JP2007186716A - アミノ樹脂粒子、その製造方法およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明にかかるアミノ樹脂粒子は、屈折率が1.6以上である。また、本発明にかかる液晶表示板用スペーサーは、このアミノ樹脂粒子が用いられてなる、ことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
また、近年、これら用途分野においてはますます高性能化が進んでおり、より繊細で緻密な技術に基づく性能向上が求められているため、その要求特性は非常に高くなってきている。なかでも特に、液晶表示板用のスペーサーでは、バックライトの光漏れ・光抜けの抑制能に関し、スペーサーとしての他の性能とのバランスも含め、その要求特性の高さは顕著であり、液晶表示板のコントラスト等の表示品位に大きく関係する。
その結果、液晶表示板用スペーサーとして光抜け抑制能に優れたものとするために、新規な構成としてアミノ樹脂粒子の屈折率に着目した。屈折率に起因する光散乱効果を利用すれば、バックライトの光エネルギーの総量を減少させ、ひいては光抜けとなる透過光の量を抑制することができると考えたからであり、従来のように染料や顔料を使用して遮光性スペーサーとする技術思想とは全く異なる着想のため上記染料溶出の問題等も生じないからである。また、アミノ樹脂粒子の屈折率が他の樹脂粒子のそれよりも比較的高いことは従来から知られており、屈折率に起因する上記効果を得ようとした場合好適ではないかと考えたからである。しかしながら、従来公知のアミノ樹脂粒子であるベンゾグアナミン/メラミン/ホルムアルデヒドの縮合硬化樹脂粒子(屈折率1.52)やメラミン/ホルムアルデヒドの縮合硬化樹脂粒子(屈折率1.57)では、これらを液晶表示板用スペーサーとして用いた場合、結果として十分な光抜け抑制能を発揮することはできなかった。よって、どの程度高い屈折率であれば十分な光抜け抑制能を発揮できるのかということや、そもそも屈折率の高いアミノ樹脂粒子をスペーサーに用いることによって実質的に十分な光抜け抑制効果が得られるのか否かということも明らかではなかった。
すなわち、本発明にかかるアミノ樹脂粒子は、屈折率が1.6以上である、ことを特徴とする。
また、本発明にかかる液晶表示板用スペーサーは、上記本発明のアミノ樹脂粒子が用いられてなる、ことを特徴とする。
本発明にかかるアミノ樹脂粒子(以下、本発明のアミノ樹脂粒子と称することがある。)は、その屈折率が1.6以上であり、好ましくは1.63以上、より好ましくは1.65以上である。アミノ樹脂粒子の屈折率が、1.6未満であると、例えば、液晶表示板用スペーサーに用いた場合に、バックライトの光抜けを十分抑制することができないため好ましくない。
本発明にかかるアミノ樹脂粒子の製造方法(以下、本発明の製造方法と称することがある。)については、以下のように、上記本発明のアミノ樹脂粒子を得るにあたり、上記初期縮合物を得るまでの反応過程と、この初期縮合物を用いて最終的に本発明のアミノ樹脂粒子を得るまでの反応過程と、について分けて説明する。なお、上記初期縮合物は、水親和性の初期縮合物(水親和性初期縮合物)であることが好ましく、以下においても同様とするが、特にそれを言及しない限り、初期縮合物と水親和性初期縮合物とは同等に取り扱うものとする。
化合物群(A)としては、上記列挙したなかでも、ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミン、シクロへキセンカルボグアナミンおよびメラミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が、球状粒子が得られやすいためより好ましく、さらにより好ましくはベンゾグアナミンおよび/またはメラミンである。
化合物群(A)とホルムアルデヒド(B)との反応させる際のモル比は、特に限定はされないが、具体的には、化合物群(A)1モルに対してホルムアルデヒド(B)が2〜4モルであることが好ましく、より好ましくは2〜3モルである。ホルムアルデヒド(B)の割合が上記範囲外となる場合は、化合物群(A)あるいはホルムアルデヒド(B)の未反応物が多くなるおそれがある。なお、反応溶媒中の、化合物群(A)およびホルムアルデヒド(B)の水への仕込み濃度は、反応に支障の無い範囲でより高濃度であることが好ましい。
本発明のアミノ樹脂粒子を上述のような製造方法により得ることによって、従来よりも縮合硬化度の高いものとすることができ、所望の屈折率、すなわち、1.6以上、好ましくは1.63以上、より好ましくは1.65以上の屈折率を有するアミノ樹脂粒子とすることができる。
