JP2007187993A - エレクトロクロミック素子及びその製造方法 - Google Patents

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Masahito Yoshikawa
雅人 吉川
Yoshinori Iwabuchi
芳典 岩淵
Shingo Ono
信吾 大野
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Abstract

【課題】エレクトロクロミック素子を安価な設備を用いた高速成膜技術により安価に製造する。
【解決手段】基板上に、透明導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層、及び透明導電膜が積層されたエレクトロクロミック素子の酸化発色層、電解層、還元発色層及び透明導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上をガスフロースパッタリング法により成膜する。ガスフロースパッタリング法は、高真空排気が不要であるため安価な設備で実施でき、しかも高速成膜が可能であることから、ガスフロースパッタリング法を採用することによる設備費の低減、成膜時間の短縮により、エレクトロクロミック素子を安価に製造することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明はエレクトロクロミック素子及びその製造方法に係り、特に、基板上の酸化発色層、電解層、還元発色層、更には透明導電膜をガスフロースパッタリング法により効率的に成膜するエレクトロクロミック素子及びその製造方法に関する。
エレクトロクロミック素子は、電圧の印加により電気化学的な酸化還元反応を誘起し、着色及び消色を生じさせる素子であり、ディスプレイや調光ウィンドウ等への利用が期待されている。エレクトロクロミック素子は、図2に示す如く、基板1上に透明導電膜(第1の電極膜)2、酸化発色層3、電解層(イオン良導層)4、還元発色層5、透明導電膜(第2の電極膜)6が順次積層された構成とされている。7は、必要に応じて設けられる透明基板又は保護カバーである。透明基板1,7としてはガラス基板が用いられ、透明導電膜2,6としてはITO膜等が形成される。また、酸化発色層3としては、酸化ニッケル(NiO)、酸化イリジウム(IrO)等が、還元発色層5としては酸化タングステン(WO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化バナジウム(VO)等が形成される。また、電解層4としては、固体電解層として五酸化二タンタル(Ta)、酸化シリコン(SiO)、酸化クロム(Cr)等が形成される。
電解層として液体電解層を設けたエレクトロクロミック素子もあり、このようなエレクトロクロミック素子は、図3に示す如く、封止材(液封止用シール剤)8により電解液を封止して液体電解層4Aが形成されている。なお、図3において図2に示す部材と同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
従来、このようなエレクトロクロミック素子10,10Aの透明導電膜2,6、還元発色層3、酸化発色層6や固体電解層4は、スパッタ法(プレーナー型マグネトロンスパッタ法。以下、「通常のスパッタ法」と称す場合がある。)或いは蒸着法により形成されている。
なお、本発明で採用する後述のガスフロースパッタリング法自体は公知の成膜手法であり、本出願人は先に、ガスフロースパッタリング法を、固体高分子型燃料電池用電極の触媒層や、色素増感型太陽電池用半導体電極層の形成に応用する技術を提案している(特許文献1〜3)。
特願2004−319592号 特願2004−319548号 特願2004−319598号
従来、エレクトロクロミック素子の酸化発色層や還元発色層等の成膜に用いられている通常のスパッタ法は、均一成膜が可能である反面、成膜速度が遅く、真空チャンバー内を高真空状態に排気するために大掛かりな排気装置が不可欠であるため、高額な設備を必要とするという欠点がある。
また、特に、固体電解層を形成する場合、イオン導電性を付与するために含水層とする必要があるが、電解層のスパッタ成膜時に、適度な空隙を形成することが容易ではないという不具合もあった。
更に、通常のスパッタ法では、ターゲットの下部に磁石を設けるため、Niのような強磁性体がターゲットの場合、薄いターゲットしか用いることができず、ターゲットに制約を受けるという不具合もあった。
一方、蒸着法は均一成膜が困難であり素子の大きさに制限が加わることや、成膜できる材料が限られること、また真空チャンバー内を高真空状態に排気する為に高価な排気装置が必要という欠点がある。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、従来のスパッタ法や蒸着法のような高価な設備を必要とすることなく、かつ高速成膜が可能であり、また空隙形成のための成膜条件制御も容易で、ターゲットに制約を受けることのない成膜技術により、発色効率の高いエレクトロクロミック素子を低コストに提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のエレクトロクロミック素子は、基板上に、第1の導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層、及び第2の導電膜がこの順或いは逆順で積層されてなる積層膜を有するエレクトロクロミック素子において、該酸化発色層、電解層、還元発色層及び第1,第2の導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上がガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とする。
