JP2007171649A - ポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高エネルギー線、X線、電子線あるいはEUV光を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、アウトガス低減を同時に満足するポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】(A)特定のスチレン骨格を有する繰り返し単位を有する、アルカリ現像液に不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有する樹脂及び(B)特定構造の化合物を含有するポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、超LSIや高容量マイクロチップの製造などの超マイクロリソグラフィプロセスやその他のフォトパブリケーションプロセスに好適に用いられるポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。さらに詳しくは、電子線、X線、EUV光等を使用して高精細化したパターンを形成し得るポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものであり、電子線、X線、EUV光(波長:13nm付近)を用いる半導体素子の微細加工に好適に用いることができるポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光というように短波長化の傾向が見られる。さらには、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
特に電子線リソグラフィーは、次世代もしくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像性のポジ型レジストが望まれている。特にウェハー処理時間の短縮化のために高感度化は非常に重要な課題であるが、電子線用ポジ型レジストにおいては、高感度化を追求しようとすると、解像力の低下のみならず、ラインエッジラフネスの悪化が起こり、これらの特性を同時に満足するレジストの開発が強く望まれている。ここで、ラインエッジラフネスとは、レジストのパターンと基板界面のエッジがレジストの特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを真上から見たときにエッジが凹凸に見えることを言う。この凹凸がレジストをマスクとするエッチング工程により転写され、電気特性を劣化させるため、歩留りを低下させる。特に0.25μm以下の超微細領域ではラインエッジラフネスは極めて重要な改良課題となっている。高感度と、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネスはトレードオフの関係にあり、これを如何にして同時に満足させるかが非常に重要である。
KrFエキシマレーザー光、X線やEUV光を用いるリソグラフィーにおいても、同様に高感度と高解像性等を両立させることが重要な課題となっており、これらの解決が必要である。
EUV光を光源とする場合、光の波長が極紫外領域に属し、高エネルギーを有するため、EUV光に起因するネガ化等の光化学反応が協奏することによるコントラスト低下等の問題がある。
また、電子線やX線、EUV光の光源などを用いた場合には真空下で露光を行うため、溶剤などの低沸点化合物や高いエネルギーにより分解したレジスト材料が揮発し、露光装置を汚染するという、アウトガスの問題が重要となってきている。
電子線、KrFエキシマレーザー光、X線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィープロセスに適したレジストとしては、高感度化の観点から主に酸触媒反応を利用した化学増幅型レジストが用いられており、ポジ型レジストにおいては主成分として、アルカリ現像液には不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有するフ
ェノール性ポリマー(以下、フェノール性酸分解性樹脂と略す)、及び酸発生剤からなる化学増幅型レジスト組成物が有効に使用されている。
電子線、KrFエキシマレーザー光、X線、あるいはEUV光用のポジ型レジストに関して、これまでフェノール性酸分解性樹脂を含むレジスト組成物がいくつか知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
しかしながら、これらのいかなる組合せにおいても、超微細領域での、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、アウトガス低減は、同時に満足できていないのが現状である。
特開2002−323768号公報 特開平6−41221号公報 特許第3173368号公報 特開2000−122291号公報 特開2001−114825号公報 特開2001−206917号公報
本発明の目的は、KrFエキシマレーザー光、電子線、X線、あるいはEUV光を使用する半導体素子の微細加工における性能向上技術の課題を解決することであり、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、アウトガス低減を同時に満足するポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明の課題が、(A)特定の、フェノール性酸分解性樹脂と、(B)特定の、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含有するポジ型レジスト組成物によって達成されることを見出した。
即ち、本発明は、下記構成によって達成される。
(1) (A)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、アルカリ現像液に不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有する樹脂及び
(B)下記一般式(II)で表されるスルホニウムカチオンを有する化合物
を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Figure 2007171649
一般式(I)中、
1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
2は、1価の非酸分解性基を表す。
Xは、水素原子又は1価の有機基を表す。
mは、0〜4の整数を表す。
mが、2〜4のとき、複数のR2は、同じでも異なっていても良い。
一般式(II)中、
3〜R15は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、単結合又は2価の連結基を表す。
(2) 一般式(I)に於ける、Xが、−C(R16)(R17)(OR18)で表されることを特徴とする(1)に記載のポジ型レジスト組成物。
但し、R16及びR17は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、R18は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
(3) (A)成分の樹脂が、更に、一般式(I)に於けるXが、水素原子である繰り返し単位を有することを特徴とする(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
(4) EUV光の照射により露光されることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
