JP2007186398A - 車両用窓ガラス及びその製造方法 - Google Patents

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永史 小川
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Abstract

【課題】ガラス端部の外観品質及び耐摩耗性を向上させることができる車両用窓ガラス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】所定の形状に切断されたガラス板1の端部1aに、ダイヤモンドホイールを用いてR面加工の面取り処理(R面研磨)を施す。このガラス板1の端部1aに塗布液3を染み込ませたクリーンチーフ等の織布を用いて塗布液3を塗布する。塗布液3は、シリカ成分としてのシリコンアルコキシドと、有機物と、ITO微粒子と、強酸と、シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液である。この塗布液3が塗布されたガラス板1を室温で5分程度乾燥した後、予め200℃に昇温したオーブンに上記塗布液3を塗布したガラス板1を投入して10分間加熱し、その後冷却し赤外線カット膜を有するガラス板1を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用窓ガラス及びその製造方法に関する。
自動車等の車両用窓ガラスとして用いられるガラス板は、端部の割れを防止する目的、端部に接触した場合に怪我をしないようにする安全上の目的、及び外観を向上させる目的のため、端部に面取り処理が施される。この面取り処理は、ダイヤモンド砥粒の埋め込まれた面取りホイールにより、ガラス板の端部を研削するものである。したがって、面取り処理後の端部はやや白濁した外観を呈する。
一方、近年の自動車窓のデザインとして、ガラス板の端部を露出したデザインが多く見られる。特に、自動車ドアに組み付けられる摺動窓では、窓開放状態においてガラス板の上辺端部が露出する。このように自動車ドアに組みつけられた状態でガラス板の端部が露出していると、上記白濁した外観は本来ガラス板の持つ透明感を阻害する。
生産性が高く作業の煩雑化を抑えつつ、端部の白濁した外観を防止することを目的とした車両用窓ガラスとして、ガラス板の端部に透明被覆層を形成したガラスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ガラス板の端部に透明被覆層を形成し、端部の凹凸を透明被覆層により埋めることにより、端部での光の散乱を抑え、端部の白濁化を防止することが開示されている。
特開2002−12024号公報
しかしながら、前述した自動車ドアに組み付けられる摺動窓において、外観の向上を目的としてガラス板の端部に透明被覆層を形成する場合、図6に示すように、車両用窓ガラス11の透明被覆層16は、車両用窓ガラス11の摺動により自動車のドアサッシュ17内のガラスラン15との接触にさらされ、摩耗又は傷つけられる。したがって、車両用窓ガラス11の端部11aの良好な外観を維持することが課題である。
本発明の目的は、ガラス端部の外観品質及び耐摩耗性を向上させることができる車両用窓ガラス及びその製造方法を提供することにある。
請求項1記載の車両用窓ガラスは、研磨されたガラス板端部を備える車両用窓ガラスにおいて、前記研磨されたガラス板端部の少なくとも1辺に塗布液が塗布されることにより被膜が形成され、前記塗布液は、シリコンアルコキシドと、強酸と、前記シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液であり、 前記強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであることを特徴とする。
請求項2記載の車両用窓ガラスは、請求項1記載の車両用窓ガラスにおいて、前記塗布液が塗布されたガラス板端部を400℃以下の温度で熱処理することを特徴とする。
請求項3記載の車両用窓ガラスは、請求項1又は2記載の車両用窓ガラスにおいて、前記塗布液は、有機物をさらに含有することを特徴とする。
請求項4記載の車両用窓ガラスは、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスにおいて、前記有機物はポリアルキレンオキサイドを含むことを特徴とする。
請求項5記載の車両用窓ガラスは、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスにおいて、前記塗布液は、粒径が1μm以下の微粒子をさらに含有することを特徴とする。
請求項6記載の車両用窓ガラスは、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスにおいて、前記被膜が形成された辺は、車両に取り付けられた際に露出する辺を含むことを特徴とする。
