JP2007175988A - カートリッジケース、液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法、並びに液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体流出による配線の短絡等を防止することができるカートリッジケース、液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法、並びに液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射ヘッド10と、液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板40と、液体カートリッジ20が装着されるカートリッジケース12とを備え、カートリッジケースには、液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部11と、配線基板が装着される基板装着部15とを設け、カートリッジ装着部から基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路に、流出液体を吸収する吸収材80が撥液性を有する撥液層70を介して保持された液体トラップ部90を設ける。
【選択図】図1
【解決手段】液体噴射ヘッド10と、液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板40と、液体カートリッジ20が装着されるカートリッジケース12とを備え、カートリッジケースには、液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部11と、配線基板が装着される基板装着部15とを設け、カートリッジ装着部から基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路に、流出液体を吸収する吸収材80が撥液性を有する撥液層70を介して保持された液体トラップ部90を設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに供給する液体を貯留した液体カートリッジが装着されるカートリッジケース、このカートリッジケースを有する液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法、並びにこの液体噴射ヘッドユニットを搭載した液体噴射装置に関する。
カートリッジケースを有する液体噴射ヘッドユニットとしては、例えば、インクカートリッジを搭載可能なケースヘッドと、インクを吐出するヘッドを搭載したヘッドユニットとで構成されたインクジェット式記録ヘッドユニットが知られている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェット式記録ヘッドにおいては、ケースヘッドに配線基板が搭載され、この配線基板の周囲に囲繞壁を設けることで、漏出インクが配線基板に付着することを防止した構造となっている。また、ケースヘッドの配線基板が保持された部分の両側には、壁部で囲まれた底部を有するフレームベース部が設けられている。さらに、ヘッドケースのインクカートリッジに差し込まれるインク供給針の周囲にも、壁部が設けられている。
このようなインクジェット式記録ヘッドユニットでは、ケースヘッドに設けられたインク供給針に対して繰り返しインクカートリッジを着脱(抜き差し)すると、インク供給針の周囲にインクが流れ出すことがある。そして、インクカートリッジから流出したインクは、インク供給針の周囲に設けられた壁部と底部との角部(隅部)に沿って流れ、隣接する壁部で画成された略垂直の角部を表面張力により上昇し、壁部を超えてフレームベース部に流れることがある。また、フレームベース部に流れ込んだインクは、同様に底部と壁部との角部に沿って流れ、表面張力により略垂直の角部を上昇して壁部(囲繞壁)を越えて配線基板が搭載された部分に流れ、これがインクの流出経路となって、最終的には、配線基板にインクが付着し、配線基板の配線が短絡等するという問題が発生する虞がある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液体を噴射する他の液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は上述した事情に鑑み、液体流出による配線の短絡等を防止することができるカートリッジケース、液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法、並びに液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドが装着されるヘッド装着部と、前記液体噴射ヘッドに接続されて前記液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板が装着される基板装着部と、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部とを有すると共に、前記カートリッジ装着部から前記基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路が存在し、前記流出液体の流出経路には、前記流出液体を吸収する吸収材が撥液性を有する撥液層を介して保持された液体トラップ部が設けられていることを特徴とするカートリッジケースにある。
