JP2004018526A - ビタミンfとグルコースの誘導体、それを含有する組成物、用途及び調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グルコースのヒドロキシル基とビタミンFを部分的又は全体的にエステル化することにより得られる、グルコースから誘導されるO−アシル生成物を使用し、これを適切な媒体に含有せしめて組成物とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルコースの新規なO−アシル誘導体、特に抜毛に抗するための化粧品又は医薬におけるその使用、及びそれを含有する組成物、特に化粧品用又は製薬用組成物に関する。また、本発明は、グルコース誘導体を調製するための新規の方法に関し、該誘導体は主としてグルコースの6位がO−アシル化される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ヒトの毛髪の成長とその再生は、主として毛髪の小胞の活動とその真皮表皮(dermo−epidermal)環境によって決まる。それらの活動は周期的で、本質的に3つの段階、つまり成長期、退行期及び休止期からなる。
活性な成長期あるいは成長段階は、数年間続いてその間に毛髪が伸長するが、その次の非常に短く一時的である退行期は数週間続き、ついで、休止期と称される休止段階になり、これが数カ月続く。
【0003】
休止期間の終わりに、毛髪が抜け落ちて新しいサイクルが始まる。毛髪はこのように絶えず常に再生されており、頭髪をつくる約150000本のうちの約10%が常に休止していて数カ月で生え替わる。
非常に多くの場合、遺伝的に抜毛の起こりやすい個人において、時期尚早の抜毛が生じ、特に男性がその影響を受ける。このことは特に雄性発生又はアンドロゲン性脱毛症、あるいはアンドロゲン発生(androgeno−genetic)脱毛症に関係している。
この脱毛症は、本質的に毛髪の再生障害によるもので、最初の段階で毛髪の質、次に毛髪の量が犠牲になって、サイクル周期が加速されることになる。うぶ毛の段階のいわゆる「末期」毛の退行によって、頭髪が徐々に薄くなる。特に、男性では、いくつかの領域、特に側頭又は前頭部、及び後頭骨上部が影響を受けやすく、女性では、主として頭頂部に散らばった脱毛症がみられる。
【0004】
化粧品工業においては、脱毛症の影響を抑制又は低減し、特に頭髪及び/又は他の毛髪の成長を誘発又は刺激するか、又は抜毛を減少又は遅延化させ得る物質を、長年にわたって探求している。
この点において、非常に多数のかなり多様な活性剤、例えば2,4−ジアミノ−6−ピペリジノピリミジン−3−オキシド、すなわち「ミノキシジル」、及びその多数の誘導体が提案されている。
また、ウロン酸残基とヘキソサミン残基からなる少なくとも1つの二糖類単位を有するオリゴ糖類が、特に欧州特許第211610号において提案されている。
【0005】
国際公開第93/02657号は、アルキルポリグリコシド型の化合物及び/又はグルコースのO−アシル誘導体により、特に毛髪の成長を誘発及び刺激し、抜毛を減少させることができることを教示している。前記特許出願には、特に化粧品又は製薬において、毛髪の成長を刺激し、又は抜毛に抗するために、特に次の式:
【式4】
[上式中、Rは飽和又は不飽和で直鎖状であり、7〜19の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖である]
に相当する誘導体を使用することが記載されている。
前記公報には、とりわけ、アシル残基RCO−が、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、ヘキサデカノイル、ステアロイル、オレオイル、リノレオイル又はリノレノイル残基である誘導体の使用が記載されている。
特に記載され実施例として付与されている基はオクタノイル及びオレオイル基である。
【0006】
一般的に、化粧品分野に使用され、好ましくはより活性で及び/又は毒性の低い可能性のある、既に公知のもの以外の活性化合物を入手できるようにすることは、なおも有利で有用なことである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
多くの研究を行ったところ、本出願人は、驚くべきことに、また予期しないことに、かなり特定の新規な生成物であるグルコースのO−アシル誘導体が、毛髪のコンディションを改善し、特に頭髪及び/又は他の毛髪の抜毛を減少及び/又は妨害し、及び/又は毛髪の成長を誘発及び/又は刺激するために使用することを正当化できる顕著な特性を有していることを見出した。
特に、本発明の生成物は、ヒトの体内に生来存在している必須脂肪酸誘導体から主としてなるという利点を有する。
また、この生成物は、それを含有するフリーの脂肪酸よりも経時的に安定している。
最後に、工業的レベルで比較的安価に合成することが容易である。
【0008】
よって、本発明の主題の一つは、グルコースのヒドロキシル基とビタミンFを部分的又は全体的にエステル化することにより得られうる、グルコースから誘導されるO−アシル生成物にある。
本発明の他の主題は、生理学的に許容可能な媒体に、上述した少なくとも1つの生成物を含有せしめてなる組成物にある。
また本発明の他の主題は、上述した化粧品用組成物を頭髪及び/又は他の毛髪に適用する、頭髪及び/又は他の毛髪の美容処理方法にある。
【0009】
本発明の他の主題は、上述した生成物を有効量含有する化粧品用組成物を頭髪又は他の毛髪に適用し、頭髪及び/又は他の毛髪に接触させて放置し、場合によってはすすぐ、頭髪及び/又は他の毛髪の美容処理方法にある。
さらに本発明の他の主題は、頭髪及び/又は他の毛髪のコンディションを改善し、特に頭髪及び/又は他の毛髪の抜毛を減少及び/又は妨害し、及び/又は毛髪の成長を誘発及び/又は刺激することを意図した組成物、特に製薬用組成物の調製における、上述した少なくとも1つの生成物の使用にある。
【0010】
当業者であれば、脂肪物質、特にアマニ油、ヒマワリ油又はベニバナ油に生来存在する化合物であるビタミンFが、主としてC12〜C20の脂肪酸の混合物からなることを知っている。
例えば、ビタミンFは一般的に:
− 75〜80重量%のリノール酸、
− 10〜15重量%のオレイン酸、
− 4〜8重量%のパルミチン酸、
− 0.5〜3重量%のステアリン酸、及び
− 0〜10重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸(lauroleic acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及びリノレン酸から選択される一又は複数の他の酸、
(重量%)からなると考えられている。
【0011】
よって、ビタミンFのエステル化により得られうる本発明の生成物は、それ自体、この反応中に生成される、種々の酸の存在下で誘導される、異なるエステルの混合物からなることになる。
さらに、グルコースはエステル化反応中に反応可能な5つの部位を有しているため、よって本発明の生成物は、グルコースの種々の位置で形成されるエステルの混合物を含む。
最後に、本発明の組成物は、形成されるモノエステル及びジエステルの混合物も含む。
よって、本明細書において「本発明の生成物」なる表現は、グルコースとビタミンFのエステル化反応中に形成される全てのモノエステル又はジエステルからなる混合物を意味する。
【0012】
しかして、本発明の生成物は、主として、次の式(I):
【式5】
[上式中、
