JP2007179026A - 光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】延伸により面内レターデーションReおよび膜厚方向のレターデーションRthの両方が減少し、未延伸時のReおよびRthが式(1)〜(2)を満たし、かつ延伸によりReおよびRthが式(3)〜(6)(好ましくは(3)〜(8))を満たすことを特徴とする光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置。(1)Re=0〜30nm、(2)Rth=−50〜50nm、(3)Re=−500〜0nm、(4)Rth=−800〜0nm、(5)Re(n)−Re(0)<0、(6)Rth(n)−Rth(0)<0、(7)|Re(n)/d(n)|≧0.001、(8)|Rth(n)/d(n)|/≧0.001
【選択図】なし
Description
1) 延伸により面内レターデーションReおよび膜厚方向のレターデーションRthの両方が減少し、未延伸時のReおよびRthが式(1)〜(2)を満たし、かつ延伸によりReおよびRthが式(3)〜(6)を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
(1)Re=0〜30nm
(2)Rth=−50〜50nm
(3)Re(n)=−500〜0nm
(4)Rth(n)=−800〜0nm
(5)Re(n)−Re(0)<0
(6)Rth(n)−Rth(0)<0
(式(3)において、Reは延伸方向を正にとるものとし、Reが負とは延伸方向に対し直交方向に発現したReの値を示す。式(4)において、Rthが負とは膜厚方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも大きくなることを示す。式(5)および(6)においてnは延伸倍率(%)を表し、Re(n)、Rth(n)はそれぞれn%延伸されたときのReおよびRthを表す。)
2)延伸後のフィルムが式(7)〜(8)を満たすことを特徴とする上記1)に記載の光学補償フィルム。
(7)|Re(n)/d(n)|≧0.001
(8)|Rth(n)/d(n)|/≧0.001
(式(7)および(8)においてd(n)は延伸倍率n(%)の際の膜厚(nm)を表す。)
3)フィルムを形成する原料ポリマーが、らせん構造を持つポリマーであることを特徴とする上記1)に記載の光学補償フィルム。
4)前記らせん構造を持つポリマーが、らせん構造の内側または外側に、らせん軸と平行ではない側鎖成分を持つことを特徴とする上記3)に記載の光学補償フィルム。
5)前記側鎖成分が、らせん軸に対して略直交する平面状の紫外吸収基であることを特徴とする上記4)に記載の光学補償フィルム。
6)前記らせん構造を持つポリマーが、核酸および/または核酸誘導体を含むことを特徴とする上記3)〜5)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
7)前記核酸および/または核酸誘導体が、DNA由来化合物であることを特徴とする上記6)に記載の光学補
償フィルム。
8)前記DNA由来化合物が、DNAのリン酸アニオン部とカチオン性脂質とを静電的に相互作用させて得られるDNA・脂質複合体からなることを特徴とする上記7)に記載の光学補償フィルム。
9)フィルムを主として形成する原料ポリマーに対し、他のポリマーが混合されていることを特徴とする上記3)〜8)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
10)フィルムを延伸することにより、前記DNA由来化合物が延伸方向に配向し、前記延伸方向に対して直交する方向に遅相軸を持つことを特徴とする上記7)〜9)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
11)上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルムと偏光板とを貼りあわせてなることを特徴とする光学補償フィルム一体型偏光板。
12)上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム、または上記11)に記載の光学補償フィルム一体型偏光板の少なくとも1枚を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
13)液晶セルがIPSモードであることを特徴とする上記12)に記載の液晶表示装置。
14)前記光学補償フィルムが、フィルムの原料ポリマーをソルベントキャスト法により溶液製膜して得られることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
15)前記光学補償フィルムが、フィルムの原料ポリマーを加熱して溶融する溶融製膜法により得られることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
16)前記光学補償フィルムが、製膜幅0.2m〜2m、かつ連続製品長5〜5000mとして製造されることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
17)膜厚が10〜200μmであることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
18)透過率が85%以上であることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
19)ヘイズが0.01〜2.0%であることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
近年、プラスチック材料の廃棄の問題、特にこれまで使い捨ててきた廃棄物の処理が重要な課題になっており、液晶表示装置の構成材料に対しても将来的に同様の問題が指摘される可能性がある。生体由来のDNA分子を用いることは、上記の問題を解決に寄与できる可能性を持っている。