上記水性溶液としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、水、あるいは、水と水に対する溶解度が水100重量部に対して5重量部以上である有機溶剤との混合溶液、であることが好ましい。この有機溶剤としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、アセトン、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコールおよびtert−ブチルアルコールなどが挙げられ、これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記酸性触媒としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、アルキル基を有するスルホン酸であることが好ましく、さらにその他の酸を含んでいてもよい。
上記アルキル基を有するスルホン酸としては、特に限定はされないが、炭素数5〜20、好ましくは炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホン酸などが好ましく挙げられる。なかでも、アルキルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。これらアルキル基を有するスルホン酸は1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記その他の酸としては、特に限定はされないが、具体的には、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸:これら鉱酸のアンモニウム塩;スルファミン酸;ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸アミドなどのスルホン酸類;フタル酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸などの有機酸;などが挙げられる。これらその他の酸は、1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。上記その他の酸のなかでも、鉱酸およびスルホン酸類がより好ましく、塩酸、硫酸およびパラトルエンスルホン酸がさらにより好ましい。
本発明の製造方法においては、上述のように縮合硬化させることにより一旦得られたアミノ樹脂粒子を、再度さらに縮合硬化(再縮合硬化)させる。再縮合硬化させる際は、上述のように縮合硬化させて得られたアミノ樹脂粒子を反応溶媒から分離せずそのまま用いて行ってもよいし、一旦反応溶媒から従来公知の方法により分離したアミノ樹脂粒子を用いて再度反応溶媒に仕込んで行ってもよいし、他の何らかの縮合硬化過程により得られたアミノ樹脂粒子を用いて再度反応溶媒に仕込んで行ってもよく、再縮合硬化させるアミノ樹脂粒子の種類およびその状態は、特に限定されない。
再縮合硬化させる場合、その反応条件は、特に限定されるわけではないが、一般的には、反応温度は、70℃あるいはそれ以上の温度に昇温し、一定の反応時間保持することが好ましい。また、水性溶液の沸点より高い温度で行う際は、オートクレーブ等の密閉容器内で加圧して行う必要がある。ここで、反応温度は、より好ましくは80℃以上、さらにより好ましくは90℃以上である。反応時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、さらにより好ましくは1〜4時間である。反応温度が70℃未満であるとアミノ樹脂粒子の硬化が不十分となり、所望の屈折率を有する粒子が得られないおそれがある。反応時間が0.5時間未満であるとアミノ樹脂粒子の硬化が不十分となり、所望の屈折率を有する粒子が得られないおそれがある。
上記スルファミン酸系化合物としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、スルファミン酸(アミド硫酸)や、スルファミン酸アンモニウム(アミド硫酸アンモニウム)、スルファミン酸ニッケル(アミド硫酸ニッケル)などのスルファミン酸塩(アミド硫酸塩)などが好ましく挙げられる。
スルファミン酸系化合物および/またはイミダゾール系化合物は、アミノ樹脂粒子に対して0.5重量%以上添加し含有させておくことが好ましく、より好ましくは0.5〜4重量%、さらにより好ましくは1〜3重量%である。0.5重量%未満である場合は、アミノ樹脂粒子の縮合硬化は進まず、所望の屈折率を有するアミノ樹脂粒子が得られないおそれがある。
なお、上記スルファミン酸系化合物および/またはイミダゾール系化合物は、水性液の加熱前は上記水系媒体には溶解せず混合している状態であってもよく特に限定されるわけではないが、水性液を加熱した後は溶解することが好ましい。