かかる第1の態様では、カートリッジ装着部に対して液体カートリッジの着脱を繰り返し行う際にカートリッジ装着部から基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路に液体トラップ部を設け、流出液体の流れを液体トラップ部の撥液層によって初期段階で塞き止めると共に、撥液層を介して流出する液体を吸収材で吸収するようにしたので、カートリッジケースに装着される配線基板に液体が付着することがなく、配線が短絡等するのを有効に防止することができる。
かかる第1の態様では、カートリッジ装着部に対して液体カートリッジの着脱を繰り返し行う際にカートリッジ装着部から基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路に液体トラップ部を設け、流出液体の流れを液体トラップ部の撥液層によって初期段階で塞き止めると共に、撥液層を介して流出する液体を吸収材で吸収するようにしたので、カートリッジケースに装着される配線基板に液体が付着することがなく、配線が短絡等するのを有効に防止することができる。
本発明の第2の態様は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに接続されて前記液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板と、前記液体噴射ヘッド及び前記配線基板が装着されると共に液体カートリッジが装着されるカートリッジケースとを備え、前記カートリッジケースには、前記液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記配線基板が装着される基板装着部とが設けられると共に、前記カートリッジ装着部から前記基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路が存在し、前記流出液体の流出経路には、前記流出液体を吸収する吸収材が撥液性を有する撥液層を介して保持された液体トラップ部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第2の態様では、カートリッジ装着部に対して液体カートリッジの着脱を繰り返し行う際にカートリッジ装着部から基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路に液体トラップ部を設け、流出液体の流れを液体トラップ部の撥液層によって初期段階で塞き止めると共に、撥液層を介して流出する液体を吸収材で吸収するようにしたので、カートリッジケースに装着される配線基板に液体が付着することがなく、配線が短絡等するのを有効に防止することができる。これにより、液体噴射ヘッドユニットの信頼性を向上することができる。
かかる第2の態様では、カートリッジ装着部に対して液体カートリッジの着脱を繰り返し行う際にカートリッジ装着部から基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路に液体トラップ部を設け、流出液体の流れを液体トラップ部の撥液層によって初期段階で塞き止めると共に、撥液層を介して流出する液体を吸収材で吸収するようにしたので、カートリッジケースに装着される配線基板に液体が付着することがなく、配線が短絡等するのを有効に防止することができる。これにより、液体噴射ヘッドユニットの信頼性を向上することができる。
本発明の第3の態様は、前記吸収材が前記撥液層を介して設けられる空間部、前記カートリッジ装着部、及び前記基板装着部のそれぞれは、相互に隣り合う部分となるように壁部によって区画され、前記カートリッジ装着部の前記壁部で画成された角部と前記空間部の前記壁部で画成された角部と前記基板装着部とが前記壁部を介して隣接し、前記壁部を介して前記カートリッジ装着部の角部と前記空間部の角部とを結んだ経路が前記流出液体の流出経路となり、前記吸収材は、前記壁部で区画された前記空間部内に前記撥液層を介して設けられていることを特徴とする第2の態様の液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第3の態様では、カートリッジ装着部及び空間部の壁部によって画成された角部と基板装着部とが壁部を介して隣接した構造において、液体が角部に沿って表面張力により流出可能な流出経路の一部となる空間部に、撥液層を介して吸収材が搭載されて液体トラップ部が設けられているので、配線基板に液体が付着することがなく、配線が短絡等するのを有効に防止することができる。
かかる第3の態様では、カートリッジ装着部及び空間部の壁部によって画成された角部と基板装着部とが壁部を介して隣接した構造において、液体が角部に沿って表面張力により流出可能な流出経路の一部となる空間部に、撥液層を介して吸収材が搭載されて液体トラップ部が設けられているので、配線基板に液体が付着することがなく、配線が短絡等するのを有効に防止することができる。
本発明の第4の態様は、前記吸収材は、前記空間部に対して少なくとも一部が接合されているか又は圧入により固定化されていることを特徴とする第3の態様の液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第4の態様では、空間部から吸収材が外れることがなく、流出液体のトラップ効果を長期に亘って維持することができる。
かかる第4の態様では、空間部から吸収材が外れることがなく、流出液体のトラップ効果を長期に亘って維持することができる。
本発明の第5の態様は、第2〜4の何れかの態様の液体噴射ヘッドユニットを備えたものであることを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第5の態様では、信頼性に優れた液体噴射装置を実現することができる。