フィルムを延伸する際、それによって発現するレターデーションが延伸方向と直交する場合、いわゆる負の固有複屈折を持つといわれる。具体的なポリマーとしては、分極率の高い側鎖を持つスチレン系ポリマーが報告されている(特許文献1参照)。いわゆる透明光学フィルム(シート)においては、負の固有複屈折を持つ、という場合、面内レターデーションReについては延伸方向と直交する方向に発現することが知られているが、膜厚方向のレターデーションRthが、延伸と共に減少していくポリマーはこれまでに見出されていない。これは、主鎖に対して分極率の高い側鎖を持つようなポリマーが、主鎖の面内配向と共に側鎖も主鎖と略垂直方向に面内配向していくことに起因する。主鎖、側鎖いずれも面内方向の屈折率を大きくすることに寄与しており、膜厚方向の屈折率を大きくするには至らないために、膜厚方向のレターデーションRthは減少することができない。
延伸によりReだけでなく、Rthも減少する光学補償フィルムを達成するには、延伸によって分極率異方性のある官能基を膜厚方向に配向制御することが必要になる。すなわち分極率異方性のある官能基が、面内方向へ「寝て」しまうのではなく、膜厚方向へ「立つ」ことが必要になる。このためには通常の側鎖型のポリマーでは側鎖がフリーになって寝てしまいがちであり、何らかの配向規制力が必要である。
このためには、フィルムを主として形成する原料ポリマーが、その分子内でらせんを巻く、いわゆるらせん構造を持つことが好ましい。図1に示すように、一般にフィルム面内ではポリマー分子の主鎖は面内配向する傾向が普通である。この場合をポリマー主鎖が「寝た」状態だとしても、このポリマーがらせんを巻いており、好ましくは側鎖成分がらせん軸に対して略直交方向に「立って」いれば膜厚方向の屈折率を大きくすることができる。
この「立った」側鎖成分が膜厚方向の屈折率を増加させるためには、側鎖成分自身が分極率を持つ必要がある。すなわち側鎖成分は、ポリマー主鎖の分極率とは異なる方向の分極率を持つ必要があり、そのためには何らかの吸収帯を持つ有機化合物からなることが有利である。のぞましくは平面状の紫外吸収基を持つことである。
本発明のらせん構造を持つポリマーのらせん性は、円ニ色性スペクトル測定により確認することができ、具体的には本発明の光学補償フィルムの原料ポリマーを0.01質量%含むクロロホルム溶液を調製し、これを1cm×1cmの石英セルに入れし、日本分光社製J−720を用いて測定することができる。本発明では、らせんを巻くことにより主鎖またはらせんの内側又は外側に配置した吸収帯を持つ側鎖構造が、円二色性測定に関与する。らせんを巻いていると、この吸収を持つ官能基の吸収帯域での円ニ色性が正または負のコットン効果として観測できる。
本発明の光学補償フィルムを作製する原料ポリマーとしてのぞましく使用することができるDNA由来の高分子化合物について以下に説明する。
上記のDNA−ナトリウム塩やカリウム塩等水溶性の物質をイオン交換することによって水不溶性のDNA・脂質複合体を作製するためには、カチオン性の脂質化合物が有効である。カチオン性の脂質化合物とは、カチオン性のイオン種を持つと同時に、疎水性側鎖を持つ両親媒性の界面活性剤である。具体的なカチオン性脂質化合物としては、長鎖のアルキル基を有する4級アンモニウム塩が有効で、下記式(1)又は式(2)に示すようなものを挙げることができる。
以上に述べた種々の原料ポリマーを用いて、本発明の光学補償フィルムを作製する方法としては、原料ポリマーを均一に溶解した溶液からソルベントキャスト法により溶液製膜してもよいし、原料ポリマーを加熱溶融して溶融製膜してもよい。
上記の原料ポリマーを溶解する有機溶媒は、溶解性を考慮して選択することが好ましい。有機溶媒として、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類;ヘキサフロロイソプロパノール等のハロゲン化アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン等のピロリドン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン及びエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、四塩化炭素及びトリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素化合物あるいはトルエン、キシレン、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を用いることができる。
本発明の光学補償フィルムの製法は、溶融製膜であってもよい。原料ポリマー、添加剤等の原料を加熱溶融させ、これを押出し射出成型によりフィルム化してもよいし、加熱した2枚のプレートに原料を挟み込み、プレス加工してフィルム化してもよい。
本発明の光学補償フィルムは延伸操作により適切な光学性能を発現する。本発明の光学補償フィルムにおいてのぞましい延伸方法は、一軸延伸でもよく二軸延伸でもよく、公知の延伸方法をのぞましく用いることができる。また延伸時の条件にも特に制限はなく、フィルムの延伸に際してフィルムに熱を与えてTgよりやや上の温度まで加熱してフィルムを軟化させて延伸してもよいし、適切な可塑剤によって可塑化させてから延伸してもよいし、また水を含む適切な溶媒を含ませることで軟化させて延伸してもよい。
本発明の光学補償フィルムの製膜幅は0.2m〜2mで、連続製品長は5〜5000mであることがのぞましい。よりのぞましくは製膜幅0.3m〜1.7m、連続製品長10〜4000mであり、製膜幅0.4m〜1.5m、連続製品長50〜3000mであることがさらにのぞましい。
本発明の光学補償フィルムの膜厚は10〜200μmであることがのぞましい。よりのぞましくは10〜150μmであり、10〜80μmであることがさらにのぞましい。
