JP2007169615A - 澱粉配合樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロピレン系樹脂に澱粉系物質を配合した樹脂組成物において、澱粉系物質の茶変色や臭気を効果的に抑えながら、樹脂組成物の成形を可能にし、もって良質な成形品を得ることのできる澱粉配合樹脂組成物及びこれを用いた成形品の提供。
【解決手段】示差走査熱量計(DSC)法で測定した融点(Tp)が110〜150℃のプロピレン系樹脂(X)5〜95重量部と、澱粉系物質(Y)95〜5重量部とからなる組成物を主要な原料とすることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、澱粉配合樹脂組成物及びこれを用いた成形品に関し、詳しくは、特定のプロピレン系樹脂と澱粉系物質とからなる澱粉配合樹脂組成物、及びこれを用いた成形品に関する。
食用として生産された農産物のうち余剰分は、一定期間、備蓄することが可能であるが、賞味期限を経過したものについては、廃棄せざるを得ない。このような、廃棄または備蓄の在庫を減らすために、食用の用途以外にも農作物を有効利用する用途が模索されている。
ところで、従来より、澱粉系物質である農作物がプロピレン系樹脂に配合された澱粉配合樹脂組成物を成形加工して用いることは、すでに行われている。
そして、従来の澱粉配合樹脂組成物を製造する技術では、澱粉系物質が配合されることによって生じる成形品の機械的強度や美観の低下をおさえるために、次のような処理を必要としていた。すなわち、配合される澱粉系物質は、プロピレン系樹脂に対する親和性及び分散性を向上させるために、農作物が細かく粉砕されたものであったり、農作物から澱粉成分が抽出されたものであったりした(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来技術において、配合する澱粉系物質は、前記したような手間のかかる前処理を必要とするので、製造コストがかさみ、余剰分の農作物を大量に処分するとともに安価に澱粉配合樹脂組成物を提供することができなかった。
さらに、従来の澱粉配合樹脂組成物を用いた成形品は、次のような品質面での問題点が指摘されている。
第1に、澱粉系物質は、一般的に吸湿性が高いため、熱可塑性樹脂に配合されて成形品となった後も吸湿により膨潤し、この成形品の諸性質の経時的な安定性(寸法安定性等)を欠くといった問題があった。さらに、このような澱粉配合樹脂組成物の成形品を水溶液中に浸すと澱粉成分が溶出して表面にぬめりを生じさせるといった問題も有していた。
第2に、従来の澱粉配合樹脂組成物を延伸加工してフィルム状にすると、フィルムの膜厚が不均一であったり、亀裂が澱粉粒をきっかけに生じやすくなったり、風合いや美観を損なうものであったり、成形後の機械的特性が著しく劣ったりする性質を有するものであった。このため、良質なフィルム成形品を得ることが難しく、特にフィルムを薄膜化すると前記した好ましくない性質が顕著に現われる問題を有していた。
これは、澱粉配合樹脂組成物中に澱粉粒が均一に分散されていなかったりその粒径がフィルムの膜厚に比較して相対的に大きかったりすることが原因である。しかし、前記した方法(粉砕や成分抽出)により澱粉系物質を細かい澱粉粒として得るには限界がある。また、プロピレン系樹脂と澱粉系物質(例えば、米等)は、一般に親和性が悪いため、細かい澱粉粒に前処理されたとしても、熱流動するプロピレン系樹脂に投入された後に、澱粉粒が凝集しやすい性質を有している。このため、従来の澱粉配合樹脂組成物では、前記した好ましくない性質に配慮がなされていないので、良質な薄膜のフィルム成形品を得ることは実現できかった。
第3に、澱粉系物質(例えば、米等)は、一般に通常のプロピレン系樹脂の成形温度では、加熱によるメーラード反応が進行し、茶変色して品質を悪化させたり、澱粉系物質が焼けることによる臭気が発生するという問題も有していた。
このような問題を解決するものの一つとして、熱可塑性樹脂(具体的にはホモポリプロピレン)と木質系材料とデンプン系物質、飽和カルボン酸無水物またはその誘導体並びに有機過酸化物とからなる組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。木質系材料やデンプン系物質と親和性が良い点から、熱可塑性樹脂の中でもポリプロピレンは、木質系材料やデンプン系物質と混合するには有効であるが、通常のポリプロピレンの成形温度(例えば、170℃以上)で、この様な組成物を成形すると、澱粉系物質から著しい臭気が発生し、作業者に多大な悪影響を及ぼす。逆に、臭気の発生を抑えるために成形温度を低く設定すると、得られる成形品の品質、特に表面性が悪化するという問題を有している。
特開2004−2613号公報(段落0046〜段落0050) 特開2005−194314号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、プロピレン系樹脂に澱粉系物質を配合した樹脂組成物において、澱粉系物質の茶変色や臭気を効果的に抑えながら、樹脂組成物の成形を可能にし、もって良質な成形品を得ることのできる澱粉配合樹脂組成物及びこれを用いた成形品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を進めた結果、特定のプロピレン系樹脂を選択的に用いることにより、該プロピレン系樹脂のマトリックス中に澱粉系物質を微細に分散して配合することを可能にし、澱粉系物質の茶変色や臭気を効果的に抑えながらの成形を可能にすることのできる澱粉配合樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、示差走査熱量計(DSC)法で測定した融点(Tp)が110〜150℃のプロピレン系樹脂(X)5〜95重量部と、澱粉系物質(Y)95〜5重量部とからなる組成物を主要な原料とすることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、示差走査熱量計(DSC)法で測定した融点(Tp)が110〜150℃のプロピレン系樹脂(X)5〜95重量部と、澱粉系物質(Y)95〜5重量部とからなる(X)及び(Y)成分の合計量100重量部に対し、前記プロピレン系樹脂(X)及び前記澱粉系物質(Y)の界面における親和性を向上させる相溶化剤(Z)を0.2〜20重量部配合することを特徴とする澱粉配合樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記プロピレン系樹脂(X)は、下記性状(a−1)〜(a−3)を有するプロピレン系重合体であることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物が提供される。
(a−1)プロピレン単位を85〜100モル%、エチレン及び/又はブテン構造単位を0〜15モル%含む
(a−2)Q値が5.0以下