請求項2のエレクトロクロミック素子は、請求項1において、前記酸化発色層がNi及び/又はIrをターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とする。
請求項3のエレクトロクロミック素子は、請求項1又は2において、前記還元発色層がW、Mo及びVよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とする。
請求項4のエレクトロクロミック素子は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記第1の導電膜及び第2の導電膜のうちの少なくとも一方が透明導電膜であり、該透明導電膜がITO、IZO、AZO、GZO、InSn合金、InZn合金、ZnAl合金、及びZnGa合金よりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とする。
請求項5のエレクトロクロミック素子は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記電解層がTa、Nb、Cr、Si、V、Zr、Hf、及びMgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とする。
請求項6のエレクトロクロミック素子は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記基板がガラス又は高分子フィルムよりなることを特徴とする。
本発明(請求項7)のエレクトロクロミック素子の製造方法は、基板上に、第1の導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層、及び第2の導電膜がこの順で或いは逆順で積層されてなる積層膜を形成してエレクトロクロミック素子を製造する方法において、該酸化発色層、電解層、還元発色層及び第1,第2の導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上をガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とする。
請求項8のエレクトロクロミック素子の製造方法は、請求項7において、前記酸化発色層をNi及び/又はIrをターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とする。
請求項9のエレクトロクロミック素子の製造方法は、請求項7又は8において、前記還元発色層をW、Mo及びVよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とする。
請求項10のエレクトロクロミック素子の製造方法は、請求項7ないし9のいずれか1項において、前記第1の導電膜及び第2の導電膜のうちの少なくとも一方が透明導電膜であり、該透明導電膜をITO、IZO、AZO、GZO、InSn合金、InZn合金、ZnAl合金、及びZnGa合金よりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とする。
請求項11のエレクトロクロミック素子の製造方法は、請求項7ないし10のいずれか1項において、前記電解層をTa、Nb、Cr、Si、V、Zr、Hf、及びMgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とする。
請求項12のエレクトロクロミック素子の製造方法は、請求項7ないし11のいずれか1項において、前記基板がガラス又は高分子フィルムよりなるすることを特徴とする。
ガスフロースパッタリング法は、比較的高い圧力下でスパッタリングを行い、スパッタ粒子をガスの強制流により成膜対象基板まで輸送して堆積させる方法である。このガスフロースパッタリング法は、高真空排気が不要であることから、従来の通常のスパッタ法のような大掛かりな排気装置を用いることなく、メカニカルなポンプ排気で成膜することが可能であり、従って、安価な設備で実施できる。しかも、ガスフロースパッタリング法は、通常のスパッタ法の10〜1000倍の高速成膜が可能である。従って、本発明によれば、ガスフロースパッタリング法を採用することによる設備費の低減、成膜時間の短縮により、エレクトロクロミック素子を安価に製造することが可能となる。
特に、固体電解層の形成に際しては、成膜速度が非常に速いことから、成膜時に容易に空隙を設けることができ、イオン導電性に優れた電解層を形成することができる。また、ターゲット下部に磁石を設けるものではないため、Niのような強磁性体をターゲットとする場合でも、その厚さに制約を受けることがない。
しかも、ガスフロースパッタリング法であれば、基板に対する密着性も良好な膜を成膜することができ、高品質のエレクトロクロミック素子を製造することができる。