R1、R2、R3、R4及びR5は互いに独立して、水素又はRが飽和又は不飽和で直鎖状であり、11〜21の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖を表す−CO−R基を示し、但しR1ないしR5基の少なくとも1つは水素以外である]により表されうる化合物の混合物を含む。
グルコース分子当たりのエステル化された生成物のエステル官能基の数と当初のヒドロキシル官能基の比率、すなわちエステル化度は、好ましくは0.2〜1、特に0.2〜0.6、中でも0.21〜0.4である。
さらに、グルコースは好ましくは、1位、2位、3位及び/又は6位でエステル化される。好ましくは、グルコースは主として1位及び/又は6位でエステル化される。
グルコース分子当たりの6位におけるエステル官能基の数とエステル官能基の全数の比率は、好ましくは0.55〜1、特に0.70〜0.98、中でも0.90〜0.97である。
【0013】
本発明の生成物は、グルコースとリノール酸の少なくとも1つのエステル、特にモノエステル;グルコースとオレイン酸の少なくとも1つのエステル、特にモノエステル;グルコースとパルミチン酸の少なくとも1つのエステル、特にモノエステル;及びグルコースとステアリン酸の少なくとも1つのエステル、特にモノエステルを含みうる。
また、グルコースの少なくとも1つのエステル、特にモノエステル、及びグルコースとラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸の一又は複数のエステルも含みうる。
さらに、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースの少なくとも1つのジエステルをさらに含みうる。
【0014】
よって、好ましくは、本発明の生成物は、一般的に、全ての位置を併せて考えて、
− 40〜80重量%、好ましくは60〜75重量%、特に68〜72重量%の、リノール酸とグルコースのモノエステル、
− 10〜20重量%、好ましくは12〜17重量%、特に14〜15重量%の、オレイン酸とグルコースのモノエステル、
− 5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%、特に9〜12重量%の、パルミチン酸とグルコースのモノエステル、
− 0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%、特に2〜4重量%の、ステアリン酸とグルコースのモノエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸とグルコースの一又は複数のモノエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースのジエステル、
を含む。
【0015】
特に、本発明の生成物は:
− 40〜80重量%、好ましくは60〜75重量%、特に68〜72重量%の、主として6−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース、1−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース、2−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース及び/又は3−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノースを含有するリノール酸とグルコースのエステル、− 10〜20重量%、好ましくは12〜17重量%、特に14〜15重量%の、主として6−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース、3−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース、1−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース及び/又は2−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノースを含有するオレイン酸とグルコースのエステル、
− 5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%、特に9〜12重量%の、主として6−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース、3−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース、1−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース及び/又は2−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノースを含有するパルミチン酸とグルコースのエステル、
− 0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%、特に2〜4重量%の、主として6−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース、3−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース、1−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース及び/又は2−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノースを含有するステアリン酸とグルコースのエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸とグルコースの一又は複数のエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースのジエステル、
を含んでいてもよい。
【0016】
エステル化反応は、特に、任意の公知の方法に従って行うことができる。合成は、特に、Reinfeldら, 「Die Staerke」, 第6号, 181−189頁、1968に記載された方法に従い、D−グルコースと酸塩化物(ビタミンF塩化物)から出発して実施することができる。
特に、ラウリン酸とD−グルコースをエステル化するいくつかの方法が、Reinfeldら, 「Die Staerke」, 第6号, 181−189頁、1968のレビューに記載され、比較されている。
【0017】
グルコースをアシル化するための薬剤として、酸塩化物、酸イミダゾリド類、カルボキシル−カルボニック混合無水物(carboxylic−carbonic mixed anhydrides)及びカルボン酸無水物を使用することが提案されている。エステル交換反応の場合には、使用される薬剤は酸のメチル又はエチルエステルである。
最も高い収率を得ることができる方法は、酸塩化物を使用するアシル化であることが前記文献から明らかである。例えば、塩化ラウロイルを用いると、モノエステルを36%含有するモノエステルとジエステルの混合物が、収率49%で得られる。
この方法は、特に欧州特許第0485251号において使用されており、例えば塩化オレイルで、40%の収率で6−O−アシルグルコースが得られる。
しかしながら、適切な酸塩化物を得ることが、必ずしも容易であるとはかぎらない。工業用の酸塩化物がない場合は、他の方法を使用することが必要となる。
【0018】
酸イミダゾリド類を使用してアシル化すると、全収率22%でモノエステル及びジエステルの混合物になり、ラウリン酸イミダゾリドを使用した場合は、モノエステル単独で9%の収率になる。
