JP2007284513A - 潤滑剤および転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐フレッチング性を高めることができる転がり軸受を提供すること。
【解決手段】外周面に内輪軌道を有する内輪12と、内周面に外輪軌道を有する外輪14と、内輪12の内輪軌道面12aと外輪14の外輪軌道面14aとの間に転動自在に配設された複数の転動体(玉)16と、各転動体16を保持する保持器18とを備え、潤滑剤が封入された転がり軸受において、潤滑剤は、イオン性液体を含有する基油と、添加剤を内包するマイクロカプセルとを含む。
【選択図】図1
【解決手段】外周面に内輪軌道を有する内輪12と、内周面に外輪軌道を有する外輪14と、内輪12の内輪軌道面12aと外輪14の外輪軌道面14aとの間に転動自在に配設された複数の転動体(玉)16と、各転動体16を保持する保持器18とを備え、潤滑剤が封入された転がり軸受において、潤滑剤は、イオン性液体を含有する基油と、添加剤を内包するマイクロカプセルとを含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、音響特性、フレッチング防止機能に優れた潤滑剤及びそれを封入した転がり軸受に関し、特に、長時間回転し、かつ低騒音性が要求されるコンピュータ等のハードディスクドライブ(HDD)等のような情報機器や、レーザービームプリンタ(LBP)等の事務機器等に好適な転がり軸受用潤滑剤及び転がり軸受に関する。
従来、軸受の潤滑剤には、潤滑油またはグリースが多く使用されている。潤滑剤の主成分となる基油としては、鉱物油やポリαオレフィン油、エステル油、シリコーン油、フッ素油等の合成油が挙げられる。
ところで、情報機器には、転がり玉軸受、ころ軸受等の転動装置が用いられているが、情報機器を搬入したり搬出したりする際、あるいは情報機器を携帯する際に、5〜300Hz程度の低周波数の振動が生じることがある。このような振動が転動装置に作用すると、軸受内のボールまたはころと内外輪のレース面が損傷を受けて劣化するフレッチングという現象が生じることがある。フレッチング現象が生じると、転がり軸受又はころ軸受の音響特性が悪くなるだけでなく、情報機器自体にも悪影響を及ぼすおそれがある。
フレッチング発生部位の温度を測定した報告例は非常に少ないが、表面損傷の凝着状態の観察結果からは、フレッチング発生部位はかなりの高温に達していることが予想され、軸受としては、より耐高温性のものが要求されている。そのため、フレッチング磨耗の対策としてこれまで様々な対策が採られている。
従来、例えば、グリース組成物を潤滑剤として使用し、グリース組成物中の基油動粘度を限定することによって耐フレッチング性を向上させるようにしたものが提案されている(特許文献1、2参照)。一方、常温溶融塩であるイオン性液体は、様々な有機イオンの組合せによって低粘度であるため、潤滑剤などに使用したものが各種提案されている(特許文献3、非特許文献1、2、3、4、5参照)。
特開2004−352858号公報
特開2002−180077号公報
特開2004−183868号公報
社団法人 日本トライボロジー学会,予稿集,東京2004-5,p163-p164
社団法人 日本トライボロジー学会,予稿集,東京2004-5,p165-p167
機能材料 シーエムシー出版,2004年11月号,p63-68
社団法人 日本トライボロジー学会,予稿集,鳥取2004-11,p569-p570
社団法人 日本トライボロジー学会,予稿集,鳥取2004-11,p571-p572
フレッチング現象は、軸受各部の接触面での凝着によって生じると考えられ、面の温度は相当高いことが予想される。また、グリース組成物の場合、高温になると、増ちょう剤の構造が不安定になり、油が分離しやすくなって、徐々に性能が低下していくと考えられる。また、油も少しずつであるが、接触面においては蒸発してしまうと考えられる。しかし、上記した各従来技術では、耐フレッチング性を高めるには十分ではなく、さらなる改善が必要である。
そこで、本発明は、熱安定性の高い潤滑剤を提供するとともに、耐フレッチング性の高い転がり軸受を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の潤滑剤は、イオン性液体を含有する基油と、添加剤を内包するマイクロカプセルとを含む。
イオン性液体は非常に熱安定性に優れているため、イオン性液体を含む潤滑剤を転がり軸受けに封入した場合、耐フレッチング性に効果がある。
また、イオン性液体は反応活性が高いため、添加剤との相性を考えると使用できる添加剤が限られてしまう。しかしながら、本発明では、添加剤はマイクロカプセルに内包されて周囲とは隔離されているため、イオン性液体との反応による添加剤の劣化を抑制することができる。この結果、潤滑剤の性能を長期にわたって維持できる。
また、イオン性液体は反応活性が高いため、添加剤との相性を考えると使用できる添加剤が限られてしまう。しかしながら、本発明では、添加剤はマイクロカプセルに内包されて周囲とは隔離されているため、イオン性液体との反応による添加剤の劣化を抑制することができる。この結果、潤滑剤の性能を長期にわたって維持できる。
