JP2007186531A - ビタミンfとグルコースの誘導体、それを含有する組成物、用途及び調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 グルコースのヒドロキシル基とビタミンFを部分的又は全体的にエステル化することにより得られる、グルコースから誘導されるO-アシル生成物を使用し、これを適切な媒体に含有せしめて組成物とするための、工業的レベルで素早く容易に高収率でグルコースのO-アシル誘導体の調製を可能にする方法に関する。
【選択図】 なし
Description
活性な成長期あるいは成長段階は、数年間続いてその間に毛髪が伸長するが、その次の非常に短く一時的である退行期は数週間続き、ついで、休止期と称される休止段階になり、これが数カ月続く。
非常に多くの場合、遺伝的に抜毛の起こりやすい個人において、時期尚早の抜毛が生じ、特に男性がその影響を受ける。このことは特に雄性発生又はアンドロゲン性脱毛症、あるいはアンドロゲン発生(androgeno-genetic)脱毛症に関係している。
この脱毛症は、本質的に毛髪の再生障害によるもので、最初の段階で毛髪の質、次に毛髪の量が犠牲になって、サイクル周期が加速されることになる。うぶ毛の段階のいわゆる「末期」毛の退行によって、頭髪が徐々に薄くなる。特に、男性では、いくつかの領域、特に側頭又は前頭部、及び後頭骨上部が影響を受けやすく、女性では、主として頭頂部に散らばった脱毛症がみられる。
この点において、非常に多数のかなり多様な活性剤、例えば2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン-3-オキシド、すなわち「ミノキシジル」、及びその多数の誘導体が提案されている。
また、ウロン酸残基とヘキソサミン残基からなる少なくとも1つの二糖類単位を有するオリゴ糖類が、特に欧州特許第211610号(特許文献1)において提案されている。
に相当する誘導体を使用することが記載されている。
前記公報には、とりわけ、アシル残基RCO-が、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、ヘキサデカノイル、ステアロイル、オレオイル、リノレオイル又はリノレノイル残基である誘導体の使用が記載されている。
特に記載され実施例として付与されている基はオクタノイル及びオレオイル基である。
特に、本発明の生成物は、ヒトの体内に生来存在している必須脂肪酸誘導体から主としてなるという利点を有する。
また、この生成物は、それを含有するフリーの脂肪酸よりも経時的に安定している。
最後に、工業的レベルで比較的安価に合成することが容易である。
本発明の他の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、上述した少なくとも1つの生成物を含有せしめてなる組成物にある。
また本発明の他の主題は、上述した化粧品用組成物を頭髪及び/又は他の毛髪に適用する、頭髪及び/又は他の毛髪の美容処理方法にある。
さらに本発明の他の主題は、頭髪及び/又は他の毛髪のコンディションを改善し、特に頭髪及び/又は他の毛髪の抜毛を減少及び/又は妨害し、及び/又は毛髪の成長を誘発及び/又は刺激することを意図した組成物、特に製薬用組成物の調製における、上述した少なくとも1つの生成物の使用にある。
例えば、ビタミンFは一般的に:
− 75〜80重量%のリノール酸、
− 10〜15重量%のオレイン酸、
− 4〜8重量%のパルミチン酸、
− 0.5〜3重量%のステアリン酸、及び
− 0〜10重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸(lauroleic acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及びリノレン酸から選択される一又は複数の他の酸、
(重量%)からなると考えられている。
さらに、グルコースはエステル化反応中に反応可能な5つの部位を有しているため、よって本発明の生成物は、グルコースの種々の位置で形成されるエステルの混合物を含む。
最後に、本発明の組成物は、形成されるモノエステル及びジエステルの混合物も含む。
よって、本明細書において「本発明の生成物」なる表現は、グルコースとビタミンFのエステル化反応中に形成される全てのモノエステル又はジエステルからなる混合物を意味する。
R1、R2、R3、R4及びR5は互いに独立して、水素又はRが飽和又は不飽和で直鎖状であり、11〜21の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖を表す-CO-R基を示し、但しR1ないしR5基の少なくとも1つは水素以外である]
により表されうる化合物の混合物を含む。
グルコース分子当たりのエステル化された生成物のエステル官能基の数と当初のヒドロキシル官能基の比率、すなわちエステル化度は、好ましくは0.2〜1、特に0.2〜0.6、中でも0.21〜0.4である。
