JP2007177141A - グリース組成物及び転動装置 - Google Patents

グリース組成物及び転動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】劣化が生じにくく優れたフレッチング防止性能を有するグリース組成物を提供する。また、フレッチングが生じにくく長寿命な転動装置を提供する
【解決手段】円筒ころ軸受の内部にグリース組成物15を供給することにより、両軌道面10a,11aところ12との間の潤滑を行った。このグリース組成物15は、鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、防錆剤を内包するマイクロカプセルと、マイクロカプセルに内包されず直接添加された防錆剤と、を含有する。直接添加された防錆剤の含有量は、グリース組成物15全体の0.1質量%以上5質量%以下である。また、直接添加された防錆剤とマイクロカプセルとの合計の含有量は、グリース組成物15全体の0.5質量%以上17質量%以下である。さらに、マイクロカプセルに占める内包された防錆剤の割合は、10質量%以上50質量%未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリース組成物に関する。また、本発明は、転がり軸受,リニアガイド装置,ボールねじ,及び直動ベアリング等の転動装置に関する。
ハードディスクドライブ(HDD),フレキシブルディスクドライブ(FDD),コンパクトディスクドライブ(CDD),光磁気ディスクドライブ(MOD),ビデオテープレコーダ(VTR)等のような情報機器や、レーザービームプリンタ(LBP)等の事務機器には、転がり軸受等の転動装置が用いられているが、前記情報機器や前記事務機器には運搬時又は携帯時に5〜300Hz程度の低周波数の振動が生じる場合がある。
このような振動が生じると、転がり軸受内の転動体(ボール又はころ)と軌道輪の軌道面とが損傷を受けて劣化するフレッチングという現象が生じる場合がある。フレッチングが生じると、転がり軸受の音響性能が悪くなるばかりでなく、前記情報機器や前記事務機器の性能そのものにも悪影響を及ぼすおそれがある。
また、フレッチング発生部位の温度を測定した報告例は非常に少ないが、表面損傷の凝着状態の観察結果からは、フレッチング発生部位はかなりの高温に達していることが予想される。そうすると、グリース組成物も高温となるため、増ちょう剤の構造が不安定となって、グリース組成物から基油が分離したり、グリース組成物の性能が低下する等の不都合が生じるおそれがある。
このようなことから、転がり軸受には、これまで様々なフレッチング対策が採られている。例えば、極圧剤等のフレッチング防止性能を有する添加剤をグリース組成物に配合して、グリース組成物のフレッチング防止性能を向上させる方法が知られている。また、特許文献1,2には、特定の動粘度を有する基油を用いたグリース組成物を潤滑剤として使用することにより、耐フレッチング性を向上させた転がり軸受が提案されている。
特開2004−352858号公報 特開2004−180077号公報
しかしながら、極圧剤等のフレッチング防止性能を有する添加剤は一般に化学的活性が高い化合物であるため、グリース組成物に直接添加した場合にはグリース組成物を劣化させるおそれがある。また、グリース組成物のフレッチング防止性能は、硬さが軟らかいほど優れていることが知られているが、グリース組成物が軟らかいほど外部への漏洩が生じやすくなるため、転がり軸受の寿命が低下するおそれがある。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、劣化が生じにくく優れたフレッチング防止性能を有するグリース組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、フレッチングが生じにくく長寿命な転動装置を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1のグリース組成物は、鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、防錆剤を内包するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセルに内包されず直接添加された防錆剤と、を含有するグリース組成物において、以下の3つの条件を満足することを特徴とする。
条件A:前記直接添加された防錆剤の含有量は、組成物全体の0.1質量%以上5質量%以下である。
条件B:前記直接添加された防錆剤と前記マイクロカプセルとの合計の含有量は、組成物全体の0.5質量%以上17質量%以下である。
条件C:前記マイクロカプセルに占める内包された防錆剤の割合は、10質量%以上50質量%未満である。
