JP2007171391A - 投射形表示装置および投射形表示装置の冷却方法 - Google Patents

投射形表示装置および投射形表示装置の冷却方法 Download PDF

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照幸 森元
Takahiko Morozumi
孝彦 両角
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Abstract

【課題】本発明は、ランプユニットにより加熱された冷却用空気の温度を効率よく下げることができる投射形表示装置を得ることにある。
【解決手段】投射形表示装置は、排気孔(64)を有する筐体(2)と、排気孔(64)に設けられた排気ファン(65)と、筐体(2)に収容され、画像を生成する光学エンジンブロック(13)と、筐体(2)内に設けられ、ランプユニット(14)との熱交換により加熱された冷却用空気をランプユニット(14)の流出口(61)から排気ファン(65)に導く排気通路(70)とを備えている。排気通路(70)は、ランプユニット(14)の流出口(61)に接続される第1の通路部(71)と、第1の通路部(71)の下流端と排気ファン(65)との間に介在される第2の通路部(72)とを有している。第1の通路部(71)は筐体(2)の内部から隔てられており、第2の通路部(72)は筐体(2)の内部に開放されている。
【選択図】 図12

Description

本発明は、発熱するランプユニットを搭載したビデオプロジェクタのような投射形表示装置に係り、特にランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気の排気経路の構造に関する。さらに本発明は、発熱するランプユニットを搭載した投射形表示装置を冷却するための方法に関する。
例えばビデオプロジェクタのような投射形表示装置は、画像を生成する光学エンジンユニットに光を照射するランプユニットを搭載している。
ランプユニットは、一端に光照射口を有する略密閉構造のリフレクタと、このリフレクタの内側に収容された放電ランプとを備えている。この種のランプユニットは、投影画面の明るさを決定する重要な構成要素の一つであり、特に近年では高輝度で鮮明な映像を得るために、高出力の放電ランプを採用する傾向にある。
放電ランプの出力が大きくなると、それに比例してランプユニットの発熱量が増大し、ランプユニットの周囲に位置する他の構成要素に悪影響を及ぼす虞があり得る。このことから、従来の投射形表示装置では、ファンを用いてランプユニットを強制的に冷却することが行なわれている。
例えば特許文献1は、ランプユニットを冷却する空冷ファンを搭載したプロジェクタを開示している。このプロジェクタは、ランプユニットや空冷ファンを収容するケースを備えており、このケースの側面に吸気用および排気用のスリットが形成されている。空冷ファンからランプユニットに送風される冷却用空気は、ランプユニットとの熱交換により加熱される。加熱された冷却用空気は、ケース内を通って排気用のスリットに導かれるとともに、このスリットからケースの外に排出されるようになっている。
特開2003−280101
特許文献1に開示されたプロジェクタによると、ランプユニットとの熱交換により加熱された高温の冷却用空気は、排気用のスリットに到達するまでの間に熱風となってケースの内部を流れる。さらに、空冷ファンをランプユニットよりも下流側に配置した場合、この空冷ファンが熱風の流れに直接晒されることになる。
このため、ランプユニットからの熱によりケースがダメージを受けたり、空冷ファンのモータが動作保障温度を上回ることがあり、ケースの変形や空冷ファンの故障の原因となる虞がある。
ケースおよび空冷ファンが熱的なダメージを受け難くするためには、ケースや空冷ファンを耐熱性の高い材料で形成することが考えられる。しかしながら、一般に耐熱性の高い材料は値段が高いので、プロジェクタの製造コストが高くなるといった弊害が生じ、有効な解決策とはなり得ないものとなる。
本発明の目的は、ランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気の温度を効率よく下げることができ、排気ファンや筐体が冷却用空気の熱影響を受け難くなる投射形表示装置を得ることにある。
本発明の他の目的は、ランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気が排気ファンや排気孔に達するまでの間に、この冷却用空気の温度を効率よく下げることができる投射形表示装置の冷却方法を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る投射形表示装置は、
