本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
本発明の表示装置は、ある行にビデオ信号の書き込みを行う場合に、ある行に新たに書き込みを行うビデオ信号と1行前に書き込まれたビデオ信号との比較、またはある行に新たに書き込みを行うビデオ信号と既にその行の画素に書き込まれたビデオ信号との比較を行い、サンプリングパルスの出力や画素へのビデオ信号の書き込みを行うかどうか制御する。そのため、本発明の表示装置は大きく分けて2つの構成を適用する。
第1の構成は、ある行(例えば、i行)を選択して当該選択された行に対応する各列の画素へビデオ信号の書き込みを行う際に、1行前(例えば、(i−1)行)に書き込まれたビデオ信号と次の行(i行)に書き込みを行おうとするビデオ信号とを比較し、同じである場合に信号線駆動回路101でのサンプリングパルスの生成を行わない構成とする。なお、ここで、1行前((i−1)行)に書き込まれたビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号とを比較するとは、1行前の各列に対応する画素に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行う行(i行)の各列に対応する画素に書き込むビデオ信号を、同一の信号線に接続された列毎で比較することをいう。
第2の構成は、ある行の各列に対応する画素へビデオ信号の書き込みを行う際に、既にその行の各列に対応する画素に書き込まれて保持されているビデオ信号と新たにその行に書き込みを行おうとするビデオ信号とを比較し、同じである場合にその行に対応する画素にビデオ信号の書き込みを行わない構成とする。なお、ここで、既にその行の各列に対応する画素に書き込まれて保持されているビデオ信号と新たに書き込みを行おうとするビデオ信号とを比較するとは、既にその行に書き込まれているビデオ信号と新たにその行に書き込みを行おうとするビデオ信号とを、同一の信号線に接続された列毎で比較することをいう。
また、第2の構成においては、第1の構成と異なり、既にその行に書き込まれて保持されているビデオ信号と新たにその行に書き込みを行おうとするビデオ信号とがその行に対応する各列の画素同士を比較した場合に全て同じである場合に適用する。一方、第1の構成では、1行前の各列に対応する画素に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行う行(i行)の各列に対応する画素に書き込むビデオ信号とが全て同じである場合に限らず適用することができる。
本発明の表示装置は、第1の構成または第2の構成を用いて消費電力の低減を図るものであり、第1の構成と第2の構成はそれぞれ適用してもよいし、組み合わせて適用することもできる。
本発明の表示装置の一構成例を図1に示す。
本発明の表示装置は、信号線駆動回路101と、走査線駆動回路102と、画素部103とを有している(図1)。画素部103には、走査線G1〜Gmと信号線S1〜Snとに対応してマトリクス状に配置された画素104が設けられており、各画素104は書き込まれた信号を保存する手段を有している。
走査線駆動回路102には、クロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)、スタートパルス信号(G_SP)等の信号が入力される。ただし、これに限定されない。
なお、クロック信号(G_CLK)は、一定の間隔でH(Hight)信号とL(Low)信号を繰り返す信号であり、クロック反転信号(G_CLKB)は、クロック信号(G_CLK)と極性の反転する信号である。そして、これらの信号により、走査線駆動回路102の同期をとったり、処理の実行のタイミングの制御を行ったりする。よって、走査線駆動回路102にスタートパルス信号(G_SP)が入力されると、クロック信号やクロック反転信号に従って、各走査線G1〜Gmにそれぞれの画素の行を選択するタイミングの走査信号(ゲート選択パルス)が生成される。この走査信号は、走査線駆動回路102に接続された走査線を介して、画素部103に設けられた複数の画素行を一つずつ順に選択するタイミングの信号である。
このように、走査線駆動回路102は、走査線G1〜Gmのいずれか一の走査線Giに信号を入力することにより、信号を書き込む画素の行を選択する。つまり、画素を選択する信号が入力された走査線Giに接続された画素の行が選択される。画素が選択されると信号線を介してそこに信号が入力される。また、本発明では、走査線駆動回路102に転送制御信号(G_ENABLEt)やサンプリング制御信号(G_ENABLEp)を入力し、サンプリングパルスの生成の制御を行う。具体的には、既にその行に書き込まれて保持されているビデオ信号と新たにその行に書き込みを行おうとするビデオ信号とを比較し、同じである場合にその行に対応する走査線の選択を行わずビデオ信号の書き込みを行わない。
信号線駆動回路101には、クロック信号(S_CLK)、クロック反転信号(S_CLKB)、スタートパルス信号(S_SP)、ビデオ信号(Video Data)等の信号が入力される。ただし、これに限定されない。
クロック信号(S_CLK)は、一定の間隔でH(Hight)信号とL(Low)信号を繰り返す信号であり、クロック反転信号(S_CLKB)は、クロック信号(S_CLK)と極性の反転する信号である。そして、これらの信号により、信号線駆動回路101の同期をとったり、処理の実行のタイミングの制御を行ったりする。よって、信号線駆動回路101にスタートパルス信号(S_SP)が入力されると、クロック信号やクロック反転信号に従って、画素の列に対応したサンプリングパルスが生成される。サンプリングパルスは、ある画素へ書き込まれるビデオ信号(Video Data)が信号線駆動回路101に入力されているときに、当該ビデオ信号をその画素の列にデータとして変換するためのタイミングを制御する信号である。従って、このサンプリングパルスにより、シリアルのデータとして信号線駆動回路101に入力されるビデオ信号のデータをパラレルのビデオ信号のデータにすることができる。なお、線順次方式の表示装置の場合には、このパラレルのビデオ信号のデータは、信号線駆動回路101で保持され、一列分を同時に信号線S1〜Snのそれぞれへ入力される。また、点順次方式の場合には、サンプリングパルスのタイミングに従ってシリアルのビデオ信号のデータをパラレルのビデオ信号のデータとして順々に信号線S1〜Snのそれぞれの列に入力する。このように、信号線駆動回路101は、それぞれ各列の画素に応じたビデオ信号を信号線S1〜Snへ入力する。
このように、走査線駆動回路102によって生成された走査信号のタイミングでビデオ信号の書き込みを行う画素の行が選択される。そして、信号線駆動回路101から信号線S1〜Snに入力されたビデオ信号は、選択された行に対応する各列の画素104に書き込まれ、各画素104は書き込まれたビデオ信号のデータを一定期間保存する。また、本発明では、信号線駆動回路101に転送制御信号(S_ENABLEt)やサンプリング制御信号(S_ENABLEp)を入力し、サンプリングパルスの生成の制御を行う。具体的には、1行前((i−1)行目)に書き込まれたビデオ信号と次の行(i行目)に新たに書き込みを行うビデオ信号とを列毎に比較し、同じ列がある場合に信号線駆動回路101でのサンプリングパルスの生成を行わなかったり、途中で停止する構成とする。
画素部103において各行が順次選択され、全ての画素104に各画素に対応したビデオ信号が書き込まれると画素へのビデオ信号の書き込みが終了する。なお、各画素は、書き込まれたビデオ信号のデータを一定期間保持することによって、点灯又は非点灯の状態を維持することができる。また、各画素の点灯又は非点灯の状態を制御することによって、表示装置における階調を表現することができる。例えば、画素104の発光時間の長さを制御することにより階調を表現することができる。
このように、書き込み動作と発光動作を繰り返し行うことにより、動画を表示することができる。また、静止画表示の場合においても、画像が書き換えられる度に書き込み動作と発光動作が行われる。
以下、本発明の表示装置の具体的な構成に関して図面を参照して説明を行っていく。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の表示装置の一例に関して図面を参照して説明する。具体的には、ある行を選択して当該選択された行にビデオ信号の書き込みを行う際に、ある行に書き込みを行うビデオ信号と1行前に画素に書き込まれたビデオ信号とを比較する構成に関して説明する。
図2に本実施の形態で示す表示装置の模式図を示す。
図2(A)、(B)に示す表示装置は、信号線駆動回路101と、走査線駆動回路102と、画素部103とを有している。画素部103には、走査線G1〜Gmと信号線S1〜Snとに対応してマトリクス状に配置された画素104が設けられており、画素104は書き込まれた信号を保存する手段を有している。また、信号線駆動回路101は、パルス出力回路201と、第1のラッチ回路202と、第2のラッチ回路203とを有している。
パルス出力回路201は、入力されたスタートパルス信号(S−SP)、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)のタイミングに従ってサンプリングパルスを順次第1のラッチ回路202に出力する。第1のラッチ回路202には、ビデオ信号(Video Data)が入力され、パルス出力回路201から出力されたサンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、各段にビデオ信号が入力されて保持される。つまり、パルス出力回路201から出力されたサンプリングパルスによって、第1のラッチ回路202の各段のラッチ回路が動作している。
第1のラッチ回路202において、最終段までデジタルビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路203にラッチパルス(Latch Pulse)が入力され、第1のラッチ回路202に保持されていたデジタルビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路203に転送される。その後、第2のラッチ回路203に保持されたデジタルビデオ信号は1行分が同時に信号線S1〜Snへ出力される。
また、本実施の形態では、パルス出力回路201に転送制御信号(S_ENABLEt)が入力されている。そして、転送制御信号のレベルによりパルス出力回路201から第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力が制御される。つまり、転送制御信号により、第1のラッチ回路202にビデオ信号を入力するかどうかの制御を行うことができる。第1のラッチ回路202へビデオ信号の入力を行うかどうかは、画素部103の各行において1行前((i−1)行目)のビデオ信号と新たに書き込みを行う次の後(i行目)のビデオ信号とを列毎に比較して、前の行で画素に書き込まれたビデオ信号と異なる場合のみ第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力して、当該第1のラッチ回路202へ新たなビデオ信号の書き込みを行う。
このように、各行全てにおいて、パルス出力回路201から第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力して当該第1のラッチ回路202にビデオ信号書き込むのではなく、サンプリングパルスの生成を選択的に制御することにより、消費電力を低減することができる。
次に、図2に示す信号線駆動回路101の具体的な構成とその動作の一例について、図3を用いてより詳しく説明する。図3では、選択された行のある列以降の画素において、新たに書き込みを行うビデオ信号が一行前にその列以降の画素に書き込まれたビデオ信号と同じであるときに、パルス出力回路201で信号の転送を停止する場合を示している。
本実施の形態で示すパルス出力回路201は、フリップフロップ回路(FF)204等を複数段用いて構成されたシフトレジスタ207とANDゲート205とを有しており、当該フリップフロップ回路204にクロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)、スタートパルス信号(S−SP)が入力される。そして、これらの信号のタイミングに従って順次サンプリングパルスが出力される。また、ANDゲート205の2つの入力端子は、フリップフロップ回路204の入力端子と出力端子に接続されている。なお、ここでは、ANDゲート205を用いた例を示しているが、これに限定されない。同様な働きをする回路であればどのような構造を用いてもよく、例えば、ORゲート、NANDゲート、NORゲート、XORゲート、NOTゲート等を用いたり組み合わせたりしてもよい。
図3に示す構成では、ANDゲート205を用いることにより、各列のサンプリングパルスが重ならないようにすることができる。そのような必要がない場合にはANDゲートを設ける必要はない。例えば、図74に示すように、一つの信号線に出力されるサンプリングパルスを複数のフリップフロップ回路204(ここでは2つ)により生成する構成としてもよい。この場合、ANDゲートを設けなくても各列のサンプリングパルスが重ならないようにすることができる。
ANDゲート205を介してパルス出力回路201から出力されたサンプリングパルスは、第1のラッチ回路202に出力され、その信号のタイミングに従ってビデオ信号が第1のラッチ回路202に保持される。第1のラッチ回路202において、最終段までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路203にラッチパルスが入力され、第1のラッチ回路202に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路203に転送される。
さらに、図3では、フリップフロップ回路204の入力部分に、信号を初期化するスイッチ206を設け、転送制御信号(S_ENABLEt)によって、当該スイッチ206のオン、オフを制御する。スイッチをオンすると、正論理の場合は強制的にL信号(負論理の場合はH信号)が書き込まれる。具体的には、書き込みを行う行に関してある列以降に書き込むビデオ信号が一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と同じ場合に、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンして強制的にL信号を書き込むことによって、スタートパルス信号から順に転送されてきた信号を初期化して当該列以降においてシフトレジスタ207での信号の転送を停止する。その結果、当該列以降において、第1のラッチ回路へのサンプリングパルスの出力が行われなくなり、当該列以降の第1のラッチ回路202へのビデオ信号の書き込みも行われない。従って、ある列以降において、シフトレジスタでの転送を停止することによりフリップフロップ回路204での充放電が無くなるため消費電力を低減することができる。また、ビデオ信号線へのビデオ信号の入力も停止することによって、第1のラッチ回路202へのビデオ信号の充放電が無くなるため消費電力を低減することができる。なお、ここでは、一列目のフリップフロップ回路の入力部にスイッチ206を設けていないが、設けた構造としてもよい。
スイッチ206としては、電気的スイッチでも機械的なスイッチでも良い。電流の流れを制御できるものなら、どのような構成でもよい。トランジスタでもよいし、ダイオードでもよいし、それらを組み合わせた論理回路でもよい。スイッチとしてトランジスタを用いる場合を図73(A)に示す。トランジスタは、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)がフリップフロップ回路204の入力部分に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が低電源電位に設定された電極と接続されている。低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。また、トランジスタは、単なるスイッチとして動作するため、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。ただし、オフ電流が少ない方が望ましい場合、オフ電流が少ない方の極性のトランジスタを用いることが望ましい。オフ電流が少ないトランジスタとしては、LDD領域を設けているものやマルチゲート構造にしているもの等がある。また、スイッチとして動作させるトランジスタのソース端子の電位が、低電位側電源(Vss、GND、0Vなど)に近い状態で動作する場合はNチャネル型を、反対に、ソース端子の電位が、高電位側電源(Vddなど)に近い状態で動作する場合はPチャネル型を用いることが望ましい。なぜなら、ゲートとソース間電圧の絶対値を大きくできるため、スイッチとして、動作させやすいからである。なお、Nチャネル型とPチャネル型の両方を用いて、CMOS型のスイッチにしてもよい。また、スイッチとして、ダイオードを用いてもよく、この場合を(図73(B))に示す。スイッチとして、図73(B)に示すようにダイオードを設けた場合には、通常は転送制御信号をHレベルに保ち、転送を停止する場合にLレベルにすることによりダイオードがオンして信号を初期化することができる。また他にも、ダイオード接続したトランジスタ、PN接合やPIN接合のダイオードやショットキー型のダイオードやカーボンナノチューブで形成されたダイオードなどを用いてもよい。
信号を初期化して転送を停止するときのタイミングチャート図4に示す。なお、図4では、画素部103において1行がn列(1列目〜n列目)の信号線から構成される場合において、(j+3)列目以降には第1のラッチ回路202へのビデオ信号の書き込みを行わない例を示している。なお、図4(A)はスイッチ206として図73(A)に示したトランジスタを用いた場合を示しており、図4(B)はスイッチ206として図73(B)に示したダイオードを用いた場合を示している。
図4において、(j+3)列目以降のビデオ信号に関しては、当行のビデオ信号と一行前のビデオ信号とが同じであるため、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンすることによって、(j+3)列目以降の列ではシフトレジスタ207での信号の転送を停止する。つまり、(j+3)列目以降の列において、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力せず、当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを行わない。具体的に、図4(A)では、(j+2)列目までは転送制御信号をLレベルに保ち、(j+3)列目において転送制御信号をHレベルとしてスイッチ206として機能するトランジスタをオンして強制的にL信号を書き込むことによって、スタートパルスから順に転送されてきた信号を初期化して(j+3)列目以降においてシフトレジスタ207での信号の転送を停止する。また、図4(B)では、(j+2)列目までは転送制御信号をHレベルに保ち、(j+3)列目において転送制御信号をLレベルとして((a)の場合)スイッチ206として機能するダイオードをオンして強制的にL信号を書き込むことによって、スタートパルスから順に転送されてきた信号を初期化して(j+3)列目以降においてシフトレジスタ207での信号の転送を停止する。また、(j+3)列目以降において転送制御信号をLレベルとして((b)の場合)スイッチ206として機能するダイオードをオンして強制的にL信号を書き込むことによって、スタートパルスから順に転送されてきた信号を初期化して(j+3)列目以降においてシフトレジスタ207での信号の転送を停止することも可能である。
1列目〜(j+2)列目までは、一行前のビデオ信号と異なる列が少なくとも一つ(この場合、少なくとも(j+2)列目は一行前に書き込まれた(j+1)列目のビデオ信号と異なっている)あるため、転送制御信号をオフの状態とし、フリップフロップ回路204からANDゲート205を介して第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力して当該第1のラッチ回路202に新たにビデオ信号の書き込みを行っている。一方、(j+3)列目以降の列においては、一行前のビデオ信号と全て同じであるため、(j+3)列目に転送制御信号を用いてスイッチ206をオンの状態とすることによって、(j+3)列目以降はシフトレジスタ207での信号の転送を停止させ、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力せず、当該第1のラッチ回路202に新たなビデオ信号の書き込みを行わない。新たな信号を書き込まなくても、既に第1のラッチ回路202に保存されているビデオ信号と同じなので問題はない。
従って、1列目〜(j+2)列目までは新たに第1のラッチ回路202に書き込まれたビデオ信号が保持されており、(j+3)列目以降は一行前と同じビデオ信号が第1のラッチ回路202に保持されている。そして、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路203にラッチパルスが入力され、第1のラッチ回路202に保持されていたビデオ信号が第2のラッチ回路203に転送され、第2のラッチ回路203に保持されたデジタルビデオ信号1行分が同時に信号線S1〜Snへ出力される。
このように、1行分のビデオ信号を全て第1のラッチ回路202に書き込むのではなく、ある列以降のビデオ信号が一行前のビデオ信号と同じ場合にそれ以降の列においてはシフトレジスタ207の信号の転送を停止して、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスの出力を行わないことによって、消費電力を低減することができる。
なお、図3に示す構成では、ある列で転送制御信号を用いてスイッチ206をオンにした場合、その列以降の全ての列において、シフトレジスタ207での信号の転送が停止し、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスが出力されなくなる。従って、図3に示した構成において、走査方向切り換えスイッチを設け、走査する方向を選択できるようにしてもよい。つまり、シフトレジスタ207において、直列に接続された複数のフリップフロップ回路204のうち、両端に位置するフリップフロップ回路204のいずれか一方からスタートパルス信号を入力するか選択することによって、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を低減することができる。
上述したシフトレジスタ207に走査方向切り換えスイッチを設けた構成を図75(A)に示す。ここでは、フリップフロップ回路204の入力部に信号の転送を制御する走査方向切り換えスイッチ281、282を設ける。具体的には、隣接するフリップフロップ回路(例えば、j列目と(j+1)列目に対応するフリップフロップ回路)において、j列目に対応するフリップフロップ回路の出力部と(j+1)列目に対応するフリップフロップ回路の入力部の間に走査方向切り換えスイッチ281を設ける。そして、j列目に対応するフリップフロップ回路の入力部と(j+1)列目に対応するフリップフロップ回路の出力部の間に走査方向切り換えスイッチ282を設ける。
例えば、一行がn列(1列目〜n列目)の信号線から構成される表示装置の画素にビデオ信号の書き込みを行う場合において、(n−2)列目のビデオ信号のみが一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と異なる際に、1列目にスタートパルス信号を入力した場合と、n列目にスタートパルス信号を入力してシフトレジスタ207の信号の転送を行った場合のタイミングチャートを図5に示す。
図5(A)は、1列目の信号線に電気的に接続されたフリップフロップ回路204にスタートパルス信号を入力した場合を示している。回路図は、図75(B)に相当し、走査方向切り換えスイッチ281がオンしており走査方向切り換えスイッチ282はオフした状態となっている。この場合には、シフトレジスタ207において、1列目〜(n−2)列目までは信号の転送が行われ、(n−1)列目以降には信号の転送が行われない。つまり、1列目〜(n−2)列目までのフリップフロップ回路204からANDゲート205を介して第1のラッチ回路202へサンプリングパルスが出力され、当該第1のラッチ回路202に新たにビデオ信号が書き込まれる。
一方、図5(B)は、n列目の信号線に電気的に接続されたフリップフロップ回路204にスタートパルス信号を入力した場合を示している。回路図は、図75(C)に相当し、走査方向切り換えスイッチ281がオフしており走査方向切り換えスイッチ282はオンした状態となっている。この場合には、シフトレジスタ207において、n列目〜(n−2)列目まで信号の転送が行われ、(n−3)列目〜1列目には信号の転送が行われない。つまり、n列目〜(n−2)列目までのフリップフロップ回路204からANDゲート205を介して第1のラッチ回路202へサンプリングパルスが出力され、当該第1のラッチ回路202にビデオ信号が新たに書き込まれるが、1列目〜(n−3)列目まではシフトレジスタ207の信号の転送が停止し、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力しない構成とすることができる。
このように、図5(A)では、1列目〜(n−2)列目までの(n−2)列分において、シフトレジスタ207で信号を転送し、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力して当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを行うが、図5(B)では、n列目〜(n−1)列目までの2列分において、シフトレジスタ207で信号を転送し、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力して当該第1のラッチ回路202にビデオ信号の書き込みを行う。従って、走査方向切り換えスイッチを設けて走査する方向を選択可能とすることによって、シフトレジスタ207において信号の転送を早めに停止し、フリップフロップ回路204からANDゲート205を介して出力するサンプリングパルスを停止し、当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを低減することができる。その結果、ビデオ信号の充放電や、シフトレジスタ207での充放電が無くなるため、消費電力を低減することができる。これは、nの数(画素数)が大きくなればなるほど顕著な効果が得られる。
また、上記構成で示したフリップフロップ回路の一例を図77(A)、(B)に示す。フリップフロップ回路は、基本的には、入力された信号を遅延させて出力させる構成であればよい。図77に示すフリップフロップ回路3101では、クロックドインバータ3102、クロックドインバータ3103及びインバータ3104を有し、一般的に、ディレイ型フリップフロップ回路(DFF)と呼ばれている。DFFを構成するクロックトインバータ3102及び3103は、そこに入力されるクロック信号やクロック反転信号に同期して動作する。そのため、遅延回路としてDFFを一段配置すると、DFFに供給されるクロック信号の1パルス分だけ(クロック信号の周期の半分の時間だけ)、信号が遅延することになる。なお、図77ではDFFを用いた場合の構成を示したが、これに限定されない。シフトレジスタで用いられるような回路であればどのような構成でも適用可能である。
また、上記構成で示したラッチ回路の一例を図78(A)、(B)に示す。ラッチ回路は、基本的には、入力された信号を保持して出力させる構成であればよい。図78に示すラッチ回路3201では、インバータ3202、クロックドインバータ3203、クロックドインバータ3204及びインバータ3205を有している。ラッチ回路を構成するクロックトインバータ3203及び3204は、そこに入力されるタイミング信号やインバータ3202を介して入力されるタイミング信号に同期して動作する。つまり、タイミング信号に同期して入力された信号を保持して出力させる。なお、本発明に適用可能なラッチ回路は、図78の構成に限られず、入力された信号を保持して出力させる回路であればどのような構成でも適用可能である。
また、本実施の形態で示した構成は、一つの信号線に対してラッチ回路が複数設けられた構成にも適用することができる。この場合について図76を用いて説明する。
図76では、一つの信号線に対して第1のラッチ回路202と第2のラッチ回路203が複数個(ここでは3個ずつ)設けられ、第1のラッチ回路202の数に対応したビデオ線が複数(ここでは3つ)設けられている。そして、第2のラッチ回路203から出力されたビデオ信号がD/A変換回路を介して信号線に出力される構成となっている。なお、ここでは第1のラッチ回路を3個(3ビット分)設けた例を示したが、これに限られない。つまり、実施者が適宜必要な表示ビット数(例えば、6ビットなら第1のラッチ回路と第2のラッチ回路を6個ずつ)を考慮して選択すればよい。
パルス出力回路201から出力されたサンプリングパルスは、第1のラッチ回路202a〜202cに出力され、その信号のタイミングに従ってビデオ信号が第1のラッチ回路に保持される。ここでは、ビデオ線が第1のラッチ回路202の数だけ設けられており、第1のラッチ回路202a〜第1のラッチ回路202cにそれぞれビデオ信号1〜ビデオ信号3が保持される。つまり、並列した3つの第1のラッチ回路202において、3ビット分のビデオ信号の取り込みが同時に行われる。そして、第1のラッチ回路202において、最終段までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路203にラッチパルスが入力され、第1のラッチ回路202に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路203に転送される。
なお、第2のラッチ回路203も第1のラッチ回路202の数だけ設けられており、第1のラッチ回路202a〜第1のラッチ回路202cから出力されたビデオ信号がそれぞれ第2のラッチ回路203a〜第2のラッチ回路203cに保持される。そして、第2のラッチ回路203に保持されたビデオ信号はD/A変換回路283を介して画素へ出力される。
さらに、図76では、上述した図3と同様に、フリップフロップ回路204の入力部分に、信号を初期化するスイッチ206を設け、転送制御信号(S_ENABLEt)によって、当該スイッチ206のオン、オフを制御する。スイッチをオンすると、正論理の場合は強制的にL信号(負論理の場合はH信号)が書き込まれる。具体的には、書き込みを行う行に関してある列以降に書き込むビデオ信号が一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と同じ場合に、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンして強制的にL信号を書き込むことによって、スタートパルス信号から順に転送されてきた信号を初期化して当該列以降においてシフトレジスタ207での信号の転送を停止する。その結果、当該列以降において、第1のラッチ回路へのサンプリングパルスの出力が行われなくなり、当該列以降の第1のラッチ回路202へのビデオ信号の書き込みも行われない。従って、ある列以降において、シフトレジスタでの転送停止することによりフリップフロップ回路204での充放電が無くなるため消費電力を低減することができる。また、ビデオ信号線へのビデオ信号の入力も停止することによって、第1のラッチ回路202へのビデオ信号の充放電が無くなるため消費電力を低減することができる。
なお、図76において、書き込みを行う行に関してある列以降に書き込むビデオ信号が一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と同じ場合とは、当行に書き込みを行うビデオ信号と一行前に画素に書き込まれたビデオ信号とを列毎に比較した際に、1列あたりの複数のビット分のビデオ信号が全て一致した場合(ここでは、当行に書き込みを行うビデオ信号1〜3と一行前に画素に書き込まれたビデオ信号1〜3がそれぞれ一致した場合)をいう。
もちろん、図76に示した構成に上述した走査方向切り換えスイッチを設けてもよいし、図73、図74等に示した構成と組み合わせてもよい。また、図76に示した信号線駆動回路は、デジタル信号を入力してアナログ信号で画素の階調を表示する表示装置に適用することが好ましく、好適には液晶表示装置に適用することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1と異なる信号線駆動回路を有する表示装置の一例に関して図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す表示装置の信号線駆動回路におけるパルス出力回路の模式図を図6に示す。
