像領域にスペーサ等の空隙保持部材を介在し近接させる必要があるが、弾性体で形成された帯電ローラでは、弾性体の変形により空隙を均一にすることが困難であるので、帯電電位変動やそれに起因する画像ムラが発生してしまうこと、及び、
(2)弾性体を構成する加硫ゴム材料は、経時で、へたりや変形が生じやすいので、経時で、空隙も変動すること、
といった問題があった。
このような問題を解消するために、非弾性体である熱可塑性樹脂を用いることが考えられる。これにより、像担持体と帯電ローラとの間の空隙を均一にすることが可能となる。帯電ローラによる像担持体ドラム表面の帯電メカニズムは、帯電ローラと像担持体ドラムとの間の微小放電におけるパッシェンの法則に従った放電であることが知られている。像担持体ドラムを所定の帯電電位に保持する機能を得るためには、熱可塑性樹脂の電気抵抗値を半導電性領域(106 〜109 Ωcm程度)に制御することが必要となる。
電気抵抗値を制御する方法としては、熱可塑性樹脂中にカーボンブラック等の導電性顔料を分散させる方法がある。しかし、導電性顔料を用いて電気抵抗調整層を半導電性領域に設定しようとすると、電気抵抗値のバラツキが大きくなるので、部分的に帯電不良が起こり、そのために、画像欠陥を発生させる、という問題があった。
一方、電気抵抗調整層における電気抵抗値を制御するための別の手段として、電気抵抗調整層にイオン導電性材料、即ち、Li塩等の電解質塩を含有させたものがある。このようなイオン導電性材料は、マトリックス樹脂中に分子レベルで分散するので、導電性顔料が分散する上記のものに比べて抵抗値のばらつきが小さく、そのために、部分的な帯電不良は画像品質的に問題とならない。ところが、Li塩等の電解質塩は、低分子量であるので、マトリックス樹脂の表面にブリードアウトしやすい性質があり、そのために、電解質塩が帯電ローラ表面へブリードアウトしたときにトナーの固着を発生させてしまい、画像不良を発生させる、という問題があった。
そこで、電解質塩のブリードアウトを避けるために、高分子量のイオン導電性材料を使用することが考えられるが、この場合には、高分子量のイオン導電性材料がマトリックス樹脂中に分散固定化されるので、高分子量のイオン導電性材料のブリードアウトが起こり難い。このような高分子量のイオン導電性材料がマトリックス樹脂中に分散固定化された電気抵抗調整層を有する帯電部材としては、第四級アンモニウム塩基を有する高分子量のイオン導電性材料を用いた経時ブリードアウトの少ない帯電部材(特許文献4を参照。)が提案されている。
しかしながら、高分子型のイオン導電性材料のみでは、電気抵抗調整層の抵抗値が高く半導電性領域に制御することができないので、他の手段で導電性を付与する必要があった。また、このような高分子型導電剤分散系において、高分子型イオン導電材料が海島状分散の島成分となった場合には、電流が絶縁性のマトリックス樹脂に妨げられるので、電気抵抗調整層における電気抵抗値が半導電性領域まで低下しなかったり、また、電気抵抗値の電圧依存性が大きくなったりする、という問題があった。そして、海島状分散の分散粒径が大きい場合には、成形時に発生するウェルド部分の強度が低下したり、電気抵抗値が変動する、という問題があった。また、機械強度の低い樹脂や相溶性の悪い樹脂をマトリックス樹脂として用いた場合には、使用時の電気的・機械的ストレスや経時・環境での体積変動により電気抵抗調整層のウェルド部分にクラックが発生する、という問題があった。さらに、ウェルド部分の電気抵抗変動が部分的画像不良の不具合を引き起こす、という問題もあった。
特開平3−240076号公報 特開平4−358175号公報 特開平5−107871号公報 特開平7−121009号公報
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、電気抵抗調整層における電気抵抗値を半導電性領域に制御することができると共に、該電気抵抗調整層におけるイオン導電材料のブリードアウトに伴う帯電不良を防止することができ、しかも、該電気抵抗調整層におけるウェルド部分の強度低下、電気抵抗値の変動を防ぐことができる耐久性の優れた導電性部材を提供することを目的としている。
請求項1に記載された発明は、上記目的を達成するために、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層と像担持体が一定の空隙を保持するように該像担持体と当接して該電気抵抗調整層の両端部に形成された該電気抵抗調整層とは異なる材質の空隙保持部材と、を有する導電性部材において、
前記電気抵抗調整層が、(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていることを特徴とする導電性部材である。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記アルカリ金属塩が、リチウム塩であることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1又は2に記載された発明において、前記高分子イオン導電材料が、少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物で構成されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項3に記載された発明において、前記少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物が、ポリエーテルエステルアミド、又は、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーを含有する化合物であることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載された発明において、前記グラフトコポリマーが、主鎖にポリカーボネートを有し、そして、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有していることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載された発明において、前記空隙保持部材が、前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されていることを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