(a−3)昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分が4.0重量%以下
また、本発明の第4の発明によれば、第2の発明において、前記相溶化剤(Z)は、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸又はそれらの誘導体であることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第2の発明において、前記相溶化剤(Z)は、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された熱可塑性樹脂であることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第2の発明において、前記相溶化剤(Z)は、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された前記澱粉系物質(Y)であることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、前記澱粉系物質(Y)は、米、小麦、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、及びタピオカの物質群の中から選ばれる少なくとも一の物質から構成されることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明の澱粉配合樹脂組成物から得られることを特徴とする成形品が提供される。
本発明に係る澱粉配合樹脂組成物は、マトリックスを形成するプロピレン系樹脂(X)に、澱粉系物質(Y)が微細にかつ均一に分散されるので、それから得られる成形品は、機械的特性及び外観に優れる。特に、この澱粉配合樹脂組成物からフィルム成形品を製造する際、茶変色や臭気を著しく低減させることができ、また、この澱粉配合樹脂組成物からフィルム成形品を製造すると、プロピレン系樹脂(X)を100%使用した場合とほぼ同等の品質を有するフィルム成形品が得られる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
1.構成成分
(1)プロピレン系樹脂(X)
本発明の澱粉配合樹脂組成物のマトリックスを形成する原料として用いられるプロピレン系樹脂(X)は、プロピレン単独重合体であってもプロピレンとα−オレフィンとの共重合体であってもあるいはこれらの混合物であってもよい。プロピレン・α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンは、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えば、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは、一種類でも二種類以上用いてもよい。このうちエチレン、ブテン−1が好適である。より好ましくはエチレンが好適である。また、これらプロピレン系樹脂(X)は、二種以上混合して使用してもよい。
また、本発明で用いられるプロピレン系樹脂(X)は、示差走査熱量計(DSC)法で測定した融点(Tp)が110〜150℃であることが必要であり、好ましくは115〜145℃であり、さらに好ましくは120〜140℃である。Tpが150℃より高い場合には、成形温度を高く設定する必要が生じ、高い温度で澱粉配合樹脂組成物を成形すると澱粉が変色や臭気を発生し易くなり、成形性や製品の品質が損なわれる場合がある。
ここで、Tpは示差走査型熱量計(DSC)により測定した値である。セイコー社製示差走査型熱量計を用い、サンプル約5mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで冷却した。続いて10℃/分の昇温スピードで融解させた時に得られる融解熱量曲線からTpを得る。すなわち、融解熱量曲線の最大ピーク温度をTpとした。
さらに、本発明で用いられるプロピレン系樹脂(X)としては、下記の性状(a−1)〜(a−3)を有するプロピレン系重合体が特に好ましい。該プロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレン及び/又はブテンとのランダム共重合体であり、具体的には、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・ブテンランダム共重合体、プロピレン・エチレン・ブテン三元ランダム共重合体が挙げられる。このうちプロピレン・エチレンランダム共重合体が好適である。
(a−1)プロピレン単位、エチレン単位及び/又はブテン単位
本発明で好ましく用いられるプロピレン系重合体は、プロピレン単位を85〜100モル%、好ましくは90〜99.5モル%、より好ましくは92〜98.5モル%、エチレン単位及び/又はブテン単位を0〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%、より好ましくは1.5〜8モル%を含有している必要がある。
ここで、プロピレン単位及びエチレン及び/又はブテン単位はフーリエ変換赤外分析法によって計測される値である。
(a−2)Q値
本発明で好ましく用いられるプロピレン系重合体は、Q値が5以下のものであり、好ましくは2.0〜4.0であり、より好ましくは2.3〜3.5であり、特に好ましくは2.6〜3.3である。Q値が2.0より低いと成形性が悪化する恐れがあり、5.0より高いと得られる成形品の透明性、フィルム引取方向(MD)とフィルム引取方向に対して直角方向(TD)の機械物性のバランス悪化、衝撃強度が弱くなる恐れがある。
ここで、Q値とは、GPC測定による重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で定義されるものである。
(a−3)昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分量
本発明にて、好ましく用いられるプロピレン系重合体は、昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分が3.0重量%以下が好ましく、1.5重量%以下が特に好ましい。40℃以下の可溶分が4.0重量%より多いと、成形品からのブリードが起こりやすく、成形時に発煙が起こりやすくなる。また、澱粉系物質との親和性が悪くなる恐れがある。
40℃以下の可溶分には、オリゴマーのような分子量の低い成分、アタクチックポリプロピレンのような立体規則性の低い成分、コモノマー含量が極端に高い成分等いわゆる低結晶成分を含む。ここでアタクチックポリプロピレンのような立体規則性の低い成分、コモノマー含量が極端に高い低結晶性成分は分子量が高いものであっても可溶分になりうる。したがって、本発明に好ましく用いられるプロピレン系重合体を得るためには、立体規則性の低いポリプロピレンや、コモノマー含量が極端に高い低結晶性成分を含むことになる組成分布の広いポリプロピレンが得られる触媒の使用や重合方法を採用することは避けるべきである。