本実施の形態で示すパルス出力回路は、フリップフロップ回路204等を複数段用いて構成されたシフトレジスタ207とANDゲート205とを有し、ANDゲート205の2つの入力端子は、フリップフロップ回路204の入力端子と出力端子に接続されている。さらに、上記図3に示したパルス出力回路201において、複数のフリップフロップ回路204から構成されるシフトレジスタ207を複数の領域に分割して設け、スタートパルス信号を複数用意してシフトレジスタの複数の領域にそれぞれスタートパルス信号の入力を行う構成となっている。なお、ここでは、ANDゲート205を用いた例を示しているが、これに限定されない。同様な働きをする回路であればどのような構造を用いてもよく、例えば、ORゲート、NANDゲート、NORゲート、XORゲート、NOTゲート等を用いたり組み合わせたりしてもよい。また、図6に示す構成では、ANDゲート205を用いることにより、各列のサンプリングパルスが重ならないようにすることができる。そのような必要がない場合にはANDゲートを設ける必要はない。
フリップフロップ回路204は、複数のスタートパルス信号(S−SP)、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力されたタイミングに従ってサンプリングパルスを順次第1のラッチ回路202へ出力する。第1のラッチ回路202には、ビデオ信号が入力され、パルス出力回路201から出力された複数のサンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、各段にビデオ信号が入力され保持される。つまり、パルス出力回路201から出力されたサンプリングパルスによって、第1のラッチ回路202の各段のラッチ回路が動作している。
そして、第1のラッチ回路202において、最終段までデジタルビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路203にラッチパルス(Latch Pulse)が入力され、第1のラッチ回路202に保持されていたデジタルビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路203に転送される。その後、第2のラッチ回路203に保持されたデジタルビデオ信号は1行分が同時に信号線S1〜Snへ出力される。
また、本実施の形態では、フリップフロップ回路204の入力部分に、信号を初期化するスイッチ206を設け、転送制御信号(S_ENABLEt)によって、当該スイッチ206のオン、オフを制御する。具体的には、新たに書き込みをおこなう行のある列以降に書き込むビデオ信号が一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と同じ場合に、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンして、当該列以降においてシフトレジスタ207での信号の転送を停止させ、当該第1のラッチ回路202にサンプリングパルスの出力を行わない。さらに、本実施の形態では、フリップフロップ回路204から構成されるシフトレジスタ207を複数の領域に分けて設け、領域毎にスタートパルス信号の入力を行っている。従って、一旦、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンにして、シフトレジスタ207での信号の転送を止めてしまっても、新しい領域では別個にスタートパルス信号を入力することによりシフトレジスタ207での信号の転送を復活させることができる。なお、図6では、スイッチ206をトランジスタで設けた例を示したが、これに限られず上記実施の形態で示したスイッチのいずれかを用いることができる。
次に、本実施の形態で示す信号線駆動回路の具体的な動作について、図6および図7を用いて詳細に説明する。
図6では、一行がn列(1列目〜n列目)の信号線から構成される場合において、シフトレジスタ207が、1列目〜j列目までのフリップフロップ回路から構成される領域207aと、(j+1)列目〜n列目までのフリップフロップ回路から構成される領域207bとに分けて設けられている例を示している。この場合、シフトレジスタ207において、領域207aでは第1のスタートパルス信号が入力されることにより信号の転送が開始し、領域207bでは第2のスタートパルス信号が入力されることにより信号の転送が開始する構成となっている。つまり、シフトレジスタ207において、領域207aでは、入力された第1のスタートパルス信号、クロック信号、クロック反転信号のタイミングに従ってサンプリングパルスが順次第1のラッチ回路202に出力される。一方、領域207bでは、入力された第2のスタートパルス信号、クロック信号、クロック反転信号のタイミングに従ってサンプリングパルスが順次第1のラッチ回路202に出力される。第2のスタートパルス信号は、207aでのサンプリングパルスの出力が終わると、直ぐに、207bでのサンプリングパルスの出力が始まるように入力することが望ましい。
また、シフトレジスタ207において、転送制御信号を用いて、信号の転送を領域207aと領域207bの各々において別々に制御する。ここでは、例えば、図6において、一行前のビデオ信号と比較した際に、2列目と(j+2)列目においてのみビデオ信号が異なる場合を考える。
まず、第1のスタートパルス信号を領域207aに設けられたフリップフロップ回路204に入力することによって、1列目と2列目の信号線S1、S2に電気的に接続された各々の第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力して、当該第1のラッチ回路202にビデオ信号の書き込みを行う。そして、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンすることによって、3列目以降(ここでは、3列目〜j列目まで)のシフトレジスタ207での信号の転送を停止し、3列目〜j列目の信号線S3〜Sjに電気的に接続された第1のラッチ回路202へはサンプリングパルスを出力せずビデオ信号をビデオ信号線へ出力することも行わずビデオ信号の書き込みを行わない。
次に、第2のスタートパルス信号を領域207bに設けられたフリップフロップ回路204に入力することによって、(j+1)列目と(j+2)列目の信号線Sj+1、Sj+2に電気的に接続された第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力して、当該第1のラッチ回路202にビデオ信号の書き込みを行う。そして、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンすることによって、(j+3)列目以降(ここでは、(j+3)列目〜n列目)のシフトレジスタ207での信号の転送を停止し、(j+3)列目〜n列目の信号線S(j+3)〜Snに電気的に接続された第1のラッチ回路202へはサンプリングパルスを出力せずビデオ信号の書き込みを行わない。
このときのタイミングチャートを図7に示す。
第1のスタートパルス信号の入力によってシフトレジスタ207での信号の転送が制御される領域207aにおいて、3列目以降のビデオ信号は一行前のビデオ信号と同じであるため、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンすることによって、3列目以降の列(3列目〜j列目)では、シフトレジスタ207での信号の転送を停止して、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスの出力を行わない。そして、第2のスタートパルス信号の入力によってシフトレジスタ207の信号の転送が制御される領域207bにおいて、(j+3)列目以降のビデオ信号は一行前のビデオ信号と同じであるため、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンして、(j+3)列目以降の列((j+3)列目〜n列目)では、シフトレジスタ207での信号の転送を停止して、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスの出力を行わない。
その結果、1列目、2列目、(j+1)列目、(j+2)列目では新たに第1のラッチ回路202に書き込まれたビデオ信号が第2のラッチ回路203を介して信号線へ出力され、3列目〜j列目、(j+3)列目〜n列目では前の行で既に第1のラッチ回路202に保持されているビデオ信号がラッチパルスの入力と共に第2のラッチ回路203を介して信号線へ出力される。
このように、図6に示した構成を用いることによって、3列目〜j列目及び(j+3)列目〜n列目では、シフトレジスタ207において信号の転送を停止し、第1のラッチ回路へサンプリングパルスを出力せず、当該第1のラッチ回路202にビデオ信号を書き込まないため、ビデオ信号の充放電や、シフトレジスタ207での充放電を無くし消費電力を低減することができる。
なお、上記図3示した構成では、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンにした場合にその行におけるある列以降の全ての列のシフトレジスタ207において信号の転送が止まり、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスの出力が行われなくなる。そのため、その行においてある列以降のビデオ信号が全て1行前の信号と同じとなる必要がある。従って、上記実施の形態で示した場合には、1列目〜(j+2)列目まではシフトレジスタ207において信号を転送し、第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力する必要がある。しかし、本実施の形態で示す構成では、分割した複数の領域毎に転送制御信号を制御してスイッチ206のオンまたはオフを行うことができるため、シフトレジスタ207での信号の転送の有無をより詳細に制御し、第1のラッチ回路へのサンプリングパルスの出力の有無をより詳細に制御することができる。その結果、消費電力をより効果的に低減することが可能となる。
なお、本実施の形態では、シフトレジスタ207を2つの領域に分け当該2つの領域にそれぞれスタートパルス信号を入力する構成を示したが、もちろん本発明はこの構成に限定されず、シフトレジスタ207を3つ以上の複数の領域に分けて設け、複数のスタートパルス信号を入力することによって、各領域のサンプリングパルスの出力等を制御することができる。
また、本実施の形態において、上記実施の形態で示した走査方向切り換えスイッチを設けることも可能である。つまり、上述したようにシフトレジスタ207が複数の領域に分けて設けられた構成において、各領域(図6では、領域207aと207b)に走査方向切り換えスイッチを設け、領域毎に走査する方向を選択できるようにすることができる。つまり、複数の領域において、直列に接続された複数のフリップフロップ回路のうち、各々の領域の両端に位置するフリップフロップ回路のいずれか一方から第1のスタートパルス信号、第2のスタートパルス信号を入力するかを選択できるようにする。
例えば、図6を例に挙げると、領域207aにおいては1列目とj列目に相当するフリップフロップ回路のどちら側から第1のスタートパルス信号を入力するか選択できるようにし、領域207bにおいては(j+1)列目とn列目に相当するフリップフロップ回路のどちら側から第2のスタートパルス信号を入力するか選択できるようする。
例えば、図6において、一行前のビデオ信号と比較した際に、2列目とn列目においてのみビデオ信号が異なる場合を考える。この場合のタイミングチャートを図8に示す。
この場合、領域207aにおいては、1列目に相当するフリップフロップ回路に第1のスタートパルス信号を入力し、1列目と2列目のフリップフロップ回路204からサンプリングパルスを出力して第1のラッチ回路202にビデオ信号の書き込みを行う。そして、転送制御信号を用いてスイッチ206をオンすることにより3列目以降(ここでは、3列目〜j列目まで)は、シフトレジスタ207での信号の転送を停止し、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を行わず、当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを行わない。
一方、領域207bにおいては、n列目に相当するフリップフロップ回路に第2のスタートパルス信号を入力し、n列目のフリップフロップ回路204からサンプリングパルスを出力して第1のラッチ回路202にビデオ信号の書き込みを行う。そして、転送制御信号をオンすることにより(n−1)列目以降(ここでは、(n−1)目〜(j+1)列目まで)は、シフトレジスタ207での信号の転送を停止させ、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を行わず、当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを行わない。
このように、シフトレジスタ207における走査方向を領域毎に制御することにより、3列目〜(n−1)列目において、シフトレジスタ207における信号の転送を停止し、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を行わず、当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを行わない構成とすることができる。つまり、画素の行において両端に位置する列にのみ一行前のビデオ信号と異なる場合であっても、シフトレジスタ207を複数の領域に分け、当該領域毎に走査方向を制御することによって、シフトレジスタ207において信号の転送を早めに停止して、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力をより効果的に低減することが可能となるため、消費電力を効果的に低減することができる。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と組み合わせることができる。例えば、図76に示した一つの信号線に対して複数のラッチ回路を設けた構成と組み合わせて適用することができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた全ての構成を適用することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる信号線駆動回路を有する表示装置の一例に関して図面を参照して説明する。具体的には、上記実施の形態と異なるパルス出力回路を有する表示装置に関して具体的に説明する。
本実施の形態で示す表示装置の信号線駆動回路の模式図を図9に示す。
本実施の形態で示すパルス出力回路は、フリップフロップ回路204等を複数段用いて構成されたシフトレジスタ207と3入力のANDゲート235とを有し、ANDゲート235の入力端子は、フリップフロップ回路204の入力端子と出力端子とサンプリング制御信号が出力される配線に接続された構成となっている。なお、ここでは、ANDゲート205を用いた例を示しているが、これに限定されない。同様な働きをする回路であればどのような構造を用いてもよく、例えば、ORゲート、NANDゲート、NORゲート、XORゲート、NOTゲート等を用いたり組み合わせたりしてもよい。
フリップフロップ回路204は、複数のスタートパルス信号(S−SP)、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力されたタイミングに従ってサンプリングパルスを順次第1のラッチ回路202へ出力する。第1のラッチ回路202には、ビデオ信号が入力され、パルス出力回路201から出力された複数のサンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、各段にビデオ信号が入力され保持される。つまり、パルス出力回路201から出力されたサンプリングパルスによって、第1のラッチ回路202の各段のラッチ回路が動作している。そして、第1のラッチ回路202において、最終段までデジタルビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路203にラッチパルス(Latch Pulse)が入力され、第1のラッチ回路202に保持されていたデジタルビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路203に転送される。その後、第2のラッチ回路203に保持されたデジタルビデオ信号は1行分が同時に信号線S1〜Snへ出力される。
また、本実施の形態では、ANDゲート235にサンプリング制御信号(S_ENABLEp)が入力されており、サンプリング制御信号のレベルによりANDゲート235から第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を制御する。つまり、シフトレジスタ207において全ての列で信号の転送を行い、サンプリング制御信号のレベルを制御してANDゲート235に入力することによって、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を制御する。
なお、本実施の形態で示す回路構成は図9に限定されず、図20に示す構成を用いてもよい。図20では、図9における3入力のANDゲート235の代わりに2入力のANDゲート235a、235bを設けた構成となっている。ANDゲート235aの入力端子は、フリップフロップ回路204の入力端子と出力端子に接続されており、ANDゲート235bの入力端子は、ANDゲート235aの出力端子とサンプリング制御信号が出力される配線に接続された構成となっている。なお、ここでは、ANDゲート205を用いた例を示しているが、これに限定されない。同様な働きをする回路であればどのような構造を用いてもよく、例えば、ORゲート、NANDゲート、NORゲート、XORゲート、NOTゲート等を用いたり組み合わせたりしてもよい。
また、図9に示す構成では、3入力のANDゲート235を用いることにより、各列のサンプリングパルスが重ならないようにすることができる。そのような必要がない場合にはANDゲート235を3入力として設ける必要はない。例えば、図21に示すように、一つの信号線に出力されるサンプリングパルスを複数のフリップフロップ回路204(ここでは2つ)により生成する構成としてもよい。この場合、ANDゲート235cを3入力としなくてよく、ANDゲート235cの入力端子はフリップフロップ回路の出力部とサンプリング制御信号が出力される配線に接続された構成となっている。
図9に示した信号線駆動回路のタイミングチャートの一例を図10に示す。
図10では、ある行におけるj列目〜(j+10)列目において、(j+3)列目、(j+4)列目、(j+6)列目〜(j+8)列目に新たに書き込みを行うビデオ信号が一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と同じである場合を示している。
図10において、(j+3)列目、(j+4)列目、(j+6)列目〜(j+8)列目に新たに書き込みを行うビデオ信号が一行前のビデオ信号と同じであるため、サンプリング制御信号をオフして、ANDゲート235から第1のラッチ回路202へサンプリングパルスの出力を行わない。このとき、ビデオ信号線に、ビデオ信号は入力されない。一方、j列目〜(j+2)列目、(j+5)列目、(j+9)列目、(j+10)列目に新たに書き込みを行うビデオ信号が一行前のビデオ信号と異なるため、サンプリング制御信号をオンして、ANDゲート235から第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力し、当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを行う。なお、図9に示す構成では、シフトレジスタ207において、全ての列で信号の転送が行われているため、ANDゲート205にサンプリング制御信号を入力して第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力の制御を行っている。
そして、j列目〜(j+2)列目、(j+5)列目、(j+9)列目、(j+10)列目では新たに第1のラッチ回路202に書き込まれたビデオ信号が第2のラッチ回路203を介して信号線へ出力され、(j+3)列目、(j+4)列目、(j+6)列目〜(j+8)列目では前の行で既に第1のラッチ回路202に保持されているビデオ信号が第2のラッチ回路を介して信号線へ出力される。
このように、サンプリング制御信号のオン、オフを制御することによって、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を必要な列でだけ停止させることができる。つまり、必要な列(ここでは、一行前とビデオ信号が異なる列)に対してのみ選択的にビデオ信号の書き込みを行うことによって、消費電力を低減することができる。また、一行前とビデオ信号が同じときには、ビデオ信号線にビデオ信号を入力しないことにより低消費電力を図ることができる。
また、本発明の構成は、上記実施の形態で示した構成と組み合わせて行うことができる。
例えば、図11に示すように、フリップフロップ回路204の入力部に信号を初期化するスイッチ236を設け、転送制御信号(S_ENABLEt)を用いて当該スイッチ236を制御する構成としてもよい。この場合、第1のラッチ回路202へのサンプリングパルスの出力を転送制御信号とサンプリング制御信号を用いて制御することができる。また、上記図20、図21に示した構成に転送制御信号を設けた構成としてもよい。なお、図11では、スイッチ236をトランジスタで設けた例を示したが、これに限られず上記実施の形態で示したスイッチのいずれかを用いることができる。
このときのタイミングチャートを図12に示す。
図12では、j列目〜n列目において、(j+3)列目、(j+4)列目、(j+6)列目〜(j+8)列目、(j+11)列目〜n列目に新たに書き込みを行うビデオ信号が一行前のビデオ信号と同じである場合を示している。
図12において、(j+3)列目、(j+4)列目、(j+6)列目〜(j+8)列目、(j+11)列目〜n列目に新たに書き込みを行うビデオ信号は一行前のビデオ信号と同じであるため、サンプリング制御信号をオフして、ANDゲート235から第1のラッチ回路202へサンプリングパルスの出力を行わない。一方、j列目〜(j+2)列目、(j+5)列目、(j+9)列目、(j+10)列目に書き込みを行うビデオ信号は一行前のビデオ信号と異なるため、サンプリング制御信号をオンして、ANDゲート235から第1のラッチ回路202へサンプリングパルスを出力し、当該第1のラッチ回路202へビデオ信号の書き込みを行う。なお、ここでは、(j+11)列目以降において、書き込みを行うビデオ信号が全て1行前のビデオ信号と同じであるため、転送制御信号を用いてスイッチ236をオンして(j+11)列目以降においてシフトレジスタ207での信号の転送を中止する。
このように、転送制御信号とサンプリング制御信号を用いることによって、シフトレジスタでの信号の転送や第1のラッチ回路へのサンプリングパルスの出力を制御し、必要な列に対してのみ選択的にビデオ信号の書き込みを行うことができるため、消費電力を低減することができる。
つまり、転送制御信号を用いてサンプリングパルスの出力を制御する場合には、ある列以降において新たに書き込みを行うビデオ信号と一行前に画素に書き込まれたビデオ信号とが全て同じである必要があり、サンプリング制御信号を用いてサンプリングパルスの出力を制御する場合には、列毎にサンプリングパルスの出力を制御することができるが、全ての列に対してシフトレジスタで信号の転送を行う必要がある。そのため、転送制御信号とサンプリング制御信号の両方を用いてサンプリングパルスの出力を制御することにより、様々な画素の表示に柔軟に対応できるため、より効果的に消費電力を低減することが可能となる。
また、図11に示す構成において、上記実施の形態で示したように、走査方向切り換えスイッチを設けてもよいし、シフトレジスタを複数の領域に分け、スタートパルス信号を複数用意して当該複数のシフトレジスタの領域にそれぞれスタートパルス信号の入力を行う構成としてもよい。さらに、シフトレジスタ207を複数の領域に分けて設け、当該領域毎に走査方向を制御する構成としてもよい。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた全ての構成を適用することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる表示装置の一例に関して図面を参照して説明する。具体的には、ある期間の複数の行における動作方法に関して、特に一行前のビデオ信号と新たに次の行に書き込みを行うビデオ信号が全ての列において同一である場合を含む場合の動作方法に関して説明する。
図13に本実施の形態で示す表示装置の信号線駆動回路の一例を示す。
図13に示す信号線駆動回路は、パルス出力回路241、第1のラッチ回路242、第2のラッチ回路243を有している。パルス出力回路241は、フリップフロップ回路244を複数段用いて形成されたシフトレジスタ247とANDゲート245とを有しており、ANDゲート245の2つの入力端子は、隣り合うフリップフロップ回路244との出力端子と接続されている。つまり、各段のフリップフロップ回路244はANDゲート245より1つ冗長に設けられ、隣り合うフリップフロップ回路244の出力が信号線S1〜Snに対応して設けられた各段のANDゲート245に入力される構成となっている。
さらに、パルス出力回路241では、フリップフロップ回路244の入力部分に信号を初期化するスイッチ246を設け、転送制御信号(S_ENABLEt)により当該スイッチ246を制御する。そして、スタートパルス信号が入力され、フリップフロップ回路244から第1のラッチ回路242へ信号が順次転送されていっても、ある列以降のビデオ信号が1行前のビデオ信号と同じ場合には転送制御信号をオンして、シフトレジスタ247において信号の転送を停止させ、ある列以降において第1のラッチ回路へのサンプリングパルスの出力を行わない構成となっている。なお、図13では、スイッチ246をトランジスタで設けた例を示したが、これに限られず上記実施の形態で示したスイッチのいずれかを用いることができる。
ここで、図13に示す信号線駆動回路の動作に関して図14を参照して説明する。
図14は、ある期間における(i−1)行目の画素、i行目の画素、(i+1)行目の画素へ入力するビデオ信号を信号線駆動回路の第1のラッチ回路242に保持する期間(ここでは、TGi−1、TGi、TGi+1)を示している。つまり、TGi−1、TGi、TGi+1は、それぞれ1ゲート選択期間に相当する。
まず、TGi−1についての動作の説明を行う。
シフトレジスタ247のフリップフロップ回路244に、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、フリップフロップ回路244の第1段目にスタートパルス信号(S−SP)が入力される。図14においては、パルス2101がTGi−1のスタートパルスに相当する。
このパルス2101は、次の段のフリップフロップ回路244に入力される際にクロック信号の1パルス分遅れる。よって、冗長に設けられた第1段目のフリップフロップ回路244と次の段のフリップフロップ回路244の出力が入力される一列目のANDゲート245の出力は、図14に示すパルス2301のようにクロック信号のパルス分となる。パルス2301は、サンプリングパルスSamp.1として1列目の画素に対応した第1のラッチ回路242に入力される。同様にn列目のANDゲート245の出力は、図14に示すパルス2302のようにサンプリングパルスSamp.nとしてn列目の画素に対応した第1のラッチ回路242に入力される。
また、TGi−1において、第1のラッチ回路242には、ビデオ信号のデータ2201が入力されており、サンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、画素の各列に対応した各段の第1のラッチ回路にビデオ信号を保持する。なお、図14において、サンプリングパルスが入力されるタイミングとは、サンプリングパルスがHレベルからLレベルに立ち下がるときのことである。このときに、第1のラッチ回路242に入力されているビデオ信号が、当該第1のラッチ回路242の各々の段に保持される。
第1のラッチ回路242において、最終段までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路243にラッチパルス(Latch Pulse)2401が入力され、第1のラッチ回路242に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路243に転送される。その後、第2のラッチ回路243に保持されたビデオ信号は1行分が同時に信号線へ出力される。
なお、フリップフロップ回路244の入力部分には信号を初期化するスイッチ246が設けられており、当該スイッチ246は転送制御信号により制御されている。従って、転送制御信号のレベルによりシフトレジスタ247における信号の転送が制御され、第1のラッチ回路242に出力されるサンプリングパルスが制御される。
転送制御信号は、ある列以降において、一行前のビデオ信号と同じである場合に当該列においてHレベルとなり、それ以外の場合においてLレベルとなる。つまり、転送制御信号がLレベルのときには、フリップフロップ回路244の入力部分に設けられた信号を初期化するスイッチ246がオフするため、シフトレジスタ247において信号は転送され、第1のラッチ回路242にサンプリングパルスが出力されビデオ信号が書き込まれる。転送制御信号がHレベルのときには、フリップフロップ回路244の入力部分に設けられた信号を初期化するスイッチ246がオンするため、シフトレジスタ247において信号の転送が停止し、第1のラッチ回路242にサンプリングパルスが出力されず、当該第1のラッチ回路242にビデオ信号の書き込みが行われない。ビデオ信号の書き込みを行わないため、ビデオ信号をビデオ信号線(Video Line)に入力する必要がない。よって、ビデオ信号の供給を止めてもよい。その結果、より消費電力を低減することができる。
なお、TGi−1においては、全ての列において一行前((i−2)行目)のビデオ信号と異なっているか、または少なくとも1列目とn列目において一行前のビデオ信号と異なっている例を示している。そのため、全ての列においてシフトレジスタ247で信号の転送を行い第1のラッチ回路242へサンプリングパルスを出力して、当該第1のラッチ回路242へ新たにビデオ信号の書き込みを行っている例を示しているため、転送制御信号はLレベルとなっている。
次に、TGiについての動作の説明を行う。なお、TGiでは、新たに書き込みを行う画素行の全ての列において一行前((i−1)行目)に画素に書き込まれたビデオ信号と同じ場合について示している。
まず、シフトレジスタ247のフリップフロップ回路244に、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、フリップフロップ回路244の第1段目にスタートパルス信号(S−SP)が入力される。図14においては、パルス2111がTGiのスタートパルスに相当する。
そして、冗長に設けられた第1段目のフリップフロップ回路244からパルスが出力されると同時に、転送制御信号がHレベルとなり、フリップフロップ回路244の入力部分に設けられた信号を初期化するスイッチがオンするため、次の段のフリップフロップ回路への信号が転送されなくなる。その結果、シフトレジスタ247において信号の転送が停止するため、全ての列において第1のラッチ回路242へサンプリングパルスが出力されずビデオ信号の書き込みが行われない。ビデオ信号の書き込みを行わないため、ビデオ信号をビデオ信号線(Video Line)に入力する必要がない。よって、ビデオ信号の供給を止めてもよい。その結果、より消費電力を低減することができる。
その結果、前の行((i−1)行目)で第1のラッチ回路242に保持されていたビデオ信号が、一斉に第2のラッチ回路243に転送され、第2のラッチ回路243に保持されたビデオ信号の1行分が同時に信号線へ出力される。つまり、一行前と同じビデオ信号が出力される。
次に、TGi+1についての動作の説明を行う。なお、TGi+1では、j列目以降の列において一行前(i行目)のビデオ信号と同じ場合について示している。
まず、シフトレジスタ247のフリップフロップ回路244に、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、フリップフロップ回路244の第1段目にスタートパルス信号(S−SP)が入力される。図14においては、パルス2121がTGi+1のスタートパルスに相当する。