請求項7記載の車両用窓ガラスは、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスにおいて、前記被膜をガラス板の表面に形成した場合、該ガラス板の表面はテーバー摩耗後のヘイズ率が7%以下であることを特徴とする。
請求項8記載の車両用窓ガラスは、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスにおいて、前記車両用窓ガラスは、厚さが2.5〜6.0mmであることを特徴とする。
請求項9記載の車両用窓ガラスは、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスにおいて、前記ガラス板端部に形成された被膜は、膜厚が0.1〜5μmであることを特徴とする。
請求項10記載の車両用窓ガラスの製造方法は、車両用窓ガラスのガラス板端部を研磨する研磨ステップと、前記研磨されたガラス板端部の少なくとも1辺に塗布液を塗布する塗布ステップと、前記塗布液が塗布されたガラス板端部を焼成する焼成ステップとを備え、前記塗布液は、シリコンアルコキシドと、強酸と、前記シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液であり、前記強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであることを特徴とする。
請求項11記載の車両用窓ガラスの製造方法は、請求項10記載の車両用窓ガラスの製造方法において、前記焼成ステップにおいて、前記塗布液が塗布されたガラス板端部を400℃以下の温度で熱処理することを特徴とする。
請求項12記載の車両用窓ガラスの製造方法は、請求項10又は11記載の車両用窓ガラスの製造方法において、前記塗布液は、有機物をさらに含有することを特徴とする。
請求項13記載の車両用窓ガラスの製造方法は、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法において、前記有機物はポリアルキレンオキサイドを含むことを特徴とする。
請求項14記載の車両用窓ガラスの製造方法は、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法において、前記塗布液は、粒径が1μm以下の微粒子をさらに含有することを特徴とする。
請求項15記載の車両用窓ガラスの製造方法は、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法において、前記塗布ステップにおいて、織布を用いて前記塗布液を塗布することを特徴とする。
請求項16記載の車両用窓ガラスの製造方法は、請求項10乃至15のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法において、前記研磨ステップにおいて、前記ガラス板端部をダイヤモンドホイールを用いて略半円状に研磨することを特徴とする。
請求項1記載の車両用窓ガラスによれば、研磨されたガラス板端部の少なくとも1辺に塗布液が塗布されることにより被膜が形成され、塗布液は、シリコンアルコキシドと、強酸と、シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液であり、強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであるので、ガラス端部の外観品質及び耐摩耗性を向上させることができる。
請求項3記載の車両用窓ガラスによれば、塗布液は有機物をさらに含有するので、被膜を形成する際の被膜の収縮緩和効果により、クラックの発生を抑制することができる。
請求項5記載の車両用窓ガラスによれば、塗布液は粒径が1μm以下の微粒子をさらに含有するので、ガラス端部の外観品質を向上させることができる。
請求項6記載の車両用窓ガラスによれば、被膜が一体形成された辺は、車両に取り付けられた際に露出する辺を含むので、車両に取り付けられた際に露出する辺のガラス端部の外観品質を向上させることができる。
請求項7記載の車両用窓ガラスによれば、被膜をガラス板の表面に形成した場合、該ガラス板の表面はテーバー摩耗後のヘイズ率が7%以下であるので、ガラス端部の耐摩耗性を向上させることができる。
請求項8記載の車両用窓ガラスによれば、厚さが2.5〜6.0mmであるので、車両に好適に用いることができる。
請求項9記載の車両用窓ガラスによれば、ガラス板端部に形成された被膜は膜厚が0.1〜5μmであるので、ガラス板端部の研磨により生じた微小な凹凸を埋めて、ガラス板端部の外観品質を向上させることができる。
