JP2007179026A - 光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コントラスト低下、画面が色味変化すること、を防止することのできる光学補償フィルムを提供すること。
【解決手段】延伸により面内レターデーションReおよび膜厚方向のレターデーションRthの両方が減少し、未延伸時のReおよびRthが式(1)〜(2)を満たし、かつ延伸によりReおよびRthが式(3)〜(6)(好ましくは(3)〜(8))を満たすことを特徴とする光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置。(1)Re=0〜30nm、(2)Rth=−50〜50nm、(3)Re=−500〜0nm、(4)Rth=−800〜0nm、(5)Re(n)−Re(0)<0、(6)Rth(n)−Rth(0)<0、(7)|Re(n)/d(n)|≧0.001、(8)|Rth(n)/d(n)|/≧0.001
【選択図】なし

Description

本発明は、光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置に関する。
近年、薄型ディスプレイの市場が拡大しており、中でも液晶表示装置の市場拡大は顕著である。液晶表示装置はパソコンのモニター用途に留まらず、TV用途として開発が進められており、それに伴って画面サイズが大型化し、画像の高精細化がますます進んでいる。それにともない液晶表示装置に含まれる各部材の性能改良がますます求められている。
とりわけ、大型TV用途の液晶表示装置としてIPSモード液晶表示装置が有望視されており、IPSモードにおける画像の高精細化の要求として、(1)黒表示時に斜め方向から見た際、「光漏れ」が起こることによるコントラスト低下、(2)黒表示時に斜め方向から見た際、画面が色味変化すること、を改良することが望まれている。
これらの2つの課題である、コントラストおよび色味の視野角依存性の改良策として、負の固有複屈折を持つポリマーや垂直配向させたディスコティック液晶を有する光学異方性層を備えた光学補償フィルムを設けることが提案されている。(特許文献1、2参照)。しかしながら、特にIPSモードにおける光学補償フィルムに要求される光学性能は、膜厚方向の屈折率をより大きくし、膜厚方向のレターデーションRthを負にする必要があり、これらのフィルムでは達成できていなかった。また膜厚方向の配向制御は困難であり、Rthが負である適切な光学補償フィルムが求められていた。
特開平10−54982号公報 特開平9−292522号公報
本発明の目的は、膜厚方向の屈折率をより大きくし、膜厚方向のレターデーションRthが負である適切な光学補償フィルムであって、(1)黒表示時に斜め方向から見た際、「光漏れ」が起こることによるコントラスト低下、(2)黒表示時に斜め方向から見た際、画面が色味変化すること、を防止することのできる光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置を提供することである。
本発明は、以下のとおりである。
1) 延伸により面内レターデーションReおよび膜厚方向のレターデーションRthの両方が減少し、未延伸時のReおよびRthが式(1)〜(2)を満たし、かつ延伸によりReおよびRthが式(3)〜(6)を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
(1)Re=0〜30nm
(2)Rth=−50〜50nm
(3)Re(n)=−500〜0nm
(4)Rth(n)=−800〜0nm
(5)Re(n)−Re(0)<0
(6)Rth(n)−Rth(0)<0
(式(3)において、Reは延伸方向を正にとるものとし、Reが負とは延伸方向に対し直交方向に発現したReの値を示す。式(4)において、Rthが負とは膜厚方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも大きくなることを示す。式(5)および(6)においてnは延伸倍率(%)を表し、Re(n)、Rth(n)はそれぞれn%延伸されたときのReおよびRthを表す。)
2)延伸後のフィルムが式(7)〜(8)を満たすことを特徴とする上記1)に記載の光学補償フィルム。
(7)|Re(n)/d(n)|≧0.001
(8)|Rth(n)/d(n)|/≧0.001
(式(7)および(8)においてd(n)は延伸倍率n(%)の際の膜厚(nm)を表す。)
3)フィルムを形成する原料ポリマーが、らせん構造を持つポリマーであることを特徴とする上記1)に記載の光学補償フィルム。
4)前記らせん構造を持つポリマーが、らせん構造の内側または外側に、らせん軸と平行ではない側鎖成分を持つことを特徴とする上記3)に記載の光学補償フィルム。
5)前記側鎖成分が、らせん軸に対して略直交する平面状の紫外吸収基であることを特徴とする上記4)に記載の光学補償フィルム。
6)前記らせん構造を持つポリマーが、核酸および/または核酸誘導体を含むことを特徴とする上記3)〜5)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
7)前記核酸および/または核酸誘導体が、DNA由来化合物であることを特徴とする上記6)に記載の光学補
償フィルム。
8)前記DNA由来化合物が、DNAのリン酸アニオン部とカチオン性脂質とを静電的に相互作用させて得られるDNA・脂質複合体からなることを特徴とする上記7)に記載の光学補償フィルム。
9)フィルムを主として形成する原料ポリマーに対し、他のポリマーが混合されていることを特徴とする上記3)〜8)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
10)フィルムを延伸することにより、前記DNA由来化合物が延伸方向に配向し、前記延伸方向に対して直交する方向に遅相軸を持つことを特徴とする上記7)〜9)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
11)上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルムと偏光板とを貼りあわせてなることを特徴とする光学補償フィルム一体型偏光板。
12)上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム、または上記11)に記載の光学補償フィルム一体型偏光板の少なくとも1枚を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
13)液晶セルがIPSモードであることを特徴とする上記12)に記載の液晶表示装置。
また、下記の形態も好ましい。
14)前記光学補償フィルムが、フィルムの原料ポリマーをソルベントキャスト法により溶液製膜して得られることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
15)前記光学補償フィルムが、フィルムの原料ポリマーを加熱して溶融する溶融製膜法により得られることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
16)前記光学補償フィルムが、製膜幅0.2m〜2m、かつ連続製品長5〜5000mとして製造されることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
