JP2007165835A - レーザダイシング方法および半導体ウェハ - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定した割断を可能にし分割されたウェハ片の品質低下を防止し得るレーザダイシング方法を提供することにある。
【解決手段】 ダイシング工程では、割断予定線DLの裏面21bに引張力による応力が集中し得る溝部22を改質層Kに達し得る深さまで形成する溝部形成ステップを含む。これにより、溝部22が形成された割断予定線DLの裏面21bの表層Wsには、改質層Kが形成されない範囲が存在しなくなる一方で、割断に際し引張力が加えられると溝部22に集中した応力が溝部22につながる改質層Kに直接加わる。このため当該改質層Kを起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断予定線DLの表層Wsに改質層Kが形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなり、安定した割断を可能にし分割されたチップCPの品質低下を防止できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光の照射により改質層を形成した後、外力を加えることでこの改質層等を起点に割断するレーザダイシング方法および半導体ウェハに関するものである。
従来、半導体集積回路やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を形成したシリコンウェハ等の加工対象物を切断するダイシング工程では、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだダイシングブレードを用いるダイシング方法を採用していた。
しかし、このようなブレードによるダイシング方法では、(1) ブレードでカットする際にその切りしろが必要になるためその分だけ加工対象物が減少しコストの増大を招く、(2) カットする際の摩擦熱による焼付き等を防ぐために用いられる水等が、加工対象物に付着するのを防止する必要から、キャッピング等の保護装置を必要しその分メンテナンス工数が増大する、といった問題等が生じていた。
そこで、近年では、レーザを用いたダイシング方法の検討や研究が進められており、例えば、図16に示すように、加工対象物として半導体ウェハ(シリコンウェハ)(以下[背景技術]および[発明が解決しようとする課題]の欄において「ウェハ」という)Wをレーザにより加工する技術が知られている。
ここで、図16に示すレーザダイシング方法の概要を簡単に説明する。
図16(A) に示すように、レーザを用いたダイシング方法では、まず図略のレーザ光源から出射されるレーザ光L(フェムト秒のレーザパルス)を集光レンズCVにより集光して加工対象物たるウェハWの割断されるべき部位(例えば割断予定線)DLに照射する。すると、当該割断部位DLの表面Waから入射したレーザ光Lは、空気とウェハWとの界面で屈折しウェハWの内部で集光点Pを結ぶので、この集光点Pに集中した光子がウェハW中の電子に対して同時に相互作用して吸収され「多光子吸収」と呼ばれる現象が生じる。これにより、当該集光点Pおよびその近傍では光学的損傷が発生するため、熱歪みが誘起され当該部分においてクラックが生じる。このように集光点Pの周囲には、クラックが集合した範囲ができるので、この範囲を一般に「改質領域」または「改質層」と呼んでいる。なお、本明細書では、「改質層」の集まりを「改質領域」と称することにする。
このようなレーザ光Lの照射を割断部位DLに沿って行うことで、線条に延びる改質層Kが形成されることから(改質工程)、図16(B) に示すように、レーザ光Lの集光点Pの距離を変更することにより複数の改質層Kを重層状に形成することが可能となる。このように形成された改質層Kの集まりは、クラックが集合した範囲として改質領域KKとなるので、図16(C) に示すように、改質領域KKを中心にウェハWを両側に引っ張ることで、当該改質領域KKを境界に割断することができる。これにより、2つのウェハ片、つまり半導体チップ(以下単に「チップ」という)CPに分割することが可能となる。
なお、ウェハWの裏面Wbには「ダイアタッチフィルム(DAF)」と称されるエキスパンドテープTが貼着されているので、ウェハWはチップCPに分割されてもそれぞれがエキスパンドテープTに貼着され保持されている。これにより、分割されたチップCPが離散するのを防止している。なお、図16に示すレーザダイシング方法は、例えば、下記特許文献1等にも「レーザ加工方法」として開示されている。
特開2005−1001号公報
しかしながら、このようなレーザダイシング方法によると、図16(A) や図16(B) に示すように、改質層Kは、ウェハWの内部に形成される一方で、ウェハWの表面Wa(または裏面Wb)を含む表面(裏面)の層(図16(B) 、図16(C) に示す矢印間におけるクロスハッチングの範囲、以下、これらの範囲を「表層」という)Wsには改質層Kは形成されない。そのため、図16(B) や図16(C) に示すような割断が改質層Kを起点にして行われる限り、安定した割断を常に期待できるわけではなく、改質層Kが形成されていない表層Wsにおいては予定外の方向にクラックが生じ得る。特に、ウェハ厚が500μm以上の場合には、ウェハWの表面Waから入射したレーザ光Lが深く進行して到達する裏面Wb近傍(裏面Wbの表層Ws)においては、集光レンズCVの特性等から集光点Pを結び難いため、改質層Kが形成されない範囲が裏面Wbの表層Wsにでき易い。
また、ウェハ厚が厚くなると、SOI(Silicon On Insulator)のように、材質の異なる半導体材料を積層させて形成する場合が多くなるため、このような多層化されたウェハWの場合には、半導体の光学的特性の相違からレーザ光Lに対する屈折率が層ごとの厚さや材質により異なる。このため、屈折率が異なる半導体層の境界面等ではレーザ光の反射や散乱が発生し易いことから、これらの半導体層を通過するレーザ光の複雑な屈折によって予定した深さや位置に焦点を合わせることを困難にする。特に、レーザ光Lが入射する表面Waから遠くなるほど反射や散乱の影響を受け易いことから、多層化されたウェハWでは、改質層Kが形成されない範囲が裏面Wbの表層Wsにでき易い。
このように、改質層Kが形成されない範囲は、改質層Kが形成される範囲に比べてクラックの成長が予定外の方向に進展する可能性がある。このため、割断部位DLに改質層Kが形成されない範囲が存在すると、かかる予定外のクラックによって分割されたチップCPの品質低下を招くという問題がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、安定した割断を可能にし分割されたウェハ片の品質低下を防止し得るレーザダイシング方法を提供することにある。また、本発明の目的は、安定した割断を可能にし分離された半導体装置の品質低下を防止し得る半導体ウェハを提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1のレーザダイシング方法では、レーザ光[L]の照射により改質層[K]を形成した後、外力を加えることでこの改質層[K]を起点に割断するレーザダイシング方法であって、前記割断されるべき部位[DL]に、前記外力による応力が集中し得る溝[22]を前記改質層[K]に達し得る深さまで形成する工程を含むことを技術的特徴とする。[ ]内の数字等は、[発明を実施するための最良の形態]の欄で説明する符号に対応し得るものである(以下同じ)。
特許請求の範囲に記載の請求項2のレーザダイシング方法では、半導体ウェハ[21]にレーザ光[L]を照射して改質層[K]を形成した後、前記半導体ウェハ[21]に外力を加えることでこの改質層[K]を起点に当該半導体ウェハ[21]を複数のウェハ片[CP]に割断するレーザダイシング方法であって、前記割断されるべき部位[DL]に、前記外力による応力が集中し得る溝[22]を前記改質層[K]に達し得る深さまで形成する工程を含むことを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項3のレーザダイシング方法では、半導体ウェハ[31]にレーザ光[L]を照射して改質層[K]を形成した後、前記半導体ウェハ[31]に外力を加えることでこの改質層[K]により当該半導体ウェハ[31]を複数のウェハ片[CP]に割断するレーザダイシング方法であって、前記割断されるべき部位[DL]に、前記外力による応力が集中し得る溝[32]を、この溝[32]に最も近い改質層[Ka]と当該溝[32]の底部[X]との離隔距離[dp]が30μm以下になる深さまで形成する工程を含むことを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項4のレーザダイシング方法では、前記外力が、前記半導体ウェハ[21、31]の一方の面[21b、31b]に径方向外側に向かって加えられる請求項2または3に記載のレーザダイシング方法であって、前記溝[22、32]は、少なくとも前記一方の面[21b、31b]に形成されることを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項5のレーザダイシング方法では、前記外力が、前記半導体ウェハ[21]の一方の面[21b]に径方向外側に向かって加えられる請求項2または3に記載のレーザダイシング方法であって、前記溝[22]は、少なくとも前記一方の面[21b]と反対側の他方の面[21a]に形成されることを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項6のレーザダイシング方法では、請求項2〜5のいずれか一項に記載のレーザダイシング方法において、前記溝[22、32]を形成する工程は、前記半導体ウェハ[21、31]に前記改質層[K]を形成する工程の前に存在することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項7のレーザダイシング方法では、請求項2〜5のいずれか一項に記載のレーザダイシング方法において、前記溝[22、32]を形成する工程は、前記半導体ウェハ[21、31]に前記改質層[K]を形成する工程の後に存在することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項8の半導体ウェハ[21]では、レーザ光[L]の照射により改質層[K]を形成し、この改質層[K]により割断されることでそれぞれ分離され得る複数の半導体装置[CP]を備えた半導体ウェハ[21]において、前記割断によって分離されるべき部位[DL]に、前記改質層[K]に達し得る深さの溝[22]であって、割断の際に加えられる外力による応力が集中し得る溝[22]を有することを技術的特徴とする。