本発明の光学補償フィルムの透過率は85%以上であることがのぞましい。よりのぞましくは88%以上であり、90%以上であることがさらにのぞましい。透過率の測定は、本発明の光学補償フィルム試料20mm×70mmを、25℃,60%RHで透明度測定器(AKA光電管比色計、KOTAKI製作所)で可視光(615nm)の透過率を測定した。
本発明の光学補償フィルムは、液晶表示装置に使用する用途から、ヘイズが小さいすなわち透明であることは重要である。本発明の光学補償フィルムのヘイズは0.01〜2.0%であることがのぞましい。よりのぞましくは0.01〜1.5%であり、0.01〜1.0%であることがさらにのぞましい。ヘイズの測定は、本発明の光学補償フィルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定した。
本発明でいうReは、フィルム試料30mm×40mmを、25℃、60%RHで2時間調湿し、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)にて波長589nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA−21DHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長589nmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長589nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA−21DHが算出する。
本発明の光学補償フィルムは、延伸後の面内レターデーションReが−300〜0nmであり、かつ延伸後の膜厚方向のレターデーションRthが−400〜0nmである。のぞましくは延伸後の面内レターデーションReが−250〜0nmであり、かつ延伸後の膜厚方向のレターデーションRthが−350〜0nmである。さらにのぞましくは延伸後の面内レターデーションReが−200〜0nmであり、かつ延伸後の膜厚方向のレターデーションRthが−300〜0nmである。
本発明の光学補償フィルムは、延伸することにより、ポリマーが一方向に配向することがのぞましい。通常ポリマー主鎖が延伸の長軸方向に配向することはX線構造解析より確かめられている。本発明の光学補償フィルムの原料ポリマーにDNA由来化合物を用いた場合は、延伸することにより、ポリマーが一方向に配向することがのぞましい。DNA分子が長軸方向に配向することはX線構造解析より確かめられている(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1992,1339)。
本発明の光学補償フィルムの遅相軸を知る測定方法として、試料30mm×40mmを、25℃、65%RHで2時間調湿し、自動複屈折計(KOBRA21DH、王子計測(株))にて分子配向軸を算出し、フィルムの遅相軸方向を得た。
本発明の光学補償フィルムは単層構造に限定されるものではなく、複数の層を積層した積層構造を有していてもよい。積層構造の態様では、各層の素材は同種でなくてもよく、例えば、棒状液晶を用いた光学異方性層やディスコティック液晶を用いた光学異方性層を単独または組み合わせて用いてもよい。また、ポリマーフィルムと液晶性化合物からなる光学異方性層とを積層させてもよい。
本発明の光学補償フィルムは、すでに偏光膜の両面を保護フィルムで貼りあわせて作製された偏光板に、粘着剤を介して光学補償フィルムを貼りあわせ、光学補償フィルム一体型偏光板としてもよい。また、本発明の光学補償フィルムを偏光板の保護フィルムとして、直接偏光膜と貼りあわせてもよい。この場合、例えばポリビニルアルコール系の偏光板を作製する方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。たとえば、光学補償フィルムの表面をアルカリ鹸化処理、プラズマ処理、コロナ放電処理などにより表面改変し、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)を沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面に貼り合わせる方法がある。
本発明の光学補償フィルムを偏光板の保護フィルムとし、液晶表示装置に用いる場合、表面に各種の機能層を付与してもよい。それらは、例えば、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、防眩層、反射防止層、易接着層、配向層、液晶層帯電防止層、などである。これらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
本発明の液晶表示装置は、光学補償フィルム、液晶セル、偏光板を組み合わせて用いる。光学補償フィルム、液晶セル、偏光板は密着していることが好ましく、密着させるためには公知の粘着剤や接着剤を用いることができる。
(DNA・脂質複合体の作製) 大型タンク内Aにて鮭の白子(精巣)由来のDNA−ナトリウム塩(平均分子量30,000bp)5kgを5,000Lの水に溶解した。もう一つの大型タンクBにてn−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド5kgを500Lの水に溶解した。大型タンクA、B の水溶液をともに20℃以下に保ち、タンクBの水溶液を攪拌羽根でよく攪拌しながら、上方よりタンクAのDNA水溶液をタンクBへ添加した。DNA・脂質複合体はタンクB内で白色の沈殿として生じ、これを回収した。精製操作として、水中に残った複合体になっていないDNAおよび脂質を洗い流すために水洗操作し、沈殿物に残った複合体になっていない脂質を洗い流すためにジエチルエーテルで洗浄する操作を行った。さらに洗浄操作で用いた水やジエチルエーテルを良く乾燥して、8.5kgのDNA・脂質複合体を得た。