載された発明において、前記空隙保持部材が、該空隙保持部材に施されたプライマーを介して、前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されていることを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載された発明において、前記電気抵抗調整層が、その外表面にトナーの付着を防止する保護層を有していることを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載された発明において、前記電気抵抗調整層及び前記空隙保持部材が、円筒形状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項10に記載された発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載された発明において、前記導電性部材が帯電部材とされることを特徴とするものである。
請求項11に記載された発明は、請求項10に記載の帯電部材が被帯電体上に近接配置されるように設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジである。
請求項12に記載された発明は、請求項11に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層が、(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されているので、該電気抵抗調整層における電気抵抗値を半導電性領域に制御することができると共に、該電気抵抗調整層におけるイオン導電材料のブリードアウトに伴う帯電不良を防止することができ、しかも、該電気抵抗調整層におけるウェルド部分の強度低下、電気抵抗値の変動を防ぐことができる耐久性の優れた導電性部材を提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、前記アルカリ金属塩がリチウム塩であるので、電気抵抗調整層を半導電性領域に容易に設定することができる。
請求項3に記載された発明によれば、前記高分子イオン導電材料が少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物で構成されているので、高分子イオン導電材料中においてアルカリ金属塩が安定して存在することができ、そのために、前記電気抵抗調整層においてより低い電気抵抗値を得ることができる。
請求項4に記載された発明によれば、前記少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物が、ポリエーテルエステルアミド、又は、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーを含有する化合物であるので、前記電気抵抗調整層における電気抵抗値のばらつき、及び、ブリードアウトを防止することができると共に、電気抵抗値の環境依存性を小さくすることができ、しかも、各環境下において優れた電気特性を得ることができる。
請求項5に記載された発明によれば、前記グラフトコポリマーが、主鎖にポリカーボネートを有し、そして、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有しているので、該グラフトコポリマーを相溶化剤として作用させることができ、そのために、前記電気抵抗調整層における使用時の電気的・機械的ストレスや経時又は環境変化に伴う体積変動によりウェルド部分に発生するクラックを効果的に抑制することができる。
請求項6に記載された発明によれば、前記空隙保持部材が前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されているので、製造工程や長期間の使用において、該導電性支持体及び該電気抵抗調整層と該空隙保持部材との間に発生する隙間や空隙保持部材の回転、脱離を防止して、像担持体と導電性部材との間に安定した空隙を維持することができる。
請求項7に記載された発明によれば、前記空隙保持部材が、該空隙保持部材に施されたプライマーを介して、前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されているので、該空隙保持部材と該電気抵抗調整層又は該導電性支持体とをより強固に接着することができ、そのために、トナー粒子等の進入、固着を防止することができ、よって、長期間の使用において、像担持体と導電性部材との間に安定した空隙を維持する導電性部材とすることができる。
請求項8に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層がその外表面にトナーの付着を防止する保護層を有しているので、経時においてトナー及びトナー添加剤等が導電性部材の表面に付着して、空隙量及び電気特性が変化することを防止することができる。
請求項9に記載された発明によれば、前記電気抵抗調整層及び前記空隙保持部材が円筒形状に形成されているので、該電気抵抗調整層を回転駆動させることで同一箇所からの連続放電を防止することができ、そのために、通電ストレスによる該電気抵抗調整層の表面の化学的劣化を低減することができる。
請求項10に記載された発明によれば、前記導電性部材が帯電部材とされるので、像担持体の表面を非接触で帯電させることができ、そのために、帯電部材の汚れ等を防止すると共に、帯電部材を硬い材質で形成することにより高精度にすることができ、よって、帯電ムラを防止することができる。
請求項11に記載された発明によれば、請求項10に記載の導電性部材が像担持体上に近接配置されるように設けられたプロセスカートリッジとされるので、長期に渡って安定した画質を得ることでき、且つ、交換もユーザメンテナンスが可能であり簡素化される。
請求項12に記載された発明によれば、請求項11に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置とするので、信頼性が高く、かつ、高画質な画像を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す導電性部材(帯電ローラ)の断面図である。図2は、導電性部材(帯電ローラ)を像担持体上に配置した状態を示す模式図である。図3は、本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の説明図である。
