JP2007188854A - 金属パターン及び有機電子デバイスとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機電子材料からなる層に電圧を印加して機能させる有機電子デバイスを製造する方法において、置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンを含む下地層を形成し、この下地層の1,2−ジアリールエテンを所定パターン状に異性化反応させ、次いでこの下地層の上に電極材料を付与して、この所定パターンに対応した電極パターンを形成する。1,2−ジアリールエテンの異性化反応により、電極材料であるマグネシウム等の付着性に変化が生じ、また、異性化反応を起こすことで、当該部分の開環体分子と閉環体分子との比率がある値を超えた時に、マグネシウムの付着性と非不着性とに顕著な差が生じ、パターニングが可能になる。
【選択図】図2
Description
本発明の金属パターンの製造方法においては、光により物性変化する光感応性材料を含む層が表面に形成された基板に、所定のパターンで光照射することにより、その光照射パターンに従って該光感応性材料の物性を変化させ、該物性の変化により、金属の付着性ないし成膜性を制御し、金属パターンを自由な形状に形成する。
(1) 基板表面への金属原子の付着、堆積が進行し、結果として成膜がなされる
或いは
(2) 基板表面に金属原子が付着、堆積されることなく散逸していまい、結果として成膜がなされない
ことにより、金属の成膜性が制御される。
また、DAEは、有機電子デバイスの有機層や電極に何ら影響を及ぼすものではなく、DAE含有層を形成することにより、有機電子デバイスの機能が損なわれることもない。
本発明に用いられる光により物性変化する光感応性材料は、その主旨を変えないかぎりDAEに限るものではない。
光による光感応性材料の物性変化には、光異性化、光相変化等が挙げられる。
本発明の金属パターンの製造方法においては、基板上に光感応性材料を含む層を形成した後、この光感応性材料含有層に所定のパターンで光を照射して光感応性材料の物性を変化させ、この物性の変化による金属の付着性ないし成膜性の差を利用して、この光照射後の光感応性材料含有層上に金属を成膜する際に、金属パターンを形成する。
以下に、本発明の金属パターンの製造方法を、有機電子デバイスの製造に適用する場合を例示して、本発明を詳細に説明するが、本発明に係る金属パターンは、何ら有機電子デバイスに用いられるものに限定されるものではない。
基板と第一電極との間
第一電極と有機層との間
有機層と第二電極との間
のいずれか1以上に、置換基を有していても良い1,2−ジアリールエテン等の光感応性材料を含む層を有するものである。
以下に、本発明の有機電子デバイスの特徴部分である光感応性材料含有層について、DAE含有層についてを例示して説明するが、本発明に係る光感応性材料は何らDAEに限定されるものではない。
本発明に係るDAE含有層を形成するDAEとしては、入江らの総説、「有機フォトクロミスムの化学」、学会出版センター、1996や、特開2005−082507号公報に掲載された化合物を用いることができるが、本発明は、上に述べたマグネシウム等の電極材料との選択的付着性が確認されたものであれば良く、何らこれらに限定されるものではない。
このような電極材料との選択的付着性を有する化合物であって、かつ優れた放射線感応性を有する化合物としては、例えば下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。中でも下記一般式(I)において、R1及びR2がアルコキシ基である化合物は、環境光による退色が少なく、好ましい。
R3及びR4は、それぞれ独立に、置換基を有していても良いナフチル基、置換基を有していても良いスチリル基、置換基を有していても良いフェニルエチニル基、又は下記一般式(A)で表される置換フェニル基を示す。
R7,R8,R10,R11は、それぞれ独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。但し、R7〜R11として後述する各基のうち、隣接する基同士が結合し、置換基を有していても良い環を形成していても良い。)
R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又は任意の置換基を表す。]