真の無水物の形成によりグルコースをアシル化することで、モノエステルとジエステルの混合物では全収率46%の、またモノエステルの生成では28%の所望の化合物が得られる。
しかしながら、この方法は、比較的純粋な最終生成物を得るために、除去することが必要な、フリーの脂肪酸を生じる。
ところが、この除去は、不純物の性質を考慮すると、時折困難であることがわかる。さらに、不必要にプロセスが長くなり、さらなるコストを生じる中間の精製工程を回避することが一般的に探求されているが、このことは工業的プロセスとは相容れないものであった。
【0019】
考えられる方法、選択されるアシル化剤及び/又は各試薬の割合にかかわらず、グルコースをアシル化することで常に、共存反応生成物としてD−グルコピラノース−6−エステル、さらにD−グルコピラノース−1,6−ジエステル及びD−グルコピラノース−2,6−ジエステルを同定可能である混合物が生成されることがわかった。
よって、また工業的レベルで素早く容易にこれらの化合物を生成可能で所望の生成物を高収率で生じる、グルコースのO−アシル誘導体の新規の合成経路がなおも必要とされている。
【0020】
また、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、最小収率約70%でグルコースのO−アシル誘導体の調製を可能にする方法を提案することにある。
さらに、この新規な方法により、主として6位におけるグルコースエステルを選択的に得ることができることがわかった。
加えて、この方法では、工業的な酸塩化物を使用することができる。
【0021】
よって本発明の主題は、次の式(Ia):
【式6】
[上式中、Rは飽和又は不飽和、直鎖状又は分枝状であり、7〜21の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖である]
の、主としてグルコースの6位におけるO−アシル誘導体を調製する方法であって、
− 第1工程において、Xが、好ましくは塩素又は臭素を表す、式X−C(O)−C(CH3)3のトリメチル酢酸ハロゲン化物と、式R−COOHのカルボン酸とを反応させることにより、次の式(II):
【式7】
の混合無水物を調製し、
− 第2工程において、グルコースと、形成した前記混合無水物とを反応させる、
ことを含む方法である。
【0022】
本発明の主題の方法により、特に単独又は混合物として、式(Ia)で表されるような、主として6位におけるグルコースのO−アシル誘導体を調製することができる。また本発明の方法により、特に、ビタミンFとグルコースの部分的又は全体的なエステル化により得られうる、グルコースから誘導されるO−アシル生成物を調製することができる。
【0023】
好ましくは、R基は飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状であり、11〜17の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖である。
アシル残基−CORは特に、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、ヘキサデカノイル、ステアロイル、パルミトレオイル、オレオイル、リノレオイル又はリノレノイル残基であってよい。
【0024】
よって本発明の方法は、第1工程において、Xが、好ましくは塩素又は臭素を表す、式X−C(O)−C(CH3)3のトリメチル酢酸ハロゲン化物と、式R−COOHのカルボン酸とを反応させることにより、式(II)の混合無水物を調製することからなる。
使用可能なカルボン酸としては、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ヘキサデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸、及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0025】
反応スキームは次のようなものである:
【式8】
反応は、有機反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジン又はトルエン、及びそれらの混合物中で行われうる。
また好ましくは、不活性雰囲気、例えば窒素下で実施されうる。
【0026】
カルボン酸又は対応するカルボキシラートを活性化するために使用される塩基は直接使用され得;この塩基は、好ましくは、特にトリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリブチルアミン及びN−メチルモルホリン、及びそれらの混合物から選択される有機塩基である。反応は、−25℃〜+40℃、好ましくは−10℃〜+10℃の温度で、5分〜5時間、特に30分〜3時間の継続時間で実施される。
好ましくは0.3〜3当量、さらに好ましくは0.5〜1.5当量のカルボン酸と、1当量のトリメチル酢酸ハロゲン化物とを反応させる。
【0027】
本方法の第2工程であるエステル化工程において、前記混合無水物をグルコースと反応させる。この第2工程は、場合によっては、第1工程中におそらくは形成される塩を吸引濾過した後に実施してもよい。
この第2工程は、好ましくは、第1工程と同じ有機溶媒であってよい有機溶媒中で実施される。この溶媒は、例えばテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジン又はトルエン、及びそれらの混合物でありうる。
混合無水物は、好ましくは反応前の前記有機溶媒に溶解される。
【0028】
好ましくは、グルコースは、予め、ピリジン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン及び/又はジメチルアセトアミド等の溶媒に溶解される。
好ましくは、0.5〜1.5、特に0.9〜11、さらに好ましくは1当量の混合無水物と、3当量のグルコースとを反応させる。
少なくとも3当量のグルコースが、第1工程で反応した酸又は酸の混合物に対して使用される。
反応は、−25℃〜+100℃、好ましくは0℃〜+60℃、さらに好ましくは20〜25℃の温度で、1〜30時間、特に2〜15時間の継続時間で実施されうる。
反応後、溶媒を、例えば蒸発、遠心分離又は濾過により、所望の化合物から分離する。
結果として得られた生成物を、任意の公知の方法、例えば、水/有機溶媒の混合物と共に、蒸留、シリカゲルカラムでのクロマトグラフィー、沈殿及び/又は抽出することにより精製することができる。
【0029】
このような本発明の方法により、工業的に達成可能な形で、単独又は混合物として、主として6位におけるグルコースのO−アシル誘導体を調製することができる。特に、本発明の方法に従い、次の化合物:6−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース;6−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース;6−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース;6−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース;及びそれらの混合物を調製することができる。
【0030】
一般的に、本発明の方法により、グルコースは主として6位でエステルされ、また1位及び/又は2位及び/又は3位でエステル化されることがわかった。
グルコース分子当たりの6位におけるエステル官能基の数とエステル官能基の全数との比率は、一般的に55%〜95%、特に60%〜80%、好ましくは68%〜75%である。