図1において、10は、導電性部材(帯電ローラ)である。導電性部材10は、導電性支持体1と、該導電性支持体1上に形成された電気抵抗調整層2と、該電気抵抗調整層2と像担持体(図2における5を参照。)が一定の空隙(図2におけるGを参照。)を保持するように該像担持体と当接して該電気抵抗調整層2の両端部に形成された該電気抵抗調整層2とは異なる材質の空隙保持部材4,4と、からなっている。そして、前記電気抵抗調整層2は、(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されている。
前記電気抵抗調整層2に高分子イオン導電材料が含有されていると、電気抵抗値を半導電性領域に制御することができると共に、ブリードアウトに伴う帯電不良が発生しなくなる。また、前記電気抵抗調整層2に熱可塑性樹脂及び高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマーが含有されていると、ウェルド部分の強度低下、抵抗値の変動を防ぐことができる。
したがって、前記電気抵抗調整層2が、(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていると、該電気抵抗調整層2における電気抵抗値を半導電性領域に制御することができると共に、該電気抵抗調整層2におけるイオン導電材料のブリードアウトに伴う帯電不良を防止することができ、しかも、該電気抵抗調整層2におけるウェルド部分の強度低下、電気抵抗値の変動を防ぐことができる耐久性の優れた導電性部材10を提供することができる。
本発明における電気抵抗調整層2が(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていることは、前述のとおりであるが、この樹脂組成物には、カーボンブラック等の導電性顔料は含有されていない。かかる樹脂組成物にカーボンブラック等の導電性顔料が含有されていると、電気抵抗ムラにより異常放電が発生するので、良好な画像を得ることができない。電気抵抗調整層2の体積固有抵抗は、好ましくは、106 〜109 Ωcmである。体積固有抵抗が109 Ωcmを越えると、帯電能力や転写能力が不足してしまい、また、体積固有抵抗が106 Ωcm未満であると、像担持体への電圧集中によるリークが生じてしまう。
前記電気抵抗調整層2にを構成する熱可塑性樹脂は、好ましくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン(PS)およびその共重合体(AS、ABS)等の成形性の良好な汎用樹脂であるが、本発明の目的に反しない限り、それら以外の樹脂であってもかまわない。
前記電気抵抗調整層2を構成するアルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料におけるアルカリ金属塩は、好ましくは、フルオロ基及びスルホニル基を有する陰イオンを備えたアルカリ金属塩である。このような陰イオンを備えたアルカリ金属塩は、フルオロ基(−F)及びルホニル基(−SO2 −)による強い電子吸引効果によって電荷が非局在化するので、陰イオンが安定なポリマー組成物中で高い解離度を示し、そのために、高いイオン導電性が実現できる。このような陰イオンを備えたアルカリ金属塩は、好ましくは、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム((CF3SO22 NLi)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム((CF3SO22 NK)、又は、トリフルオロスルホン酸リチウム(CF3SO3Li)である。それらの中でも、導電度の高いリチウム塩は、電気抵抗値の低下を容易に達成できるので、特に好ましい。このように、前記アルカリ金属塩がリチウム塩であると、電気抵抗調整層2を半導電性領域に容易に設定することができる。前記アルカリ金属塩は、好ましくは、高分子型イオン導電材料中に0.01〜20重量%の割合で配合される。前記リチウム塩を含有する高分子型イオン導電材料は、サンコール、三光化学工業社製として市販されている。
また、前記高分子型イオン導電材料は、好ましくは、少なくとも分子中にエーテル基を有しているものである。このように、前記高分子型イオン導電材料が分子中にエーテル基を有しているものであると、エーテル結合に含まれる酸素原子等により塩が一層安定化され、そのために、より低い電気抵抗値を得ることが可能となる。前記高分子型イオン導電材料としては、具体的には、少なくともポリエーテルエステルアミド、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーを含有する化合物が用いられる。前記高分子型イオン導電材料は、このような化学構造を有しているので、マトリクスポリマー中に分子レベルで均一に分散、固定化され、そのために、前記電気抵抗調整層2における電気抵抗値のばらつき、及び、ブリードアウトを防止することができると共に、電気抵抗値の環境依存性を小さくすることができ、しかも、各環境下において優れた電気特性を得ることができる。
前記電気抵抗調整層2を構成する前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマーは、好ましくは、主鎖にポリカーボネート樹脂を有し、そして、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有している。
前記主鎖のポリカーボネート樹脂は、有極性基及びジオキシ基の鎖をもつ分子構造を有しているので、分子間引力が非常に強い。それ故、このグラフトコポリマーは、力学的強度、クリープ特性等において優れており、特に、衝撃強度においては、他プラスチックと比較してずばぬけて優れている。また、このグラフトコポリマーは、比較的低吸水であるので、吸水変動に伴う体積変動が少ない。これらの特性により、グラフトコポリマーの主鎖としてポリカーボネート樹脂を使用した系では、使用時において、機械的ストレス、電気的ストレスクラックが生じ難く、また、経時や環境での体積変動によるクラックも生じ難い。