特許請求の範囲に記載の請求項9のレーザダイシング方法では、レーザ光[L]の照射により改質層[K]を形成し、この改質層[K]により割断されることでそれぞれ分離され得る複数の半導体装置[CP]を備えた半導体ウェハ[31]において、前記割断によって分離されるべき部位[DL]に、前記外力による応力が集中し得る溝[32]で、この溝に最も近い改質層[Ka]と当該溝[32]の底部[X]との離隔距離[dp]が30μm以下になる深さの溝を有することを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、割断されるべき部位[DL]に外力による応力が集中し得る溝[22]を改質層[K]に達し得る深さまで形成する工程を含む。これにより、当該溝[22]が形成された割断されるべき部位[DL]からは、当該溝[22]の形成により表層[Ws]が除去されるため、割断されるべき部位[DL]の表面[21a,21b]には改質層[K]が形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、割断に際し外力が加えられると、当該溝[22]に集中した応力が当該溝[22]につながる改質層[K]に直接加わるので、当該改質層[K]を起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断されるべき部位[DL]の表層[Ws]に改質層[K]が形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなる。このため、安定した割断を可能にし分割されたウェハ片[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項2の発明では、半導体ウェハ[21]の割断されるべき部位[DL]に、外力による応力が集中し得る溝[22]を改質層[K]に達し得る深さまで形成する工程を含む。これにより、当該溝[22]が形成された割断されるべき部位[DL]からは、当該溝[22]の形成により表層[Ws]が除去されるため、割断されるべき部位[DL]の表面[21a,21b]には改質層[K]が形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、割断に際し半導体ウェハ[21]に外力が加えられると、当該溝[22]に集中した応力が当該溝[22]につながる改質層[K]に直接加わるので、当該改質層[K]を起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断されるべき部位[DL]の表層[Ws]に改質層[K]が形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなる。このため、安定した割断を可能にし分離された半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項3の発明では、半導体ウェハ[31]の割断されるべき部位[DL]に、外力による応力が集中し得る溝[32]を、この溝[32]に最も近い改質層[Ka]と当該溝[32]の底部[X]との離隔距離[dp]が30μm以下になる深さまで形成する工程を含む。これにより、当該溝[32]が形成された割断されるべき部位[DL]からは、当該溝[32]の形成により表層[Ws]が除去されるため、割断されるべき部位[DL]の表面[31a,31b]には改質層[K]が形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、割断に際し半導体ウェハ[31]に外力が加えられると、この溝[32]に改質層[Ka]が直接つながっていなくても、この溝[32]に最も近い改質層[Ka]と当該溝[32]の底部[X]との離隔距離[dp]が30μm以下であれば、当該溝[32]の底部[X]に集中した応力により当該底部[X]を起点として発生したクラックが離隔距離30μm以下の改質層[Ka]に連絡し得るため、当該底部[X]を起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断されるべき部位[DL]の表層[Ws]に改質層[Ka、K]が形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなる。このため、安定した割断を可能にし分離された半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項4の発明では、外力が、半導体ウェハ[21、31]の一方の面[21b、31b]に径方向外側に向かって加えられる場合において、少なくとも当該一方の面[21b、31b]に、外力による応力が集中し得る溝[22、32]が形成される。これにより、当該外力が加わり難い他方の面[21a、31a]に比べて当該外力が加わり易い一方の面[21b、31b]側の改質層[K]や溝[32]の底部[X]を起点としたクラックの成長を促進するので、改質層[K、Ka]が形成されない範囲が当該一方の面[21b、31b]側に集まっている場合に特に有効に作用する。したがって、改質層[K、Ka]が形成されない範囲が外力の加わる一方の面[21b、31b]の表層[Ws]に集まっている半導体ウェハ[21、31]でも、安定した割断を可能にし分離された半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項5の発明では、外力が、半導体ウェハ[21、31]の一方の面[21b、31b]に径方向外側に向かって加えられる場合において、少なくとも一方の面[21b、31b]と反対側の他方の面[21a、31a]に、外力による応力が集中し得る溝[22、32]が形成される。これにより、当該外力が加わり易い一方の面[21b、31b]に比べて当該外力が加わり難い他方の面[21a、31a]側の改質層[K]や溝[32]の底部[X]を起点としたクラックの成長を促進するので、改質層[K、Ka]が形成されない範囲が当該他方の面[21a、31a]側に集まっている場合に特に有効に作用する。したがって、改質層[K、Ka]が形成されない範囲が外力の加わる一方の面[21b、31b]とは反対側の他方の面[21a、31a]の表層[Ws]に集まっている半導体ウェハ[21、31]でも、安定した割断を可能にするとともに、分離された半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項6の発明では、外力による応力が集中し得る溝[22、32]を形成する工程は、半導体ウェハ[21、31]に改質層[K]を形成する工程の前に存在することから、このような溝[22、32]を形成する工程では、半導体ウェハ[21、31]には改質層[K]がまだ形成されていない。このため、例えば、機械加工等の物理的な加工によって当該溝[22、32]を形成する場合、機械的な振動によりクラックの原因となり易い改質層[K]がまだ形成されてないので、加工時のクラック発生を抑制することができる。したがって、このような予定外のクラックの発生を原因とした半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項7の発明では、外力による応力が集中し得る溝[22、32]を形成する工程は、半導体ウェハ[21、31]に改質層[K]を形成する工程の後に存在することから、改質層[K]を形成する工程では、半導体ウェハ[21、31]にはこのような溝[22、32]がまだ形成されていない。このため、例えば、レーザ光[L]の照射によって当該改質層[K]を形成する場合、アブレーションの原因となり易いこのような溝[22、32]の壁面がまだ形成されてないので、レーザ光[L]の照射時にアブレーションの発生を抑制することができる。したがって、このようなアブレーションによるパーティクルの付着を原因とした半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項8の発明では、割断によって分離されるべき部位[DL]に、改質層[K]に達し得る深さの溝[22]であって、割断の際に加えられる外力による応力が集中し得る溝[22]を有する。これにより、当該溝[22]が形成された割断されるべき部位[DL]からは、当該溝[22]の形成により表層[Ws]が除去されるため、割断されるべき部位[DL]の表面[21a,21b]には改質層[K]が形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、割断に際し半導体ウェハ[21]に外力が加えられると、当該溝[22]に集中した応力が当該溝[22]につながる改質層[K]に直接加わるので、当該改質層[K]を起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断されるべき部位[DL]の表層[Ws]に改質層[K]が形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなる。このため、安定した割断を可能にし分離された半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
