JP2007002140A - グリース組成物および転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐高温性をより高めること。
【解決手段】 内輪11と外輪12との間には保持器14が配設され、保持器14の各ポケット部14aには転動体としての玉13が転動自在に配置され、各玉13は保持器14に保持されている。玉13と保持器14との間などには潤滑剤として、グリース組成物が封入されており、このグリース組成物は、基油と増ちょう剤および添加剤からなり、基油はイオン性液体を含んでなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 内輪11と外輪12との間には保持器14が配設され、保持器14の各ポケット部14aには転動体としての玉13が転動自在に配置され、各玉13は保持器14に保持されている。玉13と保持器14との間などには潤滑剤として、グリース組成物が封入されており、このグリース組成物は、基油と増ちょう剤および添加剤からなり、基油はイオン性液体を含んでなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、音響機器、フレッチング防止機能に優れたグリース組成物及びそれを封入した軸受に関し、特に、長時間回転し、かつ低騒音特性が要求されるコンピュータ等の情報機器や各種事務機器等に搭載されるハードディスクドライブ(HDD)等の潤滑に用いるグリース組成物及びグリース組成物を封入した転がり軸受に関する。
従来、軸受の潤滑剤には、潤滑油またはグリースが多く使用されている。潤滑剤の主成分となる基油としては、鉱物油やポリαオレフィン油、エステル油、シリコーン油、フッ素油等の合成油が挙げられる。
ところで、情報機器には、転がり玉軸受、ころ軸受等の転動装置が用いられているが、情報機器を搬入したり搬出したりする際、あるいは情報機器を携帯する際に、5〜300Hz程度の低周波数の振動が生じることがある。このような振動が転動装置に作用すると、軸受内のボールまたはころと内外輪のレース面が損傷を受けて劣化するフレッチングという現象が生じることがある。フレッチング現象が生じると、転がり軸受又はころ軸受の音響特性が悪くなるだけでなく、情報機器自体にも悪影響を及ぼす恐れがある。この場合、フレッチング発生部位の温度を測定した報告例は非常に少ないが、表面損傷の凝着状態の観察結果からは、フレッチング発生部位はかなりの高温に達していることが予想され、軸受としては、より耐高温性のものが要求されている。
また、玉軸受においては、すべりが大きくなることで軸受寿命が大幅に短くなることが知られている。例えば、軸受の高速化や軸方向荷重が非常に大きくかかり、接触角が大きくなると、ころ軸受では荷重が増えたり回転数が増したりすることで、つば部が損傷することがある。摩擦磨耗には、潤滑油の分子構造が大きく影響しており、これまで様々な構造の化合物が試験されてきている。
具体的には、ハードディスクドライブ等の情報関連機器の転がり軸受に好適に利用できる潤滑組成物として、エステル油を混合した油が提案されている(特許文献1参照)。また、炭酸エステルを必須成分として含有した基油に、他の油を混ぜることにより、低トルクや低騒音、長寿命を実現するようにしたものが提案されている(特許文献2参照)。
一方、自動車の電装部品等に用いられるグリースの基油として、芳香族エステルを2〜5割含み、残りがアルキルジフェニルエーテルから成るグリースを用いて、高温、高速、高荷重で耐久性に優れたものが提案されている(特許文献3参照)。
一方、常温溶融塩であるイオン性液体は、様々な有機イオンの組合せによって低粘度であるため、潤滑剤などに使用したものが各種提案されている(特許文献4、非特許文献1、2、3、4、5参照)。
特開平8−283767号公報
特開2003−166546号公報
特開2003−13973号公報
特開2004−183868号公報
社団法人 日本トライボロジー学会 予稿集 東京2004-5 p163-p164
社団法人 日本トライボロジー学会 予稿集 東京2004-5 p165-p167
機能材料 シーエムシー出版 2004年11月号 p63-68
社団法人 日本トライボロジー学会 予稿集 鳥取2004-11 p569-p570
社団法人 日本トライボロジー学会 予稿集 鳥取2004-11 p571-p572
一方、常温溶融塩であるイオン性液体は、様々な有機イオンの組合せによって低粘度であるため、潤滑剤などに使用したものが各種提案されている(特許文献4、非特許文献1、2、3、4、5参照)。
従来技術においては、イオン性液体を潤滑剤などに使用しているものもあるが、潤滑剤に用いるグリース組成物として、耐高温性をより高めるには十分ではない。