そして、前記側鎖に含まれるアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体は、アクリロニトリル成分及びスチレン成分と、グリシジルメタクリレート成分と、からなる。前記グリシジルメタクリレートは、前記樹脂組成物を溶融混練する際に加熱されて、そのエポキシ基が前記高分子イオン導電材料におけるエステル基やアミノ基と反応して、前記高分子イオン導電材料と強固に化学的結合をする。また、前記アクリロニトリル成分及びスチレン成分は、前記熱可塑性樹脂との相溶性が良好であるので、前記グラフトコポリマーは、本来親和性の低い前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料との間の相溶化剤として機能し、そのために、前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料との分散状態を均一かつ緻密化する。それ故、前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料との分散不良に伴うウェルド部抵抗の変動、使用時における電気的、機械的ストレス、経時や環境での体積変動等により電気抵抗調整層2のウェルド部分に発生するクラックを抑制することができる。その結果、主鎖の効果と合わせて強度的に優れた混練系の樹脂組成物を形成することができる。
したがって、前記電気抵抗調整層2を構成する前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマーが、主鎖にポリカーボネート樹脂を有し、そして、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有していると、該グラフトコポリマーを相溶化剤として作用させることができ、そのために、前記電気抵抗調整層における使用時の電気的・機械的ストレスや経時又は環境変化に伴う体積変動によりウェルド部分に発生するクラックを効果的に抑制することができる。
本発明における前記樹脂組成物の各成分の配合量は、電気抵抗調整層2のにおける電気抵抗値を所望の値にする必要があるので、好ましくは、熱可塑性樹脂:30〜50重量%、高分子型イオン導電材料:70〜50重量%である。前記グラフトコポリマーの量は、好ましくは、前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料との合計に対して1〜15重量%である。このように前記グラフトコポリマーの量が前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料との合計に対して1〜15重量%であると、前記熱可塑性樹脂と前記高分子イオン導電材料との相溶性を向上させ、優れた加工安定性を得ることができる。
本発明における前記樹脂組成物の製造方法に関しては、特に制限はなく、各材料の混合物を二軸混練機、ニーダー等で溶融混練することによって、容易に製造できる。本発明における導電性支持体1上への電気抵抗調整層2の形成は、押出成形や射出成形等の手段で前記導電性支持体1に前記樹脂組成物を被覆することによって、容易に行うことができる。
本発明においては、任意の形状に形成された空隙保持部材4,4が電気抵抗調整層2の両端部に挿入される。前記空隙保持部材4,4は、好ましくは、前記導電性支持体1及び前記電気抵抗調整層2の少なくとも一方に接着固定されている。このように、前記空隙保持部材4,4が前記導電性支持体1及び前記電気抵抗調整層2の少なくとも一方に接着固定されていると、製造工程や長期間の使用において、該導電性支持体1及び該電気抵抗調整層2と該空隙保持部材4,4との間に発生する隙間や空隙保持部材4,4の回転、脱離を防止して、像担持体(図2における5を参照。)と導電性部材10との間に安定した空隙(図2におけるGを参照。)を維持することができる。
前記空隙保持部材4,4は、好ましくは、該空隙保持部材4,4に施されたプライマーを介して、前記導電性支持体1及び前記電気抵抗調整層2の少なくとも一方に接着固定されている。このように、前記空隙保持部材4,4が、該空隙保持部材4,4に施されたプライマーを介して、前記導電性支持体1及び前記電気抵抗調整層2の少なくとも一方に接着固定されていると、該空隙保持部材4,4と該電気抵抗調整層2又は該導電性支持体1とをより強固に接着することができ、そのために、トナー粒子等の進入、固着を防止することができ、よって、長期間の使用において、像担持体(図2における5を参照。)と導電性部材10との間に安定した空隙(図2におけるGを参照。)を維持する導電性部材とすることができる。
前記空隙保持部材4,4を接着固定するのに用いる接着剤としては、極性に依存性のあるものであれば用いることが可能であるが、なかでも接着力の高さからエポキシ系の接着剤が好ましい。これらの接着剤は、プライマーと組み合わせて使用することにより、被着材に接着強度の著しく劣るポリオレフィン系のような難接着材を用いた場合であっても強力な接着力を得ることが可能であるので、トナー粒子などの進入・固着を防止し、長期間の使用において像担持体(図2における5を参照。)と導電性部材10との間に安定した空隙(図2におけるGを参照。)を維持することができる。
前記空隙保持部材4,4は、好ましくは、体積固有抵抗が1013Ω・cm以上の絶縁性材料で構成される。このように、前記空隙保持部材4,4が体積固有抵抗:1013Ω・cm以上の絶縁性材料で構成されていると、像担持体基層との間のショート電流の発生を無くすことができる。空隙保持部材4,4の材料としては、絶縁性材料である他は特に限定するものではないが、像担持体を傷つけない程度に軟らかく、また、成形加工が容易であること等の理由から、高密度ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が好ましい。
図2に示されているように、本発明の導電性部材10は、像担持体5に任意の圧力で当接されて配置される。また、空隙保持部材4,4は、画像形成領域を外した非画像形成領域に形成されている。この状態で導電性部材10に電圧を印加することにより、像担持体5の帯電を行うことができる。導電性部材10を転写部材として使用する場合も、同様の形態で行うことができる。導電性部材10と像担持体5との間の空隙Gは、所定の値に保つ必要があり、好ましくは100μm以下である。空隙Gが大きくなると、導電性部材10の電気的劣化や異常放電が発生しやすくなるので、導電性部材10への電圧印加条件を高くする必要がある。