さらに、グルコースは好ましくは、1位、2位、3位及び/又は6位でエステル化される。好ましくは、グルコースは主として1位及び/又は6位でエステル化される。
グルコース分子当たりの6位におけるエステル官能基の数とエステル官能基の全数の比率は、好ましくは0.55〜1、特に0.70〜0.98、中でも0.90〜0.97である。
また、グルコースの少なくとも1つのエステル、特にモノエステル、及びグルコースとラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸の一又は複数のエステルも含みうる。
さらに、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースの少なくとも1つのジエステルをさらに含みうる。
− 40〜80重量%、好ましくは60〜75重量%、特に68〜72重量%の、リノール酸とグルコースのモノエステル、
− 10〜20重量%、好ましくは12〜17重量%、特に14〜15重量%の、オレイン酸とグルコースのモノエステル、
− 5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%、特に9〜12重量%の、パルミチン酸とグルコースのモノエステル、
− 0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%、特に2〜4重量%の、ステアリン酸とグルコースのモノエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸とグルコースの一又は複数のモノエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースのジエステル、
を含む。
− 40〜80重量%、好ましくは60〜75重量%、特に68〜72重量%の、主として6-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノース、1-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノース、2-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノース及び/又は3-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノースを含有するリノール酸とグルコースのエステル、
− 10〜20重量%、好ましくは12〜17重量%、特に14〜15重量%の、主として6-O-オクタデカ-9-エノイル-D-グルコピラノース、3-O-オクタデカ-9-エノイル-D-グルコピラノース、1-O-オクタデカ-9-エノイル-D-グルコピラノース及び/又は2-O-オクタデカ-9-エノイル-D-グルコピラノースを含有するオレイン酸とグルコースのエステル、
− 5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%、特に9〜12重量%の、主として6-O-ヘキサデカノイル-D-グルコピラノース、3-O-ヘキサデカノイル-D-グルコピラノース、1-O-ヘキサデカノイル-D-グルコピラノース及び/又は2-O-ヘキサデカノイル-D-グルコピラノースを含有するパルミチン酸とグルコースのエステル、
− 0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%、特に2〜4重量%の、主として6-O-オクタデカノイル-D-グルコピラノース、3-O-オクタデカノイル-D-グルコピラノース、1-O-オクタデカノイル-D-グルコピラノース及び/又は2-O-オクタデカノイル-D-グルコピラノースを含有するステアリン酸とグルコースのエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸とグルコースの一又は複数のエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースのジエステル、
を含んでいてもよい。
特に、ラウリン酸とD-グルコースをエステル化するいくつかの方法が、Reinfeldら, 「Die Staerke」, 第6号, 181-189頁、1968のレビューに記載され、比較されている。
最も高い収率を得ることができる方法は、酸塩化物を使用するアシル化であることが前記文献から明らかである。例えば、塩化ラウロイルを用いると、モノエステルを36%含有するモノエステルとジエステルの混合物が、収率49%で得られる。
この方法は、特に欧州特許第0485251号において使用されており、例えば塩化オレイルで、40%の収率で6-O-アシルグルコースが得られる。
しかしながら、適切な酸塩化物を得ることが、必ずしも容易であるとはかぎらない。工業用の酸塩化物がない場合は、他の方法を使用することが必要となる。
真の無水物の形成によりグルコースをアシル化することで、モノエステルとジエステルの混合物では全収率46%の、またモノエステルの生成では28%の所望の化合物が得られる。