本発明のグルコースから誘導されたO−アシル生成物は、特に、生理学的に許容可能な媒体をさらに含有する組成物又は該組成物の調製に使用される。この組成物は、特に化粧品的に許容可能な媒体を含有する化粧品用組成物の形態、又は製薬的に許容可能な媒体を含有する製薬用組成物の形態をしていてもよい。
【0031】
本発明の組成物に使用される生成物の量は、特に組成物の性質及び/又は所望する効果に基づき、当業者により容易に決定される。
一般的に、この量は、組成物の全重量に対して0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0032】
本発明の生成物に使用される生理学的、化粧品的又は製薬的に許容可能な媒体は、当業者により容易に決定されるであろう。それはケラチン物質、例えばまつげ、眉毛、頭髪及び/又は他の毛髪への塗布に適合した媒体である。
それは、一般的に無水又は水性でありうる。
「無水媒体」なる用語は、1重量%未満の水分を含有する溶媒媒体を意味する。この媒体は、特にC1−C4アルコール類、例えばエタノール;アルキレングリコール類、例えばプロピレングリコール;アルキレングリコール又はジアルキレングリコールアルキルエーテルで、アルキル又はアルキレン基が1〜4の炭素原子を有するものから選択される有機溶媒、又は有機溶媒の混合物からなりうる。
「水性媒体」なる用語は、水、又は特に上述した有機溶媒から選択される他の生理学的に許容可能な溶媒と水の混合物からなる媒体を意味する。後者の場合、これらの他の溶媒は、組成物の約5重量%〜95重量%でありうる。
【0033】
本発明の誘導体と組合せて、一又は複数の化粧品用又は製薬用の活性剤、例えば特に:
− 毛髪の再成長及び/又は抜毛の妨害に対する活性を改善し、この活性が既に記載されている化合物、例えばニコチン酸エステル、特にニコチン酸トコフェリル、ニコチン酸ベンジル及びニコチン酸C1−C6アルキル、例えばニコチン酸メチル又はニコチン酸ヘキシル;ピリミジン誘導体、例えば米国特許第4139619号及び米国特許第4596812号に記載されている2,4−ジアミノ−6−ピペリジノピリミジン−3−オキシドすなわち「ミノキシジル」;ピリミジン−3−オキシド誘導体、例えば国際公開第92/01437号又は国際公開第96/09048号に記載されているもの、特に「アミネキシル(Aminexil)」又は2,4−ジアミノピリミジン−3−N−オキシド;
− 抗菌剤、例えばマクロライド類、ピラノシド類及びテトラサイクリン類、特にエリスロマイシン;
− カルシウムアンタゴニスト、例えばシンナリジン、ジルチアゼム、ニモジピン及びニフェジピン;
− ホルモン類、例えばエストリオールとその類似体、ビタミンDとその類似体、又はチロキシン及びその塩;
− ステロイド性又は非ステロイド性の抗炎症剤、例えばコルチコステロイド類(例えば:ヒドロコルチゾン);
− 抗アンドロゲン剤、例えばオキセンドロン、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロール及びフルタミド;
− ステロイド性又は非ステロイド性の5−α−レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステライド、又は4,6−ジメトキシインドール−2−カルボン酸又は欧州特許第1068858号に記載されているその誘導体;
− カリウムアゴニスト、例えばクロマカリン及びニコランジル;
− レチノイドRXRレセプターのアゴニスト及びレチノイドのアンタゴニスト;
− OH基捕捉剤、例えばジメチルスルホキシド;
− ペプチド類、例えばトリペプチドLys−Pro−Val、より一般的にはα−MSHとその誘導体;
− 抗フケ剤又は抗真菌剤、例えばジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、セレニウムジスルフィド、トロポロン、ヒノキチオール、特に欧州特許第0728478号に記載されているヒノキチオール−亜鉛及びヒノキチオール−銅の錯体、及び二価の金属錯体、例えば仏国特許第01/03309号に記載されているもの、
− フリーラジカル捕捉剤;抗脂漏剤;駆虫剤;抗ウイルス剤;抗掻痒剤;
を組成物に添加することができる。
【0034】
またこのリストに、次の化合物:ジアゾキシド、スピロキサゾン(spiroxazone)、リン脂質、例えばレシチン、リノール酸及びリノレン酸;サリチル酸及び仏国特許第2581542号に記載されているその誘導体、例えば、ベンゼン環の5位に2〜12の炭素原子を有するアルカノイル基を担持するサリチル酸誘導体;ヒドロキシカルボン酸又はケトカルボン酸及びそれらのエステル、ラクトン及びその対応塩、アントラリン、カロチノイド類;エイコサテトラエン酸及びエイコサトリエン酸又はそれらのエステル及びアミド;植物もしくは細菌由来の抽出物;を加えてもよい。
【0035】
さらに、生理学的に許容可能な媒体に、考慮される適用分野、特に化粧品分野において通常に使われているアジュバント類、例えば従来技術でよく知られている界面活性剤、乳化剤、親水性又は親油性の増粘剤又はゲル化剤、化粧剤(cosmetic agents)、防腐剤、溶媒、酸化防止剤、UV遮蔽剤、酸性化剤又は塩基性化剤;動物、鉱物、植物又は合成由来の油及び/又はロウ;フィラー、染料、例えば顔料及び/又は着色料を添加してもよい。
これらのアジュバントの種類及び量は、組成物の所望の提供形態を得るために、当業者によりその一般的な知識に基づき選択される。いずれの場合においても、当業者は本発明の組成物の有利な特性が考慮される添加により悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、任意の付加的な化合物及び/又はその量を選択するであろう。
【0036】
本発明で使用可能な油又はロウとしては、鉱物性油(流動ワセリン)、植物性油(カリテバターの液状留分、ヒマワリ油)、動物性油(ペルヒドロスクアレン)、合成油(プルセリン油)、シリコーン油又はロウ(シクロメチコーン)、及びフッ化油(ペルフルオロポリエーテル)、ミツロウ、カルナウバロウ又はパラフィンロウを挙げることができる。脂肪アルコール及び脂肪酸(ステアリン酸)をこれらの油に加えることもできる。
本発明で使用可能な乳化剤としては、例えば、ステアリン酸グリセリル、ポリソルベート60、及びガッテフォセ社(Gattefosse)からテフォース(Tefose)63の名称で販売されているPEG−6/PEG−32/ステアリン酸グリコールの混合物を挙げることができる。
【0037】
本発明で使用可能な溶媒としては、低級アルコール、特にエタノール及びイソプロパノール、及びプロピレングリコールを挙げることができる。
本発明で使用可能な親水性のゲル化剤としては、カルボキシビニルポリマー[カーボマー(carbomer)]、アクリルコポリマー、例えばアクリラート/アクリル酸アルキルのコポリマー、ポリアクリルアミド、多糖類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ガム及びクレーを挙げることができ、親油性のゲル化剤としては、変性クレー類、例えばベントーン、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム、及び疎水性シリカ、エチルセルロース及びポリエチレンを挙げることができる。
【0038】
本発明で使用される組成物は、他の親水性の化粧品用又は製薬用活性剤、例えば、タンパク質又はタンパク質の加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖類及び糖類誘導体、水溶性ビタミン類、植物抽出物及びヒドロキシ酸をさらに含有してもよい。
