JP2007166796A - 回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機 - Google Patents

回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機 Download PDF

Info

Publication number
JP2007166796A
JP2007166796A JP2005360467A JP2005360467A JP2007166796A JP 2007166796 A JP2007166796 A JP 2007166796A JP 2005360467 A JP2005360467 A JP 2005360467A JP 2005360467 A JP2005360467 A JP 2005360467A JP 2007166796 A JP2007166796 A JP 2007166796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
armature winding
peripheral side
stator
side stator
inner peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005360467A
Other languages
English (en)
Inventor
Shin Nakamasu
伸 中増
Yoshinari Asano
能成 浅野
Toshinari Kondo
俊成 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2005360467A priority Critical patent/JP2007166796A/ja
Publication of JP2007166796A publication Critical patent/JP2007166796A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)
  • Windings For Motors And Generators (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Compressor (AREA)

Abstract

【課題】小型化、高効率化に優れたダブルアマチュア電動機において、電流密度によって効率の改善を図る。
【解決手段】当該電動機は、回転子100と、電機子巻線201が巻回された内周側固定子200と、電機子巻線301が巻回された外周側固定子300とを備える、いわゆるダブルアマチュア電動機である。電機子巻線201の線断面積と電機子巻線301の線断面積φgとの比は、電機子巻線301に流れる電流Igと電機子巻線201に流れる電流Inとの比に等しく選定される。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転電機の構造及びその制御方法に関する。
回転電機、例えば電動機を小型化し、効率を高めるためには、界磁磁束を永久磁石で発生させることが望ましい。電動機を例に取れば、永久磁石励磁電動機は、小型化、高効率化の観点から望ましい。
永久磁石励磁電動機の発生トルクは、電機子巻線の巻回数、これに流れる電流、これに鎖交する界磁磁束に比例する。電動機が大きい方が永久磁石の表面積は大きくでき、電機子巻線自体の断面積(以下「線断面積」と称す)を大きくできる。永久磁石の表面積が大きいほど界磁磁束は大きくできる。線断面積が大きいほど電機子巻線の電気抵抗は低減し、銅損は低下する。よって発生トルク(又は同一トルク発生時の効率)の増大と、電動機の小型化とはトレードオフの関係にある。
小型化、高効率化に優れた構造として、いわゆるダブルアマチュア電動機が知られている。これは一つの界磁子に、相互に反対側から対峙する一対の電機子が設けられた電動機である。下記の特許文献1,2には円筒状のダブルアマチュア電動機が開示されている。特許文献2では、界磁子として、内周側と外周側とで個別に永久磁石を設け、それぞれのインバータで電流位相を制御する技術が開示されており、トルクリプルを低減しつつ小型化かつ発生トルクの向上を企図している。
ダブルアマチュア電動機でおいて発生するトルクは、外周側電機子と界磁子の間に働くトルク(以下「外周側トルク」と称す)と、内周側電機子と界磁子の間に働くトルク(以下「内周側トルク」と称す)との和である。そして外周側トルクにしても、内周側トルクにしても、通常の電動機で発生するトルクと同様に、対応する電機子の電機子巻線の巻回数、これに流れる電流、及びこれに鎖交する界磁磁束の積に比例する。