しかしながら、この方法は、比較的純粋な最終生成物を得るために、除去することが必要な、フリーの脂肪酸を生じる。
ところが、この除去は、不純物の性質を考慮すると、時折困難であることがわかる。さらに、不必要にプロセスが長くなり、さらなるコストを生じる中間の精製工程を回避することが一般的に探求されているが、このことは工業的プロセスとは相容れないものであった。
よって、また工業的レベルで素早く容易にこれらの化合物を生成可能で所望の生成物を高収率で生じる、グルコースのO-アシル誘導体の新規の合成経路がなおも必要とされている。
さらに、この新規な方法により、主として6位におけるグルコースエステルを選択的に得ることができることがわかった。
加えて、この方法では、工業的な酸塩化物を使用することができる。
の、主としてグルコースの6位におけるO-アシル誘導体を調製する方法であって、
− 第1工程において、Xが、好ましくは塩素又は臭素を表す、式X-C(O)-C(CH3)3のトリメチル酢酸ハロゲン化物と、式R-COOHのカルボン酸とを反応させることにより、次の式(II):
− 第2工程において、グルコースと、形成した前記混合無水物とを反応させる、
ことを含む方法である。
アシル残基-CORは特に、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、ヘキサデカノイル、ステアロイル、パルミトレオイル、オレオイル、リノレオイル又はリノレノイル残基であってよい。
使用可能なカルボン酸としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ヘキサデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸、及びそれらの混合物を挙げることができる。
また好ましくは、不活性雰囲気、例えば窒素下で実施されうる。
好ましくは0.3〜3当量、さらに好ましくは0.5〜1.5当量のカルボン酸と、1当量のトリメチル酢酸ハロゲン化物とを反応させる。
この第2工程は、好ましくは、第1工程と同じ有機溶媒であってよい有機溶媒中で実施される。この溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ピリジン又はトルエン、及びそれらの混合物でありうる。
混合無水物は、好ましくは反応前の前記有機溶媒に溶解される。
好ましくは、0.5〜1.5、特に0.9〜11、さらに好ましくは1当量の混合無水物と、3当量のグルコースとを反応させる。
少なくとも3当量のグルコースが、第1工程で反応した酸又は酸の混合物に対して使用される。
反応は、−25℃〜+100℃、好ましくは0℃〜+60℃、さらに好ましくは20〜25℃の温度で、1〜30時間、特に2〜15時間の継続時間で実施されうる。
反応後、溶媒を、例えば蒸発、遠心分離又は濾過により、所望の化合物から分離する。
結果として得られた生成物を、任意の公知の方法、例えば、水/有機溶媒の混合物と共に、蒸留、シリカゲルカラムでのクロマトグラフィー、沈殿及び/又は抽出することにより精製することができる。
グルコース分子当たりの6位におけるエステル官能基の数とエステル官能基の全数との比率は、一般的に55%〜95%、特に60%〜80%、好ましくは68%〜75%である。
本発明のグルコースから誘導されたO-アシル生成物は、特に、生理学的に許容可能な媒体をさらに含有する組成物又は該組成物の調製に使用される。この組成物は、特に化粧品的に許容可能な媒体を含有する化粧品用組成物の形態、又は製薬的に許容可能な媒体を含有する製薬用組成物の形態をしていてもよい。
一般的に、この量は、組成物の全重量に対して0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
それは、一般的に無水又は水性でありうる。
「無水媒体」なる用語は、1重量%未満の水分を含有する溶媒媒体を意味する。この媒体は、特にC1-C4アルコール類、例えばエタノール;アルキレングリコール類、例えばプロピレングリコール;アルキレングリコール又はジアルキレングリコールアルキルエーテルで、アルキル又はアルキレン基が1〜4の炭素原子を有するものから選択される有機溶媒、又は有機溶媒の混合物からなりうる。
「水性媒体」なる用語は、水、又は特に上述した有機溶媒から選択される他の生理学的に許容可能な溶媒と水の混合物からなる媒体を意味する。後者の場合、これらの他の溶媒は、組成物の約5重量%〜95重量%でありうる。
− 毛髪の再成長及び/又は抜毛の妨害に対する活性を改善し、この活性が既に記載されている化合物、例えばニコチン酸エステル、特にニコチン酸トコフェリル、ニコチン酸ベンジル及びニコチン酸C1-C6アルキル、例えばニコチン酸メチル又はニコチン酸ヘキシル;ピリミジン誘導体、例えば米国特許第4139619号及び米国特許第4596812号に記載されている2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン-3-オキシドすなわち「ミノキシジル」;ピリミジン-3-オキシド誘導体、例えば国際公開第92/01437号又は国際公開第96/09048号に記載されているもの、特に「アミネキシル(Aminexil)」又は2,4-ジアミノピリミジン-3-N-オキシド;