そして、冗長に設けられた第1段目のフリップフロップ回路244と次の段のフリップフロップ回路244の出力が入力された一列目のANDゲート245から、図14に示すパルス2321のようにクロック信号の1パルス分が出力される。パルス2321は、サンプリングパルスSamp.1として1列目の画素に対応した第1のラッチ回路242に入力され、サンプリングパルスSamp.1が入力されるタイミングに従って、1列目の画素に対応した第1のラッチ回路242にビデオ信号が書き込まれる。
同様に、(j−1)列目まで、シフトレジスタ247において信号が転送され、それぞれの画素に対応した第1のラッチ回路242にサンプリングパルスが入力されビデオ信号が書き込まれる。
そして、(j−1)列目からサンプリングパルスが出力されると同時に転送制御信号がHレベルとなり、フリップフロップ回路244の入力部分に設けられた信号を初期化するスイッチがオンするため、次の段のフリップフロップ回路への信号が転送されなくなる。その結果、(j−1)列目以降において、シフトレジスタ247の信号の転送が停止するため、j列目以降の列において第1のラッチ回路242へサンプリングパルスが出力されずビデオ信号の書き込みが行われない。また、j列目以降の列においてビデオ信号の書き込みを行わないため、ビデオ信号をビデオ信号線(Video Line)に入力する必要がない。よって、j列目以降の列においてビデオ信号の供給を止めてもよい。その結果、より消費電力を低減することができる。
その結果、j列目以降では前の行(i行目)で第1のラッチ回路242に保持されていたビデオ信号が、ラッチパルスの入力と共に一斉に第2のラッチ回路243に転送され、第2のラッチ回路243に保持されたビデオ信号の1行分が同時に信号線へ出力される。つまり、一行前と同じビデオ信号が出力される。
なお、図14のTGiで示したように、書き込みを行う画素行の全ての列において一行前のビデオ信号と同じ場合は、第1段目のフリップフロップ回路244からパルスが出力されると同時に、転送制御信号がHレベルとなり、シフトレジスタ247において信号の転送が停止し、第1のラッチ回路へサンプリングパルスが出力されず当該第1のラッチ回路へビデオ信号の書き込みが行われない。従って、書き込みを行う画素行の全ての列において一行前に画素に書き込んだビデオ信号と同じ場合には、スタートパルス信号の入力を行わないようにしてもよい。
つまり、図15(A)に示すように、TGiのときには信号線駆動回路へスタートパルス信号の入力を行わないようにする。なぜなら、このときTGiでは、シフトレジスタで信号の転送が行われず第1のラッチ回路へサンプリングパルスが出力されないため、そもそもスタートパルス信号を入力する必要がないからである。そして、スタートパルス信号のパルス2111を入力しない場合には、第1のラッチ回路242へサンプリングパルスが出力されないため、第1のラッチ回路へビデオ信号2211の書き込みが行われない。従って、第1のラッチ回路242への電荷の充放電を省略することにより、消費電力を低減することができる。なお、この場合、転送制御信号のパルス2511は出力してもよいし、出力しなくともよい。ビデオ信号の書き込みを行わないため、ビデオ信号をビデオ信号線(Video Line)に入力する必要がない。よって、ビデオ信号の供給を止めてもよい。その結果、より消費電力を低減することができる。
また、書き込みを行う画素行の全ての列において一行前のビデオ信号と同じ場合には、信号線駆動回路へビデオ信号の入力を行わないようにしてもよい。
つまり、図15(B)に示すように、TGiのときにはビデオ信号2211の入力を行わないようにする。なぜなら、このときTGiで入力されるビデオ信号は、第1のラッチ回路242に書き込まれないため、そもそもビデオ信号を入力する必要がないからである。そして、ビデオ信号の入力を停止することにより、ビデオ線への電荷の充放電が省略できるため消費電力を低減することができる。従って、TGiにおいては、ビデオ線への消費電力が小さくなる電位(例えば、L信号のみ)を入力するか、第1のラッチ回路をフローティングにすればよい。なお、これは外部から信号が入力される接続端子と信号線駆動回路とが画素部を挟んで設けられている場合には特に有効となる。この場合の、構成の一例を図16に示す。
図16は、基板8000上に信号線駆動回路8001、走査線駆動回路8002、画素部8003及び接続端子部8005を有している。画素部8003上には、画素部8003を覆うように対向電極8004が形成され、対向電極8004は、接続端子部に形成された対向電極の低電源電位が入力される複数の接続端子8007から伸張した接続端子8007のパッドより幅広の配線とコンタクトホール8008を介して接続されている。そして、ビデオ信号が入力される接続端子8006はビデオ線8009により信号線駆動回路8001と接続されている。本構成の場合には、対向電極8004への電源供給ラインの抵抗(接続端子8007とFPC端子との接触抵抗や、対向電極8004と接続端子8007との間の配線抵抗など)や容量(平行配線間容量や配線交差間容量等)を小さくすることができる。よって、電源供給ラインでの電圧降下や波形のなまりや変動を低減し、対向電極の電位を正常にすることができる。そして、ビデオ線8009のように引き回し配線が長くなって配線に寄生している抵抗や容量が大きくなっても、ビデオ線8009の充放電を減らすことができるので消費電力の低減を図ることができる。
また、図15(B)のTGiにおいて、図15(A)に示したように信号線駆動回路へスタートパルス信号のパルス2111の入力を行わなくてもよいし、転送制御信号のパルス2511を入力しなくてもよい。
また、書き込みを行う画素行の全ての列において一行前のビデオ信号と同じ場合には、信号線駆動回路へクロック信号やクロック反転信号等の入力を行わないようにしてもよい。
つまり、図17(A)に示すように、TGiのときにはクロック信号やクロック反転信号を信号線駆動回路へ入力しないようにする。例えば、クロック信号とクロック反転信号とで互いに反転している一定の電位(一方がHレベル、他方がLレベル)を入力するようにしてもよい。なぜなら、このときTGiでは、シフトレジスタの信号の転送が行われず第1のラッチ回路へサンプリングパルスが出力されないため、そもそもクロック信号やクロック反転信号を信号線駆動回路へ入力する必要がないからである。従って、クロック信号やクロック反転信号を一定の電位にしておくことにより電荷の充放電が行われないため、消費電力を低減することができる。また、図17(A)のTGiにおいて、図15(A)に示したように信号線駆動回路へスタートパルス信号のパルス2111の入力を行わなくてもよいし、転送制御信号のパルス2511を入力しなくてもよいし、図15(B)に示したようにビデオ信号2211の入力を行わないようにしてもよい。その結果、大幅に消費電力を低減することができる。
また、書き込みを行う画素行の全ての列において一行前のビデオ信号と同じ場合には、信号線駆動回路へラッチパルスの入力を行わないようにしてもよい。
つまり、図17(B)に示すように、TGiのときにはラッチパルスを信号線駆動回路へ入力しないようにする。なぜなら、このときTGiでは、シフトレジスタの信号の転送が行われず第1のラッチ回路へサンプリングパルスが出力されないため、そもそもラッチパルスを信号線駆動回路へ入力する必要がないからである。従って、ラッチパルスを信号線駆動回路へ入力しないことによって、第1のラッチ回路から第2のラッチ回路への信号の転送が行われないため、電荷の充放電を省略し消費電力を低減することができる。また、図17(B)のTGiにおいて、図15(A)に示したように信号線駆動回路へスタートパルス信号のパルス2111の入力を行わなくてもよいし、転送制御信号のパルス2511を入力しなくてもよいし、図15(B)に示したようにビデオ信号2211の入力を行わないようにしてもよいし、図17(A)に示したようにクロック信号やクロック反転信号の入力を行わないようにしてもよい。その結果、大幅に消費電力を低減することができる。
次に、上記図13で示した構成と異なる信号線駆動回路の構成に関して図18を用いて説明する。
図18に示す信号線駆動回路は、パルス出力回路241、第1のラッチ回路242、第2のラッチ回路243を有している。パルス出力回路241は、フリップフロップ回路244を複数段用いて形成されたシフトレジスタ247とANDゲート245とを有しており、ANDゲート245の2つの入力端子は、隣り合うフリップフロップ回路244との出力端子と接続されている。さらに、図18では、上記図13に示したパルス出力回路201において、複数のフリップフロップ回路204から構成されるシフトレジスタ207を複数の領域に分割して設け、スタートパルス信号を複数用意してシフトレジスタの当該複数の領域にそれぞれスタートパルス信号の入力を行う構成となっている。
パルス出力回路241では、フリップフロップ回路244の入力部分に信号を初期化するスイッチ246を設け、転送制御信号(S_ENABLEt)により当該スイッチ246を制御する。そして、スタートパルス信号が入力され、フリップフロップ回路244から第1のラッチ回路242へ信号が順次転送されていっても、ある列以降のビデオ信号が1行前のビデオ信号と同じ場合には転送制御信号をオンして、シフトレジスタ247において信号の転送を停止させ、ある列以降において第1のラッチ回路へのサンプリングパルスの出力を行わない構成となっている。
ここでは、一行がn列(1列目〜n列目)の信号線から構成される場合において、シフトレジスタ247が、1列目〜j列目までのフリップフロップ回路から構成される第1の領域247aと、(j+1)列目〜n列目までのフリップフロップ回路から構成される第2の領域247bとに分けて設けられている例を示している。この場合、シフトレジスタ247において、第1の領域247aでは第1のスタートパルス信号が入力されることにより信号の転送が開始し、領域247bでは第2のスタートパルス信号が入力されることにより信号の転送が開始する構成となっている。
ここで、図18に示す信号線駆動回路の動作に関して図19(A)を参照して説明する。なお、図14と同じ部分については説明を省略する。
図19は、ある期間における(i−1)行目の画素、i行目の画素、(i+1)行目の画素へ入力するビデオ信号を信号線駆動回路の第1のラッチ回路242に保持する期間(ここでは、TGi−1、TGi、TGi+1)を示している。つまり、TGi−1、TGi、TGi+1は、それぞれ1ゲート選択期間に相当する。
まず、TGi−1についての動作の説明を行う。
シフトレジスタ247の第1の領域247aに、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、第1の領域247aのフリップフロップ回路244の第1段目に第1のスタートパルス信号(S−SP1)が入力される。図19(A)においては、パルス2101がTGi−1の第1のスタートパルス信号に相当する。
このパルス2101は、次の段のフリップフロップ回路244に入力される際にクロック信号のパルス分遅れる。よって、冗長に設けられた第1段目のフリップフロップ回路244と次の段のフリップフロップ回路244の出力が入力される一列目のANDゲート245の出力は、図19(A)に示すパルス2301のようにクロック信号のパルス分となる。パルス2301は、サンプリングパルスSamp.1として1列目の画素に対応した第1のラッチ回路242に入力される。同様にj列目のANDゲート245の出力は、図14に示すパルス2303のようにサンプリングパルスSamp.jとしてj列目の画素に対応した第1のラッチ回路242に入力される。
j列目までシフトレジスタ247で信号が転送された後、続いて、シフトレジスタ247の第2の領域247bに、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、第2の領域247bのフリップフロップ回路244の第1段目に第2のスタートパルス信号(S−SP2)が入力される。図19(A)においては、パルス2102がTGi−1の第1のスタートパルス信号に相当する。
このパルス2102は、次の段のフリップフロップ回路244に入力される際にクロック信号のパルス分遅れる。よって、冗長に設けられた第1段目のフリップフロップ回路244と次の段のフリップフロップ回路244の出力が入力される(j+1)列目のANDゲート245の出力は、図19(A)に示すパルス2304のようにクロック信号のパルス分となる。パルス2304は、サンプリングパルスSamp.j+1として(j+1)列目の画素に対応した第1のラッチ回路242に入力される。同様にn列目のANDゲート245の出力は、図19(A)に示すパルス2302のようにサンプリングパルスSamp.nとしてn列目の画素に対応した第1のラッチ回路242に入力される。
また、TGi−1において、第1のラッチ回路242には、ビデオ信号のデータ2201が入力されており、サンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、画素の各列に対応した各段の第1のラッチ回路にビデオ信号を保持する。
第1のラッチ回路242において、最終段までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路243にラッチパルス(Latch Pulse)2401が入力され、第1のラッチ回路242に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路243に転送される。その後、第2のラッチ回路243に保持されたビデオ信号は1行分が同時に信号線へ出力される。
なお、フリップフロップ回路244の入力部分には信号を初期化するスイッチ246が設けられており、当該スイッチ246は転送制御信号により制御されている。従って、転送制御信号のレベルによりシフトレジスタ247の第1の領域247aおよび第2の領域247bにおける信号の転送が制御され、第1のラッチ回路242に出力されるサンプリングパルスが制御される。
なお、TGi−1においては、全ての列において一行前((i−2)行目)のビデオ信号と異なっているか、または少なくとも1列目とn列目において一行前のビデオ信号と異なっている例を示している。そのため、全ての列においてシフトレジスタ247の第1の領域247aおよび第2の領域247bで信号の転送を行い第1のラッチ回路242へサンプリングパルスを出力して、当該第1のラッチ回路242へ新たにビデオ信号の書き込みを行っている例を示しているため、転送制御信号はLレベルとなっている。
次に、TGiについての動作の説明を行う。なお、TGiでは、新たに書き込みを行う画素行の全ての列において一行前((i−1)行目)に画素に書き込まれたビデオ信号と同じ場合について示している。
まず、シフトレジスタ247の第1の領域247aに、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、第1の領域247aのフリップフロップ回路244の第1段目に第1のスタートパルス信号(S−SP)が入力される。図19(A)においては、パルス2111がTGiの第1のスタートパルスに相当する。
そして、第1の領域247aの第1段目のフリップフロップ回路244からパルスが出力されると同時に、転送制御信号がHレベル(パルス2511)となり、フリップフロップ回路244の入力部分に設けられた信号を初期化するスイッチがオンするため、次の段のフリップフロップ回路への信号が転送されなくなる。その結果、シフトレジスタ247において信号の転送が停止するため、全ての列において第1のラッチ回路242へサンプリングパルスが出力されずビデオ信号の書き込みが行われない。
続いて、シフトレジスタ247の第2の領域247bに、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力され、第2の領域247bのフリップフロップ回路244の第1段目に第2のスタートパルス信号(S−SP)が入力される。図19(A)においては、パルス2112がTGiの第2のスタートパルスに相当する。
そして、第1の領域247aと同様に、第2の領域247bの第1段目のフリップフロップ回路244からパルスが出力されると同時に、転送制御信号がHレベル(パルス2512)となり、シフトレジスタ247の第2の領域247bにおいても信号の転送が停止する。
その結果、前の行((i−1)行目)で第1のラッチ回路242に保持されていたビデオ信号が、一斉に第2のラッチ回路243に転送され、第2のラッチ回路243に保持されたビデオ信号の1行分が同時に信号線へ出力される。つまり、一行前と同じビデオ信号が出力される。
また、一行前のビデオ信号と新たに次の行に書き込みを行うビデオ信号が全ての列において同一である場合には、図19(B)に示すように第1のスタートパルス(パルス2111)と第2のスタートパルス(パルス2112)をそれぞれ同時にシフトレジスタ247の第1の領域247aと第2の領域247bに入力することも可能である。TGiでは、全ての列において、第1のラッチ回路242にビデオ信号が書き込まれないからである。この場合、第1の領域247aと第2の領域247bの第1段目のフリップフロップ回路244からパルスが出力されると同時に、転送制御信号がHレベル(パルス2511)とすることによって、フリップフロップ回路244の入力部分に設けられた信号を初期化するスイッチをオンすればよい。
次に、TGi+1についての動作の説明を行う。
TGi+1では、3列目〜j列目に新たに書き込みを行うビデオ信号と一行前に書き込まれたビデオ信号とが同一であり、(j+2)列目〜n列目に新たに書き込みを行うビデオ信号と一行前に書き込まれたビデオ信号とが同一である場合を示している。
この場合には、シフトレジスタ247の第1の領域247aと第2の領域247bにおいて、それぞれ、上記図14のTGi+1で説明した方法を用いて同様に行うことができる。
また、なお、図19のTGiで示したように、書き込みを行う画素行の全ての列において一行前のビデオ信号と同じ場合は、第1段目のフリップフロップ回路244からパルスが出力されると同時に、転送制御信号がHレベルとなり、シフトレジスタ247において信号の転送が停止し、第1のラッチ回路へサンプリングパルスが出力されず、当該第1のラッチ回路へビデオ信号の書き込みが行われない。従って、書き込みを行う画素行の全ての列において一行前に画素に書き込んだビデオ信号と同じ場合には、上記図15、17に示したように、スタートパルス信号、ビデオ信号、クロック信号、クロック反転信号、ラッチパルス等の入力を行わないようにしてもよい。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた構成を全て含んでいる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、画素に書き込みを行おうとするビデオ信号が、既にその画素へ書き込まれているビデオ信号(つまり、画素に保存されているビデオ信号)と等しい場合に関して図面を参照して説明を行う。具体的には、ある行以降において、既にその行の画素へ書き込まれているビデオ信号と新たにその行に書き込みを行おうとするビデオ信号とが同じである場合に関して説明する。
本実施の形態で示す表示装置は、行毎に画素を選択して、選択された画素にビデオ信号を書き込む場合に、書き込みを行おうとするビデオ信号が既にその画素へ書き込まれているビデオ信号と一致している場合、その画素の行へはビデオ信号の書き込みを行わないようにする。つまり、その行の画素(以下、「画素行」とも記す。)にビデオ信号を書き込む動作時において、その画素行が選択されない信号を入力し続けるか、またはその画素行の走査線をフローティングにする。
また、本実施の形態では、1本の走査線につながっている画素に書き込まれているビデオ信号が、それらの画素へ書き込みを行おうとするビデオ信号と全て一致しているときだけ、その行の画素に信号の書き込みを行わない。よって、その行の各列の画素に書き込みを行おうとするビデオ信号のうち一つでも既に書き込まれているビデオ信号と異なる場合には、その走査線につながっている画素の全てに信号の書き込みを行う。なぜなら、走査線に画素を選択する信号を入力すると、信号線の電位が否応なしに画素に入力され、画素のデータが書き換わってしまうためである。従って、一行における全てのビデオ信号が一致する場合のみ、その走査線を選択しないようにする。
以下に、本実施の形態で示す具体的な構成に関して図面を参照して説明を行う。
本実施の形態で示す走査線駆動回路の一例を図22に示す。
図22(A)に示す走査線駆動回路102は、パルス出力回路251とバッファ253とを有している。パルス出力回路251には、クロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)、スタートパルス信号(G_SP)等が入力されている。そして、それらの信号のタイミングに従って、バッファ253にゲート選択パルスが入力される。そして、パルス出力回路251から出力されたゲート選択パルス(SC.1〜SC.m)はバッファ253によって、電流供給能力の高いゲート選択パルス(G.1〜G.m)に変換され、走査線G1〜Gmに出力される。なお、パルス出力回路251とバッファ253との間に信号のレベルをシフトさせる回路(レベルシフタ)を設けた構成としてもよい。
また、ここでは、パルス出力回路251に転送制御信号(G_ENABLEt)が入力されている。そして、転送制御信号により、ビデオ信号の書き込みを行わない画素行を選択し、当該画素行にゲート選択パルスの出力を行わない構成となっている。
次に、図22(A)のさらに詳しい構成例を図22(B)に示す。
パルス出力回路251は、フリップフロップ回路(FF)254等を複数段用いて構成されたシフトレジスタ257とANDゲート255とを有しており、当該フリップフロップ回路254にクロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)、スタートパルス信号(S−SP)が入力される。そして、シフトレジスタ257で信号が転送され、これらの信号のタイミングに従ってバッファ253へ順次ゲート選択パルスが出力される。また、ANDゲート255の2つの入力端子は、フリップフロップ回路254の入力端子と出力端子に接続されている。
また、図22(B)では、フリップフロップ回路254の入力部分に、信号を初期化するスイッチ256を設け、転送制御信号を用いて当該スイッチ256のオン、オフを制御する。例えば、ある行以降の全ての行おいて画素にビデオ信号の書き込みを行わない場合には、転送制御信号を用いてスイッチ256をオンすることにより、ある行以降においてシフトレジスタ257での信号の転送を停止させ、バッファ253へゲート選択パルスの出力を行わないようにする。この場合、ある行以降においては走査線の選択を行わないため、ある行以降の画素に新たにビデオ信号の書き込みを行わず、既に書き込まれているビデオ信号を保持させ続ける。なお、図22では、スイッチ256をトランジスタで設けた例を示したが、これに限られず上記実施の形態で示したスイッチのいずれかを用いることができる。
通常、画素を選択する信号を走査線に入力すると、走査線の配線交差容量や走査線に接続されたトランジスタのゲート容量に代表される負荷容量に電荷を充放電することになる。そこで、このように、ある行以降において、既に画素に書き込まれているビデオ信号とその画素に新たに書き込みを行おうとするビデオ信号が等しいとき、ある行以降においてシフトレジスタ257での信号の転送を停止し、走査線にその画素行を選択するゲート選択パルスを入力しないようにすることによって、充放電の回数を減らし消費電力を低減することができる。
また、このときのタイミングチャートを図23に示す。なお、図23では、画素がm行(1行目〜m行目)の走査線から構成される場合において、(i+3)行目以降の画素にはビデオ信号の書き込みを行わない例を示している。
図23において、(i+3)行目以降の各列の画素に書き込まれるビデオ信号が、既に(i+3)行目以降の各列に書き込まれているビデオ信号と同じであるため、転送制御信号を用いてスイッチ256をオンすることにより、(i+3)行目以降の行においてシフトレジスタ257での信号の転送を停止し、(i+3)行目以降の画素行にゲート選択パルスの出力を行わない。
i行目〜(i+2)行目までは、既にその行の画素に書き込まれているビデオ信号と新たにその行の画素に書き込みを行おうとするビデオ信号とを比較した場合に異なる行が少なくとも一つ(この場合、少なくとも(i+2)行目に既に書き込まれているビデオ信号が書き込みを行おうとするビデオ信号と異なっている)あるため、転送制御信号を用いてスイッチ256をオフの状態とし、バッファ253を介して走査線にゲート選択パルスを出力して画素にビデオ信号の書き込みを行っている。一方、(i+3)行目以降の行においては、既にその行の画素に書き込まれているビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号とが全て同じであるため、(i+3)行目に転送制御信号を用いてスイッチ256をオンすることにより、(i+3)行目以降の画素にはビデオ信号の書き込みを行わず、既に画素に書き込まれているビデオ信号を保持する。
画素を選択するゲート選択パルスを走査線に入力すると、走査線の配線交差容量や走査線に接続されたトランジスタのゲート容量に代表される負荷容量に電荷を充放電することになる。そこで、図23に示すように、ビデオ信号の書き込みを行う場合に、既にその画素へ書き込まれているビデオ信号と新たにその画素へ書き込みを行おうとするビデオ信号がある行以降全て同じ場合には転送制御信号を用いて、その画素行以降においてシフトレジスタ257での信号の転送を停止し、走査線にゲート選択パルスを入力しないようにすると、充放電の回数を減らすことができ、消費電力を低減することができる。
なお、図22に示す構成では、ある行で転送制御信号を用いてスイッチ256をオンにした場合、その行以降の全ての行において、シフトレジスタ257の信号の転送が停止し、走査線へゲート選択パルスの出力が行われなくなる。従って、図22に示した構成において、走査方向切り換えスイッチを設け、走査する方向を選択できるようにしてもよい。つまり、シフトレジスタ257において、直列に接続された複数のフリップフロップ回路254のうち、両端に位置するフリップフロップ回路254のいずれか一方からスタートパルス信号を入力するか選択することによって、より多くの行で走査線へのゲート選択パルスの出力を低減することが可能となる。
なお、本実施の形態に適用可能な走査線駆動回路102の構成は図22に限られない。つまり、ある行以降において、既にその画素へ書き込まれているビデオ信号と新たにその画素へ書き込みを行おうとするビデオ信号が同じ場合に、転送制御信号によりシフトレジスタ257での信号の転送を停止する構成であればどのような構成としてもよい。また、図23の場合には、(i+3)行目以降において、信号線駆動回路を全て停止させてもよい。その結果、大幅に消費電力を低減することができる。
次に、図22と異なる構成を有する走査線駆動回路を図24に示す。
図24に示す走査線駆動回路は、フリップフロップ回路264等を複数段用いて構成されたシフトレジスタ267とANDゲート265とを有し、ANDゲート265の2つの入力端子は、フリップフロップ回路264の入力端子と出力端子に接続されている。さらに、パルス出力回路261において、シフトレジスタ267を複数の領域に分割して設け、スタートパルス信号を複数用意して当該複数のシフトレジスタの領域にそれぞれスタートパルス信号の入力を行う構成となっている。
また、フリップフロップ回路264の入力部分に、信号を初期化するスイッチ266を設け、転送制御信号(G_ENABLEt)を用いて当該スイッチ266のオン、オフを制御する。例えば、ある行以降の全ての行おいて画素にビデオ信号の書き込みを行わない場合には、転送制御信号を用いてスイッチ256をオンすることにより、ある行以降においてシフトレジスタ257での信号の転送を停止させ、バッファ253へゲート選択パルスの出力を行わないようにする。この場合、ある行以降においては、画素に新たにビデオ信号の書き込みを行わず、既に書き込まれているビデオ信号を保持させ続ける。
さらに、図24では、フリップフロップ回路264から構成されるシフトレジスタ267を複数の領域に分けて設け、当該領域毎にスタートパルス信号の入力を行う構成を示している。従って、一旦、転送制御信号を用いてスイッチ256をオンすることによって、ある行以降におけるシフトレジスタ257の信号の転送を止めてしまっても、別の領域では別個にスタートパルス信号が入力されるためシフトレジスタ267での信号の転送を復活させることができる。
次に、動作方法の具体例について、図24、図25を用いて説明する。
図24では、画素行がm行(1行目〜m行目)の走査線から構成される場合において、シフトレジスタ267が、1行目〜i行目までフリップフロップ回路264から構成される領域267aと、(i+1)行目〜m行目までのフリップフロップ回路264から構成される領域267bとに分けて設けられている例を示している。
この場合、シフトレジスタ267において、領域267aでは第1のスタートパルス信号が入力されることにより信号の転送が開始し、領域267bでは第2のスタートパルス信号が入力されることにより信号の転送が開始する構成となっている。つまり、シフトレジスタ267において、領域267aでは、入力された第1のスタートパルス信号、クロック信号、クロック反転信号のタイミングに従ってゲート選択パルスが順次バッファ253を介して走査線に出力される。一方、領域267bでは、入力された第2のスタートパルス信号、クロック信号、クロック反転信号のタイミングに従ってゲート選択パルスが順次バッファ253を介して走査線に出力される。
また、シフトレジスタ267の信号の転送を転送制御信号(G_ENABLEt)を用いて、領域267aと領域267bの各々において別々に制御する。例えば、図24において、既に画素に書き込まれているビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号とを比較した際に、2行目と(i+2)行目においてのみ既に書き込まれているビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号が異なる場合を考える。
まず、第1のスタートパルス信号を入力することによって、1行目と2行目の走査線に順々にゲート選択パルスを出力して画素行を選択し、当該画素行にビデオ信号の書き込みを行う。続いて、転送制御信号を用いてスイッチ266をオンすることによって、3行目以降(ここでは、3行目〜i行目まで)は、シフトレジスタ267での信号の転送を停止し、フリップフロップ回路264から走査線へゲート選択パルスの出力を行わず、画素へビデオ信号の書き込みを行わない。
次に、第2のスタートパルス信号を入力することによって、(i+1)行目と(i+2)行目走査線にゲート選択パルスを出力して当該画素行にデータの書き込みを行う。続いて、転送制御信号を用いてスイッチ266をオンすることによって、(i+3)行目以降(ここでは、(i+3)行目〜m行目)はシフトレジスタ267での信号の転送を停止し、フリップフロップ回路204から走査線へのゲート選択パルスの出力を行わず、画素へのデータの書き込みを行わない。
このときのタイミングチャートを図25に示す。
第1のスタートパルス信号の入力によってシフトレジスタ267の信号の転送が開始される領域263aにおいて、3行目以降(ここでは、3行目〜i行目まで)では既に画素に保持されたビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号とが同じであるため、転送制御信号を用いてスイッチ266をオンすることによって3行目〜i行目の走査線にゲート選択パルスの出力を行わない。
第2のスタートパルス信号の入力によってシフトレジスタ267の信号の転送が開始される領域263bにおいて、(i+3)行目以降(ここでは、(i+3)行目〜i行目まで)では既に画素に保持されたビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号とが同じであるため、転送制御信号を用いてスイッチ266をオンすることによって(i+3)行目以降の走査線にゲート選択パルスの出力を行わない。
その結果、1行目、2行目、(i+1)行目、(i+2)行目の画素には新たにビデオ信号が書き込まれ、3行目〜i行目、(i+3)行目〜m行目では既にその行に書き込まれているビデオ信号を保持し続ける。
このように、図24に示した構成を用いることによって、3行目〜i行目及び(i+3)行目〜m行目では、シフトレジスタ267において信号の転送を停止し、走査線にその画素行を選択するゲート選択パルスの入力を行わないため、充放電の回数を減らすことができ、消費電力を低減することができる。また、走査線にゲート選択パルスの入力を行わない場合には、信号線駆動回路を全て停止させてもよい。その結果、大幅に消費電力を低減することができる。
