JP2007192354A - 転がり軸受 - Google Patents

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眞幸 細谷
Toshiaki Yamaguchi
利明 山口
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Abstract

【課題】少量潤滑法で潤滑されても潤滑性が良好な転がり軸受を提供する。
【解決手段】少量潤滑法で潤滑される転がり軸受の保持器を、略同心に配された径の異なる2個の環状部材4A,4Bで構成した。そして、内側の環状部材4Bを、転動体3を転動自在に保持可能なポケットを有し且つ内輪1及び外輪2に沿うように湾曲した複数の樹脂製の板状部材7,7,…で構成した。板状部材7は内輪1及び外輪2に沿うように湾曲しているが、その曲率半径は、外側の環状部材4Aの半径よりも小さい。そのため、環状部材4Aと環状部材4Bとの間の隙間の幅は、周方向に不均一となっている。すなわち、環状部材4Aと環状部材4Bとの接触部から周方向に離れるにしたがって、前記隙間が大きくなるようになっている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、少量潤滑法で潤滑される転がり軸受に関する。
半導体製造装置用のロボットは通常は真空環境下で使用されるため、前記ロボットに使用される転がり軸受も真空用の仕様となっている。例えば、内輪及び外輪はSUS440C等のマルテンサイト系ステンレス鋼、転動体はSUS440C等のマルテンサイト系ステンレス鋼又は窒化ケイ素,炭化ケイ素等のセラミックス、保持器は黄銅,SUS304,SUS316,樹脂等で構成されている。
また、潤滑剤としてはフッ素グリースが使用され、特にアウトガスの発生を嫌うような環境下では、潤滑剤の量を少量に制限するために、オイルプレーティング法,グリースプレーティング法のような少量潤滑法が採用される。このオイルプレーティング法,グリースプレーティング法とは、潤滑油やグリースのような潤滑剤からなる被膜を摺動部に形成して潤滑を行う方法である。
しかしながら、少量潤滑法は、飛散する潤滑剤の量や潤滑剤から発生するガスの量を抑制するために、潤滑剤の量を少量に制限する潤滑法であることから、転がり軸受が潤滑不良に陥りやすく寿命が不十分となる場合があるという問題点を有していた。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、少量潤滑法で潤滑されるにもかかわらず潤滑性が良好な転がり軸受を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の転がり軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体と、前記転動体を転動自在に保持する保持器と、を備え、少量潤滑法で潤滑される転がり軸受において、前記保持器を、略同心に配された径の異なる複数の環状部材で構成したことを特徴とする。
また、本発明に係る請求項2の転がり軸受は、請求項1に記載の転がり軸受において、前記保持器と前記内輪との間の隙間、前記保持器と前記外輪との間の隙間、及び前記複数の環状部材同士の間の隙間のうち少なくとも一つの隙間の幅を、周方向及び軸方向の少なくとも一方に不均一としたことを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3の転がり軸受は、請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受において、前記複数の環状部材のうち少なくとも一つを、前記内輪及び前記外輪に沿って環状に配された複数の板状部材で構成したことを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4の転がり軸受は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受において、内径dと外径Dとが(D−d)/d≦0.187なる式を満足する薄肉軸受であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項5の転がり軸受は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転がり軸受において、前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面の少なくとも一つを、以下の3種の潤滑被膜のいずれか一つで覆ったことを特徴とする。
(1)官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとを含有する潤滑被膜
(2)官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとフッ素樹脂とを含有する潤滑被膜
(3)アルキル化シクロペンタン又はポリフェニルエーテルを主成分とする潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑被膜