一般式(I)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、又は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。中でも環境光による退色の問題がないアルコキシ基であることが好ましく、特にメトキシ基が好ましい。
上記した各基は、いずれも置換基を有していてもよく、該置換基としては、前記一般式(I)で表される化合物の性能を損なわない限り特に制限はないが、好ましくは、R9の例として前述した基及びハロゲン原子から選択される。
なお、R7〜R11の各基のうち、隣接する基同士、つまりR7とR8、R8とR9、R9とR10、R10とR11がそれぞれ結合して、環を形成しても良く、該環は置換基を有していても良い。このような環を形成した場合、前記一般式(A)で表される置換フェニル基としては、例えば下記のものが挙げられる。
R7〜R11についても、前記一般式(A)のp−位の置換基であるR9と同様に、比較的電子供与性の基であることが好ましいため、R7〜R11に相当する任意の置換基として好ましいものも、R9における好ましい基と同様の基、及びこれらが結合して形成する環が挙げられる。
R3及びR4が、それぞれ独立に、置換基を有していても良いナフチル基、置換基を有していても良いスチリル基、又は置換基を有していても良いフェニルエチニル基を表す場合、最も好ましくは、これらが無置換の場合である。
R3及びR4としては、熱安定性及び繰り返し耐久性の点からは、置換基を有していても良いナフチル基又は前記一般式(A)で表される置換フェニル基が好ましい。
本発明に係るDAE含有層は、DAEの異性化による、マグネシウム等の電極材料(通常、後述する金属材料)の蒸着選択性を有するが、DAE自体が優れたキャリア輸送性を示すとは限らない。このため、DAE含有層を設けることにより、電極のパターン形成が容易に行えても、電子注入輸送特性(キャリア輸送性)が低下するおそれがあり、この場合にはデバイスとしての特性が低下する。
そこで、本発明に係るDAE含有層には、キャリア輸送性を高める目的で、キャリア輸送性材料分子を混在させることが好ましい。DAEとキャリア輸送性材料分子を混在させることにより、電極材料の蒸着選択性と優れたキャリア輸送性の両方を兼ね備えた層とすることができる。
本発明に係るDAE含有層には、DAEの性質を損なわない範囲で任意に他の有機分子材料や、ポリマーなどを加えても良い。例えば、膜性向上のためのバインダーを配合しても良い。バインダーとしては通常のポリマー材料であるポリスチレンなどが挙げられるが、前述のポリマー系キャリア輸送材料として既知のものもバインダーとして機能する。これらの他の成分は、1種を単独で、或いは2種以上を混合して用いられる。
DAE含有層はDAEのみで構成されても良く、上述の如く、キャリア輸送性材料、その他の成分を含んでいても良い。
DAE含有層がDAE以外の他の成分を含む場合、DAE含有層中のDAEの割合が過度に少ないと、本発明の所期の目的を達成し得ないため、電極材料の蒸着選択性を維持する上では、DAE含有層に占めるDAEの割合が通常5重量%以上、好ましくは20重量%以上、更に好ましくは45重量%以上、特に好ましくは50重量%以上となるようにする。
なお、キャリア輸送性材料分子を混在させる場合は、キャリア輸送性材料分子の割合を高めてキャリア輸送性を高めた上で、後述のアニール処理を施して、DAEによる蒸着選択性の発現性を高めることが好ましい。
本発明に係るDAE含有層の成膜方法としては特に制限はなく、真空蒸着法、スパッタリング法等のドライプロセスを採用することができる。
本発明に係るDAE含有層の膜厚には特に制限はなく、DAE含有層がキャリア輸送性材料分子、その他の成分を含むか否かによっても異なるが、後述の実施例に示す如く、DAEのみで形成されるDAE含有層の場合、単分子層に相当する1nm程度であっても、本発明によるパターニングが可能である。ただし、膜厚が過度に薄いとDAE分子が全体を覆う層を形成し得ず、局所的にその下の層が表出することにより、この部分に電極材料が付着することとなる。従って、膜厚の下限としては1nm以上、好ましくは2nm以上である。膜厚の上限については、過度に厚いとDAEの不所望な性質、例えば低いキャリア輸送能力や低いガラス転移点を有する材料の場合、動作電圧上昇や高温に対する耐久性の劣化をもたらす可能性があるため、通常100nm以下、好ましくは50nm以下、更に好ましくは20nm以下、特に好ましくは10nm以下とする。ただし、DAE自体が優れたキャリア輸送性や高いガラス転移点を有する場合は、このような膜厚の上限の制限はない。