本発明は、耐高温性をより高めることができるグリース組成物および転がり軸受を提供することを目的とするものである。
本発明は、耐高温性をより高めることができるグリース組成物および転がり軸受を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明は、基油と増ちょう剤および添加剤からなるグリース組成物において、前記基油はイオン性液体を含んでなるグリース組成物を構成したものである。
前記した手段によれば、基油にイオン性液体を使用することで、耐高温性をより高めることができる。
また、本発明は、外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器とを備え、グリース組成物が封入された転がり軸受けにおいて、前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤および添加剤からなり、前記基油はイオン性液体を含んでなることを特徴とする転がり軸受を構成したものである。
前記した手段によれば、グリース組成物の基油にイオン性液体を使用することで、耐高温性をより高めることができ、低騒音化に寄与することができる。
本発明によれば、グリース組成物の耐高温性をより高めることができ、耐フレッチング性能を高めることができる。転がり軸受の低騒音化に寄与することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る転がり軸受の縦断面図、図2は保持器の斜視図である。図1及び図2において、転がり軸受10は、転動装置の一要素として、外周面に内輪軌道を有する円環状の内輪11と、内周面に外輪軌道を有する円環状の外輪12とを備えており、内輪11と外輪12との間には保持器14が配設されている。保持器14の各ポケット部14aには転動体としての玉13が転動自在に配置され、各玉13は保持器14に保持されている。玉13と保持器14との間などにはグリース組成物などの潤滑剤が封入されており、玉13の周囲は内輪11、外輪12及びシール15によって覆われている。シール15は、封入されたグリースが外部に漏洩するのを防止するとともに、外部からの異物が侵入するのを防止するようになっている。
ここで、グリース組成物として、基油と増ちょう剤および添加剤からなり、基油はイオン性液体を含んで構成されている。
潤滑油の基油に用いるイオン性液体には、脂肪族アミン系、脂環式アミン系、イミダゾリウム系、ピリジン系等をカチオンに挙げることができ、これらを以下の式で示す(脂肪族アミン系…化1、脂環式アミン系…化2、イミダゾリウム系…化3、ピリジン系…化4)。
ここで、グリース組成物として、基油と増ちょう剤および添加剤からなり、基油はイオン性液体を含んで構成されている。
潤滑油の基油に用いるイオン性液体には、脂肪族アミン系、脂環式アミン系、イミダゾリウム系、ピリジン系等をカチオンに挙げることができ、これらを以下の式で示す(脂肪族アミン系…化1、脂環式アミン系…化2、イミダゾリウム系…化3、ピリジン系…化4)。
アニオン(X-)には、BF4 -、PF6 -、[(CF3SO2)2N]-、Cl-、Br-等を挙げることができる。
アルキル基の炭酸数が多く分子量が大きい程、動粘度が大きくなる。
40℃動粘度は、およそ12mm2/sから260mm2/s程度のものが知られ、イオン性液体を単独又は組合せることによって、適切な粘度の基油を得ることができる。また、融点が−45℃以下のものも実在し、潤滑油の使用範囲を十分満たしている。
[増ちょう剤]
基油を保持する能力があれば特に制約はない。高温化でのグリースの性状変化を抑えるために耐熱性の良好な増ちょう剤が好ましい。増ちょう剤として金属石けんは、またはウレア化合物を用いる。金属石けんは、具体的にはステアリン酸リチウムや12−ヒドロキシステアリン酸リチウム等が挙げられる。また、複合化剤との共晶によって形成された金属複合石けんは、耐熱性に優れている。複合化剤としては二塩基酸またはそのエステルの他に、リン酸またはホウ酸、サルチル酸のような芳香族酸のリチウム塩があるが、二塩基酸を用いたグリースが一般的である。二塩基酸としてはアジピン酸、スペリン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
また、ウレア化合物では、イソシアネートの末端基として芳香族系炭化水素、脂環族系炭化水素、脂肪族系炭化水素主体のジウレア化合物が好適である。
用途によっては、導電性カーボンブラック、グラファイト、ベントナイト、マイカ、ポリテトラフルオロエチレン等の固体微粒子の使用も可能である。ただし、固体微粒子の一次粒子径が2μmを超える場合、転がり軸受等に封入した際、軸受の振動に影響し、音響が過大になる恐れがあり、好ましくない。