本発明の転がり軸受は、少量潤滑法で潤滑されるにもかかわらず潤滑性が良好で長寿命である。
本発明に係る転がり軸受の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
図1の転がり軸受は、内輪1と、外輪2と、内輪1及び外輪2の間に転動自在に配された複数の転動体(玉)3と、転動体3を転動自在に保持する保持器4と、内輪1及び外輪2の間の隙間の開口を覆うシール5,5と、を備えている。この保持器4は、略同心に配された径の異なる複数(図1の例では2個)の環状部材4A,4Bで構成されている。
そして、この転がり軸受は、潤滑剤の量を少量に制限するためにオイルプレーティング法,グリースプレーティング法のような少量潤滑法で潤滑されている。すなわち、内輪1の軌道面1a,外輪2の軌道面2a,及び転動体3の転動面3aには、オイルプレーティング法又はグリースプレーティング法により、潤滑油又はグリースからなる潤滑被膜(図示せず)が形成されている。
以下に、本実施形態の転がり軸受の良好な潤滑性について説明する。前記潤滑被膜は、軌道面1a,2aや転動面3aに形成されているが、通常は、内輪1の外周面のうち軌道面1a以外の部分1bや外輪2の内周面のうち軌道面2a以外の部分2bにも、前記潤滑被膜が形成されている(これ以降は、これらの部分1b,2bを平滑面と称する)。軸受の回転中は、内輪1と外輪2との間で保持器4の径方向位置は絶えず変化するので、保持器4の周面と内輪1や外輪2の平滑面1b,2bとが接触することもある。
接触部においては、保持器4の周面と平滑面1b,2bとの間の潤滑剤が、ポンプ作用により移動する。そして、その中の一部は軌道面1a,2aや転動体の転動面3aに達して、潤滑に寄与することとなる。このような移動してきて潤滑に寄与する潤滑剤の量は、通常の潤滑法の場合は、潤滑剤全体と比較すると極微量であるが、少量潤滑法の場合は軸受の潤滑性に大きな影響を及ぼす量であるので、軸受の潤滑性を大きく向上させることとなる。
つまり、保持器の内外の周面を覆う潤滑剤も潤滑に寄与するため、これらの周面が潤滑剤を保持する保持面となっていることになる。本実施形態の転がり軸受は、径の異なる複数の環状部材4A,4Bで構成された保持器4を備えているため、1個の環状部材で構成された通常の保持器を備える転がり軸受と比べて、潤滑剤を保持可能な保持面の面積が2倍以上である。その結果、それだけ多くの潤滑剤を保持できることになるので、転がり軸受が長寿命となり得る。
また、通常の転がり軸受の場合は、保持器が一体的な環状部材であるので、ポンプ作用が発生するような面と面との接触は、保持器と内輪との間及び保持器と外輪との間の2箇所で生じることとなる。これに対して、本実施形態の転がり軸受の場合は、保持器4が2個の環状部材4A,4Bで構成されており、環状部材4Aの内周面と環状部材4Bの外周面との間でもポンプ作用が発生するような接触が生じるので、合計3箇所で生じることとなる。よって、通常の転がり軸受の約1.5倍量の潤滑剤がポンプ作用により移動して潤滑に寄与することとなるので、本実施形態の転がり軸受は潤滑性に優れ長寿命である。保持器4を構成する環状部材の数を増やせば、潤滑剤の保持量が増加し、加えてポンプ作用により移動して潤滑に寄与する潤滑剤の量がその分だけ増加するので、環状部材の数は多い方が好ましい。
なお、本発明は、薄肉軸受に対して特に効果的である。薄肉軸受とは、内径dと外径Dとが下記式を満足する軸受である。
(D−d)/d≦0.187
薄肉軸受は転動体の径が小さく、小さい転動体で荷重を受ける必要があるので、最大接触面圧を小さくするために通常の軸受よりも多数の転動体が使用される。軸受の回転時には、保持器は転動体から反力を受けるが、薄肉軸受の場合は転動体の数が多いため、保持器が局所的に内輪や外輪に押し付けられて摺動することになりやすい。この時、通常の潤滑法であれば問題ないが、少量潤滑法の場合は潤滑性が高くないため、保持器に摩耗が生じてその摩耗粉により軸受に潤滑不良が生じるおそれがある。
薄肉軸受は半導体製造装置用のロボットに使用されることが多いが、該ロボットは通常は真空環境下で使用されるため、潤滑剤の飛散やアウトガスの発生を嫌って薄肉軸受には少量潤滑法が採用されることが多い。よって、ロボットに使用され少量潤滑法で潤滑された薄肉軸受に本実施形態のような保持器の構成を適用すれば、潤滑不良が生じにくく長寿命となる。
また、本実施形態の転がり軸受に好適な少量潤滑法としては、以下の3種の潤滑被膜(以降はDFO潤滑剤と記す)のうちいずれかを、オイルプレーティング法,グリースプレーティング法等により形成する潤滑法があげられる。このDFO潤滑剤は、フッ素グリースよりも低アウトガス性を有するので、アウトガスの発生を嫌う真空環境下で使用される軸受に好適である。
(1)官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとを含有する潤滑被膜