17)膜厚が10〜200μmであることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
18)透過率が85%以上であることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
19)ヘイズが0.01〜2.0%であることを特徴とする上記1)〜10)のいずれかに記載の光学補償フィルム。
本発明によれば、(1)黒表示時に斜め方向から見た際、「光漏れ」が起こることによるコントラスト低下、(2)黒表示時に斜め方向から見た際、画面が色味変化すること、を防止することのできる光学補償フィルム、それを用いた光学補償フィルム一体型偏光板および液晶表示装置を提供することができる。
本発明者は鋭意検討した結果、上記の膜厚方向の屈折率を制御して、本発明の光学補償フィルムを得るには、フィルムを形成する原料ポリマーがらせん構造を持ち、らせん構造の内側または外側にらせん軸と平行ではない分極率異方性を有する側鎖成分、例えばらせん軸と略直交する平面状の紫外吸収基を持つような構造的特長を持つポリマーが有効であることを見出した。一般にポリマーの主鎖はフィルム内で通常膜厚方向に層状に積層する傾向があり、このことは平面内の屈折率を大きくしてしまう。しかしポリマーがその分子内でらせん構造を持ち、かつらせん構造の内側または外側にらせん軸と略直交する平面状の紫外吸収基を持つような構造であると、主鎖のらせん構造が層状に積層すると同時にらせん軸に略直交する平面状の紫外吸収基が膜厚方向と略直交する方向に平面を向けるようになり、膜厚方向の屈折率を大きくすることができる。
このような構造的特徴を持つポリマーのうち、のぞましいものの一つとして本発明者はDNA分子を見出すにいたった。周知のようにDNAは生体内で遺伝情報を司る分子であり、生体内では数億〜数十億といった超高分子量体であり、二重らせん構造を有することでも知られ、合成高分子ではつくり出せない特異な構造を有する生体物質である。このようなDNAを材料化して使えるようにするためには、生体から抽出して不純物を除去し、また使い易い分子量にする必要がある。このような除去抽出操作により現在、鮭、ニシン、ホタテなど魚介類の精巣や子ウシ胸腺からDNAが抽出され、健康食品や化粧品等の添加物として使用されている。しかしながら、それらは水溶性であるため工業材料としてそのまま使用するのは難しかった。
岡畑らは(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1992,1339、特開平8−239398号公報)、上記の様に抽出されたDNAのナトリウム塩やカリウム塩等の水溶性の物質を、4級アンモニウム塩等とイオン交換することで、二重らせん構造を保持したまま水不溶性のDNA・脂質複合体フィルムを製造できることを見出した。しかしながら、DNA・脂質複合体フィルムを液晶表示装置の構成部材に使用するという概念は、現在まで全くみられない。
近年、プラスチック材料の廃棄の問題、特にこれまで使い捨ててきた廃棄物の処理が重要な課題になっており、液晶表示装置の構成材料に対しても将来的に同様の問題が指摘される可能性がある。生体由来のDNA分子を用いることは、上記の問題を解決に寄与できる可能性を持っている。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(負の固有複屈折を持つフィルム)
フィルムを延伸する際、それによって発現するレターデーションが延伸方向と直交する場合、いわゆる負の固有複屈折を持つといわれる。具体的なポリマーとしては、分極率の高い側鎖を持つスチレン系ポリマーが報告されている(特許文献1参照)。いわゆる透明光学フィルム(シート)においては、負の固有複屈折を持つ、という場合、面内レターデーションReについては延伸方向と直交する方向に発現することが知られているが、膜厚方向のレターデーションRthが、延伸と共に減少していくポリマーはこれまでに見出されていない。これは、主鎖に対して分極率の高い側鎖を持つようなポリマーが、主鎖の面内配向と共に側鎖も主鎖と略垂直方向に面内配向していくことに起因する。主鎖、側鎖いずれも面内方向の屈折率を大きくすることに寄与しており、膜厚方向の屈折率を大きくするには至らないために、膜厚方向のレターデーションRthは減少することができない。
(延伸によりReおよびRthの両方が減少する光学補償フィルム)
延伸によりReだけでなく、Rthも減少する光学補償フィルムを達成するには、延伸によって分極率異方性のある官能基を膜厚方向に配向制御することが必要になる。すなわち分極率異方性のある官能基が、面内方向へ「寝て」しまうのではなく、膜厚方向へ「立つ」ことが必要になる。このためには通常の側鎖型のポリマーでは側鎖がフリーになって寝てしまいがちであり、何らかの配向規制力が必要である。
(らせん構造を持つポリマー)
このためには、フィルムを主として形成する原料ポリマーが、その分子内でらせんを巻く、いわゆるらせん構造を持つことが好ましい。図1に示すように、一般にフィルム面内ではポリマー分子の主鎖は面内配向する傾向が普通である。この場合をポリマー主鎖が「寝た」状態だとしても、このポリマーがらせんを巻いており、好ましくは側鎖成分がらせん軸に対して略直交方向に「立って」いれば膜厚方向の屈折率を大きくすることができる。
この、「立った」側鎖成分は、らせん構造の内側または外側のどちら側にあってもよいが、らせん構造および側鎖成分の構造を維持する点ではらせん構造の内側に側鎖成分を持つ構造がよりのぞましい。いずれにしろ、らせん構造を持つポリマーは、らせん軸と平行ではない側鎖成分、好ましくはらせん軸と略直交する側鎖成分を有することがのぞましい。略直交とはすなわち、らせん軸とは平行ではない、ある角度を持って側鎖成分が「立って」いることである。具体的には、らせん軸に対して側鎖成分が5°〜90°の状態をいう。
この「立った」側鎖成分が膜厚方向の屈折率を増加させるためには、側鎖成分自身が分極率を持つ必要がある。すなわち側鎖成分は、ポリマー主鎖の分極率とは異なる方向の分極率を持つ必要があり、そのためには何らかの吸収帯を持つ有機化合物からなることが有利である。のぞましくは平面状の紫外吸収基を持つことである。
上記のような構造をもつ具体的な材料としては、ポリマーの主鎖がらせんを巻き、有効な側鎖成分を持つものであれば特に限定されない。
らせん構造を持つポリマーについての合成高分子からのアプローチとしては、古くはイソタクチックなポリプロピレンやポリスチレンが結晶状態において右巻きと左巻きのらせんが対をなしていることが知られている。本発明の光学補償フィルムにおいてはらせん構造を有するポリマーのラセミ体を使用してもよい。
積極的に合成高分子のアプローチによってらせんを巻かせ、有効な側鎖成分を持っている材料の例として、ピリジンとピリミジンの繰り返し構造からなるらせん構造ポリマー(Angew. Chem. Int. Ed. 36、 1845 (1997) )や、フェニルアセチレン型のらせんオリゴマー(Science. 277、 1793 (1997) )、分極率の大きい電子ドナーと電子アクセプターを交互に、主鎖長軸方向とは直交させて並べた例(Nature. 375、 303 (1995) )など、いわゆる「超分子化学」の領域で多数の研究があり、これらの材料はいずれも分子量が大きければ単独でフィルムとすることができ、また分子量が小さい場合は他のポリマーと混合する形でフィルムとして延伸できるため、本発明の光学補償フィルムの材料としてのぞましく用いることができる。
