JP2007173493A - 半導体装置 - Google Patents
半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007173493A JP2007173493A JP2005368882A JP2005368882A JP2007173493A JP 2007173493 A JP2007173493 A JP 2007173493A JP 2005368882 A JP2005368882 A JP 2005368882A JP 2005368882 A JP2005368882 A JP 2005368882A JP 2007173493 A JP2007173493 A JP 2007173493A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mosfet
- leakage current
- output
- output mosfet
- bipolar transistor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Electronic Switches (AREA)
- Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
Abstract
【課題】過電流保護機能を備えた半導体装置において、温度検出の消費電流の低下と感度の向上を図ると共に、出力MOSFETを過電流による過熱から保護し、温度低下時に元の導通状態への復帰を容易にする。
【解決手段】出力MOSFET1と、この出力MOSFET1と熱的に結合されるバイポーラトランジスタ2と、このバイポーラトランジスタ2の漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、この漏れ電流検出抵抗3に結合する遮断回路4aとを備え、出力MOSFET1のベース、ソース電極間にバイポーラトランジスタ2と漏れ電流検出抵抗3とを接続する。これにより、漏れ電流検出抵抗3の両端電圧を基に、所定の温度以上で遮断し、所定の温度未満で導通する自己復帰型の遮断回路4aが得られ、過熱保護と定常動作をスムーズに切替えることの可能な、低消費で高感度の過電流保護機能を得ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】出力MOSFET1と、この出力MOSFET1と熱的に結合されるバイポーラトランジスタ2と、このバイポーラトランジスタ2の漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、この漏れ電流検出抵抗3に結合する遮断回路4aとを備え、出力MOSFET1のベース、ソース電極間にバイポーラトランジスタ2と漏れ電流検出抵抗3とを接続する。これにより、漏れ電流検出抵抗3の両端電圧を基に、所定の温度以上で遮断し、所定の温度未満で導通する自己復帰型の遮断回路4aが得られ、過熱保護と定常動作をスムーズに切替えることの可能な、低消費で高感度の過電流保護機能を得ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体素子を過電流に起因した過熱による破壊から保護する過電流保護回路機能を有する半導体装置に関する。
従来から、この種の過電流保護回路機能を有する半導体装置において、電力用絶縁ゲート半導体素子(出力半導体素子)が温度上昇したときにダイオードの順方向電圧の温度変化特性を利用して温度変化を検知し、過電流による過熱から出力半導体素子を保護する過電流保護回路を備えた半導体装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この半導体装置は、半導体基板上に、出力半導体素子と、この出力半導体素子のゲート電圧を制御するゲート保護回路と、ダイオードの順方向電圧を利用した温度検出回路と、温度検出回路の出力を一時保持するラッチ回路と、このラッチ回路の出力により出力素子のゲートを遮断するゲート遮断回路とを備えている。この過電流保護用回路では、温度検出回路は、ダイオードの順方向電圧における温度変化(約―1.5mV/℃)を利用して、温度検出を行ない、ラッチ回路は、一旦過熱遮断回路が動作するとその出力が高電位になって出力半導体素子の遮断状態を保持し、これによりチップ温度が低下しても出力素子のゲート電圧は低電位に保持され、出力半導体素子は遮断状態のままとなっていた。このため、出力半導体素子を再度オンさせるには、一旦ラッチ回路をオフする必要があることから、このような半導体装置では、一旦遮断されると元の導通状態に自己復帰できないという問題があった。さらに、温度検出にダイオードの順方向電圧の温度特性を利用しているので、温度検出のために常に一定の大きさの電流をダイオードに流し続ける必要があり、消費電流が大きくなるといった問題があった。
また、他の従来における過電流保護回路機能を有する半導体装置として、ダイオードに逆電圧を印加し、その漏れ電流の温度変化を利用して、過電流の保護を行うものがある(例えば特許文献2参照)。しかし、この場合は、ダイオードの漏れ電流の温度依存性が小さいため、半導体素子温度を感度よく検知することができず、半導体素子の過電流保護を確実にできないといった問題があった。
特開平7−58293号公報
特開2004−228593号公報
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたものであり、小さい消費電流で、かつ感度良く出力半導体素子温度を検知し、この検知をもとに出力半導体素子を制御する遮断回路を備えることにより、高温時に出力半導体素子を遮断して過熱による破壊を防ぐと共に、温度が低下すれば再度出力半導体素子を導通状態に自己復帰させることができる半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、ドレイン端子、ソース端子、及びゲート端子を有する出力MOSFETを過電流による過熱から保護するための過電流保護回路機能を備えた半導体装置において、前記出力MOSFETと熱的に結合されたベースオープンのバイポーラトランジスタと、前記バイポーラトランジスタの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗と、前記出力MOSFETの熱による前記バイポーラトランジスタの温度変化を前記漏れ電流検出抵抗の電圧変化により検出し、この検出電圧に基づき出力MOSFETを制御する遮断回路とを備え、前記バイポーラトランジスタ及び前記漏れ電流検出抵抗は、前記出力MOSFETのゲート電極とソース電極間に接続され、前記遮断回路は、前記出力MOSFETの温度上昇時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値以上になると、前記出力MOSFETを導通状態から遮断状態とすると共に、前記出力MOSFETの温度低下時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値未満になると、前記出力MOSFETを再び導通状態に戻すものである。
請求項2の発明は、ドレイン端子、ソース端子、及びゲート端子を有する出力MOSFETを過電流による過熱から保護するための過電流保護回路機能を備えた半導体装置において、前記出力MOSFETと熱的に結合されたベースオープンのバイポーラトランジスタと、前記バイポーラトランジスタの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗と、前記出力MOSFETの熱による前記バイポーラトランジスタの温度変化を前記漏れ電流検出抵抗の電圧変化により検出し、この検出電圧に基づき出力MOSFETを制御する遮断回路とを備え、前記バイポーラトランジスタ及び前記漏れ電流検出抵抗は、前記遮断回路の入力端子と前記出力MOSFETのソース電極間に接続され、前記遮断回路は、前記出力MOSFETの温度上昇時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値以上になると、前記出力MOSFETを導通状態から遮断状態とすると共に、前記出力MOSFETの温度低下時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値未満になると、前記出力MOSFETを再び導通状態に戻すものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置において、前記出力MOSFETのゲート、ソース間に過電圧保護用MOSFETをさらに備え、前記過電圧保護用MOSFETのゲートと前記出力MOSFETのドレインを接続したものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記バイポーラトランジスタの代わりに、ダイオードを用いたものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記漏れ電流検出抵抗は、前記出力MOSFET及び前記バイポーラトランジスタとは、熱的に遮断されているものである。
請求項6の発明は、請求項1及至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記漏れ電流検出抵抗は、前記出力MOSFETのゲート電極形成時に、同時に該ゲート電極と同じ材料で形成されるものである。
請求項7の発明は、請求項1及至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記漏れ電流検出抵抗は、ポリシリコンで形成されるものである。
請求項8の発明は、請求項5に記載の半導体装置において、前記出力MOSFETと前記バイポーラトランジスタは同一チップで形成され、前記漏れ電流検出抵抗は、前記チップとは別チップにて形成されているものである。
