JP2007187070A - 内燃機関の排気浄化制御装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】S再生時におけるナノ粒子の排出を適切に抑制することが可能な内燃機関の排気浄化制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の排気浄化制御装置は、排気浄化装置に燃料を供給することで排気浄化能力を回復させる。ミスト状物質添加手段は、いずれかの排気浄化要素の下流側の排気通路に対してミスト状物質を添加する。制御手段は、排気系への燃料の添加量が所定量以上である場合に、ミスト状物質が噴射されるように制御を行う。燃料添加量が所定量以上となる状況では、HCの排出量が多くなり、ナノ粒子が排気浄化要素をすり抜けて排出されやすい。したがって、上記の状況において排気浄化要素の下流にミスト状物質を添加することにより、生成されたナノ粒子がミスト状物質を構成する粒子に対して吸着して大型化する。そのため、ナノ粒子の大気拡散を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化制御装置に関する。
従来から、内燃機関における排気系に対して、燃料や水分を添加する技術が知られている。例えば、特許文献1には、排気通路に設けられたフィルタの上流側に、水を添加する技術が記載されている。特許文献2には、EGR通路に対して水分を添加することによってEGRガスの温度を低下させる技術が記載されている。更に、特許文献3には、NOx触媒の上流に尿素水を添加する技術が記載されている。
実開昭64−6316号公報 特開平8−35451号公報 特開2003−293736号公報
ところで、従来から、硫黄成分(SOxなど)による触媒の硫黄被毒を回復(以下、「S再生」とも呼ぶ。)するために、排気ガス中に還元剤を添加する制御が行われている。このようなS再生時には、A/F(空燃比)をリッチにするために多量の燃料を排気系に対して添加する。この場合、DPNR(Diesel Particulate-NOx active Reduction system)などに燃料が付着するが、付着した燃料は蒸発気化して、S再生のための還元剤として使用される。しかしながら、一部のHC(炭化水素)はそのままDPNRをすり抜けて排出される場合がある。このように排出されたHCは、当初はガス状で存在するが、徐々に冷却されて凝集することによって粒子化してナノ粒子(粒径50nm以下の粒子)を形成し、車両からナノ粒子として排出される可能性がある。このようなナノ粒子は、車両から排出されることは好ましくない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、S再生時におけるナノ粒子の排出を適切に抑制することが可能な内燃機関の排気浄化制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、内燃機関の排気通路に設けられた排気を浄化する排気浄化装置に燃料を供給することで、前記排気浄化装置の排気浄化能力を回復させる内燃機関の排気浄化制御装置において、前記排気浄化装置は、少なくとも1つ以上の排気浄化要素を有し、いずれかの前記排気浄化要素の下流側の排気通路に対して、ミスト状物質を添加するミスト状物質添加手段と、排気系への燃料の添加量が所定量以上である場合に、前記ミスト状物質が噴射されるように前記ミスト状物質添加手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
上記の内燃機関の排気浄化制御装置は、内燃機関の排気通路に設けられた排気を浄化する排気浄化装置に燃料を供給することで、排気浄化装置の排気浄化能力を回復させるために好適に利用される。ミスト状物質添加手段は、いずれかの排気浄化要素の下流側の排気通路に対して、ミスト状物質を添加する。制御手段は、排気系への燃料の添加量が所定量以上である場合に、ミスト状物質が噴射されるように制御を行う。排気系への燃料の添加量が所定量以上である状況においては、HCの排出量が多くなり、ナノ粒子が排気浄化要素をすり抜けて排出される可能性が高い。したがって、上記の状況において、排気浄化要素の下流にミスト状物質を添加することにより、生成されたナノ粒子がミスト状物質を構成する粒子に対して吸着する。この場合、ナノ粒子は、ミスト状物質を構成する粒子に吸着されて凝集することによって大径化する。このように大型化した粒子は凝集しやすくなるため、容易に捕集することが可能となる。以上より、内燃機関の排気浄化制御装置によれば、ナノ粒子の大気拡散を適切に抑制することが可能となる。
