JP2934012B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
毛髪化粧料Info
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Description
毛効果と毛髪に艶を与える効果を有し、且つ生産性と安
定性がよく、しかも使用感のよい毛髪化粧料を提供する
ことにある。
脂肪酸(枝分かれのある脂肪酸)ではなく、次式1に示
す如く、一端部のカルボキシル基に対して他端部の次の
炭素原子がメチル基を持つ分枝脂肪酸のことをいい、ア
ンテイソ脂肪酸とは次式2に示す如く他端部から3番目
の炭素原子にメチル基を持つ分枝脂肪酸のことをいう。
を略して示す。) また、この明細書での化粧料とは、薬事上の化粧品、
医薬部外品、医薬品を含む。
最も要望されている機能は、脱毛等することなく常にふ
さふさした状態の毛髪を保ち且つ艶のある毛髪を保持し
て常に毛髪を健やかに保つという機能である。
いは毛髪の過度の洗浄やヘアードライヤーの使い過ぎ等
のために艶がない毛髪の者が増加する傾向があり、益々
毛髪の状態をよくして健やかに保つという機能は切実な
ものとなっている。
るという目的で使用されている毛髪化粧料はない。
粧料としては、特公昭63−41363号公報に開示された養
毛剤に関する技術がある。
という技術であって、炭素数の高い高級脂肪酸やその誘
導体等は、油性成分として毛髪の艶を与える目的に使用
できる可能性もあるが、実際はこの奇数炭素脂肪酸の中
には天然に存在しない脂肪酸等を多数含み、生産性が良
くないために、日常的に使用し且つ比較的大量に使用す
る必要のある艶出し剤としては、どうしてもその配合量
には限度があるため使用できなかった。
酸化され、安定性が悪いという欠点もあった。
枝飽和脂肪酸が育毛養毛剤として使用できるという技術
が開示されている。
とされたイソミリスチン酸の融点が53℃であるように、
この炭素数14〜16の分枝飽和脂肪酸は融点が比較的高い
脂肪酸であるため、クリーム等の化粧料に配合すると経
時的に結晶が成長し易く、製剤の安定性が悪いという欠
点があった。
の使用は使用者に歓迎されるものではなかった。
るため、製品のバラツキ等の安定性に問題があった。
を与える効果を有し、且つ生産性と安定性がよく、しか
も使用感のよい毛髪化粧料の創造が望まれていた。
点ラノリン脂肪酸及び/又はその誘導体が必須成分であ
って、この低融点ラノリン脂肪酸は炭素数が19以下のイ
ソ脂肪酸及び炭素数が19以下のアンテイソ脂肪酸を合計
30重量%以下含有することを特徴とする毛髪化粧料が上
記課題を悉く解決することを見出して、この発明を完成
するに至った。
から油分として回収されるウールグリース鹸化分解して
得られる脂肪酸で、100種類以上の脂肪酸からなる大変
な混合物である。
色〜黄褐色の軟らかい蝋状の物質で水には不溶であるが
アルコール類等の有機溶媒にはよく溶け、皮膚に対して
親和性、付着性、エモリエント性に優れ、しかも乳化性
にすぐれている脂肪酸である。
安定性のよい脂肪酸である。
は、羊の種類、年齢、産地、或いは個体差等によってバ
ラツキが生じるが、概略的な組成としては次の第1表に
示される組成が知られている。(E.V.Truter,J.Soc.Cos
m.Chem.,1962) この発明者は更に詳細にラノリン脂肪酸について以下
の条件によるガスクロマトグラフィーで分析し、次の第
2表に示す結果を得た。
0mesh,2m×3mm カラム温度:120℃→290℃ 昇温速度:4℃/分 検出器温度:320℃ 検出器温度:水素炎イオン化検出器 注入口温度:320℃ キャリアーガス及び流量:N2、50ml/分 注入量:1%クロロホルム溶液/5μl 但し、第2表において、nはノルマル脂肪酸、iはイ
ソ脂肪酸、aはアンテイソ脂肪酸、(h−n)はヒドロ
キシルノルマル脂肪酸、(h−i)はヒドロキシイソ脂
肪酸を表し、この英記号の次に記載する数字は炭素数を
示し、その分析値の%単位を略し、まとめて記載した。
多少バラツキがあるが、イソ及びアンテイソ脂肪酸がそ
の約半分を占め、さらにそのイソ及びアンテイソ脂肪酸
の中で炭素数が19以下のイソ及びアンテイソ脂肪酸が約
半分含有されていることが判る。
肪酸を蒸留法、再結晶法、又はそれらの組合せで低融点
部分を分融して得られ、炭素数19以下のイソ及びアンテ
イソ脂肪酸を30重量%以上含む融点が40℃以下の低融点
ラノリン脂肪酸、及び/又はこの低融点ラノリン脂肪酸
の誘導体を必須成分とすることを特徴とする。
示すれば、ラノリン脂肪酸を100〜300℃、10-1〜10-3mm
Hgで減圧蒸留する方法が例示できる。
メタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、
酢酸ブチル等のエステル類に溶解し、この溶解物を高融
点部分を結晶析出するまで冷却し、これを濾過分別した