また、使用され得る親油性の化粧品用又は製薬用活性剤には、レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、必須脂肪酸、セラミド、精油、及びサリチル酸及びその誘導体が含まれる。
【0039】
本発明の組成物は、通常使用される任意の提供形態とすることができる。
特に組成物は、水性又は油性の溶液、ローション又はセラム型の分散液;ミルク型の液体又は半液体状のコンシステンシーのエマルション、油中水型、水中油型又は多相エマルション;水性又は無水クリーム又はゲル型の希薄なコンシステンシーのエマルション又は懸濁液;マイクロカプセルもしくは微小粒子;イオン性及び/又は非イオン性の小胞分散液の形態とすることができる。また、水性、アルコール又は水性−アルコール溶液の形態、又はクリーム、ゲル、エマルション又はムースの形態、又は加圧下で噴霧剤をさらに含有するエアゾール組成物の形態で使用することもできる。
【0040】
さらに本発明の組成物は、ヘアケア用組成物、特にシャンプー、薬用ローション又はクリーム、ヘアセット用ローション、スタイリングクリーム又はゲル;染色用組成物、特に酸化染色用組成物、場合によってはカラーリングシャンプーの形態のもの;毛髪の再生用ローション、パーマネントウエーブ用組成物(特に、パーマネントウエーブ処理の第1工程用の組成物)、抜毛防止用ローション又はゲル、又は駆虫用シャンプーの形態であってもよい。
また本発明の組成物は、個人の脱毛症領域に適用され、場合によっては数時間接触状態に保たれ、場合によってはすすがれる。
例えば、本発明の生成物を有効量含有する組成物を夕方適用し、一晩中接触したまま保ち、場合によっては、朝、シャンプーで洗浄することもできる。
【0041】
さらに本発明の主題は、本発明の生成物を有効量含有する化粧品用組成物を、頭髪及び/又は他の毛髪に適用し、頭髪及び/又は他の毛髪に接触したまま放置し、場合によってはすすぐことからなる、頭髪及び/又は他の毛髪の美容処理方法にある。
この処理方法は、頭髪及び/又は他の毛髪をより生き生きとさせ、及び/又は毛髪の外観を改善することにより、頭髪及び/又は他の毛髪の審美性を高めることが可能であるので、美容方法の特徴を示している。
【0042】
【実施例】
本発明を次の実施例において、さらに詳細に例証する。
これらの実施例においては、化合物6−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース及び6−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノースを、欧州特許第485251号に記載の方法に従って調製した。
化合物6−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース及び6−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノースは文献に記載されている。
【0043】
実施例1:ビタミンFのグルコースエステルの調製(主として6位がエステル)
500mlの三口フラスコにおいて、17mlのトリメチルアセチルクロリドを100mlのテトラヒドロフランで希釈し;100mlのテトラヒドロフランに予め溶解させておいた19.3mlのトリエチルアミンと37.3gのビタミンFの混合物を、不活性雰囲気下、0℃で添加し;混合物を1時間攪拌し、ついで生じた塩を濾過して溶液にした。
2リットルの三口フラスコにおいて、96gのD−グルコースを1.15リットルのピリジンに溶解し、不活性雰囲気下、室温で、上述した溶液をそこに添加した。混合物を一晩攪拌した。
反応媒体を、真空下、所定の乾燥度になるまで蒸発させて、ピリジンを除去し、得られたペーストを抽出し(水/有機溶媒の混合物)、回収された有機相を乾燥し、濾過して蒸発させた。
【0044】
6位において72%のモノエステル(混合物)を72%含有する、黄色いペースト状のビタミンFエステルが49g得られた(収率:83%)。
1H NMRスペクトル(DMSO) 200MHz:δ(ppm):0.85;1.23;1.50;2.00;2.26;2.73;3.03;3.13;3.40;3.76;3.97;4.25;4.53;4.76;4.89;5.04;5.23;6.34。
13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHz:δ(ppm):13.95;22.12;24.48;25.23;26.62;28.46〜29.08;31.32;33.44;63.91;69.14;70.57;72.19;72.86;92.30;127.77;129.73;172.92。
1H及び13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHzは、予想した構造と一致した。
【0045】
実施例2:ビタミンFのグルコースエステルの調製(主として3位がエステル)
300mlの無水トルエンに溶解した20gのビタミンFを、窒素雰囲気下、500mlの丸底フラスコに入れ、そこに3滴のDMFを添加し、反応を触媒した。ついで、12.6mlの塩化オキサリルを滴下し(ガスの放出)、混合物を25℃で3時間攪拌した。反応媒体を最大限濃縮し、ついで200mlのジクロロメタンで希釈した。このようにしてビタミンF塩化物が得られ、これを次の工程に使用した。
【0046】
200mlのジクロロメタンに溶解した29.6gのジアセトン−D−グルコース、及び26mlのトリエチルアミンを、窒素雰囲気下で、濃縮器及び滴下漏斗を搭載した500mlの三口フラスコに入れた。
氷冷浴を使用し、温度を約10℃に維持した。
温度を約10℃に保持しつつ、上述した200mlのビタミンF塩化物を滴下して加えた。ついで反応媒体を、室温で2時間攪拌した。
得られたペースト状の混合物を200mlのジクロロメタンを添加することにより希釈した。ついで、結果得られた混合物を数回洗浄し:(i)蒸留水を添加し、上部水溶液を除去し、(ii)1Nの塩酸を添加し、水相を除去し、(iii)蒸留水を添加し、水相を除去した。
【0047】
有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ついで濾過し、所定の乾燥度になるまで濃縮した。
高粘度でライトブラウン色の油が得られ、これを350mlの水/トリフルオロ酢酸の混合物に溶解させ(11×10−3mol/リットル)、室温で1時間放置した。混合物を濃縮し、ついで100mlのトルエンに5回取り上げた。残渣をシリカゲルで精製した。
黄色のパウダーの形態をした化合物が12g得られた。
13C NMR(DMSO) 200MHz:δ(ppm):60.76;63.82;92.10;92.24;96.75;96.86。
1H及び13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHzは、予想した構造と一致した。
【0048】
実施例3:3−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノースの調製200mlのジクロロメタンに溶解した29.6gのジアセトン−D−グルコース、及び26mlのトリエチルアミンを、窒素雰囲気下で、濃縮器及び滴下漏斗を搭載した500mlの三口フラスコに入れた。
氷冷浴を使用し、温度を約10℃に維持した。
温度を約10℃に保持しつつ、200mlのオクタデカ−9,12−ジエノイン酸(リノール酸)を滴下して加えた。ついで反応混合物を、室温で2時間攪拌した。
得られたペースト状の混合物を200mlのジクロロメタンを添加することにより希釈した。ついで、結果得られた混合物を数回洗浄し:(i)蒸留水を添加し、上部水溶液を除去し、(ii)1Nの塩酸を添加し、水性相を除去し、(iii)蒸留水を添加し、水性相を除去した。