以下に本発明の有機電子デバイスの製造方法についてその操作手順に従って説明する。
(1) 基板上にDAE含有層を形成し、このDAE含有層について異性化パターンを形成した後、第一電極をこのパターンに倣って形成し、更に有機層及び第二電極を形成する方法
(2) 上記(1)の方法において、第二電極についても後述の如く、有機層上のDAE含有層の異性化パターン形成によりパターニングする方法
(3) 十分な厚みと強度を有する有機層の一方の面又は両面にDAE含有層を形成し、このDAE含有層の異性化パターン形成により、第一電極及び/又は第二電極をパターニングする方法
など様々な態様で電極のパターニングを行うことができる。
[1]基板上に常法に従って第一電極を形成する。
ここで、下地層は、真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することが好ましいが、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法などの湿式法により形成する場合、DAEを溶媒で希釈して塗布液を調製し、この塗布液を用いることが望ましい。この場合、溶媒の種類としては、有機層を侵さない溶媒であれば、特に限定されない。
ここで、DAE含有層に更にキャリア輸送性材料分子を混在させる場合、前述の如く、2元蒸着法等により、DAEと共にキャリア輸送性材料を成膜する。また、湿式法であれば、DAEと共にキャリア輸送性材料を溶媒に溶解して塗布液を調製して用いれば良い。
この異性化反応を起こさせる方法としては、光の照射による方法が簡便であり、かつパターニング精度も高いことから好ましい。即ち、本発明で用いるDAEは、一般に、300〜430nm、中でも300〜400nmの波長領域の紫外光を照射されることにより、開環状態から閉環状態に異性化し、また、450〜600nm、中でも500〜600nmの光が照射されることにより、閉環状態から開環状態に異性化する。
従って、この性質を利用して、例えば、以下の(A)又は(B)のようにして下地層に所定のパターンでDAEの異性化を起こさせることが好ましい。
この第二電極は真空蒸着法により形成することが好ましい。
第二電極の構成材料としては特に制限はないが、DAEの異性化により付着性に差異が生じるものが好ましく用いられ、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、リチウム等の金属の1種又は2種以上が挙げられる。
また、本発明において、電極のパターニングは、上述のようなDAEの異性化のみを利用する方法に限らず、別途メタルマスク等の他のパターニング手段を併用し、より一層高精度で効率的なパターニングを行うことも可能である。
実験例1
下記構造式で表されるDAEを用いて、真空蒸着法によってスライドガラス基板上に膜厚100nmでDAE薄膜を形成した。
状態0=全DAE分子が開環状態
状態1=全DAE分子の約20%が閉環状態(約80%が開環状態)
状態2=全DAE分子の約50%が閉環状態
状態3=全DAE分子の約80%が閉環状態
状態4=全DAE分子のほぼ100%が閉環状態
とした。このとき、DAEは閉環状態となることにより着色することから、異性化状態の程度によって、DAE薄膜は部分的に異なる程度に着色した。
その結果、図1に示す様に、閉環分子が50%以下(状態1,2)ではマグネシウムの付着が見られなかったが、80%以上(状態3,4)ではマグネシウムが付着することが分かった。
なお、図1には閉環分子比率を調べるための各状態における吸収スペクトルも併せて示してある。
実験例1において、DAEとして、下記構造式で表されるものを用いたこと以外は同様にして、マグネシウムの付着状況を調べる実験を行った。
図2(a)〜(d)に示す手順でDAE薄膜へのマグネシウムの付着実験を行った。まず、実験例1と同様にしてガラス基板1に膜厚50nmのDAE薄膜2を形成した(図2(a))。
典型的な有機電子デバイスである有機EL素子に、本発明を適用してマグネシウム陰極を形成した。
実験例4
実験例1で用いたDAEのキャリア輸送性を評価するために、以下のような実験を行った。