請求項9の発明では、割断によって分離されるべき部位[DL]に、外力による応力が集中し得る溝[32]で、この溝に最も近い改質層[Ka]と当該溝[32]の底部[X]との離隔距離[dp]が30μm以下になる深さの溝を有する。これにより、当該溝[32]が形成された割断されるべき部位[DL]からは、当該溝[32]の形成により表層[Ws]が除去されるため、割断されるべき部位[DL]の表面[31a,31b]には改質層[K]が形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、割断に際し半導体ウェハ[31]に外力が加えられると、この溝[32]に改質層[Ka]が直接つながっていなくても、この溝[32]に最も近い改質層[Ka]と当該溝[32]の底部[X]との離隔距離[dp]が30μm以下であれば、当該溝[32]の底部[X]に集中した応力により当該底部[X]を起点として発生したクラックが離隔距離30μm以下の改質層[Ka]に連絡し得るため、当該底部[X]を起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断されるべき部位[DL]の表層[Ws]に改質層[Ka、K]が形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなる。このため、安定した割断を可能にし分離された半導体装置[CP]の品質低下を防止することができる。
以下、本発明のレーザダイシング方法および半導体ウェハを、半導体ウェハのダイシング工程に適用した実施形態を各図に基づいて説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態に係るレーザダイシング方法および半導体ウェハについて、図1〜図3に基づいて説明する。図1(A) には、本第1実施形態に係る半導体ウェハの構成を示す断面図(図1(B) に示す1A−1A線断面)が示されており、図1(B) には、図1(A) に示す1B線矢視による底面(裏面)図が示されている。また、図2および図3には、本第1実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図2(A) には溝部形成ステップ前のもの、図2(B) には溝部形成ステップ後のもの、図2(C) にはエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、図3(A) には改質層形成ステップ中のもの、図3(B) には図3(A) に示す3B線矢視によるもの、図3(C) にはエキスパンドステップ後のもの、である。
まず、本第1実施形態の半導体ウェハ21の構成を図1を参照して説明する。図1(A) および図1(B) に示すように、半導体ウェハ21は、シリコンからなる薄板円盤形状のシリコン基板で外周の一部に結晶方位を示すオリエンテーションフラットOFが形成されている。この半導体ウェハ21の表面21aには、拡散工程等を経て形成された複数のチップCPが碁盤の目のように整列配置されている。なお、図1(A) に示すクロスハッチングの範囲は、図16(A) や図16(B) を参照して説明した表層Ws(半導体ウェハ21の裏面21bを含む裏面の層)を示すものである。
これらのチップCPは、図2および図3に示すダイシング工程により割断予定線DLに沿ってそれぞれ分離されるものであるが、本実施形態では、図1(B) に示すように、この割断予定線DLに沿って格子状に配置される溝部22を半導体ウェハ21の裏面21bに形成している。即ち、碁盤の目のように整列配置されているチップCPそれぞれの周囲を取り囲むように、深さ方向の断面形状がV字形状(くさび形状)の溝部22を割断予定線DL上に形成している。そして、図1(A) に示すように、この溝部22は、その深さ方向先端部(V字形状の頂部に相当する鋭角部分のこと)が、半導体ウェハ21内に形成されている改質層Kに達する深さまで形成されている。つまり、溝部22の底部を改質層Kにつなげている。
これにより、溝部22が形成された割断予定線DLの裏面21bからは、当該溝部22の形成により表層Wsが除去されるため、割断予定線DLの裏面21bには改質層Kが形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、溝部22が改質層Kに達する深さに形成されているので、後述するように、半導体ウェハ21の裏面21bに径方向外側に引っ張られる引張力が加えられると、溝部22に集中した応力を当該溝部22につながる改質層Kに直接加えることが可能となる。
本第1実施形態では、このような溝部22を半導体ウェハ21の裏面21bに形成する溝部形成ステップを、半導体ウェハ21に改質層Kを形成する改質層形成ステップよりも前に置く。即ち、図2(A) に示すように、溝部22も改質層Kも形成されていない半導体ウェハ21に対して、図2(B) に示す溝部形成ステップにより、半導体ウェハ21の裏面21bに割断予定線DL上に溝部22を形成する。この溝部形成ステップでは、例えば、ダイシングブレード等による切削やレーザ光の照射により溝部22を機械的に形成したり、当該溝部22の形成範囲外を覆うマスクを使用したKOH等によるウェットエッチングにより、またドライエッチングにより溝部22を化学的に形成する。
溝部形成ステップにより裏面21bに溝部22が形成されると、図2(C) に示すエキスパンドテープ貼付ステップにより、裏面21bにエキスパンドテープTが貼付される。このエキスパンドテープTは、例えば、塩化ビニル等からなる伸縮性のあるフィルム状の樹脂製シートで、その一方の面には半導体ウェハ21やチップCPを貼着可能な粘着剤が塗布されている。このエキスパンドテープTを半導体ウェハ21の裏面21bほぼ全面に貼り付けることによって、後述するエキスパンドステップにおいて半導体ウェハ21を径方向に引っ張ることが可能となる。
エキスパンドテープ貼付ステップにより裏面21bにエキスパンドテープTが貼付されると、次に図3(A) および図3(B) に示す改質層形成ステップにより、半導体ウェハ21の表面21aにレーザ光を照射することで、半導体ウェハ21の内部に改質層Kを形成する。この改質層形成ステップで形成される改質層Kは、図2(B) に示す溝部形成ステップにより形成された溝部22の先端が当該改質層Kに達するように形成されている。なお、この改質層形成ステップは、図16(A) および図16(B) を参照して説明した改質工程と同様であるので、ここでは説明を省略する。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ21の内部に改質層Kが形成されると、図3(C) に示すエキスパンドステップにより、半導体ウェハ21を径方向外側に向かって引っ張る引張力を半導体ウェハ21の裏面21bから加える。例えば、半導体ウェハ21の裏面21bに貼付したエキスパンドテープTの周囲を固定した状態で、半導体ウェハ21を、裏面21b側から表面21a側に向かって押し上げる。これにより、周囲を固定されたエキスパンドテープTが半導体ウェハ21の表面21a側に向かって伸び拡がることで、当該エキスパンドテープTがその周囲方向に伸びようとする張力が生じる。この張力を、半導体ウェハ21を径方向外側に向かって引っ張る力(引張力)として利用する。なお、半導体ウェハ21を押し上げる加圧力は図略の加圧装置により発生させる。この引っ張る力(引張力)は、特許請求の範囲に記載の「外力」に相当し得るものである。
このような引張力によって半導体ウェハ21は、その径方向外側に引っ張られるが、本実施形態では、前述したように、半導体ウェハ21の裏面21bの割断予定線DL上に溝部22を予め形成している。このため、当該溝部22に引張力による応力が集中しその応力が溝部22につながる改質層Kに直接加わることから、改質層Kを起点としたクラックの成長を促進することが可能となり、割断予定線DLの裏面21b側の表層Wsに改質層Kが形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くすることができる。したがって、安定した割断を可能にするとともに、分割されたチップCPの品質低下を防止することができる。
このように割断分離されたチップCPは、ダイシング工程により割断予定線DLに沿ってそれぞれ分離された後、マウント工程、ボンディング工程、封入工程等といった各工程を経ることによってパッケージされたICやLSIとして完成する。
以上説明したように、本第1実施形態に係るダイシング工程では、割断予定線DLの裏面21bに、引張力による応力が集中し得る溝部22を改質層Kに達し得る深さまで形成する溝部形成ステップを含むので、溝部22が形成された割断予定線DLの裏面21bの表層Wsには、改質層Kが形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、割断に際し引張力が加えられると、溝部22に集中した応力が溝部22につながる改質層Kに直接加わる。このため、当該改質層Kを起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断予定線DLの表層Wsに改質層Kが形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなる。このため、安定した割断を可能にし、分割されたチップCPの品質低下を防止することができる。
