JP2008144777A - オルタネータ用転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温で高速回転する使用状態での寸法安定性、耐熱性、耐薬品性等を向上させ、しかも転がり軸受の組み立て時には保持には好ましい柔軟性があり、高温で高速回転する使用状態でも長寿命であり、使用状態における信頼性の高いオルタネータ用軸受とすることである。
【解決手段】自動車用オルタネータ1のステータ5に対面して回転するロータ6およびその回転軸3を支持する深溝玉軸受11などの転がり軸受であり、この転がり軸受の転動体を保持する保持器を重合度60〜120のポリアミド9T樹脂および繊維状充填材を含有する樹脂組成物で形成し、前記転動体が摺接する保持器の摺接面にはディンプルを散在するように形成して保油性を持たせたオルタネータ用転がり軸受とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、オルタネータ用転がり軸受に関し、特に、自動車用オルタネータの内部で熱影響を受けやすい回転軸支持用のオルタネータ用転がり軸受に関するものである。
一般に自動車用オルタネータ(交流発電機)は、ケーシングと、軸受によってケーシングに対して回転自在に支持される回転軸と、回転軸に固定されるプーリと、ケーシングに固定されるステータと、ステータと対面する位置で回転軸に固定されるロータとを備えたものである。
回転軸を回転自在に支持する軸受としては、転がり軸受が周知であり、このものは内輪と、外輪と、内輪および外輪の間に配置される複数の転動体と、隣接する転動体の間隔を保持する保持器と、軸受内部を密封する密封シールと潤滑剤としてのグリースを備えている。
保持器は、ポリアミド(ナイロン66)等のいわゆるエンジニアリングプラスチック単体、さらにガラス繊維や炭素繊維等の短繊維を混入した複合材で形成した樹脂または鉄板の打ち抜き(プレス)によって形成されている。
ポリアミド製保持器は、例えばポリアセタールと比較すると強度および耐熱性に優れており、ポリブチレンテレフタレートと比較すると成型時や軸受組立時に必要な柔軟性が高いものである。
耐熱性に優れたポリアミド9T樹脂からなる転がり軸受用保持器も公知である(特許文献1)。
特開2001−317554号公報
しかし、ポリアミド製の保持器が使用される自動車用オルタネータは、高効率化およびコンパクト化が進むにつれて、その要求に応えるために高速・高荷重回転が求められ、それに伴って回転軸を支持する転がり軸受の転動体も発熱し、内外輪の一般的な素材である鋼の焼き戻し温度(約170〜200℃)よりも高くなるような場合がある。
また、ポリアミド樹脂は、極圧添加剤、添加油等の油類と常時あるいは間欠的に接触する条件下で、経時的に材料が劣化することがある。
さらに、ポリアミドは、その分子構造中にアミド結合を有しているために、水の影響を受け易く、高温多湿時の吸水、乾燥時の脱水による寸法変化が大きく、転動体のスムーズな回転を妨げるおそれがある。
またポリアミド製の保持器が使用される自動車用オルタネータでは、より高速回転が求められる条件においては、保持器の摺動面における潤滑性が不充分になる可能性があり、高温・高速回転での安定した使用状態と軸受の長寿命化が求められている。
そこで、この発明の課題は、上記した自動車用オルタネータ用転がり軸受の問題点を解決して、高温で高速回転する使用状態での寸法安定性、耐熱性、耐薬品性等を向上させ、しかも転がり軸受の組み立て時には保持には好ましい柔軟性があり、高温で高速回転する使用状態でも長寿命であり、使用状態における信頼性の高いオルタネータ用軸受とすることである。
上記の課題を解決するために、この発明では、自動車用オルタネータのステータに対面する位置で回転するロータおよびその回転軸を支持する転がり軸受において、この転がり軸受の転動体を保持する保持器を重合度60〜120のポリアミド9T樹脂および繊維状充填材を含有する樹脂組成物で形成し、さらに前記転動体が摺接する保持器の摺接面にはディンプルを散在するように形成して保油性を持たせたことを特徴とするオルタネータ用転がり軸受としたのである。
上記したように構成されるこの発明のオルタネータ用転がり軸受は、所定重合度のポリアミド9T樹脂および繊維状充填材を含有する樹脂組成物で形成したことにより、保持器の剛性が向上すると共に、保持器の製造時における寸法精度が安定する。
所定範囲の重合度であるポリアミド9T樹脂は、耐熱性、耐油性、耐薬品性、寸法安定性、靱性に優れていると共に、保持器として所要の高い機械的性質および軸受の内・外輪への組み込みに必要な靱性、耐熱性および寸法安定性を有している。また、ガラス繊維等の繊維状充填材を加えることにより、保持器の剛性の向上、製造時の寸法精度の安定性が高められている。