請求項10記載の車両用窓ガラスの製造方法によれば、車両用窓ガラスのガラス板端部を研磨し、研磨されたガラス板端部の少なくとも1辺に塗布液を塗布し、塗布液が塗布されたガラス板端部を焼成し、塗布液は、シリコンアルコキシドと、強酸と、シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液であり、強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであるので、ガラス端部の外観品質及び耐摩耗性を向上させることができる。
請求項12記載の車両用窓ガラスによれば、塗布液は有機物をさらに含有するので、被膜を形成する際の被膜の収縮緩和効果により、クラックの発生を抑制することができる。
請求項14記載の車両用窓ガラスによれば、塗布液は粒径が1μm以下の微粒子をさらに含有するので、ガラス端部の外観品質を向上させることができる。
請求項15記載の車両用窓ガラスの製造方法によれば、織布を用いて塗布液を塗布するので、ガラス板端部に容易に塗布液を塗布することができる。
請求項16記載の車両用窓ガラスの製造方法によれば、ガラス板端部をダイヤモンドホイールを用いて略半円状に研磨するので、外観品質及び安全性を向上させると共に、ガラス板端部に形成された被膜を剥離し難くすることができる。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、研磨されたガラス板端部を備える車両用窓ガラスにおいて、研磨されたガラス板端部の少なくとも1辺に塗布液が塗布されることにより被膜が形成され、塗布液は、シリコンアルコキシドと、強酸と、シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液であり、強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであると、ガラス端部の外観品質及び耐摩耗性を向上させることができることを見出した。
本発明は、上記研究の結果に基づいてなされたものである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用窓ガラスの製造方法を説明する図である。
図1において、ガラス板1は、厚さが2.5〜6.0mm、好ましくは3〜5mmである。所定の形状に切断されたガラス板1の端部1aに、図2に示すように、ダイヤモンドホイールを用いてR面加工の面取り処理(R面研磨)を施す。
図2は、R面加工の面取り処理(R面研磨)を施したガラス板1を示す断面図である。
図2において、ガラス板1の端部1aはかまぼこ形状(略半円状)に研磨されている。
図3は、塗布液3を塗布したガラス板1を示す断面図である。
図3において、ガラス板1の端部1aに塗布液3を染み込ませたクリーンチーフ等の織布を用いて塗布液3を塗布する。
この端部1aに塗布液3が塗布されたガラス板1を室温で5分程度乾燥した後、予め200℃に昇温したオーブンに上記端部1aに塗布液3を塗布したガラス板1を投入して10分間加熱し、その後冷却し、端部1aに被膜3を有するガラス板1を得る。
塗布液3は、シリカ成分としてのシリコンアルコキシドと、有機物と、ITO微粒子(インジウム(In)−スズ(Sn)酸化物:Indium Tin Oxide)と、強酸と、シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液である。
本発明者らは塗布液3のpHに着目し、比較的緻密な膜ができる酸性領域で、酸の濃度と水分量を詳細に検討したところ、ある濃度域では、特に厚膜でも緻密でクラックのない被膜3となり、そのような被膜3を例えば150〜300℃程度で熱処理すると、熔融ガラス並みの硬度を有する被膜3にできることを発見した。
ここで、シラノールの等電点は2であることが知られている。これは、塗布液3のpHが2であると、塗布液3中においてシラノールが最も安定に存在できる、ということを示している。つまり、加水分解されたシリコンアルコキシドが塗布液3中に多量に存在する場合においても、塗布液3のpHが2程度であれば、脱水縮合反応によりオリゴマーが形成される確率が非常に低くなる。この結果、加水分解されたシリコンアルコキシドが、モノマーあるいは低重合の状態で、塗布液3中に存在できることとなる。
また、このようなpHの領域では、シリコンアルコキシドは、1分子当たり1個のアルコキシル基が加水分解され、シラノールとなった状態で安定化される。例えば、テトラアルコキシシランには4つのアルコキシル基があるが、そのうちの1つのアルコキシル基が加水分解され、シラノールとなった状態で安定化されるのである。
塗布液3に、揮発性の強酸を添加し、強酸のプロトンが完全に乖離したとしたときのプロトンの質量モル濃度(以下、単にプロトン濃度と称する)で、0.001〜0.1mol/kgとなるようにすると、塗布液3のpHは3〜1程度となる。したがって、塗布液3中において、安定なシラノールの状態を作り出すことができるのである。