ここで、昇温溶離分別(TREF)法により可溶分を求める方法は、具体的には以下の手順に従って行なわれる。
試料(プロピレン系重合体)を140℃でオルトジクロロベンゼンに溶解し溶液とする。これを、下記の条件で、140℃のTREFカラムに導入した後8℃/分の降温速度で100℃まで冷却し、引き続き4℃/分の降温速度で40℃まで冷却後、10分間保持する。その後、溶媒であるオルトジクロロベンゼンを1mL/分の流速でカラムに流し、TREFカラム中で40℃のオルトジクロロベンゼンに溶解している成分を10分間溶出させ、次に昇温速度100℃/時間にてカラムを140℃までリニアに昇温し、溶出曲線を得る。
カラムサイズ:4.3mmφ×150mm
カラム充填材:100μm表面不活性処理ガラスビーズ
溶媒:オルトジクロロベンゼン
試料濃度:5mg/mL
試料注入量:0.2mL
溶媒流速:1mL/分
検出器:波長固定型赤外検出器 FOXBORO社製 MIRAN 1A
測定波長:3.42μm
上記条件に従って得た溶出曲線から40℃で溶出する成分の全量に対する割合(重量%)を算出する。
本発明で用いられるプロピレン系樹脂(X)は、示差走査熱量計(DSC)法で測定した融点(Tp)が110〜150℃の範囲を満たすものであり、この性状を有するものであれば、特に製法は限定されず、メタロセン系触媒、チーグラー・ナッタ系触媒、担時型触媒など公知の触媒を使用して製造することができる。これらの中では、メタロセン系触媒を使用して後記するような通常の条件で重合することにより容易に得ることができる。
なお、プロピレン系樹脂(X)としては、市販品を利用することができ、例えば、日本ポリプロ(株)社製WINTECシリーズが好適に利用できる。
好ましい製造方法として用いるメタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と、助触媒、必要により有機金属化合物と、担体とからなる触媒である。好ましくは、特定のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を複数種併用することで、Q値を容易に制御し、目的とする重合体を容易に製造することができる。
ここで、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜30の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも一種の置換基を有するものである。その置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同士が互いに結合して環を形成し、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環、その水添体等を形成してもよい。置換基同士が互いに結合し形成された環がさらに互いに置換基を有していてもよい。
上記炭素数1〜30の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフイル基等のアラルキル基等が例示される。
上記炭素数1〜30のヘテロ炭化水素基としては、ジエチルアミノ基、フリル基、アルキル置換フリル基、インドリル基、ハロゲン置換アリール基、フェノキシ基、トリメチルシリル基、ジフェニルフォスフィノ基等が例示される。
置換基同士すなわち炭化水素同士が互いに結合して1又は2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基、フルオレニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニル基、アズレニル基、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換アズレニル基等が挙げられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物について、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常2個を有し、各々のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は架橋基により互いに結合しているものが好ましい。尚、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、シリレン基、ジアルキルシリレン基、ジアリールシリレン基等の置換シリレン基、ジアルキルゲルミレン基、ジアリールゲルミレン基等の置換ゲルミレン基などが挙げられる。好ましくは、置換シリレン基である。
周期律表第IV族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基などが挙げられる。
上記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の非限定的な例として、下記のものを挙げることができる。尚、これらの化合物は、単に化学的名称のみで示称されているが、その立体構造が本発明でいう非対称性を持つものであることはいうまでもない。また、ジルコニウム化合物のみ例示したが、ジルコニウムをハフニウムに置き換えた化合物も同様に使用できる。
ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(3−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−メチル−4−(4−フルオロ−2−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−エチル−4−フェニル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−クロロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(4−フルオロフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(2−メチルフェニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−ナフチル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−アントラセニル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス〔1−{2−エチル−4−(1−フェナンスリル)−4H−アズレニル}〕ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−ジメチルボラノ−4−インドリル−4H−アズレニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4、5−ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス{1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス[1−{2−エチル−4−(4−tert−ブチル−フェニル)インデニル}]]ジルコニウムジクロリド、エチレンビス−2,4−ジメチルインデニルジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンシクロペンタジエニルフルオレニルジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン−tert−ブチルシクロペンタジエニルフルオレニルジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル,5−メチル−シクロペンタジエニル)(3,6−ジtert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(3−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(2,7−ジメチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド等が挙げられる。
上記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、一種又は二種以上の混合物を触媒成分とすることができる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と組み合わせて使用される助触媒としては、前記周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、又は触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、活性水素基含有あるいは非含有のカチオンと非配位性アニオンからなるイオン性化合物、酸化ランタンなどのランタノイド塩、酸化スズ、フルオロ基を含有するフェノキシ化合物等が挙げられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、無機又は有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機又は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、モンモリロナイト等のイオン交換性層状珪酸塩、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等又はこれらの混合物が挙げられる。
また更に必要により使用される有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が例示される。このうち有機アルミニウムが好適に使用される。有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド、メチルジフェノキシアルミニウム、ビス(ジイソブチルアルミノキシ)フェニルボロキサン等が挙げられる。
重合様式は、触媒成分と各モノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式の方法を採用することができる。具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いるバルク法、溶液法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーを実質的にガス状に保つ気相法を採用することができる。
(2)澱粉系物質(Y)
本発明の澱粉配合樹脂組成物に配合される原料として用いられる澱粉系物質(Y)としては、米、小麦、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、タピオカ等が例示的に挙げられるが、澱粉を含有する農作物であれば、これらに限定されることはなく用いることができる。またこれら澱粉系物質(Y)は、備蓄される時の一般的な状態そのままであったり、洗浄したり、外皮等の澱粉を含まない部分を取り除いたり、適当な大きさに切断したりするなどの簡単な前処理を施す程度で用いることができる。取り扱いが容易な点から、米が望ましい。
また、原料として用いられる澱粉系物質(Y)は、このような簡単な前処理を施した後、下記の要領でα化処理が行われるとさらに好ましい。つまり、澱粉系物質(Y)を構成する澱粉は、当初において結晶構造(β構造)を有しているが、適当な量の水分の存在下で70℃以上の温度環境におくと、このβ構造が崩れて非晶構造(α構造)に変化する。このように、生の澱粉が水分を含んで加熱されることにより、β構造からα構造に変化することを糊化するという。この糊化した澱粉系物質(Y)のα構造を示す澱粉粒は、当初の被加熱状態(生状態)のβ構造であった場合と比較して、熱流動するプロピレン系樹脂(X)中で澱粉の分子レベルで解れて微細に均一に分散しやすい状態になる。
このような、β構造を有する澱粉をα構造にする具体的な処理としては、水に浸漬させて煮沸させたり、水蒸気で蒸して行ったりするような、一般に食用に供する際に行う熱処理を加える方法が挙げられる。
ところで、α構造の非晶状態を有する澱粉は、水分を含んだまま低温に放置されると、時間経過とともに、もとのβ構造の結晶状態に戻る現象(老化という)が観測されることが一般に知られている。一方、α構造の非晶状態を有する澱粉から水分を取り除けば、その後、低温で長期間放置しても澱粉はα構造を維持したままβ構造に可逆転移しない(老化しない)ことが知られている。
そこで、本発明の原料として用いられる澱粉系物質(Y)は、澱粉の構造がα構造(非晶構造)であるもので、水分を含んだ状態、及び、水分を含まない(脱水された)状態の両方をも含むこととする。いずれにしても、プロピレン系樹脂(X)に配合される澱粉系物質(Y)の澱粉構造がα構造(非晶構造)であれば、後記する混練処理の際、プロピレン系樹脂(X)のマトリックスの中で澱粉の分子鎖がほぐれて、微細化して分散されやすくなる。これは、澱粉構造がβ構造(結晶構造)である非加熱の澱粉系物質(Y)を配合した場合には得られない効果である。
ところで、脱水されたα構造の澱粉系物質(Y)を得る方法は、具体的には、水分の存在下で加熱して糊化させた後、そのまま真空装置により雰囲気を減圧することによる。このような、脱水されたα構造の澱粉系物質(Y)を使用することにすれば、老化しにくいので澱粉系物質(Y)を単体で長期保存することが可能になり、澱粉配合樹脂組成物の製造期間短縮や製造コスト削減に寄与することとなる。
なお、前記した、β構造を有する澱粉をα構造にする際に用いられる水には、トレハロースが溶解されていることとする。このことの効果は、例えば、澱粉系物質(Y)として米を適用した場合にあっては、トレハロース水溶液が生米に含浸することにより、米の脂質成分の分解をトレハロースが抑える作用が得られ、製造された米を用いた澱粉配合樹脂組成物の経時的な劣化が抑制されることである。この理由は、トレハロースが、米成分をコーティングして、酸化分解から脂肪酸を護る作用を有するためといわれている。