また、本発明に係る請求項2のグリース組成物は、請求項1に記載のグリース組成物において、前記マイクロカプセルに内包された防錆剤及び前記直接添加された防錆剤が、スルホネート化合物であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項3のグリース組成物は、請求項1に記載のグリース組成物において、前記マイクロカプセルに内包された防錆剤及び前記直接添加された防錆剤が、バリウムスルホネート及びカルシウムスルホネートの少なくとも一方であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る請求項4のグリース組成物は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリース組成物において、転がり軸受に使用されることを特徴とする。
スルホネート化合物等のような防錆剤は、防錆性とともに耐摩耗性やフレッチング防止性能を有する。しかしながら、極圧剤と同様に化学的活性が高い化合物であるため、グリース組成物に直接添加した場合にはグリース組成物を劣化させるおそれがある。本発明のグリース組成物は、グリース組成物に配合する防錆剤のうちの多くをマイクロカプセルに内包させたので、他の物質(基油,増ちょう剤等)と接触する防錆剤の量が少なく、グリース組成物に劣化が生じにくい。
また、マイクロカプセルは転動装置の負荷圏において物理的に破壊されるので、内包されている防錆剤は負荷圏へ確実に供給される。なお、マイクロカプセルの粒径以上の厚さの油膜が負荷圏に形成されている状態では、マイクロカプセルは破壊されないので、余分な防錆剤が放出されることはない。
マイクロカプセルに内包されず直接添加した防錆剤は、マイクロカプセルが破壊されて内包された防錆剤が十分に放出されるまでの初期段階において、転動装置のフレッチング摩耗や発錆を抑制する。また、防錆剤は清浄分散剤としても作用するので、転動装置内に摩耗粉が発生したとしても軌道面や転動面に悪影響が生じにくく、転動装置が長寿命となる。
直接添加された防錆剤の含有量が、グリース組成物全体の0.1質量%未満であると、マイクロカプセルが破壊されて内包された防錆剤が十分に放出されるまでの初期段階において、フレッチング防止性能や防錆性が不十分となるおそれがある。一方、5質量%超過であると、グリース組成物に劣化が生じやすくなる。
また、直接添加された防錆剤とマイクロカプセルとの合計の含有量は、グリース組成物全体の0.5質量%以上17質量%以下である必要がある。0.5質量%未満であると、負荷圏へ到達するマイクロカプセルの数が少なくなるため、防錆剤の添加効果が不十分となるおそれがある。一方、17質量%を超えると、負荷圏で破壊されるマイクロカプセルの数が過大となるため、グリース組成物に配合される全防錆剤量が多くなってグリース組成物に劣化が生じやすくなる。また、マイクロカプセルの数が多いために、転動装置のトルクが大きくなったり、音響性能が低下するおそれがある。
さらに、マイクロカプセルに占める内包された防錆剤の割合は、10質量%以上50質量%未満である必要がある。10質量%未満であると、防錆剤に期待する効果が得られにくい。このような不都合がより生じにくくするためには、マイクロカプセルに占める内包された防錆剤の割合を20質量%以上とすることがより好ましい。一方、50質量%以上では、マイクロカプセルの外殻が相対的に薄くなるため、マイクロカプセルを含有するグリース組成物を製造する際にマイクロカプセルが破壊したり、負荷圏以外の部分でマイクロカプセルが破壊してしまうおそれがある。
さらに、本発明に係る請求項5の転動装置は、外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、前記両軌道面と前記転動体との間の潤滑を行う潤滑剤と、を備える転動装置において、前記潤滑剤が、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリース組成物であることを特徴とする。
このような転動装置は、劣化が生じにくく優れたフレッチング防止性能を有するグリース組成物を備えているので、フレッチングが生じにくく長寿命である。
なお、本発明は種々の転動装置に適用することができる。例えば、転がり軸受,ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。ここで、本発明における内方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には内輪、同じくボールねじの場合にはねじ軸、同じくリニアガイド装置の場合には案内レール、同じく直動ベアリングの場合には軸をそれぞれ意味する。また、外方部材とは、転動装置が転がり軸受の場合には外輪、同じくボールねじの場合にはナット、同じくリニアガイド装置の場合にはスライダ、同じく直動ベアリングの場合には外筒をそれぞれ意味する。
本発明のグリース組成物は、防錆剤がマイクロカプセルに内包されて含有されているので、劣化が生じにくく優れたフレッチング防止性能を有する。また、本発明の転動装置は、劣化が生じにくく優れたフレッチング防止性能を有するグリース組成物を備えているので、フレッチングが生じにくく長寿命である。
本発明に係るグリース組成物及び転動装置の実施の形態を、図1の断面図を参照しながら詳細に説明する。