なお、上記図22に示した構成では、転送制御信号を用いてスイッチ256をオンにした場合に、その行以降の全ての行においてシフトレジスタ257で信号の転送が止まり、その行以降全ての走査線にゲート選択パルスの出力が行われなくなる。そのため、ある行以降において、既に画素に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行おうとするビデオ信号とが全て同じとなる必要がある。従って、この場合図22に示した構成では、1行目〜(i+2)行目までシフトレジスタ267での信号の転送を行い、走査線にゲート選択パルスを出力する必要がある。一方、図24に示す構成では、分割した複数の領域毎に転送制御信号を用いてスイッチ266のオンまたはオフを行うことができるため、シフトレジスタ267での信号の転送を詳細に制御し、走査線へのゲート選択パルスの出力の有無を詳細に制御することによって、消費電力を低減することが可能となる。
なお、図24では、シフトレジスタ267を2つの領域に分け当該2つの領域にそれぞれスタートパルス信号を入力する構成を示したが、もちろん本発明はこの構成に限定されず、シフトレジスタ267を3つ以上の複数の領域に分けて設け、それぞれの領域に対応した複数のスタートパルス信号を入力することによって、各領域においてゲート選択パルスの出力を制御することができる。
また、図24において、走査方向切り換えスイッチを設けることも可能である。つまり、シフトレジスタ267が複数の領域に分けて設けられた構成において、各領域(図24では、領域267aと267b)に走査方向切り換えスイッチを設け、領域毎に走査する方向を選択できるようにすることができる。つまり、複数の領域において、直列に接続された複数のフリップフロップ回路のうち、各々の領域の両端に位置するフリップフロップ回路のいずれか一方から第1のスタートパルス信号、第2のスタートパルス信号を入力するかを選択できるようにすることができる。
例えば、図24を例に挙げると、領域267aにおいては1列目とi行目に相当するフリップフロップ回路のどちら側から第1のスタートパルス信号を入力するか選択できるようにし、領域267bにおいては(i+1)行目とm行目に相当するフリップフロップ回路のどちら側から第2のスタートパルス信号を入力するか選択できるようする。
以上のように、ある行以降において、画素に既に書き込まれているビデオ信号と新たに書き込みを行おうとするビデオ信号が等しいとき、ある行以降においてシフトレジスタ257での信号の転送を停止し、走査線にその画素行を選択するゲート選択パルスを入力しないようにすることによって、充放電の回数を減らし消費電力を低減することができる。
また、画素にビデオ信号の書き込みを行う場合に、既にその画素行に書き込まれているビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号とが等しい場合、その画素行への信号の書き込み動作時において、その画素行の信号線をフローティングにすることにより、さらに消費電力の低減を図ることが可能となる。なぜなら、一つの走査線に接続されている画素と同数の信号線の配線交差要領への充放電を省略することができるためである。また、フローティングにしなくとも信号線に入力した直前の信号をそのまま出力するようにしてもよい。なぜなら、その信号線にはすでに配線交差容量への充放電が完了しているため、それほど消費電力はかからないからである。例えば、上記実施の形態で上述した、一行前のビデオ信号と新たに次の行に書き込みを行うビデオ信号が全ての列において同一である場合の駆動方法(例えば、図14、図15、図17)を適用することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。具体的には、画素にビデオ信号の書き込みを行う場合において、一行前のビデオ信号と書き込みを行うビデオ信号との比較、および既に画素に書き込まれたビデオ信号と書き込みを行うビデオ信号との比較を行い、画素へのビデオ信号の書き込みを制御することができる。
例えば、ある行(i行)以降にビデオ信号の書き込みを行おうとする場合に、まず、ある行以降の画素に既に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行おうとするビデオ信号との比較を行い、全ての画素において同じである場合には、本実施の形態で示した構成を用いて走査線にゲート選択パルスの出力を行わず、走査線の選択を行わないようにする。一方、既に画素に書き込まれたビデオ信号と新たにその画素へ書き込みを行おうとするビデオ信号とが異なる行がある場合には、一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行うビデオ信号との比較を行い、異なる列がある場合には、上記実施の形態1乃至4に示した構成を用いて一行前に書き込まれたビデオ信号と異なる列にのみビデオ信号を書き込むようにする。
このように、ある行以降の画素に既に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行おうとするビデオ信号との比較と、一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行うビデオ信号との比較とを行うことによって、最も消費電力が小さくなるように動作させることによって、より効果的に消費電力を低減することができる。
なお、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた構成を全て含んでいる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、画素に書き込みを行うビデオ信号が、既にその画素へ書き込まれているビデオ信号(つまり、画素に保存されているビデオ信号)と等しい場合に関して、上記実施の形態5と異なる構成に関して図面を参照して説明を行う。具体的には、既にその画素へ書き込まれているビデオ信号と書き込みを行うビデオ信号が同じである行が複数ある場合に、行毎に選択的にゲート選択パルスの出力を行わない構成に関して説明する。
本実施の形態で示す表示装置の信号線駆動回路の一例を図26に示す。
本実施の形態で示すパルス出力回路271は、フリップフロップ回路274等を複数段用いて構成されたシフトレジスタ277とANDゲート275とを有し、ANDゲート275の入力端子は、フリップフロップ回路274の入力端子と出力端子とサンプリング制御信号が出力される配線に接続された構成となっている。
フリップフロップ回路274は、スタートパルス信号(S−SP)、クロック信号(S−CLK)、クロック反転信号(S−CLKB)が入力されたタイミングに従ってゲート選択パルスを順次バッファ回路273へ出力する。そして、バッファ253により電流供給能力の高い画素選択信号に変換され、走査線に出力される。
また、図26では、ANDゲート275にサンプリング制御信号(E_ENABLEp)が入力されており、サンプリング制御信号のレベルによりバッファ253へのゲート選択パルスの出力を制御する。つまり、シフトレジスタ277の全ての行において信号の転送を行い、サンプリング制御信号をANDゲート275に入力することによって、バッファ253へのゲート選択パルスの出力の制御を行う。
このときのタイミングチャートを図27に示す。
図27では、i行目〜(i+10)行目において、(i+3)行目、(i+4)行目、(i+6)行目〜(i+8)行目の画素に新たに書き込みを行おうとするビデオ信号が既にその画素行の画素に書き込まれたビデオ信号と同じである場合を示している。
図27において、(i+3)行目、(i+4)行目、(i+6)行目〜(i+8)行目の画素に新たに書き込みを行おうとするビデオ信号は既に当該画素行に保存されているビデオ信号と同じであるため、サンプリング制御信号をオフして、ANDゲート275からバッファ253へゲート選択パルスの出力を行わない。一方、i行目〜(i+2)行目、(i+5)行目、(i+9)行目、(i+10)行目に新たに書き込みを行おうとするビデオ信号は、既に当該画素行に保持されているビデオ信号と異なるため、サンプリング制御信号をオンして、ANDゲート275からバッファ253へゲート選択パルスを出力し、走査線を選択することにより画素へビデオ信号の書き込みを行う。なお、ここでは、シフトレジスタ277において、全ての行で信号の転送が行われているため、ANDゲート275にサンプリング制御信号を入力してゲート選択パルスの出力の制御を行っている。
そして、i行目〜(i+2)行目、(i+5)行目、(i+9)行目、(i+10)行目では画素に新たなビデオ信号が書き込まれ、(i+3)行目、(i+4)行目、(i+6)行目〜(i+8)行目では既にその画素に保存されているビデオ信号が保持され続ける。
このように、サンプリング制御信号のオン、オフを制御することによって、ゲート選択パルスの出力を必要な行でだけ停止させることができる。つまり、必要な行(ここでは、既にその行の画素に書き込まれているビデオ信号と新たにその行の画素に書き込みを行おうとするビデオ信号とが異なる行)に対してのみ選択的に走査線を選択して、画素にビデオ信号の書き込みを行うことによって、消費電力を低減することができる。また、走査線にゲート選択パルスの入力を行わない場合には、信号線駆動回路を全て停止させてもよい。その結果、大幅に消費電力を低減することができる。
また、図26に示した構成は、図22に示した構成と組み合わせて行うことができる。
例えば、図28に示すように、上記図22で示した構成において、フリップフロップ回路284の入力部に信号を初期化するスイッチ286を設け、転送制御信号を用いて当該スイッチを制御する構成としてもよい。この場合、ゲート選択パルスの出力を転送制御信号とサンプリング制御信号を用いて制御することができる。なお、図28では、スイッチ286をトランジスタで設けた例を示したが、これに限られず上記実施の形態で示したスイッチのいずれかを用いることができる。
このときのタイミングチャートを図29に示す。
図29では、(i+3)行目、(i+4)行目、(i+6)行目〜(i+8)行目、(i+11)行目〜m行目において、新たに画素に書き込もうとするビデオ信号が既にその画素に書き込まれたデータと同じである場合を示している。
図29において、(i+3)行目、(i+4)行目、(i+6)行目〜(i+8)行目、(i+11)行目〜m行目の画素に書き込みを行うビデオ信号は既にその画素行に書き込まれているビデオ信号と同じであるため、サンプリング制御信号をオフして、ANDゲート285からバッファ253へゲート選択パルスの出力を行わない。一方、i行目〜(i+2)行目、(i+5)行目、(i+9)行目、(i+10)行目の画素においては既にその画素に書き込まれているビデオ信号と書き込みを行うビデオ信号とが異なるため、サンプリング制御信号をオンして、ANDゲート285からバッファ253へゲート選択パルスを出力し、ビデオ信号の書き込みを行う。なお、ここでは、(i+11)行目以降の行では全て既にその行に書き込まれているビデオ信号と書き込みを行うビデオ信号とが同じであるため、転送制御信号をオンして(i+11)行目以降においてシフトレジスタ287の信号の転送を中止する。
このように、転送制御信号とサンプリング制御信号を用いることによって、シフトレジスタでの信号の転送や走査線へのゲート選択パルスの出力を制御し、必要な行の画素に対してのみ選択的にビデオ信号の書き込みを行うことができるため、消費電力を低減することができる。
つまり、転送制御信号を用いてゲート選択パルスの出力を制御する場合には、ある行以降において新たに書き込みを行おうとするビデオ信号と既にある行以降に書き込まれたビデオとが全て同じである必要があり、サンプリング制御信号を用いてゲート選択パルスの出力を制御する場合には、行毎にゲート選択パルスの出力を制御することができるが、全ての行に対してシフトレジスタで信号の転送を行う必要がある。そのため、転送制御信号とサンプリング制御信号の両方を用いてゲート選択パルスの出力を制御することにより、様々な画素の表示に柔軟に対応できるため、より効果的に消費電力を低減することが可能となる。また、走査線にゲート選択パルスの入力を行わない場合には、信号線駆動回路を全て停止させてもよい。その結果、大幅に消費電力を低減することができる。
また、図28に示す構成において、上記実施の形態で示したように、走査方向切り換えスイッチを設けてもよいし、シフトレジスタ287を複数の領域に分け、スタートパルス信号を複数用意して当該複数のシフトレジスタの領域にそれぞれスタートパルス信号の入力を行う構成としてもよい。さらに、シフトレジスタ287を複数の領域に分けて設け、当該領域毎に走査方向を制御する構成としてもよい。
また、画素にビデオ信号の書き込みを行う場合に、既にその画素行に書き込まれているビデオ信号と書き込みを行おうとするビデオ信号とが等しい場合、その画素行への信号の書き込み動作時において、その画素行の信号線をフローティングにすることにより、さらに消費電力の低減を図ることが可能となる。なぜなら、一つの走査線に接続されている画素と同数の信号線の配線交差要領への充放電を省略することができるためである。また、フローティングにしなくとも信号線に入力した直前の信号をそのまま出力するようにしてもよい。なぜなら、その信号線にはすでに配線交差容量への充放電が完了しているため、それほど消費電力はかからないからである。例えば、上記実施の形態で上述した、一行前のビデオ信号と新たに次の行に書き込みを行うビデオ信号が全ての列において同一である場合の駆動方法(例えば、図14、図15、図17)を適用することができる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。具体的には、画素にビデオ信号の書き込みを行う場合において、一行前のビデオ信号と書き込みを行うビデオ信号との比較、および既に画素に書き込まれたビデオ信号と新たにその画素へ書き込みを行おうとするビデオ信号との比較を行い、画素へのビデオ信号の書き込みを制御することができる。
例えば、ある行(i行)にビデオ信号の書き込みを行おうとする場合に、まず、ある行(i行)の画素に既に書き込まれたビデオ信号と新たにその行(i行)の画素に書き込みを行おうとするビデオ信号との比較を行い、全ての画素において同じである場合には、本実施の形態で示した構成を用いて走査線にゲート選択パルスの出力を行わず、走査線の選択を行わないようにする。一方、既に画素に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行おうとするビデオ信号とが異なる場合には、一行前((i−1)行)に画素に書き込まれたビデオ信号と新たに次の行(i行)の画素に書き込みを行うビデオ信号との比較を行い、異なる列がある場合には、上記実施の形態1乃至4に示した構成を用いて一行前に書き込まれたビデオ信号と異なる列にのみビデオ信号を書き込むようにする。
このように、ある行の画素に既に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行おうとするビデオ信号と、一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と新たに書き込みを行うビデオ信号との比較とを行うことによって、最も消費電力が小さくなるように動作させることによって、より効果的に消費電力を低減することができる。
なお、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた構成を全て含んでいる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、ある行の画素に新たに書き込みを行おうとするビデオ信号が、既にその行の画素へ書き込まれているビデオ信号(つまり、画素に保存されているビデオ信号)と等しい場合に適用する信号線駆動回路の構成例に関して図面を参照して説明を行う。具体的には、ある行の画素に新たに書き込みを行おうとするビデオ信号が、既にその行の画素へ書き込まれているビデオ信号と等しい場合に画素へビデオ信号の書き込みを行わない構成を有する信号線駆動回路に関して説明する。
本実施の形態で示す表示装置の信号線駆動回路の一例を図30に示す。
図30(A)に示す信号線駆動回路はパルス出力回路801、第1のラッチ回路802、第2のラッチ回路803、出力制御回路804を有する。パルス出力回路801には、クロック信号(S_CLK)、クロック反転信号(S_CLKB)、スタートパルス信号(S_SP)が入力される。これらの信号にしたがって順次サンプリングパルスが出力される。
パルス出力回路801から出力されるサンプリングパルスは第1のラッチ回路802に入力され、その信号のタイミングにしたがってビデオ信号(Video Data)が第1のラッチ回路802に保持される。
第1のラッチ回路802において、最終段までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路803にラッチパルス(Latch Pulse)が入力され、第1のラッチ回路802に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路803に転送される。
第2のラッチ回路803に転送されたビデオ信号は、出力制御回路804に入力される。さらに、出力制御回路804には出力制御信号(S_ENABLE)が入力されており、この信号によりビデオ信号を信号線S1〜Snに出力するかしないかが制御される。なお、出力制御回路804では、ビデオ信号を出力しないときに、信号線S1〜Snをフローティングにしてもいいし、固定電位を設定してもよい。固定電位としては、消費電力を低減するような電位を設定しておけばよい。
なお、出力制御信号(S_ENABLEs)は、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号のビデオ信号が、前回のサブフレーム期間における一行分のビデオ信号のビデオ信号と同じ場合に、出力制御信号はLレベルとなり、一行分のデータが一つでも異なる場合に出力制御信号がHレベルとなる。つまり、出力制御信号がLレベルのときには、出力制御回路804からビデオ信号が出力されず、Hレベルのとき出力制御回路804からビデオ信号が出力される。
図30(B)には、信号線駆動回路のさらに詳細な構成を示す。また、図31のタイミングチャートを用いてこの信号線駆動回路の動作について説明する。
パルス出力回路811はフリップフロップ回路815等を複数段用いて構成され、クロック信号(S_CLK)、クロック反転信号(S_CLKB)、スタートパルス信号(S_SP)が入力される。
なお、図31において、TGi−1、TGi、TGi+1、TGi+2はあるサブフレーム期間におけるそれぞれj−1行目の画素、j行目の画素、j+1行目の画素、j+2行目の画素へ入力するビデオ信号を信号線駆動回路の第1のラッチ回路812にラッチする期間を示している。つまり、1ゲート選択期間に相当する。そして、TGi−1にはビデオ信号3404、TGiにはビデオ信号3405、TGi+1にはビデオ信号3406のデータが第1のラッチ回路812に入力される。
まず、TGi−1についての動作の説明をする。それぞれのフリップフロップ回路815にはクロック信号(S_CLK)、クロック反転信号(S_CLKB)が入力され、フリップフロップ回路815の第1段目にスタートパルス信号(S_SP)が入力される。図31において、パルス3401がTGi−1のスタートパルス信号である。
このパルス3401は、次の段のフリップフロップ回路815に入力される際にクロック信号のパルス分遅れる。このパルス3402はサンプリングパルスSamp.1として第1のラッチ回路812の一列目の画素に対応したLAT1に入力される。同様にn段目のフリップフロップ回路815の出力はパルス3403のようにサンプリングパルスSamp.nとして第1のラッチ回路812のn列目の画素に対応したLAT1に入力される。
また、TGi−1において、第1のラッチ回路812には、ビデオ信号3404が入力されており、サンプリングパルスが入力されるタイミングに従って、画素の各列に対応した各段のラッチ回路にビデオ信号を保持する。なお、ここでのサンプリングパルスが入力されるタイミングとは、サンプリングパルスがHレベルからLレベルに立ち下がるときのことである。このときに、第1のラッチ回路812に入力されているビデオ信号が、第1のラッチ回路812のそれぞれの段に保持される。
第1のラッチ回路812において、最終段までビデオ信号の保持が完了すると、水平帰線期間中に、第2のラッチ回路813にラッチパルス(Latch Pulse)3407が入力され、第1のラッチ回路812に保持されていたビデオ信号は、一斉に第2のラッチ回路813に転送される。その後、第2のラッチ回路813に保持されたビデオ信号は1行分が同時に出力制御回路814へ入力される。
なお、出力制御回路814には出力制御信号(S_ENABLEs)が入力されており、この信号のレベルによりビデオ信号を信号線S1〜Snに出力するかしないかが制御される。出力制御信号(S_ENABLE)は、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号が、前回のサブフレーム期間における一行分のビデオ信号と同じ場合に、出力制御信号はLレベルとなり、一行分のデータが一つでも異なる場合に出力制御信号がHレベルとなる。
つまり、出力制御信号(S_ENABLEs)がLレベルのときには、出力制御回路814の各段に設けられたアナログスイッチがオフするため出力制御回路814からビデオ信号が出力されず、Hレベルのときには、各段に設けられたアナログスイッチがオンするため出力制御回路814からビデオ信号が出力される。
続いて、TGiに移る。すると、出力制御信号(S_ENABLEs)はHレベルであるため第2のラッチ回路813に保持されたビデオ信号3404が出力制御回路814を介して信号線S1〜Snに出力される。そして、再び、フリップフロップ回路815の第1段目にスタートパルス信号(S_SP)が入力される。パルス3408がTGiのスタートパルス信号である。すると、再びサンプリングパルスが出力される。そして、このサンプリングパルスのタイミングに従ってビデオ信号3405が第1のラッチ回路812の各段に保持される。そして、ラッチパルス3409が入力されると、このビデオ信号3405が第2のラッチ回路813に一斉に転送される。そして、このビデオ信号3405は1行分が同時に出力制御回路814へ入力される。
続いて、TGi+1に移る。すると、出力制御信号(S_ENABLEs)はLレベルであるため第2のラッチ回路813に保持されたビデオ信号3405は出力制御回路814から出力されない。つまり、信号線S1〜Snはフローティングとなっている。そして、再び、フリップフロップ回路815の第1段目にスタートパルス信号(S_SP)が入力される。パルス3410がTGi+1のスタートパルス信号である。すると、再びサンプリングパルスが出力される。そして、このサンプリングパルスのタイミングに従ってビデオ信号3406が第1のラッチ回路812の各段に保持される。そして、ラッチパルス3412が入力されると、このビデオ信号3406が第2のラッチ回路813に一斉に転送される。そして、このビデオ信号3406は1行分が同時に出力制御回路814へ入力される。
続いて、TGi+2に移る。すると、出力制御信号(S_ENABLEs)はHレベルであるため第2のラッチ回路813に保持されたビデオ信号3406が出力制御回路814を介して信号線S1〜Snに出力される。また、再び、フリップフロップ回路815の第1段目にスタートパルス信号(S_SP)が入力される。パルス3413がTGi+2のスタートパルス信号である。
そして、書き込み期間においては、上述した動作を繰り返し、サブフレーム分のビデオ信号の処理を行う。さらに、サブフレーム分の処理を繰り返すことで1フレームの画像を表示することができる。
なお、i行目の画素へ書き込むビデオ信号のデータがすでにi行目の画素に書き込まれている信号のデータと等しいため、i行目の画素への信号書き込み時間、つまり、TGi+1の間は信号線S1〜Snをフローティングにしている。よって、信号線への充放電を省略することができ、消費電力の低減を図ることができる。
また、信号の書き込みを行わない画素行のビデオ信号を、シリアルからパラレルの信号に変換する期間においては、信号のデータ保持の開始のきっかけとなるスタートパルス信号(S_SP)のパルスを入力しないようにしてもよい。つまり、図32(A)に示すように、TGiのときには、スタートパルス信号(S_SP)のパルスを入力しない。よって、パルス出力回路811からサンプリングパルスが出力されないため、第1のラッチ回路812でのビデオ信号3405の保持が行われない。したがって、第1のラッチ回路812への電荷の充放電を省略することができる。よって、さらなる消費電力を低減することができる。
また、信号の書き込みを行わない画素行のビデオ信号を、シリアルからパラレルの信号に変換する期間においては、信号線駆動回路へビデオ信号の入力を行わないようにしてもよい。つまり、図32(B)に示すように、TGiのときには、ビデオ信号(Video Data)を信号線駆動回路へ入力しないようにしてもよい。なぜならこのときTGiで保持するビデオ信号は、信号線S1〜Snへ出力されないため、そもそもビデオ信号の入力をする必要がないからである。そして、このビデオ信号の入力を行わないことにより、ビデオ線への電荷の充放電が省略できるので消費電力が低減される。そして、TGiはビデオ線へ消費電力が小さくなるような電位を入力すればよい。または、ビデオ信号をフローティングにしてもよい。また、このとき、図32(A)に示したように、TGiのときには、スタートパルス信号(S_SP)のパルスを入力しない構成としてもよい。
また、信号の書き込みを行わない画素行のビデオ信号を、シリアルからパラレルの信号に変換する期間においては、クロック信号(S_CLK)やクロック反転信号(S_CLKB)等の入力を行わないようにしてもよい。つまり、図33(A)に示すように、TGiのときには、クロック信号(S_CLK)やクロック反転信号(S_CLKB)を信号線駆動回路へ入力しないようにしてもよい。例えば、クロック信号(S_CLK)とクロック反転信号(S_CLKB)とで互いに反転している一定の電位(一方がHレベル、他方がLレベル)を入力するようにしてもよい。なぜなら、一定の電位にしておけば、電荷の充放電が行われない。よって、消費電力が低減されるからである。また、このとき、図32(A)に示したように、TGiのときにスタートパルス信号のパルスを入力しない構成としてもよいし、図32(B)に示したようにTGiのときにビデオ信号を入力しない構成としてもよいし、スタートパルス信号のパルスとビデオ信号を入力しない構成としてもよい。
また、信号の書き込みを行わない画素行のビデオ信号を、シリアルからパラレルの信号に変換する期間においては、ラッチパルスの入力を行わないようにしてもよい。つまり、図33(B)に示すように、TGiのときには、ラッチパルス(Latch Pulse)を信号線駆動回路へ入力しないようにしてもよい。すると、第1のラッチ回路812から第2のラッチ回路813への信号の転送が行われないため、電荷の充放電を省略することができる。よって、消費電力を低減することができる。また、このとき、図32(A)に示したように、TGiのときにスタートパルス信号のパルスを入力しない構成としてもよいし、図32(B)に示したようにTGiのときにビデオ信号を入力しない構成としてもよいし、図33(A)に示したようにTGiのときにクロック信号やクロック反転信号を入力しない構成としてもよいし、スタートパルス信号のパルスとビデオ信号とクロック信号とクロック反転信号を入力しない構成としてもよい。
このように、既にその画素行に書き込まれているビデオ信号と新たにその画素に書き込みを行おうとするビデオ信号とが等しい場合、走査線が選択されないため、上述したように出力制御回路を用いて、その行への信号の書き込み動作時において、その画素行の信号線をフローティングにすることにより、消費電力の低減を図ることが可能となる。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた構成を全て含んでいる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、画素に書き込みを行うビデオ信号が、既にその画素へ書き込まれているビデオ信号(つまり、画素に保存されているビデオ信号)と等しい場合において、上記実施の形態で示した走査線駆動回路や信号線駆動回路と異なる構成例に関して図面を参照して説明する。
まず、本発明の表示装置に適用可能な走査線駆動回路の一構成例を図34に示す。
図34(A)に示す走査線駆動回路は、パルス出力回路501とバッファ502とを有する。パルス出力回路501には、クロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)及びスタートパルス信号(G_SP)などが入力されている。そして、それらの信号のタイミングに従って、バッファ502に走査信号(SC.1〜SC.m)を入力する。走査信号はバッファ502によって、電流供給能力の高い画素選択信号(G.1〜G.m)に変換され、走査線G1〜Gmに入力される。ここで、バッファ502にはサンプリング制御信号(G_ENABLEp)が入力されている。そして、出力制御信号により、画素選択信号G.1〜G.mのうち信号の書き込みを行わない画素行の走査線への入力を行わないように制御している。
さらに詳しい構成例を図34(B)に示す。
パルス出力回路511は複数段のフリップフロップ回路513とANDゲート514を有し、ANDゲート514の二つの入力端子は、隣り合うフリップフロップ回路(FF)513の出力端子が接続されている。つまり、各段のフリップフロップ回路513はANDゲート514より一つ冗長に設けられ、隣り合うフリップフロップ回路513の出力が、走査線G1〜Gmに対応して設けられた各段のANDゲート514に入力される。
それぞれのフリップフロップ回路513にはクロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)が入力され、フリップフロップ回路513の第1段目にスタートパルス信号(G_SP)が入力される。スタートパルス信号は、次の段のフリップフロップ回路513に入力される際にクロック信号の1パルス分遅れる。よって、冗長に設けられた第1段目のフリップフロップ回路513と次の段のフリップフロップ回路513の出力が入力される一行目のANDゲート514の出力されるパルスはクロック信号の1パルス分になる。このパルスは走査信号SC.1として出力制御回路512の一段目に対応したバッファ(Buf.)515の入力端子に入力される。同様にi行目のANDゲート514の出力、m行目のANDゲート514の出力はそれぞれ走査信号として出力制御回路512のそれぞれの段のバッファ515の入力端子に入力される。
また、出力制御回路512の各段のバッファ515はそれぞれ出力制御端子を有し、サンプリング制御信号(G_ENABLEp)が入力されている。バッファ515によって、電流供給能力の高い画素選択信号(G.1〜G.m)に変換され、走査線G1〜Gmに入力される。ここで、バッファ515各段には共にサンプリング制御信号が入力されている。そして、サンプリング制御信号にしたがってバッファ515の段毎に走査信号(SC.1〜SC.m)の電流供給能力を高くした画素選択信号(G.1〜G.m)を出力するかしないかを決定する。
なお、出力制御回路を備えたバッファの一例を図34(C)に示す。Pチャネル型トランジスタ521とPチャネル型トランジスタ522と、Nチャネル型トランジスタ523と、Nチャネル型トランジスタ524とが直列に接続されている。そして、Pチャネル型トランジスタ521のソース端子に高電源電位Vddが設定され、Nチャネル型トランジスタ524のソース端子に低電源電位Vssが設定されている。Nチャネル型トランジスタ524のゲート端子にはサンプリング制御信号(G_ENABLEp)が入力され、Pチャネル型トランジスタ521のゲート端子にはインバータ525によりサンプリング制御信号が反転された信号が入力されている。そして、Pチャネル型トランジスタ522及びNチャネル型トランジスタ523のゲート端子は共に接続され、走査信号(SC.1〜SC.mのいずれか一)が入力される。ここで、サンプリング制御信号がHレベルのときには、Nチャネル型トランジスタ524及びPチャネル型トランジスタ521がオンしているため、走査信号(SC.1〜SC.mのいずれか一)の反転した信号をPチャネル型トランジスタ522又はNチャネル型トランジスタ523のいずれかから出力する。一方、サンプリング制御信号がLレベルのときには、Nチャネル型トランジスタ524及びPチャネル型トランジスタ521がオフしているため、バッファから信号は出力されず、このバッファの接続されている走査線はフローティングとなる。なお、図34(C)の場合だと走査信号(SC.1〜SC.m)と画素選択信号(G.1〜G.m)のレベルが反転してしまうので、さらに各段に奇数個ずつ、例えば1つずつのインバータを設けるとよい。この場合、さらに設けるインバータは図34(C)に示すバッファの入力側に配置するとよい。図34(C)に示すバッファの出力側に配置すると、さらに設けるインバータの入力がフローティングになった場合、走査線への出力が不安定な状態となるからである。