増ちょう剤は50mass%を超えると、トルク過大や、油分の役割が少なくなり、潤滑寿命を損ねる恐れがある。主に軸受用途であるため、グリースのちょう度(硬さ)は、200〜350程度が好ましい。200未満だとグリースの流動が悪く、軸受トルクが安定しない恐れがある。また、350を超えると軸受などに封入した際、グリース漏洩を引き起こす恐れがある。
[添加剤]
適宜、往来から使用されている防錆剤や酸化防止剤、摩耗防止剤等の添加剤を混合することができる。本願のイオン性液体は、アルコール等には溶解するが、へキサンには不溶である。グリース自体半固体性物質であるため、ニーダやミーリングによって均一混合することも可能であるが、添加剤は、イオン性液体に可溶であるものが好ましい。具体的には亜鉛ジチオホスフェート(Zn−DTP)やリン酸トリクレジル(TCP)、ジベンジルサルファイドが挙げられる。
[実施例]
以下に、フレッチング試験およびトルク試験を行うに際して、実施例1〜9及び比較例1〜3を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は、これによって何ら制限されるものではない。
[増ちょう剤]
基油を保持する能力があれば特に制約はない。高温化でのグリースの性状変化を抑えるために耐熱性の良好な増ちょう剤が好ましい。増ちょう剤として金属石けんは、またはウレア化合物を用いる。金属石けんは、具体的にはステアリン酸リチウムや12−ヒドロキシステアリン酸リチウム等が挙げられる。また、複合化剤との共晶によって形成された金属複合石けんは、耐熱性に優れている。複合化剤としては二塩基酸またはそのエステルの他に、リン酸またはホウ酸、サルチル酸のような芳香族酸のリチウム塩があるが、二塩基酸を用いたグリースが一般的である。二塩基酸としてはアジピン酸、スペリン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
また、ウレア化合物では、イソシアネートの末端基として芳香族系炭化水素、脂環族系炭化水素、脂肪族系炭化水素主体のジウレア化合物が好適である。
用途によっては、導電性カーボンブラック、グラファイト、ベントナイト、マイカ、ポリテトラフルオロエチレン等の固体微粒子の使用も可能である。ただし、固体微粒子の一次粒子径が2μmを超える場合、転がり軸受等に封入した際、軸受の振動に影響し、音響が過大になる恐れがあり、好ましくない。
増ちょう剤は50mass%を超えると、トルク過大や、油分の役割が少なくなり、潤滑寿命を損ねる恐れがある。主に軸受用途であるため、グリースのちょう度(硬さ)は、200〜350程度が好ましい。200未満だとグリースの流動が悪く、軸受トルクが安定しない恐れがある。また、350を超えると軸受などに封入した際、グリース漏洩を引き起こす恐れがある。
[添加剤]
適宜、往来から使用されている防錆剤や酸化防止剤、摩耗防止剤等の添加剤を混合することができる。本願のイオン性液体は、アルコール等には溶解するが、へキサンには不溶である。グリース自体半固体性物質であるため、ニーダやミーリングによって均一混合することも可能であるが、添加剤は、イオン性液体に可溶であるものが好ましい。具体的には亜鉛ジチオホスフェート(Zn−DTP)やリン酸トリクレジル(TCP)、ジベンジルサルファイドが挙げられる。
[実施例]
以下に、フレッチング試験およびトルク試験を行うに際して、実施例1〜9及び比較例1〜3を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は、これによって何ら制限されるものではない。
アニオン(X-)として、実施例1〜3では、(CF3SO2)2N-を用い、実施例4、5では、BF4 -用い、実施例6では、PF6 -を用いた。実施例1〜実施例6に用いたカチオンの式(化5〜化10)を以下に示す。実施例2と実施例5との比を6対4としたものを実施例7とし、実施例2と実施例5との比を4対6としたものを実施例8とした。
なお、各試験では、実施例9と比較例3を除いて、増ちょう剤に12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを使用した。また、実施例9は、実施例3とは増ちょう剤のみが異なり、増ちょう剤に脂環式ジウレアを使用したものとしている。また、比較例1におけるPAOはポリαオレフィン油を示し、比較例2と比較例3におけるPOEはポリオールエステル油を示す。比較例3は、比較例2とは増ちょう剤のみが異なり、増ちょう剤に脂環式ジウレアを使用している。これら実施例1〜9と比較例1〜3の内容を表1と表2に示す。