図1の転がり軸受は日本精工株式会社製の円筒ころ軸受であり、外周面に軌道面10aを有する内輪10と、軌道面10aに対向する軌道面11aを内周面に有する外輪11と、両軌道面10a,11a間に転動自在に配された複数のころ(転動体)12と、内輪10と外輪11との間に複数のころ12を保持する保持器13と、で構成されている。
また、内輪10と外輪11との間に形成されころ12が内設された空隙部内には、グリース組成物15が供給され、両軌道面10a,11aところ12との間の潤滑が行われるようになっている。
このグリース組成物15は、鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、防錆剤を内包するマイクロカプセルと、マイクロカプセルに内包されず直接添加された防錆剤と、を含有するとともに、以下の3つの条件を満足する。
条件A:直接添加された防錆剤の含有量は、グリース組成物15全体の0.1質量%以上5質量%以下である。
条件B:直接添加された防錆剤とマイクロカプセルとの合計の含有量は、グリース組成物15全体の0.5質量%以上17質量%以下である。
条件C:マイクロカプセルに占める内包された防錆剤の割合は、10質量%以上50質量%未満である。
マイクロカプセルに内包された防錆剤及び直接添加された防錆剤の種類は、特に限定されるものではなく、一般的な防錆剤(例えばアルケニルコハク酸誘導体,ソルビタンモノオレート)を使用可能である。また、フレッチング防止性能を有する他の添加剤(例えば清浄分散剤)を使用することも可能である。ただし、防錆剤はスルホネート化合物であることが好ましく、バリウムスルホネート及びカルシウムスルホネートの少なくとも一方であることがより好ましい。マイクロカプセルに内包された防錆剤と直接添加された防錆剤とは、同種の防錆剤としてもよいし、異種の防錆剤としてもよい。
マイクロカプセルに内包された防錆剤は、通常はマイクロカプセル内に隔離されているが、フレッチングが生じやすい円筒ころ軸受の負荷圏(軌道面10a,11aところ12の転動面との接触部)にグリース組成物15が到達した際には、マイクロカプセルが物理的に破壊されて防錆剤が放出され、防錆剤が負荷圏に供給されるようになっている。
このように、グリース組成物15に配合する防錆剤のうちの多くをマイクロカプセルに内包させたので、他の物質(基油,増ちょう剤等)と接触する防錆剤の量が少なく、グリース組成物15に劣化が生じにくい。また、局所的に発生する負荷圏に防錆剤を確実且つ高濃度で供給することができるので、フレッチングの抑制効果が高い。マイクロカプセルの粒径以上の厚さの油膜が形成されている箇所では、マイクロカプセルが破壊されないので、余分な防錆剤が放出されることはない。したがって、マイクロカプセルの粒径は小さい方が好ましく、1μm以下であることが好ましい。また、軌道面10a,11aところ12の転動面との接触は、極一部にしか発生せず、大量のマイクロカプセルが一度に破壊されることはないので、放出された防錆剤によりグリース組成物15に劣化が生じることはほとんどない。
マイクロカプセルに内包されず直接添加した防錆剤は、マイクロカプセルが破壊されて内包された防錆剤が十分に放出されるまでの初期段階において、円筒ころ軸受のフレッチング摩耗や発錆を抑制する。直接添加した防錆剤は少量であるので、グリース組成物15を劣化させることはほとんどない。このように、本実施形態の円筒ころ軸受は、フレッチングが生じにくく長寿命である。このような円筒ころ軸受は、低騒音が特に要求されるような前記情報機器,前記事務機器に好適に使用可能である。
以下に、本実施形態のグリース組成物について、詳細に説明する。
〔マイクロカプセルについて〕
マイクロカプセルを構成する材料は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂等の樹脂を含有する樹脂組成物が好ましい。具体例としては、ポリウレタン系樹脂組成物,ポリエステル系樹脂組成物,ポリアミド系樹脂組成物,ポリウレア系樹脂組成物,フェノール系樹脂組成物,ポリビニルアルコール系樹脂組成物,メラミン系樹脂組成物,ポリエチレン系樹脂組成物,ポリスチレン系樹脂組成物,セルロース,ゼラチン等が等があげられる。
マイクロカプセルを製造する方法は特に限定されるものではなく、内包物質の性質やマイクロカプセルを構成する材料の性質等を考慮して選択される。具体例としては、界面重合法,in situ重合法,相分離法,液中乾燥法,オリフィス法,スプレードライ法,気中懸濁被覆法,ハイブリダンザー法等があげられる。
均一な粒径を有するマイクロカプセルを製造するためには、マイクロカプセルの製造条件を適宜調整することが好ましいが、粒度分布を有するマイクロカプセルから、遠心分離法やフィルター法によって均一な粒径を有するマイクロカプセルを分離してもよい。
〔基油について〕
基油の種類は特に限定されるものではなく、グリースや潤滑油の基油として一般的に使用される鉱油や合成油であれば、問題なく使用することができる。
鉱油としては、減圧蒸留,溶剤脱れき,溶剤抽出,水素化分解,溶剤脱ろう,硫酸洗浄,白土精製,水素化精製等を適宜組み合わせて、粘度指数が100以上となるように精製した鉱油が好ましい。そして、粘度指数が120以上となるように精製した、いわゆる高精製度鉱油がより好ましい。