上記の操作によって得られたDNA・脂質複合体を大型タンク内でメチレンクロライド/メタノール(4/1)の溶剤に溶解して20質量%の溶液を得た。この溶液をタンクから金属配管を通してダイから金属支持体上に溶液キャストして製膜した。溶剤乾燥後、フィルムを支持体から剥離して搬送し、テンタークリップにて横方向の幅を保持しながら縦方向に150%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2.5)の固定一軸延伸を行いながら搬送し、さらに溶剤を再度乾燥させて、膜厚10μmで表1の性能を有する光学補償フィルム001を長尺ロールで得た。
上記光学補償フィルム001の作製において、最終的な膜厚が4倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚40μmで表1の性能を有する光学補償フィルム002を長尺ロールで得た。
上記光学補償フィルム001の作製において、最終的な膜厚が6倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚60μmで表1の性能を有する光学補償フィルム003を長尺ロールで得た。
(溶液製膜による光学補償フィルム004の作製)
実施例1で得られたのと同じDNA・脂質複合体を大型タンク内でメチレンクロライド/メタノール(4/1)の溶剤に溶解して20質量%の溶液を得た。この溶液をタンクから金属配管を通してダイから金属支持体上に溶液キャストして製膜した。タンクから金属配管を通してダイから金属支持体上に溶液キャストして製膜した。溶剤乾燥後、フィルムを支持体から剥離して搬送し、前後のニップロール間0.6mとし、巻き取り側のニップロールと送り出し側のニップロールとの速度差によりフィルムの実延伸倍率100%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2)の縦一軸延伸を行いながら搬送し、さらに溶剤を再度乾燥させて、膜厚16μmで表1の性能を有する光学補償フィルム004を長尺ロールで得た。
上記光学補償フィルム004の作製において、最終的な膜厚が4倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚64μmで表1の性能を有する光学補償フィルム005を長尺ロールで得た。
上記光学補償フィルム004の作製において、最終的な膜厚が6倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚96μmで表1の性能を有する光学補償フィルム006を長尺ロールで得た。
(溶融製膜によるフィルムの作製) 実施例1と同様の方法で得たDNA・脂質複合体の粉末20kgを耐圧タンク中、温度150℃で加熱溶解し、金属配管を通して溶融ダイからフィルムを連続的に溶融製膜し、フィルムを搬送する際に、110℃に温度設定したゾーン内でテンタークリップにて横方向の幅を保持しながら縦方向に150%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2.5)の固定一軸延伸を行いながら搬送し、膜厚40μmで表1の性能を有する光学補償フィルム007を長尺ロールで得た。
(スチレン系ポリマーフィルム008の作製)
下記の(A)の共重合体10質量部に、下記(B)のモノマー混合物90質量部をグラフト重合させたスチレン系ポリマー170gを二塩化メチレン830gに溶解させた。
(A)スチレン/ブタジエン共重合体(質量比:20/80)
(B)スチレン/アクリロニトリル/α−メチルスチレン(質量比:60/20/20)
この溶液を乾燥後の膜厚が60μmとなるようにガラス板上に流延し、5分間室温で放置した後、45℃の温風で20分間乾燥させ、得られたフィルムをガラス板から剥した。このフィルムを矩形の枠に張り付け、70℃で1時間乾燥させた。更に110℃で15時間乾燥させた後、115℃の条件でテーブル型引張試験機(東洋精機製)を用い、幅方向
を保持し、縦方向を150%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2.5)の倍率まで固定一軸延伸を行なった。上記のようにして、表1の性能を持つスチレン系ポリマーの延伸フィルム008を作製した。
(光学補償フィルム一体型偏光板の作製)
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UL、富士写真フイルム(株)製、Re=2nm、Rth=48nm)を2ロール用意し、それぞれの表面にアルカリケン化処理を行い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて作製した偏光膜の両面にポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールツーロールで貼り付け、長尺状の偏光板101(吸収軸は長手方向に平行)を得た。この偏光板101の偏光性能は十分であることを確認した。
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UL、富士写真フイルム(株)製、Re=2nm、Rth=48nm)を1ロール、もう1つの市販のセルロースアセテートフィルム(Z−タック、富士写真フイルム(株)製、Re=0nm、Rth=0nm)を1ロール用意し、それぞれにケン化処理を行い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて作製した偏光膜の両面にポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールツーロールで貼り付け、長尺状の偏光板201(吸収軸は長手方向に平行)を得た。この偏光板201の偏光性能は十分であることを確認した。