(2)官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとフッ素樹脂とを含有する潤滑被膜
(3)アルキル化シクロペンタン又はポリフェニルエーテルを主成分とする潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑被膜
このDFO潤滑剤は、アウトガスの発生を抑えるために必要最小量の潤滑剤しか使用しないので(潤滑被膜の厚さを最小限とするので)、潤滑不良が比較的発生しやすい潤滑法である。よって、このような潤滑法を適用した転がり軸受に本実施形態のような保持器の構成を適用すれば、潤滑不良が生じにくく長寿命となる。
ここで、DFO潤滑剤について、さらに詳細に説明する。DFO潤滑剤は、金属に対する親和性の高い官能基を有する含フッ素重合体とフッ素油(例えばパーフルオロポリエーテル(PFPE))とを含有する潤滑剤であり、極めて高い粘性を有するものである。官能基を有する含フッ素重合体は、官能基の働きで極めて強く金属表面に吸着する。一方、フッ素油の分子も、例え一旦切り離されてもすぐに再付着する性質があり、逸散し難い。よって、低アウトガス性に優れている。
官能基を有する含フッ素重合体としては、フルオロポリエーテル重合体やポリフルオロアルキル重合体が好ましい。フルオロポリエーテル重合体としては、下記の化1で示される繰り返し単位を有する、数平均分子量が1000〜50000の重合体があげられる。なお、このフルオロポリエーテル重合体は、少なくとも一方の分子末端に、後述する官能基を有している。
Figure 2007192354
また、ポリフルオロアルキル重合体としては、下記の化2に示すものがあげられる。化2中のYは金属に対して親和性の高い官能基であり、例えば、エポキシ基,アミノ基,カルボキシル基,水酸基,メルカプト基,イソシアネート基,スルフォン基,エステル基等が好ましい。ポリフルオロアルキル重合体としては、化2に示すものの他、例えば、化3,4に示すものも好適に使用することができる。
Figure 2007192354
Figure 2007192354
Figure 2007192354
このような官能基は、DFO潤滑剤が内輪や外輪の表面に被覆された際に、内輪や外輪を構成する金属と結合するので、内輪や外輪の表面と強く結合した潤滑膜が形成される。なお、一つの分子に官能基を複数有する含フッ素重合体の場合は、そのうち少なくとも一つが金属と結合していればよい。前記含フッ素重合体は、上に例示したものを単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、その官能基同士が反応して金属と結合する官能基が減少することがないように、その組合せを選択することが好ましい。
このような官能基を有する含フッ素重合体の具体例としては、例えば、デュポン社製のクライトックス157FSL,157FSM,157FSHや、ダイキン工業社製のデムナム変性品SA,SH,SY−3や、アウジモント社製のフォンブリンZDEAL,ZDIAC,ZDISCO,ZDOL,ZDOLTX2000等があげられる。
また、PFPEのようなフッ素油の種類は特に限定されるものではないが、アウトガスを低く抑えるためには、できるだけ蒸気圧の低いものを使用することが好ましい。具体的には、デュポン社製のクライトックス143AB,143AC,143ADや、アウジモント社製のフォンブリンYHVAC18/8,25/9,40/11,140/13,Z25,Z60や、ダイキン工業社製のS−65,S−100,S−200等があげられる。
官能基を有する含フッ素重合体とPFPEのようなフッ素油とを含有するDFO潤滑剤の具体例としては、PFPEとしてダイキン工業社製S−200を用い、これに官能基を有する含フッ素重合体としてデュポン社製のクライトックス157FSHを5%添加し、これをフッ素系の溶剤(例えば、旭化学工業社製AK225)で2%に希釈したもの等があげられる。
なお、さらにフッ素樹脂の粉末を添加すれば、DFO潤滑剤をより低発塵とすることができる。また、フッ素油の代わりにアルキル化シクロペンタン又はポリフェニルエーテルを主成分とする潤滑油を用いれば、転がり軸受をより長寿命とすることができる。アルキル化シクロペンタンとしては、例えばトリ(2−オクチルドデシル)シクロペンタンがあげられる。
このようなDFO潤滑剤は、転がり軸受の内輪と外輪との間に形成される軸受内部空間に封入して用いてもよいが、内輪や外輪の軌道面や転動体の転動面に被覆した上で加熱,減圧等により乾燥させて潤滑膜を形成させることが好ましい。
〔第二実施形態〕
第二実施形態の転がり軸受の構成及び作用は、第一実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
図2は、第二実施形態の転がり軸受のうち、略同心に配された径の異なる2個の環状部材4A,4Bで構成された保持器4のみを示した概念図であり、内輪1,外輪2,転動体3の図示は省略してある。また、保持器4のポケットの図示も省略してある。
