JP2007189170A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップに形成され、当該半導体チップが樹脂によりモールドされてなる半導体装置であって、十分な放熱性を確保できると共に、半導体チップの面積が増大しても、従来に較べて半導体チップに働く応力を低減させることができ、半導体チップの破壊や放熱部材との接続の信頼性低下を抑制することのできる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体チップ10におけるパワー素子の形成領域10pの周りに、半田バンプ40が配置され、一方の表面に溝20mを有する溝付放熱板20が、もう一方の表面で半田バンプ40に接続されてパワー素子の形成領域10pを覆うようにして半導体チップ10上に配置され、半導体チップ10が、溝付放熱板20と共に、溝20mを有する表面を外部に露出するようにして、樹脂9によりモールドされてなる半導体装置100とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップに形成され、当該半導体チップが樹脂によりモールドされてなる半導体装置に関する。
半導体チップが樹脂によりモールドされてなる半導体装置であって、半導体チップの発生する熱を両面から放熱する半導体装置が、例えば、特許第3525832号公報(特許文献1)に開示されている。
図6と図7は、特許文献1に開示された半導体装置90で、図6(a)は全体の概略断面図、図6(b)〜(d)は一面側の放熱部材2、および、この放熱部材2と対向するシリコン(Si)チップ1a、1bの部分概略断面図である。図6(a)では、一面側の放熱部材2の一部が省略されているが、この部分に、図6(b)〜(d)に示す断面形状が適用される。また、図7(a)〜(c)は、図6(b)〜(d)におけるC−C断面形状において、とり得る種々の形状を示す図である。
図6(a)に示すように、半導体装置90は、Siチップ1a、1bが樹脂9によりモールドされてなる半導体装置である。半導体装置90では、Siチップ1a、1bの発生する熱を両面から放熱すため、放熱部材2,3が、接合部材4を用いてSiチップ1a、1bの両面に接続されている。
図6(b)〜(d)および図7に示すように、放熱部材2には、Siチップ1a、1bと接続する部分に空間部2sが形成されている。この空間部2sの形状は、図7(a)に示す例では格子状であり、図7(b)に示す例では同心円状であり、図7(c)に示す例では同心的に配置された矩形状である。また、空間部2sにおけるSiチップ1a、1bと放熱部材2との接続面に垂直な方向の形状は、図6(b)〜(d)に示すように、Siチップ1a、1bと接続する部分が開口している場合や、放熱面となる部分が開口している場合や、Siチップ1a、1bと接続する部分、および放熱面となる部分が閉じている場合がある。
空間部2sは、例えば切削加工により形成することができる。また、図6(d)に示すSiチップ1a、1bと接続する部分も放熱面となる部分も閉じている場合は、例えば、図6(b)に示す、Siチップ1a、1bと接続する部分が開口している一面側の放熱部材2と同様のものを切削等により形成した後、その開口部を覆うように板状の所望の金属を溶接等により接合することによって形成することができる。
特許第3525832号公報
図6および図7に示す半導体装置90は、Siチップ1a、1bの両方の面側に放熱部材2,3が配置されているため、Siチップ1a、1bの発生する熱を効率的に外部へ放熱することができる。さらに、図6および図7に示す半導体装置90では、放熱部材2に空間部2sを設けることにより、この放熱部材2の剛性を減少させることができる。その結果、Siチップ1a、1bに働く応力を低減させることができ、Siチップ1a、1bの破壊を低減させたり、放熱部材2との接続の信頼性を高めたりすることができる。
一般的に、負荷の電力制御に用いられるパワー素子と当該パワー素子を制御するための制御回路とが一つの半導体チップに形成されてなる半導体装置では、制御電力が大きくなるほど、パワー素子の形成領域の面積が増大して半導体チップの面積も増大し、半導体チップの発熱量も大きくなる。特に、パワー素子の温度が上昇するとゲート抵抗が大きくなるため、スイッチング速度が遅くなり、スイッチング損失が大きくなる。従って、図6および図7に示す半導体装置90では、Siチップ1a、1bの面積が増大すると、大面積の放熱部材2,3が必要となる。しかしながら、Siチップ1a、1bと放熱部材2,3が大面積になるほど、Siチップ1a、1bに働く応力も増大し、Siチップ1a、1bの破壊が増大したり放熱部材2,3との接続の信頼性が低下したりする。