特に、ポリアミド9T樹脂が、重合度80〜120のポリアミド9T樹脂である場合には、軸受温度が150℃を超える使用状態でもより長寿命で信頼性の高いオルタネータ用軸受になる。
保持器の摺接面にはディンプルを散在するように形成して保油性を持たせたので、摺接面の保油性の向上によって潤滑性能が向上し、前記樹脂組成物からなる保持器の特性が充分に発揮されるようになり、オルタネータ用転がり軸受の高温高速での安定した使用が可能になり、軸受のさらなる長寿命化が可能になる。
ディンプルの散在する保持器の摺接面が、表面粗さ(算術平均粗さ)Ra1μm〜10μm、より好ましくはRa3μm〜10μmであれば、合成油系グリースの摺接面の保油量が潤滑に充分な量になり、かつ軸受に振動なども起こり難い状態となって好ましい。
この発明は、所定重合度のポリアミド9T樹脂と繊維状充填材を含有する材料で保持器を形成し、かつ保持器の摺接面にはディンプルを散在するように形成したので、保持器の材質によって寸法安定性、柔軟性、耐熱性、耐薬品性等が向上すると共に、摺接面の保油性の向上により潤滑性能が向上し、その結果、高温で高速回転する使用状態での寸法安定性、耐熱性、耐薬品性等を向上させ、しかも転がり軸受の組み立て時には保持には好ましい柔軟性があり、高温で高速回転する使用状態でも長寿命であり、かつ使用状態における信頼性の高いオルタネータ用軸受となる利点がある。
すなわち、この発明は特にオルタネータ用転がり軸受としての適性については優れたものであり、高温雰囲気、油や薬品と接触する条件、高速回転条件、高負荷条件、多湿環境等の過酷な環境でも長寿命で信頼性の高い優れたオルタネータ用転がり軸受になる。
この発明の実施形態を以下に添付図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、実施形態の自動車用オルタネータ1は、主な構成部品としてケーシング2と、回転軸3と、プーリ4と、ステータ5と、ロータ6と、転がり軸受としての深溝玉軸受11とを備えている。
ケーシング2は、フロントブラケット2aと、リアブラケット2bとをボルト結合して構成し、回転軸3、ステータ5、ロータ6および深溝玉軸受11等を収容している。
回転軸3は、両端部の2箇所で深溝玉軸受11によってケーシング2に対して回転自在に支持され、その一端部のケーシング2の外側ではプーリ4と一体となり、ケーシング2の内部ではロータ6およびスリップリング7に挿通して一体になっている。なお、スリップリング7には、ばね9によってブラシ8が圧接され、生じた電流が外部に通じることになる。
プーリ4には、図外の無端ベルトが取り付けられて、エンジン(図示省略)の回転に伴って回転軸3を回転させる。また、この実施形態においては、自動車用オルタネータ1を冷却するファンとしても機能する。
ステータ5は、リング形状の部材であってケーシング2に固定されている。一方、ロータ6は、回転軸3に嵌合固定されて回転軸3と一体回転する。このステータ5およびロータ6は互いに対面するように配置され、両者の間には所定の隙間が設けられている。また、ステータ5およびロータ6は、それぞれコイル5a、6aが巻きつけられている。
図2に示すように、深溝玉軸受11は、内輪12と外輪13およびこれらの間に配置される複数の玉からなる転動体14を回転自在に保持している。
転がり軸受の内輪12は、例えばSUJ−2等の一般的な軸受鋼によって形成され、外輪13は、例えばSAE5120によって形成されている。また、内輪12および外輪13は、所定の機械的性質を得るために、浸炭処理、サブゼロ処理、および焼戻処理等の熱処理が施される。さらに、玉14は、例えば窒化ケイ素を主体とするセラミックスによって形成される。保持器15は、後述する樹脂材料によって形成される。
図2、3に示すように、冠型の保持器15は、ポケット17の配置間隔によって隣接する転動体14を間隔を空けて保持し、軸受に組みつけられた際には密封シール16で軸受の内部に密封される。
上記構成の自動車用オルタネータ1は、エンジンの動力の一部を電気に変換する。具体的には、エンジンの回転によって回転軸3とロータ6とが一体回転する。このとき、ステータ5とロータ6との間で電磁誘導の原理により電気が発生する。そして、自動車用オルタネータ1で発電された電気はバッテリー(図示省略)に充電され、各電装品の動作に用いられる。
このような自動車用オルタネータ1は、発電と同時に熱を発する。特に、ステータコイルの発熱量は大きく、温度が180℃程度まで上昇することもある。
そして、この熱はケーシング2を通して深溝玉軸受11にも伝達される。さらには、玉14と内輪12および外輪13の軌道面とが摺動することによって、深溝玉軸受11自身も発熱する。