【0049】
有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ついで濾過し、所定の乾燥度になるまで濃縮した。
高粘度でライトブラウン色の油が21g得られ、これを350mlの水/トリフルオロ酢酸の混合物に溶解させ(11×10−3mol/リットル)、室温で1時間放置した。混合物を濃縮し、ついで100mlのトルエンに5回取り上げた。残渣をシリカゲルで精製した。
黄色の油の形態をした化合物が10.8g得られた(収率64%)。
1H及び13C NMRスペクトル(DMSO) 200MHzは、予想した構造と一致した。
【0050】
実施例4
過度の抜毛に至るプロセスの進行を妨害するための一つの解決法は、ロイコトリエン等の、5−リポキシゲナーゼ経路から誘導される媒介物の合成を阻害する目的で、化粧品用活性剤を使用することであることが知られている。リポキシゲナーゼインヒビターは、これらの活性剤の範疇に入る。
よって、精製された大豆−15−リポキシゲナーゼの阻害における本発明の化合物の効果をテストするが、ここで大豆−15−リポキシゲナーゼは、ヒト5−リポキシゲナーゼの予測モデルとして一般的に使用される研究用モデルである。
【0051】
実施したテストは次のようなものである:
− 100mM、pH7.5のトリスバッファー溶液の調製
− pH7.5、100mMのトリスバッファーにおける精製された大豆−15−リポキシゲナーゼL1(0.20mg/ml)の懸濁液の調製;氷中で保管;
− 磁気攪拌システムを装備し、サーモスタット制御により25℃に維持されたオキシメーター、タンクの補正;
− 7.5mM濃度のアラキドン酸カリウムの水性−アルコール溶液(無水エタノール/水、5/95、v/v)の調製;
− ジメチルスルホキシド(DMSO)における、30mM濃度のテスト用化合物溶液の調製;
− 攪拌しつつ、オキシメータータンクへの、456.6μlバッファー溶液、16.7μlのアラキドン酸カリウム溶液、及び16.7μlのテスト用化合物溶液又は「対照」測定の場合においては16.7μlのDMSOの導入。
【0052】
記録器のスイッチを入れ、10μlの15−リポキシゲナーゼ懸濁液をタンクに入れた。
酸素消費の最大率(Vmax)を記録した。
種々のVmax値を対照のものと比較し、その結果を%として表した。テストを10回繰り返し、これら10回のテストの平均を決定した。
次の化合物をテストした:
A:6−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース
B:6−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース
C:6−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース
D:6−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース
E:3−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース
F:ビタミンFのグルコースエステル(主として6位がエステル)
G:ビタミンFのグルコースエステル(主として3位がエステル)
【式9】
【0053】
対照に対するテスト用化合物(1mM濃度)の阻害度%として表された、次の結果が得られた:
【表1】
このように、本発明の生成物(化合物F及びG)は、大豆リポキシゲナーゼに対する良好な阻害能力を有していることがわかった。
この能力は、グルコースエステル、及び飽和又は不飽和のC18酸、さらには飽和したC16エステルのものよりも大きかった。
しかしながら、特に驚くべきことは、この「C16エステル+C18エステル」の混合物が、C18エステル単独よりも活性が低いと予測されることである。
【0054】
実施例5
本発明の化合物の安定性を評価した(エステルを加水分解することにより測定した)。
エタノール/イソプロパノール/水の混合物(64/16/20容量)に、0.1重量%の化合物を含有する溶液を調製した。これらの溶液をサーモスタット制御により45℃に維持されたチャンバー内にて2ヶ月放置した。
ついで、加水分解したグルコピラノースリノレアートのパーセンテージを、HPLCで測定した。
【0055】
次の結果が得られた:
【表2】
ビタミンFのグルコースエステルは、リノール酸のグルコースエステルよりも良好に安定していることがわかった。
さらに、ビタミンF及びグルコースの6位におけるエステルの安定性は、3位がエステル化された同様のエステルよりもわずかに良好であった。
【0056】
実施例6:デイリーローション
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例1の化合物 0.05g
−エタノール 60g
−香料、着色料 適量
−脱塩水 全体を100gにする量
【0057】
実施例7:リポソームゲル
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 0.5g
−カーボマー 0.25g
−トリエタノールアミン pH=7にする量
−防腐剤 適量
−脱塩水 全体を100gにする量
【0058】
実施例8:抜毛防止用ローション
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例1の化合物 1g
−プロピレングリコール 10g
−イソプロパノール 全体を100gにする量
このローション1mlを、1日に1回又は2回の割合で適用する。
【0059】
実施例9:抜毛防止用ローション
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 2g
−プロピレングリコール 30g
−エタノール 40.5g
−水 全体を100gにする量
このローションを、1日に1回又は2回、適用1回当り1mlの割合で適用する。
【0060】
実施例10:抜毛防止用ローション
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 1g
−プロピレングリコールモノメチルエーテル
[ダウ社(Dow)のドワノール(Dowanol)PM] 20g
−ヒドロキシプロピルセルロース
[ハーキュレス社(Hercules)のクリューセル(Klucel)G] 3g
−エタノール 40g
−水 全体を100gにする量
この増粘ローションを、1日に1回又は2回、適用1回当り1mlの割合で適用する。
【0061】
実施例11:抜毛防止用ローション
次の成分を含有する組成物を調製した:
−実施例1の化合物 0.2g
−ピリミジン−3−オキシド(アミネキシル)誘導体 1.5g
−水 全体を100gにする量
【0062】
実施例12:抗フケ用シャンプー
次のものを含有するシャンプーを調製した:
−実施例1の化合物 1.2g
−サリチル酸 2g
−ポリグリセリル−3−ヒドロキシラウリルエーテル 26gA.M.
−ヒドロキシプロピルセルロース 2g
(ハーキュレス社のクリューセルG)
−防腐剤 50g
−トリエタノールアミン pHを7.5にする量
−水 全体を100gにする量
このシャンプーを頭髪当たり10gの割合で、1分オーダーの作用時間で毎日使用し、2週間以上適用した。掻痒感の急激な低下、及びフケ症の著しい改善が観察された。
【0063】
実施例13:抗フケ用ローション
次のものを含有する組成物を調製した:
−実施例2の化合物 0.3gA.M.
−オクトピロックス(ピロクトンオラミン) 0.2g
−エタノール 30gA.M.