そこで本発明は、パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップに形成され、当該半導体チップが樹脂によりモールドされてなる半導体装置であって、十分な放熱性を確保できると共に、半導体チップの面積が増大しても、従来に較べて半導体チップに働く応力を低減させることができ、半導体チップの破壊や放熱部材との接続の信頼性低下を抑制することのできる半導体装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の半導体装置は、パワー素子と当該パワー素子を制御するための制御回路とが、一つの半導体チップに形成され、前記半導体チップにおけるパワー素子の形成領域の周りに、半田バンプが配置され、一方の表面に溝を有する溝付放熱板が、もう一方の表面で前記半田バンプに接続されて前記パワー素子の形成領域を覆うようにして前記半導体チップ上に配置され、前記半導体チップが、前記溝付放熱板と共に、前記溝を有する表面を外部に露出するようにして、樹脂によりモールドされてなることを特徴としている。
上記半導体装置においては、半導体チップの主たる発熱部であるパワー素子の形成領域の周りに半田バンプが配置され、パワー素子で発生した熱が、前記半田バンプを介して溝付放熱板に効率的に伝達される。また、前記溝付放熱板は、溝(凹部)を有する表面(換言すれば、フィン(凸部)を有する表面)を外部に露出するようにして、樹脂によりモールドされている。従って、前記溝付放熱板は、表面に溝を有しない溝無放熱板に較べて、外部の雰囲気中へ放熱するための放熱面積が増大されており、前記半田バンプによって溝付放熱板に伝達された熱が、外部の雰囲気中へ効率的に放熱される。これによって、パワー素子の温度上昇を抑制することができ、パワー素子のゲート抵抗が増大しないため、スイッチング速度が低下せず、スイッチング損失の増大を抑制することができる。
また、上記溝付放熱板の溝は、当該溝付放熱板の剛性を減少させるため、半導体チップに働く応力を低減させることができる。さらに、上記半導体装置は、半導体チップと放熱部材が全面で接合されてなる従来の半導体装置と異なり、半導体チップと溝付放熱板が、パワー素子の形成領域の周りに配置された半田バンプを介して部分的に接合された半導体装置とすることができる。従って、これによっても半導体チップに働く応力を低減させることができる。
以上のようにして、上記半導体装置は、パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップに形成され、当該半導体チップが樹脂によりモールドされてなる半導体装置であって、十分な放熱性を確保できると共に、半導体チップの面積が増大しても、従来に較べて半導体チップに働く応力を低減させることができ、半導体チップの破壊や放熱部材との接続の信頼性低下を抑制することのできる半導体装置とすることができる。
上記半導体装置は、例えば請求項2に記載のように、前記溝付放熱板が、前記半導体チップの一方の面側に配置されてなり、両表面に溝を有しない溝無放熱板が、前記半導体チップのもう一方の面側に配置され、前記溝無放熱板の一方の表面を外部に露出するようにして、前記樹脂によりモールドされてなるように構成することができる。
当該半導体装置は、前記溝付放熱板を外部の雰囲気中への放熱部材として利用することができ、半導体チップの反対側にあるモールド樹脂から露出する溝無放熱板の表面を金属ケース等に接触させて、前記溝無放熱板をヒートシンクとして利用することができる。ヒートシンクとして溝無放熱板を利用する場合には、ヒートシンクとして溝付放熱板を利用する場合に較べて熱伝達経路が増大するため、接触する金属ケース等の外部部材に熱を効率的に伝達することができる。
従って、半導体チップに働く応力が問題とならない範囲で大きな放熱性を得るためには、請求項3に記載のように、前記溝無放熱板が、前記半導体チップより大きな面積を有してなり、前記半導体チップが、前記もう一方の面側における全面で、前記溝無放熱板に接続されてなることが好ましい。
当該半導体装置は、例えば、半導体チップの裏面側にパワー素子が形成されておらず、半導体チップの裏面側において半導体チップに働く応力が問題とならない場合に好適である。
上記半導体装置は、例えば請求項4に記載のように、前記溝付放熱板が、前記半導体チップの一方の面側に配置されてなり、一方の表面に溝を有する第2溝付放熱板が、前記半導体チップのもう一方の面側に配置され、前記第2溝無放熱板の溝を有する表面を外部に露出するようにして、前記樹脂によりモールドされてなるように構成することもできる。
当該半導体装置は、前記溝付放熱板と第2溝無放熱板を外部の雰囲気中への放熱部材として利用することができる。従って、当該半導体装置は、配置の関係上、前記半導体装置のようなヒートシンクとしての溝無放熱板を利用できない場合に好適である。尚、当該半導体装置は、第2溝無放熱板が溝を有するため、前記溝無放熱板を有する半導体装に較べて、半導体チップに働く応力が低減されている。