排気孔を有する筐体と、
上記排気孔に設けられた排気ファンと、
上記筐体に収容され、画像を生成する光学エンジンブロックに光を照射するとともに、冷却用空気が流入する流入口および上記冷却用空気が流出する流出口を有するランプユニットと、
上記筐体内に設けられ、上記ランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気を上記ランプユニットの流出口から上記排気ファンに導く排気通路とを備えている。
上記排気通路は、(1)上記ランプユニットの流出口に接続されるとともに、上記筐体の内部から隔てられた第1の通路部と、(2)上記第1の通路部の下流端と上記排気ファンとの間に介在され、上記筐体内に開放された第2の通路部と、を有することを特徴としている。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る冷却方法は、
排気孔を有する筐体と、
上記排気孔に設けられた排気ファンと、
上記筐体に収容され、画像を生成する光学エンジンブロックに光を照射するランプユニットと、を具備する投射形表示装置に適用する方法であって、
上記ランプユニットの内部に冷却用空気を導入し、
上記ランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気を、上記ランプユニットから上記筐体の内部の独立した排気通路に排出し、
上記排気通路を流れる冷却用空気に上記筐体内の空気を取り込みながら上記排気ファンに導くことを特徴としている。
本発明によれば、熱交換後の高温の冷却用空気を筐体の内部で隔離することができる。しかも、高温の冷却用空気は、筐体内の空気と混じり合った状態で排気ファンに導かれるので、冷却用空気が排気ファンや排気孔に達するまでの間に、この冷却用空気の温度を効率よく下げることができる。よって、筐体および排気ファンに対する冷却用空気の熱影響を少なく抑えることができる。
以下本発明の実施の形態を、図面に基いて説明する。
図1は、投射形表示装置の一例であるビデオプロジェクタ1を開示している。ビデオプロジェクタ1は、合成樹脂製の筐体2を備えている。筐体2は、ボトムパネル3、トップパネル4、フロントパネル5、リヤパネル6および左右のサイドパネル7a,7bを有する偏平な四角い箱形をなしている。
トップパネル4は、各種のインディケータランプや複数の操作ボタンを有する操作部8を備えている。フロントパネル5および右側のサイドパネル7bに、夫々複数の通気孔9が形成されている。
図2に示すように、筐体2は、第1の電源ユニット11、第2の電源ユニット12、光学エンジンブロック13およびランプユニット14を収容している。
第1の電源ユニット11は、光学エンジンブロック13の駆動用電源であり、筐体2の前端部に配置されている。第2の電源ユニット12は、ランプユニット14の駆動用電源であり、筐体2の左端部に配置されている。
図3ないし図6に示すように、光学エンジンブロック13は、画像信号に基いて投射すべき画像光を生成する画像生成装置15と、画像生成装置15にランプユニット14からの光を導く入射光学系16と、画像生成装置15で生成された画像光を拡大して投射する投射レンズ系17とを備えている。
画像生成装置15、入射光学系16および投射レンズ系17は、一つの構造物として一体化されているとともに、共通のエンジンベース18に取り付けられている。エンジンベース18は、例えばアルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料で造られている。エンジンベース18は、光学エンジンブロック13と筐体2のボトムパネル3との間に介在されるとともに、光学エンジンブロック13をボトムパネル3の定位置に固定している。
画像生成装置15は、ランプユニット14から入射光学系16を介して入射される光を、外部から供給される映像信号で空間変調して投射レンズ系17に投射するものである。本実施の形態では、画像生成装置15として例えばデジタルマイクロミラーデバイス(DMD;登録商標)を用いている。
図4および図6に示すように、DMDは、DMD基板20を有している。DMD基板20は、DMDの画像形成面に供給される映像信号を処理したり、マトリクス状に配置された複数のマイクロミラーの傾きを制御するためのものであり、動作中に発熱する複数の回路素子21を含んでいる。DMD基板20は、光学エンジンブロック13の後端において垂直に起立するとともに、筐体2の幅方向に沿って延びている。
DMD基板20の背面にヒートシンク22が取り付けられている。ヒートシンク22は、DMD基板20に熱的に接続されているとともに、筐体2の右側のサイドパネル7bに隣接している。