本発明の好ましい実施の態様として、更に、以下の構成を挙げることができる。
(6) 一般式(I)に於ける、Xが、脂環構造及び/又は芳香環構造を有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(7) 上記(2)に於ける、R18が、脂環構造及び/又は芳香環構造を有することを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(8) 更に、有機塩基性化合物を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)、(6)及び(7)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(9) 更に、界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)及び(6)〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(10) (B)成分の化合物の対アニオンが、有機スルホン酸アニオンであることを特徴とする上記(1)〜(4)及び(6)〜(9)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(11) 更に、活性光線又は放射線の作用によりカルボン酸を発生する化合物を含有することを特徴とする上記(10)に記載のポジ型レジスト組成物。
(12) 更に、溶剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)及び(6)〜(11)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(13) 溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有す
ることを特徴とする上記(12)に記載のポジ型レジスト組成物。
(14) 溶剤として、更に、プロピレングリコールモノメチルエーテルを含有することを特徴とする上記(13)に記載のポジ型レジスト組成物。
(15) 電子線又はX線の照射により露光されることを特徴とする上記(1)〜(3)及び(6)〜(14)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
(16) 上記(6)〜(15)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
本発明により、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、アウトガス低減を同時に満足するポジ型レジスト組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明に使用する化合物について詳細に説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
〔1〕(A)一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、アルカリ現像液に不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有する樹脂
本発明のポジ型レジスト組成物は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、アルカリ現像液に不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有する樹脂(「(A)成分の樹脂」ともいう)を含有する。
Figure 2007171649
一般式(I)中、
1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
2は、1価の非酸分解性基を表す。
Xは、水素原子又は1価の有機基を表す。
mは、0〜4の整数を表す。
mが、2〜4のとき、複数のR2は、同じでも異なっていても良い。
(A)成分の樹脂は、アルカリ現像液に不溶又は難溶性で、酸の作用により分解してアルカリ現像液に可溶となる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する。
酸分解性基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、チオール基等のアルカリ可溶性基の水素原子が、酸の作用により脱離する基で保護された基を挙げることができる。
酸の作用により脱離する基(以下、「酸脱離性基」ともいう)としては、例えば、−C(R16)(R17)(OR18)、−C(R19)(R20)(R21)、−CO−OC(R19)(R20)(R21)等を挙げることができる。
16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。R18は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。R19〜R21は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。尚、R16、R17、R18の内の2つ、または、R19、R20、R21の内の2つが結合して環を形成してもよい。
(A)成分の樹脂は、酸分解性基を一般式(I)で表される繰り返し単位に有していてもよいし、一般式(I)で表される繰り返し単位以外の、他の繰り返し単位、例えば、後述する一般式(III)で表される繰り返し単位に有していてもよい。
一般式(I)に於ける、R1のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基等を挙げることができる。
1のアルキル基は、フッ素原子で置換されていてもよく、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基が好ましい。
1として、好ましくは、水素原子、メチル基、又はペルフルオロメチル基であり、特に好ましくは、水素原子又はメチル基である。
2の非酸分解性基とは、酸分解性基でない基、即ち、露光により酸発生剤などから発生する酸により分解して、水酸基、カルボキシ基などのアルカリ可溶性基を生じることがない基を意味する。
2としての非酸分解性基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、−OC(=O)Ra、−OC(=O)ORa、−C(=O)ORa、−C(=O)N(Rb)Ra、−N(Rb)C(=O)Ra、−N(Rb)C(=O)ORa、−N(Rb)SO2Ra、−SRa、−SO2Ra、−SO3Ra、−SO2N(Rb)Ra等を挙げることができる。Raは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。Rbは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
2としてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
2としてのシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数3〜15個のシクロアルキル基であって、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基を好ましく挙げることができる。
2としてのアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等を好ましく挙げることができる。
2としてのアリール基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましく挙げることができる。