前記イオン性液体は、例えば、脂肪族アミン系カチオン、脂環式アミン系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、およびピリジン系カチオンからなる群より選択される1以上のカチオンを含む。これらのカチオンを含むイオン性液体は、不燃、不揮発性であり、かつ優れた熱安定性をもつ。
前記イオン性液体は、例えば、BF4 -、PF6 -、[(CF3SO2)2N]-、Cl-、およびBr-からなる群より選択される1以上のアニオンを含む。これらのアニオンを含むイオン性液体は、不燃、不揮発性であり、かつ優れた熱安定性をもつ。
前記添加剤は、清浄分散剤を含むことが好ましい。これにより、潤滑剤の耐フレッチング性を向上させることができる。
さらに、上記の目的を達成するため、本発明の転がり軸受は、外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に封入された、上記の潤滑剤とを備える。
フレッチング損傷は、軸受各部の接触面での凝着によって生じると考えられ、接触面の温度は雰囲気温度に比べて相当上昇していることが考えられる。イオン性液体は非常に熱安定性に優れているため、イオン性液体を含む潤滑剤を転がり軸受けに封入した場合、耐フレッチング性の高い転がり軸受を実現することができる。
また、イオン性液体は反応活性が高いため、添加剤との相性を考えると使用できる添加剤が限られてしまう。しかしながら、本発明では、添加剤はマイクロカプセルに内包されて周囲とは隔離されているため、イオン性液体との反応による添加剤の劣化を抑制することができる。この結果、潤滑剤の性能を長期にわたって維持でき、長期間使用可能な転がり軸受を実現することができる。
また、イオン性液体は反応活性が高いため、添加剤との相性を考えると使用できる添加剤が限られてしまう。しかしながら、本発明では、添加剤はマイクロカプセルに内包されて周囲とは隔離されているため、イオン性液体との反応による添加剤の劣化を抑制することができる。この結果、潤滑剤の性能を長期にわたって維持でき、長期間使用可能な転がり軸受を実現することができる。
本発明によれば、イオン性液体を含有する基油を用い、添加剤をマイクロカプセルに内包させることにより、熱安定性の高い潤滑剤を得ることができる。また、この潤滑剤を封入することにより、転がり軸受の耐フレッチング性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るアンギュラ玉軸受の要部断面図である。
図1において、アンギュラ玉軸受10は、転がり軸受として、円環状に形成されて、外周面に内輪軌道を有する内輪12と、円環状に形成されて、内周面に外輪軌道を有する外輪14と、内輪12の内輪軌道面12aと外輪14の外輪軌道面14aとの間に転動自在に配設された複数の転動体(玉)16と、各転動体16を保持する保持器18とを備え、内輪軌道と外輪軌道との間に、潤滑剤20が封入されている。
本実施形態に係る潤滑剤20は、基油としてイオン性液体を含む。イオン性液体は、正負のイオンからなる液状の塩であり、正負のイオンがイオン結合で結びついているため、不燃、不揮発性でありかつ優れた熱安定性をもっている。
このイオン性液体の40℃での動粘度は、20〜200mm2/sである。また、潤滑剤は、添加剤を内包するマイクロカプセル21を含有する。添加剤は、例えば0.01〜5μmの粒径のマイクロカプセルを潤滑剤全体の0.1〜50%含有している。
添加剤は、マイクロカプセルに内包されているため、通常は添加剤と、イオン性液体とは接触しない状態にあるが、潤滑剤がアンギュラ玉軸受10の負荷圏(軌道面12a,14aと転動体16との接触部)に到達した際には、マイクロカプセルが物理的に破壊されて添加剤が放出され、添加剤が負荷圏に供給されるようになっている。例えば、マイクロカプセルに占める添加剤の割合は、10〜98%である。
イオン性液体は反応活性が高い。このため、イオン性液体と添加剤とが反応してしまうと、添加剤の劣化、あるいは添加剤の機能喪失のおそれがある。その結果、潤滑剤20の性能が低下してしまうおそれがある。イオン性液体と反応しない添加剤を選ぶ方法も考えられるが、この場合には選択できる添加剤が限られてしまう。本実施形態では、添加剤はマイクロカプセル21内に隔離されているため、潤滑剤20の性能が長期間にわたって維持されるので、アンギュラ玉軸受10は潤滑性に優れ長寿命となる。
以下に、本実施形態の潤滑剤20について、詳細に説明する。
(イオン性液体)
イオン性液体を構成するカチオンとしては、以下に示される脂肪族アミン系、脂環式アミン系、イミダゾリウム系、ピリジン系等をカチオンに挙げることができる(脂肪族アミン系…化1、脂環式アミン系…化2、イミダゾリウム系…化3、ピリジン系…化4)。
(イオン性液体)
イオン性液体を構成するカチオンとしては、以下に示される脂肪族アミン系、脂環式アミン系、イミダゾリウム系、ピリジン系等をカチオンに挙げることができる(脂肪族アミン系…化1、脂環式アミン系…化2、イミダゾリウム系…化3、ピリジン系…化4)。
イオン性液体を構成するアニオン(X-)としては、BF4 -、PF6 -、[(CF3SO2)2N]-、Cl-、Br-等を挙げることができる。