永久磁石励磁の同期系電動機の一般的な指標は、下記の非特許文献1に紹介されている。冷却条件が揃えられ、寸法が同一の電動機であれば、温度上昇と放熱の関係から許容損失Wcがほぼ同一と考えることができる。トルクTと許容損失Wcは式(1)の関係にあり、係数Kmはモータコンスタントと呼ばれる。
T=Wc・√Km…(1)
つまり許容損失Wcが一定である場合には、モータコンスタントKmが大きいほどトルクTが大きくなる。よってモータコンスタントKmを、許容トルク(通常は連続定格トルク)の指標値として用いることができる。
モータコンスタントKmは式(2)で表すことができる。ここで極対数p、巻き線最大鎖交磁束Φ、占積率fs、巻線スロットの全断面積St、巻線の固有抵抗ρ、単位コイルの平均長lを導入した。また電流波形は正弦波であり、磁束が正弦波状に交番すると仮定した。また電動機の損失は、特に電動機が小型の場合には銅損が大部分であり、鉄損を省略して考慮している。
Km=(1/2)pΦ√(fsSt/ρl)…(2)
従って、電動機の体積当たりの電動機効率を高めるためにはモータコンスタントKmを高める必要があり、式(2)から以下の諸方針が有効である。
(i)巻き線の占積率fsを大きくする
(ii)単位コイルの平均長lを短くする
(iii)巻線の固有抵抗ρを小さくする
(iv)巻線最大鎖交磁束Φを大きくする
(v)極対数pを大きくする
(vi)巻線スロットの全断面積Stを大きくする。
よってダブルアマチュア電動機は電機子が二つ設けられるので、上記方針(vi)の観点で有利である。
特開2002−335658号公報 特開2002−369467号公報 大西和夫、「永久磁石モータのトルク評価と最適構造の検討」、電気学会論文誌D産業応用部門部門誌、平成7年、第115巻、第7号、第930頁〜第935頁 特定用途指向型リラクタンストルク応用電動機の高性能化調査専門委員会、「特定用途指向型リラクタンストルク応用電動機の高性能化」、電気学会技術報告第920号、2003年3月 大川光吉、「特性と設計 永久磁石回転機」、総合電子出版社、昭和50年5月20日初版、第371頁、381頁
しかし、ダブルアマチュア電動機においては、磁気抵抗が増加して、永久磁石の動作点が低下するという問題点がある。これは界磁子に対して二つの電機子が相互に反対側から対峙するため、エアギャップと通称される界磁子−電機子間の空隙が二カ所に存在し、かつそれらが界磁磁束に対する磁気抵抗として直列に接続されるからである。
ダブルアマチュア電動機における上述の動作点の低下は、電機子が一つのみ設けられた電動機と比較して、電機子に鎖交する界磁磁束の減少を招来する。つまり上記方針(iv)の観点では不利である。
特許文献2に開示された技術では永久磁石が内外二層に設けられているので、上記動作点の低下の問題を補償できる可能性はある。しかし永久磁石の使用量の増加や、界磁子の厚みの増大という小型化を阻害する要因をも招来する。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、小型化、高効率化に優れたダブルアマチュア回転電機において、更にその性能を向上させることを目的としている。
当該目的の例として、電流密度による効率の改善を挙げることができる。
この発明にかかる回転電機の第1の態様は、外周面(101a)及び内周面(101b)とを含む円筒形状を呈し、界磁用磁石(102)を有する回転子(100)と、前記内周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(201)が巻回された内周側固定子(200)と、前記外周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(301)が巻回された外周側固定子(300)とを備える。そして前記内周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φg)との比は、前記内周側固定子の前記電機子巻線に流れる電流(In)と前記外周側固定子の前記電機子巻線に流れる電流(Ig)との比に等しく選定される。
この発明にかかる回転電機の第2の態様は、その第1の態様であって、前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線の前記線断面積(φn)と前記外周側固定子(300)の前記電機子巻線の前記線断面積(φg)とは等しく選定される。
この発明にかかる回転電機の第3の態様は、その第2の態様であって、前記内周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sg)との比は、前記内周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tg)との比に等しく選定される。
この発明にかかる回転電機の第4の態様は、その第1の態様乃至第3の態様のいずれかであって、前記回転子(100)の回転軸方向(Q)の両端の少なくとも一方には、前記回転子を保持する保持体(400)が設けられ、前記保持体の少なくとも一方には開口部(401)が設けられている。