2としてのアシル基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数2〜8個のアシル基であって、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を好ましく挙げることができる。
これらの基が有してもよい置換基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)等を挙げることができる。環状構造については
、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜8)を挙げることができる。
Ra及びRbとしてのアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基は、R2として挙げたものと同様のものである。
Xとしての1価の有機基は、好ましくは炭素数1〜40であり、酸の作用により酸素原子から脱離しない基(以下、「非酸脱離性基」ともいう)であっても、酸の作用により酸素原子から脱離する酸脱離性基であってもよい。
非酸脱離性基としては、例えば、アルキル基(但し、第3級アルキル基は除く)、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルオキシ基(但し、−O−第3級アルキル基は除く)、アシル基、シクロアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミドオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルアミドメチルオキシ基、アルキルアミド基、アリールアミドメチル基、アリールアミド基等が挙げられる。
非酸脱離性基としては、好ましくは、アルキル基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミドオキシ基、アルキルアミド基であり、より好ましくは、アルキル基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基である。
非酸脱離性基において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としては、フエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。アルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルキルオキシ基が好ましい。
Xの酸脱離性基としては、例えば、−C(R16)(R17)(OR18)、−C(R19)(R20)(R21)、−CO−OC(R19)(R20)(R21)等を挙げることができる。
16及びR17は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。R18は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。R19〜R21は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。尚、R16、R17、R18の内の2つ、または、R19、R20、R21の内の2つが結合して環を形成してもよい。
16及びR17としてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。更に好ましくは、メチル基、エチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
18としてのアルキル基としては、置換基を有していてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜4個のものが好ましく、シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましく、アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基の様な炭素数2〜4個のものが好ましく、アリール基としては、フエニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素数6〜14個のものが好ましい。
19〜R21に於ける、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基及びアリール基は、R18に於ける、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基及びアリール基と同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のXには、酸分解性基を有する基を変性により導入することもできる。このようにして、酸分解性基を導入したXは、例えば、以下のようになる。
−〔C(R24)(R25)〕p−CO−OC(R19)(R20)(R21
24及びR25は、それぞれ独立して、水素原子又はアルキル基を表す。pは、1〜4の整数である。
mは、0又は1であることが好ましい。
(A)成分の樹脂に於いて、一般式(I)で表される繰り返し単位は、Xが、水素原子又は酸脱離性基である繰り返し単位が好ましく、Xが、−C(R16)(R17)(OR18)で表される繰り返し単位がより好ましい。
(A)成分の樹脂は、一般式(I)で表される繰り返し単位に於いて、Xが、−C(R16)(R17)(OR18)である繰り返し単位と、一般式(I)で表される繰り返し単位に於いて、Xが、水素原子である繰り返し単位とを有することが特に好ましい。
(A)成分の樹脂は、一般式(I)で表される繰り返し単位に於いて、Xが、脂環構造及び/又は芳香環構造を有することが好ましい。
(A)成分の樹脂は、一般式(I)で表される繰り返し単位に於いて、Xが、−C(R16)(R17)(OR18)であり、且つ、X中のR18が、脂環構造及び/又は芳香環構造を有することが好ましい。
(A)成分の樹脂は、アルカリ現像液に対する良好な現像性を維持するために、アルカリ可溶性基、例えば、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、ヘキサフルオロイソプロパノール基(−C(CF3)2OH)が導入され得るように適切な他の重合性モノマーが共重合されていてもよいし、膜質向上のためにアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートのような疎水性の他の重合性モノマーが共重合されてもよい。
(A)成分の樹脂は、親疎水性の調整のために、アルキレンオキシ、ラクトンなどの親水基を有するメタアクリレート又はアクリレートを共重合してもよい。
(A)成分の樹脂は、スチレン(アルキル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、スルホニル基、エステル基、アシルオキシ基が置換していてもよい)、ビニルナフタレン(アルキル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、スルホニル基、エステル基、アシルオキシ基が置換していてもよい)、ビニルアントラセン(アルキル基、ハロゲン原子、アルキルチオ基、スルホニル基、エステル基、アシルオキシ基が置換していてもよい)、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類などが共重合されていてもよい。
(A)成分の樹脂は、下記一般式(III)で表される繰り返し単位を有していることが好ましい。
Figure 2007171649
一般式(III)中、