なお、各試験では、実施例9と比較例3を除いて、増ちょう剤に12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを使用した。また、実施例9は、実施例3とは増ちょう剤のみが異なり、増ちょう剤に脂環式ジウレアを使用したものとしている。また、比較例1におけるPAOはポリαオレフィン油を示し、比較例2と比較例3におけるPOEはポリオールエステル油を示す。比較例3は、比較例2とは増ちょう剤のみが異なり、増ちょう剤に脂環式ジウレアを使用している。これら実施例1〜9と比較例1〜3の内容を表1と表2に示す。
2.軸受トルクは、608ZZ玉軸受(外径22mm、内径8mm、幅7mm 、金属シールド付き)にグリースを空間容積の30%封入し、室温、アキ シアル荷重27.4N、1000min-1で試験し、3分後の動トルクを 測定した。基油動粘度がほぼ同様である実施例3と比較例2の測定を行い 、比較例1の値を基準として、基準よりもトルクが低い場合を合格とし、 それ以外を不合格(−)とした。
基油にイオン性液体を使用すると、実施例1〜実施例9に示すように、比較 例1〜比較例3のものよりも、フレッチング磨耗幅比が小さくなり、耐高温性 をより高めることができる。
また、上記試験結果から、基油にイオン性液体を使用することで、トルク性能を維持しながら、耐フレッチング性能を高めることができ、特に、低騒音特性が要求される情報機器や各種事務機器等の軸受の潤滑に適している。さらに、基油にイオン性液体を含むグリース組成物を転がり軸受に封入することで、耐高温性を高めることができるとともに、低騒音化に寄与することができる。
以下に、トルク及び発熱測定、耐磨耗試験、焼付き寿命試験を行うに際して、実施例10〜18及び比較例4〜6を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は、これによって何ら制限されるものではない。試験は、イオン性液体を基油としてグリースを試作し、それを用いて行った。
また、上記試験結果から、基油にイオン性液体を使用することで、トルク性能を維持しながら、耐フレッチング性能を高めることができ、特に、低騒音特性が要求される情報機器や各種事務機器等の軸受の潤滑に適している。さらに、基油にイオン性液体を含むグリース組成物を転がり軸受に封入することで、耐高温性を高めることができるとともに、低騒音化に寄与することができる。
以下に、トルク及び発熱測定、耐磨耗試験、焼付き寿命試験を行うに際して、実施例10〜18及び比較例4〜6を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は、これによって何ら制限されるものではない。試験は、イオン性液体を基油としてグリースを試作し、それを用いて行った。
アニオン(X-)として、実施例10〜12では、(CF3SO2)2N-を用い、実施例13、14では、BF4 -用い、実施例15では、PF6 -を用いた。実施例10〜実施例15に用いたカチオンの式は上記(化5〜化10)で表わされる。実施例11と実施例14との比を6対4としたものを実施例16とし、実施例11と実施例14との比を4対6としたものを実施例17とした。
なお、実施例18は、実施例12とはグリースに添加剤を含む(2mass%)ことが異なるのみで他の条件は同じである。また、比較例4におけるPAOはポリαオレフィン油を示し、比較例5と比較例6におけるPOEはポリオールエステル油を示す。比較例6は、比較例5とはグリースに添加剤を含む(2mass%)ことが異なるのみで他の条件は同じである。これら実施例10〜18と比較例4〜6の内容を表3と表4に示す。
なお、実施例18は、実施例12とはグリースに添加剤を含む(2mass%)ことが異なるのみで他の条件は同じである。また、比較例4におけるPAOはポリαオレフィン油を示し、比較例5と比較例6におけるPOEはポリオールエステル油を示す。比較例6は、比較例5とはグリースに添加剤を含む(2mass%)ことが異なるのみで他の条件は同じである。これら実施例10〜18と比較例4〜6の内容を表3と表4に示す。
トルク測定は、6305玉軸受(外径62mm、内径25mm、幅17mm )を用いて行った。試験は、6305玉軸受にグリースを空間容積の30%封 入し、25℃の雰囲気下で、ラジアル荷重27N、アキシアル荷重360N、 内輪回転速度13000min-1で行った。この条件で6305玉軸受を回転 させつづけ、10分後のトルクと外輪温度をそれぞれ測定し、測定結果を比較 した。
4.[耐磨耗試験]
耐磨耗試験は、直径10mmの軸受鋼球を鏡面に仕上げた平板に荷重59N 、振幅は0.7mm、振動数は10Hzで、80℃雰囲気で10分間行った。 3回試験後の平均磨耗痕径を算出し、算出値のうち比較例4の値を1とし、他 の値をその比で示した。