請求項9の発明は、請求項1又は請求項2に記載の半導体装置において、前記出力MOSFETを開閉する入力信号により点灯・消灯する発光素子と、前記発光素子に光結合されて起電力を発生する光起電力素子とをさらに備え、前記出力MOSFETと前記ポリシリコンで形成されるバイポーラトランジスタとが同一チップ内に形成され、前記漏れ電流検出抵抗と前記遮断回路は前記出力MOSFETと別チップにて形成され、前記光起電力素子で発生された起電力は、前記遮断回路に印加されているものである。
請求項10の発明は、請求項3に記載の半導体装置において、前記出力MOSFETを開閉する入力信号により点灯・消灯する発光素子と、前記発光素子に光結合されて起電力を発生する光起電力素子とをさらに備え、前記出力MOSFETと前記ポリシリコンで形成されるバイポーラトランジスタとが同一チップ内に形成され、前記漏れ電流検出抵抗と前記遮断回路と前記過電圧保護用MOSFETは前記出力MOSFETと別チップにて形成され、前記光起電力素子で発生された起電力は、前記遮断回路に印加されているものである。
請求項11の発明は、請求項9に記載の半導体装置において、前記出力MOSFETと前記バイポーラトランジスタを複数組備え、前記複数組の出力MOSFETは、それぞれのソース電極が逆直列接続されると共に、それぞれのゲート電極が共通に接続され、前記漏れ電流検出抵抗を前記複数組のバイポーラトランジスタの共通の漏れ電流検出抵抗とし、前記各バイポーラトランジスタは、それぞれに対応した前記出力MOSFETと同一チップ内に形成されているものである。
請求項12の発明は、請求項10に記載の半導体装置において、前記出力MOSFET、前記バイポーラトランジスタ及び前記過電圧保護用MOSFETをそれぞれ複数組備え、前記複数組の出力MOSFETは、それぞれのソース電極が逆直列接続されると共に、それぞれのゲート電極が共通に接続され、前記過電圧保護用MOSFETの各ソース電極が共通に接続され、前記漏れ電流検出抵抗を前記複数組のバイポーラトランジスタの共通の漏れ電流検出抵抗とし、前記各バイポーラトランジスタは、それぞれに対応した前記出力MOSFETと同一チップ内に形成されているものである。
請求項13の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記バイポーラトランジスタは、前記出力MOSFETと電気的に絶縁できる絶縁膜を介して、前記出力MOSFETが形成されるチップ内に形成されるものである。
請求項14の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置において、前記バイポーラトランジスタは、前記出力MOSFETが形成されるチップ内の前記出力MOSFETを流れる電流が通電するエリア内に形成されるものである。
請求項1の発明によれば、出力MOSFETの温度に連動してバイポーラトランジスタの漏れ電流が変化するため、バイポーラトランジスタの漏れ電流検出抵抗の両端の電位差により、容易に出力MOSFETの温度変化を検出することができる。これにより、過熱時には遮断回路により出力MOSFETを瞬時に遮断し、出力MOSFETを過電流による過熱から保護し、また、温度が下がった時は、直ぐに自動的に出力MOSFETを元の導通状態に戻し、定常の動作に自己復帰させることができる。また、温度検出にバイポーラトランジスタの漏れ電流を用いたことにより、温度検知を低消費電流で行うことができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え、バイポーラトランジスタの印加電圧を遮断回路の入力電圧を変えて調整できるので、この入力電圧によりバイポーラトランジスタの漏れ電流の初期値を設定して、初期の漏れ電流量を変えることができる。これにより、漏れ電流検出抵抗における初期電位が変わり、遮断回路の遮断動作温度を変えることができるので、入力電圧による遮断回路の過電流保護動作の設定温度の調整を容易にする。
請求項3の発明によれば、出力MOSFETに過電圧が印加された場合、過電圧保護用MOSFETが直ぐに短絡されて、出力MOSFETを過電圧から遮断することができるので、過電圧が印加された場合も出力MOSFETを保護することができる。
請求項4の発明によれば、ダイオードがバイポーラトランジスタに比べて、イオン注入を行うエリアが小さいため、より小さなエリアで形成することができ、半導体チップ面積を少なくできる。
請求項5の発明によれば、バイポーラトランジスタの漏れ電流検出抵抗は、出力MOSFETの発熱による熱的影響を受けないのため、温度による抵抗値変動を回避することができ、正確な感熱検知、及び電流測定が可能となる。
請求項6の発明によれば、バイポーラトランジスタ漏れ電流検出抵抗と出力MOSFETのゲート電極とを、同じ半導体プロセス工程で同時に形成できるので、工程数を削減することができる。
請求項7の発明によれば、ポリシリコンで形成されるので、漏れ電流検出抵抗を少ないチップ面積で精度良く形成することができる。
請求項8の発明によれば、バイポーラトランジスタの漏れ電流検出抵抗は、出力MOSFETと物理的に遮断され、確実に熱的に分離されるので,温度による抵抗値の変化を避けることができ、より正確な温度検出が可能となる。また、漏れ電流検出抵抗と出力MOSFETを同一チップに形成した時に発生する不必要な寄生素子の動作を排除することができる。
請求項9及び請求項10の発明によれば、出力MOSFETを入力信号のオン、オフによりスイッチングする半導体リレーを構成できると共に、過電流より保護される出力MOSFETを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを実現することができる。また、過電流保護制御をする漏れ電流検出抵抗、遮断回路をバイポーラトランジスタ及び出力MOSFETから物理的に分離することにより、出力MOSFETの発熱による漏れ電流検出抵抗の抵抗値の変化による影響、及びバイポーラトランジスタの漏れ電流検知抵抗及び遮断回路が出力MOSFETと同一チップに製作された場合に発生する寄生素子としての動作を回避することができるので、さらに安定した半導体リレーを得ることができる。また、遮断回路を自己復帰型とすることにより、過熱時における出力MOSFETの遮断状態と、過熱状態から低温になった時における出力MOSFETの導通復帰を自動的に行うことができる。
請求項11の発明によれば、上記の効果に加え、半導体リレーの両出力端子が負荷電圧に対して対称になるため、負荷電圧の高い側又は低い側のいずれとも双方向に接続できると共に、端子間容量が削減され、半導体リレーの高周波特性を向上させることができる。
請求項12の発明によれば、上記の効果に加え、出力MOSFETに過電圧が印加された場合、過電圧保護用MOSFETが短絡して出力MOSFETを直ぐに遮断するので、過電圧が印加された場合も出力MOSFETを保護することができる。
請求項13の発明によれば、バイポーラトランジスタは、出力MOSFETから電気的には絶縁すると共に、両者を接近して配置することにより、熱的には結合を強くすることが可能なので、出力MOSFETの発熱を感度良く、素早く検知することができる。さらに、両者を電気的に絶縁できるため、それらの半導体基板内における不必要な寄生素子としての動作を排除することができる。
請求項14の発明によれば、バイポーラトランジスタを、出力MOSFETの発熱が激しいチップ位置に配置することにより、出力MOSFETの発熱の検知をさらに素早く行うことが可能となる。例えば、出力MOSFETの中央部にバイポーラトランジスタを設置することにより、最も感熱を大きくし、素早い検知を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について、図1、図2を参照して説明する。第1の実施形態は、主に請求項1に対応する。本実施形態の半導体装置の過電流保護回路は、出力半導体素子としての出力MOSFET1と、ベースオープンのバイポーラトランジスタ2と、バイポーラトランジスタ2の漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、出力MOSFET1を遮断状態にする遮断回路4aとを備え、出力MOSFET1とベースオープンのバイポーラトランジスタ2は熱的に結合され、バイポーラトランジスタ2及び漏れ電流検出抵抗3は、出力MOSFET1のゲート電極とソース電極間に接続されている。
バイポーラトランジスタ2は、コレクタ電極が出力MOSFET1のゲート電極に接続され、エミッタ電極がバイポーラトランジスタ2の漏れ電流検出抵抗3を介して出力MOSFET1のソース電極に接続され、出力MOSFET1と熱的に結合されている。漏れ電流検出抵抗3は、出力MOSFET1、及びバイポーラトランジスタ2と熱的に遮断されている。また、過電流を検出するための素子として用いているバイポーラトランジスタ2は、ベース電極とエミッタ電極間の小さい漏れ電流をコレクタ電流が増幅するため、ダイオードより大きな漏れ電流が流れる。
遮断回路4aは、MOSFET41及至MOSFET43と、抵抗44及至抵抗46とを備える。MOSFET41及至MOSFET43は、抵抗44及至抵抗46をそれぞれのドレイン抵抗とし、抵抗44及至抵抗46は各MOSFET41及至MOSFET43のドレイン電極と遮断回路4aの入力端子T1、T2に入力される入力電圧Vinとの間に接続される。MOSFET41及至MOSFET43のソース電極は共通のソース端子Tsから、出力MOSFET1のソース電極に接続される。MOSFET41のゲート電極は、漏れ電流検出抵抗3に接続する接続端子Trを介して、バイポーラトランジスタ2のエミッタ電極と接続され、漏れ電流検出抵抗3における漏れ電流検出電圧が印加される。MOSFET41のドレイン電極は、MOSFET42のゲート電極に接続され、MOSFET42のドレイン電極は、MOSFET43のゲート電極に接続される。MOSFET43のドレイン電極はドレイン端子Tdから出力MOSFET1のゲート電極とバイポーラトランジスタ2のコレクタ電極に接続されている。