内輪12および外輪13の温度が焼戻温度を超えると、組成が変化して硬度が著しく低下すると共に、鋼の残留オーステナイトがマルテンサイト化するマルテンサイト変態によって寸法の肥大化を伴い軸受すきまの増大をもたらす。特に自動車用オルタネータ1では、それが取り付けられるエンジンの振動や衝撃を直接受けるために、内輪12および外輪13の硬度が低下することに伴って軌道面に圧痕が発生しやすくなる。
さらに、固定側となる外輪13では負荷領域が一定であるため、振動や衝撃の影響が大きく軌道面が荒れる。荒れた軌道面により高速、高荷重下ではさらに発熱の要因となり上記の現象が助長される。その結果、ごく短時間のうちに剥離を生じるなど、早期に軸受寿命に至るおそれがある。
このような事態に対応するためには、内輪12および外輪13の焼戻温度を使用時の最高温度よりさらに高く設定することにより、温度上昇による組織変化を防止することができる。また、セラミックス製の玉14と、合成樹脂製の保持器15とを採用することにより、軸受内のグリースの発熱を防止し軸受寿命を延長することができる。
次に、保持器15を形成する樹脂材料について説明する。保持器15は、重合度60〜120のポリアミド9T樹脂と、繊維状充填材として例えばガラス繊維を含有する樹脂組成物で形成されている。
ポリアミド9T樹脂は、化1の式で表わされるテレフタル酸とノナンジアミンの重合ポリマーで、芳香環と高級脂肪族鎖からなる半芳香族ポリアミドである。具体的な材料としては、「(株)クラレ製:ジェネスター(商品名)」を挙げることができる。
Figure 2008144777
この発明に用いる繊維状充填材は、ガラス繊維の他、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー等を用いることができる。
また、上記の実施形態において、繊維状充填材をシラン系カップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤や、その他目的に応じて表面処理を施して樹脂との親和性を高めても良い。
例えば、ガラス繊維を使用する場合は、保持器15の形状や使用目的等に応じて、組成物全量に対して1重量%〜50重量%の範囲で添加される。ガラス繊維の含有率が50重量%を超えると、樹脂組成物の溶融流動性が著しく低下して成型性が悪くなるばかりでなく、材料の変形能がきわめて小さくなり、保持器成型時の無理抜きが困難になり、また軸受組み込み時に保持器15が破損する恐れがある。また、ガラス繊維の含有率が1重量%未満であれば、機械的特性の補強効果が小さく、耐熱性も不足する。
ここで、保持器15の形状に着目して玉軸受用冠型保持器の場合には、繊維状充填材の含有率は1〜30重量%が好ましく、特に10〜25重量%がより好ましい。
次に、保持器15の組込み性を向上する観点、すなわち、製造工程での離型時の無理抜き及び玉組み込み時に比較的変形し易くするためには、ガラス繊維が1〜30重量%含有されることが好ましく、更に10〜30重量%含有されることが好ましく、特に10〜25重量%含有されることが好ましい。
また、保持器15の耐熱性や剛性を確保する観点、すなわち、動作時に発生する玉14からの比較的大きな力を適切に支持するためには、繊維状充填材が20〜40重量%含有されることが好ましい。
さらに、より強い高い変形能と高い剛性を両立させる観点からは、繊維状充填材の含有割合は1〜30重量%が好ましく、10〜30重量%が更に好ましく、10〜25重量%が特に好ましい。
ガラス繊維の形態としては、アスペクト比が5〜200が好適である。アスペクト比が5未満では保持器15の補強効果が十分に発揮されず脆弱となってしまう。一方、アスペクト比が200を超えると混合時の均一分散がきわめて困難となる。また、繊維径は特に限定されないが、平均径が0.5μm〜20μmのものが好ましく、より好ましくは3μm〜15μmのものである。
上記構成の保持器15は、耐熱性、耐薬品性を有するとともに、高い機械的特性を有する。また、この材料は適度な柔軟性を有しており、保持器15に必要なスナップヒット性を有している。更に、この材料は、低吸水性であるので優れた寸法安定性を有する。また、この保持器15は、高温剛性が高く、高温時、高速回転時、高負荷条件等の過酷な使用条件下で長期間の使用に耐えることができる。
また、ポリアミド9T樹脂の重合度としては、それが60〜120の範囲で、保持器としての機械的特性、組み込み性に好ましい靱性、耐熱性、寸法安定性等を有していることから、このような樹脂を自動車用オルタネータ1に採用される深溝玉軸受11の保持器15として使用することができる。
さらに、軸受温度が150℃を超える環境で長期耐熱性が要求される場合には、ポリアミド9T樹脂の重合度は80以上がより好ましく、また、重合度が120を超えると成型性が低下する。したがって、重合度80〜120がさらに好適な範囲である。