当該半導体装置においても、半導体チップに働く応力が問題とならない範囲で大きな放熱性を得るためには、請求項5に記載のように、前記第2溝付放熱板が、前記半導体チップより大きな面積を有してなり、前記半導体チップが、前記もう一方の面側における全面で、前記第2溝付放熱板に接続されてなることが好ましい。
また、上記半導体装置は、例えば請求項6に記載のように、パワー素子の形成領域の周りに配置された半田バンプに接続される前記溝付放熱板が、前記半導体チップの両方の面側に配置されてなるように構成することができる。
当該半導体装置では、半導体チップの両面で、パワー素子の形成領域の周りに配置された半田バンプと溝付放熱板が接合される。従って、当該半導体装置は、半導体チップの両面で溝付放熱板が半田バンプを介して部分的に接合された半導体装置とすることができ、これによっても半導体チップに働く応力を低減させることができる。当該半導体装置は、例えば、半導体チップの両面に働く応力が問題となる場合に、特に好適である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の半導体装置の一例で、図1(a)は、半導体装置100の全体の概略断面図である。また、図1(b)は、図1(a)の半導体装置100における半導体チップ10と溝付放熱板20の配置関係を詳細に示した上面図であり、図1(c)は、図1(b)の一点鎖線A−Aにおける断面図である。尚、図1(a)の半導体装置100において、図6(a)に示す半導体装置90と同様の部分については、同じ符号を付けた。
図1(a)〜(c)に示す半導体装置100は、パワー素子と当該パワー素子を制御するための制御回路とが一つの半導体チップ10に形成されてなる半導体装置である。図1(b)において、半導体チップ10の破線で囲った領域10pがパワー素子の形成領域であり、点線で囲った領域10sが制御回路の形成領域である。
図1(a)〜(c)に示す半導体装置100も、図6に示す半導体装置90と同様に、半導体チップ10の発生する熱を両面から放熱するため、2つの放熱部材が半導体チップ10の両面に配置されている。図1(a)に示す半導体チップ10の裏面側に配置された放熱部材は、図6の半導体装置90の裏面側に配置された放熱部材3と同様に、両表面に溝を有しない溝無放熱板である。溝無放熱板3は、半導体チップ10より大きな面積を有しており、半導体チップ10が半田4を用いて裏面側における全面で溝無放熱板3に接続されている。溝無放熱板3は、一方の表面を外部に露出するようにして、半導体チップ10と共に、樹脂9によりモールドされている。
半導体装置100における半導体チップ10の裏面側に配置された溝無放熱板3は、モールド樹脂9から露出する溝無放熱板3の表面を金属ケース等に接触させて、ヒートシンクとして利用することができる。溝無放熱板3をヒートシンクとして利用する場合には、次に示す溝付放熱板をヒートシンクとして利用する場合に較べて熱伝達経路が増大するため、接触する金属ケース等の外部部材に熱を効率的に伝達することができる。尚、溝無放熱板3は、図1(a)のように、半導体チップ10に対して大きな面積にするほど、大きな放熱性能が得られる。
一方、図1(a)に示す半導体チップ10の主面側に配置された放熱部材は、図6(c)に示す従来の放熱部材2と同様の一方の表面に溝20mを有する溝付放熱板20となっているが、半導体チップ10に対する配置と接続方法が、図6の半導体装置90のそれと異なっている。半導体装置100では、図1(b),(c)に示すように、半導体チップ10におけるパワー素子の形成領域10pの周りに、半田バンプ40が配置されている。溝付放熱板20は、パワー素子の形成領域10pを覆うようにして半導体チップ10上に配置され、溝20mと反対側の表面で半田バンプ40に接続されている。図1(a)に示すように、溝付放熱板20は、溝20mを有する表面を外部に露出するようにして、半導体チップ10と共に、樹脂9によりモールドされている。
図1(a)〜(c)に示す半導体装置100においては、半導体チップ10の主たる発熱部であるパワー素子の形成領域10pの周りに半田バンプ40が配置され、パワー素子で発生した熱が、半田バンプ40を介して溝付放熱板20に効率的に伝達される。また、溝付放熱板20は、溝(凹部)20mを有する表面(換言すれば、フィン(凸部)20fを有する表面)を外部に露出するようにして、樹脂9によりモールドされている。従って、溝付放熱板20は、表面に溝20mを有しない溝無放熱板に較べて、外部の雰囲気中へ放熱するための放熱面積が増大されており、半田バンプ40によって溝付放熱板に伝達された熱が、外部の雰囲気中へ効率的に放熱される。これによって、半導体装置100においては、パワー素子の温度上昇を抑制することができ、パワー素子のゲート抵抗が増大しないため、スイッチング速度が低下せず、スイッチング損失の増大を抑制することができる。