−水 全体を100gにする量この溶液を6mlの割合で毎日適用し、1〜2週間適用した。フケ症の著しい改善が観察された。
【0064】
実施例14:6−O−オレオイルグルコースの調製
6.02gのトリメチルアセチルクロリドと50mlのテトラヒドロフランを250mlの三口フラスコに入れた。50mlのテトラヒドロフランで希釈された5.05gのトリエチルアミンと14.1gのオレイン酸の混合物を、不活性雰囲気下、0℃でゆっくりと添加した。混合物を1時間攪拌し、ついで形成した塩を濾過して溶液にした。
1リットルの三口フラスコにおいて、36gのグルコースを400mlのピリジンに溶解し、不活性雰囲気下、室温で、上述した溶液をそこに添加し;一晩攪拌し続けた。
反応媒体を、真空下、所定の乾燥度になるまで蒸発させて、ピリジンを除去し、得られたペーストを抽出し(水/有機溶媒の混合物)、回収された有機相を乾燥し、濾過して蒸発させた。
白色固体状のO−オレオイルグルコースが19.5g得られた(収率87%)。
13C NMRと質量スペクトル分析は予想した構造と一致した。
【0065】
実施例15:6−O−リノレオイルグルコースの調製
6.02gのトリメチルアセチルクロリドと50mlのテトラヒドロフランを250mlの三口フラスコに入れた。50mlのテトラヒドロフランで希釈された5.05gのトリエチルアミンと14gのリノール酸の混合物を、不活性雰囲気下、0℃でゆっくりと添加した。混合物を1時間攪拌し、ついで形成した塩を濾過して溶液にした。
1リットルの三口フラスコにおいて、36gのグルコースを400mlのピリジンに溶解し、不活性雰囲気下、室温で、上述した溶液をそこに添加し;一晩攪拌し続けた。
反応媒体を、真空下、所定の乾燥度になるまで蒸発させて、ピリジンを除去し、得られたペーストを抽出し(水/有機溶媒の混合物)、回収された有機相を乾燥し、濾過して蒸発させた。
黄色のペースト状のO−リノレオイルグルコースが18.7g得られた(収率82%)。
6−O−リノレオイルグルコースの収率は62%であった。
13C NMRと質量スペクトル分析は予想した構造と一致した。
Claims (33)
- グルコースのヒドロキシル基とビタミンFを部分的又は全体的にエステル化することにより得られる、グルコースから誘導されるO−アシル生成物。
- グルコースとリノール酸の、モノエステル等の、少なくとも1つのエステル;グルコースとオレイン酸の、モノエステル等の、少なくとも1つのエステル;グルコースとパルミチン酸の、モノエステル等の、少なくとも1つのエステル;及びグルコースとステアリン酸の、モノエステル等の、少なくとも1つのエステルを含む、請求項1又は2に記載の生成物。
- グルコースの、モノエステル等の、少なくとも1つのエステル、及びグルコースとラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸の一又は複数のエステルをさらに含む、請求項3に記載の生成物。
- ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースの少なくとも1つのジエステルをさらに含む、請求項3又は4に記載の生成物。
- 全ての位置を併せて考えて、
− 40〜80重量%、好ましくは60〜75重量%、特に68〜72重量%の、リノール酸とグルコースのエステル、
− 10〜20重量%、好ましくは12〜17重量%、特に14〜15重量%の、オレイン酸とグルコースのエステル、
− 5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%、特に9〜12重量%の、パルミチン酸とグルコースのエステル、
− 0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%、特に2〜4重量%の、ステアリン酸とグルコースのエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸とグルコースの一又は複数のエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースのジエステル、
を含む、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の生成物。 - グルコースが、1位、2位、3位及び/又は6位、好ましくは1位及び/又は6位でエステル化されている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の生成物。
- − 40〜80重量%、好ましくは60〜75重量%、特に68〜72重量%の、主として6−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース、1−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース、2−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース及び/又は3−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノースを含有するリノール酸とグルコースのモノエステル、
− 10〜20重量%、好ましくは12〜17重量%、特に14〜15重量%の、主として6−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース、3−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース、1−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース及び/又は2−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノースを含有するオレイン酸とグルコースのモノエステル、
− 5〜20重量%、好ましくは7〜15重量%、特に9〜12重量%の、主として6−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース、3−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース、1−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース及び/又は2−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノースを含有するパルミチン酸とグルコースのモノエステル、
− 0.5〜7重量%、好ましくは1〜5重量%、特に2〜4重量%の、主として6−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース、3−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース、1−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース及び/又は2−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノースを含有するステアリン酸とグルコースのモノエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸及び/又はリノレン酸とグルコースの一又は複数のモノエステル、
− 0〜10重量%、特に0.10〜4重量%、さらには0.15〜2重量%の、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキン酸、ベヘン酸、ラウロレイン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又はリノレン酸から選択される一又は複数の酸とグルコースのジエステル、
を含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の生成物。 - グルコース分子当たりのエステル化された生成物のエステル官能基の数と当初のヒドロキシル官能基の比率、すなわちエステル化度が、好ましくは0.2〜1、特に0.2〜0.6、とりわけ0.21〜0.4である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の生成物。
- グルコース分子当たりの6位におけるエステル官能基の数とエステル官能基の全数の比率が、0.55〜1、好ましくは0.70〜0.98、特に0.90〜0.97である、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の生成物。
- 生理学的に許容可能な媒体中に、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの生成物を含有してなる組成物。