らせんを巻くポリマーに対して他のポリマーを混合する手法、いわゆるポリマーブレンド、ポリマーアロイの手法も本発明に有効に用いることができる。混合する他のポリマーとしては、透明性、機械的強度、熱的安定性、などに優れるポリマーが好ましく、汎用性のあるポリマーであれば特に限定されず、上述の式を満たす範囲であればどのようなポリマーを混合して用いても良い。例えば、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーを混合したポリマーも例としてあげられる。また本発明の透明フイルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の紫外線硬化型、熱硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。また、熱可塑性ノルボルネン系樹脂も好ましく用いることが出来る。熱可塑性ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等があげられる。また、従来偏光板の透明保護フイルムとして用いられてきた、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(セルロースアシレートという)も好ましく用いることが出来る。
天然由来のポリマーにはらせんを巻くものが多く知られており、アミロース、セルロースに代表される天然由来のグリコポリマーは本発明に好ましく用いることができる。これらグリコポリマーはその6員環、5員環、4員環に複数の側鎖水酸基をもっており、この側鎖水酸基にアセテート、プロピオネート、ブチレートなど炭化水素鎖からなる置換基を持たせてもよいし、ベンジル基、ナフチル基など芳香環を持つ置換基にてより積極的な分極率異方性を与えてもよい。
5員環であるデオキシリボースを有するDNA、リボースを有するRNAといった核酸やその誘導体も天然由来の糖の一種としてとらえることができる。これらは分子構造の発見以来、2重らせん構造を安定にとることが良く知られており、またその核酸塩基は平面状の紫外吸収官能基であり、らせん軸と略直交して存在することから本発明の光学補償フィルムのポリマー材料としてのぞましく用いることができる。
糖ではなく、アミノ酸の縮合したポリマーであるペプチド、タンパク質もらせんを巻くことがよく知られている。いわゆるα-へリックスといわれるらせん構造はアミノ酸の縮合したアミド基がらせん軸方向上下に水素結合を形成することでらせんを安定化する優れた構造をもっており、側鎖に分極率異方性を持たせるのに有利なアミノ酸、例えば芳香族アミノ酸であるフェニルアラニン、チロシン、トリプトファンなどを多く含有するペプチドやタンパク質は本発明に使用する原料ポリマーとして好ましい。
アミノ酸由来のポリマーとしては、非天然の合成ペプチドも本発明に好ましく用いることができる。具体的にはグルタミン酸にベンジルエステルを導入したポリベンジル−L−グルタメートや、ベンジル基の代わりに一部ドデシル基を導入したものとの共重合によって得た、ポリドデシル/ベンジル−L−グルタメートなどは液晶性を示すことで知られるが、これらもらせんを巻きつつ側鎖成分として有効な分極率異方性を持つため、本発明における原料ポリマーとして好ましく用いることができる。
上記のような考え方にのっとった材料で、かつ延伸前後で本発明のReおよびRthの値を満たす材料であれば、本発明の光学補償フィルムを形成する原料ポリマーは、側鎖成分を持ったポリマーに限定されることはなく、「自己集合」により擬似的にポリマー化した集合体も有効に用いることができる。例えばディスク状化合物であるフタロシアニンがシリンダー状にスタックして自己集合したファイバー構造(Science. 284、785 (1999))や、軸不斉を持ったヘリセン化合物がらせんを巻きながら自己集合したカラムナー構造(Science. 282、 913 (1998))などが、フィルム中で保持され、延伸前後で本発明のReおよびRthの値を満たす材料であれば、これらも本発明に使用することができる。同様に、カーボンナノチューブのようなシリンダー分子の中に何らかの紫外吸収のある化合物が配向した状態のものを延伸によって配向させ、その際にRe、Rthが共に減少するようなものも本発明にのぞましく用いることができる。
(らせん性の評価)
本発明のらせん構造を持つポリマーのらせん性は、円ニ色性スペクトル測定により確認することができ、具体的には本発明の光学補償フィルムの原料ポリマーを0.01質量%含むクロロホルム溶液を調製し、これを1cm×1cmの石英セルに入れし、日本分光社製J−720を用いて測定することができる。本発明では、らせんを巻くことにより主鎖またはらせんの内側又は外側に配置した吸収帯を持つ側鎖構造が、円二色性測定に関与する。らせんを巻いていると、この吸収を持つ官能基の吸収帯域での円ニ色性が正または負のコットン効果として観測できる。
特に紫外領域にて吸収帯を持つ化合物の場合、たとえば本発明の光学補償フィルムの原料ポリマーを核酸または核酸の誘導体からなるものを選んだ場合はその核酸塩基の吸収が紫外領域の260nmでのコットン効果にて確かめることができる。また本発明の光学補償フィルムの原料ポリマーとしてアミノ酸がポリマー化したぺプチドやタンパク質を選んだ場合においては、225nmでのコットン効果にてらせん性を確認することができる。このように、本発明では、光学補償フィルムの主な材料となるポリマーに応じた適切な吸収帯波長を選び、その吸収帯での円二色性スペクトルのコットン効果の有無にてらせん構造を確認することができる。また、本発明の光学補償フィルムの原料ポリマーの持つ、らせん軸の方向は、原料ポリマー主鎖の配向方向と一致する。ポリマー主鎖を配向させる方法としては、フィルムの延伸によって配向させる方法や、せん断による配向方法、磁場による配向方法、電場による配向方法など、ポリマーフィルムにて主鎖を配向させるために用いられるあらゆる手法を用いることができる。ポリマー主鎖の配向を確認する手法、すなわちらせん軸の方向を確認する方法としては、X線回折測定によって主鎖の配向方向を得る方法や、紫外、可視、赤外、ラマンなどの分光吸収測定を縦方向、横方向それぞれ測定して配向方向を得る方法など、ポリマーフィルムの配向状態を確認するあらゆる手法を用いることができる。
(DNA由来化合物)
本発明の光学補償フィルムを作製する原料ポリマーとしてのぞましく使用することができるDNA由来の高分子化合物について以下に説明する。
本発明でのぞましく使用できるDNA由来化合物は、DNAのリン酸アニオン部とカチオン性脂質とを静電的に相互作用させて得られるDNA・脂質複合体からなり、このような材料は前述した岡畑らにより開示された方法で得ることができる。すなわち、鮭やニシン等の魚類あるいはホタテ等の貝類の精巣、子ウシ胸腺などから抽出された公知のDNA−ナトリウム塩やカリウム塩等水溶性の物質を長鎖のアルキル基を有する4級アンモニウム塩とイオン交換することにより得られるDNA・脂質複合体であり、これらはアルコール系やハロゲン系等の有機溶媒に可溶となる。