上記の内燃機関の排気浄化制御装置の一態様では、前記排気系への燃料の添加量が所定量以上である場合とは、前記排気浄化装置の硫黄被毒に対する再生を行う場合である。
排気浄化装置(以下、「触媒」とも呼ぶ。)の硫黄被毒に対する再生(S再生)を行う場合には、空燃比をリッチにするために多量の燃料を排気系に対して添加するため、HCが触媒をすり抜けて排出される可能性が高い。よって、上記の内燃機関の排気浄化制御装置によれば、S再生時におけるナノ粒子の排出を適切に抑制することができる。
上記の内燃機関の排気浄化制御装置の他の一態様では、前記制御手段は、少なくとも内燃機関の回転数及び燃料噴射量に基づいて前記ミスト状物質を噴射する量を決定し、決定された量の前記ミスト状物質が噴射されるように前記ミスト状物質添加手段を制御する。
この態様では、ミスト状物質添加手段は、内燃機関の回転数や燃料噴射量などの内燃機関の運転状態に基づいて、ミスト状物質を噴射する量を決定する。これにより、現在の運転状態において生成されるナノ粒子を、適切にミスト状物質に対して吸着させることが可能となる。即ち、ナノ粒子を吸着させるべきミスト状物質が不足し、ナノ粒子が吸着せずに、そのまま排出されることが抑制される。
上記の内燃機関の排気浄化制御装置において好適には、前記ミスト状物質添加手段は、前記ミスト状物質として燃料を添加することができる。
他の好適な例では、前記ミスト状物質添加手段は、前記ミスト状物質として水を添加することができる。この場合、水に対してナノ粒子を吸着させることによって新たな粒子を生成するため、排気系への添加に起因するPMの重量増加を抑制することができる。
更に、好ましくは、前記ミスト状物質添加手段は、最下流に設けられた前記排気浄化要素の下流側に、前記水を添加する。例えば、NOx吸蔵還元型触媒又はDPNRと、その下流に酸化触媒とが排気通路に設けられた構成を内燃機関が有している場合、ミスト状物質添加手段は、酸化触媒の下流に水を添加する。これにより、触媒に水が添加されて、触媒の浄化性能に不具合が生じてしまうことを防止することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る内燃機関の排気浄化制御装置を適用した内燃機関1の概略構成を示している。図1中において、実線矢印がガスの流れの一例を示し、破線矢印が信号の入出力を示している。
内燃機関1は、4つの気筒2が一列に並べられた直列4気筒型のディーゼルエンジンで、主に、吸気通路3、排気通路4、ターボ過給機5、ECU(Engine Control Unit)24を備えている。
吸気通路3には、ターボ過給機5のコンプレッサ5aと、コンプレッサ5aにて圧縮された吸気を冷却するインタークーラ7と、吸気通路3を流通する吸気の量を調節するスロットルバルブ13、が設けられている。排気通路4には、上流側から下流側に順に、ターボ過給機5のタービン5bと、触媒30と、触媒40と、が設けられている。触媒30は、例えばNOx吸蔵還元型触媒、又はDPNR(Diesel Particulate-NOx active Reduction system)が用いられる。触媒30は、内燃機関1の排気ガス中の微粒子(PM(Particulate Matter)など)を捕集するフィルタとしての機能を有する。触媒30の下流側に設けられた触媒40は、触媒40によって処理しきれずに通過した微粒子を酸化する機能を有する酸化触媒などが用いられる。触媒30及び触媒40は、本発明に係る排気浄化装置における排気浄化要素として機能する。
更に、吸気通路3と排気通路4とはEGR通路6によって接続され、排気通路4内の一部の排気ガスが吸気通路3へ還流される。また、EGR通路6には、排気ガスの還流量を調整するためのEGRバルブ8が設けられている。
内燃機関1には、各気筒2に対応させて4つのインジェクタ9が設けられている。4つのインジェクタ9は、コモンレール10に接続される。コモンレール10は、燃料タンク15から燃料(軽油)を汲み上げてコモンレール10に圧送するサプライポンプ11に接続される。4つのインジェクタ9は夫々、コモンレール10に圧送された燃料を4つの気筒2内に噴射する。
また、内燃機関1は、燃料を排気通路4に対して添加(噴射)する上流側燃料添加インジェクタ28と下流側燃料添加インジェクタ41を備えている。上流側燃料添加インジェクタ28は、触媒30の上流側の排気通路4に対して燃料を添加する。また、上流側燃料添加インジェクタ28はサプライポンプ11に接続され、サプライポンプ11は燃料タンク15に接続されている。一方、下流側燃料添加インジェクタ41は、触媒30と触媒40との間の排気通路4に対して燃料を添加する。下流側燃料添加インジェクタ41もサプライポンプ11に接続されている。
