JP2017117959A - 半導体ウエハの加工方法、半導体チップの製造方法及び加工半導体ウエハ - Google Patents

半導体ウエハの加工方法、半導体チップの製造方法及び加工半導体ウエハ Download PDF

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Abstract

【課題】半導体チップの製造に用いる半導体ウエハの加工方法であって、半導体チップをフィルム状接着剤とともにピックアップするときに、フィルム状接着剤の半導体チップからのはみ出しを抑制するのに好適な加工方法、半導体チップの製造方法、及び加工半導体ウエハの提供。【解決手段】半導体ウエハ1’の回路形成面1a’に、前記回路と重ならないように溝10を形成し、その後、半導体ウエハ1’の回路形成面1a’とは反対側の面1b’を研削し、前記反対側の面1b’を研削するときに、溝10が形成されていない部位における半導体ウエハ1’の厚さt1と、溝10の底部10aにおける半導体ウエハ1’の厚さt2とが、t1>t2>0μmの関係を満たすようにする。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハの加工方法、半導体チップの製造方法、及び加工半導体ウエハに関する。
半導体装置の製造工程のうち、ダイボンディングに用いるためのフィルム状接着剤が貼付された半導体チップを得る方法の一つとして、半導体ウエハのダイシングによって、あらかじめ分割済みの複数個の半導体チップに、フィルム状接着剤を貼付した後、このフィルム状接着剤を、半導体チップの配置位置に対応した位置において切断する方法がある。この方法では、通常、支持シート上にフィルム状接着剤が設けられたフィルム状接着剤複合シートを用いて、その1枚のフィルム状接着剤を、複数個の半導体チップに貼付する。半導体チップは、例えば、半導体ウエハの表面から溝を形成した後、この溝に到達するまで裏面側を研削することで作製される(特許文献1参照)。切断後のフィルム状接着剤が貼付されている半導体チップは、フィルム状接着剤ごと支持シートから引き離し(ピックアップし)、ダイボンディングに用いる。
上記の方法において、フィルム状接着剤を切断する方法としては、例えば、フィルム状接着剤にレーザーを照射して切断する方法や、フィルム状接着剤をエキスパンドすることによって切断する方法が知られている。しかし、これらの方法は、特殊な装置が必要であったり、工程が煩雑であるという問題点があった。そこで、これらに代わる方法として、半導体チップのピックアップ直前の段階において、半導体チップを未切断のフィルム状接着剤ごと、ピックアップ方向に持ち上げる際に発生するせん断力を利用して、フィルム状接着剤を切断する方法が開示されている(特許文献2参照)。
特開平9−213662号公報 特開2013−179317号公報
特許文献1に記載のように、半導体ウエハの表面から溝を形成する際には、通常、ダイシング用のブレードを用いるが、このブレードの幅に依存して、特定の幅を有する溝が形成される。したがって、この方法で分割された複数個の半導体チップは、例えば、図5に示すように、この溝の幅に対応して、互いに離間して1枚のフィルム状接着剤に貼付された状態となり、半導体チップ間には隙間が生じて、この隙間においては、フィルム状接着剤が露出している構成となる。図5中、符号62はフィルム状接着剤を、符号9は半導体チップを、符号90は半導体チップ間の隙間を、それぞれ示している。さらに、半導体チップ9のフィルム状接着剤62を備えている側の面(裏面)を符号9bで、前記裏面9bとは反対側の面(表面)を符号9aで、それぞれ示している。また、ここでは、フィルム状接着剤62を単独で用いるのではなく、支持シート61上にフィルム状接着剤62が設けられてなるフィルム状接着剤複合シート6を用いて、その1枚のフィルム状接着剤62を複数個の半導体チップ9に貼付した場合について示している。
ここで、特許文献2に記載のように、半導体チップを未切断のフィルム状接着剤ごと持ち上げ、その際に発生するせん断力を利用して、フィルム状接着剤を切断し、この切断されたフィルム状接着剤とともに半導体チップをピックアップする場合について考える。この方法を図5に示す状態の半導体チップ9に適用した場合、図6(a)に示すように、フィルム状接着剤62の半導体チップ9が貼付されている面(表面)62aとは反対側の面(裏面)62b側から、半導体チップ9を未切断のフィルム状接着剤62ごと持ち上げ、その際に発生するせん断力を利用して、フィルム状接着剤62を切断する。ここでは、半導体装置の製造装置が、半導体チップを突き上げる突き上げ部81を有し、突き上げ部81から突起(ピン)811が突出して、突起811の先端部が支持シート61をその裏面61b側から突き上げることで、半導体チップ9を未切断のフィルム状接着剤62ごと持ち上げる例を示している。このとき、フィルム状接着剤62は、目的とする箇所において、完全には切断されずに一部が開裂されるか、又は完全に切断される。図6(a)では、フィルム状接着剤62が、その表面62a側から支持シート61側へかけて、その厚さ方向において一部が開裂された状態を示している。