また、図34と異なる構成を有する走査線駆動回路について以下に図35を用いて説明する。
図35(A)に示す走査線駆動回路は、パルス出力回路701とバッファ702と出力制御回路703とを有する。パルス出力回路701には、クロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)及びスタートパルス信号(G_SP)などが入力されている。そして、それらの信号のタイミングに従って、バッファ702に走査信号(SC.1〜SC.m)を入力する。走査信号(SC.1〜SC.m)はバッファ702によって、電流供給能力の高い画素選択信号(G.1〜G.m)に変換され、出力制御回路703に入力される。ここで、出力制御回路703には出力制御信号(G_ENABLE)が入力されている。そして、サンプリング制御信号(G_ENABLEp)により、画素選択信号(G.1〜G.m)のうち信号の書き込みを行わない画素行の走査線への出力を行わないように制御している。
さらに詳しい構成例を図35(B)に示す。
パルス出力回路711は複数段のフリップフロップ回路714とANDゲート715を有し、ANDゲート715の二つの入力端子は、隣り合うフリップフロップ回路714の出力端子が接続されている。つまり、各段のフリップフロップ714はANDゲート715より一つ冗長に設けられ、隣り合うフリップフロップ回路714の出力が、走査線G1〜Gmに対応して設けられた各段のANDゲート715に入力される。
それぞれのフリップフロップ回路714にはクロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)が入力され、フリップフロップ回路714の第1段目にスタートパルス信号(G_SP)が入力される。スタートパルス信号は、次の段のフリップフロップ回路714に入力される際にクロック信号の1パルス分遅れる。よって、冗長に設けられた第1段目のフリップフロップ回路714と次の段のフリップフロップ回路714の出力が入力される一行目のANDゲート715の出力されるパルスはクロック信号の1パルス分になる。このパルスは走査信号SC.1としてバッファ712の一段目に対応したバッファ712の入力端子に入力される。同様にi行目のANDゲート715の出力、m行目のANDゲート715の出力はそれぞれ走査信号としてバッファ712のそれぞれの段のバッファ716の入力端子に入力される。
また、バッファ712の各段のバッファ716とそれぞれ対応する走査線G1〜Gmとは出力制御回路713の各段のスイッチ717を介して接続されている。このスイッチ717は、それぞれ制御端子を有し、出力制御端子にサンプリング制御信号(G_ENABLEp)が入力されている。そして、サンプリング制御信号にしたがってバッファ712の段毎に走査信号(SC.1〜SC.m)の電流供給能力を高くした画素選択信号(G.1〜G.m)を出力するかしないかを決定する。ここで、例えば一段目のバッファ716から画素選択信号G.1のパルスが出力されるタイミングのときに、サンプリング制御信号がLレベルである場合は、一段目のスイッチ717がオフするため、一段目のスイッチ717に接続されている走査線G1はフローティングになる。一方、全ての段において、バッファ716から画素選択信号(G.1〜G.m)のパルスが出力されるタイミングときに、サンプリング制御信号がHレベルのときには、全ての段のスイッチ717は、1垂直期間中オンしているため、走査線G1〜Gmに画素選択信号(G.1〜G.m)が順次入力される。
また、走査線駆動回路としては、図36(A)に示す構成を用いてもよい。
デコーダ回路3501に走査線選択データが入力され、そのデータにより選択された画素行に対応するパルス信号が出力される。そして、バッファ3502により電流供給能力の高くした信号が画素選択信号としてG1〜Gmのいずれかに出力される。
より詳しい構成について図36(B)を参照して説明する。ここでは、4つの走査線選択データにより16個の走査線を選択する場合についての一例を示す。
デコーダ回路3511には、画素行を選択する走査線G1〜G16に対応して設けられたANDゲート3513を有する。また、デコーダ回路3511には、入力1〜入力4の4つの走査線選択データが入力されている。そして、各ANDゲート3513は入力1又はこの反転したデータ、入力2又はこの反転したデータ、入力3又はこの反転したデータ及び入力4又はこの反転したデータがそれぞれのANDゲート3513毎に異なった組み合わせにより選択される。こうして、4つの入力により、16個の走査線G1〜G16を任意に選択することができる。
なお、本発明の表示装置の走査線駆動回路は上述した構成に限定されるものではない。例えば、レベルシフタを有していてもよい。なお、レベルシフタとは、信号のレベルをシフトさせるものである。
例えば、パルス出力回路501の出力がレベルシフタ1101に入力され、レベルシフタ1101の出力がバッファ502に入力され、バッファ502から走査線G1〜Gmに順次画素を選択する信号を入力する構成(図37(A))としてもよい。
また、デコーダ回路3501の出力がレベルシフタ1104に入力され、レベルシフタ1104の出力がバッファ3502に入力され、バッファ3502から走査線G1〜Gmに順次画素を選択する信号を入力する構成(図37(B))としてもよい。
このように、本発明の表示装置には様々な構成の走査線駆動回路を適用することができる。つまり、一つの走査線に接続された画素行に入力する信号が、すでにその画素行に入力されている信号と同じ場合に、その画素行を選択しないような構成であればよい。つまり、その画素行の接続された走査線に入力する信号を画素の選択されないLレベルの信号とするか、その走査線をフローティングにすればよい。
本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた構成を全て含んでいる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の表示装置に適用可能な画素及び駆動方法に関して図面を参照して説明する。具体的には、時間階調法を用いた表示装置の画素や駆動方法に関して説明する。
なお、以下に説明する図38、図39、図41、図42に示す画素は、表示素子として例えばEL素子などのような自発光型の表示素子が適している。なお、これらは一画素のみを図示しているが、表示装置の画素部には行方向と列方向にマトリクスに複数の画素が配置されている。
図38(A)に示す画素は、駆動トランジスタ1001、スイッチングトランジスタ1002、容量素子1003、表示素子1004、走査線1005、信号線1006、電源線1007を有している。
スイッチングトランジスタ1002は、ゲート端子が走査線1005に接続され、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が信号線1006に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が駆動トランジスタ1001のゲート端子と接続されている。また、スイッチングトランジスタ1002の第2端子は容量素子1003を介して電源線1007と接続されている。さらに、駆動トランジスタ1001は第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が電源線1007に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が表示素子1004の第1の電極と接続されている。表示素子1004の第2の電極1008には低電源電位が設定されている。
なお、低電源電位とは、電源線1007に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位との電位差を表示素子1004に印加して、表示素子1004に電流を流して表示素子1004を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が表示素子1004の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。
また、容量素子1003は駆動トランジスタ1001のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動トランジスタ1001のゲート容量については、ソース領域やドレイン領域やLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
走査線1005で画素が選択されているとき、つまりスイッチングトランジスタ1002がオンになっているときに信号線1006から画素にビデオ信号が入力される。そして、ビデオ信号に相当する電圧分の電荷が容量素子1003に蓄積され、容量素子1003はその電圧を保持する。この電圧は駆動トランジスタ1001のゲート端子と第1端子間の電圧であり、駆動トランジスタ1001のゲートソース間電圧Vgsに相当する。
一般に、トランジスタの動作領域は、線形領域と飽和領域とに分けることが出来る。その境目は、ドレインソース間電圧をVds、ゲートソース間電圧をVgs、しきい値電圧をVthとすると、(Vgs−Vth)=Vdsの時になる。(Vgs−Vth)>Vdsの場合は、線形領域であり、Vds、Vgsの大きさによって電流値が決まる。一方、(Vgs−Vth)<Vdsの場合は飽和領域になり、理想的には、Vdsが変化しても、電流値はほとんど変わらない。つまり、Vgsの大きさだけによって電流値が決まる。
ここで、電圧入力電圧駆動方式の場合には、駆動トランジスタ1001のゲート端子には、駆動トランジスタ1001が十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、駆動トランジスタ1001は線形領域で動作させる。よって、駆動トランジスタ1001がオンするビデオ信号であるときには、理想的には電源線1007に設定されている電源電位Vddをそのまま表示素子1004の第1の電極に設定する。
つまり、理想的には表示素子1004に印加する電圧を一定にし、表示素子1004から得られる輝度を一定にする。そして、1フレーム期間内に複数のサブフレーム期間を設け、サブフレーム期間毎に画素へのビデオ信号の書き込みを行い、サブフレーム期間毎に画素の点灯又は非点灯を制御し、その点灯しているサブフレーム期間の合計によって、階調を表現する。
次に、図38(B)の画素構成について説明する。図38(B)に示す画素は、駆動トランジスタ1301、スイッチングトランジスタ1302、電流制御用トランジスタ1309、容量素子1303、表示素子1304、走査線1305、信号線1306、電源線1307、配線1310を有している。
スイッチングトランジスタ1302は、ゲート端子が走査線1305に接続され、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が信号線1306に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が駆動トランジスタ1301のゲート端子と接続されている。また、スイッチングトランジスタ1302の第2端子は容量素子1303を介して電源線1307と接続されている。さらに、駆動トランジスタ1301は、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)も電源線1307に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が、電流制御用トランジスタ1309の第1端子(ソース端子又はドレイン端子)と接続されている。
電流制御用トランジスタ1309は、第2端子(ソース端子に又はドレイン端子)が表示素子1304の第1電極と接続され、ゲート端子が配線1310と接続されている。つまり、駆動トランジスタ1301と電流制御用トランジスタ1309は直列に接続されている。なお、表示素子1304の第2の電極1308には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線1307に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。
また、本画素構成においては、画素の点灯時に一定の電流を表示素子1304に供給するため、電流制御用トランジスタ1309を飽和領域で動作させる。つまり、電流制御用トランジスタ1309のゲートソース間電圧Vgsとドレインソース間電圧Vdsが(Vgs−Vth)<Vdsとなるように配線1310と電源線1307と対向電極1308の電位を設定する。なお、Vthは電流制御用トランジスタ1309のしきい値電圧を示している。
よって、理想的には、Vdsが変化しても、電流値はほとんど変わらない。つまり、Vgsの大きさだけによって電流値が決まるため、電源線1307と配線1310に設定された電位により電流値が決定される。また、容量素子1303は駆動トランジスタ1302のゲート容量を代用して削除しても良い。
走査線1305で画素が選択されているとき、つまりスイッチングトランジスタ1302がオンになっているときに信号線1306から画素にビデオ信号が入力される。そして、ビデオ信号に相当する電圧分の電荷が容量素子1303に蓄積され、容量素子1303はその電圧を保持する。この電圧は駆動トランジスタ1301のゲート端子と第1端子間の電圧であり、駆動トランジスタ1301のゲートソース間電圧Vgsに相当する。
そして、この駆動トランジスタ1301のVgsが駆動トランジスタ1301を十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。つまり、駆動トランジスタ1301は線形領域で動作させる。
よって、駆動トランジスタ1301がオンするビデオ信号であるときには、理想的には電源線1307に設定されている電源電位Vddをそのまま電流制御用トランジスタ1309の第1端子に設定する。このとき、電流制御用トランジスタ1309の第1端子がソース端子となり、配線1310と電源線1307によって設定される電流制御用トランジスタ1309のゲートソース間電圧によって、表示素子1304に供給される電流が決定される。
つまり、理想的には表示素子1304に印加する電流を一定にし、表示素子1304から得られる輝度を一定にする。そして、1フレーム期間内に複数のサブフレーム期間を設け、サブフレーム期間毎に画素へのビデオ信号の書き込みを行い、サブフレーム期間毎に画素の点灯非点灯を制御し、その点灯しているサブフレーム期間の合計によって、階調を表現する。
続いて、図38(C)の画素構成について説明する。図38(C)に示す画素は、駆動トランジスタ1501、スイッチングトランジスタ1502、容量素子1503、表示素子1504、第1の走査線1505、信号線1506、電源線1507、消去用ダイオード1509、第2の走査線1510を有している。スイッチングトランジスタ1502は、ゲート端子が第1の走査線1505に接続され、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が信号線1506に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が駆動トランジスタ1501のゲート端子と接続されている。さらに、駆動トランジスタ1501のゲート端子は整流素子(ダイオード1509)を介して第2の走査線1510と接続されている。また、スイッチングトランジスタ1502の第2端子は容量素子1503を介して電源線1507と接続されている。
また、駆動トランジスタ1501は、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が電源線1507に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が表示素子1504の第1の電極と接続されている。表示素子1504の第2の電極1508には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線1507に設定される高電源電位を基準にして低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。
この高電源電位と低電源電位との電位差を表示素子1504に印加して、表示素子1504に電流を流して表示素子1504を発光させるため、高電源電位と低電源電位との電位差が表示素子1504の順方向しきい値電圧以上となるようにそれぞれの電位を設定する。なお、容量素子1503は駆動トランジスタ1501のゲート容量を代用して削除しても良い。
本画素構成は、図38(A)の画素に、消去用ダイオード1509と第2の走査線1510を追加したものである。よって、駆動トランジスタ1501、スイッチングトランジスタ1502、容量素子1503、表示素子1504、第1の走査線1505、信号線1506、電源線1507は、それぞれ図10の画素の駆動トランジスタ1001、スイッチングトランジスタ1002、容量素子1003、表示素子1004、走査線1005、信号線1006、電源線1007に相当し、書き込みの動作や発光の動作は同様であるためここではその説明を省略する。
消去動作について説明する。消去動作時には、第2の走査線1510にHレベルの信号を入力する。すると、ダイオード1509に電流が流れ、容量素子1503によって保持されていた駆動トランジスタ1501のゲート電位をある電位に設定することができる。つまり、駆動トランジスタ1501のゲート端子の電位を、ある電位に設定し、画素へ書き込まれたビデオ信号に関わらず、駆動トランジスタ1501を強制的にオフさせることができる。
なお、ダイオード1509には、ダイオード接続したトランジスタを用いることが可能である。さらに、ダイオード接続したトランジスタの他にも、PN接合やPIN接合のダイオードやショットキー型のダイオードやカーボンナノチューブで形成されたダイオードなどを用いてもよい。ダイオード接続したNチャネル型トランジスタを適用した場合を図38(D)に示す。
ダイオード接続トランジスタ1601の第1端子(ソース端子又はドレイン端子)を駆動トランジスタ1501のゲート端子と接続する、またダイオード接続トランジスタ1601の第2端子(ソース端子又はドレイン端子)をゲート端子と接続するとともに、第2の走査線1510に接続する。すると、第2の走査線1510がLレベルのときにはダイオード接続トランジスタ1601はゲート端子とソース端子が接続されているため電流が流れないが、第2の走査線1510にHレベルの信号を入力したときにダイオード接続トランジスタ1601の第2端子はドレイン端子となるためダイオード接続トランジスタ1601に電流が流れる。よって、ダイオード接続トランジスタ1601は整流作用を奏する。
また、ダイオード接続したPチャネル型トランジスタを適用した場合を図39(A)に示す。
ダイオード接続トランジスタ1701の第1端子(ソース端子又はドレイン端子)を第2の走査線1510に接続する。また、ダイオード接続トランジスタ1701の第2端子(ソース端子又はドレイン端子)をゲート端子と接続するとともに、駆動トランジスタ1501のゲート端子と接続する。すると、第2の走査線1510がLレベルのときにはダイオード接続トランジスタ1701はゲート端子とソース端子が接続されているため電流が流れないが、第2の走査線1510にHレベルの信号を入力したときにダイオード接続トランジスタ1701の第2端子はドレイン端子となるため電流が流れる。よって、ダイオード接続トランジスタ1701は整流作用を奏する。
なお、第2の走査線1510に入力するLレベルの信号は、画素に非点灯となるビデオ信号が書き込まれているときにダイオード1509、ダイオード接続トランジスタ1601、ダイオード接続トランジスタ1701に電流が流れないような電位とする。また、第2の走査線1510に入力するHレベルの信号は、画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、駆動トランジスタ1501がオフするような電位をゲート端子に設定することができるような電位とする。
また、画素へ書き込まれた信号を消去させるために消去用トランジスタを設けてもよい。図39(B)に示す画素は、図38(A)の画素に消去用トランジスタ1809と第2の走査線1810を追加したものである。よって、駆動トランジスタ1801、スイッチングトランジスタ1802、容量素子1803、表示素子1804、第1の走査線1805、信号線1806、電源線1807は、それぞれ図10の画素の駆動トランジスタ1001、スイッチングトランジスタ1002、容量素子1003、表示素子1004、走査線1005、信号線1006、電源線1007に相当し、書き込みの動作や発光の動作は同様であるためここではその説明を省略する。
消去動作について説明する。消去動作時には、第2の走査線1810にHレベルの信号を入力する。すると、消去用トランジスタ1809がオンし、駆動トランジスタ1801のゲート端子と第1端子を同電位にすることができる。つまり、駆動トランジスタ1801のゲートソース間電圧を0Vにすることができる。なお、第2の走査線1810のHレベルの電位は、電源線1807の電位よりも消去用トランジスタ1809のしきい値電圧Vth以上高いことが望ましい。こうして、駆動トランジスタ1801を強制的にオフさせることができる。
また、整流素子や消去用トランジスタは図38(B)のような画素構成に適用することも可能である。一例として、図38(B)の画素に整流素子を追加した構成を図39(C)に示す。図38(B)の構成において、駆動トランジスタ1301のゲート端子が整流素子1901を介して第2の走査線1902と接続されている。なお、書き込みの動作や発光の動作は図38(B)と同様に行うことができる。
消去動作について説明する。消去動作時には、第2の走査線1902にHレベルの信号を入力する。すると、整流素子1901に電流が流れ、容量素子1303によって保持されていた駆動トランジスタ1301のゲート電位をある電位に設定することができる。つまり、駆動トランジスタ1301のゲート端子の電位を、ある電位に設定し、画素へ書き込まれたビデオ信号に関わらず、駆動トランジスタ1301を強制的にオフさせることができる。こうして、画素を強制的に非点灯にする。なお、整流素子1901としてはNチャネル型のトランジスタやPチャネル型のトランジスタをダイオード接続したものを用いることができる。
図38(C)、図38(D)、図39(A)、図39(B)、図39(C)のように第2の走査線を設けて、第2の走査線を選択することにより画素を非点灯とする信号を駆動トランジスタのゲート端子に入力する場合には、例えば、図40に示すような表示装置の構成を用いることができる。
信号線駆動回路7401、第1の走査線駆動回路7402、第2の走査線駆動回路7405、画素部7403と、を有している。また、信号線駆動回路7401から列方向に伸張した信号線S1〜Snと、第1の走査線駆動回路7402及び第2の走査線駆動回路7405から行方向に伸張したそれぞれの第1の走査線G1〜Gm、第2の走査線R1〜Rmに対応して、複数の画素104が画素部103にマトリクスに配置されている。
第1の走査線駆動回路7402には、クロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)、スタートパルス信号(G_SP)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、選択する画素行の第1の走査線Gi(第1の走査線G1〜Gmのうちいずれか一)に信号を出力する。そして、信号の書き込みを行う画素行を選択する。
また、第2の走査線駆動回路7405には、クロック信号(R_CLK)、クロック反転信号(R_CLKB)、スタートパルス信号(R_SP)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、選択する画素行の第2の走査線Ri(第2の走査線R1〜Rmのうちいずれか一)に信号を出力する。そして、信号の消去を行う画素行を選択する。
また、信号線駆動回路7401には、クロック信号(S_CLK)、クロック反転信号(S_CLKB)、スタートパルス信号(S_SP)、ビデオ信号(Digital Video Data)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、各信号線S1〜Snへそれぞれ各列の画素に応じたビデオ信号を出力する。
よって、信号線S1〜Snに入力されたビデオ信号は、第1の走査線Gi(走査線G1〜Gmのうちいずれか一)に入力された信号によって選択された画素行の各列の画素104に書き込まれる。そして、各第1の走査線G1〜Gmにより各画素行が選択され、全ての画素104に各画素104に対応したビデオ信号が書き込まれる。そして、各画素104は書き込まれたビデオ信号のデータを一定期間保持する。そして各画素104は、ビデオ信号のデータを一定期間保持することによって、点灯又は非点灯の状態を維持することができる。
ここで、本実施の形態の表示装置では、各画素7404に書き込まれた信号のデータによって各画素7404の点灯又は非点灯を制御し、発光時間の長さによって階調を表現する時間階調方式を適用したものである。なお、1表示領域分の画像を完全に表示するための期間を1フレーム期間といい、本実施の形態で示す表示装置は1フレーム期間に複数のサブフレーム期間を有する。この1フレーム期間中の各サブフレーム期間の長さは概略等しくても、異なっていてもよい。つまり、1フレーム期間中において、サブフレーム期間毎に各画素7404の点灯又は非点灯を制御し、画素7404毎の点灯時間の合計時間の違いによって階調を表現する。
また、本実施の形態の表示装置は、信号線駆動回路7401や走査線駆動回路7402にサンプリングパルスの出力やゲート選択パルスの出力を制御する信号を入力する。例えば、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、新たに画素への信号の書き込みを行おうとする画素行における一行分のビデオ信号のデータが、すでにその画素行へ書き込まれている一行分のビデオ信号のデータと同じ場合に、上記実施の形態で示したように、走査線駆動回路7402に転送制御信号やサンプリング制御信号を入力することによって、その画素行を選択するゲート選択パルスを出力しないようにする。具体的には、その画素行の走査線に画素行を選択しないためのL信号を入力するか、その画素行の走査線をフローティングにする。また、信号線駆動回路7401の出力制御回路もビデオ信号を出力しないようにする。信号線駆動回路7401からの出力は、画素を点灯状態とする信号でもよいし、非点灯状態とする信号でもよい。できるだけ消費電力がかからないような信号を入力すればよい。また、信号線S1〜Snをフローティングにしてもよい。また、フローティングにしなくとも信号線に入力した直前の信号をそのまま出力するようにしてもよい。なぜなら、その信号線にはすでに配線交差容量への充放電が完了しているため、それほど消費電力はかからないからである。例えば、上記実施の形態で上述した、一行前のビデオ信号と新たに次の行に書き込みを行うビデオ信号が全ての列において同一である場合の駆動方法(例えば、図14、図15、図17)を適用することができる。
また、本実施の形態の表示装置の他の構成は、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、新たにある行の画素へ信号の書き込みを行おうとするビデオ信号のデータが、一行前の画素に書き込まれたビデオ信号のデータと同じ場合(一行前に画素に書き込みが行われないときにはその行より前であって直前に画素に書き込まれたビデオ信号のデータと同じ場合)に、上記実施の形態で示したように、信号線駆動回路101に転送制御信号やサンプリング制御信号等を入力することにより、信号線駆動回路101のシフトレジスタでの信号の転送を行わないようにする。
したがって、本実施の形態の表示装置によれば、ある画素行に着目して、その画素行にすでに入力されている信号が、これからその画素行に入力しようとしている信号と同じである場合に、その画素行には信号を入力しないようにすることができるので、走査線や信号線の充放電の回数を減らすことができ、消費電力の低減を図ることができる。また、ある画素行に着目して、その画素行にすでに入力されている信号が、一行前に画素に書き込まれたビデオ信号と同じである場合(一行前に画素に書き込みが行われないときにはその行より前であって直前に画素に書き込まれたビデオ信号のデータと同じ場合)に、信号線に入力した直前の信号をそのまま出力することができるため、消費電力の低減を図ることができる。
また、図39(D)の画素構成の場合には、整流素子を設けなくとも画素を強制的に非点灯にすることができる。例えば、図38(B)の画素構成において、配線1310の代わりに第2の走査線2151を設け、電流制御用トランジスタ1309のゲート端子を第2の走査線2151に接続する。画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、画素を強制的に非点灯にするには、第2の走査線2151にHレベルの信号を入力する。すると、電流制御用トランジスタ1309がオフするため、画素に書き込まれたビデオ信号にかかわらず画素を非点灯にすることができる。なお、強制的に画素を非点灯にするとき以外には、第2の走査線2151は一定の電位を設定しておき、電流制御用トランジスタ1309に流れる電流が一定になるようにしておく。
続いて図41の画素について説明する。図41の画素は、電流源回路4701と、スイッチ4702と、表示素子4703と、信号保持手段4704と、電源線4705とを有する。
表示素子4703の画素電極はスイッチ4702と電流源回路4701を介して電源線4705と接続されている。なお、信号保持手段4704には画素の点灯非点灯を制御する信号が入力され、この信号を保持する。そして、この信号によりスイッチ4702のオンオフが制御される。
また、表示素子4703の対向電極4706と電源線4705に設定する電位は電流源回路4701にプログラミングした電流値の電流を正常に供給することができるように設定する。
本画素構成によれば、一定の電流値を電流源回路4701にプログラミングすることで、常に表示素子4703へ一定の電流を供給することができるので、画素毎の発光のばらつきを改善することができる。また、表示素子4703の電流電圧特性が、温度変化に起因して変化しても、一定の電流を供給することができるので、温度変化に伴う表示素子4703の輝度の変化を抑制することができる。
また、表示素子4703は経時的に劣化してしまい、電流電圧特性が変化してしまう。しかし、本画素構成では、一定の電流を供給することができるので、経時劣化に伴う表示素子4703の輝度の変化を抑制することができる。また、経時劣化が進むと、電流輝度特性が変化する。つまり、同じ電流値の電流を流しても劣化した表示素子4703の輝度は劣化していない表示素子4703よりも輝度が低くなってしまう。そこで、本画素において、電流源回路4701にプログラミングする電流値を経時変化に伴ってプログラムすることにより経時変化に伴う輝度の減少を抑制することができる。
図41の画素の基本的な構成の一例を図42(A)に示す。駆動トランジスタ5301と、スイッチング用トランジスタ5302と、容量素子5303と、表示素子5304と、走査線5305と、信号線5306と、電源線5307と、電流源回路5309とを有する。
スイッチングトランジスタ5302は、ゲート端子が走査線5305に接続され、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が信号線5306に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が駆動トランジスタ5301のゲート端子と接続されている。また、スイッチングトランジスタ5302の第2端子(ソース端子又はドレイン端子)は容量素子5303を介して電源線5307と接続されている。さらに、駆動トランジスタ5301は第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が電流源回路5309を介して電源線5307に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が表示素子5304の第1の電極と接続されている。表示素子5304の第2の電極5308には低電源電位が設定されている。なお、低電源電位とは、電源線5307に設定される電位を高電源電位とした場合、低電源電位<高電源電位を満たす電位であり、低電源電位としては例えばGND、0Vなどが設定されていても良い。この高電源電位と低電源電位は、電流源回路5309にプログラミングした電流値の電流を正常に流せるような電位を設定する。なお、容量素子5303は駆動トランジスタ5302のゲート容量を代用して省略することも可能である。駆動トランジスタ5302のゲート容量については、ソース領域やドレイン領域やLDD領域などとゲート電極とが重なってオーバーラップしているような領域で容量が形成されていてもよいし、チャネル領域とゲート電極との間で容量が形成されていてもよい。