アルキル基の炭素数が多く分子量が大きい程、動粘度が大きくなる。40℃動粘度は、およそ12mm2/sから260mm2/s程度のものが知られ、イオン性液体を単独又は組合せることによって、適切な粘度の基油を得ることができる。また、融点が−45℃以下のものも実在し、潤滑油の使用範囲を十分満たしている。これらのイオン性液体は、単独又は2種以上混合して用いることができる。
動粘度は、炭化水素鎖(R)の炭素数及び/又は鎖長さによって定まってくる。また、潤滑剤に含有されるイオン性液体の40℃での動粘度は、20mm2/s未満では潤滑膜ができにくく、200mm2/s以上であると、回転時の初期トルクが高くなる。したがって、潤滑剤に含有されるイオン性液体の40℃での動粘度は、20mm2/s〜200mm2/sであることが好ましい。
(他の基油)
基油は、イオン性液体以外の基油を含んでいても良い。イオン性液体とともに使用される基油は特に限定されず、通常潤滑油の基油として使用されている油は全て使用することができる。具体例としては、鉱油系、合成油系または天然油系の潤滑油などが挙げられる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。合成油系潤滑基油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。この中で、炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1-デセンオリゴマー、1-デセンとエチレンコオリゴマーなどのポリ-α-オレフィンまたはこれらの水素化物などが挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、などのアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレンなどのアルキルナフタレンなどが挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ-2-エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレートなどのジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテートなどの芳香族エステル油、さらにはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール-2-エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネートなどのポリオールエステル油、さらにはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油などが挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリーコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテルなどのポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテルなどのフェニルエーテル油などが挙げられる。その他の合成潤滑基油としてはトリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテルなどが挙げられる。天然油系潤滑基油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはこれらの水素化物が挙げられる。
基油は、イオン性液体以外の基油を含んでいても良い。イオン性液体とともに使用される基油は特に限定されず、通常潤滑油の基油として使用されている油は全て使用することができる。具体例としては、鉱油系、合成油系または天然油系の潤滑油などが挙げられる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。合成油系潤滑基油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。この中で、炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1-デセンオリゴマー、1-デセンとエチレンコオリゴマーなどのポリ-α-オレフィンまたはこれらの水素化物などが挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン、などのアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレンなどのアルキルナフタレンなどが挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ-2-エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレートなどのジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテートなどの芳香族エステル油、さらにはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール-2-エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネートなどのポリオールエステル油、さらにはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油などが挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリーコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテルなどのポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテルなどのフェニルエーテル油などが挙げられる。