上述のせん断力によってフィルム状接着剤62を開裂又は切断後は、直ちに、図6(b)に示すように、半導体装置の製造装置の引き上げ部82によって半導体チップ9を引き上げることにより、この半導体チップ9を支持シート61から剥離させる。
図6(a)に示すように、フィルム状接着剤62が開裂されている場合には、本工程において、フィルム状接着剤62が完全に切断され、この切断後のフィルム状接着剤620を備えた半導体チップ9が、支持シート61から剥離される。一方、フィルム状接着剤62が完全に切断されている場合には、本工程では、最初の段階から、切断後のフィルム状接着剤620を備えた半導体チップ9が、支持シート61から剥離される。以上により、半導体チップ9が切断後のフィルム状接着剤620とともにピックアップされる。
上述のように、フィルム状接着剤62を切断する前の段階では、半導体チップ9の前記表面9a側からこれら半導体チップ9等を見た場合、半導体チップ9間においてフィルム状接着剤62がすでに露出しているため、この露出している分だけ、切断後のフィルム状接着剤620は半導体チップ9からはみ出すことになる。さらにフィルム状接着剤62は、その切断時に伸びるため、その伸びの分だけ、切断後のフィルム状接着剤620の半導体チップ9からのはみ出しが大きくなる(はみ出し量が多くなる)。結果として、切断後のフィルム状接着剤620は、半導体チップ9からのはみ出しが大きくなる(はみ出し量が多くなる)ことが避けられない。図6(b)においては、フィルム状接着剤620の半導体チップ9からのはみ出し部位を符号620cで示している。なお、図6では、前記はみ出し部位620cが、ピックアップされた半導体チップ9の表面9aに対して平行な方向に突出している状態を示しているが、はみ出し部位620cは、その材質や長さ(はみ出し量)によっては、図7(a)に示すように、下へ垂れ下がったり、逆に図7(b)示すように、半導体チップ9の側面に巻き付いたり、さらに半導体チップの厚さが薄い場合には、半導体チップ9の側面だけでなく表面9aにまで巻き付いたりすることもある。図7は、図6中の矢印I又はIIの向きに、ピックアップされたフィルム状接着剤620付き半導体チップ9を見たときの正面図である。
このように、ピックアップ後の半導体チップにおいて、貼付されているフィルム状接着剤のはみ出し量が多いと、このはみ出し部位が半導体装置の製造の妨げになるという問題点があった。また、フィルム状接着剤のはみ出し部位が半導体チップに巻き付いて付着した場合には、最終的に得られる半導体装置が、目的とする性能を有しない不良品となってしまうという問題点があった。また、フィルム状接着剤のはみ出し部位が折り畳まれてフィルム状接着剤自体に付着した場合には、目的とする箇所に半導体チップをダイボンディングしたときに、このフィルム状接着剤が折り畳まれている部位において、半導体チップの高さが高くなってしまい、半導体チップが全体として斜めに傾いてダイボンディングされてしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、半導体チップの製造に用いる半導体ウエハの加工方法であって、半導体チップをフィルム状接着剤とともにピックアップするときに、フィルム状接着剤の半導体チップからのはみ出しを抑制するのに好適な加工方法、半導体チップの製造方法、及び加工半導体ウエハを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、半導体ウエハの回路が形成されている面に、前記回路と重ならないように溝を形成する工程と、前記溝を形成する工程の後に、前記半導体ウエハの前記回路が形成されている面とは反対側の面を研削する工程と、を有し、前記反対側の面を研削する工程において、前記溝が形成されていない部位における前記半導体ウエハの厚さtと、前記溝の底部における前記半導体ウエハの厚さtとが、t>t>0μmの関係を満たすように、前記反対側の面を研削する、半導体ウエハの加工方法を提供する。
本発明の半導体ウエハの加工方法においては、前記反対側の面を研削する工程において、前記tが80μm以下となり、前記tが0.01〜25μmとなるように、前記反対側の面を研削することが好ましい。
また、本発明は、前記半導体ウエハの加工方法によって半導体ウエハを加工した後、得られた加工半導体ウエハに対して力を加えることで、前記溝の部位において前記加工半導体ウエハを分割し、複数個の半導体チップを得る分割工程を有する、第1の態様の半導体チップの製造方法を提供する。
また、本発明は、半導体ウエハの回路が形成されている面に、前記回路と重ならないように溝を形成する工程と、前記溝を形成する工程の後に、前記半導体ウエハの前記回路が形成されている面とは反対側の面を研削する工程と、を有し、前記反対側の面を研削する工程において、前記溝が形成されていない部位における前記半導体ウエハの厚さtが80μm以下となり、前記溝の底部における前記半導体ウエハの厚さtが0.01〜25μmとなるように、前記反対側の面を研削するとともに、さらに、研削中の前記半導体ウエハに対して、研削時の力を加えることで、前記溝の部位において前記半導体ウエハを分割し、複数個の半導体チップを得る、第2の態様の半導体チップの製造方法を提供する。
