JP2007189954A - 魚釣用スピニングリール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ピニオン29に噛合する従動歯車55を有する螺軸49にスプール軸43の後端側に装着した摺動子53を係合連結して、ハンドルの回転をスプール軸43の前後動に変換するスプール往復動装置を備えた魚釣用スピニングリールに於て、前記ピニオン29の歯部に隣接させてその側部に環状凹部を形成し、当該環状凹部に弾性リング63を装着すると共に、前記従動歯車55の歯部に隣接させてその側部に、上記弾性リング63に当接する摩擦回転部65を設けたことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
ところで、このスプール往復動装置は、ハンドルからの回転駆動力を歯車同士の噛合による歯車列を介して伝達させる構造上、歯車噛合時の噛合ガタ、即ち、バックラッシュが生じて振動や異音が発生する虞がある。
図9及び図10に示すように弾性部材の摩擦による動力伝達部1は、回転軸筒(フライヤ軸)3の後端側のピニオン5にその歯部7と隣接して摩擦伝達回転部9を設けると共に、当該ピニオン5に噛合する螺軸(トラバースカム軸)11側の従動歯車13に、前記摩擦伝達回転部9の外周面が圧接する幅広で肉厚な均一の厚さからなるリング状の弾性部材15を従動歯車13の歯部17に隣接させて取着し、摩擦伝達回転部9とこの弾性部材15との間に発生する摩擦力により動力伝達可能とした構造で、斯かる動力伝達部1により、ピニオン5と従動歯車13との噛合時のバックラッシュの発生を抑制し、振動や異音の発生が防止できることとなった。
そして、斯様に弾性部材15が変形したり捩れてしまうと、ピニオン5と従動歯車13との噛合部分に弾性部材15が接触して損傷したり、動力伝達部1による安定した摩擦性能を維持することができず、耐久性も低下してしまう虞があった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、リール本体の小型化を図りつつ、設計上の制約もなく耐久性に優れ、スプール往復動装置の歯車噛合時のバックラッシュの発生を確実に防止したスピニングリールを提供することを目的とする。
そして、請求項2に係る発明によれば、ピニオンの歯部と軸受部との間に環状凹部を形成して弾性リングの近傍を軸受で支持した構造上、弾性リングの装着部の回転性能を高精度に維持することができ、弾性リングによる安定した摩擦作用が得られる利点を有する。
図1乃至図6は請求項1及び請求項2に係るスピニングリールの第一実施形態を示し、図1に於て、21は軸受23を介してリール本体25の前部に回転可能に支持された中空な回転軸筒(フライヤ軸)で、その先端にロータ27がナットで固定されている。また、回転軸筒21の後端側外周に形成されたピニオン29に、ハンドル31のハンドル軸33に回り止め嵌着した駆動歯車35が噛合しており、ハンドル31の回転操作(巻取り操作)が駆動歯車35,ピニオン29から回転軸筒21に伝達されて、ロータ27が釣糸巻取り方向へ回転するようになっている。
図1乃至図3に示すようにトラバース機構47は、リール本体25内にスプール軸43と平行に回転可能に支持された螺軸(トラバースカム軸)49と、当該螺軸49の外周に設けられたカム溝51に係合する係合爪を有する摺動子53と、螺軸49の前端部に回り止め嵌着されて前記ピニオン29に噛合する従動歯車55とで構成されており、摺動子53はスプール軸43の後端部にビス57で固定されている。
図4乃至図6に於て、61は前記ピニオン29の歯部29aに隣接させてその側部外周に刻設した環状凹部で、当該環状凹部61は、ピニオン29の歯部29aと前記軸受23によるピニオン29の軸受部29bとの間にこれらから若干離間して設けられている。そして、当該環状凹部61に断面円形状の弾性リング(O−リング)63が装着されており、図示するように弾性リング63は、その外周を径方向外方へ突出させて環状凹部61内に装着されている。
尚、上述したように本実施形態は、摩擦回転部65を従動歯車55と一体に設けたが、摩擦回転部を従動歯車と別体に設けて、これを螺軸に回り止め嵌着してもよい。
このように本実施形態は、弾性リング63と摩擦回転部65との摩擦力による駆動力伝達部を、ピニオン29と従動歯車55との噛合による駆動力伝達部に併設すると共に、摩擦回転部65に対する弾性リング63の摩擦面の軌跡を、ピニオン29の歯部29aのピッチ円径と異なるように構成したので、釣糸の巻取り操作時にピニオン29と従動歯車55の噛合による駆動力伝達と、弾性リング63と摩擦回転部65との摩擦力による駆動力伝達との間に回転差が生じ、弾性リング63の摩擦による駆動力伝達に滑りが生じてピニオン29と従動歯車55との駆動力伝達に負荷(抵抗力)が加わることとなる。
そして、図6に示すように環状凹部61の両側壁部61a,61bが、駆動力伝達時の弾性リング63の捩れや変形を防止する。