ECU24は、図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器及び入出力インタフェイスなどを含んで構成される。ECU24は、内燃機関1における運転状態などに応じて、前述したサプライポンプ11に対して制御信号S41を供給することによって、サプライポンプ11による燃料の圧送を制御する。第1実施形態では、ECU24は、硫黄被毒した触媒30に対するS再生時に、下流側燃料添加インジェクタ41から触媒30と触媒40との間の排気通路4に対して燃料が添加されるようにサプライポンプ11を制御する。こうする理由は、S再生時に生成されたナノ粒子を、添加した燃料に対して吸着させることによって、ナノ粒子(粒径50nm以下の粒子)の排出を抑制するためである。
このように、下流側燃料添加インジェクタ41及びサプライポンプ11は、本発明に係るミスト状物質添加手段として動作し、ECU24は、本発明に係る制御手段として機能する。また、下流側燃料添加インジェクタ41、サプライポンプ11、及びECU24は、本発明に係る内燃機関の排気浄化制御装置として機能する。更に、ECU24は、燃料添加量が所定量以上であるか否かを判定する手段として機能する。この場合、ECU24は、燃料添加量をモニターすることによって、或いは、A/Fセンサ(不図示)又はHC濃度センサ(不図示)などの検出値を参照することによって、燃料添加量に対する判定を行う。
(ナノ粒子排出抑制方法)
ここで、第1実施形態に係るナノ粒子の排出抑制方法の基本概念について説明する。
まず、S再生時における、ナノ粒子の発生メカニズムについて説明する。上記したように、触媒30のS再生は、上流側燃料添加インジェクタ28によって排気系に燃料を添加することによって行う。この場合、A/F(空燃比)をリッチにするために多量の燃料を排気系に対して添加する(この場合には、所定量以上の燃料を添加する)ため、触媒30に燃料が付着する。付着した燃料は蒸発気化してS再生のための還元剤として使用されるが、一部のHCは、そのまま触媒30をすり抜けて排出される可能性が高い。このように触媒30をすり抜けたHCは、当初はガス状で存在するが、徐々に冷却されて凝集することによって粒子化してナノ粒子を形成し、車両からナノ粒子として排出される場合がある。このようなナノ粒子は、車両から排出されて大気拡散することは好ましくない。
したがって、本実施形態では、このようなナノ粒子の排出を防止するための制御を行う。具体的には、第1実施形態では、ナノ粒子が発生しやすいS再生時に、下流側燃料添加インジェクタ41から触媒30の下流側に燃料を添加させることにより、燃料を構成する粒子(ナノ粒子よりも大きな粒子径を有する)に対してナノ粒子を吸着させる。即ち、ナノ粒子を、燃料を構成する粒子に吸着させて凝集させることによって大径化させる。このように大型化した粒子は凝集しやすくなるため、容易に捕集することが可能となる。したがって、第1実施形態によれば、ナノ粒子の大気拡散を抑制することが可能となる。
(S再生時制御)
次に、第1実施形態においてS再生時に行われる制御(以下、「S再生時制御」と呼ぶ。)について具体的に説明する。第1実施形態では、S再生時にナノ粒子が排出される可能性が高いため、このS再生時にナノ粒子の排出を抑制するための制御を実行する。具体的には、第1実施形態では、主に、下流側燃料添加インジェクタ41から触媒30の下流側に燃料を噴射させる制御(下流側燃料添加インジェクタ噴射制御)を実行する。
図2は、第1実施形態に係るS再生時制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU24によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS101では、ECU24は、現在の触媒制御モードに対する判定を行う。ここでは、ECU24は、まず、燃料使用量、触媒温度、A/Fなどに基づいて、PM堆積量及びS堆積量を計算する。そして、ECU24は、この計算結果に基づいて、現在の触媒制御モードが、通常制御モード、PM再生制御モード、S再生制御モードのいずれに設定されているかを判定する。そして、処理はステップS102に進む。