また、本第1実施形態に係るダイシング工程では、半導体ウェハ21の裏面21bに引張力が加えられる場合において、当該裏面21bに溝部22を形成したので、当該引張力が加わり難い表面21aに比べて当該引張力が加わり易い裏面21b側の改質層Kを起点としたクラックの成長を促進できる。これにより、改質層Kが形成されない範囲が当該裏面21b側に集まっている場合に特に有効に作用する。したがって、改質層Kが形成されない範囲が引張力の加わる裏面21bの表層Wsに集まっている半導体ウェハ21でも、安定した割断を可能にし、分離されたチップCPの品質低下を防止することができる。
さらに、本第1実施形態に係るダイシング工程では、溝部22を形成する溝部形成ステップを、半導体ウェハ21の内部に改質層Kを形成する改質層形成ステップよりも前に置いたので、このような溝部22を形成する溝部形成ステップでは、半導体ウェハ21には改質層Kがまだ形成されていない。このため、例えば、ダイシングブレード等による切削等、機械加工等の物理的な加工によって当該溝部22を形成する場合、機械的な振動によりクラックの原因となり易い改質層Kがまだ形成されてないので、加工時のクラック発生を抑制することができる。したがって、このような予定外のクラックの発生を原因としたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第1実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項1、2、4、6に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ21は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。
また、割断予定線DLは、特許請求の範囲に記載の「割断されるべき部位」および「分離されるべき部位」に相当し得るもので、また裏面21bは、特許請求の範囲に記載の「割断されるべき部位の表面」および「一方の面」に相当し得るものである。さらに表面21aは、特許請求の範囲に記載の「他方の面」に相当し得るものである。また、溝部22は、特許請求の範囲に記載の「溝」に相当し得るもので、チップCPは、特許請求の範囲に記載の「ウェハ片」および「半導体装置」に相当し得るものである。
さらに、溝部形成ステップは、特許請求の範囲に記載の「溝を形成する工程」に相当し得るもので、改質層形成ステップは、特許請求の範囲に記載の「改質層を形成する工程」に相当し得るものである。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るレーザダイシング方法を図4に基づいて説明する。なお、図4には、本第2実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図4(A) には改質層形成ステップ中のもの、図4(B) には溝部形成ステップ後のもの、図4(C) にはエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、である。
本第2実施形態は、第1実施形態では改質層形成ステップの前に置いた溝部形成ステップを、改質層形成ステップの後に置いている点が第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図4(A) に示すように、本第2実施形態では、まず改質層形成ステップにより、溝部22が形成されていない半導体ウェハ21に対し半導体ウェハ21の表面21aにレーザ光を照射する。これにより、半導体ウェハ21の内部には、改質層Kが形成されることになるが、レーザ光Lの照射範囲には、この後工程で形成される溝部22は存在しないので、当該溝部22の存在によるアブレーションを防止することができる。
即ち、レーザ光Lの照射範囲内に、溝部22を形成する壁部のように、空間に露出した半導体材料の表面が存在した場合、当該表面でレーザ光Lが焦点を結ぶことでアブレーションによるパーティクルが発生し得ることになるが、本第2実施形態では、このような溝部22は、改質層形成ステップにおいては存在しないので、アブレーションを防止しそれによるにパーティクルの発生を防止することができる。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ21の内部に改質層Kが形成されると、次に、図4(B) に示す溝部形成ステップにより、半導体ウェハ21の裏面21bに割断予定線DL上に溝部22を形成する。この溝部形成ステップでは、第1実施形態と同様に、溝部22を機械的または化学的に形成する。この溝部形成ステップで形成される溝部22は、その先端が図4(A) に示す改質層形成ステップにより形成された改質層Kに達するように形成されている。
溝部形成ステップにより半導体ウェハ21の裏面21bに溝部22が形成されると、図4(C) に示すエキスパンドテープ貼付ステップにより、第1実施形態と同様に、半導体ウェハ21の裏面21bにエキスパンドテープTが貼付される。このエキスパンドテープTは、第1実施形態のものと同様である。
エキスパンドテープ貼付ステップによりエキスパンドテープTが貼付されると、エキスパンドステップにより、半導体ウェハ21の裏面21bから引張力を加える。なお、このエキスパンドステップは、第1実施形態で説明した図3(C) に示すものと同様であるので、ここで図示および説明を省略する。なお、図4(C) に示す3B方向矢視による半導体ウェハ21の構成を示す断面図は、図3(B) に示すものと実質的に同様になる。
このように第2実施形態では、溝部形成ステップ(図4(B) )は、改質層形成ステップ(図4(A) )の後に存在することから、改質層形成ステップでは、半導体ウェハ21にはこのような溝部22がまだ形成されていない。このため、例えば、レーザ光Lの照射によって当該改質層Kを形成する場合、アブレーションの原因となり易いこのような溝部22の壁面がまだ形成されてないので、レーザ光Lの照射時にアブレーションの発生を抑制することができる。したがって、このようなアブレーションによるパーティクルの付着を原因としたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第2実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項1、2、4、7に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ21は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るレーザダイシング方法を図5に基づいて説明する。なお、図5には、本第3実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図5(A) には溝部形成ステップ後のもの、図5(B) には改質層形成ステップ中のもの、図5(C) には図5(B) に示す5C線矢視によるもの、図5(D) にはエキスパンドステップ後のもの、である。
本第3実施形態は、第1実施形態では半導体ウェハ21の裏面21bに形成した溝部22を、半導体ウェハ21の表面21aに溝部24として形成している点が第1実施形態と異なる。このため、第1実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。なお、本第3実施形態で形成する溝部24は、第1、2実施形態で形成した溝部22と符号番号が異なるだけで、両者は実質的に同様である。
図5(A) に示すように、本第3実施形態では、まず溝部形成ステップにより、半導体ウェハ21の表面21aに割断予定線DL上に溝部24を形成する。この溝部形成ステップでは、第1、2実施形態と同様に、溝部24を機械的または化学的に形成する。なお、この溝部形成ステップに搬入される半導体ウェハ21の裏面21bには、エキスパンドテープTが前工程により貼付されている。
溝部形成ステップにより表面21aに溝部24が形成されると、次に図5(B) および図5(C) に示す改質層形成ステップにより、半導体ウェハ21の表面21aにレーザ光を照射することで、半導体ウェハ21の内部に改質層Kを形成する。この改質層形成ステップで形成される改質層Kは、図5(A) に示す溝部形成ステップにより形成された溝部24の先端が当該改質層Kに達するように形成されている。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ21の内部に改質層Kが形成されると、図5(D) に示すエキスパンドステップにより、半導体ウェハ21の裏面21bから引張力を加える。なお、このエキスパンドステップは、第1実施形態で説明した図3(C) に示すものと同様であるので、ここで図示および説明を省略する。
このように第3実施形態では、引張力が、半導体ウェハ21の裏面21bに径方向外側に向かって加えられる場合において、半導体ウェハ21の表面21aに溝部24が形成される。これにより、当該引張力が加わり易い裏面21bに比べて当該引張力が加わり難い裏面21b側の改質層Kを起点としたクラックの成長を促進するので、改質層Kが形成されない範囲が当該表面21a側に集まっている場合に特に有効に作用する。したがって、改質層Kが形成されない範囲が引張力の加わる裏面21bとは反対側の表面21aの表層Wsに集まっている半導体ウェハ21でも、安定した割断を可能にするとともに、分離されたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第3実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項1、2、5、6に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ21は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。また、溝部24は、特許請求の範囲に記載の「溝」に相当し得るもので、引張力は、特許請求の範囲に記載の「外力」に相当し得るものである。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るレーザダイシング方法を図6に基づいて説明する。なお、図6には、本第4実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図6(A) には改質層形成ステップ中のもの、図6(B) にはエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、図6(C) には溝部形成ステップ後のもの、である。