上記の魚貝類等から抽出・精製されたDNA−ナトリウム塩やカリウム塩はその処理の過程で、分子量を数百万塩基対以下(以下、塩基対をbpと略す)にすることができるが、本発明の有機溶媒可溶性のDNA由来化合物として使用するには、平均分子量が100,000bp〜100bpが好ましく、特に好ましくは50,000bp以下〜200bpである。平均分子量が100,000bpを超えると、溶液が高粘度となり脂質複合体の調製に手間がかかり、また得られた脂質複合体の溶媒への溶解性も低下して使用が難しくなる。100bp未満であると、フィルムとして十分な自己支持性を得ることが難しくなるためである。
DNA−ナトリウム塩やカリウム塩等の分子量は、一般的に用いられているアガロースゲルを用いたゲル電気泳動法によって測定することができる。ここで言う塩基対とは、DNA分子の塩基が対になって水素結合を形成する1単位、通常の高分子で言うモノマー1ユニットに相当する。
二重らせん構造を有するDNA材料は一般に、平板状構造の有機色素化合物を塩基対間にインターカレートすることが知られており、DNA−脂質複合体についても同様の挙動が見出されている(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1992,1339、Langmuir,1993,9,19)。
本発明の光学補償フィルムにおいては、このような特性を生かし特定の吸収波長を持った有機色素化合物をあらかじめインターカレートさせたDNA由来の高分子化合物を用いてもよい。このことにより本発明の光学補償フィルムの光学性能を所望の性能にすることができる。
(カチオン性脂質化合物)
上記のDNA−ナトリウム塩やカリウム塩等水溶性の物質をイオン交換することによって水不溶性のDNA・脂質複合体を作製するためには、カチオン性の脂質化合物が有効である。カチオン性の脂質化合物とは、カチオン性のイオン種を持つと同時に、疎水性側鎖を持つ両親媒性の界面活性剤である。具体的なカチオン性脂質化合物としては、長鎖のアルキル基を有する4級アンモニウム塩が有効で、下記式(1)又は式(2)に示すようなものを挙げることができる。
下記式(1)又は式(2)で示される4級アンモニウム塩は、一般にハロゲン化物として使用することで水中に分散させることができ、このことによりDNA・ナトリウム塩等と水中で混合して脂質交換することにより、DNA・脂質複合体を得ることができる。
Figure 2007179026
式中、R1及びR3は長鎖のアルキル基であってもよいし、必要に応じた特定の構造の官能基を示し、R2及びR4は長鎖のアルキレン基を示し、R5は長鎖のアルキル基を示す。Xは単結合、O、S、NH、CO、CO2、OCO2、SO、SO2、CONH又はCOONH等の結合基を示す。
上式(1)又は(2)で示される4級アンモニウム塩の長鎖のアルキル基としては、炭素数6以上の脂肪族炭化水素基が挙げられ、特には炭素数8〜23であることが好ましい。つまり、炭素数8〜23のアルキル基を1個又は2個有する4級アンモニウム塩を用いたDNA−脂質複合体が好ましい。このような4級アンモニウム塩を使用したDNA・脂質複合体は、水に不溶性であり、また有機溶剤への溶解性が良好となる。また、置換基として芳香族環を有する4級アンモニウム塩等を使用してもよい。
具体的には、n−ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ヘプチルトリメチルアンモニウムクロライド、n−オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ノニルトリメチルアンモニウムクロライド、n−デシルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ウンデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、n−トリデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ペンタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ヘプタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ノナデシルトリメチルアンモニウムクロライド、アラキジルトリメチルアンモニウムクロライド、n−ヘネイコシルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、n−トリコシルトリメチルアンモニウムクロライド及びそれらのブロマイド等の長鎖アルキル基を1個有する4級アンモニウム塩;ジ−n−ヘキシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ヘプチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−オクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ノニルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−デシルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ウンデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−トリデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジミリスチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ペンタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジセチルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ヘプタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ノナデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジアラキジルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−ヘネイコシルジメチルアンモニウムクロライド、ジベヘニルジメチルアンモニウムクロライド、ジ−n−トリコシルジメチルアンモニウムクロライド及びそれらのブロマイド等の長鎖アルキル基を2個有する4級アンモニウム塩;上記1個又は2個の長鎖アルキル基の一部にエーテル結合やオキシエチレン基を1〜4個有する4級アンモニウム塩;フェニルジメチルセチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルセチルアンモニウムクロライド及びそれらのブロマイド等の芳香族環含有4級アンモニウム塩;セチルピリジニウムクロライド及びそれらのブロマイド等の4級ピリジニウム塩等が挙げられる。
上記のDNA由来化合物および4級アンモニウム塩を水中で混合するとDNA・脂質複合体が沈殿として生じる。これを回収し、水分を十分に乾燥することにより、水に不溶のDNA・脂質複合体を得ることができる。なお、このDNA・脂質複合体は、DNAのリン酸アニオンと4級アンモニウム塩のカチオンが結合比1:1でイオン結合している(特許文献2、特開平8−239398号公報参照)。