右側のサイドパネル7bとヒートシンク22との間に第1のファンの一例である吸気ファン23が配置されている。吸気ファン23は、右側のサイドパネル7bの通気孔9から筐体2の外の空気を吸い込むとともに、この空気をヒートシンク22に吹き付けるようになっている。ヒートシンク22を冷却した空気は、図6に矢印で示すようにDMD基板20に沿って筐体2の内部を右から左に横断するように流れる。
入射光学系16は、画像生成装置15の左側に位置している。図7ないし図9に示すように、入射光学系16は、カラーホイール25と、このカラーホイール25を一方向に回転させるモータ26と、モータ26を制御する回路板27とを備えている。カラーホイール25は、赤(R)、緑(G)および青(B)に着色された三つのフィルタ部25a,25b,25cを有している。ランプユニット14から照射される白色光は、カラーホイール25の回転時に、フィルタ部25a,25b,25cを順次透過してDMDの画像形成面に集光され、これにより投射すべき画像光が得られる。
図2に示すように、投射レンズ系17は、画像生成装置15から筐体2の前方に向けて突出するレンズ鏡筒31を有している。レンズ鏡筒31の前端に位置する前面レンズ32は、フロントパネル5に開けた投射口33を通じて筐体2の外に露出している。画像生成装置15で得られた画像光は、レンズ鏡筒31に導かれるとともに、レンズ鏡筒31の前面レンズ32からスクリーンに投射される。
図8および図9に示すように、カラーホイール25、モータ26および回路板27は、エンジンベース18の上に配置されている。エンジンベース18は、画像生成装置15とは反対側の左端部に起立壁28を有している。起立壁28は、カラーホイール25と向かい合っている。起立壁28にランプユニット14からの白色光をカラーホイール25のフィルタ部25a,25b,25cに導く開口部29が形成されている(図3ないし図5を参照)。
エンジンベース18の上面にファン支持板34および導風カバー35が固定されている。ファン支持板34は、DMD基板20の左端部と向かい合っており、これらDMD基板20の左端部とファン支持板34との間にカラーホイール25、モータ26および回路板27が位置している。
図8ないし図10に示すように、導風カバー35は、カラーホイール25、モータ26および回路板27を上方から覆うようにエンジンベース18に取り付けられている。このため、エンジンベース18、DMD基板20、起立壁28、ファン支持板34および導風カバー35は、互いに協働して略密閉された空間36を構成しており、この空間36にカラーホイール25、モータ26および回路板27が収容されている。
図8および図10に示すように、DMD基板20の左端部に切り欠き38が形成されている。切り欠き38は、空間36と筐体2の内部とを連通させる吸気口39を規定している。さらに、ファン支持板34の中央部に空間36に開口する連通口40が形成されている。
ファン支持板34の前面に第2のファンの一例であるシロッコファン42が取り付けられている。シロッコファン42は、ファンケース43と、このファンケース43に収容された遠心式の羽根車44とを備えている。ファンケース43は、シロッコファン42の左方向に開口する吐出口45を有している。羽根車44は、連通口40と同軸のリング状をなしている。
羽根車44が回転すると、空間36内の空気が連通口40を通じて羽根車44の回転中心部に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、羽根車44の外周部からファンケース43内に吐き出されるとともに、このファンケース43の内面にガイドされて吐出口45に導かれる。
一方、ランプユニット14は、筐体2の略中央部に位置し、光学エンジンブロック13の左側に隣り合っている。図11および図12に示すように、ランプユニット14は、ランプハウジング47、リフレクタ48および光源の一例である高圧水銀ランプ49を備えている。
ランプハウジング47は、入射光学系16に向けて開口する四角い箱状の本体51と、この本体51の開口端部に取り付けられたホルダ52とを有している。ホルダ52は、例えば熱伝導性に優れたアルミニウム合金のような金属材料で造られており、その一端に光照射口53が形成されている。光照射口53は、透明なレンズ54で覆われている。
リフレクタ48は、ホルダ52に保持されている。リフレクタ48は、光照射口53に向けて開口する球面状の光反射面55を有している。リフレクタ48の開口端は、ホルダ52によって塞がれている。
高圧水銀ランプ49は、管状の発光管56を有している。発光管56は、その管軸Xを筐体2の幅方向に沿う横置きの姿勢でリフレクタ48に支持されている。高圧水銀ランプ49から発せられる白色光は、リフレクタ48の光反射面55で反射した後、光照射口53から開口部29を介してカラーホイール25に照射される。