本発明の第1又は第2の態様の半導体チップの製造方法は、さらに、得られた複数個の半導体チップの、前記回路が形成されている面とは反対側の面に、1枚のフィルム状接着剤を貼付する工程を有し、前記フィルム状接着剤は、その前記半導体チップの貼付面に対して垂直な方向に、前記貼付面とは反対側の面から力を加えることで切断又は開裂可能なものであることが好ましい。
また、本発明は、半導体ウエハの回路が形成されている面に、前記回路と重ならないように溝を有する加工半導体ウエハであって、前記溝が形成されていない部位における前記加工半導体ウエハの厚さTが80μm以下であり、前記溝の底部における前記加工半導体ウエハの厚さTが25μm以下である、加工半導体ウエハを提供する。
本発明によれば、半導体チップの製造に用いる半導体ウエハの加工方法であって、半導体チップをフィルム状接着剤とともにピックアップするときに、フィルム状接着剤の半導体チップからのはみ出しを抑制するのに好適な加工方法、半導体チップの製造方法、及び加工半導体ウエハが提供される。
本発明の加工半導体ウエハの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の半導体ウエハの加工方法の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の半導体チップの製造方法の一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の製造方法で得られた半導体チップのピックアップの一実施形態を模式的に示す断面図である。 従来法で製造された、フィルム状接着剤に貼付された状態の半導体チップの一例を模式的に示す断面図である。 図5に示す半導体チップの、従来法でのピックアップを模式的に示す断面図である。 図6に示す方法でピックアップされた、フィルム状接着剤付き半導体チップの正面図である。
<加工半導体ウエハ>
本発明の加工半導体ウエハは、半導体ウエハの回路が形成されている面(以下、「回路形成面」と略記することがある)に、前記回路と重ならないように溝を有する加工半導体ウエハであって、前記溝が形成されていない部位における前記加工半導体ウエハの厚さTが80μm以下であり、前記溝の底部における前記加工半導体ウエハの厚さTが25μm以下のものである。
本発明の加工半導体ウエハは、フィルム状接着剤が貼付された半導体チップの製造に用いる。
本発明の加工半導体ウエハにおける前記溝は、この部位で前記加工半導体ウエハを分割することによって、半導体チップを得るためのものである。
本発明の加工半導体ウエハは、T及びTが前記条件を満たしていることで、半導体装置の製造に好適な半導体チップを容易に得られる。そして、特に、半導体チップとされる領域同士が前記溝の底部によって連結された状態となっていることで、この加工半導体ウエハから得られた半導体チップは、ピックアップ後において、ともにピックアップされた余分のフィルム状接着剤が、例えば回路形成面等の目的外の場所へ付着することが抑制される。このようなピックアップ後の半導体チップを用いることで、最終的には良好な特性の半導体装置が得られる。
図1は、本発明の加工半導体ウエハの一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す加工半導体ウエハ1は、回路形成面である一方の面(表面)1aに、幅がWである溝10を有する。加工半導体ウエハ1の回路形成面とは反対側の面(裏面)1bは、後述する半導体ウエハの加工時における研削面である。
溝10は、上述の様に、この部位で加工半導体ウエハ1を分割することによって、半導体チップを得るためのものである。加工半導体ウエハ1において、溝10はすべて、回路(図示略)と重ならない位置に設けられており、所定の領域を囲むように形成されている。すなわち、溝10で囲まれた領域は、最終的には半導体チップを構成する。
溝10はいずれも、対向する平行な2つの側面と、前記側面と直交する底面と、を有している。
溝10が形成されていない部位における加工半導体ウエハ1の厚さTは、0μmより大きく、80μm以下であり、20〜70μmであることが好ましく、23〜65μmであることがより好ましく、25〜60μmであることが特に好ましい。Tがこのような範囲であることで、フィルム状接着剤の半導体チップからのはみ出しを抑制する効果がより高くなる。また、厚さが薄い半導体チップでは、通常、半導体チップの側面だけでなく表面にまで、はみ出したフィルム状接着剤が巻き付いたりすることがある。一方、Tがこのような範囲である加工半導体ウエハ1から得られる半導体チップも、厚さが薄いものとなるが、フィルム状接着剤の半導体チップからのはみ出しが抑制されるため、上記のようなフィルム状接着剤の巻き付きが効果的に抑制される。後述する本発明の半導体ウエハの加工方法によれば、このような薄い加工半導体ウエハ1が容易に得られる。
溝10の底部10aにおける加工半導体ウエハ1の厚さTは、0μmより大きく、25μm以下であり、5〜25μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましく、5〜15μmであることが特に好ましい。ただし、TはTよりも小さい。Tがこのような範囲であることで、フィルム状接着剤の半導体チップからのはみ出しを抑制する効果がより高くなる。また、加工半導体ウエハ1の溝10における分割によって、半導体チップをより容易に得られる。