この発明にかかる回転電機の第5の態様は、その第4の態様であって、前記開口部(401)は、前記回転軸方向(Q)から見て、前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線(201)が巻回された位置において設けられる。
この発明にかかる圧縮機は、上記回転電機を電動機として採用し、当該電動機によって冷媒を圧縮する。
この発明にかかる送風機は、上記回転電機を電動機として採用し、当該電動機によって送風する。
この発明にかかる空気調和機は、上記圧縮機及び上記送風機の少なくともいずれか一つを搭載する。
上記回転電機を発電機として制御する方法も本発明の一態様である。
この発明にかかる回転電機の制御方法の第1の態様は、外周面(101a)及び内周面(101b)とを含む円筒形状を呈し、界磁用磁石(102)を有する回転子(100)と、前記内周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(201)が巻回された内周側固定子(200)と、前記外周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(301)が巻回された外周側固定子(300)とを備えた回転電機の制御方法である。そして前記外周側固定子の前記電機子巻線に流す電流(Ig)と前記内周側固定子の前記電機子巻線に流す電流(In)との比は、前記外周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φg)と前記内周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φn)との比に等しく選定される。
この発明にかかる回転電機の制御方法の第2の態様は、その第1の態様であって、前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線の前記線断面積(φn)と前記外周側固定子(300)の前記電機子巻線の前記線断面積(φg)とは等しく選定される。そして前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線(201)に流す電流(In)は、前記外周側固定子(300)の前記電機子巻線(301)に流す電流(Ig)と等しく選定される。
この発明にかかる回転電機の制御方法の第3の態様は、その第2の態様であって、前記内周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sg)との比は、前記内周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tg)との比に等しく選定される。
この発明にかかる回転電機の第1の態様及び回転電機の制御方法の第1の態様によれば、外周側固定子の電機子巻線に流れる電流の電流密度と、内周側固定子の電機子巻線に流れる電流の電流密度とを等しくする。回転電機の温度上昇は電流密度と密接に関連することに鑑みれば、上記電流密度が等しいことは、内周側固定子と外周側固定子が同じ冷却状況にあっても、一方の電機子巻線に流れる電流の値を、他方の電機子巻線に流れる電流の値と個別に設定し、発生トルクを増大させることを招来する。逆に一方の電機子巻線に流れる電流の値を、他方の電機子巻線に流れる電流の値と等しく設定する場合においても、いずれか一方の電機子巻線における放熱限界によって当該電機子巻線の電流値が制限されることに起因した、他方の電機子巻線における発生トルクの減少を回避できる。
この発明にかかる回転電機の第2の態様及び回転電機の制御方法の第2の態様によれば、外周側固定子の電機子巻線と内周側固定子の電機子巻線とに流れる電流が等しく選定されるので、これらを直列に接続することができる。よって一つの制御装置で外周側固定子の電機子巻線に流れる電流と、内周側固定子の電機子巻線に流れる電流とを制御できる。
この発明にかかる回転電機の第3の態様及び回転電機の制御方法の第3の態様によれば、外周側固定子の電機子巻線と内周側固定子の電機子巻線とに流れる電流が等しく選定される状況において、外周側固定子の電機子巻線に流れる電流の電流密度と、内周側固定子の電機子巻線に流れる電流の電流密度とを等しくする。
この発明にかかる回転電機の第4の態様によれば、内周側固定子を密閉せず、その電機子巻線への通風を確保する。
この発明にかかる回転電機の第5の態様によれば、内周側固定子の電機子巻線を冷却する効率を高める。
この発明にかかる回転電機は、電動機として採用でき、これを圧縮機、送風機へと適用することができる。当該圧縮機、送風機は空気調和機へと適用することができる。またこの発明にかかる回転電機は、発電機として駆動できる。
第1の実施の形態.