その他の合成潤滑基油としてはトリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテルなどが挙げられる。天然油系潤滑基油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはこれらの水素化物が挙げられる。
(増ちょう剤)
本実施形態に係る潤滑剤には、増ちょう剤が含まれていてもよい。増ちょう剤は、ゲル構造を形成し、基油をゲル構造中に保持する能力があれば、特に制約はない。例えば、Li、Na等からなる金属石けん、Li、Na、Ba、Ca等から選択される複合金属石けん等の金属石けん類、ベントン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物等の非石けん類を適宜選択して使用できるが、グリースの耐熱性を考慮するとウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物または、これらの混合物が好ましい。ウレア化合物としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でもジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物またはこれらの混合物がより好ましい。さらに好ましくは、ジウレア化合物を配合することが望ましい。上記ウレア化合物は増ちょう剤量としては、グリース全量に対して、5〜40重量%であることが好ましい。ここで、増ちょう剤の配合割合が5重量%未満であると、グリース状態を維持することが困難になってしまい、一方、増ちょう剤の配合割合が40重量%を超えると、グリース組成物が硬くなりすぎて、潤滑状態を十分に発揮することができなくなってしまうため、好ましくない。
本実施形態に係る潤滑剤には、増ちょう剤が含まれていてもよい。増ちょう剤は、ゲル構造を形成し、基油をゲル構造中に保持する能力があれば、特に制約はない。例えば、Li、Na等からなる金属石けん、Li、Na、Ba、Ca等から選択される複合金属石けん等の金属石けん類、ベントン、シリカゲル、ウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物等の非石けん類を適宜選択して使用できるが、グリースの耐熱性を考慮するとウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ウレタン化合物または、これらの混合物が好ましい。ウレア化合物としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物またはこれらの混合物が挙げられ、これらの中でもジウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン化合物またはこれらの混合物がより好ましい。さらに好ましくは、ジウレア化合物を配合することが望ましい。上記ウレア化合物は増ちょう剤量としては、グリース全量に対して、5〜40重量%であることが好ましい。ここで、増ちょう剤の配合割合が5重量%未満であると、グリース状態を維持することが困難になってしまい、一方、増ちょう剤の配合割合が40重量%を超えると、グリース組成物が硬くなりすぎて、潤滑状態を十分に発揮することができなくなってしまうため、好ましくない。
(マイクロカプセル)
マイクロカプセルを構成する材料は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂等の樹脂を含有する樹脂組成物が好ましい。具体例としては、ポリウレタン系樹脂組成物,ポリエステル系樹脂組成物,ポリアミド系樹脂組成物,ポリウレア系樹脂組成物,フェノール系樹脂組成物,ポリビニルアルコール系樹脂組成物,メラミン系樹脂組成物,ポリエチレン系樹脂組成物,ポリスチレン系樹脂組成物,セルロース,ゼラチン等があげられる。
マイクロカプセルを構成する材料は特に限定されるものではないが、熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂等の樹脂を含有する樹脂組成物が好ましい。具体例としては、ポリウレタン系樹脂組成物,ポリエステル系樹脂組成物,ポリアミド系樹脂組成物,ポリウレア系樹脂組成物,フェノール系樹脂組成物,ポリビニルアルコール系樹脂組成物,メラミン系樹脂組成物,ポリエチレン系樹脂組成物,ポリスチレン系樹脂組成物,セルロース,ゼラチン等があげられる。
マイクロカプセルを製造する方法は特に限定されるものではなく、添加剤の性質やマイクロカプセルを構成する材料の性質等を考慮して選択される。具体例としては、界面重合法,in situ重合法,相分離法,液中乾燥法,オリフィス法,スプレードライ法,気中懸濁被覆法,ハイブリダンザー法等があげられる。均一な粒径を有するマイクロカプセルを製造するためには、マイクロカプセルの製造条件を適宜調整することが好ましいが、粒度分布を有するマイクロカプセルから、遠心分離法やフィルター法によって均一な粒径を有するマイクロカプセルを分離してもよい。