上記のように構成された過電流保護回路の動作について次に説明する。出力MOSFET1に過電流が流れず、定常状態であるとき、バイポーラトランジスタ2からの漏れ電流は小さい。そのため、漏れ電流検出抵抗3に流れ込む電流は小さく、バイポーラトランジスタ漏れ電流検出抵抗3の両端に発生する電位差は小さい。この電位差は、出力MOSFET1が所定の温度未満のときは、MOSFET41を駆動させる所定の閾値電圧に達しないため、MOSFET41は動作することなく、MOSFET41はオフ状態となっている。従って、MOSFET41のドレイン電極の電位はHighとなるため、MOSFET42がオン状態となる。これにより、MOSFET42のドレイン電極の電位がLowとなるため、MOSFET43はオフ状態となる。すなわち、遮断回路4aは動作しない。そのため、出力MOSFET1のゲート電極には、入力電圧Vinに近いMOSFET43のドレイン電圧が印加され、出力MOSFET1を動作させる。
出力MOSFET1に過電流が流れると、出力MOSFET1は発熱し、熱的に結合されているバイポーラトランジスタ2では、コレクタ電極とエミッタ電極間の漏れ電流が増大する。そのため、漏れ電流検出抵抗3の両端の電位差が増大する。そして、出力MOSFET1が所定の温度以上になり、上記の電位差がMOSFET41を駆動する閾値電圧以上に達すると、MOSFET41がオン状態となる。これにより、MOSFET41のドレイン電極の電位はLowとなるため、MOSFET42がオフ状態となる。そして、MOSFET42のドレイン電極の電位がHighになるため、MOSFET43がオン状態となる。すなわち、遮断回路4aが機能する。そのため、出力MOSFET1のゲート電極とソース電極間が短絡状態となり、出力MOSFET1はオフ状態となる。このようにして、遮断回路4aは出力MOSFET1を過電流による過熱から保護する。
上記のように動作する過電流保護回路の動作波形を図2に示す。出力MOSFET1に流れる電流が時間経過と共に増大し、所定の電流値以上となり過電流が流れると、出力MOSFET1が発熱し、漏れ電流検出抵抗3の両端の電位差は、遮断回路4aを動作させる閾値電圧以上に達し、遮断回路4aの短絡動作により、出力MOSFET1は遮断状態となる。このとき、バイポーラトランジスタ2が出力MOSFET1に接続されているため、漏れ電流が流れなくなり、再度出力MOSFET1を導通させる。この動作は、出力MOSFET1の温度が低下するまで間欠動作として繰り返され、過熱が収まり、温度が低くなると自動的に通常の導通状態に自己復帰する。また、出力MOSFET1には、ソース抵抗を設けていないので、出力MOSFET1を含む出力回路部の導通時におけるオン抵抗を低下させることができる。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置の過電流保護回路では、出力MOSFET1の温度に連動してバイポーラトランジスタ2の漏れ電流が変化するため、バイポーラトランジスタ2の漏れ電流検出抵抗3の両端の電位差により、容易に出力MOSFET1の温度変化を検出することができる。これにより、過熱時には遮断回路4aにより瞬時に出力MOSFET1に流れる電流を間欠的に遮断し、出力MOSFETを過電流による過熱から保護し、また、温度が下がった時は、直ぐに自動的に出力MOSFETを元の導通状態に戻し、定常動作に自己復帰させることができる。また、漏れ電流の検出にバイポーラトランジスタを用いたことにより、小さい消費電流で、かつ感度良く出力半導体素子温度を検知できる。また、バイポーラトランジスタ2のコレクタ電極が出力MOSFET1のベース電極に接続されるので、両者を同一チップ上で一体化し易い。
次に、本発明の第2の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について、図3及び図4を参照して説明する。第2の実施形態は、主に請求項2に対応する。本実施形態の半導体装置の過電流保護回路は、出力半導体素子としての出力MOSFET1と、ベースオープンのバイポーラトランジスタ2と、バイポーラトランジスタ2の漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、出力MOSFET1を遮断状態にする遮断回路4bとを備え、出力MOSFET1とベースオープンのバイポーラトランジスタ2は熱的に結合され、バイポーラトランジスタ2及び漏れ電流検出抵抗3は、遮断回路4bの入力電圧Vinが入力される入力端子T1に結合される出力端子T3と出力MOSFET1のソース電極間に接続される。
バイポーラトランジスタ2は、そのコレクタ電極が遮断回路4bにおける入力端子T1と繋がる後述の出力端子T3に接続され、エミッタ電極が漏れ電流検出抵抗3を介して出力MOSFET1のソース電極に接続され、出力MOSFET1と熱的に結合されている。漏れ電流検出抵抗3は、出力MOSFET1、及びバイポーラトランジスタ2と熱的に遮断されている。また、過電流を検出するための素子として用いているバイポーラトランジスタ2は、ベース電極とエミッタ電極間の小さい漏れ電流をコレクタ電流が増幅するため、ダイオードを用いた場合の逆方向漏れ電流より大きな漏れ電流が流れる。
遮断回路4bは、MOSFET41及至MOSFET43と、抵抗44及至抵抗46とを備え、基本的には前記遮断回路4aと同様の構成であるが、出力端子として、MOSFET43のドレイン電極以外に、入力端子に接続された出力端子T3を有し、出力端子T3は前述のようにバイポーラトランジスタ2のコレクタに接続される。MOSFET41及至MOSFET43は、抵抗44及至抵抗46をそれぞれのドレイン抵抗とし、抵抗44及至抵抗46は各MOSFET41及至MOSFET43のドレイン電極と遮断回路4bの入力端子T1,T2との間に接続される。MOSFET41及至MOSFET43のソース電極は、いずれも出力MOSFET1のソース電極に接続される。MOSFET41のゲート電極は、漏れ電流検出抵抗3との接続端子Trを介してバイポーラトランジスタ2のエミッタ電極と接続され、漏れ電流検出抵抗3における漏れ電流検出電圧が印加される。MOSFET41のドレイン電極は、MOSFET42のゲート電極に接続され、MOSFET42のドレイン電極は、MOSFET43のゲート電極に接続される。MOSFET43のドレイン電極は出力MOSFET1のゲート電極に接続されている。
上記のように構成された第2の実施形態による過電流保護回路の動作について次に説明する。出力MOSFET1に過電流が流れず、定常状態であるとき、バイポーラトランジスタ2からの漏れ電流は小さい。そのため、漏れ電流検出抵抗3に流れ込む電流は小さく、漏れ電流検出抵抗3の両端に発生する電位差は小さい。この電位差がMOSFET41を駆動させる所定の閾値電圧に達しないため、MOSFET41は動作することなく、MOSFET41はオフ状態となり、前述と同様に、MOSFET43はオフ状態となる。すなわち、遮断回路4bは機能しない。そのため、出力MOSFET1のゲート電極には、入力電圧Vinに近いMOSFET43のドレイン電圧が印加され、出力MOSFET1は動作状態となる。
出力MOSFET1に過電流が流れると、出力MOSFET1は発熱し、熱的に結合されているバイポーラトランジスタ2では、コレクタ電極とエミッタ電極間の漏れ電流が増大する。そのため、出力MOSFET1が所定の温度以上になり、漏れ電流検出抵抗3の両端の電位差が増大し、この電位差がMOSFET41を駆動する閾値電圧以上に達すると、MOSFET41がオン状態となり、MOSFET43がオン状態となって、遮断回路4bが機能する。そのため、出力MOSFET1のゲート電極とソース電極間が短絡状態となり、出力MOSFET1はオフ状態となる。このとき、バイポーラトランジスタ2のコレクタが遮断回路4bの出力端子T3に接続されているため、過熱時には常に漏れ電流が流れて、漏れ電流検出抵抗3の両端の電位差が大きいままなので、出力MOSFET1は、その温度が下がるまで遮断状態が保持される。この動作により、過熱中は継続して出力MOSFET1は遮断され、出力MOSFET1の温度が低くなって所定の温度未満になると自動的に通常の導通状態に自己復帰する。このようにして、遮断回路4bは出力MOSFET1を過電流による過熱から保護する。また、出力MOSFET1には、ソース抵抗を設けていないので、出力MOSFET1を含む出力回路部の導通時におけるオン抵抗を低下させることができる。
また、上記遮断回路4bにおいて、バイポーラトランジスタ2のコレクタが接続される遮断回路4bの出力端子T3には、入力電圧Vinと同じ電圧が供給されるので、この入力電圧Vinを変化させることにより、バイポーラトランジスタ2に流れる漏れ電流の初期値を変えることができる。ここで、図4に示すように、バイポーラトランジスタ2は、コレクタ電極への印加電圧のレベルにより、その漏れ電流量が変化し、また、印加電圧のレベルが高いほど、漏れ電流の温度変化が増大する特性を持つ。従って、印加電圧である入力電圧Vinのレベルを調整することによって、初期の漏れ電流を調整して、漏れ電流検出抵抗3の両端の初期電位差を設定することができるので、遮断回路4bを遮断する所定の動作温度及びバイポーラトランジスタ2の温度感度を調整することができる。