ポリアミド9T樹脂は、優れた耐熱性、耐油性、耐薬品性、寸法安定性、靱性を示すとともに、高い機械的性質を有している。また、この材料によって保持器15を形成することにより、吸水性、寸法安定性並びに組み込み性を大きく向上させることができ、かつ精度の要求される用途の保持器を安価に提供できるという効果がある。その結果、高温雰囲気、油や薬品と接触する条件、高速回転条件、高負荷条件、および多湿環境等の過酷な環境でも長時間の使用に耐え得る保持器15を得ることができる。
このような保持器15には、転動体14のスムーズな回転を維持するために潤滑グリースが充填されていると共に、保持器15の転動体に対する摺接面であるポケット17には、ディンプル18が散在するように形成されている。
このようなディンプル18は、微小な凹部を例えばサンドブラストやショットピーニングなどの周知の手法により微小なディンプル18が曲面に均一に散在するように形成することができる。
このようなディンプルの散在する保持器の摺接面は、表面粗さ(算術平均粗さ)Raが1μm〜10μm、より好ましくはRa3μm〜10μmであることが好ましい。なぜなら、前記所定範囲の表面粗さとなるディンプルのある摺接面であれば、オルタネータの使用状態で保油量が潤滑に充分な量になり、かつ軸受に振動なども起こり難いからである。
因みに、ショットピーニングまたは微粒子ピーニングは、ショット材と呼ばれる粒径200μm〜1.3mmまたは40μm〜200μm程度の硬質な小球または微小球を投射装置により加速して噴射させ、被加工部品に高速で衝突させる冷間加工法である。そして、被加工部品の表面に円滑なディンプルを形成して潤滑油や潤滑グリースの存在下でミクロプールが形成されるようになり、トライボロジの改善が図れ、かつ表層部に付与される高い圧縮残留応力の影響により、被加工部品の疲れ強さの向上効果も図れることになる。
保持器15の材料となる樹脂組成物は、任意の方法で混合することができる。例えば、各成分を別々に溶融混合機に供給してもよく、また各成分をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー等の混合機であらかじめ混合してから溶融混合機に供給してもよい。溶融混合機としては、単軸又は二軸押し出し機、混合ロール、加圧ニーダー、ブラベンダーブラストグラフ等の任意の装置が使用できる。
さらに、保持器15の材料として、この発明の目的を損なわない範囲で、熱安定剤、固体潤滑剤、潤滑油、着色剤、帯電防止剤、離型剤、流動性改良剤、結晶化促進剤等を適宜添加してもよい。
転がり軸受に使用される潤滑剤は、潤滑油または潤滑油を基油として増ちょう剤などで増ちょうさせたグリースであってもよい。
因みに、潤滑油またはベースグリースの成分となる基油は、ナフテン系、パラフィン系、流動パラフィン、水素化脱ろう油などの鉱油、ポリアルキレングリコールなどのポリグリコール油、アルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテルなどのエーテル系合成油、ジエステル油、ポリオールエステル油などのエステル系合成油、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサンなどのシリコーン油、GTL基油、ポリ−α−オレフィン油等の炭化水素系合成油、フッ素油等、また、これらの混合油が採用可能なものとして挙げられる。
潤滑剤がグリースである場合の基油の配合割合は、グリース組成物全体に対して好ましくは50〜98.9重量%、さらに好ましくは70〜96.9重量%である。基油の配合割合が、50重量%未満では、グリースが硬く低温時の潤滑性が悪い。また98.9重量%を超えると軟質で洩れ易くなる。
グリースに使用される増ちょう剤としては、リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、カルシウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アルミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウレア化合物が挙げられる。耐熱性および耐摩耗性を考慮すると芳香族系または脂環族系のジウレア化合物を使用することが望ましい。ジウレア化合物は、例えばジイソシアネートとモノアミンの反応で得られる。
増ちょう剤の配合割合は、グリース組成物全体に対して好ましくは1〜40重量%、さらに好ましくは3〜25重量%である。増ちょう剤の配合量が所定量より少なすぎると増ちょう効果が少なくなってグリース化し難く、多過ぎるとグリースが硬くなりすぎるからである。