塗布液3に添加する強酸としては、以下のものを挙げることができる。塩酸、硝酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などである。強酸のうち、揮発性の酸は、加熱時に揮発して硬化後の膜中に残存することがないので、好ましく用いることができる。硬化後の被膜3中に酸が残ると、無機成分の結合の妨げとなって、被膜3の膜硬度を低下させてしまうことがある。
なお、本発明において、プロトン濃度を上述したように、強酸のプロトンが完全に乖離したとしたときの濃度として規定した理由は、本発明のように有機溶媒と水の混合溶液中では、酸の乖離度を正確に求めることが困難だからである。
塗布液3のpHを1〜3とし、これをガラス板1の端部1aに塗布して乾燥すると、加水分解が不完全であり、また、一部重合したシリコンアルコキシドが密に充填され、クラックのない状態の被膜3が形成される。この結果、形成される細孔が小さく、かなり緻密な被膜3が得られる。
この被膜3は緻密ではあるが、この被膜3を200〜300℃で加熱しても、加水分解が不十分であることに起因して、ある硬度以上とはならない。そこで、シリコンアルコキシドの加水分解を予め促進しておいて、低温で硬化しやすい状態にするとよい。そのために、塗布液3に予め水を、シリコンアルコキシドに対して過剰に添加する。つまり、シリコンアルコキシドのシリコン原子のモル数に対して、加水分解に必要なモル数、すなわち4倍を超える過剰な水を添加しておくとよい。具体的には、5〜20倍モルの水を添加しておくことが好ましい。
乾燥時には、溶媒の揮発と並行して水も蒸発する。予め塗布液3に水を添加していても、その量が少ないと、シリコンアルコキシドが濃縮される段階で、不完全に加水分解されたシリコンアルコキシドが、十分に加水分解されることなく、充填されてしまう。そこで、塗布液3に予め水を過剰に添加しておくのである。
例えば、シリコンアルコキシドの一例であるテトラアルコキシシランの場合は、テトラアルコキシシラン1モルに対して、4モルの水があれば、化学量論的には、全てのアルコキシル基が加水分解されることになる。しかし、本発明では、それよりは多い量の水、すなわち、シリコンアルコキシドのシリコン原子のモル数に対して、4倍を超えるモル数の水を添加するのである。このことによって、シリコンアルコキシドの加水分解反応を十分に進め、400℃程度までの温度で熱処理するだけでも、硬度の高い被膜3を得ることが可能となる。
また、テトラアルコキシシランの重合物(例えば、コルコート製エチルシリケート40等)の場合には、重合物のSiのモル数をnとすると、化学量論的に加水分解に必要な水のモル数は、(2n+2)モルとなる。したがって、重合度の高いアルコキシシラン原料を使うほど、Siの1モルに対して、化学量論的に加水分解に必要な水のモル数は少なくなることになる。
本発明において、化学量論的に加水分解に必要な水のモル数以上の過剰の水を添加する理由は、乾燥あるいは加熱時の加水分解反応を促進することにある。例えば、粘度の低い塗布液3中では化学量論的に必要十分な量の水がありさえすれば、十分に拡散して加水分解反応が進む。ところが、乾燥あるいは加熱時には液の流動性が低下して、拡散が十分に行われないので、加水分解反応が十分に進行できない。その結果、400℃程度までの温度で熱処理するだけでは、硬度の高い被膜3を得ることができないのである。
そこで、予め重合したシリコンアルコキシド原料を使用する場合でも、Siの1モルに対して、過剰の水、すなわち4倍を超えるモル数の水を添加するのである。好ましくは、5〜20倍のモル数の水を添加する。
本発明では、シリカを主成分として含む有機無機複合膜とすることに特徴の一つがある。すなわち、シリコンアルコキシドに、有機物として例えばポリアルキレンオキサイドを加えて、複合化を図るものである。これにより、加熱時における溶媒の蒸発による膜収縮を最小限に抑え、クラックを発生させることなく、200nm以上4μm以下の被膜3を一度に形成することが可能となる。
なお、本発明による有機無機複合膜は、有機物と無機物が分子レベルで組み合わされていると考えている。
ところで、シリカ単独のドライゲルは、多孔質であることが知られている。これに対して、本発明による有機無機複合膜では、加えた有機物がゾル−ゲル法によって形成されるシリカ粒子の成長を抑制し、その結果、多孔質の膜になりにくいものと推定している。このため、膜硬度が高くなったと考えている。さらに、加えた有機物が、シリカ粒子の間に存在するため、溶媒の蒸発による膜収縮の影響を緩和するので、クラックを発生させないように作用しているものと推定している。
また、この有機無機複合膜は、膜成分としてリンを含むとよい。リンを含ませるために、例えば、ポリアルキレンオキサイドの官能基としてリンを含むとよい。また別途、形成溶液に、リン酸を含ませてもよい。本発明において、有機無機複合膜中におけるリンの含有量は少量である。