以下に本発明のエレクトロクロミック素子及びその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明で採用するガスフロースパッタリング法による成膜方法について説明する。
図1(a)は、本発明の実施に好適なガスフロースパッタ装置の概略的な構成を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)のターゲット及びバックプレート構成を示す斜視図である。
ガスフロースパッタ装置では、スパッタガス導入口11からチャンバー20内にアルゴン等の希ガス等を導入し、DC電源等の電源12に接続されたアノード13及びカソードとなるターゲット15間での放電で発生したプラズマによりターゲット15をスパッタリングし、はじき飛ばされたスパッタ粒子をアルゴン等の希ガス等の強制流にて基板16まで輸送し堆積させる。なお、図示例において、基板16は、ホルダー17に支持されており、基板16の近傍には、反応性ガスの導入口18が配置されており、反応性スパッタリングを行うことが可能である。14は水冷バッキングプレートである。
本発明においては、このようなガスフロースパッタ装置を用いて、エレクトロクロミック素子を構成する酸化発色層、電解層、還元発色層及び導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上をガスフロースパッタリング法により成膜する。
以下に各層の成膜方法、成膜条件等について説明する。
<透明導電膜>
透明導電膜をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、ITO(SnドープIn)、IZO(InドープZnO)、AZO(AlドープZnO)、GZO(GaドープZnO)、InSn合金、InZn合金、ZnAl合金、及びZnGa合金よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、透明導電膜はITO、IZO、AZO、GZO等により、必要な抵抗値によるが、10〜500nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜150nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
<酸化発色層>
酸化発色層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ni、及び/又はIrを用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、酸化発色層はNiO、IrO等により、50〜750nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜150nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
<還元発色層>
還元発色層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、W、M、及びVよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜25W/cm
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、還元発色層はWO、MoO、VO等により、100〜1000nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜150nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
<電解層>
固体電解層をガスフロースパッタリング法により成膜する場合、ターゲットとしては、Ta、Nb、Cr、Si、V、Zr、Hf、及びMgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用い、次のような条件で成膜することができる。
スパッタ圧力:10〜100Pa
スパッタ電力密度:1〜35W/cm
アルゴン:0.5〜30SLM
反応性ガス:0〜120sccm
基板温度:室温
通常、電解層は、Ta、Cr、Mb、SiO等により、200〜3000nm程度の厚さに形成される。その際、本発明に従って、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、30〜300nm・m/minの動的成膜速度の高速成膜を行うことができる。
なお、上記各層のガスフロースパッタリング法による成膜に当たり、2種類以上のターゲットを用いて複合酸化物層を形成することも可能である。また、各層を2種以上の材料の多層膜とすることもできる。
電解層として液体電解層を形成する場合、電解液としては例えば、プロピレンカーボネート(PC)に過塩素酸リチウム(LiClO)を溶かしたものを用いることができる。また、封止材としては一般的な有機樹脂のシール材が用いられる。
本発明により、固体電解層を有するエレクトロクロミック素子を製造するには、例えば、ガラス基板等の透明基板上に透明導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層及び透明導電膜をガスフロースパッタリング法により成膜すれば良い。或いは、予め透明導電膜が形成された透明基板上に酸化発色層、電解層、還元発色層及び透明導電膜を順次成膜すれば良い。