本画素構成の動作について説明する。走査線5305で画素が選択されているとき、つまりスイッチングトランジスタ5302がオンになっているときに信号線5306から画素にビデオ信号が入力される。そして、電荷が容量素子5303に蓄積され、容量素子5303は駆動トランジスタ5301のゲート電位を保持する。
一般に、トランジスタの動作領域は、線形領域と飽和領域とに分けることが出来る。その境目は、ドレインソース間電圧をVds、ゲートとソース間電圧をVgs、しきい値電圧をVthとすると、(Vgs−Vth)=Vdsの時になる。(Vgs−Vth)>Vdsの場合は、線形領域であり、Vds、Vgsの大きさによって電流値が決まる。一方、(Vgs−Vth)<Vdsの場合は飽和領域になり、理想的には、Vdsが変化しても、電流値はほとんど変わらない。つまり、Vgsの大きさだけによって電流値が決まる。
ここで、本構成の場合には、駆動トランジスタ5301は線形領域で動作させる。駆動トランジスタ5301のゲート端子には、駆動トランジスタ5301が十分にオンするか、オフするかの二つの状態となるようなビデオ信号を入力する。よって、駆動トランジスタ5301がオンするビデオ信号であるときには、電流源回路5309にプログラミングされた電流値の電流をそのまま表示素子5304の第1の電極に設定する。
つまり、表示素子5304に印加する電流を一定にし、表示素子5304から得られる輝度を一定にする。そして、1フレーム期間内に複数のサブフレーム期間を設け、サブフレーム期間毎に画素へのビデオ信号の書き込みを行い、サブフレーム期間毎に画素の点灯又は非点灯を制御し、その点灯しているサブフレーム期間の合計によって、階調を表現する。
さらに、詳しい構成例を図42(B)に示す。駆動トランジスタ6701と、スイッチングトランジスタ6702と、第1の容量素子6703と、表示素子6704と、走査線6705と、信号線6706と、電源線6707と、電流源トランジスタ6712と、第2の容量素子6713と、第1のスイッチ6714と、第2のスイッチ6715とを有する。
スイッチングトランジスタ6702は、ゲート端子が走査線6705に接続され、第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が信号線6706に接続され、第2端子(ソース端子又はドレイン端子)が駆動トランジスタ6701のゲート端子と接続されている。また、スイッチングトランジスタ6702の第2端子(ソース端子又はドレイン端子)は第1の容量素子6703を介して電源線6707と接続されている。さらに、駆動トランジスタ6701は第1端子(ソース端子又はドレイン端子)が、電流源トランジスタ6712の第1端子(ソース端子又はドレイン端子)に接続されている。そして、電流源トランジスタ6712の第2端子(ソース端子又はドレイン端子)は電源線6707に接続されている。また、電流源トランジスタ6712の第1端子は第2のスイッチ6715を介して電流供給線6711と接続されている。また、電流源トランジスタ6712は、第2端子が第1のスイッチ6714を介してゲート端子と接続されている。また、電流源トランジスタ6712は、ゲート端子と第1端子との間に容量素子6713が接続されている。また、電流供給線6711は電流源6710を介して配線6716と接続されている。
本構成においては、電流源トランジスタ6712と第2の容量素子6713と、第1のスイッチ6714と、第2のスイッチ6715とから構成される電流源回路6709が図53の画素の電流源回路5309に相当し、画素への信号の書き込み動作や発光動作については共通するため省略する。よって、ここでは、電流源回路6709へのプログラミングについて説明する。
電流源回路6709へ電流をプログラミングする際、第1のスイッチ6714及び第2のスイッチ6715をオンにする。すると、過渡的には電流源6710に流れる電流が分散して容量素子6713及び電流源トランジスタ6712に流れる。そして、定常状態になると、電流源6710に流れる電流が電流源トランジスタ6712に流れるようになる。そして、その電流を流すための電流源トランジスタ6712のゲート端子と第1端子間電圧、つまり、ゲート端子とソース端子間の電圧Vgs分の電荷が容量素子6713に蓄積されている。
この状態になったら、第1のスイッチ6714及び第2のスイッチ6715をオフにする。こうして、容量素子6713によって、電流源トランジスタ6712のゲート端子とソース端子間の電圧Vgsを保持する。すると、電流源回路6709へのプログラミングは完了する。つまり、駆動トランジスタ6701がオンすれば、表示素子6704へ電流源6710に流れる電流と概略等しい電流を流すことができる。なお、本実施の形態の表示装置には様々な画素を適用することができ、上述した画素に限られない。
続いて、本発明の表示装置に適用可能な駆動方法について説明する。
まず、画素への信号書き込み期間(アドレス期間)と発光期間(サスティン期間)とが分離されている場合の駆動方法について図43を用いて説明する。ここでは、一例として4ビットのデジタル時間階調の場合について説明する。
なお、1表示領域分の画像を完全に表示するための期間を1フレーム期間という。1フレーム期間は複数のサブフレーム期間を有し、1サブフレーム期間はアドレス期間とサスティン期間とを有する。アドレス期間Ta1〜Ta4は、全行分の画素への信号書き込みにかかる時間を示し、期間Tb1〜Tb4は一行分の画素(又は一画素分)への信号書き込みにかかる時間を示している。また、サスティン期間Ts1〜Ts4は、画素へ書き込まれたビデオ信号にしたがって点灯又は非点灯状態を維持する時間を示し、その長さの比をTs1:Ts2:Ts3:Ts4=23:22:21:20=8:4:2:1としている。どのサスティン期間で発光するかによって階調を表現している。
動作について説明する。まず、アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に画素選択信号が入力され、画素が選択される。そして、画素が選択されているときに、信号線から画素へビデオ信号が入力される。そして、画素にビデオ信号が書き込まれると、画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサスティン期間Ts1における各画素の点灯、非点灯が制御される。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4において画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサスティン期間Ts2、Ts3、Ts4における各画素の点灯、非点灯が制御される。そして、それぞれのサブフレーム期間において、アドレス期間中は点灯せず、アドレス期間が終了した後、サスティン期間が始まり、点灯させるための信号が書き込まれている画素が点灯する。
ここで、本発明の表示装置においては、前のサブフレーム期間におけるアドレス期間に入力したビデオ信号と、後のサブフレーム期間において入力するビデオ信号とが一行分の画素において同じ場合に、後のサブフレーム期間においてはその一行分の画素への信号の書き込みを行わないようにする。
なお、1フレーム期間中の1番最初のサブフレーム期間においては1つ前のフレーム期間の最後のサブフレーム期間の同じ行の1行分の画素と信号のデータを比較する。そして、その1行分の画素の信号のデータが同じときには、1フレーム期間中の1番最初のサブフレーム期間のその行の画素へは信号の書き込みを行わない。
その結果、電荷の充放電を減らし、消費電力を低減することができる。
例えば、後のサブフレーム期間においては、その一行分の画素の接続された走査線には、画素を選択する信号を入力しないことにより、走査線の配線交差容量やその走査線に接続されたトランジスタのゲート容量への電荷の充放電を省略することができる。そのため、その走査線には画素を選択しない信号を入力し続けてもいいし、その走査線をフローティングにしてもいい。
また、後のサブフレーム期間においては、その一行分の画素への信号の書き込みを時間において、その信号線をフローティングにするか、電荷の充放電が少なくなる電位をその信号線に入力するようにすることにより、消費電力を低減することができる。電荷の充放電が少なくなる電位としては、直前に書き込みを行った一行分の画素への信号をそのまま信号線に入力するとよい。
なお、ここでは4ビット階調を表現する場合について説明したが、ビット数及び階調数はこれに限定されない。また、点灯の順番はTs1、TS2、TS3、TS4である必要はなく、ランダムでもよいし、複数に分割して発光をさせてもよい。
なお、このような駆動方法は、例えば、図38(A)で示した画素や、図38(B)で示した画素を有する表示装置において用いることができる。アドレス期間Ta1〜Ta4において、表示素子1004の第2の電極1008や、表示素子1304の第2の電極1308の電位をサスティン期間より高く設定し、表示素子1004の表示素子1304の順方向しきい値電圧以下となるようにすればよい。あるいは、表示素子1304の第2電極1308をフローティングにすればよい。
続いて、画素への信号書き込み期間(アドレス期間)と発光期間(サスティン期間)とが分離されていない場合の駆動方法について説明する。つまり、ビデオ信号の書き込み動作が完了した行の画素は、次に画素へ信号の書き込み(又は消去)が行われるまで、信号を保持する。書き込み動作から次にこの画素へ信号の書き込みが行われるまでの期間をデータ保持時間という。そして、このデータ保持時間中は画素に書き込まれたビデオ信号に従って、画素が点灯又は非点灯となる。同じ動作が、最終行まで行われ、アドレス期間が終了する。そして、データ保持時間が終了した行から順に次のサブフレーム期間の信号書き込み動作へ移る。
このように、信号書き込み動作が完了しデータ保持時間となると、直ちに画素へ書き込まれたビデオ信号に従って画素が点灯又は非点灯となる駆動方法の場合には、データ保持時間をアドレス期間より短くしようとしても、同時に2行に信号を入力できないため、アドレス期間を重ならないようにしなければならないので、データ保持時間を短くすることができない。よってその結果、高階調表示を行うことが困難になる。
よって、消去期間を設けることによって、アドレス期間より短いデータ保持時間を設定する。消去期間を設けアドレス期間より短いデータ保持時間を設定する場合の駆動方法について図44(A)を用いて説明する。
アドレス期間Ta1において、1行目から順に走査線に走査信号が入力され、画素が選択される。そして、画素が選択されているときに、信号線から画素へビデオ信号が入力される。そして、画素にビデオ信号が書き込まれると、画素は再び信号が入力されるまでその信号を保持する。この書き込まれたビデオ信号によってサスティン期間Ts1における各画素の点灯、非点灯が制御される。つまり、ビデオ信号の書き込み動作が完了した行においては、直ちに書き込まれたビデオ信号にしたがって、画素が点灯又は非点灯の状態となる。同じ動作が、最終行まで行われ、アドレス期間Ta1が終了する。そして、データ保持時間が終了した行から順に次のサブフレーム期間の信号書き込み動作へ移る。同様に、アドレス期間Ta2、Ta3、Ta4において画素へビデオ信号が入力され、そのビデオ信号によってサスティン期間Ts2、Ts3、Ts4における各画素の点灯、非点灯が制御される。そして、サスティン期間TS4はその終期を消去動作の開始によって設定される。なぜなら、各行の消去時間Teに画素に書き込まれた信号の消去が行われると、次の画素への信号の書き込みが行われるまでは、アドレス期間に画素に書き込まれたビデオ信号に関わらず、強制的に非点灯となるからである。つまり、消去時間Teが始まった行の画素からデータ保持時間が終了する。
よって、アドレス期間とサスティン期間とを分離せずに、アドレス期間より短い高階調且つデューティー比(1フレーム期間中の点灯期間の割合)の高い表示装置を提供することができる。また、瞬間輝度を低くすることが可能であるため表示素子の信頼性の向上を図ることが可能である。
ここで、本発明の表示装置においては、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、新たに信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号のデータが、すでにその画素行に書き込まれている一行分のビデオ信号のデータと同じ場合に、その一行分の画素への信号の書き込みを行わないようにする。また、新たに画素に信号の書き込みを行うビデオ信号のデータが、一行前に画素に書き込まれているビデオ信号のデータと同じ場合(一行前に画素に書き込みが行われないときにはその行より前であって直前に画素に書き込まれたビデオ信号のデータと同じ場合)に、信号線駆動回路のシフトレジスタでの信号の転送を行わないようにする。つまり、このような駆動方法は、高階調表示を行うときに好適である。そして高階調表示を行うときには、画素への信号の書き込み回数を増えてしまう。よって、本発明の表示装置のように充放電の回数を減らすことにことで、消費電力の低減を図ることができるからである。
なお、ここでは4ビット階調を表現する場合について説明したが、ビット数及び階調数はこれに限定されない。また、点灯の順番はTs1、Ts2、Ts3、Ts4である必要はなく、ランダムでもよいし、複数に分割して発光をしてもよい。
上記の消去時間を開始するための消去動作は図38(C)、図38(D)、図39(A)の構成において第2の走査線1510、図39(B)の構成において第2の走査線1810、図39(C)構成において第2の走査線1902に信号を入力することにより画素を選択して行うことができる。
このような画素を有する表示装置の一例を図40に示す。信号線駆動回路7401、第1の走査線駆動回路7402、第2の走査線駆動回路7405、画素部7403を有し、画素部7403には画素7404が第1の走査線G1〜Gm及び第2の走査線R1〜Rmと信号線S1〜Snに対応してマトリクスに配置されている。
なお、第1の走査線Gi(第1の走査線G1〜Gmのうちいずれか一)は図38(C)、図38(D)、図39(A)の第1の走査線1505や、図39(B)の第1の走査線1805や、図39(C)の第1の走査線1305に相当し、第2の走査線Ri(第2の走査線R1〜Rmのうちいずれか一)は図38(C)、図38(D)、図39(A)の第2の走査線1510や、図39(B)の第1の走査線1810や、図39(C)の第1の走査線1902に相当し、信号線Sj(信号線S1〜Snのうちいずれか一)は図38(C)、図38(D)、図39(A)の第1の信号線1506や、図39(B)の信号線1806や、図39(C)の信号線1306に相当する。
第1の走査線駆動回路7402には、クロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)、スタートパルス信号(G_SP)、出力制御信号(G_ENABLE)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、選択する画素行の第1の走査線Gi(第1の走査線G1〜Gmのうちいずれか一)に信号を出力する。
第2の走査線駆動回路7405には、クロック信号(R_CLK)、クロック反転信号(R_CLKB)、スタートパルス信号(R_SP)、出力制御信号(R_ENABLE)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、選択する画素行の第2の走査線Ri(第2の走査線R1〜Rmのうちいずれか一)に信号を出力する。
また、信号線駆動回路7401には、クロック信号(S_CLK)、クロック反転信号(S_CLKB)、スタートパルス信号(S_SP)、ビデオ信号(Digital Video Data)、出力制御信号(S_ENABLE)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、各信号線S1〜Snへそれぞれ各列の画素に応じたビデオ信号を出力する。
よって、信号線S1〜Snに入力されたビデオ信号は、第1の走査線Gi(第1の走査線G1〜Gmのうちいずれか一)に入力された信号によって選択された画素行の各列の画素7404に書き込まれる。そして、各第1の走査線G1〜Gmにより各画素行が選択され、全ての画素7404に各画素7404に対応したビデオ信号が書き込まれる。そして、各画素7404は書き込まれたビデオ信号のデータを一定期間保持する。各画素7404は、ビデオ信号のデータを一定期間保持することによって、点灯又は非点灯の状態を維持することができる。
また、第2の走査線Ri(第1の走査線R1〜Rmのうちいずれか一)に入力された信号によって選択された画素行の各列の画素7404には、画素を非点灯とする信号(消去信号ともいう)が書き込まれる。そして、各第2の走査線R1〜Rmにより各画素行を選択することで、非点灯期間を設定することができる。例えば、図44において、消去時間Teがこの第2の走査線Riにおける1ゲート選択期間(1水平期間)である。
また、本発明の表示装置は、信号線駆動回路7401や第1の走査線駆動回路7402や第2の走査線駆動回路7505に出力制御回路を有している。
つまり、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素へのビデオ信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号のデータが、すでにその画素行へ書き込まれている一行分の信号(ビデオ信号や消去信号)のデータと一致するか否かを示す情報が、サンプリング制御信号(G_ENABLEp)により第1の走査線駆動回路7402へ、出力制御信号(S_ENABLEs)により信号線駆動回路7401へ伝えられる。この消去信号は以前のサブフレーム期間において、第2の走査線駆動回路により選択され、一行分の画素が非点灯になっている場合である。一致する場合には、第1の走査線駆動回路7402の出力制御回路は、その画素行を選択する信号を出力しないようにする。つまり、その画素行の第1の走査線に画素行を選択しないためのL信号を入力するか、その画素行の第1の走査線をフローティングにする。
また、信号線駆動回路7401の出力制御回路もビデオ信号を出力しないようにする。信号線駆動回路7401からの出力は、画素を点灯状態とする信号でもよいし、非点灯状態とする信号でもよい。できるだけ消費電力がかからないような信号を入力すればよい。また、信号線S1〜Snをフローティングにしてもよい。また、フローティングにしなくとも信号線に入力した直前の信号をそのまま出力するようにしてもよい。なぜなら、その信号線にはすでに配線交差容量への充放電が完了しているため、それほど消費電力はかからないからである。例えば、上記実施の形態で上述した、一行前のビデオ信号と新たに次の行に書き込みを行うビデオ信号が全ての列において同一である場合の駆動方法(例えば、図14、図15、図17)を適用することができる。
また、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、信号の消去を行う画素行へすでに書き込まれている一行分の画素の信号のデータが全て非点灯の場合、その情報がサンプリング制御信号(R_ENABLEp)により第2の走査線駆動回路7405へ伝えられる。すると第2の走査線駆動回路7405の出力制御回路は、その画素行を選択する信号を出力しないようにする。つまり、その画素行の第2の走査線に画素行を選択しないためのL信号を入力するか、その画素行の第2の走査線をフローティングにする。また、信号線駆動回路7401の出力制御回路もビデオ信号を出力しないようにする。
したがって、本発明の表示装置によれば、ある画素行に着目して、その画素行にすでに入力されている信号が、これから入力しようとしている信号と同じであれば、その画素行には信号を入力しないようにすることができるので、走査線や信号線の充放電の回数を減らすことができ、消費電力の低減を図ることができる。
また、図38(A)の画素構成によっても、図44(B)に示すように、1水平期間において、書き込み動作用の書き込み時間と消去動作用の消去時間を設けることによって、図44(A)のようにデータ保持時間がアドレス期間より短い場合の階調を表現することができる。例えば、図45に示すように、1水平期間を2つに分割する。ここでは、前半が書き込み時間、後半が消去時間として説明する。そして、分割された水平期間内で、各々の走査線1005を選択し、そのときに対応する信号を信号線1006に入力する。例えば、ある1水平期間において、前半はi行目を選択し、後半はm行目を選択する。すると、1水平期間において、あたかも同時に2行分を選択したかのように動作させることが可能となる。つまり、それぞれの1水平期間の前半の書き込み時間を用いて、書き込み時間Tb1〜Tb4に信号線1006から画素へビデオ信号を書き込む。そして、このときの1水平期間の後半の消去時間には画素を選択しない。また、別の1水平期間の後半の消去時間を用いて消去時間Teに信号線1006から画素へ消去信号を入力する。このときの1水平期間の前半の書き込み時間には画素を選択しない。このようにすることによって、開口率の高い画素を有する表示装置を提供することができ、歩留まりの向上を図ることができる。
ここで、本発明の表示装置においては、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号のデータが、すでにその画素行に入力されている一行分の信号(ビデオ信号や消去信号)のデータと同じ場合に、その一行分の画素へのビデオ信号の書き込みを行わないようにする。1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への消去信号の入力を行う画素行における一行分の信号(ビデオ信号や消去信号)のデータが、画素を非点灯とする信号である場合に、その一行分の画素への消去信号の入力を行わないようにする。高階調表示を行うときには、画素への信号の書き込みや消去回数が増えてしまう。しかし、本発明の表示装置は充放電の回数を減らすことにことで、消費電力の低減を図ることができる。つまり、このような駆動方法は、高階調表示を行うときに好適である。
このような画素を有する表示装置の一例を図46に示す。信号線駆動回路7501、第1の走査線駆動回路7502、第2の走査線駆動回路7505、画素部7503を有し、画素部7503には画素7504が走査線G1〜Gmと信号線S1〜Snに対応してマトリクスに配置されている。
なお、走査線Gi(走査線G1〜Gmのいずれか一)は図38(A)の走査線1005に相当し、信号線Sj(信号線S1〜Snのうちいずれか一)は図10の信号線1006に相当する。
第1の走査線駆動回路7502には、クロック信号(G_CLK)、クロック反転信号(G_CLKB)、スタートパルス信号(G_SP)、出力制御信号(G_ENABLE)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、選択する画素行の第1の走査線Gi(第1の走査線G1〜Gmのうちいずれか一)に画素を選択する信号を出力する。なお、このときの信号は図45のタイミングチャートに示すように1水平期間の前半に出力されるパルスである。
第2の走査線駆動回路7505には、クロック信号(R_CLK)、クロック反転信号(R_CLKB)、スタートパルス信号(R_SP)、出力制御信号(R_ENABLE)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、選択する画素行の第2の走査線Ri(第2の走査線R1〜Rmのうちいずれか一)に信号を出力する。なお、このときの信号は図45のタイミングチャートに示すように1水平期間の後半に出力されるパルスである。
また、信号線駆動回路7501には、クロック信号(S_CLK)、クロック反転信号(S_CLKB)、スタートパルス信号(S_SP)、ビデオ信号(Digital Video Data)、出力制御信号(S_ENABLE)などの信号が入力される。そして、それらの信号にしたがって、各信号線S1〜Snへそれぞれ各列の画素に応じたビデオ信号を出力する。
よって、信号線S1〜Snに入力されたビデオ信号は、第1の走査線駆動回路7502から走査線Gi(走査線G1〜Gmのうちいずれか一)に入力された信号によって選択された画素行の各列の画素7504に書き込まれる。そして、各走査線G1〜Gmにより各画素行が選択され、全ての画素7504に各画素7504に対応したビデオ信号が書き込まれる。そして、各画素7504は書き込まれたビデオ信号のデータを一定期間保持する。各画素7504は、ビデオ信号のデータを一定期間保持することによって、点灯又は非点灯の状態を維持することができる。
また、第2の走査線駆動回路7505から走査線Gi(走査線G1〜Gmのうちいずれか一)に入力された信号によって選択された画素行の各列の画素7504には、画素を非点灯とする信号(消去信号ともいう)が信号線S1〜Snから書き込まれる。そして、各走査線G1〜Gmにより各画素行を選択することで、非点灯期間を設定することができる。例えば、第2の走査線駆動回路7505から走査線Giに入力された信号によってi行目の画素が選択される時間は、図44において、消去時間Teである。
また、本発明の表示装置は、信号線駆動回路7501や第1の走査線駆動回路7502や第2の走査線駆動回路7505に出力制御回路を有している。つまり、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分の信号(ビデオ信号や消去信号)のデータが、すでにその画素行へ書き込まれている一行分の信号(ビデオ信号や消去信号)のデータと一致するか否かを示す信号が、サンプリング制御信号(G_ENABLEp)により第1の走査線駆動回路7502に、サンプリング制御信号(R_ENABLEs)により第2の走査線駆動回路7505に、サンプリング制御信号(S_ENABLEp)または出力制御信号(S_ENABLEs)により信号線駆動回路7501に入力され、一致する場合には、第1の走査線駆動回路7502や第2の走査線駆動回路7505の出力制御回路は、その画素行を選択する信号を出力しないようにする。つまり、その画素行の走査線に画素行を選択しないためのL信号を入力するか、その画素行の走査線をフローティングにする。また、信号線駆動回路7501の出力制御回路もビデオ信号を出力しないようにする。信号線駆動回路7501からの出力は、画素を点灯状態とする信号でもよいし、非点灯状態とする信号でもよい。できるだけ消費電力がかからないような信号を入力すればよい。また、信号線S1〜Snをフローティングにしてもよい。
したがって、本発明の表示装置によれば、ある画素行に着目して、その画素行にすでに入力されている信号が、これから入力しようとしている信号と同じであれば、その画素行には信号を入力しないようにすることができるので、走査線や信号線の充放電の回数を減らすことができ、消費電力の低減を図ることができる。
なお、本発明の表示装置の画素構成は上述した構成に限られず、様々な画素構成を適用することが可能である。また、本発明の駆動方法は上述した駆動方法に限られずさまざまな駆動方法を適用することが可能である。
なお、本発明の表示装置によれば、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分の信号のデータが、すでにその画素行に書き込まれている一行分の信号のデータと同じ場合に、その一行分の画素への信号の書き込みを行わないようにするため、充放電の回数を減らすことができ、消費電力の低減を図ることが可能である。
特に、高階調の表示を行うためサブフレーム数が増えた場合に、より消費電力の低減を図ることが可能である。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と組み合わせることができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた全ての構成を適用することができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、本発明の表示装置の主要な構成について説明する。
はじめに、本発明の表示装置の第1の構成である、ある行の画素に書き込みを行う場合に、ある行に書き込みを行うビデオ信号と一行前に書き込まれたビデオ信号とが同じ場合(一行前に画素に書き込みが行われないときにはその行より前であって直前に画素に書き込まれたビデオ信号のデータと同じ場合)に、サンプリングパルスの出力を行わないようにする表示装置について図47を参照して説明を行う。
アナログビデオ信号(Analog Video Data)がアナログデジタル変換回路2501に入力されると、デジタルビデオ信号(Digital Video Data)に変換され、アナログデジタル変換回路2501からメモリ書き込み選択回路2502にデジタルビデオ信号が入力される。
メモリ書き込み選択回路2502では、ディスプレイコントローラ2507から入力される信号に従って、フレームメモリA2503又はフレームメモリB2504のいずれかにサブフレーム毎のデータに分割して、1フレーム分のデジタルビデオ信号を書き込む。なお、図47では、フレームメモリA2503及びフレームメモリB2504内のそれぞれのサブフレームとしてSF1、SF2、SF3を示しているがサブフレームの数はこれに限定されない。
また、判別回路2505では、ディスプレイコントローラ2507から入力される信号にしたがって、フレームメモリA2503又はフレームメモリB2504のいずれかにおいて、あるサブフレームの各行に書き込まれるビデオ信号を行の前後で比較する。具体的には、あるサブフレームにおいて、各行に書き込まれるビデオ信号を行の前後で列毎に比較を行う。そして、ある行の画素に入力するビデオ信号とその一行前の画素に入力するビデオ信号のデータが一致する列があるか、一致する列がないかを示す書き込み制御信号をメモリ読み出し選択回路2506及びディスプレイコントローラ2507に入力する。
そして、メモリ読み出し選択回路2506は、ディスプレイコントローラ2507からの信号に従って、フレームメモリA2503又はフレームメモリB2504のいずれかに書き込まれた1フレーム分のデジタルビデオ信号を読み出し、そのビデオ信号をディスプレイコントローラ2507へ入力する。ここで、判別回路2505によって、あるサブフレームにおいて各行に書き込まれるビデオ信号を行の前後で列毎に比較を行い、一行前に書き込むビデオ信号と次の行に書き込みを行うビデオ信号が全ての列で一致することを示す信号がメモリ読み出し選択回路2506に入力されていた場合には、メモリ読み出し選択回路2506では、ディスプレイコントローラ227からの信号に関わらず、フレームメモリA2503又はフレームメモリB2504のいずれかに書き込まれた1フレームにおける一行分のデジタルビデオ信号のうち、次の行の画素のビデオ信号の読み出しを行わない。
また、ディスプレイコントローラ2507は、スタートパルス信号(G_SP、S_SP)やクロック信号(G_CLK、S_CLK)や転送制御信号(S_ENABLEt)やサンプリング制御信号(S_ENABLEp)や駆動電圧やビデオ信号(Digital Video Data)などをディスプレイ2508に入力する。
つまり、ディスプレイコントローラ2507は、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、ある行に書き込まれるビデオ信号と一行前に書き込まれたビデオ信号を列毎で比較を行い、一行前に書き込むビデオ信号と次の行に書き込みを行うビデオ信号が同じ列がある場合には転送制御信号やサンプリング制御信号をディスプレイ2508に入力する。
なお、図47においてのディスプレイ2508は、基板上に画素がマトリクスに配置された画素部と、画素部の周辺駆動回路(走査線駆動回路や信号線駆動回路など)とが形成された表示パネルに該当する。なお、表示パネルは、周辺駆動回路をICチップ上に形成し、COG(Chip on Glass)等により基板上に実装されたものであっても、周辺駆動回路を画素部とともに基板上に一体形成されたものであってもよい。なお、ICチップとは、半導体基板若しくは絶縁基板の表面又は半導体基板の内部に、半導体素子を含む素子で電子回路を構成しているチップ状のものをいう。なお、ICチップの中で、シリコンウエハ上に回路パターンを焼き付けて製造されたものを半導体チップともいう。
次に、本発明の第2の構成である、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号のデータが、前回のサブフレーム期間における一行分のビデオ信号のデータと同じ場合には、その画素行に信号の書き込みを行わないようにする表示装置について図48を参照して説明を行う。