(添加剤−清浄分散剤)
マイクロカプセル21には、潤滑剤に一般的に使用される各種添加剤を内包させることができる。添加剤は、イオン性液体に可溶であるものが好ましい。特に、フレッチングを防止するため、添加剤として、清浄分散剤、極圧剤、防錆剤のいずれかを使用することが好ましい。
マイクロカプセル21には、潤滑剤に一般的に使用される各種添加剤を内包させることができる。添加剤は、イオン性液体に可溶であるものが好ましい。特に、フレッチングを防止するため、添加剤として、清浄分散剤、極圧剤、防錆剤のいずれかを使用することが好ましい。
清浄分散剤の種類としては、スルホネート、フェネート、ホスホネート、こはく酸イミド等が挙げられる。
極圧剤としては、例えば、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物やジアルキルジチオリン酸モリブデン、ジアリールジチオリン酸モリブデン、ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン等の有機モリブデン化合物や、チオカルバミン化合物や、ホスフェート、ホスファイト類等を使用することができる。
防錆剤としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属等の有機スルフォン酸塩、アルキル、アルケニルこはく酸エステル等のアルキル、アルケニルこはく酸誘導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの部分エステル等の防錆剤を使用することができる。
(添加剤−その他)
なお、その他にも、酸化防止剤,金属腐食防止剤を使用してもよい。また、必要に応じて、泡立ち防止剤,着色剤,固体潤滑剤,流動点降下剤,粘度指数向上剤等を使用してもよい。
なお、その他にも、酸化防止剤,金属腐食防止剤を使用してもよい。また、必要に応じて、泡立ち防止剤,着色剤,固体潤滑剤,流動点降下剤,粘度指数向上剤等を使用してもよい。
酸化防止剤としては一般的に使用される酸化防止剤を使用できる。例えば、フェニル−1−ナフチルアミン等のアミン系、2、6−ジ−tert−ジブチルフェノール等のフェノール系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤を使用することができる。
上記した添加剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、これらの添加剤は、互いに重複する作用をもつものもあるため、例えば清浄分散剤の代わりに防錆剤を用いても良い。
マイクロカプセル内には、添加剤に加えて基油が内包されていてもよい。基油の種類は特に限定されるものではなく、グリースや潤滑油の基油として一般的に使用される基油であれば、問題なく使用することができる。基油の具体例は、潤滑剤の基油と同様である。
以下に、実施例1〜5及び比較例1〜4を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は、これによって何ら制限されるものではない。
表1〜3に示した9種類の潤滑剤をそれぞれ各軸受に封入し、フレッチング試験およびトルク試験を行った。潤滑剤の成分および特性、並びに試験結果について、表1〜3に示した。
イオン性液体のアニオン(X-)として、実施例1〜5では、(CF3SO2)2N-を用い、比較例1では、PF6 -を用いた。[化5]は、実施例1,5と比較例1に用いたカチオンの式である。[化6]は、実施例2,4に用いたカチオンの式である。[化7]は、実施例3に用いたカチオンの式である。なお、比較例2、3、4には、潤滑剤として、ジエステル油、POE(ポリオールエステル油)、鉱油をそれぞれ用いた。
実施例4の添加剤であるBaスルホネートとして、NASUL−BSN(KING社製)を用いた。実施例5の添加剤であるSP系添加剤として、IRGALUBE63(チバ・スペシャリティケミカルズ社製)を用いた。Baスルホネート、SP系添加剤は、フレッチング耐性を向上させる清浄分散剤の一例である。ただし、Baスルホネートは、防錆剤としても分類される。また、Sp系添加剤は、極圧剤としても分類される。実施例4、5で使用した2種類のマイクロカプセルは、平均粒径がそれぞれ800nm、700nmであることが電子顕微鏡によって確認されている。
(フレッチング試験)
フレッチング試験は、695VV軸受(外径13mm、内径5mm、幅4mm)に各潤滑剤を5μl封入し、アキシアル荷重14.7N、周波数75Hz、内輪と玉の揺動全振幅40μm、揺動回数27万回で行った。フレッチング試験で得られた内輪フレッチング磨耗痕の短径の幅をそれぞれ算出し、各算出値のうち比較例1の値を1とし、その他の値をその比で示した。更に、フレッチング試験前後の軸受音響(アンデロンハイバンド値)を測定し、上昇値が0以上1未満を◎、1以上2未満を○、2以上3未満を△、3以上を×とした。