− 抗菌剤、例えばマクロライド類、ピラノシド類及びテトラサイクリン類、特にエリスロマイシン;
− カルシウムアンタゴニスト、例えばシンナリジン、ジルチアゼム、ニモジピン及びニフェジピン;
− ホルモン類、例えばエストリオールとその類似体、ビタミンDとその類似体、又はチロキシン及びその塩;
− ステロイド性又は非ステロイド性の抗炎症剤、例えばコルチコステロイド類(例えば:ヒドロコルチゾン);
− 抗アンドロゲン剤、例えばオキセンドロン、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロール及びフルタミド;
− ステロイド性又は非ステロイド性の5-α-レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステライド、又は4,6-ジメトキシインドール-2-カルボン酸又は欧州特許第1068858号に記載されているその誘導体;
− カリウムアゴニスト、例えばクロマカリン及びニコランジル;
− レチノイドRXRレセプターのアゴニスト及びレチノイドのアンタゴニスト;
− OH基捕捉剤、例えばジメチルスルホキシド;
− ペプチド類、例えばトリペプチドLys-Pro-Val、より一般的にはα-MSHとその誘導体;
− 抗フケ剤又は抗真菌剤、例えばジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、セレニウムジスルフィド、トロポロン、ヒノキチオール、特に欧州特許第0728478号に記載されているヒノキチオール-亜鉛及びヒノキチオール-銅の錯体、及び二価の金属錯体、例えば仏国特許第01/03309号に記載されているもの、
− フリーラジカル捕捉剤;抗脂漏剤;駆虫剤;抗ウイルス剤;抗掻痒剤;
を組成物に添加することができる。
これらのアジュバントの種類及び量は、組成物の所望の提供形態を得るために、当業者によりその一般的な知識に基づき選択される。いずれの場合においても、当業者は本発明の組成物の有利な特性が考慮される添加により悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、任意の付加的な化合物及び/又はその量を選択するであろう。
本発明で使用可能な乳化剤としては、例えば、ステアリン酸グリセリル、ポリソルベート60、及びガッテフォセ社(Gattefosse)からテフォース(Tefose)63の名称で販売されているPEG-6/PEG-32/ステアリン酸グリコールの混合物を挙げることができる。
本発明で使用可能な親水性のゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー[カーボマー(carbomer)]、アクリルコポリマー、例えばアクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー、ポリアクリルアミド、多糖類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガム及びクレーを挙げることができ、親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム、及び疎水性シリカ、エチルセルロース及びポリエチレンを挙げることができる。
また、使用され得る親油性の化粧品用又は製薬用活性剤には、レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、必須脂肪酸、セラミド、精油、及びサリチル酸及びその誘導体が含まれる。
特に組成物は、水性又は油性の溶液、ローション又はセラム型の分散液;ミルク型の液体又は半液体状のコンシステンシーのエマルション、油中水型、水中油型又は多相エマルション;水性又は無水クリーム又はゲル型の希薄なコンシステンシーのエマルション又は懸濁液;マイクロカプセルもしくは微小粒子;イオン性及び/又は非イオン性の小胞分散液の形態とすることができる。また、水性、アルコール又は水性-アルコール溶液の形態、又はクリーム、ゲル、エマルション又はムースの形態、又は加圧下で噴霧剤をさらに含有するエアゾール組成物の形態で使用することもできる。
また本発明の組成物は、個人の脱毛症領域に適用され、場合によっては数時間接触状態に保たれ、場合によってはすすがれる。
例えば、本発明の生成物を有効量含有する組成物を夕方適用し、一晩中接触したまま保ち、場合によっては、朝、シャンプーで洗浄することもできる。
この処理方法は、頭髪及び/又は他の毛髪をより生き生きとさせ、及び/又は毛髪の外観を改善することにより、頭髪及び/又は他の毛髪の審美性を高めることが可能であるので、美容方法の特徴を示している。