アセトン及びUVオゾン洗浄が行われたITO基板に対して、ホール輸送材料であるα−NPB、及び代表的電子輸送材料であるAlq3をそれぞれ真空蒸着により膜厚100nmに成膜した。次に、これらの試料の上にDAEを膜厚1nmに真空蒸着したものとしていないもの、計4試料を準備した。即ち、下記のサンプル1〜4である。サンプル1,3については、DAEを紫外線照射により着色状態とした上で、すべてのサンプル上に膜厚200nmのマグネシウム電極を蒸着形成した。
サンプル1:ITO基板/α−NPB層/DAE含有層
サンプル2:ITO基板/α−NPB層
サンプル3:ITO基板/Alq3層/DAE含有層
サンプル4:ITO基板/Alq3層
DAE含有層を設けることにより、陰極のパターン形成が容易に行えても、電子注入輸送特性が低下してはデバイスとしての特性が低下する恐れがある。そこで、次に、DAEとキャリア輸送性材料の混存層を形成した場合の電極金属の蒸着選択性と電子注入輸送特性について調べた。
サンプル5:DAE濃度75重量%
サンプル6:DAE濃度50重量%
サンプル7:DAE濃度25重量%
サンプル8:DAE濃度10重量%
サンプル9:DAE濃度 5重量%
この結果、DAE濃度50重量%以上のサンプル5,6だけに蒸着選択性が現れることがわかった。
電子輸送性を考慮すると出来るだけ低いDAE濃度で蒸着選択性が現れる方がデバイスとしての特性は向上すると考えられるので、このようにアニール処理を施すことが望ましいといえる。
次に、DAEとAlq3の混存層の電子物性を評価した。
実験例4と同様に、ITO基板上にAlq3を膜厚100nmで形成し、その上にDAE濃度25重量%の1元蒸着ソースを用いてDAE濃度25重量%の混存層を膜厚2nmで形成した。次いで、50℃で2時間アニール後、紫外線照射によりDAEを着色状態としてからマグネシウム電極を蒸着してサンプル10とした。
実験例7
真空蒸着により成膜した、下記構造式で表されるMTDATA(トリフェニルアミンを基本にした星型(スターバスト)分子はスターバストアミン)(Tg=76℃)とα−NPB(Tg=95℃)アモルファス膜について、それぞれ表面温度を表2の通り変えて、マグネシウムを真空蒸着し、マグネシウムが付着するか否かを調べ、結果を表2に示した。
基板材料のTgが、マグネシウムの付着性にいかなる影響を与えるのかを調べるために、Tgの異なる表3の材料に対して、マグネシウムを真空蒸着し、マグネシウムが付着するか否かを調べ結果を表3に示した。
基板材料のTgが、マグネシウム以外の他の金属であるアルミニウムの付着性にいかなる影響を与えるのかを調べるために、表4の材料に対してアルミニウムを真空蒸着し、アルミニウムが付着するか否かを調べ、結果を表4に示した。
代表的ポリマーの一種であるポリスチレン(スチレンポリマー)、又は代表的高分子系有機電子材料であるMEH−PPV(American Dye Source,Inc製ADS100RE)に、実験例1で用いたと同様のDAEを表5に示す種々の濃度で混合し、これをシクロヘキサノン溶媒に溶解して、キャスト法によりガラス基板上に厚さ0.5μmで膜形成したサンプルを準備した。次に、このサンプルに紫外光(波長365nm)を充分に照射して着色状態(開環分子)とした後、赤色レーザー光を集光して走査することで幅5μmの消色ライン(閉環分子)を形成した。このサンプルに対してマスクを用いずにマグネシウムを真空蒸着し、マグネシウムの選択的蒸着現象が生じるかどうかを調べた。結果を表5に示す。
表5より、スチレンポリマーではDAE5%重量で、MEH−PPVではDAE10重量%で選択的蒸着現象が現れることが判明した。
他の種々のポリマーに対しても調べてみたところ、DAE1〜30重量%、さらにそれよりも高い濃度でこの様な現象が現れはじめることが判った。
このサンプルにマスクを用いずにマグネシウムの真空蒸着を行ったところ、上記消色ラインの形成の場合と同様に、スチレンポリマーではDAE5重量%以上で、MEH−PPVではDAE10重量%以上で対応する幅5μmのマグネシウムラインが形成されることが確認できた。
従って、ポリマー材料中のDAEであっても、消色によるパターン形成、着色によるパターン形成のどちらでも、対応するマグネシウムパターンの形成が可能であることが確認された。
2 DAE薄膜
3 紫外光
4 赤色レーザー
5 異性化パターン
Claims (15)