フレッチング試験は、695VV軸受(外径13mm、内径5mm、幅4mm)に各潤滑剤を5μl封入し、アキシアル荷重14.7N、周波数75Hz、内輪と玉の揺動全振幅40μm、揺動回数27万回で行った。フレッチング試験で得られた内輪フレッチング磨耗痕の短径の幅をそれぞれ算出し、各算出値のうち比較例1の値を1とし、その他の値をその比で示した。更に、フレッチング試験前後の軸受音響(アンデロンハイバンド値)を測定し、上昇値が0以上1未満を◎、1以上2未満を○、2以上3未満を△、3以上を×とした。
(トルク試験)
軸受トルクは608ZZ玉軸受(外径22mm、内径8mm、幅7mm、金属シールド付)に潤滑剤を空間容積の20%封入し、室温、アキシアル荷重27.4N、1000min-1で試験し、3分後の動トルクを測定した。基油動粘度がほぼ同様である実施例3と比較例2の測定を行い、比較例1の値を基準として、基準よりもトルクが低い場合を合格とした。
軸受トルクは608ZZ玉軸受(外径22mm、内径8mm、幅7mm、金属シールド付)に潤滑剤を空間容積の20%封入し、室温、アキシアル荷重27.4N、1000min-1で試験し、3分後の動トルクを測定した。基油動粘度がほぼ同様である実施例3と比較例2の測定を行い、比較例1の値を基準として、基準よりもトルクが低い場合を合格とした。
表1〜3に示す試験結果から、本発明に係るイオン性液体を含有する潤滑剤は、既知の潤滑油と同等または同等以上のトルク性能を示し、耐フレッチング性能に優れていることが分かる。したがって、本発明に係るイオン性液体を潤滑剤として転がり軸受に封入することで、低騒音特性が特に要求されている情報機器や各種事務機器等の軸受として好適に機能することが分かる。さらに、添加剤を内包したマイクロカプセルを添加することにより、イオン性液体を含有する潤滑剤のトルク性能および耐フレッチング性能をさらに向上させることができることが分かる。
10…アンギュラ玉軸受、12…内輪、12a…内輪軌道面、14…外輪、14a…外輪軌道面、16…転動体、18…保持器、20…潤滑剤、21…マイクロカプセル
Claims (5)
- イオン性液体を含有する基油と、
添加剤を内包するマイクロカプセルと、
を含む潤滑剤。 - 前記イオン性液体が、脂肪族アミン系カチオン、脂環式アミン系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、およびピリジン系カチオンからなる群より選択される1以上のカチオンを含む、
請求項1記載の潤滑剤。 - 前記イオン性液体がBF4 -、PF6 -、[(CF3SO2)2N]-、Cl-、およびBr-からなる群より選択される1以上のアニオンを含む、
請求項1または2に記載の潤滑剤。 - 前記添加剤は、清浄分散剤を含む、
請求項1〜3のいずれかに記載の潤滑剤。 - 外周面に内輪軌道を有する内輪と、
内周面に外輪軌道を有する外輪と、
前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に転動自在に配設された複数の転動体と、
前記複数の転動体を保持する保持器と、
前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に封入された、請求項1〜4のいずれかに記載の潤滑剤と、
を備える転がり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006111737A JP2007284513A (ja) | 2006-04-14 | 2006-04-14 | 潤滑剤および転がり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006111737A JP2007284513A (ja) | 2006-04-14 | 2006-04-14 | 潤滑剤および転がり軸受 |
Publications (1)
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JP2007284513A true JP2007284513A (ja) | 2007-11-01 |
Family
ID=38756603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006111737A Pending JP2007284513A (ja) | 2006-04-14 | 2006-04-14 | 潤滑剤および転がり軸受 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007284513A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013174334A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Nsk Ltd | ハードディスクドライブ装置のアクチュエータ用転がり軸受 |
JP2017141951A (ja) * | 2015-06-10 | 2017-08-17 | 日本精工株式会社 | 転動装置 |
-
2006
- 2006-04-14 JP JP2006111737A patent/JP2007284513A/ja active Pending
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