このリンに関し、被膜3中における働きや作用については定かではないが、本発明者らは、P−O−Siなど結合に寄与しているのではなく、ゾル−ゲル法における触媒として働いているものと推察している。
ITO微粒子等の微粒子を、シリカ成分と有機物とを含むマトリクス中に分散させた状態で膜状にするためにも上述したゾル−ゲル法を用いことが好ましい。ITO微粒子等の微粒子は、該ゾル−ゲル法によってゾル状態にあるマトリクスが固化することによりマトリクス中に分散された状態で固定される。ITO微粒子等の微粒子が被膜3中に分散されることにより被膜3の膜厚を厚くしやすくなり、研磨されたガラス板1の端部1aの凹凸を被膜3により埋めることにより、端部1aを平滑にすることができる。また、微粒子としてITO微粒子等の屈折率が比較的大きい微粒子を用いることにより、被膜3の屈折率を大きくすることができる。被膜3の屈折率が大きくなり、被膜3とガラス板1との屈折率差が小さくなると、端部1aの外観が良好となるため、さらに好ましい。
マトリクスに固定されている状態でITO微粒子の含有量は、被膜3の全質量に対して20〜45質量%である。該ITO微粒子の含有量が被膜3の全質量に対して20質量%未満であると、被膜3の屈折率が低くなるため端部1aの外観品質が低下し、一方、被膜3の全質量に対して45質量%を超えると、マトリクスの硬度が低下する。
また、ITO微粒子の粒径は、100nm以下、好ましくは40nm以下であり、より好ましくは1〜40nmである。これにより、微粒子の粒径が大きいことに起因するヘイズの発生を抑制することができる。
塗布液3中の有機物としては、親水性有機ポリマー、例えば、ポリアルキレンオキサイド、及び該ポリアルキレンオキサイドの熱分解物のいずれか一方の有機物を用いる。これらの有機物は、シリコンアルコキシドなどのシリカ成分を含む無機酸化物と複合化し、その結果、マトリクスが形成される。すなわち、マトリクスは、有機物と無機酸化物とが分子レベルで結合又は組み合わされた有機無機複合化合物から成る有機無機複合膜である。
マトリクスを有機物と無機酸化物とが分子レベルで結合又は組み合わされた有機無機複合化合物から成る有機無機複合膜とすることにより、日本工業規格JIS R3212に準拠した耐摩耗性試験後のヘイズ率が7%以下となる硬い膜が得られる。
また、上記有機物の含有量は、被膜3の全質量に対して2〜60%である。該有機物の含有量が被膜3の全質量に対して2質量%未満であると、収縮緩和効果が十分に得られなくなり、厚い膜を形成する際にクラックが発生する可能性が増大する。一方、被膜3の全質量に対して60質量%を超えると、被膜3中の有機物の含有量が多すぎて、十分な硬度を得ることができなくなる。
被膜3中のシリカ成分の含有量は、被膜3の全質量に対して20〜78%、好ましくは40〜78%である。該シリカ成分の含有量が被膜3の全質量に対して20質量%未満であると、被膜3をガラス板1の被膜形成面1bに形成した場合、ガラス板1の被膜形成面1bは耐摩耗性試験(テーバー摩耗試験)を被膜形成面1bに行った後に測定されるガラスのヘイズ率(曇価)を低くすることができなくなる。なお、ゾル−ゲル法において使用される溶液に添加されるマトリクスの出発原料におけるシリカ成分の濃度は20〜40質量%である。
上記シリカ成分の濃度(質量%)は、シリカ成分の構成単位であるシリカの含有量で算出する。例えば、上記有機物とシリカ(シリコン酸化物)とが複合化合物としての非晶質体を構成している場合にも、シリカ成分の質量百分率はシリカの含有量で算出する。
また、R面加工の面取り処理(R面研磨)したガラス板1の端部1aは、微小な凹凸を有する。このように、R面加工の面取り処理(R面研磨)したガラス板1の端部1aは微小な凹凸を有するので、ガラス板1と被膜3との接触面積が増大すると共に被膜3がこの凹凸を埋めることにより、端部1aに形成された被膜3はガラス板1から剥離し難くなる。
また、ガラス板1の端部1aに形成された被膜3は、膜厚が0.1〜5μmである。
本実施の形態によれば、研磨された端部1aに被膜3が形成され、被膜3はシリカ成分としてのシリコンアルコキシドと、有機物と、ITO微粒子と、強酸と、シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むエタノール等のアルコール溶液であり、強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであるので、端部1aの外観品質及び耐摩耗性を向上させることができる。
本実施の形態では、塗布液3は、シリカ成分としてのシリコンアルコキシドと、有機物と、ITO微粒子と、強酸と、シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むエタノール等のアルコール溶液であるが、これに限定されるものではなく、ITO微粒子及び有機物を必ずしも含んでいなくてもよい。