(光学補償フィルムの作製)
以上に述べた種々の原料ポリマーを用いて、本発明の光学補償フィルムを作製する方法としては、原料ポリマーを均一に溶解した溶液からソルベントキャスト法により溶液製膜してもよいし、原料ポリマーを加熱溶融して溶融製膜してもよい。
(溶液製膜)
上記の原料ポリマーを溶解する有機溶媒は、溶解性を考慮して選択することが好ましい。有機溶媒として、メタノール、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類;ヘキサフロロイソプロパノール等のハロゲン化アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン及びシクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドン等のピロリドン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン及びエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、四塩化炭素及びトリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素化合物あるいはトルエン、キシレン、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の芳香族化合物等を用いることができる。
上記原料ポリマーを溶解した溶液には、用途に応じた種々の添加剤(例えば、光学的異方性を低下する化合物、波長分散調整剤、紫外線防止剤、可塑剤、劣化防止剤、微粒子、光学特性調整剤など)を加えることができる。
具体的な溶液製膜の方法としては、金属板など表面平滑性のある支持基板の上にキャスティングする方法に特に限定はなく、ギーサを用いた流延方法やブレードを用いた各種のコーティング法等の方法を適宜用いて行うことができる。溶剤の乾燥は、使用される溶媒の沸点により室温又は加熱乾燥によって行うことができる。加熱乾燥は30〜200℃の温度範囲で、5分〜2時間程度、所定の乾燥状態に合わせて静止又は送風下で行うことができるが、原料ポリマーの乾燥は、室温〜200℃が好ましく、より好ましくは室温〜170℃、更に好ましくは室温〜150℃の温度範囲で行う。150℃を超える温度では脂質の溶解、ポリマー主鎖の分解等によりフィルム性が損なわれる恐れがある。
本発明の光学補償フィルムを溶液製膜で具体的に製造する方法の一例として、従来より液晶表示装置用のセルロースアセテートフィルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜装置を挙げることができる。溶解して調製した原料ポリマーを含む溶液を溶解機(釜)から貯蔵釜で一旦貯蔵し、該溶液に含まれている泡を脱泡して最終調製をする。溶液を排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延し、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのフィルム(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。本発明の光学補償フィルムの主な用途である液晶表示装置の光学部材に用いる溶液流延製膜方法については、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載されており、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離などの工程に分類され、本発明において好ましく用いることができる。
(溶融製膜)
本発明の光学補償フィルムの製法は、溶融製膜であってもよい。原料ポリマー、添加剤等の原料を加熱溶融させ、これを押出し射出成型によりフィルム化してもよいし、加熱した2枚のプレートに原料を挟み込み、プレス加工してフィルム化してもよい。
加熱による溶融の温度は、原料ポリマーが共に均一に溶融する温度であれば特に制限されない。具体的には融点又は軟化点以上の温度に加熱する。均一なフィルムを得るためには、原料ポリマーの融点よりも高い温度、好ましくは融点よりも5〜40℃高い温度、特に好ましくは融点よりも8〜30℃高い温度に加熱して溶融させることが好ましい。
(フィルムの延伸)
本発明の光学補償フィルムは延伸操作により適切な光学性能を発現する。本発明の光学補償フィルムにおいてのぞましい延伸方法は、一軸延伸でもよく二軸延伸でもよく、公知の延伸方法をのぞましく用いることができる。また延伸時の条件にも特に制限はなく、フィルムの延伸に際してフィルムに熱を与えてTgよりやや上の温度まで加熱してフィルムを軟化させて延伸してもよいし、適切な可塑剤によって可塑化させてから延伸してもよいし、また水を含む適切な溶媒を含ませることで軟化させて延伸してもよい。
溶液製膜したフィルムは、乾燥中の処理中に延伸することができ、特に溶媒が残存する場合は有効である。例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは搬送方向に延伸される。フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げる方法であれば、フィルムを巾方向に延伸できる。また、フィルムの乾燥後に延伸機を用いたオフライン延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
同様に、溶融製膜したフィルムにおいても、製膜後の搬送過程においてその温度を制御することにより、搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの送り出し速度よりもフィルムの巻き取り速度を速くして搬送方向に延伸することができる。またテンターで保持し、巾を広げる方法で巾方向に延伸することもできる。また、巻き取り後に別の延伸機を用いたオフライン延伸もできる。
フィルムの延伸倍率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)は、0.5〜300%であることが好ましく、さらには1〜250%の延伸が好ましく、特には5〜180%の延伸が好ましい。
(フィルム製膜幅、連続長)
本発明の光学補償フィルムの製膜幅は0.2m〜2mで、連続製品長は5〜5000mであることがのぞましい。よりのぞましくは製膜幅0.3m〜1.7m、連続製品長10〜4000mであり、製膜幅0.4m〜1.5m、連続製品長50〜3000mであることがさらにのぞましい。
(フィルムの膜厚)
本発明の光学補償フィルムの膜厚は10〜200μmであることがのぞましい。よりのぞましくは10〜150μmであり、10〜80μmであることがさらにのぞましい。
(フィルムの透過率)
本発明の光学補償フィルムの透過率は85%以上であることがのぞましい。よりのぞましくは88%以上であり、90%以上であることがさらにのぞましい。透過率の測定は、本発明の光学補償フィルム試料20mm×70mmを、25℃,60%RHで透明度測定器(AKA光電管比色計、KOTAKI製作所)で可視光(615nm)の透過率を測定した。
(フィルムのヘイズ)