Raは、水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はシアノ基を表す。
Rbは、酸脱離性基を表す。
一般式(III)に於ける、Rbの酸脱離性基としては、一般式(I)、Xに於ける、酸脱離性基と同様のものである。
(A)成分の樹脂に於いて、一般式(I)で表される繰り返し単位の含有率は、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ましくは3〜100モル%、より好ましくは5〜90モル%、特に好ましくは10〜85モル%である。
水酸基、カルボキシ基、スルホン酸基などアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ましくは1〜99モル%、より好ましくは3〜95モル%、特に好ましくは5〜90モル%である。
酸分解性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂を構成する全繰り返し単位中、好ましくは3〜95モル%、より好ましくは5〜90モル%、特に好ましくは10〜85モル%である。
(A)成分の樹脂は、欧州特許254853号、特開平2−258500号、特開平3−223860号、特開平4−251259号に記載されているような、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解しうる基の前駆体を反応させる方法、もしくは、酸で分解しうる基を有するモノマーを種々のモノマーと共重合する方法など公知の合成法により合成することができる。
(A)成分の樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜200,000の範囲であることが好ましく、更に好ましくは、1,500〜100,000の範囲であり、特に好ましくは、2,000〜50,000の範囲である。未露光部の膜減り防止の点から1000以上が好ましく、樹脂自体のアルカリに対する溶解速度、感度の点から200000以下が好ましい。また、分子量分散度(Mw/Mn)は、1.0〜4.0であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0、特に好ましくは、1.0〜2.5である。
ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算値をもって定義される。
(A)成分の樹脂は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
(A)成分の樹脂の添加量は、合計でポジ型レジスト組成物の固形分に対し、通常30〜99質量%であり、好ましくは40〜97質量%であり、特に好ましくは50〜95質量%である。
以下、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、アルカリ現像液に不溶又は難溶
性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有する樹脂の具体例を示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2007171649
Figure 2007171649
〔2〕(B)一般式(II)で表されるスルホニウムカチオンを有する化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、下記一般式(II)で表されるスルホニウムカチオンを有する化合物(「(B)成分の化合物」ともいう)を含有する。
Figure 2007171649
一般式(II)中、
3〜R15は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(II)び於ける、R3〜R15の置換基としては、いかなるものでもよく、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い
)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基(シクロアルコキシカルボニルオキシ基を含む)、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(シクロアルコキシカルボニルアミノ基を含む)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基を含む)、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルフィニル基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基(シクロアルコキシカルボニル基を含む)、カルバモイル基、アリール若しくはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、その他の公知の置換基が挙げられる。
3〜R15として、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アリールオキシ基、、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(シクロアルコキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基を含む)、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基(シクロアルコキシカルボニル基を含む)、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
3〜R15として、更に好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(シクロアルコキシカルボニルアミノ基を含む)、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基を含む)、スルファモイル基、アルキル、シクロアルキル若しくはアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基(シクロアルコキシカルボニル基を含む)、カルバモイル基である。
3〜R15として、特に好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基(ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基(シクロアルコキシ基を含む)、アルキルスルホニル基である。
3〜R15の隣接するもの同士で互いに結合して形成する環としては、芳香族、非芳香族の炭化水素環、複素環及びこれらを更に組み合わせた多環縮合環を挙げることができ、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環等が挙げられる。
Zの2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオ
エーテル基、アミノ基、-CH=CH-,-C≡C-等であり、置換基を有しても良い。これらの置換基としては、R3〜R15に示した置換基と同様のものを挙げることができる。
Zとして、好ましくは、単結合、アルキレン基(好ましくはメチレン基)、エーテル基、チオエーテル基であり、より好ましくは、単結合、エーテル基、チオエーテル基である。