アナログビデオ信号(Analog video data)がアナログデジタル変換回路2601に入力されると、デジタルビデオ信号(Digital video data)に変換し、アナログデジタル変換回路2601からメモリ書き込み選択回路2602にデジタルビデオ信号を入力する。
メモリ書き込み選択回路2602では、ディスプレイコントローラ2607から入力される信号に従って、フレームメモリA2603又はフレームメモリB2604のいずれかにサブフレーム毎のデータに分割して1フレーム分のデジタルビデオ信号を書き込む。なお、図48では、フレームメモリA2603及びフレームメモリB2604内のサブフレームとしてSF1、SF2、SF3を示しているがサブフレームの数はこれに限定されない。
また、メモリ読み出し選択回路2606は、ディスプレイコントローラ2607からの信号に従って、フレームメモリA2603又はフレームメモリB2604のいずれかに書き込まれた1フレーム分のデジタルビデオ信号を読み出し、そのビデオ信号をラインメモリ2610へ入力する。
また、判別回路2605には、フレームメモリA2603又はフレームメモリB2604のいずれの、どのサブフレームの、どの画素行のデータがラインメモリ2609に入力されたかを示す信号がディスプレイコントローラ2607から入力される。その信号にしたがって画素一行分のデータと前のサブフレームにおける同じ行の画素一行分のデータと比較する。そして、この一行分の画素に入力するビデオ信号のデータが一致するか、しないかを示す書き込み制御信号をラインメモリ2309及びディスプレイコントローラ2607に入力する。
ラインメモリ2609から一行分の画素に入力するビデオ信号のデータをディスプレイコントローラ2607に入力する。ここで、判別回路2605によって、ラインメモリ2609に入力された画素行のデータが前のサブフレームにおいてその画素行に書き込まれたデータと一致していたことを示す信号がラインメモリ2609に入力されていた場合には、ラインメモリ2609は、その一行分の画素のビデオ信号をディスプレイコントローラ2607に入力しない。
また、ディスプレイコントローラ2607は、スタートパルス信号(G_SP、S_SP)やクロック信号(G_CLK、S_CLK)や転送制御信号(G_ENABLEt)やサンプリング制御信号信号(G_ENABLEp)や出力制御信号(S_ENABLE)や駆動電圧やビデオ信号(Digital Video Data)などをディスプレイ2608に入力する。
つまり、ディスプレイコントローラ2607は、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号のデータが、前回のサブフレーム期間における一行分のビデオ信号のデータと同じ場合に、その画素行のビデオ信号をシリアルデータからパラレルデータに変換するサンプリングパルスを出力しないようにするため、その画素行に対応するスタートパルス信号(S_SP)信号を出力しないようにする。また、ディスプレイコントローラ2607は、走査線駆動回路からの走査信号や信号線駆動回路からのビデオ信号の出力をするかしないかを制御するための出力制御信号(G_ENABLE、S_ENABLE)をディスプレイ2608に入力する。また、前回のサブフレーム期間における一行分のビデオ信号のデータと同じ場合にそのビデオ信号のデータはディスプレイ2608に入力しない。
なお、本発明の表示装置の主要な構成を示すブロック図は図47や、図48の構成に限定されない。第1の構成の表示装置であっても図48に示したようにラインメモリを設けた構成としてもよいし、第2の画素の表示装置であっても図47に示したようにラインメモリを設けない構成としてもよい。また、ここでの画素へ入力する信号はビデオ信号に限らず、画素を強制的に非点灯にする信号(消去信号)であっても構わない。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と組み合わせることができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた全ての構成を適用することができる。
(実施の形態11)
本実施の形態においては、実施の形態10で示した図47の判別回路2505や図48の判別回路2605に適用可能な回路構成について説明する。
はじめに、ある行の画素に書き込みを行う場合に、ある行に書き込みを行うビデオ信号と一行前に書き込まれたビデオ信号との比較を行う場合の判別回路の一例を図52に示す。
NORゲート4003にはあるサブフレームSFx(xは整数)において前後する行の同じ画素列のビデオ信号のデータがそれぞれ入力されている。また、ANDゲート4004にも前後する行の同じ画素列のビデオ信号のデータがそれぞれ入力されている。そして、NORゲート4003とANDゲートのそれぞれの出力がORゲート4005に入力される。そして、ORゲート4005の出力によりスイッチ4006のオンオフを制御する。
つまり、SFxにおける(i−1)行目の画素データ4001とi行目の画素データ4002のうち同じj列の画素データの比較結果はj列の画素同士を比較することによって決定される。j列の画素に対応するORゲート4005からHレベルが出力されるときには、同じ列の(i−1)行の画素データ4001とi行目の画素データ4002が一致した場合である。このように行の前後の画素列の比較を行い、その結果に基づいて転送制御信号(S_ENABLEt)やサンプリング制御信号(S_ENABLEp)の出力を制御する。
次に、1フレーム期間中のあるサブフレーム期間において、画素への信号の書き込みを行う画素行における一行分のビデオ信号のデータと前回のサブフレーム期間における一行分のビデオ信号のデータとの比較を行う場合の判別回路の一例を図49に示す。
直列に画素列と同数のスイッチ4006が接続されている。直列に接続されたスイッチ4006の一端はLレベルの電位(ここではGNDとする)が設定され、他端は出力端子4009と接続されている。また、直列に接続されたスイッチ4006の他端と出力端子4009の間にプルアップ抵抗4007を介してHレベルの電位(例えば電源電位Vdd)が設定されている配線4008が接続されている。したがって、直列に接続されたスイッチ4006の全てがオンしているときには出力端子4009から出力される出力制御信号(ENABLE)はLレベルの信号となる。一方、直列に接続されたスイッチ4006の一つでもオフしていると出力端子4009から出力される出力制御信号(ENABLE)はHレベルの信号となる。
NORゲート4003には前後するサブフレームの同じ画素行の同じ画素列のビデオ信号のデータがそれぞれ入力されている。また、ANDゲート4004にも前後するサブフレームの同じ画素行の同じ画素列のビデオ信号のデータがそれぞれ入力されている。そして、NORゲート4003とANDゲートのそれぞれの出力がORゲート4005に入力される。そして、ORゲート4005の出力によりスイッチ4006のオンオフを制御する。
つまり、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002のうち同じあるj列の画素データの比較結果はj列の画素に対応するスイッチ4006のオンオフによって決定される。つまりj列の画素に対応するスイッチ4006がオンするときには、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002のうち、同じあるj列の画素データが一致した場合である。そして不一致の場合にはj列の画素に対応するスイッチ4006はオフする。つまり、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002の全ての画素列のデータが一致した場合にのみ出力制御信号(ENABLE)はLレベルとなり、一つの画素列でも不一致している場合には出力制御信号(ENABLE)はHレベルとなる。
判別回路の動作について更に詳しく説明する。まず、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002が全ての列において一致している場合について説明する。図50では、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002が1列目はHレベル、Hレベル、2列目はLレベル、Lレベル、3列目はHレベル、Hレベル、〜n−1列目はHレベル、Hレベル、n列目はLレベル、Lレベルであるとする。つまり、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002が全ての列において一致している。
すると、1列目は共にHレベルであるため、NORゲート4003とANDゲート4004の入力端子には共にHレベルが入力されている。するとNORゲート4003の出力はLレベル、ANDゲート4004の出力はHレベルとなる。よって、ORゲート4005の入力端子にはHレベルとLレベルの信号が入力されるためORゲートの出力はHレベルとなる。そして、1列目のスイッチ4006はこのORゲートから出力されるHレベルの信号によりオンする。また、2列目は共にLレベルであるため、NORゲート4003とANDゲート4004の入力端子には共にLレベルが入力されている。するとNORゲート4003の出力はHレベル、ANDゲート4004の出力はLレベルとなる。よって、ORゲート4005の入力端子にはHレベルとLレベルの信号が入力されるためORゲートの出力はHレベルとなる。そして、2列目のスイッチ4006はこのORゲートから出力されるHレベルの信号によりオンする。同様に全ての列のスイッチ4006がオンし、出力端子4009の出力制御信号(ENABLE)はLレベルとなる。
次に、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002のうち一つでも不一致の列の画素データがある場合について説明する。図51では、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002が1列目はHレベル、Hレベル、2列目はLレベル、Hレベル、3列目はHレベル、Lレベル、〜n−1列目はLレベル、Lレベル、n列目はLレベル、Lレベルであるとする。つまり、SFx−1のi行目の画素データ4001とSFxのi行目の画素データ4002のうち、すくなくとも2列目と3列目の画素データが不一致である。
すると、1列目は共にHレベルであるため、NORゲート4003とANDゲート4004の入力端子には共にHレベルが入力されている。するとNORゲート4003の出力はLレベル、ANDゲート4004の出力はHレベルとなる。よって、ORゲート4005の入力端子にはHレベルとLレベルの信号が入力されるためORゲートの出力はHレベルとなる。そして、1列目のスイッチ4006はこのORゲートから出力されるHレベルの信号によりオンする。一方、2列目はSFx−1のi行目の画素データがLレベル、SFxのi行目の画素データがHレベルであるため、NORゲート4003とANDゲート4004のそれぞれの入力端子には、Lレベル及びHレベルが入力されている。するとNORゲート4003の出力はLレベル、ANDゲート4004の出力はLレベルとなる。よって、ORゲート4005の入力端子には共にLレベルの信号が入力されるためORゲート4005の出力はLレベルとなる。そして、2列目のスイッチ4006はこのORゲートから出力されるLレベルの信号によりオフする。また、3列目もSFx−1のi行目の画素データがHレベル、SFxのi行目の画素データがLレベルであるため、ORゲート4005の出力はLレベルとなる。そして、3列目のスイッチ4006はこのOR4005ゲートから出力されるLレベルの信号によりオフする。したがって、少なくとも2列目と3列目のスイッチ4006がオフし、出力端子4009の出力制御信号(ENABLE)はHレベルとなる。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と組み合わせることができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた全ての構成を適用することができる。
(実施の形態12)
本実施の形態では、印加電圧により画素の輝度が変化する表示素子を用いた場合の画素とその画素を備えた表示装置の構成と、その好適な駆動方法について説明する。本実施の形態に示す表示素子としては、特に液晶素子が好適である。
まず、図65に画素の基本構成を示す。画素はアナログ電圧保持回路と5401と、デジタル信号メモリ回路5402と、表示素子5403と信号線5404と、第1のスイッチ5405と、第2のスイッチ5406とを有する。
本構成の場合、画素を選択する際にスイッチ5405をオンにする。
動画表示のときには、第2のスイッチ5406でアナログ電圧保持回路5401を選択する。そして、信号線5404からビデオ信号に相当するアナログ電圧をアナログ電圧保持回路5401に入力する。
アナログ電圧保持回路5401は、このアナログ電圧を保持し、表示素子5403に印加する。こうして、アナログ電圧にしたがって画素の階調が表現される。そして、1フレーム期間毎に信号線5404からアナログ電圧がアナログ電圧保持回路5401に入力される。
そして、静止画表示のときには、第2のスイッチ5406でデジタル信号メモリ回路5402を選択する。そして、信号線5404からビデオ信号に相当するデジタル信号をデジタル信号メモリ回路5402に入力する。
デジタル信号メモリ回路5402は、このデジタル信号を記憶し、表示素子5403の画素電極の電位を設定する。こうして、デジタル信号メモリ回路5402から入力される電位と、表示素子5403の対向電極5407との電位差にしたがって表示素子5403の点灯又は非点灯が制御される。
なお、静止画表示のときには、面積階調法などを用いて、階調を表現することができる。
図66を用いて面積階調を用いた場合について説明する。
図66(A)の表示装置は、第1の信号線駆動回路5501と、第2の信号線駆動回路5502と画素部5503と、走査線駆動回路5504とを有し、画素部5503には、画素5505が走査線と信号線に対応してマトリクスに配置されている。
画素5505は副画素5506a、副画素5506b、副画素5506cを有する。この副画素の点灯領域に重み付けをする。例えば、点灯領域の大きさを22:21:20という比率にする。こうすることにより、3ビットつまり8階調表示が可能となる。
なお、副画素5506aの第1スイッチ5507は信号線Daに接続され、副画素5506bの第1スイッチ5507は信号線Dbに接続され、副画素5506cの第1スイッチ5507が信号線Dcに接続されている。そして、走査線駆動回路5504から走査線Sに入力する信号により、副画素5506a、副画素5506b及び副画素5506cのそれぞれの第1スイッチ5507のオンオフを制御する。つまり、選択されている画素は、第1スイッチ5507がオンしている。そして、アナログ電圧保持回路5509又はデジタル信号メモリ回路5510にそれぞれの信号線からアナログ電圧又はデジタル信号を書き込む。
つまり、動画表示の場合、走査線Sに信号を入力して第1スイッチ5507をオンにし、第2スイッチ5508でアナログ電圧保持回路5509を選択する。そして、第1の信号線駆動回路5501から信号線Da、信号線Db、信号線Dcへビデオ信号に相当するアナログ電圧が入力される。そして、各副画素のアナログ電圧保持回路5509にアナログ電圧が保持される。なお、このとき各信号線Da、信号線Db、信号線Dcに入力されるアナログ電圧は概略等しい電圧とする。よって、アナログ電圧の大きさによって、階調を表すことができる。
一方、静止画表示の場合、走査線Sに信号を入力して第1スイッチ5507をオンにし、第2スイッチ5508でデジタル信号メモリ回路5510を選択する。そして、第2の信号線駆動回路5502から信号線Da、信号線Db、信号線Dcへビデオ信号に相当するデジタル信号が入力される。そして、デジタル信号が各副画素のデジタル信号メモリ回路5510に記憶される。なお、このとき各信号線Da、信号線Db、信号線Dcに入力されるデジタル信号は各副画素の点灯領域の大きさに対応した各ビットの信号が入力される。よって、デジタル信号によって各副画素の点灯又は非点灯を選択することにより、階調を表すことができる。
次に図66(B)の構成について説明する。図56の表示装置は、第1の信号線駆動回路5601と、第2の信号線駆動回路5602と画素部5603と、走査線駆動回路5604とを有し、画素部5603には、画素5605が走査線と信号線に対応してマトリクスに配置されている。
画素5605は副画素5606a、副画素5606b、副画素5606cを有する。この副画素の点灯領域に重み付けをする。例えば、点灯領域の大きさを22:21:20という比率にする。こうすることにより、3ビットつまり8階調表示が可能となる。
なお、副画素5606a、副画素5606b、副画素5606cのそれぞれの第1スイッチ5607は信号線Dに接続されている。そして、副画素5606aの第1スイッチ5607は走査線駆動回路5604から走査線Saに入力する信号により、副画素5606bの第1スイッチ5607は走査線駆動回路5604から走査線Sbに入力する信号により、副画素5606cの第1スイッチ5607は走査線駆動回路5604から走査線Scに入力する信号によりオンオフを制御する。つまり、選択されている画素は、第1スイッチ5607がオンしている。そして、アナログ電圧保持回路5609又はデジタル信号メモリ回路5610にそれぞれの信号線からアナログ電圧又はデジタル信号を書き込む。
つまり、動画表示の場合、走査線Sa、走査線Sb、走査線Scに順次信号を入力して各副画素の第1スイッチ5607をオンにし、第2スイッチ5608でアナログ電圧保持回路5609を選択する。そして、第1の信号線駆動回路5601から信号線Dへビデオ信号に相当するアナログ電圧が入力される。そして、各副画素のアナログ電圧保持回路5609に順次アナログ電圧が保持される。なお、このとき各副画素が選択されている間の信号線Dに入力されるアナログ電圧は概略等しい電圧とする。よって、アナログ電圧の大きさによって、階調を表すことができる。
一方、静止画表示の場合、走査線Sa、走査線Sb、走査線Scに順次信号を入力して各副画素の第1スイッチ5607をオンにし、第2スイッチ5608でデジタル信号メモリ回路5610を選択する。そして、第2の信号線駆動回路5602から信号線Dへビデオ信号に相当するデジタル信号が入力される。そして、デジタル信号が各副画素のデジタル信号メモリ回路5610に順次記憶される。なお、このとき各副画素が選択されている間にそれぞれの副画素の点灯領域の大きさに対応した各ビットのデジタル信号が入力される。よって、デジタル信号によって各副画素の点灯又は非点灯を選択することにより、階調を表すことができる。
本発明の表示装置は、静止画表示の場合において、一部の画像が書き換えられるとき、書き換えが行われない画素行への信号の書き込みを行わない。
つまり、一フレーム前の画素行のビデオ信号のデータが書き込みを行う画素行のデータと一致する場合、走査線駆動回路はその画素行を選択しないようにする出力制御手段を有している。
また、図67にアナログ電圧保持回路とデジタル信号メモリ回路を有する画素の構成例を示す。画素は画素選択スイッチ5701と、第1のスイッチ5702と、第2のスイッチ5703と、第3のスイッチ5704と、第1のインバータ5705と第2のインバータ5706と表示素子5708と、信号線5709と、容量素子5710とを有する。
画素に信号を書き込む際には、画素選択スイッチ5701をオンにする。
ここで、動画表示のときには、第1のスイッチ5702及び第2のスイッチ5703をオフにする。なお、第3のスイッチ5704はオンでもオフでもどちらでもよい。そして、信号線5709からビデオ信号に相当するアナログ電圧が入力され、容量素子5710にこのアナログ電圧分の電荷が蓄積される。そして、画素選択スイッチ5701をオフすることにより、容量素子5710にこのアナログ電圧が保持される。
こうして、アナログ電圧にしたがって階調が表現される。
一方、静止画表示のときには、まず第1のスイッチ5702をオンにし、第2のスイッチ5703をオフにする。そして、第3のスイッチ5704をオフからオンにする。そして、信号線5709からビデオ信号に相当するデジタル信号が第1のインバータ5705に入力され、第1のインバータ5705からの出力が第2のインバータ5706に入力される。すると、第2のインバータ5706の出力が容量素子5710及び表示素子5708に入力される。そして、画素選択スイッチ5701をオフしても、第2のインバータ5706の出力を表示素子5708の画素電極に入力し続けることができる。なお、デジタル信号による駆動能力が高い場合には第1のスイッチ5702と第3のスイッチ5704とを同時にオンしてもよい。
デジタル信号が画素に書き込まれると、図68のようにデジタル信号が記憶される。つまり、矢印に示すように第1のインバータ5705の出力が第2のインバータ5706の入力を設定し、第2のインバータ5706の出力が第1のインバータ5705の入力を設定するので、画素への書き込みが行われた際のデジタル信号を記憶し続けることができる。
なお、表示素子5708に液晶素子を適用する場合、液晶素子に直流電圧が長期間に渡って印加されると、液晶素子は焼き付きなどを生じるため、定期的に液晶素子へ印加する電圧を反転することがよい。よって、画素選択スイッチ5701をオフにし、第3のスイッチ5704をオンにした状態で、図58に示すように定期的に第1のスイッチ5702と第2のスイッチ5703とを交互にオンオフする。そして、この第1のスイッチ5702と第2のスイッチ5703とを定期的にオンオフするタイミングで対向電極5711に設定する電位も変化させ、白表示の画素においては、表示素子5708に印加する電圧を交流電圧が印加されるようにする。一方、黒表示の画素においては、表示素子5708に印加される電圧は、液晶素子のしきい値電圧以下となるようにする。
例えば、信号線5709から入力されるデジタル信号(Digital Video Data)がHigh(Hレベルともいう)のときに、その画素が点灯(白表示)、デジタル信号(Digital Video Data)がLow(Lレベルともいう)のときに、その画素が非点灯(黒表示)となる場合について図59を用いて説明する。このとき、画素への信号書き込み期間には対向電極5711に設定する電位はLレベルにしておく。書き込み時間(画素への信号書き込み期間のうち、選択されている画素へ信号を書き込む時間をいう)には、画素選択スイッチ5701をオン(on)、第1のスイッチ5702をオン(on)、第2のスイッチ5703をオフ(off)にした状態で、第3のスイッチ5704をオフ(off)からオン(on)にする。そして、静止画表示期間には、画素選択スイッチ5701はオフ(off)にし、第3のスイッチをオン(on)にしておく。
そして、図69に示すように、書き込み時間(画素への信号書き込み期間のうち、選択されている画素へ信号を書き込む時間をいう)に信号線5709からHighのデジタル信号(Digital Video Data)が入力される画素では、静止画表示期間において、第1のスイッチ5702がオン(on)、第2のスイッチ5703がオフ(off)し、第2のインバータ5706のHレベルの出力が表示素子5708の画素電極に入力されるとき、表示素子5708の対向電極5711にはLレベルの電位を設定する。また、第1のスイッチ5702がオフ(off)、第2のスイッチ5703がオン(on)し、第1のインバータ5705のLレベルの出力が表示素子5708の画素電極に入力されるとき、表示素子5708の対向電極5711にはHレベルの電位を設定する。こうして、表示素子5708に交流電圧を印加し続けることができる。
一方、書き込み時間(画素への信号書き込み期間のうち、選択されている画素へ信号を書き込む時間をいう)に信号線5709からLowのデジタル信号(Digital Video Data)が入力される画素では、静止画表示期間において、第1のスイッチ5702がオン(on)、第2のスイッチ5703がオフ(off)し、第2のインバータ5706のLレベルの出力が表示素子5708の画素電極に入力されるとき、表示素子5708の対向電極5711にはLレベルの電位を設定する。また、第1のスイッチ5702がオフ(off)、第2のスイッチ5703がオン(on)し、第1のインバータ5705のHレベルの出力が表示素子5708の画素電極に入力されるとき、表示素子5708の対向電極5711にはHレベルの電位を設定する。こうして、表示素子5708に印加される電圧は液晶素子のしきい値電圧以下の電圧とすることができる。
また、なお、静止画表示のときには、面積階調法などを用いて、階調を表現することができる。
図70を用いて面積階調を適用した場合について簡単に説明する。画素は副画素6000a、副画素6000b、副画素6000cを有する。この副画素の点灯領域に重み付けをする。例えば、点灯領域の大きさを20:21:22という比率にする。こうすることにより、3ビットつまり8階調表示が可能となる。
なお、図70の画素選択スイッチ6001、第1のスイッチ6002、第2のスイッチ6003、第3のスイッチ6004、第1のインバータ6005、第2のインバータ6006、表示素子6008、容量素子6010は、それぞれ図67の画素の画素選択スイッチ5701、第1のスイッチ5702、第2のスイッチ5703、第3のスイッチ5704、第1のインバータ5705、第2のインバータ5706、表示素子5708、容量素子5710に相応する。そして、図67に示す信号線5709として、図70ではそれぞれの副画素毎に設けられている。つまり、副画素6000aの画素選択スイッチ6001は信号線Daと、副画素6000bの画素選択スイッチ6001は信号線Dbと、副画素6000cの画素選択スイッチ6001は信号線Dcと接続されている。そして、それぞれの信号線からそれぞれの副画素の点灯領域の大きさに対応した各ビットのデジタル信号が入力される。よって、デジタル信号によって各副画素の点灯又は非点灯を選択することにより、階調を表すことができる。
続いて、アナログ電圧保持回路とデジタル信号メモリ回路を有する画素の他の構成例を図71(A)に示す。画素は第1の画素選択スイッチ6101と、第2の画素選択スイッチ6104と、第1の容量素子6102と、第2の容量素子6105と、表示素子6103と、トランジスタ6106と、第1のスイッチ6107と、第2のスイッチ6108と、信号線6109と、第1の電源線6110と、第2の電源線6111とを有する。第1の電源線6110にはVrefhとVreflが交互に設定され、第2の電源線6111にはVcomが設定されている。ここで、Vrefhは、(Vrefh>Vcom)且つ(Vrefh−Vcom)>VLCD、Vreflは、(Vrefl<Vcom)且つ(Vcom−Vrefl)>VLCDを満たすような電位であり、Vrefh又はVreflを表示素子6103の一方の電極に設定し、Vcomを他方の電極に設定したときに、表示素子6103にしきい値電圧VLCD以上の電圧が印加されるようにする。また、表示素子6103の対向電極6112には、第2の電源線6111と概略等しい電位を設定しておく。つまり、表示素子6103の画素電極にVcomが設定されたときに、表示素子6103がしきい値電圧VLCD以下となるようにする。
本画素の動作について説明する。動画表示の場合には、図71(B)に示すように、画素選択スイッチ6101をオンにし、第2の画素選択スイッチ6104、第1のスイッチ6107及び第2のスイッチ6108をオフにしておく。そして、信号線6109には、画素の階調にしたがったアナログ電位が入力される。このアナログ電位がビデオ信号に相当する。
続いて、静止画表示の場合について説明する。静止画表示の場合には、まず、第2の画素選択スイッチ6104をオンにし、第1の画素選択スイッチ6101、第1のスイッチ6107及び第2のスイッチ6108をオフにする。そして、信号線6109には、デジタル信号が入力される。このデジタル信号がビデオ信号に相当する。すると、図72(A)に示すように第2の容量素子6105にこの信号が書き込まれる。
次に、第2の画素選択スイッチ6104をオフにし、第1の画素選択スイッチ6101及び第2のスイッチ6108をオフにしたまま第1のスイッチ6107をオンにする。すると、図72(B)に示すように第1の電源線6110の電位Vrefhが第1の容量素子6102の一方の電極に設定される。そして、第1の容量素子6102の他方の電極には第2の電源線6111の電位Vcomが設定されていることから、容量素子6102には電位差(Vrefh−Vcom)分の電荷が蓄積される。なお、このとき表示素子6103の画素電極には電源電位Vrefhの電位が設定されている。
続いて、第1の画素選択スイッチ6101及び第2の画素選択スイッチ6104をオフにしたまま、第1のスイッチ6107をオフにし、第2のスイッチ6108をオンにする。すると、トランジスタ6106は、第2の容量素子6105に書き込まれたデジタル信号にしたがってそのオンオフが制御される。
つまり、第2の容量素子6105に書き込まれたデジタル信号がHレベルのときには、トランジスタ6106がオンするため図72(C)に示すように第2の電源線6111の電位Vcomが第1の容量素子6102の両電極に設定される。そして、表示素子6103の画素電極にはVcomの電位が設定される。なお、表示素子6103の対向電極6112には、Vcomと概略等しい電位が設定してあるため、このとき表示素子6103にはほとんど電圧が印加されない。よって、この画素は非点灯となる。一方、第2の容量素子6105に書き込まれたデジタル信号がLレベルのときには、トランジスタ6106がオフするため図72(D)に示すように、そのまま第1の容量素子6102は電圧を保持する。よって、表示素子6103の画素電極に設定される電位はVrefhのままなので、この画素は点灯する。
続いて、次のフレーム期間において、第1の電源線6110に設定する電位をVreflにして同様の動作を行う。すると、点灯する画素の表示素子6103には、前のフレーム期間表示素子6103とは逆のバイアスの電圧が印加される。こうして、1フレーム期間毎に第1の電源線6110に設定する電位を変化させることにより、表示素子6103へ印加するバイアスの向きを変えることができるため、表示素子6103の焼き付きを防止することができる。
なお、第2の容量素子6105に保持されたデジタル信号は、トランジスタ6106のオンオフを制御することができればよいため、第2の容量素子6105に蓄積された電荷が多少放電してしまっても正常に動作することができる。よって、画素へのデジタル信号の周期的な書き換えは、数フレーム期間、十数フレーム期間又は数十フレーム期間毎に行えばよい。よって、消費電力を低減することが可能である。
なお、静止画表示の場合において、一部の画像が変化するとき、画素へのデジタル信号の周期的な書き換えとは別に、画素への信号の書き換えを行う。この場合において、本発明の表示装置は、画点灯又は非点灯の状態が変化する画素が含まれる画素行のみ、周期的な書き換えとは別に画素への信号の書き換えを行う。つまり、すでに画素へ信号の書き込みを行う画素行のデジタル信号のデータが、すでに画素へ書き込まれているデジタル信号のデータと同じ場合に、走査線駆動回路はその画素行を選択しない。
よって、さらなる消費電力の低減を図ることが可能である。
また、本発明の表示装置へ適用可能な画素構成は上記に限られない。そして、デジタル信号メモリ回路には図67に示したようにスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:Static Random Access Memory)を用いてもよいし、図71に示したようなダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)を用いてもよい。または、これらを組み合わせてもよい。
なお、本実施の形態は上記実施の形態と組み合わせることができる。つまり、本発明は、本実施の形態で示した構成と上記実施の形態で示した構成とを組み合わせた全ての構成を適用することができる。
(実施の形態13)
本実施の形態では、表示装置に用いる表示パネルの構成について図53を用いて説明する。
本実施の形態では、本発明の表示装置に適用可能な表示パネルについて図53を用いて説明する。なお、図53(A)は、表示パネルを示す上面図、図53(B)は図53(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された信号線駆動回路3601、画素部3602、第2の走査線駆動回路3603、第1の走査線駆動回路3606を有する。また、封止基板3604、シール材3605を有し、シール材3605で囲まれた内側は、空間3607になっている。