以上説明したように、第2の実施形態の過電流保護回路によれば、出力MOSFET1の温度に連動してバイポーラトランジスタ2の漏れ電流が変化するため、漏れ電流検出抵抗3の両端の電位差により、容易に出力MOSFET1の温度変化を検出することができる。これにより、遮断回路4bは、過熱時には瞬時に出力MOSFET1に流れる電流を遮断して、出力MOSFET1を過電流による過熱から保護し、また、温度が下がった時は、直ぐに自動的に出力MOSFET1を元の導通状態に戻し、通常動作に自己復帰させることができる。さらに、バイポーラトランジスタ2への印加電圧は、遮断回路4bの入力電圧Vinに相当するので、入力電圧Vinを変えることによりバイポーラトランジスタ2の印加電圧を変えることができる。そして、この印加電圧によりバイポーラトランジスタ2の漏れ電流量を変えることができ、従って、入力電圧Vinにより出力MOSFET1の過電流保護動作の設定温度及びバイポーラトランジスタ2の漏れ電流感度を調整することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について、図5、図6を参照して説明する。第3の実施形態は、主に請求項3に対応する。本実施形態の半導体装置の過電流保護回路は、上記第1の実施形態において、出力MOSFET1のゲート、ソース間に過電圧保護用MOSFET5をさらに備え、この過電圧保護用MOSFET5のゲートと出力MOSFET1のドレインを接続したものである。
図5において、本実施形態の半導体装置の過電流保護回路は、出力半導体素子としての出力MOSFET1と、ベースオープンのバイポーラトランジスタ2と、バイポーラトランジスタ2の漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、出力MOSFET1を遮断状態にする遮断回路4aとを備え、出力MOSFET1とベースオープンのバイポーラトランジスタ2は熱的に結合され、バイポーラトランジスタ2及び漏れ電流検出抵抗3は、出力MOSFET1のゲート電極とソース電極間に接続されている。さらに、出力MOSFET1のゲート、ソース間に過電圧保護用MOSFET5を備え、この過電圧保護用MOSFET5は、そのドレイン電極とソース電極が出力MOSFET1のゲート電極とソース電極に接続されると共に、そのゲート電極が、出力MOSFET1のドレイン電極に接続されている。その他の回路は前記第1の実施形態と同じ回路構成であるので、説明は省略する。
上記過電圧保護用MOSFET5は、そのゲート電極が出力MOSFET1のドレイン電極に接続されているため、出力MOSFET1のドレイン電極に高電圧が印加された場合、過電圧保護用MOSFET5のゲート端子に高電圧が掛かるのでオンされる。これにより、出力MOSFET1のゲート電極とソース電極間が短絡され、出力MOSFET1が高電圧の掛けられた電流から遮断される。また、前記第1の実施形態と同様に、バイポーラトランジスタ2と漏れ電流検出抵抗3及び遮断回路4aによる過電流保護作用を備えているので、過電流による過熱に対しても保護動作を行う。
図6に、この過電流に対する保護動作による電流値の変化と、過電圧による電流値の変化の様子を示す。図6に示されるように、出力MOSFET1は、過電流の場合には、遮断回路4aの間欠動作により、電流制限されることにより、温度が低下され、過電圧の場合には、過電圧保護用MOSFET5がオンして電流の遮断状態が保持され、負荷電圧が低下すると再度導通状態に自己復帰する。
このように、本実施形態によれば、過電圧保護用MOSFET5を出力MOSFET1のベース電極とソース電極間に設けたことにより、過電圧時に出力MOSFET1を遮断することができ、出力MOSFET1を過電流による過熱から保護することができると共に、過電圧からも保護することができるので、出力MOSFET1をさらに安全に保護することができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について、図7を参照して説明する。本実施形態は、第3の実施形態と同様、主に請求項3に対応する。本実施形態の半導体装置の過電流保護回路は、前記第2の実施形態において、出力MOSFET1のゲート、ソース間に過電圧保護用MOSFET5をさらに備え、この過電圧保護用MOSFET5のゲートと出力MOSFET1のドレインを接続したものである。
図7において、本実施形態の半導体装置の過電流保護回路は、出力半導体素子としての出力MOSFET1と、ベースオープンのバイポーラトランジスタ2と、バイポーラトランジスタ2の漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、出力MOSFET1を遮断状態にするための遮断回路4bとを備え、出力MOSFET1とベースオープンのバイポーラトランジスタ2は熱的に結合され、バイポーラトランジスタ2及び漏れ電流検出抵抗3は、遮断回路4bの入力端子T1に結合される出力端子T3と出力MOSFET1のソース電極間に接続される。さらに、出力MOSFET1と遮断回路4bの間において、出力MOSFET1のゲート、ソース電極間に過電圧保護用MOSFET5が設けられ、この過電圧保護用MOSFET5は、そのドレイン電極とソース電極が出力MOSFET1のゲート電極とソース電極に接続されると共に、そのゲート電極は、出力MOSFET1のドレイン電極に接続されている。その他の回路は前記第2の実施形態と同じ回路構成であるので、説明は省略する。
上記過電圧保護用MOSFET5は、そのゲート電極が出力MOSFET1のドレイン電極に接続されているため、出力MOSFET1のドレイン電極に高電圧が印加された場合、この高電圧により過電圧保護用MOSFET5はオンとなる。これにより、出力MOSFET1のゲート電極とソース電極間が短絡され、出力MOSFET1が遮断される。また、前記第2の実施形態と同様に、バイポーラトランジスタ2と漏れ電流検出抵抗3及び遮断回路4bによる過電流保護機能を備えている。従って、出力MOSFET1は、過電流の場合には、遮断回路4bの遮断により、電流が遮断され、温度が低下すると自己復帰により再度導通し、過電圧の場合には、過電圧保護用MOSFET5がオンとなり遮断状態が保持され、負荷電圧が低下すると再度導通状態に自己復帰する。
このように、本実施形態によれば、過電圧保護用MOSFET5を出力MOSFET1のベース電極とソース電極間に設けることにより、過電圧時に出力MOSFET1を遮断することができる。これにより、本実施形態の半導体装置の過電流保護回路は、遮断回路による過電流の遮断と、遮断からの自己復帰動作に加え、過電圧保護用MOSFET5の電圧自己復帰動作により、過電流による過熱に対しても、過電圧に対しても保護作用が働くので、出力MOSFET1をさらに安全に保護することができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について、図8を参照して説明する。第5の実施形態は、主に請求項4乃至請求項9と請求項11とに対応する。本実施形態は、前記第1の実施形態における出力MOSFET1と同様な2つの出力MOSFETを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを形成するものである。
本実施形態の構成は、図8に示すように、入力信号に応答して光信号を出力する発光素子を設けた入力部6と、光信号を受光して所定電圧を発生する受光素子を備えた受光部7と、この所定電圧により出力用MOSFET1a、1bをスイッチング制御する充放電制御回路8と、出力用MOSFET1a、1bを遮断状態にする遮断回路4aと、各出力ソースを共通にして互いに逆直列に接続された出力用MOSFET1a、1bと、ベースオープンの2組のバイポーラトランジスタ2a、2bと、バイポーラトランジスタの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3とを備える。この漏れ電流検出抵抗3はバイポーラトランジスタ2a、2bの共通のエミッタ抵抗となり、これらエミッタ電極は遮断回路4aにおける漏れ電流検出抵抗3との接続端子Trに接続される。また、バイポーラトランジスタ2a、2bのコレクタと出力用MOSFET1a、1bのベース電極は共に遮断回路4aの出力側のドレイン端子Tdに接続されている。図8に示した本実施形態において、前述の各実施形態の部材と同等部材には同等符号を付し、重複説明は省く(以下、同様)。
入力部6は、発光素子としてLED6a(発光ダイオード)を有し、入力端子6b、6cからの入力信号により、LED6aから光信号を発光する。受光部7は、受光素子の起電力素子として太陽電池7a(又はフォトダイオード)を有し、LED6aからの光信号を受光して、光起電力を誘起し、所定電圧を発生する。
充放電制御回路8は、電圧制御用のデプレッション型(ノーマリオフ)のMOSFET8a及びエンハンスメント型(ノーマリオン)のMOSFET8bと、抵抗8cとを備え、MOSFET8aのドレインとゲートは、受光部7の高電位側と低電位側にそれぞれ接続される。MOSFET8bのドレインとソースは、MOSFET8aのソースとゲートにそれぞれ接続されると共に、そのドレインとゲートは、抵抗8cで接続される。
充放電制御回路8において、受光部7からの所定電圧により、抵抗8cの両端に電位差が発生し、受光部7からの電圧がMOSFET8aのドレインとゲートに加えられると、MOSFET8bがオフからオンになり、MOSFET8aがオンからオフになる。この時、第1の出力MOSFET1a及び第2の出力MOSFET1bのゲート、ソース間に電位差が発生し、それらのゲートが充電され、各出力MOSFET1a、1bが駆動する。次に、LED6aからの光信号が遮断されると、上記とは逆に、MOSFET8bがオンからオフとなり、MOSFET8aがオフからオンとなる。これにより、各出力MOSFET1a、1bのゲート、ソース間の電位差が消失し、同各ゲートが放電され、各出力MOSFET1a、1bがオフ状態となる。この充放電制御回路8を設けたことにより、各出力MOSFET1a、1bの充放電の切替をスムーズに行うことができる。
上記第1及び第2の出力用MOSFET1a、1bにおいて、入力端子6b、6cからの入力信号のオンにより発生した所定電圧に基づき、充放電制御回路8からの制御電圧が遮断回路4aを介して、各出力用MOSFETFET1a、1bのゲートとソース間に加えられると、各FET1a、1bは導通状態となり、出力用MOSFET1a、1bの外部端子1c、1d間は導通される。また、入力信号がオフになると、充放電制御回路8からの制御電圧が低下し、各FET1a、1bは非導通状態となり、外部端子1cと1d間は遮断される。従って、本実施形態による半導体装置は、半導体リレーとしての機能を持つ。