かかる第5の態様では、信頼性に優れた液体噴射装置を実現することができる。
本発明の第6の態様は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに接続されて前記液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板と、前記液体噴射ヘッドが装着されるヘッド装着部、前記配線基板が装着される基板装着部、液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部が設けられたカートリッジケースとを有すると共に前記カートリッジケースに前記カートリッジ装着部から前記基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路が存在し且つ前記流出液体の流出経路の一部が壁部で区画された空間部となった液体噴射ヘッドユニットの前記空間部に、撥液成分を含有する撥液剤を含浸した吸収材を未乾燥状態で搭載することを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法にある。
かかる第6の態様では、撥液剤を含浸した吸収材を未乾燥状態で空間部に搭載し、吸収材から空間部の内面に撥液剤を転写することにより、空間部の内面に撥液成分からなる撥液層を形成することにより、撥液層を形成する作業効率を向上することができる。
かかる第6の態様では、撥液剤を含浸した吸収材を未乾燥状態で空間部に搭載し、吸収材から空間部の内面に撥液剤を転写することにより、空間部の内面に撥液成分からなる撥液層を形成することにより、撥液層を形成する作業効率を向上することができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るカートリッジケース及びインクジェット式記録ヘッドユニットの概略構成を示す上面図及びA−A′断面図であり、図2は、図1(a)のB−B′断面図である。また、図3及び図4は、図1のカートリッジケースの要部拡大概略斜視図である。図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドユニット10は、複数のインクカートリッジ20が装着可能なカートリッジ装着部11が設けられたカートリッジケース12を具備する。また、図1(b)及び図2に示すように、カートリッジケース12の底部、すなわち、カートリッジ装着部11側である上端部とは反対側の下端部には、ノズル開口31からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド30が装着されたヘッド装着部13が設けられている。さらに、カートリッジケース12には、図1(a)及び図2に示すように、このインクジェット式記録ヘッド30に対して駆動信号を供給する配線基板40が装着されている。
図1は、本発明の一実施形態に係るカートリッジケース及びインクジェット式記録ヘッドユニットの概略構成を示す上面図及びA−A′断面図であり、図2は、図1(a)のB−B′断面図である。また、図3及び図4は、図1のカートリッジケースの要部拡大概略斜視図である。図示するように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドユニット10は、複数のインクカートリッジ20が装着可能なカートリッジ装着部11が設けられたカートリッジケース12を具備する。また、図1(b)及び図2に示すように、カートリッジケース12の底部、すなわち、カートリッジ装着部11側である上端部とは反対側の下端部には、ノズル開口31からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド30が装着されたヘッド装着部13が設けられている。さらに、カートリッジケース12には、図1(a)及び図2に示すように、このインクジェット式記録ヘッド30に対して駆動信号を供給する配線基板40が装着されている。
ここで、カートリッジケース12のカートリッジ装着部11には、図1(b)に示すように、装着されるインクカートリッジ20内のインクをインクジェット式記録ヘッド30に供給するインク供給経路14が各インクカートリッジ20に対応して設けられている。また、カートリッジ装着部11の底面11aには、各インク供給経路14のインク供給口14aが開口しており、各インク供給口14aには、各インク供給針50が装着される。すなわち、このインク供給針50がインクカートリッジ20に差し込まれることで、インクカートリッジ20の内部とインク供給経路14とが連通し、インクカートリッジ20内のインクがインク供給経路14を介してインクジェット式記録ヘッド30に供給されるようになっている。
また、本実施形態のカートリッジケース12には、このようなカートリッジ装着部11に隣接して基板装着部15が設けられている。この基板装着部15は、カートリッジ装着部11側の上部が開口部15aとなった箱形状を有しており、この内部に、配線基板40が設置されている。また、図2に示すように、基板装着部15の底部15bには、配線基板40が嵌合する貫通部16が設けられ、基板装着部15の底部15b側からは、配線基板40の端部が貫通部16を介して露出している。この配線基板40の露出する端部には、FPC等のフレキシブルプリント配線板60の一端が接続され、フレキシブルプリント配線板60の他端は、インクジェット式記録ヘッド30に接続されている。すなわち、インクジェット式記録ヘッド30と配線基板40とは、このフレキシブルプリント配線板60を介して電気的に接続されており、配線基板40からの駆動信号がフレキシブルプリント配線板60を介してインクジェット式記録ヘッド30に送信可能となっている。