加工半導体ウエハ1の溝10において、Wは0.1〜200μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましく、10〜80μmであることがさらに好ましく、15〜50μmであることが特に好ましい。Wがこのような範囲であることで、フィルム状接着剤の半導体チップからのはみ出しを抑制する効果がより高くなる。また、通常、切断後のフィルム状接着剤とともに半導体チップをピックアップするときには、加工半導体ウエハ1の溝10を形成していた凹部を認識することにより、半導体チップのフィルム状接着剤上での配置位置を特定するが、Wがこのような範囲であることで、半導体チップのこの配置位置の特定がより容易となる。半導体チップのこの配置位置の特定については、後ほど詳しく説明する。
加工半導体ウエハ1における溝10の数は、複数であれば特に限定されず、加工半導体ウエハ1の大きさや、目的とする半導体チップの数に応じて適宜設定すればよい。
加工半導体ウエハ1においては、少なくとも一部の溝10の底部10aが亀裂を有するなど、溝10に割れが生じていてもよく、少なくとも一部の領域において、後述する半導体チップに相当する部位が分割されていてもよい。加工半導体ウエハ1は、後述するように、バックグラインドテープを貼付した状態で取り扱うことにより、このように溝に割れが生じていても、取り扱い上の問題はない。
加工半導体ウエハ1は、溝10を有し、半導体チップとされる領域同士が溝10の底部10aによって連結された状態となっている。したがって、加工半導体ウエハ1を分割して得られた半導体チップにおいては、溝10の底部10aに由来する部位が半導体チップの周縁部に残り、隣接する半導体チップ同士は、この周縁部で互いに接触した状態となっている。したがって、分割して得られたこれら複数個の半導体チップについて、その溝10が形成されていた側とは反対側の面(換言すると、前記回路形成面とは反対側の面、加工半導体ウエハ1では前記裏面1bであった側の面)に1枚のフィルム状接着剤が貼付された後、フィルム状接着剤が貼付されている側とは反対側からこのフィルム状接着剤付き半導体チップをみた場合、半導体チップ間においてフィルム状接着剤の露出がほぼ又は完全に抑制されている。このような、貼付されているフィルム状接着剤の露出が抑制された半導体チップを用いて、そのピックアップを行うことにより、ピックアップ後の半導体チップに貼付されているフィルム状接着剤は、半導体チップからのはみ出しが抑制される。これら一連の工程については、後ほど詳しく説明する。
本発明の加工半導体ウエハは、図1に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図1に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、本発明の加工半導体ウエハにおける前記溝は、後述する各手段で形成可能であれば、他の形状であってもよく、図1に示す溝10とは異なり、例えば、前記側面及び底面の少なくとも一方が曲面や微小な凹凸を有する面等の非平面であってもよく、側面と底面とは直交していなくてもよい。
また、加工半導体ウエハ1における複数の溝10は、大きさがすべて同じであってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
同様に、加工半導体ウエハ1における複数の溝10は、形状がすべて同じであってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
<半導体ウエハの加工方法>
本発明の半導体ウエハの加工方法は、半導体ウエハの回路が形成されている面(回路形成面)に、前記回路と重ならないように溝を形成する工程(以下、「溝形成工程」と略記することがある)と、前記溝を形成する工程の後に、前記半導体ウエハの前記回路形成面とは反対側の面を研削する工程(以下、「研削工程」と略記することがある)と、を有し、前記研削工程において、前記溝が形成されていない部位における前記半導体ウエハの厚さtと、前記溝の底部における前記半導体ウエハの厚さtとが、t>t>0μmの関係を満たすように、前記反対側の面を研削するものである。
本発明の半導体ウエハの加工方法は、上記の本発明の加工半導体ウエハの製造方法として好適であり、前記研削工程において、前記tが80μm以下となり、前記tが25μmとなるように、前記反対側の面を研削することにより、本発明の加工半導体ウエハが得られる。
本発明の加工半導体ウエハにおいて、前記溝は必ず底部を有するため、前記研削工程において、tは0より大きく、かつtよりも小さければよいが、tは0.01以上であることが好ましい。すなわち、本発明の半導体ウエハの加工方法は、前記研削工程において、tが80μm以下となり、前記tが0.01〜25μmとなるように、前記反対側の面を研削するものが好ましい。