グリースなどの潤滑剤には、必要に応じて公知の添加剤を含有させることができる。この添加剤として、例えば、二硫化モリブデン、グラファイト等の固体潤滑剤、アミン系、フェノール系化合物等の酸化防止剤、石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等の錆止め剤、硫化油脂、硫化オレフィンに代表される硫黄系化合物、チオフォスフェート、チオフォスファイトに代表される硫黄−リン系化合物、トリクレジルフォスフェートに代表されるリン系化合物等の極圧剤、金属スルフォネート、金属フォスフェート等の清浄分散剤、有機モリブデン等の摩擦低減剤、ワックス系化合物、脂肪酸アミド、脂肪酸、アミン、油脂類等の油性剤、ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメタクリレート、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等が挙げられる。これらを単独または2種類以上組合せて添加できる。
保持器の材料として、ポリアミド9T樹脂に30重量%のガラス繊維を混合した樹脂組成物を採用し、図3に示す形状の冠型保持器を射出成形によって成形した後、ポケットにショットピーニングにより微小なディンプルが曲面に均一に散在し、表面粗さ(算術平均粗さ)がRa3μm〜10μmであるように形成し、ジウレア化合物で増ちょうした鉱油系グリースで潤滑するオルタネータ用転がり軸受を製造した。
得られた保持器の強度と耐熱性を確認するため、実施例1に用いた樹脂組成物で試験片を形成し、その物性(融点、荷重撓み温度、引張り強さ)を測定し、その結果を表1に示した。試験は、保持器を形成する材料の融点(℃)、一定荷重(1.82MPa)を加えたときに撓みが発生する温度(℃)、および引張強さ(MPa)を測定した。
Figure 2008144777
[比較例1]
保持器の材料として、ポリアミド66樹脂に25重量%のガラス繊維を混合した樹脂組成物を採用したこと以外は実施例1と全く同様にして、オルタネータ用転がり軸受を製造し、同一測定項目の結果を表1中に併記した。
表1の結果からも明らかなように、実施例1は、比較例1と比較して高温特性に優れていると共に、強度が高いことが確認され、このような樹脂組成物によって形成された保持器は、高温雰囲気や高負荷条件下での使用に適していることが確認された。
[参考例1、2]
ポリアミド46樹脂に25%重量のガラス繊維を混合した樹脂組成物で形成された保持器のポケットにディンプル状のグリース溜りを形成し、これを装着した転がり軸受(密封型深溝玉軸受)(参考例1)について、その寿命(グリース寿命)を耐久性試験(回転速度:13333回/分、アキシアル荷重:196N、温度:外輪130℃)によって調べ、この試験結果を図4の図表に示した。
また、保持器のポケットにグリース溜りを形成しなかったこと以外は、参考例1と全く同様にして参考例2を作製し、さらに同様に寿命(グリース寿命)を耐久性試験によって調べ、試験結果を図4中に併記した。
図4の結果(図4中の矢印は、寿命の最大値、最小値を表す)からも明らかなように、グリース溜りのある保持器の軸受寿命は、標準保持器に比べて約1.3倍の長寿命が得られた。この結果からみて、ポリアミド9T樹脂および繊維状充填材を含有する樹脂組成物製の保持器もディンプルを形成することにより、さらに優れた効果が得られると推定した。
実施形態を示す自動車用オルタネータの断面図 図1に示す自動車用オルタネータに使用する深溝玉軸受の断面図 玉軸受用の冠型保持器の斜視図 参考例1、2の寿命時間を示す図表
符号の説明
1 自動車用オルタネータ
2 ケーシング
2a フロントブラケット
2b リアブラケット
3 回転軸
4 プーリ
5 ステータ
6 ロータ
5a、6a コイル
7 スリップリング
8 ブラシ
9 ばね
11 深溝玉軸受
12 内輪
13 外輪
14 転動体
15 保持器
16 密封シール
17 ポケット
18 ディンプル

Claims (3)

  1. 自動車用オルタネータのステータに対面して回転するロータおよびその回転軸を支持する転がり軸受において、
    この転がり軸受の転動体を保持する保持器を重合度60〜120のポリアミド9T樹脂および繊維状充填材を含有する樹脂組成物で形成し、前記転動体が摺接する保持器の摺接面にはディンプルを散在するように形成して保油性を持たせたことを特徴とするオルタネータ用転がり軸受。
  2. ポリアミド9T樹脂が、重合度80〜120のポリアミド9T樹脂である請求項1に記載のオルタネータ用転がり軸受。
  3. 保持器の摺接面が、表面粗さRa1μm〜10μmであるようにディンプルの形成された摺接面である請求項1または2に記載のオルタネータ用転がり軸受。
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