また、第1及び第2の出力用MOSFET1a、1bは、各ゲート端子にベースオープンのバイポーラトランジスタ2a、2bのコレクタ端子が接続され、共通のソース端子とバイポーラトランジスタ2a、2bの共通エミッタ端子間には、両トランジスタ2a、2bの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3が接続される。ここでは、漏れ電流検出抵抗3は、バイポーラトランジスタ2a、2bの共通のエミッタ抵抗となり、両トランジスタ2a、2bのエミッタ電流が流れる。また、出力用MOSFET1a、1bとバイポーラトランジスタ2a、2bとは、前記と同様に、それぞれ熱的に結合されているので、出力用MOSFET1a、1bの過熱状態を漏れ電流検出抵抗3で検出できる。この漏れ電流検出抵抗3の検出電圧は、遮断回路4aにフィードバックされる。
遮断回路4aは、前記図1と同様の回路構成を成し、これにより前記と同様に、漏れ電流検出抵抗3の両端における降下電圧により、高温時の遮断と、低温時の導通を繰り返して、出力MOSFET1a、1bの過電流を制御する。また、バイポーラトランジスタ2a、2bのエミッタ抵抗を共通にしたことにより、漏れ電流検出抵抗3に漏れ電流のエミッタ電流が多く流れ、検出感度が高くなると共に、リレー回路を簡単にできる。
本実施形態によれば、入力信号のオン、オフにより出力MOSFET1a、1bをスイッチングする半導体リレーを構成できると共に、過電流より保護される出力MOSFET1a、1bを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを実現することができる。
また、半導体製造プロセスにおいて、バイポーラトランジスタ2a、2bの漏れ電流検出抵抗3を出力MOSFET1a、1bと同じチップ内に形成する場合、漏れ電流検出抵抗3を出力MOSFET1a、1bのゲート電極形成時に、このゲート電極と同じ材料で同時に形成することにより、半導体製造プロセスの工数を削減することができる(請求項6に対応)。また、漏れ電流検出抵抗3をポリシリコンで形成することにより、漏れ電流検出抵抗3を少ないチップ面積で精度良く形成することができる(請求項7に対応)。また、本実施形態では、出力MOSFET1a、1bの温度検出に、バイポーラトランジスタ2a、2bを用いたが、温度検出にバイポーラトランジスタの代わりにダイオードを用いることにより、イオン注入を行うエリアを小さくできるので、温度検出をより小さなエリアで形成し、半導体チップ面積を少なくすることができる(請求項4に対応)。
また、本実施形態では、図8において、点線で囲んだ出力MOSFET1a、1bとバイポーラトランジスタ2a、2bよりなる全体出力部A1と、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4aよりなる過電流制御部B1を別チップで形成することもできる(請求項8に対応)。このように、全体出力部A1と過電流制御部B1とを分離することにより、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4が出力MOSFET1a、1bの発熱の影響を受け難くなり、各抵抗値の温度変化や、遮断特性の温度変化を防ぐことができる。これにより、より正確な過熱検出、電流測定が可能となる。また、上記の全体出力部A1と過電流制御部B1の別チップ化により、これらを同一チップにした場合に回路素子間に発生する各種寄生素子が無くなり、これら寄生素子による不要な動作を回避することができるので、さらに安定した半導体リレーを得ることができる。
また、本実施形態では、全体出力部A1として、出力部を出力MOSFET1a、1bとバイポーラトランジスタ2a、2bの各2組を用いた構成を例に説明したが、前記図1に示したように1組の出力MOSFET1とバイポーラトランジスタ2で出力部を構成して、半導体リレーを形成しても、前記とほぼ同様の効果を得ることができる。後述の実施形態においても同様のことが言える。
次に、本発明の第6の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について図9を参照して説明する。第6の実施形態は、主に請求項4乃至請求項9と請求項11とに対応する。本実施形態は、前記第2の実施形態における出力MOSFET1と同様な2つの出力MOSFETを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを形成するものであり、バイポーラトランジスタ2a、2bのコレクタ側を遮断回路4bの出力端子T3に接続した点で前記第5の実施形態と異なる。
本実施形態の構成は、図9に示すように、入力信号に応答して光信号を出力する発光素子を設けた入力部6と、光信号を受光して所定電圧を発生する受光素子を備えた受光部7と、この所定電圧により出力用MOSFET1a、1bをスイッチング制御する充放電制御回路8と、出力用MOSFET1a、1bを遮断状態にする遮断回路4bと、各出力ソースを共通にして互いに逆直列に接続された出力用MOSFET1a、1bと、ベースオープンの2組のバイポーラトランジスタ2a、2bと、バイポーラトランジスタの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3とを備える。この漏れ電流検出抵抗3はバイポーラトランジスタ2a、2bの共通のエミッタ抵抗となり、これらエミッタ電極は遮断回路4bにおける漏れ電流検出抵抗3との接続端子Trに接続される。また、バイポーラトランジスタ2a、2bのコレクタは、遮断回路4bの出力端子T3に接続され、出力用MOSFET1a、1bのベース電極は、遮断回路4bの出力端子Tdに接続されている。遮断回路4bは、前記第2の実施形態に示されたものと同様である。
上記第1及び第2の出力用MOSFET1a、1bにおいて、入力端子6b、6cからの入力信号のオンにより発生した所定電圧に基づき、充放電制御回路8からの制御電圧が遮断回路4bを介して、各出力用MOSFETFET1a、1bのゲートとソース間に加えられると、各FET1a、1bは導通状態となり、出力用MOSFET1a、1bの外部端子1c、1d間は導通される。また、入力信号がオフになると、充放電制御回路8からの制御電圧が低下し、各FET1a、1bは非導通状態となり、外部端子1cと1d間は遮断される。従って、本実施形態による半導体装置は、半導体リレーとしての機能を持つ。
また、出力用MOSFET1a、1bとバイポーラトランジスタ2a、2bとは、前記と同様に、それぞれ熱的に結合されているので、出力用MOSFET1a、1bの過熱状態を漏れ電流検出抵抗3で検出できる。この漏れ電流検出抵抗3の検出電圧は、接続端子Trを介して遮断回路4bにフィードバックされる。
遮断回路4bは、前記図2と同様の回路構成を成し、これにより前記と同様に、漏れ電流検出抵抗3の両端における降下電圧により、高温時の遮断と、低温時の導通を繰り返して、出力MOSFET1a、1bの過電流を制御する。また、バイポーラトランジスタ2a、2bのエミッタ抵抗を共通にしたことにより、漏れ電流検出抵抗3に漏れ電流のエミッタ電流が多く流れ、検出感度が高くなると共に、リレー回路を簡単にできる。
本実施形態によれば、入力信号のオン、オフにより出力MOSFET1a、1bをスイッチングする半導体リレーを構成できると共に、過電流より保護される出力MOSFET1a、1bを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを実現することができる。
また、半導体製造プロセスにおいて、バイポーラトランジスタ2a、2bの漏れ電流検出抵抗3を出力MOSFET1a、1bと同じチップ内に形成する場合、漏れ電流検出抵抗3を出力MOSFET1a、1bのゲート電極形成時に、このゲート電極と同じ材料で同時に形成することにより、半導体製造プロセスの工数を削減することができる(請求項6に対応)。また、漏れ電流検出抵抗3をポリシリコンで形成することにより、漏れ電流検出抵抗3を少ないチップ面積で精度良く形成することができる(請求項7に対応)。また、本実施形態では、出力MOSFET1a、1bの温度検出に、バイポーラトランジスタ2a、2bを用いたが、温度検出にバイポーラトランジスタの代わりにダイオードを用いることにより、イオン注入を行うエリアを小さくできるので、温度検出をより小さなエリアで形成し、半導体チップ面積を少なくすることができる(請求項4に対応)。
また、本実施形態では、図9において、点線で囲んだ出力MOSFET1a、1bとバイポーラトランジスタ2a、2bよりなる全体出力部A1と、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4bよりなる過電流制御部B2を別チップで形成することもできる(請求項8に対応)。このように、全体出力部A1と過電流制御部B2とを分離することにより、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4bが出力MOSFET1a、1bの発熱の影響を受け難くなり、各抵抗値の温度変化や、遮断特性の温度変化を防ぐことができる。これにより、より正確な過熱検出、電流測定が可能となる。また、上記の全体出力部A1と過電流制御部B2の別チップ化により、これらを同一チップにした場合に回路素子間に発生する各種寄生素子が無くなり、これら寄生素子による不要な動作を回避することができるので、さらに安定した半導体リレーを得ることができる。