合成油としては、合成炭化水素油,エステル油,エーテル油,シリコーン油,フッ素油等があげられる。
合成炭化水素油としては、ノルマルパラフィン,イソパラフィン,ポリブテン,ポリイソブチレン,1−デセンオリゴマー,1−デセンとエチレンとのコオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物などがあげられる。また、モノアルキルベンゼン,ジアルキルベンゼン,ポリアルキルベンゼン等のアルキルベンゼンや、モノアルキルナフタレン,ジアルキルナフタレン,ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレンなどもあげられる。
また、エステル油としては、ジブチルセバケート,ジ(2−エチルヘキシル)セバケート,ジオクチルアジペート,ジイソデシルアジペート,ジトリデシルアジペート,ジトリデシルグルタレート,メチルアセチルリシノレート等のジエステル油や、トリオクチルトリメリテート,トリデシルトリメリテート,テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油があげられる。また、トリメチロールプロパンカプリレート,トリメチロールプロパンペラルゴネート,ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート,ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル油や、一塩基酸及び二塩基酸の混合脂肪酸と多価アルコールとのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油などもあげられる。
さらに、エーテル油としては、ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリエチレングリコールモノエーテル,ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコールや、モノアルキルトリフェニルエーテル,アルキルジフェニルエーテル,ジアルキルジフェニルエーテル,テトラフェニルエーテル,ペンタフェニルエーテル,モノアルキルテトラフェニルエーテル,ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油などがあげられる。また、耐熱性を考慮すると、チオエーテル系のエーテル油も好適である。例えば、(ジ)アルキルジフェニルチオエーテル油,(ジ)アルキルポリフェニルチオエーテル油,テトラフェニルチオエーテル油,ペンタフェニルチオエーテル油があげられる。
上記以外の合成油としては、トリクレジルフォスフェート,パーフルオロアルキルエーテル油などがあげられる。
なお、これらの基油は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、本発明の目的を損なわない程度の量であれば、鉱油,合成油以外の種類の基油を混合して用いてもよい。
〔増ちょう剤について〕
増ちょう剤の種類は特に限定されるものではなく、用途や使用条件に応じて適宜選択することができる。
例えば、金属石けん(金属はアルミニウム,バリウム,カルシウム,リチウム,ナトリウム等)や金属複合石けん(金属はリチウム,カルシウム,アルミニウム等)があげられる。また、ウレア化合物(ジウレア,トリウレア,テトラウレア,ポリウレア等)、無機系化合物(シリカゲル,ベントナイト等)、ウレタン化合物、ウレア・ウレタン化合物、ナトリウムテレフタラメート化合物、フッ素樹脂等も使用できる。
〔その他の添加剤について〕
グリース組成物には、防錆剤に限らず、潤滑剤に一般的に使用される各種添加剤を使用することができる(マイクロカプセルに内包してグリース組成物に添加してもよいし、マイクロカプセルに内包せずに直接添加してもよい。)。特に、酸化防止剤,極圧剤,金属腐食防止剤が好ましい。また、必要に応じて、泡立ち防止剤,着色剤,固体潤滑剤,流動点降下剤,粘度指数向上剤,清浄分散剤等を使用してもよい。これらの添加剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、アミン系酸化防止剤,フェノール系酸化防止剤,ジアルキルジチオカルバミン酸塩化合物等があげられる。アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルジフェニルアミン、ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジピリジルアミン、フェノチアジン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン等があげられる。これらの中ではフェニル−α−ナフチルアミンが特に好ましい。
また、フェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−tert−ジブチルフェノール、ジ−tert−ブチルクレゾール等があげられる。これらの中では2,6−ジ−tert−ジブチルフェノールが特に好ましい。