以下、図2を参照して、図1に示す加工半導体ウエハ1の製造方法について説明する。図2は、本発明の半導体ウエハの加工方法(加工半導体ウエハの製造方法)の一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、図2において、図1に示すものと同じ構成要素には、図1の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。これは図3以降の図においても同様である。
前記溝形成工程においては、図2(a)及び(b)に示すように、半導体ウエハ1’の前記回路形成面(表面)1a’に、前記表面1a’上の回路と重ならないように溝10を形成する。
溝10は、半導体ウエハのダイシングで適用される公知の手段によって、前記表面1a’側から半導体ウエハ1’を切り込むことによって形成できる。ここで、その手段としては、例えば、代表的なものとしてブレードを用いて半導体ウエハを切り込むブレードダイシングが挙げられるが、その他にも、レーザー照射により半導体ウエハを切り込むレーザーダイシング、研磨剤を含む水の吹き付けにより半導体ウエハを切り込むウオーターダイシング等が挙げられる。
本工程における溝10の形成は、半導体ウエハ1’を分割することなく、溝10の底部10aを残すように半導体ウエハ1’を切り込む、所謂ハーフカットとよばれる操作である。ただし、本発明において「ハーフカット」とは、溝の深さが、例えば、半導体ウエハの厚さの半分等、特定の値となるように半導体ウエハを切り込む操作だけを意味するものではなく、上記のように溝の底部を残すように半導体ウエハを切り込む操作全般を意味する。
溝10の幅Wは、半導体ウエハ1’の切り込み条件を調節することによって調節できる。例えば、ブレードダイシングによって溝10を形成する場合には、溝10の幅Wが目的とする値となるような幅を有するブレードを用いればよい。
溝10は、半導体ウエハ1’の切り込み条件を途中で変更することなく形成することが好ましく、半導体ウエハ1’の切り込み操作を途中で中断することなく行うことがより好ましい。例えば、ブレードダイシングを適用する場合には、溝10は、前記ブレードを異なるサイズのものに交換することなく形成することが好ましく、ブレードによる1回の切り込みによって形成することがより好ましい。
前記溝形成工程後、前記研削工程においては、図2(c)に示すように、半導体ウエハ1’の前記表面(回路形成面)1a’とは反対側の面(裏面)1b’を研削する。
前記裏面1b’の研削は、公知の方法により、例えば、グラインダー80を用いて行うことができる。
また、前記裏面1b’の研削は、半導体ウエハ1’の前記表面1a’にバックグラインドテープ7を貼付して行うことが好ましい。
前記研削工程においては、溝10が形成されていない部位における半導体ウエハ1’の厚さtと、溝10の底部10aにおける半導体ウエハ1’の厚さtとが、t>t>0μmの関係を満たすように、前記裏面1b’を研削する。tが80μm以下であり、tが25μm以下である場合、tはTと同じであり、tはTと同じである。そして、前記研削工程においては、tが80μm以下であり、かつtが0.01〜25μmであることが好ましい。
前記研削工程においては、前記裏面1b’側からグラインダー80等によって半導体ウエハ1’に力が加えられることで、少なくとも一部の溝10の底部10aが亀裂を有するなど、溝10に割れが生じてもよく、少なくとも一部の領域において、半導体チップに相当する部位が分割されてもよい。
前記研削工程によって、t及びtが前記条件を満たすように、前記裏面1b’を研削することにより、図2(d)に示すように、半導体ウエハ1’から加工半導体ウエハ1が得られる。
<半導体チップの製造方法>
本発明の第1の態様の半導体チップの製造方法は、上記の本発明の半導体ウエハの加工方法によって半導体ウエハを加工した後、得られた加工半導体ウエハに対して力を加えることで、前記溝の部位において前記加工半導体ウエハを分割し、複数個の半導体チップを得る分割工程を有するものである。
本発明の半導体ウエハの加工方法及び半導体チップの製造方法を適用することにより、フィルム状接着剤付き半導体チップが得られる。
以下、図3を参照して、図2に示す加工半導体ウエハ1を用いた場合の半導体チップの製造方法について説明する。図3は、本発明の半導体チップの製造方法の一実施形態を模式的に示す断面図である。
前記分割工程においては、図3(a)に示す加工半導体ウエハ1に対して力を加えることで、溝10の部位において加工半導体ウエハ1を分割し、図3(b)に示すように、複数個の半導体チップ11を得る。
本実施形態では、例えば、加工半導体ウエハ1の溝10が形成されている面(すなわち、前記表面)1a側から、バックグラインドテープ7を介して加工半導体ウエハ1に力を加えることで、このように加工半導体ウエハ1を分割できる。ただし、加工半導体ウエハ1の分割方法はこれに限定されず、他の分割方法については、後ほど別途説明する。
本工程においては、上記のように力を加えられた加工半導体ウエハ1は、溝10の底部10aにおいて発生した亀裂110によって、複数個の半導体チップ11に分割される。得られた半導体チップ11は、バックグラインドテープ7に貼付されていることで、互いに隣接するもの同士の間で、ほぼ又は完全に周縁部が接触した状態のまま、バックグラインドテープ7上で保持される。