高圧水銀ランプ49は、高輝度で鮮明な画像を得るために高出力化されており、それに伴い点灯中は数百度に発熱する。さらに、リフレクタ48の開口端は、ホルダ52によって閉塞されているので、特にリフレクタ48の開口端とホルダ52との間の領域57に高圧水銀ランプ49の熱が籠もり易くなる。
本実施の形態のランプユニット14では、リフレクタ48の開口端とホルダ52との間の領域57の排熱を促進させるため、ホルダ52に冷却用空気が流入する流入口60と、冷却用空気が流出する流出口61が形成されている。
図12に示すように、流入口60と流出口61とは、光照射口53を間に挟んで筐体2の奥行き方向に振り分けて配置されている。流入口60および流出口61には、夫々異物の侵入を防ぐメッシュ状のガード62が設置されている。
流入口60は、シロッコファン42に向けて開口するとともに、そのファンケース43の吐出口45に接続されている。このため、シロッコファン42の吐出口45から吐き出される冷却用空気は、流入口60からランプユニット14の領域57に流入する。
流出口61は、ランプユニット14との熱交換により加熱された高温の冷却用空気を排出するためのものである。この流出口61は、筐体2の後方に向けて開口するとともに、筐体2のリヤパネル6に隣接している。
リヤパネル6の左端部に筐体2の内部の空気を排出する排気孔64が形成されている。さらに、筐体2の後端部に軸流形の排気ファン65が設置されている。排気ファン65は、排気孔64の直前に位置するとともに、ランプユニット14の流出口61よりも筐体2の左側にずれている。
排気ファン65は、ファンケース66と、このファンケース66の内側に支持された羽根車67と、羽根車67を回転させるファンモータ68とを備えている。ファンモータ68は、羽根車67の回転中心部に位置するとともに、筐体2の内部に露出している。
図12に示すように、筐体2の内部に、ランプユニット14の流出口61から排出される高温の冷却用空気を排気ファン65に導く排気通路70が形成されている。排気通路70は、第1の通路部71と第2の通路部72とを備えている。
第1の通路部71は、ランプユニット14のランプハウジング47と、このランプハウジング47の背面に沿う第1の導風ガイド74との間に形成されている。第1の導風ガイド74は、好ましい例としてアルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料で造られている。第1の導風ガイド74は、第1ないし第4のガイド壁75a,75b,75c,75dを一体に備えている。
第1のガイド壁75aは、ランプハウジング47の背面および流出口61と向かい合うように起立するとともに、ランプハウジング47に沿って筐体2の幅方向に延びている。第2のガイド壁75bは、第1のガイド壁75aの右端からホルダ52の右端に向けて張り出している。第3のガイド壁75cは、第1のガイド壁75aの上端からランプハウジング47に向けて張り出している。第4のガイド壁75dは、第1のガイド壁75aの下端からランプハウジング47に向けて張り出している。したがって、第1の導風ガイド74は、ランプハウジング47の左側に向けて開放するようなダクト形状を有している。
第1の導風ガイド74は、固定用の舌片76と延出部77とを備えている。舌片76は、第2のガイド壁75bの下端に位置している。延出部77は、第2のガイド壁75bの先端からエンジンベース18の起立壁28に向けてフランジ状に張り出している。
第1の導風ガイド74は、延出部77をエンジンベース18の起立壁28に突き当てるとともに、舌片76をエンジンベース18の左端部にねじ止めすることで、エンジンベース18に固定されている。
この固定により、第1の導風ガイド74がエンジンベース18に熱的に接続されるとともに、第1の導風ガイド74の第1ないし第4のガイド壁75a〜75dの先端がランプハウジング47に突き当てられる。したがって、排気通路70の第1の通路部71は、筐体2の内部から隔てられた独立した空間となっており、この第1の通路部71の左端に筐体2の内部に開口する吐出口78が形成されている。
さらに、図6および図12に示すように、第1の導風ガイド74をエンジンベース18に固定した状態では、第1の導風ガイド74とDMD基板20とが筐体2の幅方向に互いに隣り合うような位置関係に保たれる。この結果、吸気ファン23によって筐体2の内部に吸い込まれた空気が、第1の導風ガイド74の周囲に流れ込むようになっている。