(B)成分の化合物は、対アニオンを有する。対アニオンは、有機アニオンであることが望ましい。有機アニオンとは、炭素原子を少なくとも1つ有するアニオンである。更に、有機アニオンは、非求核性アニオンであることが好ましい。非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。非求核性カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であっても、シクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンに於けると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンに於ける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンに於けると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができ
る。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
(B)成分の化合物の対アニオンとしては、スルホン酸アニオンが好ましく、更に好ましくは、芳香族スルホン酸アニオンである。
対アニオンとして具体的には、メタンスルホン酸アニオン、トリフロロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフロロプロパンスルホン酸アニオン、パーフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロヘキサンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビストリフロロメチルベンゼンスルホ酸アニオン、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン酸アニオン、パーフロロエトキシエタンスルホン酸アニオン、2,3,5,6−テトラフロロ−4−ドデシルオキシベンゼンスルホン酸アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン等が挙げられる。
(B)成分の化合物が、一般式(I)で表されるスルホニウムカチオンとともに有する対アニオンは、1価でも2価以上でもよい。対アニオンが、2価以上の場合、(B)成分の化合物は、一般式(I)で表されるスルホニウムカチオンを2個以上有することができる。
(B)成分の化合物は、環状スルフィド化合物を過酸化水素で酸化してスルホキシド化合物とし、得られたスルホキシド化合物を酸触媒の存在下、目的とする芳香族化合物と反応させ、トリフェニルスルホニウム塩構造を合成した後、所望のアニオンに塩交換することによって合成できる。
(B)成分の化合物の含量は、ポジ型レジスト組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
(B)成分の化合物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤である。
(B)成分の化合物は、特開2003-149800号公報などに記載の公知の方法で合成することが出来る。
以下、一般式(II)で表されるスルホニウムカチオンを有する化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2007171649
Figure 2007171649
(併用酸発生剤)
本発明においては、(B)成分の化合物以外に、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物(併用酸発生剤)を更に併用してもよい。
併用酸発生剤の使用量は、モル比((B)成分の化合物/併用酸発生剤)で、通常100/0〜20/80、好ましくは100/0〜40/60、更に好ましくは100/0〜50/50である。
そのような併用酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
併用酸発生剤の内で好ましい化合物として、下記一般式(ZI)、(ZII)、(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007171649
上記一般式(ZI)に於いて、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これによりレジストの経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン等が挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオンに於ける、脂肪族部位は、アルキル基であっても、シクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
芳香族スルホン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族スルホン酸アニオン及び芳香族スルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数
3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
脂肪族カルボン酸アニオンに於ける脂肪族部位としては、脂肪族スルホン酸アニオンに於けると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができる。
芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、芳香族スルホン酸アニオンおけると同様のアリール基を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンに於けるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンに於ける、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基の置換基としては、例えば、芳香族スルホン酸アニオンに於けると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基の置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換された脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、特に好ましくは炭素数4〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、最も好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する化合物(ZI−1)、(ZI−2)及び(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合
物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(ZI−1)、(ZI−2)、及び(ZI−3)を挙げることができる。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としては、炭化水素で構成されたアリール基及び窒素原子、硫黄原子、酸素原子などのヘテロ原子を有するヘテロアリール基が挙げられる。炭化水素で構成されたアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール基、インドール基、カルバゾール基、フラン基、チオフェン基などが挙げられ、好ましくはインドール基である。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、
ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2007171649