本実施の形態では、塗布液3を滲み込ませたクリーンチーフ等の織布を用いて端部1aにのみ塗布液3を塗布したが、これに限定されるものではなく、ガラス板1の被膜形成面1bに赤外線カット液を塗布した後に端部1aに塗布液3を塗布してもよい。これにより、図4に示すように、被膜形成面1bに赤外線カット膜50を有し、端部1aに被膜3を有するガラス板1を得ることができる。また、端部1aに被膜3が形成されているので、被膜形成面1bに形成された赤外線カット膜50がガラス板1から剥離するのを防止することができる。
本実施の形態において、ガラス板1の4辺うちドアに取り付けた際に露出する辺における端部1a、即ち、上辺部1cにおける端部1a、又は上辺部1c及び側辺部1e,1fにおける端部1aに塗布液3が塗布されるのが好ましい(図5)。
微粒子としてITO微粒子を用いる例を説明したが、ATO、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等の微粒子を用いてもよい。また、酸化ケイ素の微粒子を用いてもよい。酸化ケイ素の微粒子を用いると、屈折率の上昇効果は得られないものの、膜3の膜厚を厚くする効果は得られる。また、微粒子の粒径は、1μm以下であることが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明する。
(第1実施例)
この第1実施例は、本発明の有機無機複合膜における有機物として、塗布液3にポリエーテルリン酸エステル系界面活性剤を含み、無機物としてシリカを含む被膜3とした例である。なお、ポリエーテルリン酸エステル系界面活性剤は、リンの原料でもある。
エチルアルコール(片山化学製)23.70gに、テトラエトキシシラン(信越化学製) 45.14g、純水 27.16g、濃塩酸(35質量%、関東化学製)0.10g、ポリエーテルリン酸エステル系界面活性剤(日本ルーブリゾール製:ソルスパース41000)3.90gを添加、撹拌し、塗布液3を得た。この塗布液3中のテトラエトキシシラン(シリカ換算)、プロトン濃度および水の含有量は、表1に示す通りである。なお、水の含有量には、エチルアルコール中に含まれる水分を、0.35質量%として加え、計算している。
Figure 2007186398
次いで、洗浄したソーダ石灰珪酸塩ガラス基板(100×100mm)の端部1aに、湿度30%、室温下でこの塗布液3をクリーンチーフを用いて塗布した。そのまま、室温で約30分程度乾燥した後、予め200℃に昇温したオーブンに投入し40分加熱し、その後冷却した。得られた被膜3は、クラックのない透明度の高い膜であった。
さらに、被膜3の硬さの評価は、JIS R 3212に準拠した摩耗試験によって行った。すなわち、端部1aに形成した被膜3と同様のものをガラス板1の被膜形成面1bに形成して、市販のテーバー摩耗試験機を用い、被膜3が形成された被膜形成面1bに500gの荷重で1000回摩耗を行い、被膜3が形成された被膜形成面1bの摩耗試験前後のヘイズ率の測定を行った。クラックの有無、テーバー試験前後のヘイズ率、および膜剥離の有無を表2に示す。なお、ブランクとして、熔融ガラス板におけるテーバー試験前後のヘイズ率も表2に示す。
Figure 2007186398
テーバー試験後のヘイズ率は2.5%と低く、熔融ガラス板に匹敵する硬度を有していることが分かった。この結果、シリカ膜付きガラス板は、自動車用あるいは建築用の窓ガラスとしても、十分に実用性を有している。
(第2実施例)
この第2実施例は、第1実施例におけるシリカ原料として、テトラエトキシシランにエチルシリケートを加えたものである。
エチルアルコール(片山化学製)30.02gに、テトラエトキシシラン(信越化学製)22.57g、エチルシリケート40(コルコート製)16.25g、純水 27.16g、濃塩酸(35質量%、関東化学製)0.10g、ポリエーテルリン酸エステル系界面活性剤(日本ルーブリゾール製:ソルスパース41000)3.90gを添加、撹拌し、塗布液3を得た。この塗布液3中のシリコンアルコキド(シリカ換算)、プロトン濃度および水の含有量は、表1に示す通りである。なお、水の含有量も第1実施例と同様に計算している。
なお、ここで用いたエチルシリケート40は、平均してn=5の下記分子式で代表され、シリカ分(SiO2)として40質量%相当分を含有する無色透明の液体である。さらには、鎖状構造の縮合体の他に、分岐状または環状構造の縮合体も含んでいる。このエチルシリケート40は、シリカの供給効率,粘度,比重,保存安定性に優れており、使用時の取り扱いのし易いなどの特徴を有している。
(化1)
CH3CH2O-(Si(OCH2CH3)2)n-OCH2CH3