後、溶媒を留去して得る方法等も例示できる。
脂肪酸とアルコール類とのエステル類等が好適に使用で
きる。
エステル化可能なアルコールであればよく、この具体例
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、オクタノール、ラウリル
アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、
2−オクチルドデカノール、ベヘニルアルコール等の一
価のアルコール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、
ショ糖、マルチトール等の多価アルコール等が例示でき
る。
導体は、後記実施例及び試験例で明らかな如く、育毛養
毛効果と毛髪に艶を与える効果を有する。
かな如く、使用感のよい脂肪酸である。
が本来有する乳化性がよいという機能との相乗効果で、
クリーム等に配合しても、結晶等が析出しない。
洗い落とすことができ、過剰に使用しても毛髪に堆積し
て残存すること等がない。
導体はリンス、シャンプー、ヘアトニック、ヘアークリ
ーム等の毛髪化粧料に好適に使用できる。
確にする。
を22%含むラノリン脂肪酸を用いて常法によりラノリン
脂肪酸モノグリセライドを合成し、このラノリン脂肪酸
モノグリセライド1部に対して2部のメチルエチルケト
ンを加えて溶解した後、2℃にて24時間放置して高融点
部分を結晶化して濾別し、次いで溶媒を留去して0.3部
の低融点ラノリン脂肪酸モノグリセライドを得た。
する脂肪酸は、融点が32℃で炭素数19以下のイソ及びア
ンテイソ脂肪酸の合計が39重量%であった。
法に記載の融点測定法第2法に規定されている通りの方
法で、溶融した試料を毛細管中に吸い上げ、冷後、水浴
中に入れて加温し、試料が毛細管中に浮き上がる温度を
融点とする方法で行なった。(以下の実施例も同様の方
法で行なった。) また、脂肪酸成分の測定は、以下の条件によるガスク
ロマトグラフィーで分析した。(以下の実施例も同様の
方法で行なった。) カラム:OV−1.2%/chiromosord W−AW DMCS 80〜10
0mesh,2m×3mm カラム温度:120℃→290℃ 昇温速度:4℃/分 検出器温度:320℃ 検出器温度:水素炎イオン化検出器 注入口温度:320℃ キャリアーガス及び流量:N2、50ml/分 注入量:1%クロロホルム溶液/5μl (実施例2) 実施例1で使用したラノリン脂肪酸を150℃、10-3mmH
gで蒸留し、融点31℃、炭素数19以下のイソ及びアンテ
イソ脂肪酸の合計が38重量%の低融点ラノリン脂肪酸を
得た。
た。
によりモノグリセライドを合成し、このモノグリセライ
ド1部に対して2部のイソプロピルアルコールを加え溶
解した後、−2℃にて24時間放置し高融点部分を結晶化
して濾別し、次いで溶媒を留去して0.6部の低融点ラノ
リン脂肪酸モノグリセライドを得た。
を構成する脂肪酸は、融点が22℃で炭素数19以下のイソ
及びアンテイソ脂肪酸の合計が60重量%であった。
ルアルコール3部を加えて溶解した後、5℃において24
時間放置し、高融点部分を結晶化して濾別した。
肪酸を得た。
以下のイソ及びアンテイソ脂肪酸の合計が30重量%であ
った。
びその誘導体、比較例としてラノリン脂肪酸(炭素数19
以下のイソ及びアンテイソ脂肪酸の合計が23%、融点53
℃)(比較例1)、ラノリン脂肪酸(炭素数19以下のイ
ソ及びアンテイソ脂肪酸の合計が26%、融点45℃)(比
較例2)をそれぞれ5.0重量%エタノールに溶解して試
験液を調整した。
ト雑種ウサギ10匹を一群として、試験液を0.2mlずつ30
日間毎日塗布して、育毛養毛効果について調べた。
のを有効と判定した。
除毛背部に塗布した。
られた低融点ラノリン脂肪酸及びその誘導体、比較例と
してイソミリスチン酸(比較例3)、イソミリスチン酸
モノグリセライド(比較例4)、ヘプタデシル酸(比較
例5)をそれぞれ5重量%ヘアトニック用基剤に配合し
た。
94.0重量%、酢酸トコフェロール0.2重量%、オリーブ
油0.8重量%とした。
髪に艶を与える効果及び使用感について問診で調べた。
点ラノリン脂肪酸及び/又はその誘導体が必須成分があ
って、この低融点ラノリン脂肪酸は炭素数が19以下のイ
ソ脂肪酸及び炭素数が19以下のアンテイソ脂肪酸を合計
30重量%以上含有することを特徴とする毛髪化粧料であ
るから、育毛養毛効果と毛髪に艶を与える効果を有し、
且つ生産性と安定性がよく、しかも使用感のよい毛髪化
粧料である。
Claims (1)
- 【請求項1】融点が40℃以下の低融点ラノリン脂肪酸及
び/又はその誘導体が必須成分があって、この低融点ラ
ノリン脂肪酸は炭素数が19以下のイソ脂肪酸及び炭素数
が19以下のアンテイソ脂肪酸を合計30重量%以上含有す
ることを特徴とする毛髪化粧料。
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