2個の環状部材4A,4Bのうち内側の環状部材4Bは、転動体3を転動自在に保持可能なポケットを有し且つ内輪1及び外輪2に沿うように湾曲した複数(図2の例では6個)の樹脂製の板状部材7,7,…(図3に示したもの)により構成されている。すなわち、両板面をそれぞれ内輪1と外輪2とに向けて配され内輪1及び外輪2に沿って環状に並べられた板状部材7,7,…が、一体的な環状部材と同等の働きをしている。
なお、板状部材7の円周方向長さ及び使用個数は特に限定されるものではなく、全ての板状部材7,7,…の円周方向長さの和が転がり軸受の円周方向長さとほぼ等しく、転動体3のほとんどをポケット内に保持できるように、円周方向長さ及び使用個数を設定すればよい。上記の条件を満たすならば、板状部材7の使用個数は1個でもよい(すなわち、1箇所のみで分断された環状部材でもよい)。
板状部材7は内輪1及び外輪2に沿うように湾曲しているが、その曲率半径は、外側の環状部材4Aの半径よりも小さい。そのため、環状部材4Aと環状部材4Bとの間の隙間の幅は、周方向に不均一となっている。すなわち、環状部材4Aと環状部材4Bとの接触部から周方向に離れるにしたがって、前記隙間が大きくなるようになっている。その結果、環状部材4Aと環状部材4Bとの接触部に存在する潤滑剤がポンプ作用により移動して、その中の一部は軌道面1a,2aや転動体の転動面3aに達して、潤滑に寄与することとなる。
第一実施形態の場合は、環状部材4Aと環状部材4Bとが一体的な環状部材であるため、両者の接触は1箇所でしか生じ得ないが、本実施形態の場合は、内側の環状部材4Bが複数の板状部材7で構成されているため、環状部材4Aと環状部材4Bとの接触が複数箇所(図2の例では6箇所)で生じることとなる。よって、本実施形態の場合は、第一実施形態の場合よりも格段に多い頻度でポンプ作用が発生するので、移動する潤滑剤の量が多く、その結果転がり軸受の潤滑性がより優れている。
なお、本実施形態においては、板状部材7の曲率半径が外側の環状部材4Aの半径よりも小さい例をあげて説明したが、逆に板状部材7の曲率半径を外側の環状部材4Aの半径よりも大きくしてもよい。その場合は、板状部材7の両端部が外側の環状部材4Aと接触し、板状部材7の中央部に外側の環状部材4Aとの間の隙間が生じることとなる。そして、板状部材7が径方向外方に押圧されて前記隙間が小さくなるように板状部材7が変形すると、ポンプ作用が発生して潤滑剤が移動することとなる。
また、板状部材7は円弧状に湾曲したものに限らず、波状のものでもよい。さらに、本実施形態においては、外側の環状部材4Aは一体的な構造で、内側の環状部材4Bは複数の板状部材7で構成されていたが、その逆に外側の環状部材4Aが複数の板状部材で構成され、内側の環状部材4Bが一体的な構造であってもよい。また、両方の環状部材4A,4Bが複数の板状部材7で構成されていてもよい。
さらに、この板状部材7は、射出成形,圧縮成形等の慣用の樹脂成形法により製造することができる。また、長尺な帯状部材を射出成形や圧縮成形で製作し、これを切断することにより板状部材7を製造してもよい。このような方法で保持器4を製造すれば、転がり軸受の製造コストが安価となる。
板状部材7の樹脂材料の種類は特に限定されるものではないが、柔軟性に優れるナイロン66等のポリアミド樹脂が採用されることが多い。また、低アウトガス性から、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂や、ポリエーテルエーテルケトンも使用される。さらに、転がり軸受が高温条件下で使用される場合には、耐摩耗性に優れるポリエーテルエーテルケトン,ポリイミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリベンゾイミダゾール樹脂等が使用される。
〔第三実施形態〕
第三実施形態の転がり軸受の構成及び作用は、第二実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
図4は、第三実施形態の転がり軸受のうち、略同心に配された径の異なる2個の環状部材4A,4Bで構成された保持器4のみを示した概念図であり、内輪1,外輪2,転動体3の図示は省略してある。また、保持器4のポケットの図示も省略してある。また、図5は、保持器4のうち内側の環状部材4Bのみを示した概念図である。
環状部材4A,4Bは、転動体3を転動自在に保持可能なポケットを有し且つ内輪1及び外輪2に沿うように湾曲した複数(図4の例では各6個。ただし同一の個数とする必要はない)の樹脂製の板状部材7,7,…により構成されている。すなわち、両板面をそれぞれ内輪1と外輪2とに向けて配され内輪1及び外輪2に沿って環状に並べられた板状部材7,7,…が、一体的な環状部材と同等の働きをしている。
なお、板状部材7の円周方向長さ及び使用個数は特に限定されるものではなく、全ての板状部材7,7,…の円周方向長さの和が転がり軸受の円周方向長さとほぼ等しく、転動体3のほとんどをポケット内に保持できるように、円周方向長さ及び使用個数を設定すればよい。上記の条件を満たすならば、板状部材7の使用個数は1個でもよい(すなわち、1箇所のみで分断された環状部材でもよい)。