本第4実施形態は、第3実施形態では改質層形成ステップの前に置いた溝部形成ステップを、改質層形成ステップの後に置いている点が第3実施形態と異なる。このため、第3実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図6(A) に示すように、本第4実施形態では、まず改質層形成ステップにより、溝部24が形成されていない半導体ウェハ21に対し半導体ウェハ21の表面21aにレーザ光を照射する。これにより、第2実施形態で説明したダイシング工程の改質層形成ステップ(図4(A) )と同様に、レーザ光Lの照射範囲には、この後工程で形成される溝部24は存在しないので、当該溝部24の存在によるアブレーションを防止することができる。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ21の内部に改質層Kが形成されると、次に、図6(B) に示すエキスパンドテープ貼付ステップにより、第1実施形態と同様に、半導体ウェハ21の裏面21bにエキスパンドテープTが貼付される。このエキスパンドテープTは、第1実施形態のものと同様である。
エキスパンドテープ貼付ステップによりエキスパンドテープTが貼付されると、図6(C) に示す溝部形成ステップにより、半導体ウェハ21の表面21aに割断予定線DL上に溝部24を形成する。この溝部形成ステップでは、第1〜3実施形態と同様に、溝部24を機械的または化学的に形成する。この溝部形成ステップで形成される溝部24は、その先端が図6(A) に示す改質層形成ステップにより形成された改質層Kに達するように形成されている。
溝部形成ステップにより半導体ウェハ21の表面21aに溝部24が形成されると、エキスパンドステップにより、半導体ウェハ21の裏面21bから引張力を加える。なお、このエキスパンドステップは、第3実施形態で説明した図5(D) に示すものと同様であるので、ここで図示および説明を省略する。なお、図6(C) に示す5C方向矢視による半導体ウェハ21の構成を示す断面図は、図5(C) に示すものと実質的に同様になる。
このように第4実施形態では、溝部形成ステップ(図6(C) )は、改質層形成ステップ(図6(A) )の後に存在することから、改質層形成ステップでは、半導体ウェハ21にはこのような溝部24がまだ形成されていない。このため、例えば、レーザ光Lの照射によって当該改質層Kを形成する場合、アブレーションの原因となり易いこのような溝部24の壁面がまだ形成されてないので、レーザ光Lの照射時にアブレーションの発生を抑制することができる。したがって、このようなアブレーションによるパーティクルの付着を原因としたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第4実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項1、2、5、7に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ21は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。
[第5実施形態]
続いて、第5実施形態に係るレーザダイシング方法および半導体ウェハについて、図9〜図11に基づいて説明する。第5実施形態に係るレーザダイシング方法および半導体ウェハは、第1実施形態で既に説明したものとほぼ同様であるが、本第5実施形態に係るものは「割断されるべき部位に形成される溝がこの溝に最も近い改質層と当該溝の底部との離隔距離が30μm以下になる深さまで形成される」点が、前述の第1実施形態のものと異なる。このため、第5実施形態に係るレーザダイシング方法および半導体ウェハを以下図9〜図11を参照して説明するが、これらの図9〜図11は、前述した第1実施形態に係る半導体ウェハ21やダイシング工程に関する図1〜図3に対応する。このため、第1実施形態のものと実質的に同一の構成部分については、同一符号を付しそれらの説明を省略する。
なお、図9(A) には、本第5実施形態に係る半導体ウェハの構成を示す断面図(図9(B) に示す9A−9A線断面)が示されており、図9(B) には、図9(A) に示す9B線矢視による底面(裏面)図が示されている。また、図10および図11には、本第5実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図10(A) には溝部形成ステップ前のもの、図10(B) には溝部形成ステップ後のもの、図10(C) にはエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、図11(A) には改質層形成ステップ中のもの、図11(B) には図11(A) に示す11B線矢視によるもの、図11(C) にはエキスパンドステップ後のもの、である。
まず、本第5実施形態の半導体ウェハ31の構成を図9を参照して説明する。図9(A) および図9(B) に示すように、半導体ウェハ31は、前述した半導体ウェハ21と同様にオリエンテーションフラットOFが形成されたシリコン基板で、この半導体ウェハ31の表面31aには、拡散工程等を経て形成された複数のチップCPが碁盤の目のように整列配置されている。なお、図9(A) に示すクロスハッチングの範囲は、図16(A) や図16(B) を参照して説明した表層Ws(半導体ウェハ21の裏面21bを含む裏面の層)を示すものである。
これらのチップCPは、図10および図11に示すダイシング工程により割断予定線DLに沿ってそれぞれ分離される。本第5実施形態でも、第1実施形態と同様に、割断予定線DLに沿って格子状に配置される溝部32を半導体ウェハ31の裏面31bに形成する。この溝部32は、深さ方向の断面形状がV字形状(くさび形状)である点は第1実施形態の溝部22と同様であるが、図9(A) に示すように、その深さ方向先端部(V字形状の頂部に相当する鋭角部分のこと)、つまり溝部32の底部Xが、半導体ウェハ31内に形成されている改質層Kに達することなく、この溝部32に最も近い改質層Kaの近傍で止まっている点が第1実施形態の溝部22と異なる。このため、溝部32の底部Xとこの近傍に位置する改質層Kaとは、距離dpをもって離隔している。
このような離隔距離dpは、本願発明者らの実験によって、図15に示すように、半導体ウェハ31の厚さに関係なく30μm以下に設定する必要のあることがわかっている。具体的には、半導体ウェハ31がシリコン基板である場合、溝部32に最も近い改質層Kaと当該溝部32の底部Xとの離隔距離dpが0μmを超えて26μmであるときには(0μm<dp≦30μm)割断率は100%であり、離隔距離dpが28μmであるときには(dp=28μm)割断率は92%、離隔距離dpが30μmであるときには(dp=30μm)割断率は15%、離隔距離dpが30μmを超えるときには(dp>30μm)割断率はほぼ0%、であることがそれぞれ判明した。なお、ここでいう「割断率」とは、チップCPのサイズが5mm四方に設定されている半導体ウェハ31を割断したとき、割断予定の全チップ数に対する割断できたチップCPの割合のことをいう。
なお、本実施形態では、図15に示すように、割断率が15%以上であれば「割断できた」と判定したが(図15に示す「割断可能な範囲」)、100%の割断率が要求される場合には0μmを超えて26μm以下(0μm<dp≦26μm)に当該離隔距離dpを設定する必要がある。
これにより、溝部32が形成された割断予定線DLの裏面31bからは、当該溝部32の形成により表層Wsが除去されるため、割断予定線DLの裏面31bには改質層Kが形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、この溝部32に改質層Kが直接つながっていなくても、この溝部32に最も近い改質層Kaと当該溝部32の底部Xとの離隔距離dpが30μm以下であれば、後述するように、半導体ウェハ31の裏面31bに径方向外側に引っ張られる引張力が加えられると、当該溝部32の底部Xに集中した応力により当該底部Xを起点として発生したクラックを離隔距離30μm以下の改質層Kaにつなげることが可能となる。
本第5実施形態では、このような溝部32を半導体ウェハ31の裏面31bに形成する溝部形成ステップを、半導体ウェハ31に改質層Kを形成する改質層形成ステップよりも前に置く。即ち、図10(A) に示すように、溝部32も改質層Kも形成されていない半導体ウェハ31に対して、図10(B) に示す溝部形成ステップにより、半導体ウェハ31の裏面31bに割断予定線DL上に溝部32を形成する。この溝部形成ステップは、図2(B) を参照して説明した第1実施形態の溝部形成ステップと同様に、機械的または化学的に形成される。
溝部形成ステップにより裏面31bに溝部32が形成されると、図10(C) に示すエキスパンドテープ貼付ステップにより、裏面31bにエキスパンドテープTが貼付される。このパンドテープ貼付ステップも、図2(C) を参照して説明した第1実施形態のパンドテープ貼付ステップと同様で、伸縮性のあるフィルム状の樹脂製シートであるエキスパンドテープTが半導体ウェハ21の裏面21bほぼ全面に貼り付けられる。