本発明の光学補償フィルムは、液晶表示装置に使用する用途から、ヘイズが小さいすなわち透明であることは重要である。本発明の光学補償フィルムのヘイズは0.01〜2.0%であることがのぞましい。よりのぞましくは0.01〜1.5%であり、0.01〜1.0%であることがさらにのぞましい。ヘイズの測定は、本発明の光学補償フィルム試料40mm×80mmを、25℃,60%RHでヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)でJIS K−6714に従って測定した。
(面内レターデーションRe、膜厚方向のレターデーションRth)
本発明でいうReは、フィルム試料30mm×40mmを、25℃、60%RHで2時間調湿し、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)製)にて波長589nmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。Rthは前記Re、面内の遅相軸(KOBRA−21DHにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して+40°傾斜した方向から波長589nmの光を入射させて測定したレターデーション値、および面内の遅相軸を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−40°傾斜した方向から波長589nmの光を入射させて測定したレターデーション値の計3つの方向で測定したレターデーション値を基にKOBRA−21DHが算出する。
本発明の光学補償フィルムは、未延伸時の面内レターデーションReが0〜30nmであり、かつ膜厚方向のレターデーションRthが−50〜50nmである。のぞましくは未延伸時の面内レターデーションReが0〜20nmであり、かつRthが−40〜40nmである。さらにのぞましくは未延伸時の面内レターデーションReが0〜10nmであり、かつRthが−30〜30nmである。
本発明の光学補償フィルムは、延伸により、ReおよびRthが両方とも減少する。
本発明の光学補償フィルムは、延伸後の面内レターデーションReが−300〜0nmであり、かつ延伸後の膜厚方向のレターデーションRthが−400〜0nmである。のぞましくは延伸後の面内レターデーションReが−250〜0nmであり、かつ延伸後の膜厚方向のレターデーションRthが−350〜0nmである。さらにのぞましくは延伸後の面内レターデーションReが−200〜0nmであり、かつ延伸後の膜厚方向のレターデーションRthが−300〜0nmである。
(延伸後の膜物性)
本発明の光学補償フィルムは、延伸することにより、ポリマーが一方向に配向することがのぞましい。通常ポリマー主鎖が延伸の長軸方向に配向することはX線構造解析より確かめられている。本発明の光学補償フィルムの原料ポリマーにDNA由来化合物を用いた場合は、延伸することにより、ポリマーが一方向に配向することがのぞましい。DNA分子が長軸方向に配向することはX線構造解析より確かめられている(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1992,1339)。
さらに本発明の光学補償フィルムは、延伸により延伸方向に対して直交する方向に遅相軸を持つ。本発明の光学補償フィルムにDNA由来化合物を用いた場合は、ポリマー材料が延伸方向と略平行に配向し、その方向と略直交する方向に遅相軸を持つ。これは、DNAの核酸塩基対がらせん長軸方向とほぼ直交するようにスタックしているためである。
(分子配向軸)
本発明の光学補償フィルムの遅相軸を知る測定方法として、試料30mm×40mmを、25℃、65%RHで2時間調湿し、自動複屈折計(KOBRA21DH、王子計測(株))にて分子配向軸を算出し、フィルムの遅相軸方向を得た。
[積層型の光学補償フィルム]
本発明の光学補償フィルムは単層構造に限定されるものではなく、複数の層を積層した積層構造を有していてもよい。積層構造の態様では、各層の素材は同種でなくてもよく、例えば、棒状液晶を用いた光学異方性層やディスコティック液晶を用いた光学異方性層を単独または組み合わせて用いてもよい。また、ポリマーフィルムと液晶性化合物からなる光学異方性層とを積層させてもよい。
[偏光板]
本発明の光学補償フィルムは、すでに偏光膜の両面を保護フィルムで貼りあわせて作製された偏光板に、粘着剤を介して光学補償フィルムを貼りあわせ、光学補償フィルム一体型偏光板としてもよい。また、本発明の光学補償フィルムを偏光板の保護フィルムとして、直接偏光膜と貼りあわせてもよい。この場合、例えばポリビニルアルコール系の偏光板を作製する方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。たとえば、光学補償フィルムの表面をアルカリ鹸化処理、プラズマ処理、コロナ放電処理などにより表面改変し、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)を沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面に貼り合わせる方法がある。
液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学補償フィルムを適用した偏光板はどの部位に配置してもよい。また必要に応じて本発明の光学補償フィルムを液晶表示装置のなかで複数枚用いてもよい。
[機能層]
本発明の光学補償フィルムを偏光板の保護フィルムとし、液晶表示装置に用いる場合、表面に各種の機能層を付与してもよい。それらは、例えば、硬化樹脂層(透明ハードコート層)、防眩層、反射防止層、易接着層、配向層、液晶層帯電防止層、などである。これらの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り剤、マット剤、などが挙げられ、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁〜45頁に詳細に記載されており、本発明において好ましく用いることができる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、光学補償フィルム、液晶セル、偏光板を組み合わせて用いる。光学補償フィルム、液晶セル、偏光板は密着していることが好ましく、密着させるためには公知の粘着剤や接着剤を用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置には、上記の光学補償フィルム、液晶セル、偏光板等の部材間にプリズムシート、拡散フィルムなどの各種機能性フィルムを用いてもよい。
本発明の光学補償フィルム、およびこれを用いた偏光板等の光学部材は、様々な表示モードの液晶表示装置に適用することができる。代表的な表示モードとして、IPS(In−Plane Switching)、VA(Vertically Aligned)、TN(Twisted Nematic)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、およびHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の物性良化したフィルムを用いたときの効果は、とくに大画面液晶表示装置で顕著であり、また本発明の光学補償フィルムのRe、Rthの光学性能から、大型TV用に用いられるIPSモードの液晶表示装置に用いることが特に好ましい。