ステップS102では、ECU24は、S再生制御の実行を示すS再生制御モードがオンとなっているか否かを判定する。S再生制御モードがオンである場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS103に進む。そして、ステップS103では、ECU24は後述する下流側燃料添加インジェクタ噴射制御を実行する。そして、この制御が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、S再生制御モードがオフである場合(ステップS102;No)、処理は当該フローを抜ける。この場合、ECU24は、S再生時ではないためナノ粒子が排出される可能性が低いため、下流側燃料添加インジェクタ噴射制御を実行しない。即ち、ECU24は、下流側燃料添加インジェクタ41から触媒30の下流側に燃料を噴射させる制御を実行しない。
(下流側燃料添加インジェクタ噴射制御)
次に、前述したS再生時処理のステップS103で行われる下流側燃料添加インジェクタ噴射制御について説明する。
図3は、下流側燃料添加インジェクタ噴射制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU24によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS201では、ECU24は、内燃機関1における運転状態を取得する。具体的には、ECU24は、エンジン回転数と、上流側燃料添加インジェクタ28から噴射される燃料噴射量とを検出する。これらの検出された値は、下流側燃料添加インジェクタ41から噴射させる燃料噴射量を決定するために用いられる。そして、処理はステップS202に進む。
ステップS202では、ECU24は、S再生時におけるナノ粒子の排出を抑制するために、下流側燃料添加インジェクタ41を制御することによって燃料噴射を実行する。具体的には、ECU24は、ステップS201で検出されたエンジン回転数及び燃料噴射量に基づいて、予め規定されたマップを参照して、下流側燃料添加インジェクタ41から噴射させる燃料噴射量を決定する。このマップは、エンジン回転数と、上流側燃料添加インジェクタ28から噴射される燃料噴射量と、下流側燃料添加インジェクタ41の燃料噴射量との関係をしている。詳しくは、マップによれば、現在の内燃機関1の運転状態において生成されるナノ粒子を、適切に吸着させることが可能な燃料噴射量が得られる。
そして、ECU24は、決定された燃料噴射量が下流側燃料添加インジェクタ41から噴射されるように、サプライポンプ11を制御する。このように決定された燃料噴射量を噴射することにより、添加した燃料を構成する粒子に対して、ナノ粒子を適切に吸着させることができる。即ち、ナノ粒子を吸着させるべき燃料が不足し、ナノ粒子が吸着せずに、そのまま排出されることが抑制される。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
図4は、第1実施形態に係る下流側燃料添加インジェクタ噴射制御による効果を説明するための図である。図4は、横軸に粒子径を示し、縦軸に粒子数濃度を示している。即ち、図4は、粒子径分布を示している。また、粒子径C以下のサイズの粒子は、ナノ粒子を示すものとする。
曲線A1(細線で示すグラフ)は、S再生時において、触媒30の下流に存在する粒子の粒子径分布を示している。詳しくは、曲線A1は、下流側燃料添加インジェクタ41による燃料添加が行われていない場合の粒子径分布を示している。これより、触媒30の下流には、ナノ粒子が多く存在していることがわかる。一方、曲線A2(破線で示すグラフ)は、下流側燃料添加インジェクタ41によって添加される燃料の粒子径分布を示している。これより、燃料を構成する粒子の大部分が、ナノ粒子よりも粒子径が大きいことがわかる。
そして、曲線A3(太線で示すグラフ)は、S再生時において下流側燃料添加インジェクタ41から燃料を添加した場合の、触媒30下流に存在する粒子の粒子径分布を示している。これより、大部分の粒子が、ナノ粒子(曲線A1参照)よりも粒子径が大きくなっていることがわかる。こうなるのは、添加された燃料を構成する粒子に対してナノ粒子が吸着することによって、ナノ粒子よりも大きな粒子径を有する粒子が生成されたためである。