さらに、ジアルキルジチオカルバミン酸塩化合物の具体例としては、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛,ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム,ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム,ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム,ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル,ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル,ジメチルジチオカルバミン酸銅,ジエチルジチオカルバミン酸鉄,ジエチルジチオカルバミン酸セレニウム,ジエチルジチオカルバミン酸テレニウム,及びブチルキサントゲン酸亜鉛等があげられる。これらの中ではジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛が特に好ましい。
極圧剤としては、ジチオリン酸亜鉛(Zn−DTP),ジチオリン酸モリブデン(Mo−DTP)等のジチオリン酸金属塩化合物や、ジチオカルバミン酸亜鉛(Zn−DTC),ジチオカルバミン酸ニッケル(Ni−DTC),ジチオカルバミン酸モリブデン(Mo−DTC)等のジチオカルバミン酸金属塩化合物や、トリフェニルフォスフォロチオネート(TPPT)等のイオウ−リン系極圧剤があげられる。
さらに、金属腐食防止剤の具体例としては、ベンゾトリアゾール及びその誘導体があげられ、油性向上剤の具体例としては、オレイン酸等の脂肪酸や、オレイルアルコール等の脂肪族アルコールがあげられる。さらに、固体潤滑剤の具体例としては、グラファイト,二硫化モリブデン,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)があげられ、粘度指数向上剤の具体例としては、ポリメタクリレート,ポリイソブチレンがあげられる。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態においては、転動装置の例として円筒ころ軸受をあげて説明したが、本発明は、他の種類の様々な転がり軸受に対して適用することができる。例えば、深溝玉軸受,アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心ころ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受である。
また、本発明は、転がり軸受に限らず、他の種類の様々な転動装置に対して適用することができる。例えば、ボールねじ,リニアガイド装置,直動ベアリング等である。
さらに、グリース組成物に直接添加された防錆剤とマイクロカプセルに内包された防錆剤との合計量は、グリース組成物全体の3質量%以上であることが好ましい。マイクロカプセルに占める内包された防錆剤の割合は、10質量%以上50質量%未満であるので、前記合計量を3質量%以上とするためには、マイクロカプセルの含有量は約6質量%以上となる。ただし、マイクロカプセルの粒径が小さい場合(例えば0.5μm以下)は、マイクロカプセルが増ちょう作用を有することとなるので、その場合にはマイクロカプセルの含有量を適宜調整する必要があり、12質量%以下とすることが好ましい。なお、増ちょう剤の含有量を調整してもよい。
〔実施例〕
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
防錆剤を内包するマイクロカプセルの製造方法を以下に示す。なお、防錆剤はバリウムスルホネートであり、マイクロカプセルはメラミン樹脂で構成されるものである。
トリエタノールアミン3.3gとスチレン無水マレイン酸共重合体16.4gとを混合して2時間撹拌し、水を加えてpH5.0の共重合体水溶液を調整した。この共重合体水溶液25gにバリウムスルホネートを加え、ホモミキサーを用いて2分間撹拌して乳化し、エマルジョンを調製した。
25%グルタルアルデヒド水溶液420gにトリエタノールアミンを加えてpH8.0とした後、70℃において撹拌しながらメラミン25gを添加した。メラミンが溶解し、水溶液が透明になったら、この水溶液を前述のエマルジョンに強く撹拌しながら加えた。そうすると、前述の共重合体の作用によりバリウムスルホネートの周囲においてメチロール化メラミンが重合するため、バリウムスルホネートがその重合物に包まれることとなる。そして、70℃で約3時間加熱することにより重合物からなる壁体(外殻)を硬化させて、バリウムスルホネートを内包するマイクロカプセルを得た。
マイクロカプセルの平均粒径を、電子顕微鏡及び粒度分布計により測定したところ、0.8μmであった。また、マイクロカプセルに占める内包されたバリウムスルホネートの割合を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析(GPC)により測定したところ、40質量%であった。