図1はこの発明の第1の実施の形態にかかるダブルアマチュア電動機の構造を例示する断面図であり、回転軸Qに垂直な断面を示している。当該電動機は、回転子100、内周側固定子200及び外周側固定子300を備えている。回転子100は、内周側固定子200及び外周側固定子300に対して、回転軸Q回りに回転する。
回転子100は界磁子であり、界磁磁束を発生する界磁用磁石102及び磁性体103を有している。回転子100は外周面101a及び内周面101bとを含む円筒形状を呈している。当該円筒形状の延在方向は回転軸Qに平行であるので、図1においては外周面101a及び内周面101bはいずれも円として現れている。
界磁用磁石102は外周面101aに対して、周方向に交互に極性を切り替えてその磁極面を向けている。内周面101bに対しても同様である。
内周側固定子200は内周面101b側から回転子100に対向する電機子である。外周側固定子300は外周面101a側から回転子100に対向する電機子である。内周側固定子200及び外周側固定子300にはそれぞれ電機子巻線201,301が巻回されている。
より具体的には内周側固定子200は歯部202を有しており、歯部202に電機子巻線201が巻回される。歯部202の回転子100側の先端は周方向に広がっている。同様にして外周側固定子300は歯部302を有しており、歯部302に電機子巻線301が巻回される。歯部302の回転子100側の先端は周方向に広がっている。
このようにダブルアマチュア電動機では、電機子巻線が配置される領域である、巻線スロットの全断面積を増大させることにより、モータコンスタントKmを高めることができる。
ここでは回転子100の構造として、磁性体103に対して界磁用磁石102が埋設された、いわゆる永久磁石埋込型が例示されている。よって外周面101a及び内周面101bが磁性体103によって規定されている構造が例示されている。但し、界磁用磁石102から発生する界磁磁束が内周側固定子200及び外周側固定子300に鎖交すれば、界磁用磁石102が外周面101a及び内周面101bのいずれか一方を規定する永久磁石表面型であってもよい。あるいは磁性体103を設けることなく、径方向に磁極が現れるように着磁され、周方向に磁極の極性が交互に切り替わるリング磁石として、界磁用磁石102を構成してもよい。
また図1では4極6スロットの電動機が例示されたが、他の極数、スロット数でも適用できる。
ある冷却条件の下で、電動機へ入力できる電力の限界を示す指標として、電機子巻線に流れる電流の電流密度が挙げられる。非特許文献3の第381頁の記載によれば、小型電動機の損失を占める銅損と、放熱とを同時に顧慮する一般的な評価指標として当該電流密度が挙げられている。電流密度は電機子巻線に流れる電流を、当該電機子巻線の線断面積で除して得られる値である。簡潔に言えば、電機子巻線の断面積が大きいほど電気抵抗が小さいので、冷却条件が同一であれば、電機子巻線に大きな電流を流し、発生トルクを増大させ、以て電動機の効率を向上することができる。
さて、電機子巻線201の線断面積φn及びこれに流れる電機子電流In、並びに電機子巻線301の線断面積φg及びこれに流れる電機子電流Igとを用いると、電機子巻線201,301のそれぞれ電流密度Jn,Jgは、次のように表される。
Jn=In/φn,Jg=Ig/φg…(3)
冷却条件から制限される電流密度の上限値をJMとした場合、外周側トルク及び内周側トルクを最大にするためには、電流密度Jn,Jgのいずれをも上限値JMに等しくすればよい。換言すれば、電流密度の上限値JMが冷却条件によって一つに決まっていれば、外周側トルク及び内周側トルクを最大にするためには電流密度Jn,Jgが等しく選定されるべきである。同じダブルアマチュア電動機に属する内周側固定子200と外周側固定子300とでは、冷却条件がほぼ等しくできるため、電流密度Jn,Jgを等しく選定すればよい。
より具体的には、電機子巻線201の線断面積φnと電機子巻線301の線断面積φgとの比は、電機子巻線201に流れる電流Inと電機子巻線301に流れる電流Igとの比に等しく選定されることが望ましい。
このように比を選定することにより電流密度Jn,Jgが等しくなる。電動機の温度上昇は電流密度と密接に関連することに鑑みれば、電流密度Jn,Jgが等しいことは、内周側固定子200と外周側固定子300が同じ冷却状況にあっても、例えば内周側固定子200の電機子巻線201に流れる電流Inを、外周側固定子300の電機子巻線301に流れる電流Igと個別に設定し、発生トルクを増大させることを招来する(内周側固定子200、外周側固定子300を入れ替えても同様である)。