なお、本明細書及び図面では、半導体チップにおける、加工半導体ウエハで前記溝(図3(a)では溝10)を形成していた部位については、亀裂(図3(b)等では亀裂110)の発生後も半導体チップが整列していることでそのまま溝の形状を保持している場合、亀裂の発生前と同じ符号(図3(b)等では符号10)を付して記載していることがある。前記溝の底部についても同様である。
前記分割工程において、上述の様に加工半導体ウエハ1に力を加える方法としては、例えば、バックグラインドテープ7の上でローラーを転がすことによって、加工半導体ウエハ1のバックグラインドテープ7の貼付面、すなわち、前記表面1a側から力を加える方法等が挙げられる。
前記ローラーは、円柱状又は円筒状等の、表面が曲面を形成しており、平面上を回転させながら移動させることが可能なものであれば特に限定されない。前記ローラーの材質としては、例えば、金属、樹脂等が挙げられるが、これらに限定されず、2種以上の材質が組わされてなるものでもよい。
前記分割工程後、得られた複数個の半導体チップ11に対しては、その後のピックアップに備えて、溝10が形成されていた面(すなわち、表面又は回路形成面)11aとは反対側の面(裏面)11bに、1枚のフィルム状接着剤を貼付することが好ましい。すなわち、本発明の第1の態様の半導体チップの製造方法は、図3(c)に示すように、さらに、前記分割工程によって得られた複数個の半導体チップの、溝が形成されていた前記表面(回路形成面)とは反対側の前記裏面に、1枚のフィルム状接着剤を貼付する工程(以下、「貼付工程」と略記することがある)を有することが好ましい。
なお、本工程において「複数個の半導体チップの裏面に1枚のフィルム状接着剤を貼付する」とは、複数個の半導体チップを一纏めにしてこれらの裏面に単一のフィルム状接着剤を貼付することを意味し、必ずしも、複数個の半導体チップに貼付するフィルム状接着剤が単層構造であることを意味しない。
通常は、フィルム状接着剤を単独で用いることは困難であり、支持シート上にフィルム状接着剤が設けられてなるフィルム状接着剤複合シートを用い、このシートのフィルム状接着剤を対象物に貼付する。図3(c)においては、支持シート61上にフィルム状接着剤62が設けられてなるフィルム状接着剤複合シート6を用いて、その1枚のフィルム状接着剤62を複数個の半導体チップ11に貼付した場合について示している。
本発明において、フィルム状接着剤複合シートとしては、例えば、支持シートが基材のみからなり、基材及びフィルム状接着剤が積層されてなるもの、支持シートが基材及び基材以外の層が積層されてなり、基材、基材以外の層及びフィルム状接着剤がこの順に積層されてなるもの等が挙げられる。基材以外の層としては、例えば、粘着剤層等が挙げられる。ここに挙げたフィルム状接着剤複合シートの市販品としては、例えば、ダイシングダイボンディングシートを用いることができる。
フィルム状接着剤62としては、公知のものを用いることができ、後述するように、その半導体チップ11の貼付面62aに対して垂直な方向に、前記貼付面62aとは反対側の面62bから前記貼付面62aへ向けて力を加えたときに発生するせん断力によって、切断又は開裂可能なものであればよい。
前記貼付工程後、フィルム状接着剤62が貼付された複数個の半導体チップ11は、その後のピックアップに備えて、図3(d)に示すように、バックグラインドテープ7を剥離させることが好ましい。すなわち、本発明の第1の態様の半導体チップの製造方法は、さらに、前記貼付工程後、複数個の半導体チップからバックグラインドテープを剥離させる工程(以下、「剥離工程」と略記することがある)を有することが好ましい。
図3(d)に示すように、半導体チップ11は、加工半導体ウエハ1における溝10の底部10aに由来する部位を周縁部に有しており、隣接する半導体チップ11同士は、この周縁部で互いに接触した状態となっている。そして、これら複数個の半導体チップ11について、ここに示すように、溝10が形成されていた前記表面11aとは反対側の前記裏面11bに、フィルム状接着剤62(フィルム状接着剤複合シート6)が貼付された後、前記表面11a側からこれら半導体チップ11をみた場合、半導体チップ11間においてフィルム状接着剤62の露出がほぼ又は完全に抑制されている。このような、貼付されているフィルム状接着剤62の露出が抑制された半導体チップ11を用いて、そのピックアップを行うことにより、ピックアップ後の半導体チップ11に貼付されている、切断後のフィルム状接着剤は、後述するように半導体チップからのはみ出しが抑制される。
ここまでは、加工半導体ウエハ1にその表面1a側から力を加えることで加工半導体ウエハ1を分割する場合について説明したが、加工半導体ウエハ1の分割方法はこれに限定されない。例えば、条件によっては、加工半導体ウエハ1にその表面1a側から力を加える操作の有無に関わらず、加工半導体ウエハ1が全く又は一部で分割されない状態となることがある。この場合には、例えば、フィルム状接着剤(フィルム状接着剤複合シート)を加工半導体ウエハ1の前記裏面に貼付するとき(第1の態様での貼付工程)に、同時にこの加工半導体ウエハ1に加えられる力によって、加工半導体ウエハ1を分割してもよい。