また、半導体装置100の溝付放熱板20の溝20mは、溝付放熱板20の剛性を減少させるため、これによって半導体チップ10に働く応力が低減されている。さらに、図1に示す半導体装置100は、図6に示す半導体チップ1a,1bと放熱部材2が全面で接合されてなる従来の半導体装置90と異なり、半導体チップ10と溝付放熱板20が、パワー素子の形成領域10pの周りに配置された半田バンプ40を介して部分的に接合されている。従って、これによっても半導体チップ10に働く応力が低減されている。
以上のようにして、図1に示す半導体装置100は、パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップ10に形成され、半導体チップ10が樹脂9によりモールドされてなる半導体装置であって、十分な放熱性を確保できると共に、半導体チップ10の面積が増大しても、従来に較べて半導体チップ10に働く応力を低減させることができ、半導体チップ10の破壊や放熱部材である溝付放熱板20との接続の信頼性低下を抑制した半導体装置となっている。
上記した本発明の半導体装置における溝付放熱板の溝形状は、任意の形状であってよい。
図2は、平面の溝形状が異なる溝付放熱板21を有した半導体装置101で、図2(a)は、半導体チップ10と溝付放熱板21の配置関係を詳細に示した上面図であり、図2(b)は、図2(a)の一点鎖線B−Bにおける断面図である。尚、図2の半導体装置101において、図1(b),(c)に示す半導体装置100と同様の部分については、同じ符号を付けた。また、図2の半導体装置101における裏面側の放熱構造と樹脂9によるモールド構造は、図1(a)に示す半導体装置100と同様であり、図1(a)に対応する半導体装置101の全体の概略断面図は省略した。
図1(b),(c)に示す半導体装置100の溝付放熱板20は、凹部である溝20mと凸部であるフィン20fがストライプ状に形成されている。これに対して、図2(a),(b)に示す半導体装置101の溝付放熱板21は、凹部である溝21mによって、凸部であるフィン21fが柱状に林立して形成された構造となっている。
図3(a),(b)は、断面の溝形状が異なる溝付放熱板22,23を有した102,103で、それぞれ、半導体装置102,103の全体の概略断面図である。尚、図3の半導体装置102,103において、図1(a)に示す半導体装置100と同様の部分については、同じ符号を付けた。
図1(a)に示す半導体装置100の溝付放熱板20は、溝20mの断面形状が矩形状である。これに対して、図3(a)に示す半導体装置102の溝付放熱板22は、溝22mの先端における断面形状が丸められた形状となっており、図3(b)に示す半導体装置103の溝付放熱板23は、溝23mの断面形状が三角形状である。
以上の図2と図3に示した半導体装置101〜103についても、図1の半導体装置100と同様に、パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップ10に形成され、半導体チップ10が樹脂9によりモールドされてなる半導体装置であって、十分な放熱性を確保できると共に、半導体チップ10の面積が増大しても、従来に較べて半導体チップ10に働く応力を低減させることができ、半導体チップ10の破壊や放熱部材である溝付放熱板21〜23との接続の信頼性低下を抑制した半導体装置となっていることは言うまでもない。
尚、本実施形態の半導体装置100〜103は、いずれも、半導体チップ10が、半田4を用いて、裏面側における全面で溝無放熱板3に接続されている。このため、半導体装置100〜103の半導体チップ10における裏面側の応力は、主面側より大きな応力値となる。このため、本実施形態の半導体装置100〜10は、例えば、半導体チップ10の裏面側にパワー素子が形成されておらず、半導体チップ10の裏面側において半導体チップ10に働く応力が問題とならない場合に好適である。
(第2の実施形態)
第1実施形態の半導体装置100〜103は、いずれも、半導体チップ10の裏面側に、両表面に溝を有しない溝無放熱板3が半田4を介して接合配置されていた。本実施形態は、半導体チップの裏面側にも、一方の表面に溝を有する第2溝付放熱板を配置した半導体装置に関する。
図4(a)〜(c)は、本実施形態の半導体装置の例で、それぞれ、半導体装置104〜106の全体の概略断面図である。尚、図4の半導体装置104〜106において、それぞれ、図1(a)および図3(a),(b)に示す半導体装置100,102,103と同様の部分については、同じ符号を付けた。