本発明の製造方法においては、上記水性液中での加熱後、一旦上記水溶液中からアミノ樹脂粒子を分離し、分離した粒子を160℃以上、好ましくは170℃以上、より好ましくは180℃以上で加熱処理する。このような加熱処理を行うことにより、アミノ樹脂粒子の縮合硬化をより進め、所望の屈折率を有する粒子とすることができる。また、上記加熱処理の温度が160℃未満であると、所望の屈折率を有するアミノ樹脂粒子が得られないおそれがある。
上記加熱処理の方法としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、上記分離したアミノ樹脂粒子を、乾燥機、熱風乾燥機、真空(減圧)乾燥機などの装置を用いて加熱処理する方法が好ましい。
上記加熱処理の時間は、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、1時間以上であることが好ましく、より好ましくは1〜8時間、さらにより好ましくは2〜5時間である。1時間未満である場合は、アミノ樹脂粒子の縮合硬化が不十分となり、所望の屈折率を有する粒子が得られないおそれがある。
上記精製については、その方法は特に限定はされないが、濾紙などを用いた通常の濾過方法によりアミノ樹脂粒子のみを得る方法や、デカンテによりアミノ樹脂粒子以外の上澄みを捨てる方法などが、簡便でもあるため好ましい。
上記分級については、その方法は特に限定されず、アミノ樹脂粒子を溶媒に分散させた状態で行う湿式分級であっても、乾式分級であってもよいとする。
電成ふるいは、開孔径、単位あたりの開孔数の調整が容易であるばかりでなく、開孔径分布が非常に良好であるため、ふるいとして用いた場合、非常に精度良く分級することが可能となる。
電成ふるいは非常に薄いため簡単に傷ついたり、破れたりし、分級された粒子へ金属系不純物の混入のおそれがある。特に分級した接着性スペーサーを液晶表示等の電子デバイスに用いる場合、金属系不純物の混入は品質および信頼性の低下の原因となるため重大な問題である。この問題を回避するため、電成ふるいの片面あるいは両面に格子状あるいはリング状等のサポートを設けて強度を上げることが好ましい。
電成ふるいを用いた分級においては、粒子の分散液を電成ふるいを備えた分級装置に通すことによって湿式法により分級を行うことが好ましい。媒体として不活性ガスや空気などを用いる乾式法と比較して、湿式法による場合の方が超音波の照射効率、分散の安定性が高く、また電成ふるいへの粒子の付着が少ない。特に液晶表示装置用接着性スペーサー等の粒子径の小さいものは、一般的に凝集力が強いため、乾式法では分散が不十分になる場合がある。上記湿式法において、粒子を分散させる液状媒体としては、用いる電成ふるいの材質、開孔径、線数および粒子の性状あるいは粒子径分布などによって適切に選択することができる。また、分級に際しては、分級装置内に超音波照射チップを挿入した場合、水等の液状媒体に超音波照射を行うことで、分級の効率を好ましく向上させることができる。
同様に、粒度分布については、変動係数が1〜50%であることが好ましく、より好ましくは2〜40%、さらにより好ましくは2〜30%である。特に、本発明の製造方法により得られたアミノ樹脂粒子を、液晶表示板用スペーサーとして用いる場合は、上記変動係数は、1〜10%となるように調製されることが好ましく、より好ましくは2〜8%、さらにより好ましくは2〜6%である。
本発明のアミノ樹脂粒子、および、本発明の製造方法により得られるアミノ樹脂粒子は、その用途としては、特に限定されるわけではないが、具体的には、例えば、プラスチックフィルム・シートの滑り性向上剤、ブロッキング防止剤、つや消し仕上げ剤、光拡散剤、表面硬度向上剤などの各種改良剤や、液晶表示板用スペーサーや、測定・分析用標準粒子などの各種用途に有用であり、また、酸性染料、塩基性染料、蛍光染料および蛍光増白剤などの各種染料により着色すれば、塗料、インキおよびプラスチック着色用の顔料、液晶表示板用着色スペーサーなどとして用いることもできる。上記各種用途のなかでも、特に、液晶表示板用スペーサーとして用いることが好ましい。
本発明の液晶表示板用スペーサーについては、本発明のアミノ樹脂粒子そのものがスペーサーとして用いられていても、本発明のアミノ樹脂粒子に何らかの処理を施すことにより特定の物性を有するスペーサーとして用いられていてもよく、特に限定はされず、どのような形態で用いられても有用なスペーサーとすることができる。例えば、本発明のアミノ樹脂粒子を粒子本体としてその表面を樹脂等で被覆することにより接着層を形成させた液晶表示板用接着性スペーサーや、本発明のアミノ樹脂粒子の合成時の反応系に染料などを含ませておくことによって樹脂粒子そのものを着色した液晶表示板用着色スペーサー、または、これら接着性と着色の機能を組み合わせた液晶表示板用接着性の着色スペーサー、などが、本発明の液晶表示板用スペーサーの形態として好ましく挙げられる。