換言すれば、電流Igと電流Inとの比を、線断面積φgと線断面積φnとの比に等しく選定して、当該電動機を制御することが望ましい。
また、電機子巻線201に流れる電流Inと電機子巻線301に流れる電流Igと等しく設定する場合においても、電機子巻線201における放熱限界によって電流Inが制限されることに起因した、電機子巻線301による発生トルクの減少を回避できる(内周側固定子200、外周側固定子300を入れ替えても同様である)。
線断面積φn,φgを等しく選定することも望ましい態様の一つである。この場合、電機子巻線201,301に流れる電流In,Igを等しく選定して式(3)から電流密度Jn,Jgを等しくするのである。このように電流In,Igを等しく選定することにより、電機子巻線201,301を直列に接続することができる。これにより、電流In,Igを一つの制御装置で制御できる。
このように線断面積φn,φgを等しく選定する場合、内周側固定子200の電機子巻線201の総断面積Snと、外周側固定子300の電機子巻線301の総断面積Sgとの比は、電機子巻線201の巻回数Tnと電機子巻線301の巻回数Tgとの比に等しく選定されることが望ましい。総断面積Sn,Sgは次のように求められる。
Sn=Tn・φn,Sg=Tg・φg…(4)
よって線断面積φn,φgを等しく選定した場合には式(4)から
Sn:Sg=Tn:Tg…(5)
とすることが望ましい。これにより、電機子巻線201,301に流れる電流In,Igが等しく選定される状況において電流密度Jn,Jgが等しくなる。
一般に電機子巻線が配置されるスロットは電機子巻線の径よりも非常に大きい。よって内周側固定子200のスロットの、回転軸Qに垂直な断面積を以て総断面積Snとし、外周側固定子300のスロットの、回転軸Qに垂直な断面積を以て総断面積Sgとして設計することができる。
但し、巻回数Tn,Tgは正の整数であり、工業的に通常供給されている巻線の線断面積は離散的な値である。よって上記スロット断面積がまず設計される場合、式(4)、(5)は近似的にしか成立しない場合もあり得る。
また、各相と中性点間との間での巻線仕様が、電機子巻線201,301で異なる場合も考えられる。例えば電機子巻線201が二本並列に巻回され、電機子巻線301が1本で巻回されている場合である。この場合、電機子巻線201に流れる電流Inは二つに分岐するため、電機子巻線301に流れる電流Igの半分となる。但しこの場合でも電流密度Jnは電機子巻線201が1本で巻回されている場合と相違しないため、上記選定は有効である。
本発明の効果を説明するため、例えば、電機子巻線201,301を直列に接続し、流In,Igを等しく選定する場合を考える。もし巻回数Tn,Tgが等しいとすると、式(4)から
Sn:Sg=φn:φg…(6)
となる。しかし一般に内周側固定子200は外周側固定子300と比較して占有可能な面積が小さいので、スロット面積も内周側固定子200が外周側固定子300よりも狭い。よって式(6)から、線断面積φnは線断面積φgよりも小さい。よって式(3)から、電流密度Jnは電流密度Jgよりも大きい。
このように電機子巻線201,301を直列に接続しているような電動機の制御において、巻回数Tn,Tgが等しいとすると、内周側固定子200において許容される電流値の方が外周側固定子300において許容される電流値よりも小さくなる。換言すれば外周側固定子300にとって許容される電流値の上限よりも小さい電流値で電動機を制御しなければならなくなる。これは発生トルクの観点からは望ましくない。
翻って本発明では、巻回数Tn,Tgを式(5)に則って(近似的に従うことも含む)選定することにより、線断面積φn,φgを等しくすることができる。よっていずれか一方の電機子巻線における放熱限界によって当該電機子巻線の電流値が制限されることに起因した、他方の電機子巻線による発生トルクの減少を回避できる。
上記電動機の構造は、見方を変えれば、電動機の制御方法と見ることができる。即ち、電機子巻線301に流す電流Igと電機子巻線201に流す電流Inとの比を、電機子巻線301の線断面積φgと電機子巻線201の線断面積φnとの比に等しく選定する、という制御方法も本発明の好適な実施の形態の一つとして把握できる。
更に好適には、線断面積φn,φgを等しく選定し、電流In,Igも等しく選定する。更に好適には、電機子巻線201の総断面積Snと電機子巻線301の総断面積Sgとの比を、電機子巻線201の巻回数Tnと電機子巻線301の巻回数Tgとの比に等しく選定する。
第2の実施の形態.