これらの実施例においては、化合物6-O-オクタデカ-9-エノイル-D-グルコピラノース及び6-O-ヘキサデカノイル-D-グルコピラノースを、欧州特許第485251号に記載の方法に従って調製した。
化合物6-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノース及び6-O-オクタデカノイル-D-グルコピラノースは文献に記載されている。
500mlの三口フラスコにおいて、17mlのトリメチルアセチルクロリドを100mlのテトラヒドロフランで希釈し;100mlのテトラヒドロフランに予め溶解させておいた19.3mlのトリエチルアミンと37.3gのビタミンFの混合物を、不活性雰囲気下、0℃で添加し;混合物を1時間攪拌し、ついで生じた塩を濾過して溶液にした。
2リットルの三口フラスコにおいて、96gのD-グルコースを1.15リットルのピリジンに溶解し、不活性雰囲気下、室温で、上述した溶液をそこに添加した。混合物を一晩攪拌した。
反応媒体を、真空下、所定の乾燥度になるまで蒸発させて、ピリジンを除去し、得られたペーストを抽出し(水/有機溶媒の混合物)、回収された有機相を乾燥し、濾過して蒸発させた。
1H NMRスペクトル(DMSO) 200MHz:δ(ppm):0.85;1.23;1.50;2.00;2.26;2.73;3.03;3.13;3.40;3.76;3.97;4.25;4.53;4.76;4.89;5.04;5.23;6.34。
13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHz:δ(ppm):13.95;22.12;24.48;25.23;26.62;28.46〜29.08;31.32;33.44;63.91;69.14;70.57;72.19;72.86;92.30;127.77;129.73;172.92。
1H及び13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHzは、予想した構造と一致した。
300mlの無水トルエンに溶解した20gのビタミンFを、窒素雰囲気下、500mlの丸底フラスコに入れ、そこに3滴のDMFを添加し、反応を触媒した。ついで、12.6mlの塩化オキサリルを滴下し(ガスの放出)、混合物を25℃で3時間攪拌した。反応媒体を最大限濃縮し、ついで200mlのジクロロメタンで希釈した。このようにしてビタミンF塩化物が得られ、これを次の工程に使用した。
氷冷浴を使用し、温度を約10℃に維持した。
温度を約10℃に保持しつつ、上述した200mlのビタミンF塩化物を滴下して加えた。ついで反応媒体を、室温で2時間攪拌した。
得られたペースト状の混合物を200mlのジクロロメタンを添加することにより希釈した。ついで、結果得られた混合物を数回洗浄し:(i)蒸留水を添加し、上部水溶液を除去し、(ii)1Nの塩酸を添加し、水相を除去し、(iii)蒸留水を添加し、水相を除去した。
高粘度でライトブラウン色の油が得られ、これを350mlの水/トリフルオロ酢酸の混合物に溶解させ(11×10−3mol/リットル)、室温で1時間放置した。混合物を濃縮し、ついで100mlのトルエンに5回取り上げた。残渣をシリカゲルで精製した。
黄色のパウダーの形態をした化合物が12g得られた。
13C NMR(DMSO) 200MHz:δ(ppm):60.76;63.82;92.10;92.24;96.75;96.86。
1H及び13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHzは、予想した構造と一致した。
200mlのジクロロメタンに溶解した29.6gのジアセトン-D-グルコース、及び26mlのトリエチルアミンを、窒素雰囲気下で、濃縮器及び滴下漏斗を搭載した500mlの三口フラスコに入れた。
氷冷浴を使用し、温度を約10℃に維持した。
温度を約10℃に保持しつつ、200mlのオクタデカ-9,12-ジエノイン酸(リノール酸)を滴下して加えた。ついで反応混合物を、室温で2時間攪拌した。
得られたペースト状の混合物を200mlのジクロロメタンを添加することにより希釈した。ついで、結果得られた混合物を数回洗浄し:(i)蒸留水を添加し、上部水溶液を除去し、(ii)1Nの塩酸を添加し、水性相を除去し、(iii)蒸留水を添加し、水性相を除去した。
高粘度でライトブラウン色の油が21g得られ、これを350mlの水/トリフルオロ酢酸の混合物に溶解させ(11×10−3mol/リットル)、室温で1時間放置した。混合物を濃縮し、ついで100mlのトルエンに5回取り上げた。残渣をシリカゲルで精製した。
黄色の油の形態をした化合物が10.8g得られた(収率64%)。
1H及び13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHzは、予想した構造と一致した。