一般式(ZI−3)に於いて、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R7c中のいずれか2つ以上、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-と同様の非求核性アニオンを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができ、シクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cに於けると同様のアルキル基及びシクロアルキル基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cに於けると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としては、炭化水素で構成されたアリール基及び窒素原子、硫黄原子、酸素原子などのヘテロ原子を有するヘテロアリール基が挙げられる。炭化水素で構成されたアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール基、インドール基、カルバゾール基、フラン基、チオフェン基などが挙げられ、好ましくはインドール基である。
204〜R207におけるアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6
〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるZ-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
併用酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)、(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007171649
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
併用酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、併用酸発生剤として、スルホン酸基を1つ有するスルホン酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、またはフッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物であり、特に好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸のスルホニウム塩である。
(B)成分の化合物と、併用酸発生剤とを使用する場合に、(B)成分の化合物として、対アニオンが、有機スルホン酸アニオンである化合物を使用し、併用酸発生剤として、活性光線又は放射線の作用によりカルボン酸を発生する化合物を使用することが好ましい。
併用酸発生剤の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
Figure 2007171649
Figure 2007171649
Figure 2007171649
Figure 2007171649
〔3〕(C)有機塩基性化合物
本発明のポジ型レジスト組成物は、有機塩基性化合物を含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物が含有する有機塩基性化合物は、好ましくはフェノールよりも塩基性の強い化合物である。有機塩基性化合物の分子量は通常100〜900、好ましくは150〜800、より好ましくは200〜700である。また、特に含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい含窒素塩基性化合物は、好ましい化学的環境として、下記一般式(A)〜(E)の構造を有する化合物である。一般式(B)〜(E)は、環構造の一部であってもよい。
Figure 2007171649
一般式(A)〜(E)に於いて、
250 、R251 及びR252 は、同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数3〜20個のシクロアルキル基又は炭素数6〜20個のアリール基
を表し、ここで、R251とR252は、互いに結合して環を形成してもよい。
上記アルキル基、シクロアルキル基は、無置換であっても置換基を有するものであってもよく、置換基を有するアルキル基、シクロアルキル基としては、炭素数1〜20個のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、炭素数3〜20個のアミノシクロアルキル基、炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
253 、R254 、R255及びR256 は、同一でも異なってもよく、炭素数1〜6個のアルキル基を表す。
更に好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。
好ましい具体例としては、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルフォリン、アミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。これらは置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基などが挙げられる。
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフォリンなどが挙げられるがこれに限定されるものではない。
また、テトラアルキルアンモニウム塩型の含窒素塩基性化合物も用いることができる。これらの中では、特に炭素数1〜8のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ-(n-ブチル)アンモニウムヒドロキシド等)が好ましい。これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上一緒に用いられる。
酸発生剤と有機塩基性化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/有機塩基性化合物(モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/有機塩基性化合物(モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
〔4〕(D)界面活性剤
本発明においては、界面活性剤類を用いることができ、製膜性、パターンの密着性、現像欠陥低減等の観点から好ましい。
界面活性剤の具体的としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラ−ドFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。
界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば、特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
市販のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば、エフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることができる。フルオロ脂肪族