以上のように、本発明の第1実施形態では、S再生時に触媒30の下流側に燃料を添加することによって、S再生時に生成されたナノ粒子を、添加した燃料に対して吸着させる。このように大型化した粒子は凝集しやすくなるため、容易に捕集することが可能となる。例えば、触媒40の下流側にフィルタを更に配設した場合には、大型化した粒子を、このフィルタによって容易に捕集することができる。また、触媒40の下流側にフィルタを配設しなかった場合においても、大型化した粒子は大気中の様々な粒子と凝集しやすくなるため、大気中に拡散されにくくなる。以上より、第1実施形態によれば、ナノ粒子の大気拡散を抑制することが可能となる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、車両からのナノ粒子の排出を抑制するために、燃料の代わりに水を添加する点で第1実施形態とは異なる。即ち、第1実施形態では、燃料を構成する粒子に対してナノ粒子を吸着させたが、第2実施形態では、水を構成する粒子に対してナノ粒子を吸着させることによって、車両からのナノ粒子の排出を抑制する。
図5は、第2実施形態に係る内燃機関の排気浄化制御装置を適用した内燃機関1の概略構成を示している。図5中において、実線矢印がガスの流れの一例を示し、破線矢印が信号の入出力を示している。第2実施形態に係る内燃機関1は、下流側燃料添加インジェクタ41の代わりに水添加インジェクタ42を有し、ECU24の代わりにECU25を有する点で、第1実施形態に係る内燃機関1とは構成が異なる。よって、以下では同一の要素に対しては同一の符号を付し、その説明を省略する。
水添加インジェクタ42は、触媒40の下流側の排気通路4に設けられている。水添加インジェクタ42はポンプ43に接続され、ポンプ43は水タンク44に接続されている。ポンプ43は、水タンク44に貯蔵された水を水添加インジェクタ42に対して供給し、水添加インジェクタ42は、ポンプ43から供給された水を触媒40の下流側の排気通路4に対して添加(噴射)する。この場合、ポンプ43は、ECU25から供給される制御信号S42によって制御される。
第2実施形態でも、S再生時にナノ粒子が排出される可能性が高いため、このS再生時にナノ粒子の排出を抑制するための制御を実行する。具体的には、第2実施形態では、水添加インジェクタ42から触媒40の下流側に水を噴射させる制御(水添加インジェクタ噴射制御)を実行する。即ち、ナノ粒子が発生しやすいS再生時に、水添加インジェクタ42から触媒40の下流側に水を添加させることにより、水を構成する粒子(ナノ粒子よりも大きな粒子径を有する)に対してナノ粒子を吸着させる。つまり、ナノ粒子を、水を構成する粒子に吸着させて凝集させることによって大径化させる。このように大型化した粒子は凝集しやすくなるため、ナノ粒子の大気拡散を抑制することが可能となる。また、第2実施形態では、触媒40の下流の排気通路4に対して水を添加しているため、触媒40に水が添加されて、触媒40の浄化性能に不具合が生じてしまうことを防止することができる。
以上のように、水添加インジェクタ42及びポンプ43は、本発明に係るミスト状物質添加手段として動作し、ECU25は、本発明に係る制御手段として機能する。また、水添加インジェクタ42、ポンプ43、及びECU25は、本発明に係る内燃機関の排気浄化制御装置として機能する。
(S再生時制御)
図6は、第2実施形態に係るS再生時制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU25によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS301では、ECU25は、現在の触媒制御モードに対する判定を行う。ここでは、ECU25は、まず、燃料使用量、触媒温度、A/Fなどに基づいて、PM(Particulate Matter)堆積量及びS堆積量を計算する。そして、ECU25は、この計算結果に基づいて、現在の触媒制御モードが、通常制御モード、PM再生制御モード、S再生制御モードのいずれに設定されているかを判定する。そして、処理はステップS302に進む。
ステップS302では、ECU25は、S再生制御の実行を示すS再生制御モードがオンとなっているか否かを判定する。S再生制御モードがオンである場合(ステップS303;Yes)、処理はステップS303に進む。そして、ステップS303では、ECU25は後述する水添加インジェクタ噴射制御を実行する。そして、この制御が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、S再生制御モードがオフである場合(ステップS302;No)、処理は当該フローを抜ける。この場合、ECU25は、S再生時ではないためナノ粒子が排出される可能性が低いため、水添加インジェクタ噴射制御を実行しない。即ち、ECU25は、水添加インジェクタ42から触媒40の下流側に水を噴射させる制御を実行しない。