また、光学補償フィルムのReとRthの好ましい値は液晶の厚み方向のレターデーション値、液晶および光学補償フィルムの平均屈折率nにより若干変化するが、目的に応じて最適化することがのぞましい。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(DNA・脂質複合体の作製) 大型タンク内Aにて鮭の白子(精巣)由来のDNA−ナトリウム塩(平均分子量30,000bp)5kgを5,000Lの水に溶解した。もう一つの大型タンクBにてn−ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド5kgを500Lの水に溶解した。大型タンクA、B の水溶液をともに20℃以下に保ち、タンクBの水溶液を攪拌羽根でよく攪拌しながら、上方よりタンクAのDNA水溶液をタンクBへ添加した。DNA・脂質複合体はタンクB内で白色の沈殿として生じ、これを回収した。精製操作として、水中に残った複合体になっていないDNAおよび脂質を洗い流すために水洗操作し、沈殿物に残った複合体になっていない脂質を洗い流すためにジエチルエーテルで洗浄する操作を行った。さらに洗浄操作で用いた水やジエチルエーテルを良く乾燥して、8.5kgのDNA・脂質複合体を得た。
(溶液製膜による光学補償フィルム001の作製)
上記の操作によって得られたDNA・脂質複合体を大型タンク内でメチレンクロライド/メタノール(4/1)の溶剤に溶解して20質量%の溶液を得た。この溶液をタンクから金属配管を通してダイから金属支持体上に溶液キャストして製膜した。溶剤乾燥後、フィルムを支持体から剥離して搬送し、テンタークリップにて横方向の幅を保持しながら縦方向に150%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2.5)の固定一軸延伸を行いながら搬送し、さらに溶剤を再度乾燥させて、膜厚10μmで表1の性能を有する光学補償フィルム001を長尺ロールで得た。
(光学補償フィルム002の作製)
上記光学補償フィルム001の作製において、最終的な膜厚が4倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚40μmで表1の性能を有する光学補償フィルム002を長尺ロールで得た。
(光学補償フィルム003の作製)
上記光学補償フィルム001の作製において、最終的な膜厚が6倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚60μmで表1の性能を有する光学補償フィルム003を長尺ロールで得た。
(実施例2)
(溶液製膜による光学補償フィルム004の作製)
実施例1で得られたのと同じDNA・脂質複合体を大型タンク内でメチレンクロライド/メタノール(4/1)の溶剤に溶解して20質量%の溶液を得た。この溶液をタンクから金属配管を通してダイから金属支持体上に溶液キャストして製膜した。タンクから金属配管を通してダイから金属支持体上に溶液キャストして製膜した。溶剤乾燥後、フィルムを支持体から剥離して搬送し、前後のニップロール間0.6mとし、巻き取り側のニップロールと送り出し側のニップロールとの速度差によりフィルムの実延伸倍率100%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2)の縦一軸延伸を行いながら搬送し、さらに溶剤を再度乾燥させて、膜厚16μmで表1の性能を有する光学補償フィルム004を長尺ロールで得た。
(光学補償フィルム005の作製)
上記光学補償フィルム004の作製において、最終的な膜厚が4倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚64μmで表1の性能を有する光学補償フィルム005を長尺ロールで得た。
(光学補償フィルム006の作製)
上記光学補償フィルム004の作製において、最終的な膜厚が6倍となるようにダイのクリアランスを調整した以外は全て同様の操作により、膜厚96μmで表1の性能を有する光学補償フィルム006を長尺ロールで得た。
(実施例3)
(溶融製膜によるフィルムの作製) 実施例1と同様の方法で得たDNA・脂質複合体の粉末20kgを耐圧タンク中、温度150℃で加熱溶解し、金属配管を通して溶融ダイからフィルムを連続的に溶融製膜し、フィルムを搬送する際に、110℃に温度設定したゾーン内でテンタークリップにて横方向の幅を保持しながら縦方向に150%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2.5)の固定一軸延伸を行いながら搬送し、膜厚40μmで表1の性能を有する光学補償フィルム007を長尺ロールで得た。
(比較例1)
(スチレン系ポリマーフィルム008の作製)
下記の(A)の共重合体10質量部に、下記(B)のモノマー混合物90質量部をグラフト重合させたスチレン系ポリマー170gを二塩化メチレン830gに溶解させた。
(A)スチレン/ブタジエン共重合体(質量比:20/80)
(B)スチレン/アクリロニトリル/α−メチルスチレン(質量比:60/20/20)
この溶液を乾燥後の膜厚が60μmとなるようにガラス板上に流延し、5分間室温で放置した後、45℃の温風で20分間乾燥させ、得られたフィルムをガラス板から剥した。このフィルムを矩形の枠に張り付け、70℃で1時間乾燥させた。更に110℃で15時間乾燥させた後、115℃の条件でテーブル型引張試験機(東洋精機製)を用い、幅方向
を保持し、縦方向を150%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2.5)の倍率まで固定一軸延伸を行なった。上記のようにして、表1の性能を持つスチレン系ポリマーの延伸フィルム008を作製した。
以上実施例1〜3によって得た本発明の光学補償フィルム001〜007、および比較例によって得た008の諸性能を表1にまとめた。
Figure 2007179026
(実施例4)
(光学補償フィルム一体型偏光板の作製)
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UL、富士写真フイルム(株)製、Re=2nm、Rth=48nm)を2ロール用意し、それぞれの表面にアルカリケン化処理を行い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて作製した偏光膜の両面にポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールツーロールで貼り付け、長尺状の偏光板101(吸収軸は長手方向に平行)を得た。この偏光板101の偏光性能は十分であることを確認した。
上記で作製した偏光板101と、本発明の光学補償フィルム002とを、粘着剤を用いて貼り合わせ、光学補償フィルム一体型偏光板102を作製した。光学補償フィルム007および比較例1で得られたサンプル008についても同様にして光学補償フィルム一体型偏光板107、108を作製した。
(偏光板201の作製)