耐磨耗試験は、直径10mmの軸受鋼球を鏡面に仕上げた平板に荷重59N 、振幅は0.7mm、振動数は10Hzで、80℃雰囲気で10分間行った。 3回試験後の平均磨耗痕径を算出し、算出値のうち比較例4の値を1とし、他 の値をその比で示した。
5.[焼付き寿命試験]
軸受試験は、耐熱ゴムシールを備えた6305玉軸受(外径62mm、内径 25mm、幅17mm)にグリースを空間容積の30%封入し、外輪温度18 0℃、ラジアル荷重98N、内輪回転速度10000min-1で行った。途中 、温度上昇とモータ電流値(トルク)上昇を起こした場合、その時点を焼付き 寿命とし、試験軸受3個の平均値を示した。焼付き寿命は比較例4の寿命を1 とし、他の寿命をその比で示した。
軸受試験は、耐熱ゴムシールを備えた6305玉軸受(外径62mm、内径 25mm、幅17mm)にグリースを空間容積の30%封入し、外輪温度18 0℃、ラジアル荷重98N、内輪回転速度10000min-1で行った。途中 、温度上昇とモータ電流値(トルク)上昇を起こした場合、その時点を焼付き 寿命とし、試験軸受3個の平均値を示した。焼付き寿命は比較例4の寿命を1 とし、他の寿命をその比で示した。
表3、4から、イオン性液体を基油として含むグリースを封入した実施例1 0〜18のものはいずれも比較例4〜6よりも寿命比が大きく、磨耗痕径が小 さいことが分かる。
また、試験結果から、本発明に係るグリースは、従来のいくつかの添加剤を 加えた油と同等かそれよりも優れた性能を示すことが分かった。そのため、こ れまでのように、基油と増ちょう剤でできたベースのグリース性能を補完する ために、いくつものグリースを加える必要が無く、手間を省くことができる。 また、複数の添加剤の使用による弊害を気にする必要もなく、また、通常添加 剤が消耗してしまえば、それが補完していた性能が著しく落ちるが、油にその 性能があれば、消耗という点では特に配慮する必要はない。従って、耐磨耗性 や低トラクション性の向上においても大きなメリットがある。
本実施例によれば、イオン性液体を基油として含むグリースを転がり軸受に封 入することで、高速回転が必要な工作機械や電装品に使用可能な転がり軸受を 実現することができる。
10 転がり軸受
11 内輪
12 外輪
13 玉
14 保持器
11 内輪
12 外輪
13 玉
14 保持器
Claims (2)
- 基油と増ちょう剤および添加剤からなるグリース組成物において、前記基油はイオン性液体を含んでなることを特徴とするグリース組成物。
- 外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有する外輪と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に転動自在に配設された複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器とを備え、グリース組成物が封入された転がり軸受において、前記グリース組成物は、基油と増ちょう剤および添加剤からなり、前記基油はイオン性液体を含んでなることを特徴とする転がり軸受。
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Cited By (2)
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WO2008154997A1 (de) * | 2007-06-20 | 2008-12-24 | KLüBER LUBRICATION MüNCHEN KG | Schmierfettzusammensetzung |
JP2011518897A (ja) * | 2008-04-04 | 2011-06-30 | クリューバー リュブリケーション ミュンヘン コマンディートゲゼルシャフト | イオン液体ベースのグリース組成物 |
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- 2005-06-24 JP JP2005185718A patent/JP2007002140A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
WO2008154997A1 (de) * | 2007-06-20 | 2008-12-24 | KLüBER LUBRICATION MüNCHEN KG | Schmierfettzusammensetzung |
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