また、図2に示されているように、本発明の導電性部材(帯電ローラ)10には、空隙保持部材4,4の外周面が像担持体5と当接したときに、該像担持体5の外周面と前記導電性部材10の外周面との間に一定間隔の空隙Gが形成されるように、前記電気抵抗調整層2の外周面に対する前記空隙保持部材4,4の外周面の高低差が設けられている。このように、空隙保持部材4,4の外周面が像担持体5と当接したときに、該像担持体5の外周面と電気抵抗調整層2の外周面との間に一定間隔の空隙Gが形成されるように、該電気抵抗調整層2の外周面に対する前記空隙保持部材4,4の外周面の高低差が設けられていると、像担持体5との間の空隙Gを精度良く一定に保つことができ、しかも、空隙保持部材4,4が配置されている電気抵抗調整層2が環境変動で寸法変化しても、電気抵抗調整層2の変化に追従することができ、そのために、空隙変動を抑えることができる。
前記電気抵抗調整層2の外周面に対する前記空隙保持部材4,4の外周面の高低差は、図2に示されているように、前記導電性部材10上に設置された該空隙保持部材4,4の外周面と前記導電性支持体1上に設置された該電気抵抗調整層2の外周面とに施された切削加工、研削加工等の除去加工による一体加工で形成される。このように、前記電気抵抗調整層2の外周面に対する前記空隙保持部材4,4の外周面の高低差が、前記導電性部材10上に設置された該空隙保持部材4,4の外周面と前記導電性支持体1上に設置された該電気抵抗調整層2の外周面とに施された切削加工、研削加工等の除去加工による一体加工で形成されると、像担持体5の外周面と電気抵抗調整層2の外周面との間に形成される空隙Gの変動(振れ)を小さくして空隙Gの精度をより高めることができる。
本発明においては、前記電気抵抗調整層2は、好ましくは、その外表面にトナーの付着を防止する保護層3を有している。このように、前記電気抵抗調整層2がその外表面にトナーの付着を防止する保護層3を有していると、経時においてトナー及びトナー添加剤等が導電性部材10の表面に付着して、空隙量及び電気特性が変化することを防止することができる。
本発明においては、保護層3の体積固有抵抗は、電気抵抗調整層2の体積固有抵抗より大きくされている。このように、保護層3の体積固有抵抗が電気抵抗調整層2の体積固有抵抗より大きくされていると、像担持体欠陥部への電圧集中及び異常放電の発生を防止することができる。但し、保護層3の電気抵抗値を高くしすぎると帯電能力や転写能力が不足してしまうので、保護層3と電気抵抗調整層2との電気抵抗値の差を103 以下にすることが好ましい。保護層3を形成する材料は、好ましくは、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル等の樹脂である。これらの樹脂は、非粘着性に優れているので、トナーの固着防止の面で好ましい。また、かかる樹脂は、電気的に絶縁性であるので、樹脂に対して各種導電材料を分散することによって保護層3の電気抵抗を調整することができる。保護層3の電気抵抗調整層2上への形成は、上記保護層3を構成する樹脂材料を有機溶媒に溶解して塗料を作製し、この塗料をスプレー塗装、ディッピング、ロールコート等の手段によって行う。保護層3の膜厚は、好ましくは、10〜30μmである。
保護層3を構成する樹脂は、1液性及び2液性のどちらも使用可能であるが、硬化剤を併用する2液性塗料を使用すると、耐環境性、非粘着性を高めることができる。2液性塗料の場合には、塗膜を加熱することにより、樹脂を架橋・硬化させる方法が一般的である。しかしながら、電気抵抗調整層2は、熱可塑性樹脂とすると、高い温度で加熱することができない。2液性塗料としては、分子中に水酸基を有する主剤、及び、水酸基と架橋反応を起こすイソシアネート系樹脂を用いることが好ましい。イソシアネート系樹脂を用いると、100℃以下の比較的低温で架橋・硬化反応が起こる。本発明者らは、トナーの非粘着性から検討を進めた結果、シリコーン系樹脂でトナーの非粘着性が高い樹脂であることを確認し、特に、分子中にアクリル骨格を有するアクリルシリコーン樹脂が良好であることを見出した。
導電性部材は、電気特性(電気抵抗値)が重要であるので、保護層3を導電性にする必要がある。導電性にした保護層3は、保護層3を構成する樹脂材料中に導電剤を分散することにより形成される。導電剤は、特に制約を受けるものではないが、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理等を施したカラー用カーボン、熱分解カーボン、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、銅、銀、ゲルマニウム等の金属、及び、金属酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等の導電性ポリマーが挙げられる。また、導電性付与材としては、イオン導電性物質もあり、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等の無機イオン性導電物質、更に、変性脂肪酸ジメチルアンモニウムエトサルファート、ステアリン酸アンモニウムアセテート、ラウリルアンモニウムアセテート等の有機イオン性導電性物質がある。
本発明においては、前記電気抵抗調整層2及び前記空隙保持部材4,4は、好ましくは、円筒形状に形成されている。このように、前記電気抵抗調整層2及び前記空隙保持部材4,4が円筒形状に形成されていると、該電気抵抗調整層2を回転駆動させることで同一箇所からの連続放電を防止することができ、そのために、通電ストレスによる該電気抵抗調整層2の表面の化学的劣化を低減することができる。
本発明においては、前記導電性部材10は、好ましくは、帯電部材とされる。このように、前記導電性部材10が帯電部材とされると、像担持体5の表面を非接触で帯電させることができ、そのために、帯電部材の汚れ等を防止すると共に、帯電部材を硬い材質で形成することにより高精度にすることができ、よって、帯電ムラを防止することができる。
本発明においては、導電性部材10及び像担持体5の形状は特に限定されず、また、像担持体5は、ベルト状、円筒状いずれの形式もとることができる。導電性部材10は、断面円形状(円筒形状)、断面楕円形状、円筒形状を扁平にしたブレード形状等の種々の形状をとることができるが、ともに円筒形状であることが好ましい。両者が常に同一面で対向していると、通電ストレスによる表面の化学的劣化が生じてしまうが、両者を円筒形状として回転駆動させると、同一箇所からの連続放電を防止することができ、そのために、通電ストレスによる表面の化学的劣化を低減させることができる。例えば、図2に示すように、導電性部材10の回転方向は、像担持体5と同方向、逆方向どちらも選択することができる。また、像担持体5との周速差をつける(像担持体5より速く回転させる、遅く回転させる)ことも可能である。また、像担持体5の回転に対して、間欠回転させることも機能を損なわない範囲において可能である。導電性部材10と像担持体5と間の空隙Gは、所定の値に保つ必要があり、好ましくは、100μm以下である。空隙Gが大きくなると導電性部材10への電圧印加条件を高くする必要があり、像担持体5の電気的劣化や異常放電が発生しやすいためである。