図4(a)〜(c)に示す半導体装置104〜106は、図1(a)および図3(a),(b)に示す半導体装置100,102,103と同様に、半導体チップ10の主面側に、それぞれ、溝付放熱板20,22,23が半田バンプ40を介して接合配置されている。一方、図1(a)および図3(a),(b)の半導体装置100,102,103では、半導体チップ10の裏面側に、ヒートシンクとして利用する両表面に溝を有しない溝無放熱板3が半田4を介して接合配置されていた。これに対して、図4(a)〜(c)に示す半導体装置104〜106では、半導体チップ10の裏面側にも、一方の表面に溝を有する第2溝付放熱板30〜32が半田4を介して接合配置されている。
尚、図4(a)〜(c)に示す半導体装置104〜106の第2溝付放熱板30〜32も、図1(a)に示す半導体装置100の溝無放熱板3と同様に半導体チップ10より大きな面積を有しており、半導体チップ10が半田4を用いて裏面側における全面で第2溝付放熱板30〜32に接続されている。第2溝付放熱板30〜32は、溝30m〜32mを有する表面を外部に露出するようにして、半導体チップ10と共に、樹脂9によりモールドされている。
図4(a)〜(c)に示す半導体装置104〜106は、半導体チップ10の主面側の溝付放熱板20,22,23と裏面側の第2溝無放熱板30〜32を、外部の雰囲気中への放熱部材として利用することができる。従って、半導体装置104〜106は、配置の関係上、第1実施形態の半導体装置100〜103のようなヒートシンクとしての溝無放熱板3を利用できない場合に好適である。
尚、図4(a)〜(c)の半導体装置104〜106は、第2溝無放熱板30〜32が溝30m〜32mを有するため、第1実施形態の溝無放熱板3を有する半導体装置100〜103に較べて、半導体チップ10に働く応力が低減されている。しかしながら、図4(a)〜(c)の半導体装置104〜106においても、半導体チップ10に働く応力が問題とならない範囲で大きな放熱性を得るためには、第2溝無放熱板30〜32が半導体チップ10より大きな面積を有してなり、半導体チップ10が裏面側における全面で第2溝無放熱板30〜32に接続されていることが好ましい。
以上の図4に示した半導体装置104〜106についても、第1実施形態の半導体装置100〜103と同様に、パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップ10に形成され、半導体チップ10が樹脂9によりモールドされてなる半導体装置であって、十分な放熱性を確保できると共に、半導体チップ10の面積が増大しても、従来に較べて半導体チップ10に働く応力を低減させることができ、半導体チップ10の破壊や放熱部材である溝付放熱板20,22,23および第2溝付放熱板30〜32との接続の信頼性低下を抑制した半導体装置となっていることは言うまでもない。
(第3の実施形態)
第2実施形態の半導体装置104〜106は、いずれも、半導体チップ10の裏面側に、第2溝無放熱板30〜32が半田4を介して接合配置されていた。本実施形態は、半導体チップの主面側と同様に、裏面側にも半田バンプを介して溝付放熱板を配置した半導体装置に関する。
図5(a)〜(c)は、本実施形態の半導体装置の例で、それぞれ、半導体装置107〜109の全体の概略断面図である。尚、図5の半導体装置107〜109において、それぞれ、図4(a)〜(c)に示す半導体装置104〜106と同様の部分については、同じ符号を付けた。
図5(a)〜(c)に示す半導体装置107〜109では、図4(a)〜(c)に示す半導体装置104〜106と異なり、それぞれ、裏面側に配置された溝33m〜35mを有する溝付放熱板33〜35についても、パワー素子の形成領域10pの周りに配置された半田バンプ41を介して、半導体チップ10に接合配置されている。
図5(a)〜(c)の半導体装置107〜109では、半導体チップ10の両面で、パワー素子の形成領域10pの周りに配置された半田バンプ40,41と溝付放熱板20,22,23,33〜35が接合される。従って、半導体装置107〜109は、半導体チップ10の両面で溝付放熱板20,22,23,33〜35が半田バンプ40,41を介して部分的に接合された半導体装置となる。これによって、図5(a)〜(c)の半導体装置107〜109は、図4(a)〜(c)の半導体装置104〜106に較べて、半導体チップ10に働く応力を低減させることができる。図5(a)〜(c)の半導体装置107〜109は、例えば、半導体チップ10の両面に働く応力が問題となる場合に、特に好適である。