- 基板上に金属パターンを製造する方法において、該基板上に、光により物性変化する材料(以下「光感応性材料」と称す。)を含む層を形成する工程と、該光感応性材料を含む層に光照射することにより該光感応性材料の物性変化のパターンを形成する工程と、該パターン上に金属を積層して金属パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする金属パターンの製造方法。
- 請求項1において、前記光感応性材料の光による物性変化が、異性化又は相変化であることを特徴とする金属パターンの製造方法。
- 請求項2において、前記光感応性材料が光により異性化する、置換基を有していても良い1,2−ジアリールエテンであることを特徴とする金属パターンの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記金属が、マグネシウム、アルミニウム、カリウム及びリチウムよりなる群から選ばれるいずれかの金属であることを特徴とする金属パターンの製造方法。
- 基板上に形成された金属パターンであって、該金属パターンを形成する金属層と該基板との間に、光感応性材料を含む層を有することを特徴とする金属パターン。
- 請求項5に記載の金属パターンを有する電極。
- 請求項5に記載の金属パターンを有する電気回路。
- 請求項6に記載の電極又は請求項7に記載の電気回路を有する有機電子デバイス。
- 第一電極及び第二電極と、これらの電極間に設けられた有機層とを有する有機電子デバイスであって、第一電極と有機層との間、及び/又は、第二電極と有機層との間に、異性化状態の異なるパターンが形成された、置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンを含む層を有することを特徴とする有機電子デバイス。
- 基板、第一電極、有機層及び第二電極を有する有機電子デバイスであって、基板と第一電極との間、第一電極と有機層との間、及び、第二電極と有機層との間のいずれか1以上に、異性化状態の異なるパターンが形成された、置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンを含む層を有することを特徴とする有機電子デバイス。
- 請求項9又は10において、第一電極及び/又は第二電極に、前記1,2−ジアリールエテンを含む層の異性化状態の異なるパターンに対応したパターンが含まれることを特徴とする有機電子デバイス。
- 請求項9ないし11のいずれか1項において、前記置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンを含む層が、置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンとキャリア輸送性材料分子とが混在する層であることを特徴とする有機電子デバイス。
- 有機電子材料からなる層に電圧を印加して機能させる有機電子デバイスを製造する方法において、置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンを含む下地層を形成する工程と、該下地層の1,2−ジアリールエテンを所定パターン状に異性化反応させる工程と、次いで該下地層上に電極材料を付与して、前記所定パターンに対応した電極パターンを形成する工程とを有することを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
- 請求項13において、前記置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンを含む下地層を形成する工程が、置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンとキャリア輸送性材料分子とが混在する下地層を形成する工程であることを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
- 請求項13又は14において、前記置換基を有しても良い1,2−ジアリールエテンを含む下地層を形成する工程と、該下地層の1,2−ジアリールエテンを所定パターン状に異性化反応させる工程との間に、デバイスを室温以上の温度でアニールする工程を有することを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
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