請求項10に記載の導電性部材10は、好ましくは、像担持体5上に近接配置されるように設けられたプロセスカートリッジ(図4における110を参照。)とされる。このように、請求項10に記載の導電性部材10が像担持体5上に近接配置されるように設けられたプロセスカートリッジとされると、長期に渡って安定した画質を得ることでき、且つ、交換もユーザメンテナンスが可能であり簡素化される。
本発明においては、請求項11に記載のプロセスカートリッジ(図4における110を参照。)を有する画像形成装置とする。このように、請求項11に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置とすると、信頼性が高く、かつ、高画質な画像を得ることができる。
図3に示すように、本発明の画像形成装置においては、装置本体内の下部に給紙部22、その上方に像担持体5を有する作像部、及び、さらにその上方に排紙部となる対の排紙ローラ26,27をそれぞれ設けて、給紙部22から給紙した転写紙Pの同図で左側の面に作像部で画像を形成し、そして、その転写紙Pを排紙ローラ26,27によりビントレイ20あるいは排紙トレイ21に排出するようにしている。給紙部22には、上下2段にトレイ28,29が設けられていて、その各給紙段には給紙ローラ30がそれぞれ配設されている。23は書込みユニットであり、そこから像担持体5の一様に帯電された表面に光を照射して、そこに画像を書き込む。また、その像担持体5に対して転写紙搬送方向上流側には、転写紙のスキューを補正すると共に、像担持体5上の画像と転写紙の搬送タイミングを合わせるためのレジストローラ対13を設けている。
さらに、像担持体5に対して転写紙搬送方向下流側には、定着ユニット25を設けている。作像部には、図2に示すように前述した像担持体5が矢示A方向に回転可能に設けられており、その周囲には帯電装置(図4における102を参照。)と、その帯電装置により帯電された面に書込みユニット23により書込まれた像担持体5上の静電潜像を顕像化してトナー像とする現像装置(図4における104を参照。)と、そのトナー像を転写紙Pに転写する転写搬送ベルト5と、そのトナー像の転写後に像担持体5上に残った残留トナーを除去するクリーニング装置(図4における108を参照。)と、像担持体5上の不要な電荷を除電する除電ランプ(図示せず)とを、それぞれ配設している。この画像形成装置は、画像形成動作を開始させると、図3に示した像担持体5が矢印A方向に回転し、その表面が除電ランプにより除電されて基準電位に平均化される。次に、その像担持体5の表面は、帯電ローラ(図4における102を参照。)により一様に帯電され、その帯電面は、書込みユニット23から画像情報に応じた光の照射を受け、そこに静電潜像が形成される。その潜像は、像担持体5が矢示A方向に回転することにより現像装置(図4における104を参照。)の位置まで移動されると、そこで現像スリーブ(図示せず)によりトナーが付着されてトナー像(顕像)となる。
一方、図3に示した給紙部22のトレイ28,29の何れかから給紙ローラ30により転写紙Pが給紙され、それがレジストローラ対13で一旦停止されて、その転写紙Pの先端と像担持体5上の画像の先端とが一致する正確なタイミングで搬送され、その転写紙Pに転写搬送ベルト6により像担持体5上のトナー像が転写される。その転写紙Pは、転写搬送ベルト6により搬送され、駆動ローラ部6aで転写紙Pの腰による曲率分離で、その転写搬送ベルト6から分離されて、定着ユニット25へ搬送され、そこで熱と圧力が加えられることによりトナーが転写紙Pに融着され、それが指定された排紙場所、すなわち排紙トレイ21あるいはビントレイ20の何れかに排出される。その後、像担持体5上に残った残留トナーは、次工程であるクリーニング位置まで回転移動し、クリーニング装置108のクリーニングブレードにより掻き取られ、再び次の作像工程に移る。
本実施の形態においては、導電性部材10を具体化した帯電ローラについて主として説明したが、本発明における導電性部材10は、本発明の目的に反しない限り、トナー担持体又は転写部材としてもかまわない。
(実施例1)
(A)ABS樹脂(GR−0500、電気化学工業社製)40重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテルエステルアミド(サンコノール TBX−65、三光化学工業製)60重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分に高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックHD HY540、日本ポリケム社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入した後、この空隙保持部材の前記電気抵抗調整層に対する接着面にプライマー(PR−550、アルテコ社製)を塗布し、このプライマーの溶剤成分を揮発させた後、前記空隙保持部材と導電性支持体及び電気抵抗調整層とをシアノアクリレート系接着剤(D、アルテコ社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、アクリルシリコーン樹脂(3000VH−P、川上塗料社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、カーボンブラック(全固形分に対して35重量%)からなる樹脂組成物(表面抵抗:2×109 Ω)により膜厚約10μmの保護層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
(実施例2)
(A)ABS樹脂(デンカABS、GR−0500、電気化学工業社製)40重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(サンコノール TBX−310、三光化学工業製)60重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