このような効果は、米に限定されることなく一般的な澱粉系物質(Y)においても発揮されるといえ、またそのような作用を有するものとして、前記したトレハロース以外に、塩、ショ糖、酸化防止剤、たんぱく質分解促進剤、セルロース分解促進剤等が挙げられる。なお、これらのものを水に添加してα構造にした澱粉系物質(Y)を配合することにより、製造された澱粉配合樹脂組成物の特有の臭気、焦げ、色付を防止する効果も得られる。
さて、これまで原料として配合される澱粉系物質(Y)として、すでにα化処理が施されたものを用いることについて説明してきたが、後記する製造方法により、β構造を有する澱粉系物質(Y)が水分を含むものである場合も用いることができる。
具体的には、生米を水に所定時間だけ浸漬させ、水切りを行ってから、混練機に、プロピレン系樹脂(X)と共に投入し、プロピレン系樹脂(X)の熱流動温度で混練する。この熱流動温度(通常は100〜170℃)は、生米の澱粉構造をβ構造からα構造に転移させるのに充分な温度であるため、混練の過程において生米はα化処理されることになる。このように、生米がα構造に変化した後に関しては、既に前記したように、澱粉の分子鎖がほぐれて、微細化してプロピレン系樹脂(X)のマトリックス中に分散していく。
ここで、β構造の生米が加熱されてα化構造になるのには、水分含有量が17%以上であることが望まれ、このためには水への浸漬時間を5分以上にする必要がある。また、例えば馬鈴薯のような、自身で澱粉をα構造にするのに充分な水分を含む、澱粉系物質(Y)に関しては、米のように水に浸漬させる処理は必要なくそのまま混練機に投入することができる。
(3)相溶化剤(Z)
本発明の澱粉配合樹脂組成物においては、必要に応じて、相溶化剤(Z)を配合することができる。好ましく使用される相溶化剤(Z)としては、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸又はそれらの誘導体、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された熱可塑性樹脂、並びに不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された澱粉系物質(Y)が挙げられる。さらに、油変性アルキッド樹脂又はそれらの誘導体、加工澱粉又はそれらの誘導体を用いることもできる。
飽和カルボン酸としては、無水コハク酸、コハク酸、無水フタル酸、フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水アジピン酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、無水ナジック酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、ソルビン酸、アクリル酸等が挙げられる。飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の誘導体としては、飽和カルボン酸又は不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エステル等を使用することができる。
また、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された熱可塑性樹脂、並びに不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された澱粉系物質(Y)を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、プロピレン系樹脂(X)と親和性のあり、本発明の効果を損なうものでなければ、特に限定はないが、具体的には、低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレンブロック共重合体、プロピレンランダム共重合体を挙げることができる。このうち、使用するプロピレン系樹脂(X)と同一のものであることが望ましい。
これらは、熱可塑性樹脂又は澱粉系物質(Y)と不飽和カルボン酸又はその誘導体と、ラジカル発生剤とを溶媒の存在下又は不存在下に加熱混合することにより得られる。不飽和カルボン酸又はその誘導体の付加量は、0.1〜15重量%、特に1〜10重量%が好ましい。本発明で使用される相溶化剤(Z)としては、臭気が無く、酸性度が小さい不飽和カルボン酸、又はその誘導体で変性した熱可塑性樹脂、並びにその誘導体で変性した澱粉系物質が好ましい。
本発明で好ましく使用される相溶化剤(Z)と、澱粉系物質(Y)とを混合して100〜170℃において加熱すると、下記の化学反応に示すようなエステル化反応により化学的に結合される。これにより、澱粉系物質(Y)において、親水性の高い水酸基がエステル基に置換されるため、澱粉系物質(Y)の吸湿性が抑制される作用を奏する。さらに、これによりプロピレン系樹脂(X)と、澱粉系物質(Y)との界面における接合性を良好なものとし、混練温度における澱粉配合樹脂組成物の粘性を低下させ、各種成形により得られた成形品の機械的強度を向上させる効果を与える。
Figure 2007169615
(4)その他の成分
本発明の澱粉配合樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、各種添加剤、例えば造核剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗ブロッキング剤、防曇剤、着色剤、充填剤、エラストマー、木質系材料などを配合することができる。
(5)成分の配合割合
本発明の澱粉配合樹脂組成物において、澱粉系物質(Y)の配合量は、プロピレン系樹脂(X)と澱粉系物質(Y)との合計量100重量部において、95重量部を上限とし下限を5重量部とする。上限を95重量部としたのは、澱粉系物質(Y)の配合量が95重量部を超えると、澱粉配合樹脂組成物のマトリックスが澱粉系物質(Y)で形成されることとなり、製造した成形品の機械的特性が劣ることになるからである。下限を5重量部としたのは、5重量部未満では、余剰の農作物を大量に処分することにならないからである。
また、相溶化剤(Z)の好適な配合量は、実験的に求められるものであって、(X)と(Y)成分の合計量100重量部に対し、0.2〜20重量部の範囲であることが適切である。
2.澱粉配合樹脂組成物の製造
本発明の澱粉配合樹脂組成物は、前記(X)〜(Z)成分、及び必要に応じて添加される他の成分を、前記配合量で混合し、この混合物を100℃を超え170℃未満の温度範囲、好ましくは130〜160℃で、20秒〜30分間、好ましくは30秒〜20分間加熱混練して反応させることにより製造することができる。