さらに、条件によっては、フィルム状接着剤(フィルム状接着剤複合シート)を、加工半導体ウエハ1の前記裏面に貼付した場合であっても、加工半導体ウエハ1が全く又は一部で分割されない状態となることがある。この場合には、例えば、加工半導体ウエハ1からバックグラインドテープを剥離させるとき(第1の態様での剥離工程)に、同時にこの加工半導体ウエハ1に加えられる力によって、加工半導体ウエハ1を分割してもよい。
さらに、上述の半導体ウエハの加工方法での前記研削工程において、半導体ウエハの前記裏面を研削するときに、同時にこの加工途中の半導体ウエハ1’に加えられる力によって、半導体ウエハ1’の加工だけでなく、すでに分割された状態の加工半導体ウエハ1(すなわち、半導体チップ11)を得てもよい。
すなわち、本発明の第2の態様の半導体チップの製造方法は、半導体ウエハの回路が形成されている面(回路形成面)に、前記回路と重ならないように溝を形成する工程(溝形成工程)と、前記溝を形成する工程の後に、前記半導体ウエハの前記回路形成面とは反対側の面を研削する工程(研削工程)と、を有し、前記研削工程において、前記溝が形成されていない部位における前記半導体ウエハの厚さtが80μm以下となり、前記溝の底部における前記半導体ウエハの厚さtが0.01〜25μmとなるように、前記反対側の面を研削するとともに、さらに、研削中の前記半導体ウエハに対して、研削時の力を加えることで、前記溝の部位において前記半導体ウエハを分割し、複数個の半導体チップを得るものである。
分割方法がいずれの態様であっても、得られた半導体チップは、以降の工程において同様に用いることができる。
<半導体チップのピックアップ>
上記の本発明の製造方法で得られた半導体チップは、適切な大きさに切断済みのフィルム状接着剤を裏面に備えた状態でピックアップされ、引き続き、半導体装置の製造に用いられる。
以下、図4を参照して、図3に示す半導体チップ11をピックアップする方法について説明する。図4は、本発明の製造方法で得られた半導体チップのピックアップの一実施形態を模式的に示す断面図である。
半導体チップのピックアップは、主に、フィルム状接着剤に力を加えて、フィルム状接着剤を切断する工程(以下、「切断工程」と略記することがある)と、フィルム状接着剤を備えた半導体チップを、支持シートから引き離す工程(以下、「引き離し工程」と略記することがある)と、により行われる。前記切断工程は、前記引き離し工程と同時に行われることもある。
前記切断工程においては、例えば、図4(a)に示すように、複数個の半導体チップ11にフィルム状接着剤62によって貼付されている1枚のフィルム状接着剤複合シート6は、その半導体チップ11への貼付面(表面)6aとは反対側の面(裏面)6b、換言すると、支持シート61のフィルム状接着剤62が設けられている面(表面)61aとは反対側の面(裏面)61bに、半導体装置の製造装置(全体図の図示は省略)のうち、半導体チップを突き上げる突き上げ部81が当接される。
次いで、前記切断工程においては、図4(b)に示すように、フィルム状接着剤複合シート6の支持シート61に対して、その裏面61b側から力を加えることで、支持シート61越しにフィルム状接着剤62に力を加える。ここでは、突き上げ部81から突起(ピン)811が突出して、突起811の先端部が支持シート61をその裏面61b側から突き上げることで、支持シート61を介してフィルム状接着剤62に対し、突起811の突出方向に力を加える例を示している。すなわち、フィルム状接着剤62には、その半導体チップ11の貼付面62aに対して垂直な方向に、前記貼付面62aとは反対側の面62bから力を加えている。このとき、突起811の突出量(突き上げ量)、突出速度(突き上げ速度)、突出状態の保持時間(持ち上げ待ち時間)等の突き上げ条件を適宜調節できる。
ここでは、支持シート61を突き上げる突起811の数が5個である場合を示しているが、突起811の数は1個以上であればよく、適宜選択すればよい。なお、支持シート61越しにフィルム状接着剤62に力を加える方法としては、例えば、スライダーによる押し上げで力を加える方法等、その他の公知の方法も適宜適用できる。
このように、半導体チップ11を未切断のフィルム状接着剤62ごと持ち上げると、突起811の突き上げに伴って、フィルム状接着剤62において発生するせん断力により、目的とする箇所においてフィルム状接着剤62は、完全には切断されずに一部が開裂されるか、又は完全に切断される。図4(b)では、フィルム状接着剤62が、その表面62a側から支持シート61側へかけて、その厚さ方向において一部が開裂された状態を示している。
なお、突き上げ部81によってフィルム状接着剤62に力を加える場合には、通常、後述する半導体装置の製造装置の引き上げ部82が、半導体チップ11を引き上げる(ピックアップする)ことが可能な位置に配置される。このように、ピックアップに先立って、前記突き上げ部81及び引き上げ部82が所定の位置に配置されるが、そのとき、これらの配置位置を決定するために、通常は、半導体チップ11の前記表面11aを見下ろすように半導体チップ11をその上方から観察して、半導体チップ11のフィルム状接着剤62上での配置位置に関する情報を取得する工程が行われる。そして、この情報に基づいて、突き上げ部81及び引き上げ部82の配置位置が自動で決定される。本工程では、加工半導体ウエハ1の溝10を形成していた凹部を認識することにより、半導体チップ11のフィルム状接着剤62上での配置位置が特定される。