次に、本発明の第7の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について図10を参照して説明する。第7の実施形態は、主に請求項5、8、10及び12に対応する。本実施形態は、前記第3の実施形態における過電流及び過電圧より保護された2組の出力MOSFETを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを形成するものであり、2つの過電圧保護用MOSFET5a、5b備えた点で前記第5の実施形態と異なる。
本実施形態の構成は、図10に示すように、入力信号に応答して光信号を出力する発光素子を設けた入力部6と、光信号を受光して所定電圧を発生する受光素子を備えた受光部7と、この所定電圧により出力用MOSFET1a、1bをスイッチング制御する充放電制御回路8と、出力用MOSFET1a、1bを遮断状態にする遮断回路4aと、各出力ソースを共通にして互いに直列に接続された出力用MOSFET1a、1bと、ベースオープンの2組のバイポーラトランジスタ2a、2bと、バイポーラトランジスタ2a、2bの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、高電圧時に出力用MOSFET1a、1bを遮断する過電圧保護用MOSFET5a、5bとを備える。この漏れ電流検出抵抗3はバイポーラトランジスタ2a、2bの共通のエミッタ抵抗となり、これらエミッタ電極は遮断回路4aの漏れ電流検出抵抗3との接続端子Trに接続される。また、バイポーラトランジスタ2a、2bのコレクタと出力用MOSFET1a、1bのベース電極は共に、遮断回路4aのドレイン端子Tdに接続されている。本実施形態は、過電圧保護用MOSFET5a、5b以外は、前記第5の実施形態と同様の構成をなすので、その詳細な説明は省略する。
図10において、2つの過電圧保護用MOSFET5a、5bは、それらのドレイン電極とソース電極が、それぞれ出力用MOSFET1a、1bのベース電極とソース電極に接続され、そのゲート電極は出力用MOSFET1a、1bのドレイン電極に接続されている。この構成において、出力MOSFET1a又は1bの各ドレイン電極の外部端子1c又は1dに高電圧が印加された場合、過電圧保護用MOSFET5a又は5bは、そのゲート端子に高電圧が掛かるのでオンになる。これにより、出力MOSFET1a又は1bのゲート電極はソース電極と短絡し、出力MOSFET1a又は1bが遮断される。従って、過電圧から出力MOSFET1a又は1bを保護することができる。また、前記第5の実施形態と同様に、バイポーラトランジスタ2a、2bと漏れ電流検出抵抗3及び遮断回路4aによる過電流保護作用を備えているので、過電流による過熱に対しても保護動作を行うことができる。
このように、本実施形態によれば、入力信号のオン、オフにより出力MOSFET1a、1bをスイッチングする半導体リレーを構成できると共に、過電流及び過電圧の両方が保護される出力MOSFET1a、1bを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを実現することができる。
また、本実施形態では、図10において、点線で囲んだ出力MOSFET1a、1bとバイポーラトランジスタ2a、2b及び過電圧保護用MOSFET5a、5bよりなる全体出力部A2と、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4aよりなる過電流制御部B1を別チップで形成することもできる(請求項8に対応)。このように、全体出力部A2と過電流制御部B1とを分離することにより、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4aが出力MOSFET1a、1bの発熱の影響を受け難くなり、各抵抗値の温度変化や、遮断特性の温度変化を防ぐことができる。これにより、より正確な過熱検出、電流測定が可能となる。また、上記の全体出力部A2と過電流制御部B1の別チップ化により、これらを同一チップにした場合に回路素子間に発生する各種寄生素子が無くなり、これら寄生素子による不要な動作を回避することができるので、さらに安定した半導体リレーを得ることができる。
次に、本発明の第8の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について図11を参照して説明する。第8の実施形態は、第7の実施形態と同様、主に請求項5、8、10及び12に対応する。本実施形態は、前記第4の実施形態における過電流及び過電圧から保護された2組の出力MOSFETを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを形成するものであり、2つの過電圧保護用MOSFET5a、5bを備えた点で前記第6の実施形態と異なる。
本実施形態の構成は、図11に示すように、入力信号に応答して光信号を出力する発光素子を設けた入力部6と、光信号を受光して所定電圧を発生する受光素子を備えた受光部7と、この所定電圧により出力用MOSFET1a、1bをスイッチング制御する充放電制御回路8と、出力用MOSFET1a、1bを遮断状態にする遮断回路4bと、各出力ソースを共通にして互いに直列に接続された出力用MOSFET1a、1bと、ベースオープンの2組のバイポーラトランジスタ2a、2bと、バイポーラトランジスタ2a、2bの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗3と、高電圧時に出力用MOSFET1a、1bを遮断する過電圧保護用MOSFET5a、5bとを備える。この漏れ電流検出抵抗3はバイポーラトランジスタ2a、2bの共通のエミッタ抵抗となり、これらエミッタ電極は遮断回路4bにおける漏れ電流検出抵抗3との接続端子Trに接続される。また、バイポーラトランジスタ2a、2bのコレクタは共に、遮断回路4bの出力端子T3に接続され、出力用MOSFET1a、1bのベース電極は共に、遮断回路4bのドレイン端子Tdに接続されている。本実施形態は、過電圧保護用MOSFET5a、5b以外は、前記第6の実施形態と同様の構成をなすので、その詳細な説明は省略する。
図11において、2つの過電圧保護用MOSFET5a、5bは、それらのドレイン電極とソース電極が、それぞれ出力用MOSFET1a、1bのベース電極とソース電極に接続され、そのゲート電極は出力用MOSFET1a、1bのドレイン電極に接続されている。この構成において、出力MOSFET1a又は1bの各ドレイン電極の外部端子1c又は1dに高電圧が印加された場合、過電圧保護用MOSFET5a又は5bは、そのゲート端子に高電圧が掛かるのでオンする。これにより、出力MOSFET1a又は1bのゲート電極はソース電極と短絡し、出力MOSFET1a又は1bが遮断され、過電圧から出力MOSFET1a又は1bを保護することができる。また、前記第6の実施形態と同様に、バイポーラトランジスタ2a、2bと漏れ電流検出抵抗3及び遮断回路4bによる過電流保護作用を備えているので、過熱時中は出力用MOSFET1a、1bを遮断し、過電流による過熱から出力用MOSFET1a、1bを確実に保護する。
このように、本実施形態によれば、入力信号のオン、オフにより出力MOSFET1a、1bをスイッチングする半導体リレーを構成できると共に、過電流及び過電圧の両方が保護される出力MOSFET1a、1bを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した半導体リレーを実現することができる。
また、本実施形態では、図11において、点線で囲んだ出力MOSFET1a、1bとバイポーラトランジスタ2a、2b及び過電圧保護用MOSFET5a、5bよりなる全体出力部A2と、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4bよりなる過電流制御部B2を別チップで形成することもできる。このように、全体出力部A2と過電流制御部B2とを分離することにより、漏れ電流検出抵抗3と遮断回路4bが出力MOSFET1a、1bの発熱の影響を受け難くなり、各抵抗値の温度変化や、遮断特性の温度変化を防ぐことができる。これにより、より正確な過熱検出、電流測定が可能となる。また、上記の全体出力部A2と過電流制御部B2の別チップ化により、これらを同一チップにした場合に回路素子間に発生する各種寄生素子が無くなり、これら寄生素子による不要な動作を回避することができるので、さらに安定した半導体リレーを得ることができる。
次に、本発明の第9の実施形態に係る過電流保護回路機能を備えた半導体装置について図12乃至図14を参照して説明する。第9の実施形態は、主に請求項13及び14に対応する。本実施形態は、半導体基板20において、出力MOSFET21とバイポーラトランジスタ22を同一チップに形成し、バイポーラトランジスタ22を、出力MOSFET21と電気的に絶縁できる絶縁膜24を介して形成したものである。また、バイポーラトランジスタ22は、出力MOSFET21が形成されているチップ内の出力MOSFET21を流れる電流が通電するエリア内の中心部に形成されている。
半導体基板20(ここではN型基板)において、MOSFET21は裏面側をドレイン21aとして、表面側にソース21b、ゲート21cを設けて形成され、バイポーラトランジスタ22は、半導体基板20のドレイン21a部内に形成された窪み23に絶縁膜24(例えば酸化膜又は窒化膜)を施し、その上にコレクタ、ベース、エミッタ層を形成することにより構成され、ベース22cの端子はオープンとなっている。表面側での必要な電気的接続はアルミニューム薄膜25で接続され、その上は、保護膜26で覆われている。このように、MOSFET21とバイポーラトランジスタ22は、電気的に絶縁されて形成される。
図13に示すように、半導体基板20上に、それぞれドレイン21a、ソース21b、ゲート21cから成るMOSFET21と、コレクタ22a、エミッタ22b、ベース22cから成るバイポーラトランジスタ22は、絶縁膜24で分離されて構成されている。ソース21b、ゲート21c、コレクタ22aからは接続線27、28,29が出て外部接続される。