而も、既述したように本実施形態は、ピニオン29の歯部29aと軸受部29bとの間に環状凹部61を形成して弾性リング63の近傍を軸受23で支持した構造上、弾性リング63の装着部の回転性能を高精度に維持することができ、弾性リング63による安定した摩擦作用が得られる利点を有する。
而して、斯かる構成とすることで、低負荷状態では、歯部29a,55a同士が接触することなく弾性リング63と摩擦回転部65との摩擦によって駆動力の伝達が行われる。
図7は請求項1及び請求項2に係るスピニングリールの第二実施形態を示し、本実施形態は、前記環状凹部61を刻設することなく、ピニオン29-1の歯部29a-1と軸受23とで、歯部29a-1の側部に弾性リング63を装着する環状凹部61-1を設けたもので、弾性リング63は軸受23の内輪23aに当接している。
また、本実施形態は、弾性リング63を軸受23の内輪23aに当接させた構造上、ピニオン29-1のスラスト方向のガタ付きを抑制することができる利点を有する。
図8は請求項1及び請求項2に係るスピニングリールの第三実施形態を示し、本実施形態は、前記環状凹部61に代え、断面楕円形状の弾性リング63-1が軸受23の内輪23aに当接するように、ピニオン29-2の歯部29a-2に隣接させてその側部外周に環状凹部61-1を刻設したもので、弾性リング63-1は前記摩擦回転部65の外周に当接可能に外方へ突出して環状凹部61-1内に装着されている。
23 軸受
23a 内輪
25 リール本体
27 ロータ
29,29-1,29-2 ピニオン
29a,29a-1,29a-2,55a 歯部
31 ハンドル
35 駆動歯車
43 スプール軸
45 スプール
47 トラバース機構
49 螺軸
51 カム溝
53 摺動子
55 従動歯車
59 スピニングリール
61,61-1 環状凹部
63,63-1 弾性リング
65 摩擦回転部
Claims (2)
- ハンドルのハンドル軸に取り付く駆動歯車に噛合するピニオンが後端側に形成され、先端側にロータが取り付く回転軸筒をリール本体に回転可能に支持し、
当該回転軸筒内に、先端にスプールを装着したスプール軸を摺動可能に挿通すると共に、
前記ピニオンに噛合する従動歯車を有する螺軸に前記スプール軸の後端側に装着した摺動子を係合連結して、ハンドルの回転をスプール軸の前後動に変換するスプール往復動装置を備えた魚釣用スピニングリールに於て、
前記ピニオンの歯部に隣接させてその側部に環状凹部を形成し、当該環状凹部に弾性リングを装着すると共に、
前記従動歯車の歯部に隣接させてその側部に、上記弾性リングに当接する摩擦回転部を設けたことを特徴とする魚釣用スピニングリール。 - 前記環状凹部は、ピニオンの歯部と、リール本体に支持される回転軸筒の軸受部との間に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
Priority Applications (1)
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JP2006011494A JP2007189954A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 魚釣用スピニングリール |
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JP2006011494A JP2007189954A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 魚釣用スピニングリール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007189954A true JP2007189954A (ja) | 2007-08-02 |
Family
ID=38446117
Family Applications (1)
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Citations (3)
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JPH10210901A (ja) * | 1997-01-29 | 1998-08-11 | Shimano Inc | スピニングリールのフェースギアの噛合調整構造 |
JP2004113039A (ja) * | 2002-09-25 | 2004-04-15 | Daiwa Seiko Inc | 魚釣用リール |
JP2005192441A (ja) * | 2004-01-05 | 2005-07-21 | Daiwa Seiko Inc | 魚釣用リ−ル |
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2006
- 2006-01-19 JP JP2006011494A patent/JP2007189954A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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