また、液体電解層を有するエレクトロクロミック素子を製造する場合に、ガラス基板等の透明基板上に透明導電膜及び酸化発色層をガスフロースパッタリング法により成膜した(或いは予め透明導電膜が形成された透明基板にガスフロースパッタリング法により酸化発色層を成膜した)第1の基板と、ガラス基板等の透明基板上に透明導電膜及び還元発色層をガスフロースパッタリング法により成膜した(或いは予め透明導電膜が形成された透明基板にガスフロースパッタリング法により還元発色層を成膜した)第2の基板とを、各々成膜面側を対向させて配置して、電解液を注入して封止材により封止すれば良い。
なお、以上の説明では、図2に示す如く、透明基板上に透明導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層及び透明導電膜を有するエレクトロクロミック素子を、透明基板にこれらの層を順次積層成膜して製造する方法を示したが、本発明のエレクトロクロミック素子は、これに限らず、透明基板上に透明導電膜、還元発色層、電解層、酸化発色層及び透明導電膜を有するエレクトロクロミック素子であっても良く、この場合には透明基板上にこの順で各層を積層成膜すれば良い。また、導電膜の一方が透明でなく金属膜等の不透明導電膜であっても良い。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において基板として用いたITOガラスは、厚さ1mmのガラス基板の一方の面に厚さ250nmのITO膜が形成されたものである。
実施例1
図1に示すガスフロースパッタ装置を用い、チャンバー内に、基板としてITOガラスをセットし、荒引きポンプ(ロータリーポンプ+メカニカルブースターポンプ)で1×10−1Paまで排気した後、還元発色層、酸化発色層をそれぞれ別々のITOガラスに成膜した。還元発色層を成膜したITOガラスと酸化発色層を成膜したITOガラスとを対向させて周囲を封止材でシールし、電解液(1M−LiClO/PC:電解層厚さ50μm)を注入して図3に示すエレクトロクロミック素子を製造した。
なお、具体的な成膜条件は下記表1の通りとし、その他の条件は、次の通りである。
・ターゲット寸法:80mm×160mm×5mmt
・カソード形状:平行平板対向型(上記ターゲットを2枚使用、距離30mm)
・基板位置:カソード上端部と基板との距離50mm
Figure 2007187993
得られたエレクトロクロミック素子の両電極間に電圧を印加(還元発色層側をマイナス、酸化発色層側をプラスとし両電極間に1.5V印加)すると、両発色層が着色し、透過率が75%から10%へと変化した。一方、逆方向に電圧を印加すると透過率が10%から75%へと変化し、可逆性の調光性能が得られることが確認できた。
実施例2
図1に示すガスフロースパッタ装置を用い、チャンバーに、基板としてITOガラスをセットし、荒引きポンプ(ロータリーポンプ+メカニカルブースターポンプ)で1×10−1Paまで排気した後、4層の多層膜を成膜して、図2に示すエレクトロクロミック素子を製造した。なお、多層膜成膜に際しては、目的の膜厚を得るために、基板移動速度を調整した。
なお、具体的な成膜条件は下記表2の通りとし、その他の条件は、次の通りである。
・ターゲット寸法:80mm×160mm×5mmt
・カソード形状:平行平板対向型(上記ターゲットを2枚使用、距離30mm)
・基板位置:カソード上端部と基板との距離50mm
Figure 2007187993
得られたエレクトロクロミック素子の両電極間に電圧を印加(還元発色層側をマイナス、酸化発色層側をプラスとし両電極間に1.5V印加)すると、両発色層が着色し、透過率が75%から10%へと変化した。一方、逆方向に電圧を印加すると透過率が10%から75%へと変化し、可逆性の調光性能が得られることが確認できた。
実施例3
実施例2において、第2層の電解層成膜時にターゲットへの投入電力と成膜圧力を増加させ、下記表3に示す条件で高速成膜を行ったこと以外は実施例2と同様にしてエレクトロクロミック素子を製造した。
なお、具体的な成膜条件は下記表3の通りとした。
Figure 2007187993
得られたエレクトロクロミック素子の両電極間に電圧を印加(還元発色層側をマイナス、酸化発色層側をプラスとし両電極間に1.5V印加)すると、両発色層が着色し、透過率が75%から10%へと変化した。一方、逆方向に電圧を印加すると透過率が10%から75%へと変化し、可逆性の調光性能が得られることが確認できた。
この際、実施例2では着色に10秒、消色に2秒程度必要であったが、本実施例では着色に5秒、消色に1秒程度で着脱色が出来る事が確認できた。これは電解層を高圧力下で高速成膜したことにより、電解層の密度が低下したことで内部に電解質を保持しやすくなり、電解層のイオン導電性が高められたことによるものと考えられる。
比較例1
通常のマグネトロンスパッタ装置を用いて、実施例2と同様の層構成のエレクトロクロミック素子を製造した。
真空チャンバーに、基板としてITOガラスをセットし、荒引きポンプ(ロータリーポンプ+メカニカルブースターポンプ)で1×10−1Paまで排気した後、ターボ分子ポンプで1×10−4Paまで排気し、次いで4層の多層膜を成膜した。なお、目的の膜厚を得るために、基板移動速度を調整した。