上記構成において、出力MOSFET21とバイポーラトランジスタ22は、絶縁膜24で電気的には絶縁されているにもかかわらず、物理的に接近しているので熱的には良く結合されている。そのため出力MOSFET21の発熱を素早く検知することが可能となる。特に、出力MOSFET21内に窪み23を形成し、その窪み23の中にバイポーラトランジスタ22を形成することにより、バイポーラトランジスタ22に熱が伝達され易くなるので、発熱検知をさらに迅速に行うことができる。また、バイポーラトランジスタ22は、出力MOSFET21と電気的には絶縁されているため、寄生素子としての動作を排除することが可能となる。また、バイポーラトランジスタ22は、ゲート電極材料、具体的にはポリシリコンなどの半導体材料を使用することによって、製作プロセスを出力MOSFET21と一部共有化することが可能となるため、低コスト化が可能となる。
また、出力MOSFET21内にて、比較的大きい電流が通電しており、発熱が激しいセルのエリア内にバイポーラトランジスタ22を設置することにより、出力MOSFET21の発熱の検知をより迅速に行うことが可能となる。即ち、図12乃至14に示したように、出力MOSFET21の中央部にバイポーラトランジスタ22を設置することにより、感熱を最も迅速に行うことができる。
上述したように、前記各実施形態によれば、バイポーラトランジスタ2を出力MOSFET1と熱的に結合することにより、出力MOSFET1の過電流による過熱をバイポーラトランジスタ2の漏れ電流検出抵抗3により感度良く検出し、漏れ電流検出抵抗3と結合される遮断回路4a、4bにより、出力MOSFET1を遮断して過電流から保護することができる。また、遮断回路4aは、過熱時に遮断し、温度低下時に導通状態に復帰する自己復帰型とすることにより、定常動作と過電流保護動作を自動的にスムーズに切替えることが可能となる。また、漏れ電流の検出にバイポーラトランジスタ2を用いたことにより、小さい消費電流で、かつ感度良く出力半導体素子の温度を検知できる。
また、バイポーラトランジスタの印加電圧を遮断回路の入力電圧に接続することにより、入力電圧を変えることにより印加電圧を変化させることができ、これによりバイポーラトランジスタの温度による漏れ電流量を変えることができるので、この入力電圧により出力MOSFETの過電流保護動作の設定温度及び漏れ電流感度を調整することができる。
また、過電圧保護用MOSFETを出力MOSFETのベース電極とソース電極間に設けることにより、過電圧時に出力MOSFETを遮断することができ、出力MOSFETを過電流による過熱から保護することができると共に、過電圧からも保護することができるので、出力MOSFETをさらに安全に保護することができる。
さらに、過電流による過熱から保護された出力MOSFETを半導体リレーの出力素子として使用することにより、安定した信頼性の高い半導体リレーを持つ半導体装置を実現することができる。さらに、過電流を保護制御をする漏れ電流検出抵抗、遮断回路をバイポーラトランジスタ及び出力MOSFETから物理的に分離することにより、出力MOSFETの発熱による漏れ電流検出抵抗及び遮断回路の温度による特性劣化の影響を回避することができる。同時に、これらの各回路素子が出力MOSFETと同一チップに製作された場合に発生する寄生素子が存在しなくなるので、従来の寄生素子による不要な動作が無くなり、さらに安定した半導体リレーを得ることができる。
1、1a、1b 出力MOSFET
2、2a、2b、22 バイポーラトランジスタ
3 漏れ電流検出抵抗
4、4a、4b 遮断回路
41、42、43 MOSFET
44、45、46 抵抗
5、5a、5b 過電圧保護用MOSFET
6 入力部(発光素子)
6a LED(発光素子)
7 受光部(光起電力素子)
7a 光起電力素子
8 充放電制御回路
24 絶縁膜
2、2a、2b、22 バイポーラトランジスタ
3 漏れ電流検出抵抗
4、4a、4b 遮断回路
41、42、43 MOSFET
44、45、46 抵抗
5、5a、5b 過電圧保護用MOSFET
6 入力部(発光素子)
6a LED(発光素子)
7 受光部(光起電力素子)
7a 光起電力素子
8 充放電制御回路
24 絶縁膜
Claims (14)
- ドレイン端子、ソース端子、及びゲート端子を有する出力MOSFETを過電流による過熱から保護するための過電流保護回路機能を備えた半導体装置において、
前記出力MOSFETと熱的に結合されたベースオープンのバイポーラトランジスタと、
前記バイポーラトランジスタの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗と、
前記出力MOSFETの熱による前記バイポーラトランジスタの温度変化を前記漏れ電流検出抵抗の電圧変化により検出し、この検出電圧に基づき出力MOSFETを制御する遮断回路とを備え、
前記バイポーラトランジスタ及び前記漏れ電流検出抵抗は、前記出力MOSFETのゲート電極とソース電極間に接続され、
前記遮断回路は、前記出力MOSFETの温度上昇時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値以上になると、前記出力MOSFETを導通状態から遮断状態とすると共に、前記出力MOSFETの温度低下時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値未満になると、前記出力MOSFETを再び導通状態に戻すこと特徴とする半導体装置。 - ドレイン端子、ソース端子、及びゲート端子を有する出力MOSFETを過電流による過熱から保護するための過電流保護回路機能を備えた半導体装置において、
前記出力MOSFETと熱的に結合されたベースオープンのバイポーラトランジスタと、
前記バイポーラトランジスタの漏れ電流を検出する漏れ電流検出抵抗と、
前記出力MOSFETの熱による前記バイポーラトランジスタの温度変化を前記漏れ電流検出抵抗の電圧変化により検出し、この検出電圧に基づき出力MOSFETを制御する遮断回路とを備え、
前記バイポーラトランジスタ及び前記漏れ電流検出抵抗は、前記遮断回路の入力端子と前記出力MOSFETのソース電極間に接続され
前記遮断回路は、前記出力MOSFETの温度上昇時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値以上になると、前記出力MOSFETを導通状態から遮断状態とすると共に、前記出力MOSFETの温度低下時に、前記漏れ電流検出抵抗の両端に発生する電位差が所定の値未満になると、前記出力MOSFETを再び導通状態に戻すことを特徴とする半導体装置。 - 前記出力MOSFETのゲート、ソース間に過電圧保護用MOSFETをさらに備え、
前記過電圧保護用MOSFETのゲートと前記出力MOSFETのドレインを接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。 - 前記バイポーラトランジスタの代わりに、ダイオードを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記漏れ電流検出抵抗は、前記出力MOSFET及び前記バイポーラトランジスタとは、熱的に遮断されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記漏れ電流検出抵抗は、前記出力MOSFETのゲート電極形成時に、同時に該ゲート電極と同じ材料で形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記漏れ電流検出抵抗は、ポリシリコンで形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記出力MOSFETと前記バイポーラトランジスタは同一チップで形成され、前記漏れ電流検出抵抗は、前記チップとは別チップにて形成されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
- 前記出力MOSFETを開閉する入力信号により点灯・消灯する発光素子と、
前記発光素子に光結合されて起電力を発生する光起電力素子とをさらに備え、
前記出力MOSFETと前記ポリシリコンで形成されるバイポーラトランジスタとが同一チップ内に形成され、
前記漏れ電流検出抵抗と前記遮断回路は前記出力MOSFETと別チップにて形成され、
前記光起電力素子で発生された起電力は、前記遮断回路に印加されていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の半導体装置。 - 前記出力MOSFETを開閉する入力信号により点灯・消灯する発光素子と、
前記発光素子に光結合されて起電力を発生する光起電力素子とをさらに備え、
前記出力MOSFETと前記ポリシリコンで形成されるバイポーラトランジスタとが同一チップ内に形成され、
前記漏れ電流検出抵抗と前記遮断回路と前記過電圧保護用MOSFETは前記出力MOSFETと別チップにて形成され、
前記光起電力素子で発生された起電力は、前記遮断回路に印加されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。 - 前記出力MOSFETと前記バイポーラトランジスタを複数組備え、
前記複数組の出力MOSFETは、それぞれのソース電極が逆直列接続されると共に、それぞれのゲート電極が共通に接続され、
前記漏れ電流検出抵抗を前記複数組のバイポーラトランジスタの共通の漏れ電流検出抵抗とし、
前記各バイポーラトランジスタは、それぞれに対応した前記出力MOSFETと同一チップ内に形成されていることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。 - 前記出力MOSFET、前記バイポーラトランジスタ及び前記過電圧保護用MOSFETをそれぞれ複数組備え、