エキスパンドテープ貼付ステップにより裏面31bにエキスパンドテープTが貼付されると、次に図11(A) および図11(B) に示す改質層形成ステップにより、半導体ウェハ31の表面31aにレーザ光を照射することで、半導体ウェハ31の内部に改質層Kを形成する。この改質層形成ステップで形成される改質層Kは、図11(B) に示す溝部形成ステップにより形成された溝部22の底部Xの近傍に位置するように形成される。
即ち、前述したように、溝部32に最も近い改質層Kaと当該溝部32の底部Xとの離隔距離dpが30μm以下になるように、この改質層形成ステップにより改質層Ka、Kを形成する(図9(A) に示す改質領域kk’の範囲)。なお、この改質層形成ステップは、図16(A) および図16(B) を参照して説明した改質工程と同様であるので、ここでは説明を省略する。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ31の内部に改質層Kが形成されると、図11(C) に示すエキスパンドステップにより、半導体ウェハ31を径方向外側に向かって引っ張る引張力を半導体ウェハ31の裏面31bから加える。これにより、図3(C) を参照して説明した第1実施形態のパンドテープ貼付ステップと同様に、エキスパンドテープTが半導体ウェハ31の表面31a側に向かって伸び拡がることによって生じる引張力を、半導体ウェハ31を径方向外側に向かって引っ張る力として利用することで、溝部32の底部Xに集中した応力により当該底部Xを起点としてクラックを発生させる。そして、このように溝部32の底部Xを起点として発生したクラックは、さらなる引張力によって底部Xの近傍に位置する改質層Kaにつながる(連絡する)ことから、当該改質層Kaに連続して位置する改質層Kによるクラックの成長を促進することが可能となる。したがって、割断予定線DLの裏面31b側の表層Wsに改質層Kが形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くするので、安定した割断を可能にするとともに分割されたチップCPの品質低下を防止することができる。
このように割断分離されたチップCPは、ダイシング工程により割断予定線DLに沿ってそれぞれ分離された後、マウント工程、ボンディング工程、封入工程等といった各工程を経ることによってパッケージされたICやLSIとして完成する。
以上説明したように、本第5実施形態に係るダイシング工程では、割断予定線DLの裏面31bに、引張力による応力が集中し得る溝部32を、この溝部32に最も近い改質層Kaと当該溝部32の底部Xとの離隔距離dpが30μm以下になる深さまで形成する溝部形成ステップを含むので、溝部32が形成された割断予定線DLの裏面31bの表層Wsには、改質層Kが形成されない範囲が存在しなくなる。その一方で、割断に際し引張力が加えられると、この溝部32に改質層Kaが直接つながっていなくても、この溝部32に最も近い改質層Kaと当該溝部32の底部Xとの離隔距離が30μm以下であれば、当該溝32の底部Xに集中した応力により当該底部Xを起点として発生したクラックが離隔距離30μm以下の改質層Kaに連絡し得るため、当該底部Xを起点としたクラックの成長を促進することができる。したがって、割断予定線DLの表層Wsに改質層Ka、Kが形成されていない範囲が存在する場合に比べ、クラックの成長が予定外の方向に進展する可能性が極めて低くなる。このため、安定した割断を可能にし、分離されたチップCPの品質低下を防止することができる。
また、本第5実施形態に係るダイシング工程では、半導体ウェハ31の裏面31bに引張力が加えられる場合において、当該裏面31bに溝部32を形成したので、当該引張力が加わり難い表面31aに比べて当該引張力が加わり易い裏面31b側の溝部32の底部Xを起点としたクラック発生およびその成長を促進できる。これにより、改質層Ka、Kが形成されない範囲が当該裏面31b側に集まっている場合に特に有効に作用する。したがって、改質層Ka、Kが形成されない範囲が引張力の加わる裏面31bの表層Wsに集まっている半導体ウェハ31でも、安定した割断を可能にし、分離されたチップCPの品質低下を防止することができる。
さらに、本第5実施形態に係るダイシング工程では、溝部32を形成する溝部形成ステップを、半導体ウェハ31の内部に改質層Kを形成する改質層形成ステップよりも前に置いたので、このような溝部32を形成する溝部形成ステップでは、半導体ウェハ31には改質層Kがまだ形成されていない。このため、例えば、ダイシングブレード等による切削等、機械加工等の物理的な加工によって当該溝部32を形成する場合、機械的な振動によりクラックの原因となり易い改質層Ka、Kがまだ形成されてないので、加工時のクラック発生を抑制することができる。したがって、このような予定外のクラックの発生を原因としたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第5実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項3、4、6に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ31は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。
また、割断予定線DLは、特許請求の範囲に記載の「割断されるべき部位」および「分離されるべき部位」に相当し得るもので、また裏面31bは、特許請求の範囲に記載の「割断されるべき部位の表面」および「一方の面」に相当し得るものである。さらに表面31aは、特許請求の範囲に記載の「他方の面」に相当し得るものである。また、溝部32は、特許請求の範囲に記載の「溝」に相当し得るもので、チップCPは、特許請求の範囲に記載の「ウェハ片」および「半導体装置」に相当し得るものである。
さらに、溝部形成ステップは、特許請求の範囲に記載の「溝を形成する工程」に相当し得るもので、改質層形成ステップは、特許請求の範囲に記載の「改質層を形成する工程」に相当し得るものである。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係るレーザダイシング方法を図12に基づいて説明する。なお、図12には、本第6実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図12(A) には改質層形成ステップ中のもの、図12(B) には溝部形成ステップ後のもの、図12(C) にはエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、である。
本第6実施形態は、第5実施形態では改質層形成ステップの前に置いた溝部形成ステップを、改質層形成ステップの後に置いている点が第5実施形態と異なる。このため、第5実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図12(A) に示すように、本第6実施形態では、まず改質層形成ステップにより、溝部32が形成されていない半導体ウェハ31に対し半導体ウェハ31の表面31aにレーザ光を照射する。これにより、半導体ウェハ31の内部には、改質層Ka、Kが形成されることになるが、レーザ光Lの照射範囲には、この後工程で形成される溝部32は存在しないので、当該溝部32の存在によるアブレーションを防止することができる。
即ち、レーザ光Lの照射範囲内に、溝部32を形成する壁部のように、空間に露出した半導体材料の表面が存在した場合、当該表面でレーザ光Lが焦点を結ぶことでアブレーションによるパーティクルが発生し得ることになるが、本第6実施形態では、このような溝部32は、改質層形成ステップにおいては存在しないので、アブレーションを防止しそれによるにパーティクルの発生を防止することができる。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ31の内部に改質層Ka、Kが形成されると、次に、図12(B) に示す溝部形成ステップにより、半導体ウェハ31の裏面31bに割断予定線DL上に溝部32を形成する。この溝部形成ステップでは、前述した第5実施形態と同様に、溝部32を機械的または化学的に形成する。この溝部形成ステップで形成される溝部32は、その先端、つまり溝部32の底部Xが改質層Kaから離隔距離dpだけ離れたところに位置するように形成されている。
溝部形成ステップにより半導体ウェハ31の裏面31bに溝部32が形成されると、図12(C) に示すエキスパンドテープ貼付ステップにより、第5実施形態と同様に、半導体ウェハ31の裏面31bにエキスパンドテープTが貼付される。このエキスパンドテープTは、第1実施形態や第5実施形態のものと同様である。
エキスパンドテープ貼付ステップによりエキスパンドテープTが貼付されると、エキスパンドステップにより、半導体ウェハ31の裏面31bから引張力を加える。なお、このエキスパンドステップは、第1実施形態(図3(C) )や第5実施形態(図11(C) )で説明したものと同様であるので、ここで図示および説明を省略する。なお、図12(C) に示す11B方向矢視による半導体ウェハ31の構成を示す断面図は、図11(B) に示すものと実質的に同様になる。
このように第6実施形態では、溝部形成ステップ(図12(B) )は、改質層形成ステップ(図12(A) )の後に存在することから、改質層形成ステップでは、半導体ウェハ31にはこのような溝部32がまだ形成されていない。このため、例えば、レーザ光Lの照射によって当該改質層Ka、Kを形成する場合、アブレーションの原因となり易いこのような溝部32の壁面がまだ形成されてないので、レーザ光Lの照射時にアブレーションの発生を抑制することができる。したがって、このようなアブレーションによるパーティクルの付着を原因としたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第6実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項3、4、7に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ31は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係るレーザダイシング方法を図13に基づいて説明する。なお、図13には、本第7実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図13(A) には溝部形成ステップ後のもの、図13(B) には改質層形成ステップ中のもの、図13(C) には図13(B) に示す5C線矢視によるもの、図13(D) にはエキスパンドステップ後のもの、である。