次いで、洗浄したソーダ石灰珪酸塩ガラス基板(100×100mm)の端部1aに、湿度30%、室温下でこの塗布液3をクリーンチーフを用いて塗布した。そのまま、常温で約30分程度乾燥した後、予め200℃に昇温したオーブンに投入し40分加熱し、その後冷却した。得られた被膜3は、クラックのない透明度の高い膜であった。
さらに、被膜3の硬さの評価は、第1実施例と同様に行った。表2に示すように、テーバー試験後のヘイズ率は2.4%と低く、熔融ガラス板に匹敵する硬度を有していた。
(第3実施例)
この第3実施例は、第1実施例におけるポリエーテルリン酸エステル系界面活性剤の代わりに、ポリエチレングリコールを用い、さらにリンの原料としてリン酸を加えたものである。
エチルアルコール(片山化学製)23.69gに、テトラエトキシシラン(信越化学製)45.14g、純水27.16g、濃塩酸(35質量%、関東化学製)0.10g、リン酸(85質量%、関東化学製)0.11g、ポリエチレングリコール4000(関東化学製)3.81gを添加、撹拌し、塗布液3を得た。この塗布液3中のテトラエトキシシラン(シリカ換算)、プロトン濃度および水の含有量は、表1に示す通りである。なお、水の含有量も第1実施例と同様に計算している。
次いで、洗浄したソーダ石灰珪酸塩ガラス基板(100×100mm)の端部1aに、湿度30%、室温下でこの塗布液3をクリーンチーフを用いて塗布した。そのまま、常温で約30分程度乾燥した後、予め200℃に昇温したオーブンに投入し40分加熱し、その後冷却した。得られた被膜3は、クラックのない透明度の高い膜であった。
さらに、被膜3の硬さの評価は、第1実施例と同様に行った。表2に示すように、テーバー試験後のヘイズ率は2.6%と低く、熔融ガラス板に匹敵する硬度を有していた。
(第4実施例)
この第4実施例は、有機無機複合膜中に、ITO微粒子を分散させた例である。
ITO微粒子分散液(三菱マテリアル製:ITOを40質量%含むエチルアルコール溶液) 7.5gに、ポリエーテルリン酸エステル系界面活性剤(楠本化成製:ディスパロンDA−375)0.15g、テトラエトキシシラン(信越化学製)20.8g、エチルアルコール(片山化学製)55.45g、純水15.8g、濃塩酸(35質量%、関東化学製)0.3gを順に添加して、塗布液3とした。この塗布液3中のテトラエトキシシラン(シリカ換算)、プロトン濃度および水の含有量は、表1に示す通りである。なお、水の含有量も第1実施例と同様に計算している。
次いで、洗浄したソーダ石灰珪酸塩ガラス基板(100×100mm)の端部1aに、湿度30%、室温下でこの塗布液3をクリーンチーフを用いて塗布した。そのまま、常温で約30分程度乾燥した後、予め90℃に昇温したオーブンに投入し30分加熱し、さらに、予め200℃に昇温したオーブンに投入し1時間加熱し、その後冷却した。得られた被膜3は、クラックのない透明度の高い膜であった。
さらに、被膜3の硬さの評価は、第1実施例と同様に行った。表2に示すように、テーバー試験後のヘイズ率は2.8%と低く、熔融ガラス板に匹敵する硬度を有していた。
(第5実施例)
この第5実施例も、有機無機複合膜中に、ITO微粒子を分散させた例である。
ITO微粒子分散液(三菱マテリアル製:ITOを40質量%含むエチルアルコール溶液) 2.25gに、ポリエーテルリン酸エステル系界面活性剤(アビシア製:ソルスパース41000)0.16g、ポリエチレングリコール400(片山化学製)0.36g、テトラエトキシシラン(信越化学製)6.25g、エチルアルコール(片山化学製)17.59g、純水3.7g、濃硝酸(60質量%、関東化学製)0.01gを順に添加して、塗布液3とした。この塗布液3中のテトラエトキシシラン(シリカ換算)、プロトン濃度および水の含有量は、表1に示す通りである。なお、水の含有量も第1実施例と同様に計算している。
次いで、洗浄したソーダ石灰珪酸塩ガラス基板(305×305mm)の端部1aに、湿度30%、室温下でこの塗布液3をクリーンチーフを用いて塗布した。そのまま、常温で約30分程度乾燥した後、予め200℃に昇温したオーブンに投入し14分加熱し、その後冷却した。得られた被膜3は、クラックのない透明度の高い膜であった。
さらに、被膜3の硬さの評価は、第1実施例と同様に行った。表2に示すように、テーバー試験後のヘイズ率は2.4%と低く、熔融ガラス板に匹敵する硬度を有していた。
第4および第5実施例で得られた被膜3は、ITO微粒子を含有していることから、太陽光に含まれる赤外線をカットし、通常のガラスを通して太陽光が肌に当たった場合に感じる暑さを低減する機能を有している。
ITO微粒子は、200℃を超える温度に曝されると、酸化されるにより赤外線をカットする機能が失われてしまうことが知られている。本発明では、200度という低い焼成温度で、実用的に十分な硬度を有するシリカ膜を得ることができるので、ITO微粒子の機能を損なうことがない。この結果、十分な実用性を持ち、しかもITO微粒子を用いた赤外線カット機能を有する被膜3とすることが可能となった。