このようにして得たマイクロカプセル及びバリウムスルホネートを、基油がポリα−オレフィン油(40℃における動粘度は30mm2 /s)で増ちょう剤がステアリン酸リチウムであるベースグリース組成物に添加して、実施例1〜3のグリース組成物を得た。マイクロカプセルの添加量及び直接添加のバリウムスルホネートの添加量は、表1に示すとおりである。
Figure 2007177141
また、前記ベースグリース組成物に、マイクロカプセルは添加せずバリウムスルホネートを直接添加して、比較例2,3のグリース組成物を得た。直接添加のバリウムスルホネートの添加量は、表1に示すとおりである。
これらの実施例1〜3及び比較例2,3のグリース組成物、及び、前記ベースグリース組成物(比較例1)を、それぞれ転がり軸受に封入して、フレッチング試験及び耐久試験を行った。以下のその方法を説明する。
〔フレッチング試験について〕
前述のグリース組成物を、呼び番号695VVの深溝玉軸受(内径5mm,外径13mm,幅4mm)の空隙部内に5μL封入し、下記のような条件で揺動させた。
アキシアル荷重:14.7N
周波数 :75Hz
内輪と玉との揺動全振幅:40μm
揺動回数 :27万回
揺動の前後での軸受のアンデロン値(ハイバンド値)を測定し、アンデロン値の上昇量が1未満であった場合は◎、1以上2未満であった場合は○、2以上3未満であった場合は△、3以上であった場合は×とした。結果を表1に示す。
〔耐久試験について〕
前述のグリース組成物を、呼び番号608VV(内径8mm,外径22mm,幅7mm)の空隙部内に封入し(グリース組成物の封入量は、前記空隙部の容積の30体積%である)、下記のような条件で回転させた。そして、軸受の回転トルクが急上昇した時点で焼付きが生じたと判定し、この焼付き寿命により耐久性を評価した。結果を表1に示す。なお、表1に記載の焼付き寿命は、実施例1のグリース組成物を封入した軸受の焼付き寿命を1とした場合の相対値で示してある。
アキシアル荷重:147N
回転速度 :1400min-1
雰囲気温度 :80℃
表1から分かるように、実施例1〜3のグリース組成物を封入した軸受は、フレッチングや焼付きが生じにくく長寿命である。
本発明のグリース組成物及び転動装置は、例えばハードディスクドライブ(HDD),フレキシブルディスクドライブ(FDD),コンパクトディスクドライブ(CDD),光磁気ディスクドライブ(MOD),ビデオテープレコーダ(VTR)等のような情報機器や、レーザービームプリンタ(LBP)等の事務機器に好適に使用可能である。
本発明に係る転動装置の一実施形態である円筒ころ軸受の構成を示す縦断面図である。
符号の説明
10 内輪
10a 軌道面
11 外輪
11a 軌道面
12 ころ
15 グリース組成物

Claims (5)

  1. 鉱油及び合成油の少なくとも一方を主成分とする基油と、防錆剤を内包するマイクロカプセルと、前記マイクロカプセルに内包されず直接添加された防錆剤と、を含有するグリース組成物において、以下の3つの条件を満足することを特徴とするグリース組成物。
    条件A:前記直接添加された防錆剤の含有量は、組成物全体の0.1質量%以上5質量%以下である。
    条件B:前記直接添加された防錆剤と前記マイクロカプセルとの合計の含有量は、組成物全体の0.5質量%以上17質量%以下である。
    条件C:前記マイクロカプセルに占める内包された防錆剤の割合は、10質量%以上50質量%未満である。
  2. 前記マイクロカプセルに内包された防錆剤及び前記直接添加された防錆剤が、スルホネート化合物であることを特徴とする請求項1に記載のグリース組成物。
  3. 前記マイクロカプセルに内包された防錆剤及び前記直接添加された防錆剤が、バリウムスルホネート及びカルシウムスルホネートの少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載のグリース組成物。
  4. 転がり軸受に使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  5. 外面に軌道面を有する内方部材と、前記内方部材の軌道面に対向する軌道面を有し前記内方部材の外方に配された外方部材と、前記両軌道面間に転動自在に配された複数の転動体と、前記両軌道面と前記転動体との間の潤滑を行う潤滑剤と、を備える転動装置において、前記潤滑剤が、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリース組成物であることを特徴とする転動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013174334A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Nsk Ltd ハードディスクドライブ装置のアクチュエータ用転がり軸受
CN114410365A (zh) * 2021-12-30 2022-04-29 中国科学院兰州化学物理研究所 一种机车轮轨用固体润滑棒及其制备方法

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