加熱混練に用いられる装置としては、前記条件で加熱混練が可能なものであれば特に限定されず、例えばブレンダー、ニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサー、1軸もしくは2軸の押出機などが挙げられる。
好ましい製造方法としては、例えば、各成分を重量フィーダーにより2軸押出機のホッパー部へ直接投入し、2軸押出機で混練ゾーンの設定温度を前記温度に設定して混練する。次に該混練物を加熱下で反応させて複合材を得る。
3.澱粉配合樹脂組成物の特徴及び用途
上記のようにして得られた本発明の澱粉配合樹脂組成物において、澱粉系物質(Y)と相溶化剤(Z)とは、エステル化反応による化学結合が形成されている。これにより、この澱粉配合樹脂組成物においては、澱粉系物質(Y)のプロピレン系樹脂(X)に対する親和性が向上する。すなわち、本発明の澱粉配合樹脂組成物は、澱粉系物質(Y)を多量に配合させても熱流動性に優れ、このため良好な成形加工性を有する。これにより、射出成型、押出成形またはブロー成形等の成形法を用いて澱粉配合樹脂組成物を加熱により流動させて任意の形状の成形品を容易に成形することが可能となる。この際の成形温度も、澱粉系物質の変色や臭気を抑えるために、180℃以下で行なうことが望ましい。
本発明の澱粉配合樹脂組成物を含有する成形品は、構成成分であるプロピレン系樹脂(X)と澱粉系物質(Y)との界面接合性が改善されているため、機械的強度、例えば引張強度、曲げ強度等に優れている。更に本発明の澱粉配合樹脂組成物は、各成分物質を混合した後、プロピレン系樹脂(X)の溶融温度で加熱混練して化学反応させるため、そのまま成形品の成形工程に移行することができる。このため、澱粉配合樹脂組成物を生成する工程と、成形品を製造する工程とを連続させることができるので製造コストを低減させることができる。
本発明は、澱粉配合樹脂組成物及びその成形体が製品として所望される性質を維持しつつ、前記した範囲内で可能な限り高比率で澱粉系物質(Y)を配合させる技術である。これにより、処分に困っている農作物の過剰在庫を大量に有効処分するとともに、化石燃料から製造されるプロピレン系樹脂(X)の使用量を低減させることができる。さらに、澱粉系物質(Y)を高比率で配合した澱粉配合樹脂組成物の成形品は、使用後に焼却処分しても炭が残留物として残るので、燃焼熱や二酸化炭素の発生量が少なく地球環境の保全に大きく貢献する。また埋立処分する場合にあっても土への還元率が高くなり環境に優しいといえる。
本発明の澱粉配合樹脂組成物は、その利用分野が特に制限されることなく、従来からプロピレン系樹脂(X)が用いられている多くの分野において使用される。具体的には、電気絶縁材料、工業用部品材料、建築用材料等の分野に好適に利用され、中でも住宅部材、建築材料、家電製品の原料として好適に利用される。
さらに、その成形品の具体例としては、トレー、食器類、スピーカー、バスユニット床パン、桶、便座、キャビネット、ステレオキャビネット、巾木、ドアー材、カウンター材、窓枠、遮音板、棚板、土木角材、柱、構造材、厨房部材、床、バス、下地板、ピアノオルガンの親板、建具天井材等が挙げられる。
次に本発明の実施例について説明する。各例で使用した原材料、各種成形性と得られた成形品の物性および各種物性の測定方法、及び用いた原材料は次の通りである。
1.各種物性の測定方法
(1)MFR(g/10min):ASTM D1238準拠(230℃、2.16kg荷重)して測定した。
(2)融点(℃):前述記載の方法を用いて測定した。
(3)モノマー構成:前述記載の方法を用いて測定した。
(4)Q値:前述記載の方法を用いて測定した。
(5)可溶分量:前述記載の方法を用いて測定した。
(6)色相(YI):JIS K7105に準拠して測定した。
(7)臭気判定:各造粒品50gを200ccの集気瓶に入れ80℃で2時間加熱後、ヘッドスペースの臭気を嗅ぐ。臭気が全く感じられないものを◎、若干感じられるものを○、はっきり感じられるものを△、激しく感じられるものを×とした。
(8)低温押出性:安定してシートを押出すことのできる最低の樹脂温度条件である。この温度が低い程、低温での成形性に向く組成物を表わす。
(9)延展性(最大引き落とし率):スリットダイのリップ開度を1.0mmで固定し、引取速度を徐々に上げ、破れたりちぎれたりしない最速条件におけるシート厚とリップ開度の比(リップ開度÷シート厚)とした。
(10)引張降伏応力:JIS K7113に準拠して測定した。
(11)引張破断応力:JIS K7113に準拠して測定した。
(12)引張破断伸び:JIS K7113に準拠して測定した。
(13)引張弾性率:JIS K7113に準拠して測定した。
(14)曲げ弾性率:JIS K7171に準拠して測定した。
(15)曲げ最大応力:JIS K7171に準拠して測定した。
(16)デュポン衝撃強度:東洋精機社製「デュポン衝撃試験機」を用い、直径16.2mmの丸穴の空いた受け台上に測定試料を置き、その上に中心が受け台の穴と一致するように支持された直径15.8mmの撃芯を載せ、撃針の上に所定の高さより錘を落下させて試料に衝撃を加え、試料に厚さ方向に貫通した亀裂が確認できれば破壊されたとする。高さ一水準につきN=5以上で測定し、破壊された試料の割合を破壊%とし、下記式にしたがって50%破壊エネルギーEを求め、このEをデュポン衝撃強度と定義した。
E={H−S(T/100−1/2)}×W
H:全破壊時の高さ
S:高さ間隔(今回は5cm)
T:破壊%(無破壊〜全破壊)の和
W:荷重
(17)ドローダウン性(伸び):400mm角・200mm間隔の上下一対のセラミックヒーター、シートのドローダウン量を測定するレーザーセンサー部からなる試験機を用い、シートを開口部250mm角の枠に固定した後、あらかじめ420℃に設定した2つのヒーターの中間にシートを置き、ヒーターの隙間から中央部の上下動を観測した。シートが途中で切れたり穴が空いたりすることなく、長時間に渡りゆっくりと伸びながら垂れ落ちることが望ましく、長時間に渡りゆっくりと伸びながら垂れ落ちるものを良とし、少し伸びをみせたが垂れ落ちることなく穴があいてしまったものを劣とし、全く伸びることなく穴があいてしまったものを測定不能とした。
(18)真空成形性(成形可能範囲):密閉性の高い箱の上面にシートの賦形に用いる金型が固定され、さらに金型には微細な穴が開けられ、箱の内部を真空ポンプで吸引する事によって、420℃に設定したセラミックヒーターにより加熱・軟化されたシートが、金型の凹凸に沿って引きつけられ金型上で冷え固まり凹凸形状に転写させた。真空成形が可能となる軟化の目安はシートが熱膨張で下方へ膨れた状態からから収縮に転じ、その収縮も収まって再び下方へ垂れ下がり始める点から真空成形が可能となる。この際、加熱時間を延長してゆくとシートの垂れ下がりが大きくなり過ぎたり、穴があくなどし始めて成形不可能となるが、前述の成形か可能となる時間から過剰加熱により成形不可能となるまでの時間が成形範囲となり、この時間が長いほど成形性に優れたシートであることを示す。