本実施例、比較例における測定方法について以下に示す。
〔圧縮弾性率〕
微小圧縮試験機(島津製作所社製、製品名:MCTM−200)を用いて、1個の粒子を圧縮速度0.27gf/sで圧縮する。その際、10%の圧縮変形における圧縮弾性率を下記式:
K=(3/21/2)・F・S−3/2・R−1/2
(式中、Fは、粒子の10%圧縮変形における荷重値(kgf)を表し、Sは、粒子の10%圧縮変形における圧縮変位(mm)を表し、Rは、粒子の半径(mm)を表す。)
に従って求める。
〔屈折率〕
以下(i)〜(iii)の手順により求めることができる。
(ii) 25℃で光学顕微鏡(透過)を用いて観察し、粒子が最も見えにくい化合物の種類を選択する。
(iii) 粒子が最も見えにくい化合物に対応する数値(表1)を粒子の屈折率とする。
なお、混合した有機化合物を使用した場合、その屈折率に関しては混合割合の加成性が成り立つものとし、計算により求めることができるとする。例えば、トルエン(Toluene)とニトロベンゼン(Nitrobenzene)とを1:2で混合した場合、その混合物の屈折率は、表1の数値を参考にして計算すると、
(1.496×1/3)+(1.550×2/3)≒1.532
となる。
四つ口フラスコにメラミン75部、ベンゾグアナミン75部、濃度37%のホルマリン238部および濃度10%の炭酸ナトリウム水溶液1.07部を仕込み混合物とした。この混合物を攪拌しながら85℃に昇温して重合を行い、水混和度250%の初期縮合物を得た。別に、ノニオン系界面活性剤のエマルゲン430(花王製、ポリオキシエチレンオレイルエーテル)6.0部を水2455部に溶解しておき、この界面活性剤水溶液の温度を50℃に昇温して攪拌した。攪拌状態下にある界面活性剤水溶液に上記初期縮合物を投入して、初期縮合物の乳濁液を得た。これに5%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液90部を加え、50〜60℃の温度で3時間保って縮合硬化し、硬化樹脂の乳濁液を得た。この乳濁液を冷水3000部に投入し急冷した。次いで、この乳濁液から硬化樹脂を沈降分離して得られたペーストを上記エマルゲン430 7.5部とドデシルベンゼンスルホン酸4.5部とを水2000部に溶解させて得た水溶液中に、超音波分散機を用いて分散した。分散して得られた乳濁液を徐々に90℃まで昇温することにより再縮合硬化し、1時間保持した後に急冷した。この乳濁液から硬化樹脂を沈降分離することにより、メラミン/ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒドのアミノ樹脂の硬化球状微粒子を得た。
得られたアミノ樹脂粒子(1)の粒度分布を粒度分布測定機(コールター社製、コールターマルチサイザー)で測定したところ、平均粒子径が3.50μm、変動係数が3.2%であった。また、アミノ樹脂粒子(1)は、10%変形時の圧縮弾性率が1050kg/mm2であり、25℃における屈折率が1.61であった。
−実施例2−
実施例1において、メラミン75部およびベンゾグアナミン75部を、メラミン150部とした以外は同様の操作を行い、白色である実施例2のアミノ樹脂粒子(以下、アミノ樹脂粒子(2)と称すことがある。)を得た。
このようにして得られたアミノ樹脂粒子(2)を、液晶表示板用のスペーサーとして用い、従来公知の方法により、ノーマリーブラックタイプの12インチの低電圧駆動用低温ポリシリコンTFT透過型液晶表示板を作成したところ、スペーサーからのバックライトの光漏れは十分抑制されており、コントラストが高く、表示品位に優れた液晶表示板が得られた。また、50℃、1000時間の信頼性試験を行っても、以上は見られなかった。さらに、X、Y、Z方向に、3Gの振動を加えて耐振動性試験を行ったが、スペーサー周囲の光抜けの増大はなく、高コントラストを維持していた。
実施例1において、スルファミン酸アンモニウムの代わりに1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールトリメリテートを用いた以外は同様の操作を行い、白色である実施例3のアミノ樹脂粒子(以下、アミノ樹脂粒子(3)と称すことがある。)を得た。