このような構造のインクジェット式記録ヘッドユニット10では、カートリッジケース12の上端部側に位置するカートリッジ装着部11の周囲が壁部100によって区画されている。具体的には、各インク供給針50(インク供給口14a)が並設された部分の周囲を囲むように壁部100が設けられている。このようなカートリッジ装着部11には、図3に示すように、壁部100によって画成された角部200が形成されている。また、カートリッジケース12には、カートリッジ装着部11のインク供給針50の並設方向の両端部近傍で且つ基板装着部15の両側に、壁部100で囲まれて底面17aを有する箱型形状の空間部17が設けられている。このような空間部17においても、壁部100によって画成された角部200が形成されている。ここでいう「壁部100によって画成された角部200」とは、例えば、図3に示すようなカートリッジ装着部11及び空間部17において、隣り合う壁部100によって画成されると共に底面11a、17aに対して直行する方向に沿って形成された角部200a、壁部100と底面11a、17aとで画成されると共に底面11a、17aの縁に沿って形成された角部(隅部)200bを含むものである。
そして、本実施形態では、カートリッジケース12の上端部側は、カートリッジ装着部11、基板装着部15及び空間部17のそれぞれが壁部100によって区画され、カートリッジ装着部11の空間部17側の角部200aと、空間部17のカートリッジ装着部11側の角部200aとが隣接し、基板装着部15の両側に空間部17が設けられているため、空間部17の壁部100で画成された角部200aが基板装着部15に隣接した形状となっている。
ここで、図1(b)に示すように、カートリッジ装着部11のインク供給針50に対してインクカートリッジ20を繰り返し着脱(抜き差し)すると、インク供給針50の外周面に沿ってインクが流出することがある。そして、インクカートリッジ20から流出したインクは、後述する空間部17に撥液層及び吸収材を設けていない状態では、図3に示すように、カートリッジ装着部11の底面11aと壁部100との角部200bに沿って流れ、カートリッジ装着部11の空間部17側の略垂直の角部200aに達し、その角部200aに沿って表面張力により壁部100を乗り越え、空間部17に侵入することがある。また、空間部17に侵入したインクは、カートリッジ装着部11から空間部17に侵入するインクの流出経路と同様に、空間部17の底面17aと壁部100との角部200bに沿って流れると共に、空間部17の基板装着部15側の略垂直の角部200aに沿って表面張力により壁部100を乗り越え、最終的に配線基板40に接触することがある。すなわち、壁部100を介してカートリッジ装着部11及び空間部17の角部200(200a及び200b)を結んだ経路が、カートリッジ装着部11から基板装着部15に達するまでインクが流出可能な流出経路となっている。
そして、本実施形態では、図1(a)、図2及び図4に示すように、このようなカートリッジ装着部11から基板装着部15に達するまで流出可能な流出インクの流出経路の一部となる空間部17にはインクに対して撥液性を有する撥液成分からなる撥液層70を介して吸収材80が配置されている。これにより、撥液層70を介して吸収材80が一体的に設けられた空間部17が、インクトラップ部90となる。
ここで、このようなインクトラップ部90は、本実施形態では、撥液成分を含有する撥液剤を含浸した吸収材80を未乾燥状態で搭載することにより形成される。具体的には、まず、撥液剤を吸収材80に含浸させた後、撥液剤が乾燥する前に、その吸収材80を空間部17に搭載する。これにより、空間部17内では、図2に示すように、吸収材80から空間部17の内面(底面17a及び側面17b)に撥液剤が転写され、その後の乾燥により、撥液剤に含まれる撥液成分からなる撥液層70が空間部17の内面に形成される。すなわち、インクトラップ部90は、撥液層70が空間部17の内面に形成されると共にその内側に吸収材80が配置された構造となる。
なお、インクトラップ部90の形成方法は、上述した方法に限定されず、例えば、空間部17に撥液剤を塗布して撥液層を形成し、この撥液層でコーティングされた空間部に吸収材を搭載してもよい。
ここで、撥液層70を形成する撥液剤としては、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等から選択される少なくとも1種の撥液成分とアルコール(例えば、エーテル等)等とからなる溶液が挙げられるが、特にシリコーン系樹脂を含有した撥液剤を用いるのが好ましい。シリコーン系樹脂は、フッ素系樹脂に比べて耐インク性に優れているからである。なお、撥液成分を含有する撥液剤は、インクの種類に応じて適宜選定すればよく、上述したものに限定されない。
一方、吸収材80としては、特に限定されないが、例えば、多孔質材料又は繊維材料等が挙げられ、具体的には、パルプ、合成繊維、乾式パルプ不織布等が挙げられる。なお、吸収材80は、例えば、多孔質又は繊維質の材料を不織布等で覆った構造としてもよい。