排気通路70の第2の通路部72は、第2の導風ガイド80によって規定されている。第2の導風ガイド80は、好ましい例としてアルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料で造られている。第2の導風ガイド80は、第1の通路部71の吐出口78と排気ファン65との間に介在されるプレート部81を有している。プレート部81は、例えば排気ファン65のファンケース66と一緒に筐体2のボトムパネル3にねじ止めされて、筐体2の内部で起立している。
プレート部81の一端81aは、吐出口78と向かい合っている。プレート部81の他端81bは、羽根車67の回転中心部を指向している。このため、第2の通路部72は、筐体2の内部にそのまま開放する形状をなしており、この第2の通路部72に吸気ファン23によって筐体2に吸い込まれた冷却用空気が流れ込むようになっている。言い換えると、プレート部81は、吸気ファン23の動作に伴い筐体2の内部を右から左に流れる冷却用空の流れを横断する方向に延びている。
さらに、本実施の形態では、プレート部81の他端81bに偏向部82が一体に形成されている。偏向部82は、プレート部81の他端81bから羽根車67の径方向に沿う中間部を指向するように折れ曲がった形状をなしている。
このような構成のピデオプロジェクタ1において、光学エンジンブロック13で生成された画像光をスクリーンに投影している状態では、筐体2の内部の換気を促進するため、吸気ファン23、シロッコファン42および排気ファン65が動作している。
吸気ファン23は、筐体2の吸気孔9から筐体2の外の空気を冷却用空気として吸い込む。筐体2に吸い込まれた冷却用空気は、DMD基板20のヒートシンク22を冷却した後、DMD基板20に沿って筐体2の内部を右から左に横断するように流れる。
シロッコファン42は、ファン支持板34の連通口40を通じてカラーホイール25およびモータ26が位置する空間36内の空気を吸い込む。空間36は、吸気口39を介して筐体2の内部に開口しているので、吸気口39に負圧が作用する。この結果、吸気ファン23によって筐体2に吸い込まれた冷却用空気の一部が、吸気口39から空間36を経てシロッコファン42に導かれる。
シロッコファン42の吐出口45から吐き出される冷却用空気は、ビデオプロジェクタ1の動作中に最も高温となるランプユニット14に供給される。具体的には、シロッコファン42からの冷却用空気は、図12に矢印で示すように、ランプユニット14の流入口60を通じてリフレクタ48とホルダ52との間の領域57に流れ込む。これにより、リフレクタ48、高圧水銀ランプ49の発光管56およびレンズ54が強制的に冷やされる。
ランプユニット14との熱交換により加熱された高温の冷却用空気は、ランプユニット14の流出口61から排気通路70の第1の通路部71に吐き出される。第1の通路部71は、ダクト形状の第1の導風ガイド74とランプハウジング47との間に形成され、筐体2の内部に対し独立するように隔てられた密閉構造をなしている。このため、ランプユンット14を冷却した直後の高温の冷却用空気は、筐体2の内部に拡散することなく第1の通路部71に止まる。
流出口61から第1の通路部71に吐き出された高温の冷却用空気は、図12に矢印で示すように、第1の導風ガイド74の第1のガイド壁75aに正面から突き当たるように吹き付けられ、その流れ方向が筐体2の左側に向けて略直角に変更される。このため、高温の冷却用空気は、第1の通路部71を吐出口78に向って流れるとともに、この吐出口78から第2の通路部72に導かれる。
この際、第2の通路部72を規定する第2の導風ガイド80のプレート部81は、筐体2のボトムパネル3から起立する単なる壁であるので、第2の通路部72は、筐体2の内部から隔てられることなく筐体2の内部に開放するような形状となっている。
それとともに、プレート部81は、筐体2の内部を右から左に流れる冷却用空気の流れを横断する方向に延びているので、第1の通路部71の吐出口78から吐き出される冷却用空気は、筐体2の内部の空気あるいは筐体2の内部を流れるその他の冷却用空気と一緒に排気ファン65の方向に案内される。
言い換えると、第2の通路部72は、吐出口78から吐き出される高温の冷却用空気に、筐体2の内部の空気あるいは筐体2の内部を流れるその他の冷却用空気を取り込みながら、高温の冷却用空気を排気ファン65に導いている。そのため、排気通路70の第2の通路部72では、高温の冷却用空気とそれよりも低温の空気とが互いに混じり合い、排気ファン65に向って流れる冷却用空気の温度が低く抑えられる。
排気ファン65に導かれた冷却用空気は、排気孔64を通じて筐体2の外に吐き出される。
本発明の実施の形態に係るビデオプロジェクタ1によれば、ランプユニット14の流出口61から排出される高温の冷却用空気を、第1の導風ガイド74を用いて筐体2の内部で隔離することができる。このため、高温の冷却用空気が流出口61から筐体2の内部に拡散するのを防止でき、筐体2の温度上昇を抑制することができる。