図2は本発明の第2の実施の形態のダブルアマチュア電動機の構造を例示する断面図であり、回転軸Qを含み、かつこれに平行な断面を示している。当該電動機は、第1の実施の形態で示した回転子100、内周側固定子200及び外周側固定子300を備えている。但し、下記の効果を得る観点からは、従来のダブルアマチュア電動機の界磁子及び一対の電機子を採用してもかまわない。
回転子100の回転軸Q方向の両端の少なくとも一方には、回転子100を保持する保持体400が設けられる。図2では当該保持体400は回転軸Q方向の一端にのみ設けられている態様が例示されている。
回転子100は保持体400を介して回転シャフト104に連結されている。具体的には保持体400は貫挿孔402を回転軸Q近傍に有しており、貫挿孔402に回転シャフト104が貫挿している。そして保持体400はその径方向端部において回転子100と連結する。
回転軸104は軸受け105,106によって支持されている。内周側固定子200、外周側固定子300はそれぞれ支持部204,304によって支持されている。図1は、図2中の位置I−Iにおいて、支持部204,304を省略した断面図に相当する。
図3は保持体400の構成を示す平面図(回転軸Q方向から見た図)である。但し、回転子100、内周側固定子200との位置関係を示すため、これらを隠れ線たる破線で示している。保持体400は開口部401を有している。
このように、保持体400に、あるいはこれが回転軸Q方向の両端に設けられる場合にはその少なくとも一方に、開口部401が設けられる。これは内周側固定子200を密閉せず、その電機子巻線201への通風を確保する効果がある。
開口部401は、図示されるように、回転軸Q方向から見て内周側固定子200の電機子巻線201が巻回された位置において設けられることが望ましい。電機子巻線201を冷却する効率を高めるからである。
図4及び図5は電機子巻線201,301が接続される態様を例示する回路図である。ここで電機子巻線201は三相コイル201U,201V,201Wで、電機子巻線301は三相コイル301U,301V,301Wで、それぞれ構成されている場合が例示されている。
上述のように、電流In,Igを等しく設定する場合には図4に示されるように、コイル201Uはコイル301Uと、コイル201Vはコイル301Vと、コイル201Wはコイル301Wと、それぞれ中性点Nと各相電源との間で直列に接続される。
他方、図5に示されるように、コイル201Uはコイル301Uと、コイル201Vはコイル301Vと、コイル201Wはコイル301Wと、それぞれ並列に接続されてもよい。
また、電機子巻線201,301の巻回の態様は、集中巻であっても分布巻であってもよい。その巻回の態様が電機子巻線201,301とで相違してもよい。
本発明にかかる技術は、例えば、当該電動機によって冷媒を圧縮する圧縮機や、当該電動機によって送風を行う送風機に採用される電動機に適用することができる。当該圧縮機や送風機の少なくともいずれか一つは空気調和機に搭載することができる。特に車載用の空気調和機では小型化が要求されるので、これに本発明は大きく貢献する。
また、回転電機であれば、電動機に限らず、発電機に適用することもできる。例えば非特許文献3の第371頁に記載されているように、発電機においても電流密度がその一般的な評価指標として採用されるからである。
よって上述の回転電機を電動機として駆動する制御方法も、本発明を適用する態様の一つとして捉えることができる。
この発明の第1の実施の形態にかかる電動機の構造を例示する断面図である。 この発明の第2の実施の形態にかかる電動機の構造を例示する断面図である。 保持体の構成を示す平面図である。 電機子巻線が接続される態様を例示する回路図である。 電機子巻線が接続される態様を例示する回路図である。
符号の説明
100 回転子
101a 外周面
101b 内周面
200 内周側固定子
201,301 電機子巻線
300 外周側固定子
400 保持体
401 開口部
Q 回転軸

Claims (12)

  1. 外周面(101a)及び内周面(101b)とを含む円筒形状を呈し、界磁用磁石(102)を有する回転子(100)と、
    前記内周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(201)が巻回された内周側固定子(200)と、
    前記外周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(301)が巻回された外周側固定子(300)と
    を備え、
    前記内周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φg)との比は、前記内周側固定子の前記電機子巻線に流れる電流(In)と前記外周側固定子の前記電機子巻線に流れる電流(Ig)との比に等しく選定されることを特徴とする回転電機。
  2. 前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線の前記線断面積(φn)と前記外周側固定子(300)の前記電機子巻線の前記線断面積(φg)とは等しく選定される、請求項1記載の回転電機。
  3. 前記内周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sg)との比は、前記内周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tg)との比に等しく選定される、請求項2記載の回転電機。
  4. 前記回転子(100)の回転軸方向(Q)の両端の少なくとも一方には、前記回転子を保持する保持体(400)が設けられ、
    前記保持体の少なくとも一方には開口部(401)が設けられている、請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の回転電機。