過度の抜毛に至るプロセスの進行を妨害するための一つの解決法は、ロイコトリエン等の、5-リポキシゲナーゼ経路から誘導される媒介物の合成を阻害する目的で、化粧品用活性剤を使用することであることが知られている。リポキシゲナーゼインヒビターは、これらの活性剤の範疇に入る。
よって、精製された大豆-15-リポキシゲナーゼの阻害における本発明の化合物の効果をテストするが、ここで大豆-15-リポキシゲナーゼは、ヒト5-リポキシゲナーゼの予測モデルとして一般的に使用される研究用モデルである。
− 100mM、pH7.5のトリスバッファー溶液の調製
− pH7.5、100mMのトリスバッファーにおける精製された大豆-15-リポキシゲナーゼL1(0.20mg/ml)の懸濁液の調製;氷中で保管;
− 磁気攪拌システムを装備し、サーモスタット制御により25℃に維持されたオキシメーター、タンクの補正;
− 7.5mM濃度のアラキドン酸カリウムの水性-アルコール溶液(無水エタノール/水、5/95、v/v)の調製;
− ジメチルスルホキシド(DMSO)における、30mM濃度のテスト用化合物溶液の調製;
− 攪拌しつつ、オキシメータータンクへの、456.6μlバッファー溶液、16.7μlのアラキドン酸カリウム溶液、及び16.7μlのテスト用化合物溶液又は「対照」測定の場合においては16.7μlのDMSOの導入。
酸素消費の最大率(Vmax)を記録した。
種々のVmax値を対照のものと比較し、その結果を%として表した。テストを10回繰り返し、これら10回のテストの平均を決定した。
次の化合物をテストした:
A:6-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノース
B:6-O-オクタデカ-9-エノイル-D-グルコピラノース
C:6-O-オクタデカノイル-D-グルコピラノース
D:6-O-ヘキサデカノイル-D-グルコピラノース
E:3-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノース
F:ビタミンFのグルコースエステル(主として6位がエステル)
G:ビタミンFのグルコースエステル(主として3位がエステル)
この能力は、グルコースエステル、及び飽和又は不飽和のC18酸、さらには飽和したC16エステルのものよりも大きかった。
しかしながら、特に驚くべきことは、この「C16エステル+C18エステル」の混合物が、C18エステル単独よりも活性が低いと予測されることである。
本発明の化合物の安定性を評価した(エステルを加水分解することにより測定した)。
エタノール/イソプロパノール/水の混合物(64/16/20容量)に、0.1重量%の化合物を含有する溶液を調製した。これらの溶液をサーモスタット制御により45℃に維持されたチャンバー内にて2ヶ月放置した。
ついで、加水分解したグルコピラノースリノレアートのパーセンテージを、HPLCで測定した。
さらに、ビタミンF及びグルコースの6位におけるエステルの安定性は、3位がエステル化された同様のエステルよりもわずかに良好であった。
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例1の化合物 0.05g
−エタノール 60g
−香料、着色料 適量
−脱塩水 全体を100gにする量
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 0.5g
−カーボマー 0.25g
−トリエタノールアミン pH=7にする量
−防腐剤 適量
−脱塩水 全体を100gにする量
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例1の化合物 1g
−プロピレングリコール 10g
−イソプロパノール 全体を100gにする量
このローション1mlを、1日に1回又は2回の割合で適用する。
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 2g
−プロピレングリコール 30g
−エタノール 40.5g
−水 全体を100gにする量
このローションを、1日に1回又は2回、適用1回当り1mlの割合で適用する。
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 1g
−プロピレングリコールモノメチルエーテル
[ダウ社(Dow)のドワノール(Dowanol)PM] 20g
−ヒドロキシプロピルセルロース
[ハーキュレス社(Hercules)のクリューセル(Klucel)G] 3g
−エタノール 40g
−水 全体を100gにする量
この増粘ローションを、1日に1回又は2回、適用1回当り1mlの割合で適用する。
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例1の化合物 0.2g
−ピリミジン-3-オキシド(アミネキシル)誘導体 1.5g
−水 全体を100gにする量
次のものを含有するシャンプーを調製した:
−実施例1の化合物 1.2g
−サリチル酸 2g
−ポリグリセリル-3-ヒドロキシラウリルエーテル 26gA.M.