(19)射出成形性(成形性):安定的に成型できるものを○、安定的に成型できないものを△、成型できないものを不可とした。
(20)射出成形性(成形品外観):成型品表面に艶ムラのあるものを○、艶ムラが若干有するものを△、艶ムラの激しいものを×とした。
(21)射出成形性(成型品臭気):得られた成型品10gを300ccの集気瓶に入れ40℃で2時間加熱後、ヘッドスペースの臭気を嗅ぐ。臭気が全く感じられないものを◎、若干感じられるものを○、はっきり感じられるものを△、激しく感じられるものを×とした。
(22)アイゾット(IZOD)衝撃:JIS K7110に準拠して測定した。
2.原材料
(1)プロピレン系樹脂(各種樹脂物性を表1に記載)
PP−1:プロピレンランダム共重合体(日本ポリプロ(株)製、WINTEC WFX4T)
PP−2:プロピレンランダム共重合体(日本ポリプロ(株)製、WFX6)
PP−3:プロピレンランダム共重合体(日本ポリプロ(株)製、WINTEC WSX02)
PP−4:プロピレンブロック共重合体(日本ポリプロ(株)製、ノバテェック BC03B)
PP−5:プロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製、MA3UD)
PP−6:プロピレンランダム共重合体(日本ポリプロ(株)製、WINTEC WMB3)
PP−7:PP−5を10重量部、PP−6を90重量部の割合で混合し、200℃に設定した単軸押出機で溶融混練したもの
Figure 2007169615
(2)相溶化剤
無水コハク酸(新日本製薬(株)製、顆粒状)
(3)澱粉系物質
配合米:精米(群馬製粉(株)製、粒状)
(実施例1)
(1)澱粉配合樹脂組成物の製造
プロピレン系樹脂(X)としてPP−1を46重量部と澱粉系物質54重量部とを併せて100重量部に対し、相溶化剤2重量部からなる澱粉配合樹脂組成物1を攪拌、混合した後、160℃に設定した2軸押出機に投入し、途中充分に水蒸気の脱気・吸引をしながら混練押出しを行い、澱粉配合樹脂組成物1の造粒品を得た。得られた造粒品性状を表2に示す。造粒品は、色相、臭気、流動性等、品質上の問題点は無かった。
(2)シート成形
上記で得られた澱粉配合樹脂組成物1(造粒品)を用いシート成形を行った。シート成形機は直径32mmφ、L/Dが34の単軸押出機と、幅300mmのコートハンガー式スリットダイ、120mmφの金属製冷却ロールを3本から成るものであり、押出機は回転数を50RPM、押出温度は170℃とし、ダイのスリット(リップ)開度は1mm、ロール冷却水温度は40℃、ロールの周速は1.0m/minとし、0.5mm厚のシートを得、このシートのシート成形性、シート物性および熱成形性を評価した。評価結果を表3に示す。シート成形の際、ロールの回転数を上げシート厚も0.2mmまで薄くしても特に問題なくシートを連続的に得ることができた。また得られたシートの物性は良好であった。さらにドローダウン性、真空成形性についても優れる結果であった。ドローダウン性試験結果を図1に示す。
(実施例2)
実施例1で得た澱粉配合樹脂組成物1(造粒品)を47重量%とPP−2を53重量%用いた以外は、実施例1に準拠してシート成形を行った。
得られたシートのシート成形性、シート物性および熱成形性を評価した。評価結果を表3に示す。シート成形の際、ロールの回転数を上げシート厚さを0.1mmとしても連続してシートを得ることができた。得られたシートは特に耐衝撃性、色相に優れるものであった。さらに、ドローダウン性、真空成形性についても優れる結果であった。ドローダウン性試験結果を図1に示す。
(実施例3)
(1)澱粉配合樹脂組成物の製造
プロピレン系樹脂(X)として、PP−7を46重量部と澱粉系物質54重量部とを併せて100重量部に対し、相溶化剤2重量部からなる澱粉配合樹脂組成物5を攪拌、混合した後、160℃に設定した2軸押出機に投入し、途中充分に水蒸気の脱気・吸引をしながら混練押出しを行い、澱粉配合樹脂組成物5の造粒品を得た。得られた造粒品性状を表2に示す。造粒品は、色相、臭気、流動性等、品質上の問題点は無かった。
(2)シート成形
上記で得られた澱粉配合樹脂組成物5(造粒品)を用いた以外は、実施例1に準拠してシート成形を行った。得られたシートのシート成形性、シート物性および熱成形性を評価した。評価結果を表3に示す。シート成形の際、ロールの回転数を上げ、シートの厚さを0.2mmとしても連続してシートを得ることができた。得られたシートは特に耐衝撃性、色相に優れるものであった。さらに、ドローダウン性、真空成形性についても優れる結果であった。ドローダウン性試験結果を図1に示す。
(実施例4)
(1)澱粉配合樹脂組成物の製造
プロピレン系樹脂(X)として、PP−3を30重量部と澱粉系物質70重量部とを併せて100重量部に対し、相溶化剤3重量部からなる澱粉配合樹脂組成物6を攪拌、混合した後、160℃に設定した2軸押出機に投入し、途中充分に水蒸気の脱気・吸引をしながら混練押出しを行い、澱粉配合樹脂組成物6の造粒品を得た。得られた造粒品性状を表2に示す。造粒品は、色相、臭気、流動性等、品質上の問題点は無かった。
(2)シート成形
上記で得られた澱粉配合樹脂組成物6(造粒品)を用いた以外は、実施例1に準拠してシート成形を行った。得られたシートのシート成形性、シート物性および熱成形性を評価した。評価結果を表3に示す。シート成形の際、ロールの回転数を上げ、シートの厚さを0.25mmとしても連続してシートを得ることができた。得られたシートは特に耐衝撃性、色相に優れるものであった。さらに、ドローダウン性、真空成形性についても優れる結果であった。ドローダウン性試験結果を図1に示す。
(比較例1)
(1)澱粉配合樹脂組成物の製造
プロピレン系樹脂としてPP−4を46重量部と澱粉系物質54重量部とを併せて100重量部に対し、相溶化剤2重量部からなる澱粉配合樹脂組成物2を攪拌、混合した後、160℃の条件と170℃の条件に設定した2軸押出機に投入し造粒を行なったところ、両条件ともに、該組成物2の分散不良が甚だしく造粒ができなかったため、2軸押出機を180℃に設定し、該組成物2を投入し、途中充分に水蒸気の脱気・吸引をしながら混練押出しを行い、澱粉配合樹脂組成物2の造粒品を得た。造粒品は、色相が悪く、臭気の感じられる品質の悪いものであった。
(2)シート成形
上記で得られた澱粉配合樹脂組成物2(造粒品)を用い、押出温度を190℃に設定した以外は、実施例1に準拠してシート成形を行った。得られたシートのシート成形性、シート物性および熱成形性を評価した。評価結果を表3に示す。シート成形の際、ダイから出た溶融樹脂の伸びが悪いため、押出温度を190℃に上げざるを得なかった。また、樹脂は伸びにくく破断し易いため、速度を上げてシートの厚みを0.5mm以下にすることはできなかった。このシートを用い、ドローダウン性の評価を行ったところ、僅かに伸びただけですぐに破断してしまい、真空成形に於いても可能な範囲は非常に狭いものであった。ドローダウン性試験結果を図1に示す。