しかも、高温の冷却用空気は、排気通路70の第2の通路部72を流れる過程で筐体2の内部の空気と混じり合いながら排気ファン65に導かれるので、ランプユニット14との熱交換により過熱された冷却用空気の温度が下がる。特に本実施の形態では、吸気ファン23を介して筐体2の内部に吸い込まれた冷却用空気が第2の通路部72を流れる冷却用空気と合流するので、第2の通路部72を流れる冷却用空気の冷却効果が高まる。
このため、ランプユニット14から排出される高温の冷却用空気が排気ファン65や排気孔64に達するまでの間に、この冷却用空気の温度を効率よく下げることができる。よって、筐体2や排気ファン65に対する冷却用空気の熱影響を少なく抑えることができ、筐体2の変形および排気ファン65の過熱を未然に防止することができる。
上記実施の形態によると、第2の導風ガイド80は、そのプレート部81の他端81bに羽根車67の径方向に沿う中間部を指向するように折れ曲がる偏向部82を有している。このため、プレート部81が羽根車67の回転中心部を指向しているにも拘らず、プレート部81に沿って流れる冷却用空気は、プレート部81の他端81bの偏向部82に達した時点で、その流れが羽根車67の径方向に沿う中間部を向くように強制的に変えられる。
この結果、ランプユニット14を冷却した冷却用空気が羽根車67の回転中心部に位置するファンモータ68に直接吹き付けられることはなく、ファンモータ68の動作環境温度を適正に保つことができる。
加えて、上記実施の形態では、ランプユニット14の流出口61から流出する高温の冷却用空気を金属製の第1の導風ガイド74に吹き付けているので、冷却用空気の熱が第1の導風ガイド74に伝わり易くなる。言い換えると、第1の導風ガイド74を利用して冷却用空気の熱を積極的に吸収することができる。
それとともに、第1の導風ガイド74に連なる第2の導風ガイド75も金属製であるので、冷却用空気が第2の導風ガイド75に沿って流れる時に、この第2の導風ガイド75が冷却用空気の熱を吸収する。
このことから、排気通路70を流れる冷却用空気が排気ファン65に達するまでの過程において、冷却用空気の熱を事前に奪うことができ、この点でも筐体2から排出される冷却用空気の温度をより一層下げることができる。
さらに、金属製の第1の導風ダクト74は、金属製のエンジンベース18に熱的に接続されているので、第1の導風ダクト74に吸収された冷却用空気の熱を熱伝導によりエンジンベース18に拡散させることができる。したがって、エンジンベース18を放熱板として活用することができ、冷却用空気の冷却効率を高めることができる。
本発明は上記実施の形態に特定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施可能である。
例えば、排気通路を構成する第1導風ガイドと第2の導風ガイドを金属材料により一体に形成してもよい。
さらに、上記実施の形態では、ランプユニットの流出口から流出する冷却用空気の流れ方向をほぼ直角に変更させているが、冷却用空気の流れ方向を変更する角度は、流出口から流出する冷却用空気が導風ガイドに吹き付けられる範囲内であればよい。
本発明の実施の形態に係るビデオプロジェクタの斜視図。 本発明の実施の形態において、ビデオプロジェクタの内部構造を示す斜視図。 本発明の実施の形態において、筐体のボトムパネル、光学エンジンブロックおよびエンジンベースの相対的な位置関係を示す斜視図。 本発明の実施の形態に係る光学エンジンブロックの斜視図。 本発明の実施の形態において、光学エンジンブロックをエンジンベースに固定した状態を示す斜視図。 本発明の実施の形態に係る光学エンジンブロックの平面図。 本発明の実施の形態において、入射光学系のカラーホイールとランプユニットとの位置関係を概略的に示す斜視図。 図6のF8−F8線に沿う断面図。 図8のF9−F9線に沿う断面図。 本発明の実施の形態において、光学エンジンブロックの入射光学系の部分を示す斜視図。 本発明の実施の形態において、ランプユニット、第1の導風ガイド、第2の導風ガイドおよび排気ファンの相対的な位置関係を示す斜視図。 本発明の実施の形態において、ランプユニット、第1の導風ガイド、第2の導風ガイド、筐体の排気口および排気ファンの相対的な位置関係を示す平面図。
符号の説明
2…筐体、13…光学エンジンブロック、14…ランプユニット、60…流入口、61…流出口、64…排気口、65…排気ファン、70…排気通路、71…第1の通路部(通路部)、72…第2の通路部、74…第1の導風ガイド、80…第2の導風ガイド。

Claims (13)