なお、具体的な成膜条件は下記表4の通りとし、その他の条件は、次の通りである。
・ターゲット寸法:100mm×400mm
・ターゲット厚み:Niのみ2mmt、その他は5mmt
・カソード形状:プレーナ型マグネトロン、基板と平行に対面して設置
・基板位置:ターゲットと基板との距離80mm
Figure 2007187993
この結果、次のことが確認された。
即ち、通常のスパッタ法では成膜速度が遅く、ガスフロースパッタ法と同じ程度の投入電力密度で成膜しても、基板移動速度が遅く、しかも膜厚の厚い膜を成膜する場合は、数回カソードを通過させなくては厚膜化ができない。これに対して、本発明によれば、ガスフロースパッタリング法を採用することにより、高速成膜が可能である。
また、通常のスパッタ法の場合、ターゲット下部に磁石を設けるため、Niのような強磁性体がターゲットの場合、薄いターゲットしか用いることができないが、本発明のように、ガスフロースパッタ法ではNiのようなターゲットでも厚いターゲットを使用できる。
図1(a)は、本発明の実施に好適なガスフロースパッタ装置の概略的な構成を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)のターゲット及びバックプレート構成を示す斜視図である。 エレクトロクロミック素子の構造例を示す模式的断面図である。 エレクトロクロミック素子の他の構造例を示す模式的断面図である。
符号の説明
1,7 透明基板
2,6 透明導電膜
3 酸化発色層
4,4A 電解層
5 還元発色層
8 封止材
10,10A エレクトロクロミック素子
12 DC電源
13 アノード
14 バッキングプレート
15 ターゲット
16 基板
20 チャンバー

Claims (12)

  1. 基板上に、第1の導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層、及び第2の導電膜がこの順或いは逆順で積層されてなる積層膜を有するエレクトロクロミック素子において、
    該酸化発色層、電解層、還元発色層及び第1,第2の導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上がガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 請求項1において、前記酸化発色層がNi及び/又はIrをターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  3. 請求項1又は2において、前記還元発色層がW、Mo及びVよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記第1の導電膜及び第2の導電膜のうちの少なくとも一方が透明導電膜であり、該透明導電膜がITO、IZO、AZO、GZO、InSn合金、InZn合金、ZnAl合金、及びZnGa合金よりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記電解層がTa、Nb、Cr、Si、V、Zr、Hf、及びMgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜されてなることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記基板がガラス又は高分子フィルムよりなることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  7. 基板上に、第1の導電膜、酸化発色層、電解層、還元発色層、及び第2の導電膜がこの順で或いは逆順で積層されてなる積層膜を形成してエレクトロクロミック素子を製造する方法において、
    該酸化発色層、電解層、還元発色層及び第1,第2の導電膜のうちのいずれか1層又は2層以上をガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
  8. 請求項7において、前記酸化発色層をNi及び/又はIrをターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
  9. 請求項7又は8において、前記還元発色層をW、Mo及びVよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項において、前記第1の導電膜及び第2の導電膜のうちの少なくとも一方が透明導電膜であり、該透明導電膜をITO、IZO、AZO、GZO、InSn合金、InZn合金、ZnAl合金、及びZnGa合金よりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
  11. 請求項7ないし10のいずれか1項において、前記電解層をTa、Nb、Cr、Si、V、Zr、Hf、及びMgよりなる群から選ばれる1種又は2種以上をターゲットとするガスフロースパッタリング法により成膜することを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
  12. 請求項7ないし11のいずれか1項において、前記基板がガラス又は高分子フィルムよりなるすることを特徴とするエレクトロクロミック素子の製造方法。
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