化合物は、特開2002−90991号公報に記載された方法によって合成することができる。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)基など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
界面活性剤は、単独で使用してもよいし、また、いくつかの組み合わせで使用することもできる。
界面活性剤の使用量は、ポジ型レジスト組成物全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
〔5〕その他の成分
本発明のポジ型レジスト組成物には必要に応じて、さらに、染料、光塩基発生剤などを含有させることができる。
1.染料
本発明においては、染料を用いることができる。
好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS,オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
2.光塩基発生剤
本発明の組成物に添加できる光塩基発生剤としては、特開平4−151156号、同4
−162040号、同5−197148号、同5−5995号、同6−194834号、同8−146608号、同10−83079号、欧州特許622682号に記載の化合物が挙げられ、具体的には、2−ニトロベンジルカルバメート、2,5−ジニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、N−シクロヘキシル−4−メチルフェニルスルホンアミド、1,1−ジメチル−2−フェニルエチル−N−イソプロピルカーバメート等が好適に用いることができる。これらの光塩基発生剤は、レジスト形状などの改善を目的とし添加される。
3.溶剤類
本発明のポジ型レジスト組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。全レジスト成分の固形分濃度として、通常2〜30質量%とすることが好ましく、3〜25質量%がより好ましい。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
本発明のポジ型レジスト組成物は、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有することが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物は、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと、プロピレングリコールモノメチルエーテルとを含有することが好ましい。
本発明のレジスト組成物は基板上に塗布され、薄膜を形成する。このレジスト膜の膜厚は、0.05〜4.0μmが好ましい。
本発明においては、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。更にレジスト下層に反射防止膜を塗布して用いることもできる。
レジストの下層として用いられる反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上へのパターン形成工程は、基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆基板、ガラス基板、ITO基板、石英/酸化クロム被覆基板等)上に、本発明のポジ型レジスト組成物を塗布、乾燥し、レジスト膜を形成し、次にX線、電子線、イオンビーム又はEUVを照射し、好ましくは加熱、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストパターンを形成することができる。
本発明のレジスト組成物のアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノーアミン等のアルコ−ルアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液(通常0.1〜20質量%)を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ノニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
合成例1(樹脂(A1)の合成)
メタヒドロキシスチレン重合体(MHS8000、重量平均分子量8000、分子量分散度1.11)30gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)100gに溶解し、この溶液を60℃、20mmHgまで減圧して約20gの溶剤を系中に残存している水と共に留去した。20℃まで冷却し、2−フェノキシエチルビニルエーテル7.88g、p−トルエンスルホン酸1.0gを添加し、室温にて1時間撹拌した。その後、トリエチルアミン1.16gを添加して中和し、酢酸エチル40g、水40gを加えて洗浄操作を3回行った。その後、溶媒量を調整して30質量%のポリマー溶液を得た。このポリマーのGPCによる重量平均分子量は8500、分子量分散度は1.12であり、1Hおよび13C−NMR解析から、フェノール性OHのアセタール保護率が22%であった。
合成例1と同様にして、(A)成分の樹脂(A2)、(A8)、(A13)及び(A16)を合成した。
下記表1に樹脂(A1)、(A2)、(A8)、(A13)及び(A16)の重量平均分子量、分子量分散度、組成比(モル比、各繰り返し単位と左から順に対応)を示す。
Figure 2007171649
合成例2(化合物(B2)の合成
五酸化二リン/メタンスルホン酸=10/1溶液30gにトルエン50mlを加え、氷冷下ジベンゾチオフェン-S-オキシド(10g)を添加した。添加後50℃で5時間攪拌し、反応後、氷水に添加した。溶液をろ過し、母液にヨウ化カリウム23gを添加した。析出した結晶をろ取した。得られた結晶をメタノールに溶解し、酢酸銀8.3gを加えた。析出した結晶をろ過し、母液にトリイソプロピルベンゼンスルホン酸を14.2g添加した。溶液を減圧溜去し、得られた結晶を酢酸エチル、エーテルの混合溶媒で再結晶し、化合物(B2)を7.2g得た。
合成例2と同様にして他の(B)成分の化合物を合成した。
実施例1〜7及び比較例1〜2
〔レジスト組成物の調製〕
下記表2に示す、
(A)成分の樹脂:0.948g(固形分換算)
(B)成分の化合物:0.05g
必要に応じて併用酸発生剤:0.02g
塩基性化合物:0.003g
界面活性剤:0.002g
を下記表2に示す溶剤に溶解させ、固形分濃度が5.0質量%の溶液を調製した。この溶液を0.1μmのポリテトラフルオロエチレンフィルターで濾過し、ポジ型レジスト液を得た。
〔パターン形成及び評価(EB)〕
調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃90秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.3μmのポジ型レジスト膜を形成した。このレジスト膜に対し、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて電子線照射を行った。照射後に110℃、90秒ベークし、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。得られたパターンを下記の方法で評価した。
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製 S−4300)を用いて観察した。150nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
〔解像力〕