  1. 排気孔を有する筐体と、
    上記排気孔に設けられた排気ファンと、
    上記筐体に収容され、画像を生成する光学エンジンブロックに光を照射するとともに、冷却用空気が流入する流入口および上記冷却用空気が流出する流出口を有するランプユニットと、
    上記筐体内に設けられ、上記ランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気を上記ランプユニットの流出口から上記排気ファンに導く排気通路と、を具備し、
    上記排気通路は、
    上記ランプユニットの流出口に接続されるとともに、上記筐体の内部から隔てられた第1の通路部と、
    上記第1の通路部の下流端と上記排気ファンとの間に介在され、上記筐体内に開放された第2の通路部と、を有することを特徴とする投射形表示装置。
  2. 請求項1の記載において、上記筐体は、上記筐体の外の空気を取り入れる第1のファンと、上記筐体内の空気を上記ランプユニットの流入口に供給する第2のファンと、を備えていることを特徴とする投射形表示装置。
  3. 請求項1又は請求項2の記載において、上記排気通路の第1の通路部は、上記ランプユニットに取り付けられたダクト状の第1の導風ガイドによって形成され、上記排気通路の第2の通路部は、上記第1の導風ガイドと上記排気ファンとの間を結ぶ板状の第2の導風ガイドによって形成されることを特徴とする投射形表示装置。
  4. 請求項3の記載において、上記第1および第2の導風ガイドは、夫々金属製であることを特徴とする投射形表示装置。
  5. 請求項3の記載において、上記光学エンジンブロックは、金属製のエンジンベースを介して上記筐体に固定されているとともに、上記第1の導風ガイドは、上記エンジンベースに熱的に接続されていることを特徴とする投射形表示装置。
  6. 請求項3又は請求項4の記載において、上記排気ファンは、羽根車と、この羽根車の回転中心部に位置するファンモータとを有し、上記第2の導風ガイドは、上記排気ファンに隣接する端部に上記排気通路を流れる冷却用空気を上記ファンモータを外れた位置に導く偏向部を有することを特徴とする投射形表示装置。
  7. 排気孔を有する筐体と、
    上記排気孔に設けられた排気ファンと、
    上記筐体に収容され、画像を生成する光学エンジンブロックに光を照射するとともに、冷却用空気が流入する流入口および上記冷却用空気が流出する流出口を有するランプユニットと、
    上記ランプユニットの流出口に接続され、上記筐体の内部に上記ランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気が流入する独立した通路部を形成する第1の導風ガイドと、
    上記第1の導風ガイドの下流端と上記排気ファンとの間に介在され、上記通路部から送られる冷却用空気を上記筐体内の空気と一緒に上記排気ファンに導く第2の導風ガイドと、を具備することを特徴とする投射形表示装置。
  8. 請求項7の記載において、上記第1の導風ガイドは、上記ランプユニットと協働して上記通路部を形成し、上記通路部は、上記筐体の内部から隔てられていることを特徴とする投射形表示装置。
  9. 請求項7又は請求項8の記載において、上記第1および第2の導風ガイドは、夫々金属製であることを特徴とする投射形表示装置。
  10. 請求項7ないし請求項9のいずれかの記載において、上記筐体は、上記筐体の外の空気を取り入れる第1のファンと、上記筐体内の空気を上記ランプユニットの流入口に供給する第2のファンと、を備えていることを特徴とする投射形表示装置。
  11. 排気孔を有する筐体と、
    上記排気孔に設けられた排気ファンと、
    上記筐体に収容され、画像を生成する光学エンジンブロックに光を照射するランプユニットと、を具備する投射形表示装置を冷却する方法であって、
    上記ランプユニットの内部に冷却用空気を導入し、
    上記ランプユニットとの熱交換により加熱された冷却用空気を、上記ランプユニットから上記筐体の内部の独立した排気通路に排出し、
    上記排気通路を流れる冷却用空気に上記筐体内の空気を取り込みながら上記排気ファンに導くことを特徴とする投射形表示装置の冷却方法。
  12. 請求項11の記載において、上記筐体の内部に少なくとも一つのファンを介して上記筐体の外の空気を導入することを特徴とする投射形表示装置の冷却方法。
  13. 請求項11又は請求項12の記載において、上記加熱された冷却用空気が上記排気通路を流れる時に、上記排気通路が上記冷却用空気の熱を吸収することを特徴とする投射形表示装置の冷却方法。
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