  5. 前記開口部(401)は、前記回転軸方向(Q)から見て、前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線(201)が巻回された位置において設けられる、請求項4記載の回転電機。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の回転電機を電動機として採用し、当該電動機によって冷媒を圧縮する圧縮機。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の回転電機を電動機として採用し、当該電動機によって送風する送風機。
  8. 請求項6記載の圧縮機及び請求項7記載の送風機の少なくともいずれか一つを搭載した空気調和機。
  9. 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の回転電機を発電機として駆動する、回転電機の制御方法。
  10. 外周面(101a)及び内周面(101b)とを含む円筒形状を呈し、界磁用磁石(102)を有する回転子(100)と、
    前記内周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(201)が巻回された内周側固定子(200)と、
    前記外周面側から前記回転子に対向し、電機子巻線(301)が巻回された外周側固定子(300)と
    を備えた回転電機の制御方法であって、
    前記外周側固定子の前記電機子巻線に流す電流(Ig)と前記内周側固定子の前記電機子巻線に流す電流(In)との比は、前記外周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φg)と前記内周側固定子の前記電機子巻線の線断面積(φn)との比に等しく選定されることを特徴とする回転電機の制御方法。
  11. 前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線の前記線断面積(φn)と前記外周側固定子(300)の前記電機子巻線の前記線断面積(φg)とは等しく選定され、
    前記内周側固定子(200)の前記電機子巻線(201)に流れる電流(In)は、前記外周側固定子(300)の前記電機子巻線(301)に流れる電流(Ig)と等しく選定される、請求項10記載の回転電機の制御方法。
  12. 前記内周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の総断面積(Sg)との比は、前記内周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tn)と前記外周側固定子の前記電機子巻線の巻回数(Tg)との比に等しく選定される、請求項11記載の回転電機の制御方法。
JP2005360467A 2005-12-14 2005-12-14 回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機 Pending JP2007166796A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005360467A JP2007166796A (ja) 2005-12-14 2005-12-14 回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005360467A JP2007166796A (ja) 2005-12-14 2005-12-14 回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007166796A true JP2007166796A (ja) 2007-06-28

Family

ID=38249068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005360467A Pending JP2007166796A (ja) 2005-12-14 2005-12-14 回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007166796A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009044900A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Honda Motor Co Ltd 遊星磁極回転機
WO2010047173A1 (ja) * 2008-10-23 2010-04-29 株式会社日立産機システム かご形誘導電動機及びかご形誘導電動機駆動システム
CN104795917A (zh) * 2015-03-17 2015-07-22 华中科技大学 一种多相电机绕组机构
US10885582B2 (en) 2005-05-05 2021-01-05 Nyse Group, Inc. Unpriced order auction and routing

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6264182U (ja) * 1985-10-09 1987-04-21
JPH07503598A (ja) * 1992-01-29 1995-04-13 ストリドスベルグ イノベイション アクチボラゲット ブラシ無しdcモータ/発電機
JPH08182280A (ja) * 1994-12-26 1996-07-12 Okuma Mach Works Ltd 電動機
JP2003009486A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Fuji Electric Co Ltd 可変速電動機
JP2003032978A (ja) * 2001-07-23 2003-01-31 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2005110483A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Lg Electronics Inc 誘導電動機の固定子