外側の環状部材4Aについては、径方向外方を向く曲面が、内輪1及び外輪2に沿うように(すなわち周方向に)湾曲しているが、軸方向には湾曲していない。これに対して内側の環状部材4Bについては、径方向外方を向く曲面が、内輪1及び外輪2に沿うように(すなわち周方向に)湾曲していることに加えて、軸方向にも径方向外方に凸状に湾曲している(図5を参照)。
そのため、環状部材4Aと環状部材4Bとの間の隙間の幅は、軸方向に不均一となっている。すなわち、環状部材4Aと環状部材4Bとの接触部から軸方向に離れるにしたがって、前記隙間が大きくなるようになっている。その結果、環状部材4Aと環状部材4Bとの接触部に存在する潤滑剤がポンプ作用により移動して、その中の一部は軌道面1a,2aや転動体の転動面3aに達して、潤滑に寄与することとなる。
第一実施形態の場合は、環状部材4Aと環状部材4Bとが一体的な環状部材であるため、両者の接触は1箇所でしか生じ得ないが、本実施形態の場合は、内側の環状部材4Bが複数の板状部材7で構成されているため、環状部材4Aと環状部材4Bとの接触が複数箇所(図4の例では6箇所)で生じることとなる。しかも、環状部材4Aと環状部材4Bとは周方向全体にわたって接触することが可能であり、その接触部全域に前述の不均一な幅の隙間が形成されている。よって、本実施形態の場合は、第一実施形態はもちろん、第二実施形態の場合よりも多い頻度でポンプ作用が発生するので、移動する潤滑剤の量がより多く、その結果転がり軸受の潤滑性がより優れている。
なお、内側の環状部材4Bを構成する板状部材7は、円周方向及び軸方向に円弧状に湾曲したものに限らず、円周方向及び軸方向の少なくとも一方に波状のものでもよい。また、本実施形態においては、両環状部材4A,4Bが複数の板状部材7で構成されていたが、いずれか一方のみが複数の板状部材7で構成され他方が一体的な環状部材であってもよいし、両方が一体的な環状部材であってもよい。
さらに、第二実施形態の構成と本実施形態の構成とを組み合わせた構成、すなわち、両環状部材4A,4Bの間の隙間の幅を、周方向及び軸方向の両方に不均一としてもよい。具体的には、内側の環状部材4Bを構成する板状部材7を、外側の環状部材4Aの半径よりも小さい曲率半径で周方向に湾曲し、且つ、軸方向にも径方向外方に凸状に湾曲した形状としてもよい。
第一実施形態の転がり軸受の構造を示す部分縦断面図である。 第二実施形態の転がり軸受のうち保持器のみを示した概念図である。 板状部材の斜視図である。 第三実施形態の転がり軸受のうち保持器のみを示した概念図である。 図4の保持器のうち内側の環状部材のみを示した概念図である。
符号の説明
1 内輪
1a 軌道面
1b 平滑面
2 外輪
2a 軌道面
2b 平滑面
3 転動体
3a 転動面
4 保持器
4A 環状部材
4B 環状部材
7 板状部材

Claims (5)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪及び前記外輪の間に転動自在に配された複数の転動体と、前記転動体を転動自在に保持する保持器と、を備え、少量潤滑法で潤滑される転がり軸受において、前記保持器を、略同心に配された径の異なる複数の環状部材で構成したことを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記保持器と前記内輪との間の隙間、前記保持器と前記外輪との間の隙間、及び前記複数の環状部材同士の間の隙間のうち少なくとも一つの隙間の幅を、周方向及び軸方向の少なくとも一方に不均一としたことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記複数の環状部材のうち少なくとも一つを、前記内輪及び前記外輪に沿って環状に配された複数の板状部材で構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 内径dと外径Dとが(D−d)/d≦0.187なる式を満足する薄肉軸受であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の転がり軸受。
  5. 前記内輪の軌道面,前記外輪の軌道面,及び前記転動体の転動面の少なくとも一つを、以下の3種の潤滑被膜のいずれか一つで覆ったことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の転がり軸受。
    (1)官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとを含有する潤滑被膜
    (2)官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとフッ素樹脂とを含有する潤滑被膜
    (3)アルキル化シクロペンタン又はポリフェニルエーテルを主成分とする潤滑油とフッ素樹脂とを含有する潤滑被膜
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