また、空間部17に対する吸収材80の固定化方法としては、特に限定されないが、吸収材80の寸法を空間部17の寸法よりも若干大きくしておき、圧入等によって空間部17に固定化するようにしてもよいし、吸収材80の一部を空間部17に対して接着剤によって固定化してもよい。これにより、印字時の震動等によって、空間部17から吸収材80が外れることがなく、インクトラップ効果を長期に亘って維持することができる。また、吸収材の圧入による空間部17への固定化によれば、吸収材80が圧入によって空間部17の角部200に付勢されるため、空間部の角部200に撥液層70が良好に形成されるという利点がある。なお、このように吸収材80を圧入する際には、壁部100の上端面に撥液剤が付着するように、撥液剤を含浸した吸収材80の空間部17に対して圧入にしてもよい。これにより、壁部100の上端面に撥液層70が形成され、インクトラップ効果を高めることができる。勿論、これに限定されず、壁部100の上端面に撥液剤を別途塗布して撥液層70を設けるようにしてもよい。
ここで、空間部17に撥液層70を設けずに吸収材80のみを設けた場合には、吸収材80によりインクが吸収されるので、ある程度のインクトラップ効果は期待できる。しかしながら、吸収材80がインクを積極的に吸収することにもなり、インク吸収状態が短時間で飽和状態となり、逆に配線基板40にインクが流出し易い状態となる危険性がある。一方、空間部17に吸収材80を設けずに撥液層70のみを設けた場合には、ある程度、撥液層70によって初期段階でインクを塞き止める効果は期待できるが、撥液層70の劣化等が進行し易くなり、これによって撥液効果が低下していくと、最終的には撥液層70を設けていない状態となるので、配線基板40へのインク付着を有効に防止できない。
本実施形態は、撥液層70と吸収材80とを併用、具体的には、インクの流出経路に撥液層70を介して吸収材80を配置しているので、初期段階で撥液層70によりインクの流れを塞き止め、それでも塞き止められずに流出するインクを吸収材80により吸収して2段階トラップしているので、優れたインクトラップ効果が得られる。
以上説明したように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドユニット10では、インクカートリッジ20の着脱(抜き差し)を繰り返し行うことで流出する流出インクの流出経路に上述したインクトラップ部90を設けるようにしたので、流出インクの流れを撥液層70によって初期段階で塞き止めると共に、撥液層70の撥液性能低下(例えば、劣化等)により撥液層70を介して流出するインクを吸収材80で吸収する、いわゆる2段階トラップにより、基板装着部15に装着された配線基板40にインクが付着することがなく、配線が短絡等するのを有効に防止することができる。特に、本実施形態の構造によれば、インクカートリッジ20の着脱を繰り返し連続して行ったとしても、インクトラップ部90によってインクを確実に止めることができる。
また、本実施形態のように、撥液剤を含浸した吸収材80を未乾燥状態で空間部17に設置する製造方法によれば、空間部17内に撥液剤を塗布する工程を簡略化でき、撥液層を形成する作業性を向上することができる。
(他の実施形態)
以上本発明を一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した一実施形態では、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録ヘッドユニットを例示して説明したが、本発明は、インクの種類は特に限定されず、例えば、水性インク、油性インク等の何れにも適用可能である。
以上本発明を一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した一実施形態では、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録ヘッドユニットを例示して説明したが、本発明は、インクの種類は特に限定されず、例えば、水性インク、油性インク等の何れにも適用可能である。
また、上述した一実施形態のインクジェット式記録ヘッドユニットは、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、他の実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略斜視図である。図5に示すように、本実施形態では、インクジェット式記録ヘッド30である記録ヘッド本体を有するインクジェット式記録ヘッドユニット10は、インク供給手段を構成するインクカートリッジ20が着脱可能に設けられ、これらのインクジェット式記録ヘッド30を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。これらのインクジェット式記録ヘッド30は、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッド30を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。このようなインクジェット式記録装置では、キャリッジ3がキャリッジ軸5に沿って移動されると共にインクジェット式記録ヘッド1によってインクが吐出されて記録シートSに印刷される。
また、上述した一実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド30を例示して説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
10 インクジェット式記録ヘッドユニット、 11 カートリッジ装着部、 12 カートリッジケース、 13 ヘッド装着部、 14 インク供給経路、 15 基板装着部、 16 貫通部、 17 空間部、 20 インクカートリッジ、 30 インクジェット式記録ヘッド、 40 配線基板、 50 インク供給針、 60 フレキシブルプリント配線板、 70 撥液層、 80 吸収材、 90 インクトラップ部
Claims (6)
- ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドが装着されるヘッド装着部と、前記液体噴射ヘッドに接続されて前記液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板が装着される基板装着部と、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部とを有すると共に、前記カートリッジ装着部から前記基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路が存在し、前記流出液体の流出経路には、前記流出液体を吸収する吸収材が撥液性を有する撥液層を介して保持された液体トラップ部が設けられていることを特徴とするカートリッジケース。
- ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに接続されて前記液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板と、前記液体噴射ヘッド及び前記配線基板が装着されると共に液体カートリッジが装着されるカートリッジケースとを備え、前記カートリッジケースには、前記液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部と、前記配線基板が装着される基板装着部とが設けられると共に、前記カートリッジ装着部から前記基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路が存在し、前記流出液体の流出経路には、前記流出液体を吸収する吸収材が撥液性を有する撥液層を介して保持された液体トラップ部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
- 前記吸収材が前記撥液層を介して設けられる空間部、前記カートリッジ装着部、及び前記基板装着部のそれぞれは、相互に隣り合う部分となるように壁部によって区画され、前記カートリッジ装着部の前記壁部で画成された角部と前記空間部の前記壁部で画成された角部と前記基板装着部とが前記壁部を介して隣接し、前記壁部を介して前記カートリッジ装着部の角部と前記空間部の角部とを結んだ経路が前記流出液体の流出経路となり、前記吸収材は、前記壁部で区画された前記空間部内に前記撥液層を介して設けられていることを特徴とする請求項2記載の液体噴射ヘッドユニット。
- 前記吸収材は、前記空間部に対して少なくとも一部が接合されているか又は圧入により固定化されていることを特徴とする請求項3記載の液体噴射ヘッドユニット。
- 請求項2〜4の何れかに記載の液体噴射ヘッドユニットを備えたものであることを特徴とする液体噴射装置。
- ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドに接続されて前記液体噴射ヘッドに駆動信号を供給する配線基板と、前記液体噴射ヘッドが装着されるヘッド装着部、前記配線基板が装着される基板装着部、液体カートリッジが装着されるカートリッジ装着部が設けられたカートリッジケースとを有すると共に前記カートリッジケースに前記カートリッジ装着部から前記基板装着部に達するまで流出可能な流出液体の流出経路が存在し且つ前記流出液体の流出経路の一部が壁部で区画された空間部となった液体噴射ヘッドユニットの前記空間部に、撥液成分を含有する撥液剤を含浸した吸収材を未乾燥状態で搭載することを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005376593A JP2007175988A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | カートリッジケース、液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法、並びに液体噴射装置 |
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JP2005376593A JP2007175988A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | カートリッジケース、液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法、並びに液体噴射装置 |
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JP2005376593A Pending JP2007175988A (ja) | 2005-12-27 | 2005-12-27 | カートリッジケース、液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法、並びに液体噴射装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015033839A (ja) * | 2013-08-09 | 2015-02-19 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 |
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2005
- 2005-12-27 JP JP2005376593A patent/JP2007175988A/ja active Pending
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