前記複数組の出力MOSFETは、それぞれのソース電極が逆直列接続されると共に、それぞれのゲート電極が共通に接続され、
前記過電圧保護用MOSFETの各ソース電極が共通に接続され、
前記漏れ電流検出抵抗を前記複数組のバイポーラトランジスタの共通の漏れ電流検出抵抗とし、
前記各バイポーラトランジスタは、それぞれに対応した前記出力MOSFETと同一チップ内に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。 - 前記バイポーラトランジスタは、前記出力MOSFETと電気的に絶縁できる絶縁膜を介して、前記出力MOSFETが形成されるチップ内に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記バイポーラトランジスタは、前記出力MOSFETが形成されるチップ内の前記出力MOSFETを流れる電流が通電するエリア内に形成されることを特徴とする請求項13に記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005368882A JP2007173493A (ja) | 2005-12-21 | 2005-12-21 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005368882A JP2007173493A (ja) | 2005-12-21 | 2005-12-21 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007173493A true JP2007173493A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38299643
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005368882A Withdrawn JP2007173493A (ja) | 2005-12-21 | 2005-12-21 | 半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007173493A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009260919A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-11-05 | Nippon Soken Inc | 受信装置 |
US7911263B2 (en) | 2009-06-30 | 2011-03-22 | International Business Machines Corporation | Leakage current mitigation in a semiconductor device |
WO2017051529A1 (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 半導体装置 |
KR20190087472A (ko) * | 2016-11-25 | 2019-07-24 | 엑사간 | 수동 보호 회로를 갖는 전원 회로 스위칭 디바이스 |
WO2021058890A1 (fr) * | 2019-09-26 | 2021-04-01 | Psa Automobiles Sa | Module de test de courants de fuite dans un circuit d'inhibition, système embarqué les comprenant, et véhicule automobile l'incorporant |
US11936371B1 (en) | 2022-10-04 | 2024-03-19 | Psemi Corporation | Accurate reduced gate-drive current limiter |
-
2005
- 2005-12-21 JP JP2005368882A patent/JP2007173493A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009260919A (ja) * | 2008-03-17 | 2009-11-05 | Nippon Soken Inc | 受信装置 |
JP4603069B2 (ja) * | 2008-03-17 | 2010-12-22 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 受信装置 |
US7911263B2 (en) | 2009-06-30 | 2011-03-22 | International Business Machines Corporation | Leakage current mitigation in a semiconductor device |
WO2017051529A1 (ja) * | 2015-09-24 | 2017-03-30 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 半導体装置 |
KR20190087472A (ko) * | 2016-11-25 | 2019-07-24 | 엑사간 | 수동 보호 회로를 갖는 전원 회로 스위칭 디바이스 |
KR102431717B1 (ko) | 2016-11-25 | 2022-08-11 | 엑사간 | 수동 보호 회로를 갖는 전원 회로 스위칭 디바이스 |
WO2021058890A1 (fr) * | 2019-09-26 | 2021-04-01 | Psa Automobiles Sa | Module de test de courants de fuite dans un circuit d'inhibition, système embarqué les comprenant, et véhicule automobile l'incorporant |
FR3101424A1 (fr) * | 2019-09-26 | 2021-04-02 | Psa Automobiles Sa | Module de test de courants de fuite dans un circuit d’inhibition, système embarqué les comprenant, et véhicule automobile l’incorporant |
US11936371B1 (en) | 2022-10-04 | 2024-03-19 | Psemi Corporation | Accurate reduced gate-drive current limiter |
WO2024076958A1 (en) * | 2022-10-04 | 2024-04-11 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Accurate reduced gate-drive current limiter |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4756557B2 (ja) | 半導体装置 | |
US7924084B2 (en) | Semiconductor device | |
EP1366552B1 (en) | Semiconductor device with protective functions | |
US8390340B2 (en) | Load driving device | |
JP6217248B2 (ja) | 半導体装置 | |
EP2248169B1 (en) | Circuit for preventing self-heating of metal-insulator-transition (mit) device and method of fabricating integrated-device with the same circuit | |
JP3831894B2 (ja) | 半導体集積回路 | |
JP2007173493A (ja) | 半導体装置 | |
JP2005241463A (ja) | 電流検出回路及び保護回路 | |
JP2007095848A (ja) | 半導体装置 | |
JP5124292B2 (ja) | 電力スイッチ回路 | |
JP4223375B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP2009147022A (ja) | 光半導体リレー | |
JP3983754B2 (ja) | 過熱保護回路を備えた半導体装置およびそれを用いた電子回路 | |
JP2004228317A (ja) | 半導体記憶装置 | |
JP4194420B2 (ja) | 過電流保護回路を備えるパック電池 | |
JP2007335999A (ja) | 半導体装置及びそれを備えた半導体リレー装置 | |
JPH10233669A (ja) | 半導体リレー | |
JP2001028437A (ja) | 過電流保護装置 | |
JP2017147751A (ja) | 半導体装置 | |
JP2003133925A (ja) | 過熱保護機能付きスイッチング回路及びこれを備えた半導体リレー | |
JP2001007294A (ja) | 半導体装置 | |
JP2006303843A (ja) | 半導体装置 | |
JP2005093763A (ja) | 半導体装置 | |
JP2007088653A (ja) | 過電流保護回路 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20090303 |