一枚のガラス基板上に、隣接する電極間の距離が20μmとなるように電極を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行なった。別に用意した一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士を対向させて、基板の間隔(ギャップ;d)を3.9μmとし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.0769及び誘電率異方性(Δε)が正の4.5であるネマチック液晶組成物を封入した。液晶層のd・Δnの値は300nmであった。
上記で作製した光学補償フィルム一体型偏光板102、偏光板201、IPSモードセルを用いて図2の層構成にて液晶表示装置に実装した。光学補償フィルム一体型偏光板107、108についても同様にして液晶表示装置に実装した。また、図2の構成で光学補償フィルム一体型偏光板102ではなく、光学補償フィルム002のついていない偏光板101を用いて図3の層構成にて液晶表示装置に実装したものを比較例2とした。
このように作製した液晶表示装置において、黒表示時の左斜め方向60°から観察した際の漏れ光を測定した。本発明の光学補償フィルムは、IPSモードセルに対し視認側に配置した。結果は表1に示し、漏れ光が見られない=○、若干見られる=△、明らかに光漏れがある=×、として評価した。本発明の光学補償フィルムを用いた場合は比較例(比較例2の評価も×)に対していずれも漏れ光が少なく色味変化がほとんど見られなかった。
(ポリマーブレンドによる光学補償フィルム009の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ポリマー混合溶液を調製した。
実施例1で得たDNA・脂質複合体の粉末 7質量部
アセチル置換度2.85のセルロースアセテート 13質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 64質量部
メタノール(第2溶媒) 16質量部
Claims (13)
- 延伸により面内レターデーションReおよび膜厚方向のレターデーションRthの両方が減少し、未延伸時のReおよびRthが式(1)〜(2)を満たし、かつ延伸によりReおよびRthが式(3)〜(6)を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
(1)Re=0〜30nm
(2)Rth=−50〜50nm
(3)Re(n)=−500〜0nm
(4)Rth(n)=−800〜0nm
(5)Re(n)−Re(0)<0
(6)Rth(n)−Rth(0)<0
(式(3)において、Reは延伸方向を正にとるものとし、Reが負とは延伸方向に対し直交方向に発現したReの値を示す。式(4)において、Rthが負とは膜厚方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも大きくなることを示す。式(5)および(6)においてnは延伸倍率(%)を表し、Re(n)、Rth(n)はそれぞれn%延伸されたときのReおよびRthを表す。) - 延伸後のフィルムが式(7)〜(8)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
(7)|Re(n)/d(n)|≧0.001
(8)|Rth(n)/d(n)|/≧0.001
(式(7)および(8)においてd(n)は延伸倍率n(%)の際の膜厚(nm)を表す。) - フィルムを形成する原料ポリマーが、らせん構造を持つポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
- 前記らせん構造を持つポリマーが、らせん構造の内側または外側に、らせん軸と平行ではない側鎖成分を持つことを特徴とする請求項3に記載の光学補償フィルム。
- 前記側鎖成分が、らせん軸に対して略直交する平面状の紫外吸収基であることを特徴とする請求項4に記載の光学補償フィルム。
- 前記らせん構造を持つポリマーが、核酸および/または核酸誘導体を含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の光学補償フィルム。
- 前記核酸および/または核酸誘導体が、DNA由来化合物であることを特徴とする請求項6に記載の光学補償フィルム。
- 前記DNA由来化合物が、DNAのリン酸アニオン部とカチオン性脂質とを静電的に相互作用させて得られるDNA・脂質複合体からなることを特徴とする請求項7に記載の光学補償フィルム。
- フィルムを主として形成する原料ポリマーに対し、他のポリマーが混合されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の光学補償フィルム。
- フィルムを延伸することにより、前記DNA由来化合物が延伸方向に配向し、前記延伸方向に対して直交する方向に遅相軸を持つことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の光学補償フィルム。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の光学補償フィルムと偏光板とを貼りあわせてなることを特徴とする光学補償フィルム一体型偏光板。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の光学補償フィルム、または請求項11に記載の光学補償フィルム一体型偏光板の少なくとも1枚を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
- 液晶セルがIPSモードであることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
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