(水添加インジェクタ噴射制御)
次に、前述したS再生時処理のステップS303で行われる水添加インジェクタ噴射制御について説明する。
図7は、水添加インジェクタ噴射制御を示すフローチャートである。この制御は、ECU25によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS401では、ECU25は、内燃機関1の運転状態を取得する。具体的には、ECU25は、エンジン回転数と、上流側燃料添加インジェクタ28から噴射される燃料噴射量とを検出する。これらの検出された値は、水添加インジェクタ42から噴射させる水噴射量を決定するために用いられる。そして、処理はステップS402に進む。
ステップS402では、ECU25は、S再生時におけるナノ粒子の排出を抑制するために、水添加インジェクタ42を制御することによって水噴射を実行する。具体的には、ECU25は、ステップS401で検出されたエンジン回転数及び燃料噴射量に基づいて、予め規定されたマップを参照して、水添加インジェクタ42から噴射させる水噴射量を決定する。このマップは、エンジン回転数と、上流側燃料添加インジェクタ28から噴射される燃料噴射量と、水添加インジェクタ42の水噴射量との関係を示している。詳しくは、このマップによれば、現在の内燃機関1の運転状態において生成されるナノ粒子を、適切に吸着させることが可能な水噴射量が得られる。
そして、ECU25は、決定された水噴射量が水添加インジェクタ42から噴射されるように、ポンプ43を制御する。このように決定された水噴射量を噴射することにより、添加した水を構成する粒子に対して、ナノ粒子を適切に吸着させることができる。即ち、ナノ粒子を吸着させるべき水が不足し、ナノ粒子が吸着せずに、そのまま排出されることが抑制される。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
図8は、第2実施形態に係る水添加インジェクタ噴射制御による効果を説明するための図である。図8は、横軸に粒子径を示し、縦軸に粒子数濃度を示している。即ち、図8は、粒子径分布を示している。また、粒子径C以下のサイズの粒子は、ナノ粒子を示すものとする。
曲線B1(細線で示すグラフ)は、S再生時において、触媒30の下流に存在する粒子の粒子径分布を示している。これより、触媒30の下流には、ナノ粒子が多く存在していることがわかる。なお、水添加インジェクタ42から水を添加しない場合には、触媒40の下流に存在する粒子も、曲線B1と概ね同様の粒子径分布を示す。一方、曲線B2(破線で示すグラフ)は、水添加インジェクタ42より添加される水の粒子径分布を示している。これより、水を構成する粒子の大部分が、ナノ粒子よりも粒子径が大きいことがわかる。
そして、曲線B3(太線で示すグラフ)は、S再生時において水添加インジェクタ42から水を添加した場合の、触媒40の下流に存在する粒子の粒子径分布を示している。これより、大部分の粒子が、ナノ粒子(曲線B1参照)よりも粒子径が大きくなっていることがわかる。こうなるのは、添加された水を構成する粒子に対してナノ粒子が吸着することによって、ナノ粒子よりも大きな粒子径を有する粒子が生成されたためである。
以上のように、本発明の第2実施形態では、S再生時に触媒40の下流側に水を添加することによって、S再生時に生成されたナノ粒子を、添加した水に対して吸着させる。このように大型化した粒子は、凝集しやすくなる。そのため、車両から大型化した粒子が排出された場合にも、大型化した粒子は大気中の様々な粒子と凝集しやすくなるため、大気中に拡散されにくくなる。よって、第2実施形態によれば、ナノ粒子の大気拡散を抑制することが可能となる。また、第2実施形態では、水に対してナノ粒子を吸着させることによって新たな粒子を生成しているため、排気系への物質の添加に起因するPMの重量増加を抑制することができる。
[変形例]
本発明は、触媒30に対するS再生時に、下流側燃料添加インジェクタ噴射制御、又は水添加インジェクタ噴射制御を行うことに限定はされない。他の例では、S再生を行う場合以外の、排気系への燃料の添加量が所定量以上である状況において、上記の制御を行うことができる。このような燃料の添加量が所定量以上である状況においては、HCの排出量が多くなり、ナノ粒子が生成される可能性が高いからである。