市販のセルロースアセテートフィルム(フジタックTD80UL、富士写真フイルム(株)製、Re=2nm、Rth=48nm)を1ロール、もう1つの市販のセルロースアセテートフィルム(Z−タック、富士写真フイルム(株)製、Re=0nm、Rth=0nm)を1ロール用意し、それぞれにケン化処理を行い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて作製した偏光膜の両面にポリビニルアルコール系接着剤を用いてロールツーロールで貼り付け、長尺状の偏光板201(吸収軸は長手方向に平行)を得た。この偏光板201の偏光性能は十分であることを確認した。
(IPSモード液晶セルの作製)
一枚のガラス基板上に、隣接する電極間の距離が20μmとなるように電極を配設し、その上にポリイミド膜を配向膜として設け、ラビング処理を行なった。別に用意した一枚のガラス基板の一方の表面にポリイミド膜を設け、ラビング処理を行なって配向膜とした。二枚のガラス基板を、配向膜同士を対向させて、基板の間隔(ギャップ;d)を3.9μmとし、二枚のガラス基板のラビング方向が平行となるようにして重ねて貼り合わせ、次いで屈折率異方性(Δn)が0.0769及び誘電率異方性(Δε)が正の4.5であるネマチック液晶組成物を封入した。液晶層のd・Δnの値は300nmであった。
(IPSモード液晶セルへの実装評価)
上記で作製した光学補償フィルム一体型偏光板102、偏光板201、IPSモードセルを用いて図2の層構成にて液晶表示装置に実装した。光学補償フィルム一体型偏光板107、108についても同様にして液晶表示装置に実装した。また、図2の構成で光学補償フィルム一体型偏光板102ではなく、光学補償フィルム002のついていない偏光板101を用いて図3の層構成にて液晶表示装置に実装したものを比較例2とした。
(液晶表示装置の漏れ光の測定)
このように作製した液晶表示装置において、黒表示時の左斜め方向60°から観察した際の漏れ光を測定した。本発明の光学補償フィルムは、IPSモードセルに対し視認側に配置した。結果は表1に示し、漏れ光が見られない=○、若干見られる=△、明らかに光漏れがある=×、として評価した。本発明の光学補償フィルムを用いた場合は比較例(比較例2の評価も×)に対していずれも漏れ光が少なく色味変化がほとんど見られなかった。
(実施例5)
(ポリマーブレンドによる光学補償フィルム009の作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、ポリマー混合溶液を調製した。
(ポリマー混合溶液組成)
実施例1で得たDNA・脂質複合体の粉末 7質量部
アセチル置換度2.85のセルロースアセテート 13質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 64質量部
メタノール(第2溶媒) 16質量部
上記のポリマー混合溶液をタンクから金属配管を通してダイから金属支持体上に溶液キャストして製膜した。溶剤乾燥後、フィルムを支持体から剥離して搬送し、テンタークリップにて横方向の幅を保持しながら縦方向に150%(もとの長さ1に対して延伸後の長さ2.5)の固定一軸延伸を行いながら搬送し、さらに溶剤を再度乾燥させて、膜厚40μm、Re=−256nm、Rth=−30nm、260nmにおけるコットン効果によりらせん性を有した、光学補償フィルム009を得た。
上記の光学補償フィルム009を用いて、実施例4と同様の操作により光学補償フィルム一体型偏光板を作製し、同様の層構成にて液晶表示装置にて実装評価した。液晶表示装置の漏れ光測定の結果、漏れ光は見られず、本発明の光学補償フィルム009が優れた性能を持っていることが明らかになった。
らせん構造を説明するための図である。 液晶表示装置の層構成(光学補償フィルムあり)を示す図である。 液晶表示装置の層構成(光学補償フィルムなし)を示す図である。

Claims (13)

  1. 延伸により面内レターデーションReおよび膜厚方向のレターデーションRthの両方が減少し、未延伸時のReおよびRthが式(1)〜(2)を満たし、かつ延伸によりReおよびRthが式(3)〜(6)を満たすことを特徴とする光学補償フィルム。
    (1)Re=0〜30nm
    (2)Rth=−50〜50nm
    (3)Re(n)=−500〜0nm
    (4)Rth(n)=−800〜0nm
    (5)Re(n)−Re(0)<0
    (6)Rth(n)−Rth(0)<0
    (式(3)において、Reは延伸方向を正にとるものとし、Reが負とは延伸方向に対し直交方向に発現したReの値を示す。式(4)において、Rthが負とは膜厚方向の屈折率が面内方向の屈折率よりも大きくなることを示す。式(5)および(6)においてnは延伸倍率(%)を表し、Re(n)、Rth(n)はそれぞれn%延伸されたときのReおよびRthを表す。)
  2. 延伸後のフィルムが式(7)〜(8)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
    (7)|Re(n)/d(n)|≧0.001
    (8)|Rth(n)/d(n)|/≧0.001
    (式(7)および(8)においてd(n)は延伸倍率n(%)の際の膜厚(nm)を表す。)
  3. フィルムを形成する原料ポリマーが、らせん構造を持つポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の光学補償フィルム。
  4. 前記らせん構造を持つポリマーが、らせん構造の内側または外側に、らせん軸と平行ではない側鎖成分を持つことを特徴とする請求項3に記載の光学補償フィルム。
  5. 前記側鎖成分が、らせん軸に対して略直交する平面状の紫外吸収基であることを特徴とする請求項4に記載の光学補償フィルム。
  6. 前記らせん構造を持つポリマーが、核酸および/または核酸誘導体を含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  7. 前記核酸および/または核酸誘導体が、DNA由来化合物であることを特徴とする請求項6に記載の光学補償フィルム。
  8. 前記DNA由来化合物が、DNAのリン酸アニオン部とカチオン性脂質とを静電的に相互作用させて得られるDNA・脂質複合体からなることを特徴とする請求項7に記載の光学補償フィルム。
  9. フィルムを主として形成する原料ポリマーに対し、他のポリマーが混合されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  10. フィルムを延伸することにより、前記DNA由来化合物が延伸方向に配向し、前記延伸方向に対して直交する方向に遅相軸を持つことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の光学補償フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の光学補償フィルムと偏光板とを貼りあわせてなることを特徴とする光学補償フィルム一体型偏光板。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の光学補償フィルム、または請求項11に記載の光学補償フィルム一体型偏光板の少なくとも1枚を用いたことを特徴とする液晶表示装置。
  13. 液晶セルがIPSモードであることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置。
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