−ヒドロキシプロピルセルロース 2g
(ハーキュレス社のクリューセルG)
−防腐剤 50g
−トリエタノールアミン pHを7.5にする量
−水 全体を100gにする量
このシャンプーを頭髪当たり10gの割合で、1分オーダーの作用時間で毎日使用し、2週間以上適用した。掻痒感の急激な低下、及びフケ症の著しい改善が観察された。
次のものを含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 0.3gA.M.
−オクトピロックス(ピロクトンオラミン) 0.2g
−エタノール 30gA.M.
−水 全体を100gにする量
この溶液を6mlの割合で毎日適用し、1〜2週間適用した。フケ症の著しい改善が観察された。
6.02gのトリメチルアセチルクロリドと50mlのテトラヒドロフランを250mlの三口フラスコに入れた。50mlのテトラヒドロフランで希釈された5.05gのトリエチルアミンと14.1gのオレイン酸の混合物を、不活性雰囲気下、0℃でゆっくりと添加した。混合物を1時間攪拌し、ついで形成した塩を濾過して溶液にした。
1リットルの三口フラスコにおいて、36gのグルコースを400mlのピリジンに溶解し、不活性雰囲気下、室温で、上述した溶液をそこに添加し;一晩攪拌し続けた。
反応媒体を、真空下、所定の乾燥度になるまで蒸発させて、ピリジンを除去し、得られたペーストを抽出し(水/有機溶媒の混合物)、回収された有機相を乾燥し、濾過して蒸発させた。
白色固体状のO-オレオイルグルコースが19.5g得られた(収率87%)。
13C NMRと質量スペクトル分析は予想した構造と一致した。
6.02gのトリメチルアセチルクロリドと50mlのテトラヒドロフランを250mlの三口フラスコに入れた。50mlのテトラヒドロフランで希釈された5.05gのトリエチルアミンと14gのリノール酸の混合物を、不活性雰囲気下、0℃でゆっくりと添加した。混合物を1時間攪拌し、ついで形成した塩を濾過して溶液にした。
1リットルの三口フラスコにおいて、36gのグルコースを400mlのピリジンに溶解し、不活性雰囲気下、室温で、上述した溶液をそこに添加し;一晩攪拌し続けた。
反応媒体を、真空下、所定の乾燥度になるまで蒸発させて、ピリジンを除去し、得られたペーストを抽出し(水/有機溶媒の混合物)、回収された有機相を乾燥し、濾過して蒸発させた。
黄色のペースト状のO-リノレオイルグルコースが18.7g得られた(収率82%)。
6-O-リノレオイルグルコースの収率は62%であった。
13C NMRと質量スペクトル分析は予想した構造と一致した。
Claims (9)
- アシル残基-CORが、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、ヘキサデカノイル、ステアロイル、パルミトレオイル、オレオイル、リノレオイル又はリノレノイル残基、又はこれらの残基の混合物である、請求項1に記載の方法。
- カルボン酸が、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ヘキサデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、及びそれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
- 第1工程及び/又は第2工程の反応が、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、ピリジン又はトルエン、及びそれらの混合物等の有機反応溶媒中で行われる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
- 第1工程の反応が、トリエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、トリブチルアミン及びN-メチルモルホリン、及びそれらの混合物から選択される塩基の存在下で行われる、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
- 0.3〜3当量のカルボン酸と、1当量のトリメチルアセチルハロゲン化物とを反応させる、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
- 0.5〜1.5当量の混合無水物と、3当量のグルコースとを反応させる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
- 式(Ia)の化合物において、グルコース分子当たりの6位におけるエステル官能基の数とエステル官能基の全数との比率が、55%〜95%である、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
- 6-O-オクタデカ-9,12-ジエノイル-D-グルコピラノース;6-O-オクタデカ-9-エノイル-D-グルコピラノース;6-O-オクタデカノイル-D-グルコピラノース;6-O-ヘキサデカノイル-D-グルコピラノース;及びそれらの混合物を調製するためのものである、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の方法。
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