以上の図5に示した半導体装置107〜109についても、第1実施形態および第2実施形態の半導体装置100〜106と同様に、パワー素子と制御回路とが一つの半導体チップ10に形成され、半導体チップ10が樹脂9によりモールドされてなる半導体装置であって、十分な放熱性を確保できると共に、半導体チップ10の面積が増大しても、従来に較べて半導体チップ10に働く応力を低減させることができ、半導体チップ10の破壊や放熱部材である溝付放熱板20,22,23,33〜35との接続の信頼性低下を抑制した半導体装置となっていることは言うまでもない。
(その他の実施形態)
上記した各実施形態の半導体装置100〜107は、いずれも、半導体チップ10の両側に放熱部材が配置された半導体装置であった。しかしながら、本発明の半導体装置は、これに限らず、半導体チップの一方の側のみに、溝付放熱板がパワー素子の形成領域の周りに配置された半田バンプを介して接合されていてもよい。
第1実施形態の半導体装置の一例で、(a)は、半導体装置100の全体の概略断面図である。また、(b)は、(a)の半導体装置100における半導体チップ10と溝付放熱板20の配置関係を詳細に示した上面図であり、(c)は、(b)の一点鎖線A−Aにおける断面図である。 平面の溝形状が異なる溝付放熱板21を有した半導体装置101で、(a)は、半導体チップ10と溝付放熱板21の配置関係を詳細に示した上面図であり、(b)は、(a)の一点鎖線B−Bにおける断面図である。 (a),(b)は、断面の溝形状が異なる溝付放熱板22,23を有した102,103で、それぞれ、半導体装置102,103の全体の概略断面図である。 (a)〜(c)は、第2実施形態の半導体装置の例で、それぞれ、半導体装置104〜106の全体の概略断面図である。 (a)〜(c)は、第3実施形態の半導体装置の例で、それぞれ、半導体装置107〜109の全体の概略断面図である。 特許文献1に開示された半導体装置90で、(a)は全体の概略断面図、(b)〜(d)は一面側の放熱部材2、および、この放熱部材2と対向するシリコン(Si)チップ1a、1bの部分概略断面図である。 (a)〜(c)は、図6(b)〜(d)におけるC−C断面形状において、とり得る種々の形状を示す図である。
符号の説明
90,100〜109 半導体装置
10 半導体チップ
10p パワー素子の形成領域
10s 制御回路の形成領域
20〜23,33〜35 溝付放熱板
30〜32 第2溝付放熱板
20m〜23m,30m〜35m 溝
40,41 半田バンプ
3 溝無放熱板
4 半田

Claims (6)

  1. パワー素子と当該パワー素子を制御するための制御回路とが、一つの半導体チップに形成され、
    前記半導体チップにおけるパワー素子の形成領域の周りに、半田バンプが配置され、
    一方の表面に溝を有する溝付放熱板が、もう一方の表面で前記半田バンプに接続されて前記パワー素子の形成領域を覆うようにして前記半導体チップ上に配置され、
    前記半導体チップが、前記溝付放熱板と共に、前記溝を有する表面を外部に露出するようにして、樹脂によりモールドされてなることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記溝付放熱板が、前記半導体チップの一方の面側に配置されてなり、
    両表面に溝を有しない溝無放熱板が、前記半導体チップのもう一方の面側に配置され、
    前記溝無放熱板の一方の表面を外部に露出するようにして、前記樹脂によりモールドされてなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記溝無放熱板が、前記半導体チップより大きな面積を有してなり、
    前記半導体チップが、前記もう一方の面側における全面で、前記溝無放熱板に接続されてなることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記溝付放熱板が、前記半導体チップの一方の面側に配置されてなり、
    一方の表面に溝を有する第2溝付放熱板が、前記半導体チップのもう一方の面側に配置され、
    前記第2溝無放熱板の溝を有する表面を外部に露出するようにして、前記樹脂によりモールドされてなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 前記第2溝付放熱板が、前記半導体チップより大きな面積を有してなり、
    前記半導体チップが、もう一方の面側における全面で、前記第2溝付放熱板に接続されてなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記溝付放熱板が、前記半導体チップの両方の面側に配置されてなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
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