(実施例3)
(A)ABS樹脂(デンカABS GR−0500、電気化学工業製)50重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(サンコノール TBX−65、三光化学工業製)50重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:3×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
(実施例4)
(A)ABS樹脂(デンカABS GR−0500、電気化学工業社製)60重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマー(サンコノール TBX−310、三光化学工業社製)40重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分に高密度ポリエチレン樹脂(ノバテックHD HY540、日本ポリケム社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入した後、この空隙保持部材の前記電気抵抗調整層に対する接着面にプライマー(PR−500、アルテコ社製)を塗布し、このプライマーの溶剤成分を揮発させた後、このプライマーの溶剤成分を揮発させた後、前記空隙保持部材と導電性支持体及び電気抵抗調整層とを二液性エポキシ配合樹脂接着剤(6100、アルテコ社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、アクリルシリコーン樹脂(3000VH−P、川上塗料社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、カーボンブラック(全固形分に対して35重量%)からなる樹脂組成物(表面抵抗:2×109 Ω)により膜厚約10μmの保護層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
(実施例5)
(A)HI−PS樹脂(H450、東洋スチレン製)40重量%、及び、(B)リチウム塩含有ポリエーテルエステルアミド(サンコノール TBX−65、三光化学工業製)60重量%の配合物100重量部と、ポリカーボネート−グリシジルメタクリレート−スチレン−アクリロニトリル共重合体(モディパーCL440−G、日本油脂社製)4.5重量部と、を混練して樹脂組成物(体積固有抵抗:2×108 Ωcm)とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径8mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した以外は、実施例1と同様にして導電性部材を得た。
(比較例1)
エピクロルヒドリンゴム(エピクロマーCG、ダイソー社製)100重量部及び過塩素酸アンモニウム3重量部を配合してゴム組成物(体積固有抵抗:4×108 Ωcm)とし、このゴム組成物をステンレスからなる外径8mmの導電性支持体(芯軸)に押出成形により被覆してゴム被覆層を形成した後、このゴム被覆層に加硫処理を処理を施し、続いて、この加硫処理を施したゴム被覆層を研削により外径12mmに仕上げて電気抵抗調整層を形成した。この電気抵抗調整層の表面に、ポリビニルブチラール樹脂(デンカブチラール3000−K、電気化学工業社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物(表面固有抵抗:4×1010Ω)により、膜厚10μmの表面層を形成した。そして、この両端部周囲に一液性エポキシ配合樹脂接着剤(2202、スリーボンド社製)により厚さ50μmのテープ状部材(ダイタックPF025−H、大日本インキ社製)を貼り付け、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂(MA02、日本ポリケム社製)50重量%と四級アンモニウム塩基を含有するイオン導電性の高分子化合物(レオレックスAS−1700、第一工業製薬社製、)50重量%とを溶融混練して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径10mmの導電性支持体(芯軸)に射出成形により被覆して、電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分にポリアミド樹脂(ノバミッド1010C2、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入し、これと導電性支持体及び電気抵抗調整層とを一液性エポキシ配合樹脂接着剤(2202、スリーボンド社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、前記電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、フッ素樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物(表面固有抵抗:2×1010Ω)により、膜厚約10μmの表面層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
(比較例3)
ポリプロピレン樹脂(MA2、日本ポリケム社製)100重量部と導電性カーボンブラック(ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックインターナショナル社製)15重量部とを溶融混練して樹脂組成物とし、この樹脂組成物をステンレスからなる直径10mmの導電性支持体(芯軸)に押出成形により被覆して電気抵抗調整層を形成した。そして、前記導電性支持体の両端部分にポリアミド樹脂(ノバミッド1010C2、三菱エンジニアリングプラスチックス社製)からなるリング状の空隙保持部材を挿入し、これと導電性支持体及び電気抵抗調整層とを一液湿気硬化型弾性接着剤(1530、スリーボンド社製)で接着した。次いで、切削加工によって、前記空隙保持部材の外径(最大径)を12.12mmとすると共に、前記電気抵抗調整層の外径を12.00mmとし、続いて、この電気抵抗調整層の表面に、フッ素樹脂(ルミフロンLF−600、旭硝子社製)、イソシアネート系硬化剤、及び、酸化スズ(全固形分に対して60重量%)からなる樹脂組成物(表面固有抵抗:2×1010Ω)により、膜厚約10μmの表面層を形成し、焼成工程を経て、導電性部材を得た。