JP2005278291A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Pioneer Electronic Corp モータ及び情報記録再生装置
JP2005333687A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Seiko Epson Corp 相対駆動装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6264182U (ja) * 1985-10-09 1987-04-21
JPH07503598A (ja) * 1992-01-29 1995-04-13 ストリドスベルグ イノベイション アクチボラゲット ブラシ無しdcモータ/発電機
JPH08182280A (ja) * 1994-12-26 1996-07-12 Okuma Mach Works Ltd 電動機
JP2003009486A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Fuji Electric Co Ltd 可変速電動機
JP2003032978A (ja) * 2001-07-23 2003-01-31 Mitsubishi Electric Corp 回転電機
JP2005110483A (ja) * 2003-09-30 2005-04-21 Lg Electronics Inc 誘導電動機の固定子
JP2005278291A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Pioneer Electronic Corp モータ及び情報記録再生装置
JP2005333687A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Seiko Epson Corp 相対駆動装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10885582B2 (en) 2005-05-05 2021-01-05 Nyse Group, Inc. Unpriced order auction and routing
JP2009044900A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Honda Motor Co Ltd 遊星磁極回転機
WO2010047173A1 (ja) * 2008-10-23 2010-04-29 株式会社日立産機システム かご形誘導電動機及びかご形誘導電動機駆動システム
JPWO2010047173A1 (ja) * 2008-10-23 2012-03-22 株式会社日立産機システム かご形誘導電動機及びかご形誘導電動機駆動システム
US8816559B2 (en) 2008-10-23 2014-08-26 Hitachi Industrial Equipment Systems Co., Ltd. Squirrel cage induction motor and squirrel cage induction motor driving system
CN104795917A (zh) * 2015-03-17 2015-07-22 华中科技大学 一种多相电机绕组机构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6977556B2 (ja) 回転電機
JP4626405B2 (ja) ブラシレスモータ
US9083225B2 (en) Rotary electric machine
US8890387B2 (en) Stator and motor
EP1855371B1 (en) Magnetic body, rotor, motor, compressor, fan, air conditioner, and on-vehicle air conditioner
JP2004032984A (ja) 誘導電動機
EP2401803B1 (en) Two conductor winding for an induction motor circuit
JP3466591B2 (ja) 回転電機
JP2007159400A (ja) ユニバーサルモータ及びその固定子用ラミネーション
JP6048191B2 (ja) マルチギャップ型回転電機
JP5128928B2 (ja) ブラシレスモータ
JPH07336917A (ja) 永久磁石形モータ及び冷却装置用コンプレッサ
JP5011719B2 (ja) 回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機
JP2011223676A (ja) 永久磁石式電動機
JP2007166796A (ja) 回転電機及びその制御方法、圧縮機、送風機、並びに空気調和機
JP2010161832A (ja) 永久磁石式回転電機
JP6376409B2 (ja) 交流励磁同期回転電機
WO2020071035A1 (ja) ステータ及びそれを用いたモータ
JP7095550B2 (ja) 回転電機の制御装置及び回転電機の制御方法
JP5589317B2 (ja) 電動機
JP2005057941A (ja) 回転電機
JP2001169517A (ja) コンデンサ電動機
JP2007166798A (ja) 回転電機、圧縮機、送風機、及び空気調和機
US10361614B2 (en) AC excitation synchronous rotating electric machine
JP2016129447A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130402