本発明の実施の形態に係る車両用窓ガラスの製造方法を説明する断面図である。 R面加工の面取り処理(R面研磨)を施したガラス板1を示す断面図である。 塗布液3を塗布したガラス板1を示す断面図である。 図3のガラス板1の変形例を示す断面図である。 自動車用ドアガラスを示す図である。 従来の車両用窓ガラスに用いられる赤外線遮蔽ガラスを説明する図である。
符号の説明
1 ガラス板
1a 端部
1b 被膜形成面
2 赤外線カット液
3 塗布液(被膜)

Claims (16)

  1. 研磨されたガラス板端部を備える車両用窓ガラスにおいて、前記研磨されたガラス板端部の少なくとも1辺に塗布液が塗布されることにより被膜が形成され、
    前記塗布液は、シリコンアルコキシドと、強酸と、前記シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液であり、
    前記強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであることを特徴とする車両用窓ガラス。
  2. 前記塗布液が塗布されたガラス板端部を400℃以下の温度で熱処理することを特徴とする請求項1記載の車両用窓ガラス。
  3. 前記塗布液は、有機物をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用窓ガラス。
  4. 前記有機物はポリアルキレンオキサイドを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  5. 前記塗布液は、粒径が1μm以下の微粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  6. 前記被膜が形成された辺は、車両に取り付けられた際に露出する辺を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  7. 前記被膜をガラス板の表面に形成した場合、該ガラス板の表面はテーバー摩耗後のヘイズ率が7%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  8. 前記車両用窓ガラスは、厚さが2.5〜6.0mmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  9. 前記ガラス板端部に形成された被膜は、膜厚が0.1〜5μmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両用窓ガラス。
  10. 車両用窓ガラスのガラス板端部を研磨する研磨ステップと、
    前記研磨されたガラス板端部の少なくとも1辺に塗布液を塗布する塗布ステップと、
    前記塗布液が塗布されたガラス板端部を焼成する焼成ステップとを備え、
    前記塗布液は、シリコンアルコキシドと、強酸と、前記シリコンアルコキシドにおけるシリコン原子の総モル数の4倍を超えるモル数の水とを含むアルコール溶液であり、
    前記強酸はプロトンの完全に乖離したときの質量モル濃度が0.001〜0.1mol/kgであることを特徴とする車両用窓ガラスの製造方法。
  11. 前記焼成ステップにおいて、前記塗布液が塗布されたガラス板端部を400℃以下の温度で熱処理することを特徴とする請求項10記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  12. 前記塗布液は、有機物をさらに含有することを特徴とする請求項10又は11記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  13. 前記有機物はポリアルキレンオキサイドを含むことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  14. 前記塗布液は、粒径が1μm以下の微粒子をさらに含有することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  15. 前記塗布ステップにおいて、織布を用いて前記塗布液を塗布することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
  16. 前記研磨ステップにおいて、前記ガラス板端部をダイヤモンドホイールを用いて略半円状に研磨することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の車両用窓ガラスの製造方法。
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