(試験1)
以上、実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた導電性部材を帯電ローラとして、ローラ抵抗周方向偏差(logΔR)を測定した。その際、評価環境を23℃、50%RHとし、そして、印加電圧を500Vとした。試験結果は、次の表1
Figure 2007193110
に示される。表1より、実施例1〜5では、周方向偏差が0.5オーダー以下であったが、比較例1〜3のローラでは、周方向偏差が0.5オーダー以上となったことがわかる。
(試験2)
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた導電性部材を帯電ローラとし、図4に示した画像形成装置を使用して、300000枚の複写を行い、クラックが発生するまでの耐久枚数を調べた。その際、帯電ローラに印加する電圧をDC=−800V、AC=2400Vpp(周波数=2kHz)とし、評価環境を23℃、50%RHとした。試験結果は、次の表2
Figure 2007193110
に示される。表2より、実施例1〜5では、300000枚の複写で割れが発生しなかったが、比較例1〜3のローラではクラックが発生したことがわかる。
(試験3)
実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた導電性部材を帯電ローラとし、図4に示した画像形成装置を使用して、像担持体の帯電電位、帯電電位のばらつき幅、及び、部分帯電不良(画像ムラ)を測定した。その際、帯電ローラに印加する電圧をDC=−800V、AC=2400Vpp(周波数=2kHz)とし、評価環境を23℃、50%RHとした。また、像担持体欠陥部への異常放電(リーク)によって生じる異常画像の有無を評価した。次いで、100000枚通紙後のローラ表面へのトナー固着の有無を評価し、また、連続複写後の部分帯電不良(画像ムラ)を測定した。その際、評価環境を23℃、50%RHとした。評価結果は、次の表3
Figure 2007193110
に示される。表3より、実施例1〜5のローラは全項目で良好な結果が得られたが、比較例1〜3のローラでは不具合が見られた。
(試験4)
前記試験3と同様に、実施例1〜5及び比較例1〜3で得られた導電性部材を帯電ローラとし、図4に示した画像形成装置を使用して、像担持体の帯電電位と画像ムラとの関係を調べた。また、像担持体欠陥部への電圧集中、異常放電(リーク)によって生じる異常画像の有無を評価した。その際、評価環境を10℃、15%RH、及び、30℃、90%RHとした。評価結果は、次の表4,5
Figure 2007193110
Figure 2007193110
に示される。表4,5より、実施例1〜5のローラは各環境下で良好な結果が得られたが、比較例1〜3は低温低湿時、高温高湿時に画像上の不具合が見られた。
本発明の一実施の形態を示す導電性部材(帯電ローラ)の断面図である。 導電性部材(帯電ローラ)を像担持体上に配置した状態を示す模式図である。 本発明の一実施の形態を示す画像形成装置の説明図である。 従来の電子写真方式の画像形成装置である。
符号の説明
1 導電性支持体
2 電気抵抗調整層
3 保護層
4 空隙保持部材
10 導電性部材(帯電ローラ)

Claims (12)

  1. 導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された電気抵抗調整層と、該電気抵抗調整層と像担持体が一定の空隙を保持するように該像担持体と当接して該電気抵抗調整層の両端部に形成された該電気抵抗調整層とは異なる材質の空隙保持部材と、を有する導電性部材において、
    前記電気抵抗調整層が、(A)熱可塑性樹脂、(B)アルカリ金属塩を含有する高分子イオン導電材料、及び、(C)該熱可塑性樹脂と該高分子イオン導電材料の双方に親和性を有するグラフトコポリマー、を溶融混練してなる樹脂組成物で構成されていることを特徴とする導電性部材。
  2. 前記アルカリ金属塩が、リチウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の導電性部材。
  3. 前記高分子イオン導電材料が、少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性部材。
  4. 前記少なくとも分子中にエーテル基を有する化合物が、ポリエーテルエステルアミド、又は、ポリエーテル/ポリオレフィンブロックポリマーを含有する化合物であることを特徴とする請求項3に記載の導電性部材。
  5. 前記グラフトコポリマーが、主鎖にポリカーボネートを有し、そして、側鎖にアクリロニトリル−スチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性部材。
  6. 前記空隙保持部材が、前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性部材。
  7. 前記空隙保持部材が、該空隙保持部材に施されたプライマーを介して、前記導電性支持体及び前記電気抵抗調整層の少なくとも一方に接着固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性部材。
  8. 前記電気抵抗調整層が、その外表面にトナーの付着を防止する保護層を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性部材。
  9. 前記電気抵抗調整層及び前記空隙保持部材が、円筒形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の導電性部材。
  10. 前記導電性部材が帯電部材とされることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性部材。
  11. 請求項10に記載の帯電部材が被帯電体上に近接配置されるように設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  12. 請求項11に記載のプロセスカートリッジを有することを特徴とする画像形成装置。
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