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
〔ラインエッジラフネス〕
上記の感度を示す照射量における150nmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子鞍微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。
〔パターン形状〕
ライン幅150nm(ライン/スペース=1:1)の部分の断面をSEM((株)日立製作所製S−8840)で観察し、以下の基準で評価した。
A:パターン側壁と基板との角度が90±2度であり、かつパターン側壁とパターン表面との角度が90±2度である場合
B:パターン側壁と基板との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満であり、かつパターン側壁とパターン表面との角度が85度以上88度未満あるいは92度以上95度未満である場合
C:パターン側壁と基板との角度が85度未満あるいは95度以上である場合、T−トップ形状が見られる場合またはパターン表面全体が丸くなっている場合
〔アウトガス〕
150nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを照射した時の膜厚の変動率で評価を行った。
アウトガス:((露光前の膜厚)−(露光後の膜厚))/(露光前の膜厚)×100
結果を表2に示す。
以下、表中の略号を示す。
〔比較樹脂・比較酸発生剤〕
Figure 2007171649
〔界面活性剤〕
D−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)
D−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)
D−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
D−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテル
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル
〔塩基性化合物〕
N−1:トリオクチルアミン
N−2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン
N−3:2,4,6−トリフェニルイミダゾール
Figure 2007171649
表2の結果から、本発明のレジスト組成物は、電子線の照射によるパターン形成に関し、比較例の組成物に比べて、高感度、高解像力であり、ラインエッジラフネス、パターン形状に優れ、アウトガスも少ないことが分かる。
〔パターン形成及び評価(KrF)〕
調製したポジ型レジスト液を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、0.4μmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、KrFエキシマレーザーステッパー(NA=0.63)を用いラインアンドスペース用マスクを使用してパターン露光し、露光後すぐに110℃で90秒間ホットプレート上て加熱した。更に2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液で23℃下60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、ラインパターンを形成し、これらについて、前記と同様に感度、解像力、ラインエッジラフネス、パターン形状、アウトガスを評価した。
評価結果を下記表3に示す。
Figure 2007171649
表3の結果から、本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザー光の照射によるパターン形成に関し、比較例の組成物に比べて、高感度、高解像力であり、ラインエッジラフネス、パターン形状に優れ、アウトガスも少ないことが分かる。
〔パターン形成及び評価(EUV)〕
調製したポジ型レジスト液をスピンコータを利用して、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコンウエハー上に均一に塗布し、120℃90秒間加熱乾燥を行い、膜厚0.15μmのポジ型レジスト膜を形成した。得られたレジスト膜にEUV光(波長13nm)を用いて、露光量を0〜10.0mJの範囲で0.5mJづつ変えながら面露光を行い、さらに110℃で、90秒間ベークした。その後2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて、各露光量での溶解速度を測定し、感度曲線を得た。この感度曲線において、レジストの溶解速度が飽和するときの露光量を感度とし、また感度曲線の直線部の勾配から溶解コントラスト(γ値)を算出した。γ値が大きいほど溶解コントラストに優れている。
また、形成したレジスト膜について、実施例1と同様にアウトガスを評価した。
これらの結果を下記表4に示す。
Figure 2007171649
表4の結果から、本発明のレジスト組成物は、EUV光の照射による特性評価において、比較例の組成物に比べて、高感度、高コントラストで、アウトガスも低減されており、優れていることがわかる。

Claims (5)

  1. (A)下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、アルカリ現像液に不溶又は難溶性で、酸の作用によりアルカリ現像液に可溶となる性質を有する樹脂及び
    (B)下記一般式(II)で表されるスルホニウムカチオンを有する化合物
    を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2007171649
    一般式(I)中、
    1は、水素原子、アルキル基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
    2は、1価の非酸分解性基を表す。
    Xは、水素原子又は1価の有機基を表す。
    mは、0〜4の整数を表す。
    mが、2〜4のとき、複数のR2は、同じでも異なっていても良い。
    一般式(II)中、
    3〜R15は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接するもの同士で互いに結合して環を形成してもよい。
    Zは、単結合又は2価の連結基を表す。
  2. 一般式(I)に於ける、Xが、−C(R16)(R17)(OR18)で表されることを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
    但し、R16及びR17は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表し、R18は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基又はアリール基を表す。
  3. (A)成分の樹脂が、更に、一般式(I)に於けるXが、水素原子である繰り返し単位を有することを特徴とする請求項2に記載のポジ型レジスト組成物。
  4. EUV光の照射により露光されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物によりレジスト膜を形成し、該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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