また、上記では、下流側燃料添加インジェクタ噴射制御、及び水添加インジェクタ噴射制御のうちのいずれか一方のみを行う実施形態を示したが、この2つの制御を組み合わせて行うことも可能である。この場合、内燃機関1は、下流側燃料添加インジェクタ41と水添加インジェクタ42の両方を有して構成される。例えば、内燃機関1の運転状態に応じて、下流側燃料添加インジェクタ41による燃料の添加と、水添加インジェクタ42による水の添加とを切り換えて実行しても良いし、下流側燃料添加インジェクタ41による燃料の添加と水添加インジェクタ42による水の添加の両方を同時に実行しても良い。
なお、上記では、触媒30及び触媒40を排気浄化要素として排気浄化装置を構成する実施形態を示したが、これに限定はされない。他の例では、触媒40の下流側に更にフィルタや触媒などを設けて、このようなフィルタ又は触媒と、触媒30と、触媒40とによって排気浄化装置を構成することも可能である。
また、上記では、NOx吸蔵還元型触媒又はDPNR(触媒30に対応する)と、酸化触媒(触媒40に対応する)と、を排気浄化要素として排気浄化触媒を構成する実施形態を示したが、これに限定はされない。他の例では、DPNRを排気浄化要素として排気浄化触媒を構成することができる。更に他の例では、NOx触媒、フィルタ、及び酸化触媒を、排気浄化要素として排気浄化触媒を構成することができる。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の排気浄化制御装置が適用された内燃機関の概略構成図である。 第1実施形態に係るS再生時制御を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る下流側燃料添加インジェクタ噴射制御を示すフローチャートである。 下流側燃料添加インジェクタ噴射制御による効果を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る内燃機関の排気浄化制御装置が適用された内燃機関の概略構成図である。 第2実施形態に係るS再生時制御を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る水添加インジェクタ噴射制御を示すフローチャートである。 水添加インジェクタ噴射制御による効果を説明するための図である。
符号の説明
1 内燃機関
3 吸気通路
4 排気通路
10 コモンレール
15 燃料タンク
24、25 ECU
28 上流側燃料添加インジェクタ
30、40 触媒
41 下流側燃料添加インジェクタ
42 水添加インジェクタ
44 水タンク

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた排気を浄化する排気浄化装置に燃料を供給することで、前記排気浄化装置の排気浄化能力を回復させる内燃機関の排気浄化制御装置において、
    前記排気浄化装置は、少なくとも1つ以上の排気浄化要素を有し、
    いずれかの前記排気浄化要素の下流側の排気通路に対して、ミスト状物質を添加するミスト状物質添加手段と、
    排気系への燃料の添加量が所定量以上である場合に、前記ミスト状物質が噴射されるように前記ミスト状物質添加手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化制御装置。
  2. 前記排気系への燃料の添加量が所定量以上である場合とは、前記排気浄化装置における硫黄被毒に対する再生を行う場合であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
  3. 前記制御手段は、少なくとも内燃機関の回転数及び燃料噴射量に基づいて前記ミスト状物質を噴射する量を決定し、決定された量の前記ミスト状物質が噴射されるように前記ミスト状物質添加手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
  4. 前記ミスト状物質添加手段は、前記ミスト状物質として燃料を添加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
  5. 前記ミスト状物質添加手段は、前記ミスト状物質として水を添加することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
  6. 前記ミスト状物質添加手段は、最下流に設けられた前記排気浄化要素の下流側に、前記水を添加することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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