本第7実施形態は、第5実施形態では半導体ウェハ31の裏面31bに形成した溝部32を、半導体ウェハ31の表面31aに溝部34として形成している点が第5実施形態と異なる。このため、第5実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。なお、本第7実施形態で形成する溝部34は、第5、6実施形態で形成した溝部32と符号番号が異なるだけで、両者は実質的に同様である。
図13(A) に示すように、本第7実施形態では、まず溝部形成ステップにより、半導体ウェハ31の表面31aに割断予定線DL上に溝部34を形成する。この溝部形成ステップでは、第5、6実施形態と同様に、溝部34を機械的または化学的に形成する。なお、この溝部形成ステップに搬入される半導体ウェハ31の裏面31bには、エキスパンドテープTが前工程により貼付されている。
溝部形成ステップにより表面31aに溝部34が形成されると、次に図13(B) および図13(C) に示す改質層形成ステップにより、半導体ウェハ31の表面31aにレーザ光を照射することで、半導体ウェハ31の内部に改質層Kを形成する。この改質層形成ステップで形成される改質層Kは、図13(A) に示す溝部形成ステップにより形成された溝部34の先端、つまり溝部32の底部Xから離隔距離dpだけ離れたところに位置するように形成されている。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ31の内部に改質層Kが形成されると、図13(D) に示すエキスパンドステップにより、半導体ウェハ31の裏面31bから引張力を加える。なお、エキスパンドステップは、第1実施形態(図3(C) )や第5実施形態(図11(C) )で説明したものと同様であるので、ここで図示および説明を省略する。
このように第7実施形態では、引張力が、半導体ウェハ31の裏面31bに径方向外側に向かって加えられる場合において、半導体ウェハ31の表面31aに溝部34が形成される。これにより、当該引張力が加わり易い裏面31bに比べて当該引張力が加わり難い裏面31b側の溝部32の底部Xを起点としたクラック発生およびその成長を促進するので、改質層Ka、Kが形成されない範囲が当該表面31a側に集まっている場合に特に有効に作用する。したがって、改質層Ka、Kが形成されない範囲が引張力の加わる裏面31bとは反対側の表面31aの表層Wsに集まっている半導体ウェハ31でも、安定した割断を可能にするとともに、分離されたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第7実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項1、2、5、6に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ31は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。また、溝部34は、特許請求の範囲に記載の「溝」に相当し得るもので、引張力は、特許請求の範囲に記載の「外力」に相当し得るものである。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係るレーザダイシング方法を図14に基づいて説明する。なお、図14には、本第8実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図が示されており、図14(A) には改質層形成ステップ中のもの、図14(B) にはエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、図14(C) には溝部形成ステップ後のもの、である。
本第8実施形態は、第7実施形態では改質層形成ステップの前に置いた溝部形成ステップを、改質層形成ステップの後に置いている点が第7実施形態と異なる。このため、第7実施形態と実質的に同様の構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
図14(A) に示すように、本第8実施形態では、まず改質層形成ステップにより、溝部34が形成されていない半導体ウェハ31に対し半導体ウェハ31の表面31aにレーザ光を照射する。これにより、第6実施形態で説明したダイシング工程の改質層形成ステップ(図12(A) )と同様に、レーザ光Lの照射範囲には、この後工程で形成される溝部34は存在しないので、当該溝部34の存在によるアブレーションを防止することができる。
改質層形成ステップにより半導体ウェハ31の内部に改質層Kが形成されると、次に、図14(B) に示すエキスパンドテープ貼付ステップにより、第5実施形態と同様に、半導体ウェハ31の裏面31bにエキスパンドテープTが貼付される。このエキスパンドテープTは、第1実施形態や第5実施形態のものと同様である。
エキスパンドテープ貼付ステップによりエキスパンドテープTが貼付されると、図14(C) に示す溝部形成ステップにより、半導体ウェハ31の表面31aに割断予定線DL上に溝部34を形成する。この溝部形成ステップでは、第5〜7実施形態と同様に、溝部34を機械的または化学的に形成する。この溝部形成ステップで形成される溝部34は、その先端、つまり溝部32の底部Xが改質層Kaから離隔距離dpだけ離れたところに位置するように形成されている。
溝部形成ステップにより半導体ウェハ31の表面31aに溝部34が形成されると、エキスパンドステップにより、半導体ウェハ31の裏面31bから引張力を加える。なお、このエキスパンドステップは、第7実施形態で説明した図13(D) に示すものと同様であるので、ここで図示および説明を省略する。なお、図14(C) に示す13C方向矢視による半導体ウェハ31の構成を示す断面図は、図13(C) に示すものと実質的に同様になる。
このように第8実施形態では、溝部形成ステップ(図14(C) )は、改質層形成ステップ(図14(A) )の後に存在することから、改質層形成ステップでは、半導体ウェハ31にはこのような溝部34がまだ形成されていない。このため、例えば、レーザ光Lの照射によって当該改質層Ka、Kを形成する場合、アブレーションの原因となり易いこのような溝部34の壁面がまだ形成されてないので、レーザ光Lの照射時にアブレーションの発生を抑制することができる。したがって、このようなアブレーションによるパーティクルの付着を原因としたチップCPの品質低下を防止することができる。
なお、上述した第8実施形態に係るダイシング工程は、特許請求の範囲に記載の請求項3、5、7に相当し得るもので、同実施形態に係る半導体ウェハ31は、特許請求の範囲に記載の請求項8に相当し得るものである。
なお、以上説明した各実施形態では、割断予定線DL上に形成する溝部32、24、32、34として、深さ方向の断面形状がV字形状(くさび形状)のものを例示して説明したが、本発明ではこれに限られることはなく、「外力による応力が集中し得る溝」であれば良く、例えば、図7に示すバリエーション例のものでも良い。
即ち、図7(A) に示すように、深さ方向の断面形状が矩形状の溝部32α(32α)、図7(B) に示すように、深さ方向の断面形状が矩形状でその底部の断面形状が半円形状の溝部32β(32β)、図7(C) に示すように、深さ方向の断面形状が先細りの台形形状の溝部32γ(32γ)や図7(D) に示すように、深さ方向の断面形状が矩形状でその底部の断面形状が三角形状の溝部32δ(32δ)を、本発明に係る「溝」としても良い。なお、図7(A) 〜図7(D) に示す符号Xは、これら各溝部32α、22β、22γ、22δ、32α、32β、32γ、32δの「底部」を示し、この底部Xは、特許請求の範囲に記載の「溝の底部」に相当し得るものである。
図7(A) 〜図7(D) に示す溝部32α、22β、22γ、22δ、32α、32β、32γ、32δは、そのいずれも底部Xに、外力による応力を集中させ得る角部または曲線部を有するので、これらを半導体ウェハ31の表面31aまたは裏面31bあるいはその両面に形成することで、半導体ウェハ31の裏面31b方向や表面31a方向から加えられる引張力による応力をこれらの溝部32、22β、22γ、22δ、32α、32β、32γ、32δの底部Xに集中させることができる。これにより、上述した溝部32、24、32、34と同様に、底部Xを改質層Kにつなげるようにこれらの溝部32α、22β、22γ、22δ、32α、32β、32γ、32δを表面31aや裏面31bに形成することで、上述同様の作用・効果を得ることができる。
また、以上説明した各実施形態では、割断予定線DL上に形成する溝部32、24として、半導体ウェハ31の一端側から他端側まで連続して延びる直線を格子形状に組み合わせたものを例示して説明したが、本発明ではこれに限られることはなく、「碁盤の目のように整列配置されている半導体装置(チップCP)それぞれの周囲を取り囲み得る溝」であれば良く、例えば、図8に示すバリエーション例のものでも良い。
即ち、図8(A) に示すように、「−(マイナス)」字形状を有する溝部32a1と「+(プラス)」字形状を有する溝部32a2との組み合わせにより、チップCPの周囲を破線状に不連続に取り囲むものでも良い。