(比較例2)
(1)澱粉配合樹脂組成物の製造
プロピレン系樹脂としてPP−5を46重量部と澱粉系物質54重量部とを併せて100重量部に対し、相溶化剤2重量部からなる澱粉配合樹脂組成物4を攪拌、混合した後、160℃、170℃、180℃、190℃の4条件に設定した2軸押出機に投入し造粒を行なったところ、4条件ともに、該組成物4の分散不良が甚だしく造粒ができなかったため、2軸押出機を200℃に設定し、該組成物4を投入し、途中充分に水蒸気の脱気・吸引をしながら混練押出しを行い、澱粉配合樹脂組成物4の造粒品を得た。造粒品は、色相が非常に悪く、臭気が激しく感じられ、流動性に乏しい品質の悪いものであった。
(2)シート成形
上記で得られた澱粉配合樹脂組成物4(造粒品)を用い、押出温度を210℃に設定した以外は、実施例1に準拠してシート成形を行った。得られたシートのシート成形性、シート物性および熱成形性を評価した。評価結果を表3に示す。シート成形の際、押出温度を210℃まで上げても、シートの伸びが不足し、時折穴の空く様な状態であった。シートは非常に脆く、切断や打ち抜きもできないため物性測定はできなかった。
また穴のない箇所を用いてドローダウン性評価、真空成形を行っても、加熱途中に穴が空くためデータは得られなかった。ドローダウン性試験結果を図1に示す。
(実施例5)
(1)澱粉配合樹脂組成物の製造
プロピレン系樹脂(X)としてPP−3を46重量部と澱粉系物質54重量部とを併せて100重量部に対し、相溶化剤2重量部からなる澱粉配合樹脂組成物3を攪拌、混合した後、160℃に設定した2軸押出機に投入し、途中充分に水蒸気の脱気・吸引をしながら混練押出しを行い、澱粉配合樹脂組成物1の造粒品を得た。得られた造粒品性状を表2に示す。造粒品は、色相、臭気、流動性等、品質上の問題点は無かった。
(2)射出成型品の製造
上記で得られた澱粉配合樹脂組成物3(造粒品)を用い箱形成型品(肉厚1.5mmtで70×110×45)の射出成型を行った。射出成型機は東芝製IS100GN整形機を表4記載の成型温度(160℃、180℃、200℃)及び金型温度40℃として成形を実施した。成形温度160〜200℃にて得られた成型品は表面に艶ムラ等の無く良好な外観を示した。その結果を表4に示す。
射出物性測定を実施するためのサンプルは、成型温度180℃の条件で射出成型を行い作製した。その結果を表4に示す。得られた射出成型品の特性は良好であった。
(比較例3)
比較例1で得られた澱粉配合樹脂組成物2(造粒品)を用いた以外は、実施例3に準拠して射出成型を行い箱形成型品を得た。ただし、成型温度160℃では、該組成物2が可塑化せず、成型出来なかった。その際の射出成型性の評価結果を表4に示す。成型品の表面は艶ムラが激しく成型品外観として許容出来ない悪い外観であった。
射出物性測定を実施するためのサンプルは、成形温度180℃の条件で射出成型を行い作製した。その結果を表4に示す。得られた射出成型品は、実施例3で得られたものに比較し、引張破断伸び、アイゾット衝撃値が劣っていた。
(比較例4)
比較例2で得られた澱粉配合樹脂組成物4(造粒品)を用いた以外は、実施例3に準拠して射出成型を行い箱形成型品を得た。ただし、成型温度160℃では、該組成物4が可塑化せず、成型出来なかった。その際の射出成型性の評価結果を表4に示す。成型品の表面は艶ムラが激しく成型品外観として許容出来ない悪い外観であった。
射出物性測定を実施するためのサンプルは、成型温度200℃の条件で射出成型を行い作製した。その結果を表4に示す。得られた射出成形品は、実施例3で得られたものに比較し、引張破断伸び、アイゾット衝撃値が著しく劣っていた。
Figure 2007169615
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Figure 2007169615
本発明の澱粉配合樹脂組成物は、配合する澱粉系物質の比率を高くすることができるので、余剰に生産された農作物を大量に有効使用して、化石燃料から生成されるプロピレン系樹脂の使用量を低減させることができる。さらに、澱粉配合樹脂組成物を含む成形品は、焼却処分しても燃焼熱や二酸化炭素の発生量が少なく、さらに生分解性を有するので埋立処分しても100%分解されることとなり、地球環境の保全に大きく貢献する。
実施例1、2、3、4および比較例1、2のドローダウン性試験を実施して得られたプロット図(加熱時間に対する各サンプルのドローダウン量)である。

Claims (8)

  1. 示差走査熱量計(DSC)法で測定した融点(Tp)が110〜150℃のプロピレン系樹脂(X)5〜95重量部と、澱粉系物質(Y)95〜5重量部とからなる組成物を主要な原料とすることを特徴とする澱粉配合樹脂組成物。
  2. 示差走査熱量計(DSC)法で測定した融点(Tp)が110〜150℃のプロピレン系樹脂(X)5〜95重量部と、澱粉系物質(Y)95〜5重量部とからなる(X)及び(Y)成分の合計量100重量部に対し、
    前記プロピレン系樹脂(X)及び前記澱粉系物質(Y)の界面における親和性を向上させる相溶化剤(Z)を0.2〜20重量部配合することを特徴とする澱粉配合樹脂組成物。
  3. 前記プロピレン系樹脂(X)は、下記性状(a−1)〜(a−3)を有するプロピレン系重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の澱粉配合樹脂組成物。
    (a−1)プロピレン単位を85〜100モル%、エチレン及び/又はブテン構造単位を0〜15モル%含む
    (a−2)Q値が5.0以下
    (a−3)昇温溶離分別(TREF)法で測定した40℃以下の可溶分が4.0重量%以下
  4. 前記相溶化剤(Z)は、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸又はそれらの誘導体であることを特徴とする請求項2に記載の澱粉配合樹脂組成物。
  5. 前記相溶化剤(Z)は、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の澱粉配合樹脂組成物。
  6. 前記相溶化剤(Z)は、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された前記澱粉系物質(Y)であることを特徴とする請求項2に記載の澱粉配合樹脂組成物。
  7. 前記澱粉系物質(Y)は、米、小麦、とうもろこし、馬鈴薯、甘藷、及びタピオカの物質群の中から選ばれる少なくとも一の物質から構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の澱粉配合樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の澱粉配合樹脂組成物から得られることを特徴とする成形品。
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