得られたアミノ樹脂粒子(3)の粒度分布を粒度分布測定機(コールター社製、コールターマルチサイザー)で測定したところ、平均粒子径が3.45μm、変動係数が3.8%であった。また、アミノ樹脂粒子(3)は、10%変形時の圧縮弾性率が1190kg/mm2であり、25℃における屈折率が1.64であった。
−実施例4−
実施例2において、スルファミン酸アンモニウムの代わりに1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールトリメリテートを用いた以外は同様の操作を行い、白色である実施例4のアミノ樹脂粒子(以下、アミノ樹脂粒子(4)と称すことがある。)を得た。
このようにして得られたアミノ樹脂粒子(4)を、液晶表示板用のスペーサーとして用い、従来公知の方法により、ノーマリーブラックタイプの12インチの低電圧駆動用低温ポリシリコンTFT透過型液晶表示板を作成したところ、スペーサーからのバックライトの光漏れは十分抑制されており、コントラストが高く、表示品位に優れた液晶表示板が得られた。また、50℃、1000時間の信頼性試験を行っても、以上は見られなかった。さらに、X、Y、Z方向に、3Gの振動を加えて耐振動性試験を行ったが、スペーサー周囲の光抜けの増大はなく、高コントラストを維持していた。
実施例1において、粒子の分離・洗浄後の加熱処理(乾燥)温度を160℃から100℃にした以外は同様の操作を行い、白色である比較例1のアミノ樹脂粒子(以下、比較アミノ樹脂粒子(1)と称すことがある。)を得た。
得られた比較アミノ樹脂粒子(1)の粒度分布を粒度分布測定機(コールター社製、コールターマルチサイザー)で測定したところ、平均粒子径が3.53μm、変動係数が3.8%であった。また、比較アミノ樹脂粒子(1)は、10%変形時の圧縮弾性率が950kg/mm2であり、25℃における屈折率が1.55であった。
−比較例2−
実施例1において、スルファミン酸アンモニウムを用いて加熱加圧する際の温度を170℃から130℃にした以外は同様の操作を行い、白色である比較例2のアミノ樹脂粒子(以下、比較アミノ樹脂粒子(2)と称すことがある。)を得た。
このようにして得られた比較アミノ樹脂粒子(2)を、液晶表示板用のスペーサーとして用い、従来公知の方法により、ノーマリーブラックタイプの12インチの低電圧駆動用低温ポリシリコンTFT透過型液晶表示板を作成したところ、スペーサーからのバックライトの光漏れが認められ、コントラストが劣っていた。
実施例1において、スルファミン酸アンモニウムを用いて加熱加圧する際にアントラキノン系の酸性染料(カヤシルスカイブルーR(日本化薬社製))10gを添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、濃青色である比較例3のアミノ樹脂粒子(以下、比較アミノ樹脂粒子(3)と称すことがある。)を得た。
得られた比較アミノ樹脂粒子(3)の粒度分布を粒度分布測定機(コールター社製、コールターマルチサイザー)で測定したところ、平均粒子径が3.54μm、変動係数が3.9%であった。また、比較アミノ樹脂粒子(3)は、10%変形時の圧縮弾性率が980kg/mm2で、着色のため屈折率は測定不可能であった。
−比較例4−
実施例1において、初期縮合物にカーボンブラックを10部混合した以外は同様の操作を行い、黒色である比較例4のアミノ樹脂粒子(以下、比較アミノ樹脂粒子(4)と称すことがある。)を得た。
このようにして得られた比較アミノ樹脂粒子(4)を、液晶表示板用のスペーサーとして用い、従来公知の方法により、ノーマリーブラックタイプの12インチの低電圧駆動用低温ポリシリコンTFT透過型液晶表示板を作成したところ、スペーサーからのバックライトの光漏れは十分抑制されていたが、カーボンブラックの導電性の影響により、所定の電圧をかけても所望の透過率が得られなかった。また、実施例1と同様の耐振動性試験を行ったところ、スペーサーが移動して、その移動に起因する配向膜やカラーフィルターの損傷(いわゆる振動きず)が多く発生し、表示品位が大幅に低下した。
Claims (4)
- 屈折率が1.6以上である、アミノ樹脂粒子。
- ベンゾグアナミン、シクロへキサンカルボグアナミン、シクロへキセンカルボグアナミン、メラミン、アセトグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン、パラトルエンスルホンアミドおよび尿素からなる群より選ばれる少なくとも1種とホルムアルデヒドとを反応させてなる、請求項1に記載のアミノ樹脂粒子。
- 白色または乳白色である、請求項1に記載のアミノ樹脂粒子。
- 請求項1から3までのいずれかに記載のアミノ樹脂粒子が用いられてなる、液晶表示板用スペーサー。
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