また、図8(B) に示すように、円形状の穴部22bを列状に並べることにより、チップCPの周囲を点線状に不連続に取り囲むものでも良い。
図8(A) 、図8(B) に示すように、溝部32a1,22a2や穴部22bにより不連続ではあるが、チップCPの周囲を取り囲むことによって、上述した溝部32、24と同様に、底部を改質層Kにつなげるように、これらの溝部32a1,22a2や穴部22bを半導体ウェハ31の表面31aや裏面31bに形成することで、紙にミシン目状の貫通穴を列状に形成した場合に当該列に沿って紙を破ることが可能であることと同様に、連続した溝部32、24を形成したのとほぼ同様に、上述の作用・効果を得ることができる。
さらに、以上の各実施形態では、レーザダイシングの加工対象物として、シリコンウェハの場合を例示して説明したが、本発明のレーザダイシング方法により割断可能なものはこれに限られることはなく、例えば、シリコン以外の半導体材料、ガラス、クリスタル、あるいはプラスチック等の樹脂材料、等の各種の物質その対象に挙げられ、これらについても、上記各実施形態の場合と同様の作用・効果を得ることができる。
図1(A) は、本発明の第1実施形態に係る半導体ウェハの構成を示す断面図(図1(B) に示す1A−1A線断面)で、図1(B) は図1(A) に示す1B線矢視による底面図である。 本第1実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図2(A) は溝部形成ステップ前のもの、図2(B) は溝部形成ステップ後のもの、図2(C) はエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第1実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図3(A) は改質層形成ステップ中のもの、図3(B) は図3(A) に示す3B線矢視によるもの、図3(C) はエキスパンドステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第2実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図4(A) は改質層形成ステップ中のもの、図4(B) は溝部形成ステップ後のもの、図4(C) はエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第3実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図5(A) は溝部形成ステップ後のもの、図5(B) は改質層形成ステップ中のもの、図5(C) は図5(B) に示す5C線矢視によるもの、図5(D) はエキスパンドステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第4実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図6(A) は改質層形成ステップ中のもの、図6(B) はエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、図6(C) は溝部形成ステップ後のもの、をそれぞれ示す。 各実施形態に係る半導体ウェハに形成される溝部のバリエーション例を示す説明図で、図7(A) は断面形状が矩形状のもの、図7(B) は底部の断面形状が半円形状のもの、図7(C) は断面形状が台形形状のもの、図7(D) は底部の断面形状が三角形状のもの、をそれぞれ示す。 各実施形態に係る半導体ウェハに形成される溝部のバリエーションを示す説明図で、図8(A) はチップの周囲を破線状に不連続に取り囲む例、図8(B) はチップの周囲を点線状に不連続に取り囲む例を、それぞれ示すものである。 図9(A) は、本発明の第5実施形態に係る半導体ウェハの構成を示す断面図(図9(B) に示す9A−9A線断面)で、図9(B) は図9(A) に示す9B線矢視による底面図である。 本第5実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図10(A) は溝部形成ステップ前のもの、図10(B) は溝部形成ステップ後のもの、図10(C) はエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第5実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図11(A) は改質層形成ステップ中のもの、図11(B) は図11(A) に示す11B線矢視によるもの、図11(C) はエキスパンドステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第6実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図12(A) は改質層形成ステップ中のもの、図12(B) は溝部形成ステップ後のもの、図12(C) はエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第7実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図13(A) は溝部形成ステップ後のもの、図13(B) は改質層形成ステップ中のもの、図13(C) は図13(B) に示す13C線矢視によるもの、図5(D) はエキスパンドステップ後のもの、をそれぞれ示す。 本第8実施形態に係るダイシング工程を構成する各ステップにおける半導体ウェハの構成を示す断面図で、図14(A) は改質層形成ステップ中のもの、図14(B) はエキスパンドテープ貼付ステップ後のもの、図14(C) は溝部形成ステップ後のもの、をそれぞれ示す。 溝部の底から改質層までの離隔距離に対する割断率を示す特性図である。 従来例によるレーザダイシング方法を示す説明図で、図16(A) は改質工程の様子を示すもの、図16(B) は改質工程で形成された改質層を16B矢視方向から見たもの、図16(C) はエキスパンド工程を示すものである。
符号の説明
21、31…半導体ウェハ
21a、31a…表面(他方の面)
21b、31b…裏面(割断されるべき部位の表面、一方の面)
22、22a1、22a2、24、32、34…溝部(溝)
22b…穴部(溝)
CV…集光レンズ
CP…チップ(ウェハ片、半導体装置)
DL…割断予定線(割断されるべき部位、分離されるべき部位)
dp…離隔距離(改質層と溝の底部との離隔距離)
K…改質層
Ka…改質層(溝に最も近い改質層)
KK、kk’…改質領域
L…レーザ光
OF…オリエンテーションフラット
P…集光点
T…エキスパンドテープ
X…底部(溝の底部)

Claims (9)

  1. レーザ光の照射により改質層を形成した後、外力を加えることでこの改質層を起点に割断するレーザダイシング方法であって、
    前記割断されるべき部位に、前記外力による応力が集中し得る溝を前記改質層に達し得る深さまで形成する工程を含むことを特徴とするレーザダイシング方法。
  2. 半導体ウェハにレーザ光を照射して改質層を形成した後、前記半導体ウェハに外力を加えることでこの改質層を起点に当該半導体ウェハを複数のウェハ片に割断するレーザダイシング方法であって、
    前記割断されるべき部位に、前記外力による応力が集中し得る溝を前記改質層に達し得る深さまで形成する工程を含むことを特徴とするレーザダイシング方法。
  3. 半導体ウェハにレーザ光を照射して改質層を形成した後、前記半導体ウェハに外力を加えることでこの改質層により当該半導体ウェハを複数のウェハ片に割断するレーザダイシング方法であって、
    前記割断されるべき部位に、前記外力による応力が集中し得る溝を、この溝に最も近い改質層と当該溝の底部との離隔距離が30μm以下になる深さまで形成する工程を含むことを特徴とするレーザダイシング方法。
  4. 前記外力が、前記半導体ウェハの一方の面に径方向外側に向かって加えられる請求項2または3に記載のレーザダイシング方法であって、
    前記溝は、少なくとも前記一方の面に形成されることを特徴とするレーザダイシング方法。
  5. 前記外力が、前記半導体ウェハの一方の面に径方向外側に向かって加えられる請求項2または3に記載のレーザダイシング方法であって、
    前記溝は、少なくとも前記一方の面と反対側の他方の面に形成されることを特徴とするレーザダイシング方法。
  6. 前記溝を形成する工程は、前記半導体ウェハに前記改質層を形成する工程の前に存在することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のレーザダイシング方法。
  7. 前記溝を形成する工程は、前記半導体ウェハに前記改質層を形成する工程の後に存在することを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のレーザダイシング方法。
  8. レーザ光の照射により改質層を形成し、この改質層により割断されることでそれぞれ分離され得る複数の半導体装置を備えた半導体ウェハにおいて、
    前記割断によって分離されるべき部位に、前記改質層に達し得る深さの溝であって、割断の際に加えられる外力による応力が集中し得る溝を有することを特徴とする半導体ウェハ。
  9. レーザ光の照射により改質層を形成し、この改質層により割断されることでそれぞれ分離され得る複数の半導体装置を備えた半導体ウェハにおいて、
    前記割断によって分離されるべき部位に、前記外力による応力が集中し得る溝で、この溝に最も近い改質層と当該溝の底部との離隔距離が30μm以下になる深さの溝を有することを特徴とする半導体ウェハ。
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