なお、配線3608は第2の走査線駆動回路3603、第1の走査線駆動回路3606及び信号線駆動回路3601に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)3609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号等を受け取る。FPC3609と表示パネルとの接合部上にはICチップ(メモリ回路や、バッファ回路などが形成された半導体チップ)3619がCOG(Chip On Glass)等で実装されている。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における表示装置とは、表示パネル本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。また、ICチップなどが実装されたものを含むものとする。
次に、断面構造について図53(B)を用いて説明する。基板3610上には画素部3602とその周辺駆動回路(第2の走査線駆動回路3603、第1の走査線駆動回路3606及び信号線駆動回路3601)が形成されているが、ここでは、信号線駆動回路3601と、画素部3602が示されている。
なお、信号線駆動回路3601はNチャネル型TFT3620やPチャネル型TFT3621を用いてCMOS回路を構成している。また、本実施の形態では、基板上に周辺駆動回路を一体形成した表示パネルを示すが、必ずしもその必要はなく、周辺駆動回路の全部若しくは一部をICチップなどに形成し、COGなどで実装しても良い。
また、画素部3602はスイッチング用TFT3611と、駆動用TFT3612とを含む画素を構成する複数の回路を有している。なお、駆動TFT3612のソース電極は第1の電極3613と接続されている。また、第1の電極3613の端部を覆って絶縁物3614が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、カバレッジを良好なものとするため、絶縁物3614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物3614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物3614の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物3614として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極3613上には、有機化合物を含む層3616、および第2の電極3617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極3613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、インジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、有機化合物を含む層3616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法によって形成される。有機化合物を含む層3616には、元素周期表第4族金属錯体をその一部に用いることとし、その他、組み合わせて用いることのできる材料としては、低分子系材料であっても高分子系材料であっても良い。また、有機化合物を含む層に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本実施の形態においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。さらに、公知の三重項材料を用いることも可能である。
さらに、有機化合物を含む層3616上に形成される第2の電極(陰極)3617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、または窒化カルシウム)を用いればよい。なお、電界発光層3616で生じた光が第2の電極3617を透過させる場合には、第2の電極(陰極)3617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
さらにシール材3605で封止基板3604を基板3610と貼り合わせることにより、基板3610、封止基板3604、およびシール材3605で囲まれた空間3607に表示素子3618が備えられた構造になっている。なお、空間3607には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材3605で充填される構成も含むものとする。
なお、シール材3605にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板3604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、表示パネルを得ることができる。
図53示すように、信号線駆動回路3601、画素部3602、第2の走査線駆動回路3603及び第1の走査線駆動回路3606を一体形成することで、表示装置の低コスト化が図れる。
なお、表示パネルの構成としては、図53(A)に示したように信号線駆動回路3601、画素部3602、第2の走査線駆動回路3603及び第1の走査線駆動回路3606を一体形成した構成に限られず、信号線駆動回路3601に相当する図54(A)に示す信号線駆動回路4201をICチップ上に形成して、COG等で表示パネルに実装した構成としても良い。なお、図54(A)の基板4200、画素部4202、第2の走査線駆動回路4203、第1の走査線駆動回路4204、FPC4205、ICチップ4206、ICチップ4207、封止基板4208、シール材4209は図53(A)の基板3610、画素部3602、第2の走査線駆動回路3603、第1の走査線駆動回路3606、FPC3609、ICチップ3618、ICチップ3619、封止基板3604、シール材3605に相当する。
つまり、駆動回路の高速動作が要求される信号線駆動回路のみを、CMOS等を用いてICチップに形成し、低消費電力化を図る。また、ICチップはシリコンウエハ等の半導体チップとすることで、より高速動作且つ低消費電力化を図れる。
そして、第1の走査線駆動回路4203や第2の走査線駆動回路4204を画素部4202と一体形成することで、低コスト化が図れる。
こうして、高精細な表示装置の低コスト化が図れる。また、FPC4205と基板4200との接続部において機能回路(メモリやバッファ)が形成されたICチップを実装することで基板面積を有効利用することができる。
また、図53(A)の信号線駆動回路3601、第2の走査線駆動回路3603及び第1の走査線駆動回路3606に相当する図54(B)の信号線駆動回路4211、第2の走査線駆動回路4214及び第1の走査線駆動回路4213をICチップ上に形成して、COG等で表示パネルに実装した構成としても良い。この場合には高精細な表示装置をより低消費電力にすることが可能である。よって、より消費電力が少ない表示装置とするため、画素部に用いられるトランジスタの半導体層にはポリシリコンを用いることが望ましい。なお、図54(B)の基板4210、画素部4212、第FPC4215、ICチップ4216、ICチップ4217、封止基板4218、シール材4219は図53(A)の基板3610、画素部3602、FPC3609、ICチップ3618、ICチップ3619、封止基板3604、シール材3605に相当する。
また、画素部4212のトランジスタの半導体層にアモルファスシリコンを用いることにより低コスト化を図ることができる。さらに、大型の表示パネルを作製することも可能となる。
上述した表示パネルの構成を、図55(A)の模式図で示す。基板4101上に、複数の画素が配置された画素部4102を有し、画素部4102の周辺には、第2の走査線駆動回路4103、第1の走査線駆動回路4104及び信号線駆動回路4105を有している。
第2の走査線駆動回路4103、第1の走査線駆動回路4104及び信号線駆動回路4105に入力される信号はフレキシブルプリントサーキット(Flexible Print Circuit:FPC)4106を介して外部より供給される。
なお、FPC4106上にCOG(Chip On Glass)やTAB(Tape Automated Bonding)等によりICチップが実装されていても良い。つまり、画素部4102と一体形成が困難な、第2の走査線駆動回路4103、第1の走査線駆動回路4104及び信号線駆動回路4105の一部のメモリやバッファなどをICチップ上に形成して表示装置に実装しても良い。
ここで、本発明の表示装置は、図55(B)に示すように、第2の走査線駆動回路4103及び第1の走査線駆動回路4104を画素部4102の片側に配置しても良い。なお、図55(B)に示す表示装置は、図55(A)に示す表示装置と、第2の走査線駆動回路4103の配置が異なるだけであるので同様の符号を用いている。また、第2の走査線駆動回路4103及び第1の走査線駆動回路4104は一つの駆動回路で同様の機能を果たすようにしても良いし、いずれか一つの走査線駆動回路であってもよい。つまり、画素構成や駆動方法により適宜構成を変更すればよい。
また、画素の行方向及び列方向にそれぞれ第1の走査線駆動回路、第2の走査線駆動回路及び信号線駆動回路を設けなくても良い。例えば、図56(A)に示すようにICチップ上に形成された周辺駆動回路4301が図54(B)に示す、第2の走査線駆動回路4214、第1の走査線駆動回路4213及び信号線駆動回路4211の機能を有するようにしても良い。なお、図56(A)の基板4300、画素部4302、第FPC4304、ICチップ4305、ICチップ4306、封止基板4307、シール材4308は図53(A)の基板3610、画素部3602、FPC3609、ICチップ3618、ICチップ3619、封止基板3604、シール材3605に相当する。
なお、図56(A)の表示装置の信号線の接続を説明する模式図を図56(B)に示す。基板4310、周辺駆動回路4311、画素部4312、FPC4313、FPC4314有する。FPC4313より周辺駆動回路4311に外部からの信号及び電源電位が入力される。そして、周辺駆動回路4311からの出力は、画素部4312の有する画素に接続された行方向の走査線や列方向の信号線に入力される。
さらに、表示素子3618に適用可能な表示素子の例を図57(A)、(B)に示す。つまり、上記実施の形態で示した画素に適用可能な表示素子の構成について図57(A)、(B)を用いて説明する。
図57(A)の表示素子は、基板4401の上に陽極4402、正孔注入材料からなる正孔注入層4403、その上に正孔輸送材料からなる正孔輸送層4404、発光層4405、電子輸送材料からなる電子輸送層4406、電子注入材料からなる電子注入層4407、そして陰極4408を積層させた素子構造である。ここで、発光層4405は、一種類の発光材料のみから形成されることもあるが、2種類以上の材料から形成されてもよい。また本発明の素子の構造は、この構造に限定されない。
また、図57で示した各機能層を積層した積層構造の他、高分子化合物を用いた素子、発光層に三重項励起状態から発光する三重項発光材料を利用した高効率素子など、バリエーションは多岐にわたる。ホールブロック層によってキャリヤの再結合領域を制御し、発光領域を二つの領域にわけることによって得られる白色表示素子などにも応用可能である。
図57に示す本発明の素子作製方法は、まず、陽極4402(ITO)を有する基板4401に正孔注入材料、正孔輸送材料、発光材料を順に蒸着する。次に電子輸送材料、電子注入材料を蒸着し、最後に陰極4408を蒸着で形成する。
次に、正孔注入材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料の材料に好適な材料を以下に列挙する。
正孔注入材料としては、有機化合物でればポルフィリン系の化合物や、フタロシアニン(以下「H2Pc」と記す)、銅フタロシアニン(以下「CuPc」と記す)などが有効である。また、使用する正孔輸送材料よりもイオン化ポテンシャルの値が小さく、かつ、正孔輸送機能をもつ材料であれば、これも正孔注入材料として使用できる。導電性高分子化合物に化学ドーピングを施した材料もあり、ポリスチレンスルホン酸(以下「PSS」と記す)をドープしたポリエチレンジオキシチオフェン(以下「PEDOT」と記す)や、ポリアニリンなどが挙げられる。また、絶縁体の高分子化合物も陽極の平坦化の点で有効であり、ポリイミド(以下「PI」と記す)がよく用いられる。さらに、無機化合物も用いられ、金や白金などの金属薄膜の他、酸化アルミニウム(以下「アルミナ」と記す)の超薄膜などがある。
正孔輸送材料として最も広く用いられているのは、芳香族アミン系(すなわち、ベンゼン環−窒素の結合を有するもの)の化合物である。広く用いられている材料として、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)−ビフェニル(以下、「TAD」と記す)や、その誘導体である4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、「TPD」と記す)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、「α−NPD」と記す)がある。4,4’,4”−トリス(N,N− ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(以下、「TDATA」と記す)、4,4’,4”−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N− フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(以下、「MTDATA」と記す)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。
電子輸送材料としては、金属錯体がよく用いられ、先に述べたAlq、BAlq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(以下、「Almq」と記す)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(以下、「Bebq」と記す)などのキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体などがある。また、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(以下、「Zn(BOX)2」と記す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(以下、「Zn(BTZ)2」と記す)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体もある。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(以下、「PBD」と記す)、OXD−7などのオキサジアゾール誘導体、TAZ、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−20、4−トリアゾール(以下、「p−EtTAZ」と記す)などのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(以下、「BPhen」と記す)、BCPなどのフェナントロリン誘導体が電子輸送性を有する。
電子注入材料としては、上で述べた電子輸送材料を用いることができる。その他に、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化セシウムなどの金属ハロゲン化物や、酸化リチウムなどのアルカリ金属酸化物のような絶縁体の、超薄膜がよく用いられる。また、リチウムアセチルアセトネート(以下、「Li(acac)」と記す)や8−キノリノラト−リチウム(以下、「Liq」と記す)などのアルカリ金属錯体も有効である。
発光材料としては、先に述べたAlq、Almq、BeBq、BAlq、Zn(BOX)2、Zn(BTZ)2などの金属錯体の他、各種蛍光色素が有効である。蛍光色素としては、青色の4,4’−ビス(2,2 − ジフェニル−ビニル)−ビフェニルや、赤橙色の4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランなどがある。また、三重項発光材料も可能であり、白金ないしはイリジウムを中心金属とする錯体が主体である。三重項発光材料として、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ビス(2−(4’−トリル)ピリジナト−N,C2’)アセチルアセトナトイリジウム(以下「acacIr(tpy)2」と記す)、 2,3,7,8,20,13,17,18−オクタエチル−21H,23Hポルフィリン−白金などが知られている。
以上で述べたような各機能を有する材料を、各々組み合わせ、高信頼性の表示素子を作製することができる。
また、上記実施の形態で示した画素構成の駆動トランジスタの極性を変更し、Nチャネル型のトランジスタにして、表示素子の対向電極の電位と電源線に設定する電位との高低を逆にすれば、図57(A)とは逆の順番に層を形成した表示素子を用いることができる。つまり、図57(B)に示すように、基板4401の上に陰極4408、電子注入材料からなる電子注入層4407、その上に電子輸送材料からなる電子輸送層4406、発光層4405、正孔輸送材料からなる正孔輸送層4404、正孔注入材料からなる正孔注入層4403、そして陽極4402を積層させた素子構造である。
また、表示素子は発光を取り出すために少なくとも陽極又は陰極の一方が透明であればよい。そして、基板上にTFT及び表示素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の表示素子があり、本発明の画素構成はどの射出構造の表示素子にも適用することができる。
上面射出構造の表示素子について図58(A)を用いて説明する。
基板4500上に下地膜4505を介して駆動用TFT4501が形成され、駆動用TFT4501のソース電極に接して第1の電極4502が形成され、その上に有機化合物を含む層4503と第2の電極4504が形成されている。
また、第1の電極4502は表示素子の陽極である。そして第2の電極4504は表示素子の陰極である。つまり、第1の電極4502と第2の電極4504とで有機化合物を含む層4503が挟まれているところが表示素子となる。
また、ここで、陽極として機能する第1の電極4502に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。光を反射する金属膜を用いることで光を透過させない陽極を形成することができる。
また、陰極として機能する第2の電極4504に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、または窒化カルシウム)からなる金属薄膜と、透明導電膜(ITO(インジウムスズ酸化物)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。こうして薄い金属薄膜と、透明性を有する透明導電膜を用いることで光を透過させることが可能な陰極を形成することができる。
こうして、図58(a)の矢印に示すように表示素子からの光を上面に取り出すことが可能になる。つまり、図53の表示パネルに適用した場合には、基板3610側に光が射出することになる。従って上面射出構造の表示素子を表示装置に用いる場合には封止基板3604は光透過性を有する基板を用いる。
また、光学フィルムを設ける場合には、封止基板3604に光学フィルムを設ければよい。
次に、下面射出構造の表示素子について図58(B)を用いて説明する。射出構造以外は図58(A)と同じ構造の表示素子であるため同じ符号を用いて説明する。
ここで、陽極として機能する第1の電極4502に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、インジウム亜鉛酸化物(IZO)膜などの透明導電膜を用いることができる。透明性を有する透明導電膜を用いることで光を透過させることが可能な陽極を形成することができる。
また、陰極として機能する第2の電極4504に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、または窒化カルシウム)からなる金属膜を用いることができる。こうして、光を反射する金属膜を用いることで光が透過しない陰極を形成することができる。
こうして、図58(B)の矢印に示すように表示素子からの光を下面に取り出すことが可能になる。つまり、図53の表示パネルに適用した場合には、基板3610側に光が射出することになる。従って下面射出構造の表示素子を表示装置に用いる場合には基板3610は光透過性を有する基板を用いる。
また、光学フィルムを設ける場合には、基板3610に光学フィルムを設ければよい。
次に、両面射出構造の表示素子について図58(C)を用いて説明する。射出構造以外は図45(a)と同じ構造の表示素子であるため同じ符号を用いて説明する。
ここで、陽極として機能する第1の電極4502に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、インジウム亜鉛酸化物(IZO)膜などの透明導電膜を用いることができる。透明性を有する透明導電膜を用いることで光を透過させることが可能な陽極を形成することができる。
また、陰極として機能する第2の電極4504に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、または窒化カルシウム)からなる金属薄膜と、透明導電膜(ITO(インジウムスズ酸化物)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。こうして薄い金属薄膜と、透明性を有する透明導電膜を用いることで光を透過させることが可能な陰極を形成することができる。
こうして、図58(C)の矢印に示すように表示素子からの光を両面に取り出すことが可能になる。つまり、図53の表示パネルに適用した場合には、基板3610側と封止基板3604側に光が射出することになる。従って両面射出構造の表示素子を表示装置に用いる場合には基板3610および封止基板3604は、ともに光透過性を有する基板を用いる。
また、光学フィルムを設ける場合には、基板3610および封止基板3604の両方に光学フィルムを設ければよい。
また、白色の表示素子とカラーフィルターを用いてフルカラー表示を実現する表示装置にも本発明を適用することが可能である。
例えば、図59に示すように、基板4600上に下地膜4602が形成され、その上に駆動用TFT4601が形成され、駆動用TFT4601のソース電極に接して第1の電極4603が形成され、その上に有機化合物を含む層4604と第2の電極4605が形成された構成とすることもできる。
また、第1の電極4603は表示素子の陽極である。そして第2の電極4605は表示素子の陰極である。つまり、第1の電極4603と第2の電極4605とで有機化合物を含む層4604が挟まれているところが表示素子となる。図59の構成では白色光を発光する。そして、表示素子の上部に赤色のカラーフィルター4606R、緑色のカラーフィルター4606G、青色のカラーフィルター4606Bを設けられており、フルカラー表示を行うことができる。また、これらのカラーフィルターを隔離するブラックマトリクス(BMともいう)4607が設けられている。
上述した表示素子の構成は組み合わせて用いることができ、本発明の表示装置に適宜用いることができる。また、上述した表示パネルの構成や、表示素子は例示であり、もちろん他の構成を本発明の表示装置に適用することもできる。
(実施の形態14)
本発明は様々な電子機器に適用することができる。具体的には電子機器の表示部に適用することができる。そのような電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機又は電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる発光装置を備えた装置)などが挙げられる。
図60(A)は発光装置であり、筐体26001、支持台26002、表示部26003、スピーカー部26004、ビデオ入力端子26005等を含む。本発明の表示装置を表示部26003に用いることができる。なお、発光装置は、パーソナルコンピュータ用、テレビジョン放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用発光装置が含まれる。本発明の表示装置を表示部26003に用いた発光装置は、消費電力の低減を図ることができる。
図60(B)はカメラであり、本体26101、表示部26102、受像部26103、操作キー26104、外部接続ポート26105、シャッター26106等を含む。
本発明を表示部26102に用いたデジタルカメラは、消費電力の低減を図ることができる。
図60(C)はコンピュータであり、本体26201、筐体26202、表示部26203、キーボード26204、外部接続ポート26205、ポインティングマウス26206等を含む。本発明を表示部26203に用いたコンピュータは、消費電力の低減を図ることができる。
図60(D)はモバイルコンピュータであり、本体26301、表示部26302、スイッチ26303、操作キー26304、赤外線ポート26305等を含む。本発明を表示部26302に用いたモバイルコンピュータは、消費電力の低減を図ることができる。
図60(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体26401、筐体26402、表示部A26403、表示部B26404、記録媒体(DVD等)読み込み部26405、操作キー26406、スピーカー部26407等を含む。表示部A26403は主として画像情報を表示し、表示部B26404は主として文字情報を表示することができる。本発明を表示部A26403や表示部B26404に用いた画像再生装置は、消費電力の低減を図ることができる。
図60(F)はゴーグル型ディスプレイであり、本体26501、表示部26502、アーム部26503を含む。本発明を表示部26502に用いたゴーグル型ディスプレイは、消費電力の低減を図ることができる。
図60(G)はビデオカメラであり、本体262001、表示部262002、筐体262003、外部接続ポート262004、リモコン受信部262005、受像部262006、バッテリー262007、音声入力部262008、操作キー262009等を含む。本発明を表示部262002に用いたビデオカメラは、消費電力の低減を図ることができる。
図60(H)は携帯電話機であり、本体26701、筐体26702、表示部26703、音声入力部26704、音声出力部26705、操作キー26706、外部接続ポート26707、アンテナ26708等を含む。
近年、携帯電話機はゲーム機能やカメラ機能、電子マネー機能等を搭載し、高付加価値の携帯電話機のニーズが強くなっている。このように多機能化し、携帯電話機は使用頻度が高まる一方で、一回の充電により長時間使用できることが要求される。本発明を表示部26703に用いた携帯電話機は消費電力の低減を図ることができる。よって、長時間の使用が可能となる。
また、本発明の表示装置を表示部に有する携帯電話のより具体的な構成例について図62を用いて説明する。
表示パネル5010はハウジング5000に脱着自在に組み込まれる。ハウジング5000は表示パネル5010のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。表示パネル5010を固定したハウジング5000はプリント基板5001に嵌入されモジュールとして組み立てられる。
表示パネル5010はFPC5011を介してプリント基板5001に接続される。プリント基板5001には、スピーカー5002、マイクロフォン5003、送受信回路5004、CPU及びコントローラなどを含む信号処理回路5005が形成されている。このようなモジュールと、入力手段5006、バッテリー5007を組み合わせ、筐体5009に収納する。表示パネル5010の画素部は筐体5009に形成された開口窓から視認できように配置する。
表示パネル5010は、画素部と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)を基板上にTFTを用いて一体形成し、一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)で表示パネル5010に実装しても良い。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いてガラス基板と接続してもよい。なお、一部の周辺駆動回路を基板上に画素部と一体形成し、他の周辺駆動回路を形成したICチップをCOG等で実装した表示パネルの構成は図54(a)に一例を示してある。このような構成とすることで、表示装置の低消費電力化を図り、携帯電話機の一回の充電による使用時間を長くすることができる。また、携帯電話機の低コスト化を図ることができる。
また、さらに消費電力の低減を図るため、図54(b)に示すように、基板上にTFTを用いて画素部を形成し、全ての周辺駆動回路をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)などで表示パネルに実装しても良い。
図63は表示パネル4801と、回路基板4802を組み合わせたELモジュールを示している。表示パネル4801は画素部4803、走査線駆動回路4804及び信号線駆動回路4805を有している。回路基板4802には、例えば、コントロール回路4806や信号分割回路4807などが形成されている。表示パネル4801と回路基板4802は接続配線4808によって接続されている。接続配線にはFPC等を用いることができる。
表示パネル4801は、画素部と一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の低い駆動回路)を基板上にTFTを用いて一体形成し、一部の周辺駆動回路(複数の駆動回路のうち動作周波数の高い駆動回路)をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)などで表示パネル4801に実装するとよい。あるいは、そのICチップをTAB(Tape Auto Bonding)やプリント基板を用いて表示パネル4801に実装しても良い。なお、一部の周辺駆動回路を基板上に画素部と一体形成し、他の周辺駆動回路を形成したICチップをCOG等で実装した構成は図54(a)に一例を示してある。
また、さらに消費電力の低減を図るため、ガラス基板上にTFTを用いて画素部を形成し、全ての周辺駆動回路をICチップ上に形成し、そのICチップをCOG(Chip On Glass)表示パネルに実装してもよい。なお、基板上に画素部を形成し、その基板上に周辺駆動回路を形成したICチップをCOG等で実装した構成は図54(b)に一例を示してある。
このELモジュールによりELテレビ受像機を完成させることができる。図64は、ELテレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ4901は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路4902と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路4903と、その映像信号を駆動回路の入力仕様に変換するためのコントロール回路4806により処理される。コントロール回路4806は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路4807を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ4901で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路4904に送られ、その出力は音声信号処理回路4905を経てスピーカー4906に供給される。制御回路4907は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部4908から受け、チューナ4901や音声信号処理回路4905に信号を供給する。
図60(A)に示すように、図64のELモジュールを筐体44001に組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。ELモジュールにより、表示部44003が形成される。また、スピーカー44004、ビデオ入力端子44005などが適宜備えられている。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
このように本発明は、あらゆる電子機器に適用することが可能である。