- 化粧品的又は製薬的に許容可能な媒体を含有する化粧品用又は製薬用組成物の形態である、請求項11に記載の組成物。
- 生成物が、組成物の全重量に対して0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の量で存在している、請求項11又は12に記載の組成物。
- 生理学的、化粧品的又は製薬的に許容可能な媒体が、無水又は水性である、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の組成物。
- 媒体が、水、有機溶媒、界面活性剤、乳化剤、親水性又は親油性の増粘剤又はゲル化剤、化粧剤、防腐剤、溶媒、酸化防止剤、UV遮蔽剤、酸性化剤又は塩基性化剤;動物、鉱物、植物又は合成由来の油及び/又はロウ;フィラー、顔料及び/又は着色料等の染料;化粧品用又は製薬用活性剤から選択される少なくとも1つの成分を含む、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
- 化粧品用又は製薬用の活性剤が、
− ピリミジン−3−オキシド誘導体;2,4−ジアミノ−6−ピペリジノピリミジン−3−オキシド等のピリミジン誘導体;ニコチン酸メチル又はニコチン酸ヘキシル等のニコチン酸C1−C6アルキル、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸トコフェリルといったニコチン酸エステル等の、毛髪の再成長及び/又は抜毛の妨害に対する活性を改善するための化合物;
− マクロライド類、ピラノシド類及びテトラサイクリン類、特にエリスロマイシン等の抗菌剤;
− シンナリジン、ジルチアゼム、ニモジピン及びニフェジピン等のカルシウムアンタゴニスト;
− エストリオールとその類似体等のホルモン類、ビタミンDとその類似体、又はチロキシン及びその塩;
− ヒドロコルチゾンといったコルチコステロイド類等のステロイド性又は非ステロイド性の抗炎症剤;
− オキセンドロン、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロール及びフルタミド等の抗アンドロゲン剤;
− フィナステライド又は4,6−ジメトキシインドール−2−カルボン酸又はその誘導体等のステロイド性又は非ステロイド性の5−α−レダクターゼ阻害剤;
− クロマカリン及びニコランジル等のカリウムアゴニスト;
− レチノイドRXRレセプターのアゴニスト及びレチノイドのアンタゴニスト;
− ジメチルスルホキシド等のOH基捕捉剤;
− トリペプチドLys−Pro−Val、より一般的にはα−MSHとその誘導体等のペプチド類;
− ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、セレニウムジスルフィド、トロポロン、ヒノキチオール、ヒノキチオール−亜鉛及びヒノキチオール−銅、二価金属錯体等の抗フケ剤又は抗真菌剤;
− フリーラジカル捕捉剤;抗脂漏剤;駆虫剤;抗ウイルス剤;抗掻痒剤;
− ジアゾキシド、スピロキサゾン、レシチン、リノール酸及びリノレン酸等のリン脂質;サリチル酸、及びベンゼン環の5位に2〜12の炭素原子を有するアルカノイル基を担持するサリチル酸誘導等のその誘導体;ヒドロキシカルボン酸又はケトカルボン酸及びそれらのエステル;ラクトン及びその対応塩;アントラリン、カロチノイド類;エイコサテトラエン酸及びエイコサトリエン酸又はそれらのエステル及びアミド;植物もしくは細菌由来の抽出物;
− タンパク質又はタンパク質の加水分解物、アミノ酸、ポリオール、尿素、アラントイン、糖類及び糖類誘導体、水溶性ビタミン類、植物抽出物及びヒドロキシ酸;
− レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、必須脂肪酸、セラミド類、精油、及びサリチル酸及びその誘導体;から単独で又は混合物として選択される、請求項15に記載の組成物。 - 水性又は油性の溶液;ローション又はセラム型の分散液;油中水型、水中油型又は多相エマルション;懸濁液;水性又は無水ゲル;マイクロカプセルもしくは微小粒子;イオン性及び/又は非イオン性の小胞分散液;アルコール又は水性−アルコール溶液;クリーム、ゲル又はムース;エアゾール組成物;クレンジングバー又は石鹸等の固形調製物の形態である、請求項11ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
- シャンプー等のヘアケア用組成物、薬用ローション又はクリーム、ヘアセット用ローション、スタイリングクリーム又はゲル;酸化染色用組成物、場合によってはカラーリングシャンプーの形態の、染色用組成物;毛髪の再生用ローション、パーマネントウエーブ処理の第1工程用の組成物等のパーマネントウエーブ用組成物、抜毛防止用ローション又はゲル、又は駆虫用シャンプーの形態をしている、請求項11ないし17のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項12ないし18のいずれか1項に記載の化粧品用組成物を、皮膚、頭髪及び/又は他の毛髪に適用する、頭髪及び/又は他の毛髪の美容処理方法。
- 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の生成物を有効量含有する化粧品用組成物を、皮膚、頭髪及び/又は他の毛髪に適用し、皮膚、頭髪及び/又は他の毛髪に接触したまま放置し、場合によってはすすぐことからなる、頭髪及び/又は他の毛髪の美容処理方法。
- 頭髪及び/又は他の毛髪をより生き生きとさせ、及び/又は毛髪の外観を改善することにより、頭髪及び/又は他の毛髪の審美性を高めるものである、請求項19又は20に記載の美容処理方法。
- 頭髪及び/又は他の毛髪のコンディションを改善し、頭髪及び/又は他の毛髪の抜毛を減少及び/又は妨害し、及び/又は毛髪の成長を誘発及び/又は刺激するものである、請求項19ないし21のいずれか1項に記載の美容処理方法。
- 頭髪及び/又は他の毛髪のコンディションを改善し、頭髪及び/又は他の毛髪の抜毛を減少及び/又は妨害し、及び/又は毛髪の成長を誘発及び/又は刺激することを意図した、製薬用組成物等の、組成物の調製における、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの生成物の使用。
- アシル残基−CORが、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、ミリストイル、ヘキサデカノイル、ステアロイル、パルミトレオイル、オレオイル、リノレオイル又はリノレノイル残基、又はこれらの残基の混合物である、請求項24に記載の方法。
- カルボン酸が、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ヘキサデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸、及びそれらの混合物から選択される、請求項24又は25に記載の方法。
- 第1工程及び/又は第2工程の反応が、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ピリジン又はトルエン、及びそれらの混合物等の有機反応溶媒中で行われる、請求項24ないし26のいずれか1項に記載の方法。
- 第1工程の反応が、トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリブチルアミン及びN−メチルモルホリン、及びそれらの混合物から選択される塩基の存在下で行われる、請求項24ないし27のいずれか1項に記載の方法。
- 0.3〜3当量、好ましくは0.5〜1.5当量のカルボン酸と、1当量のトリメチルアセチルハロゲン化物とを反応させる、請求項24ないし28のいずれか1項に記載の方法。
- 0.5〜1.5、特に0.9〜11、好ましくは1当量の混合無水物と、3当量のグルコースとを反応させる、請求項24ないし29のいずれか1項に記載の方法。
- 式(Ia)の化合物において、グルコース分子当たりの6位におけるエステル官能基の数とエステル官能基の全数との比率が、55%〜95%、特に60%〜80%、好ましくは68%〜75%である、請求項24ないし30のいずれか1項に記載の方法。
- 6−O−オクタデカ−9,12−ジエノイル−D−グルコピラノース;6−O−オクタデカ−9−エノイル−D−グルコピラノース;6−O−オクタデカノイル−D−グルコピラノース;6−O−ヘキサデカノイル−D−グルコピラノース;及びそれらの混合物を調製するためのものである、請求項24ないし31のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の生成物を調製するための、請求項24ないし31のいずれか1項に記載の方法。
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