一方で、半導体チップを得る方法としては、上述のように、溝(図1〜図3における溝10)を形成することなく、レーザー光の照射によって半導体ウエハの内部に改質層を形成し、この改質層の形成部位において半導体ウエハを分割する方法がある。この方法では、半導体ウエハの内部に設定された焦点に集束されるように、赤外域のレーザー光を照射することで、半導体ウエハの内部に前記改質層を形成しておき、次いで、この半導体ウエハに対して力を加えることで、前記改質層の形成部位において半導体ウエハを分割する。
しかし、この方法では、半導体ウエハに前記溝が存在せず、この溝に由来する凹部も半導体チップには存在しない。したがって、上述のようにピックアップに先立って、半導体チップに相当する領域のフィルム状接着剤上での配置位置に関して情報を取得することは、特に対策を講じない限り困難となる。すなわち、半導体ウエハにその分割を行うための溝を形成した場合の半導体チップのピックアップは、特に対策を講じなくても、半導体チップのフィルム状接着剤上での配置位置の特定が容易であるという利点を有する。
上述のように、半導体チップ11をフィルム状接着剤62ごと持ち上げた後は、裏面11bに切断前又は切断後のフィルム状接着剤62を備えた半導体チップ11を、支持シート61から引き離して(ピックアップして)、例えば、図4(c)に示すように、前記引き離し工程を行う。引き離し工程は、通常、上述の半導体チップ11の持ち上げ後に、直ちに連続して行われる。ここでは、半導体装置の製造装置の引き上げ部82によって半導体チップ11を引き上げる場合を示している。図4(b)に示すように、支持シート61から半導体チップ11を引き離す前の段階において、フィルム状接着剤62が目的とする箇所において、開裂されている場合には、本工程において、フィルム状接着剤62が完全に切断される。さらに、この切断後のフィルム状接着剤620(本明細書においては、単に「フィルム状接着剤620」と略記することがある)を備えた半導体チップ11が、支持シート61から剥離される。このように、前記引き離し工程では、前記切断工程も同時に行われることがある。一方、図4(b)に示す場合とは異なり、支持シート61から半導体チップ11を引き離す前の段階において、フィルム状接着剤62が目的とする箇所において完全に切断されている場合には、前記引き離し工程では、最初の段階から、切断後のフィルム状接着剤620を備えた半導体チップ11が、支持シート61から剥離される。
半導体チップ11を引き上げる方法は、公知の方法でよく、例えば、真空コレットにより半導体チップ11の表面を吸着して引き上げる方法等が挙げられる。
力を加えられる前のフィルム状接着剤62は、先に説明したように、半導体チップ11に貼付されている状態で、半導体チップ11同士の間において露出が抑制されている。したがって、切断後のフィルム状接着剤620の半導体チップ11からのはみ出しが抑制される(はみ出し量が少なくなる)。さらに、切断時にフィルム状接着剤62の伸びも抑制されるため、この点でも切断後のフィルム状接着剤620の半導体チップ11からのはみ出しが抑制される。このように、本発明の半導体チップの製造方法を適用することで、切断後のフィルム状接着剤620の半導体チップ11からのはみ出しが顕著に抑制される。
フィルム状接着剤620の半導体チップ11からのはみ出しの程度(はみ出し量)は、例えば、フィルム状接着剤620の切断部位が正面となる方向から、光学顕微鏡等の光学機器を用いて、フィルム状接着剤620付き半導体チップ11を観察することで確認できる。例えば、図4(c)に示すように、ピックアップ中又はピックアップ後に、矢印I、矢印IIの方向から観察すると、上記のはみ出しの程度を容易に確認できる。
また、フィルム状接着剤620の半導体チップ11からのはみ出しの程度(はみ出し量)は、フィルム状接着剤620付き半導体チップ11を、そのフィルム状接着剤620により透明基材の一方の面上に貼付し、この透明基材の他方の面(すなわち、フィルム状接着剤620の貼付面とは反対側の面)を介して、光学顕微鏡等の光学機器を用いて観察することでも確認できる。この場合には、透明基材の前記一方の面上でフィルム状接着剤620の半導体チップ11からのはみ出し部位が真直ぐ配置されるため、上記のはみ出しの程度を容易に確認できる。
前記引き離し工程後は、フィルム状接着剤を備えた従来の半導体チップに代えて、上述のようにピックアップして得られた、フィルム状接着剤620を備えた半導体チップ11を用いる点以外は、従来法と同様の方法で、半導体装置を製造する(図示略)。例えば、半導体チップ11を基板の回路面にフィルム状接着剤620によってダイボンディングし、必要に応じて、この半導体チップ11にさらに半導体チップを1個以上積層して、ワイヤボンディングを行った後、全体を樹脂により封止することで、半導体パッケージとする。そして、この半導体パッケージを用いて、目的とする半導体装置を作製すればよい。このとき、半導体チップ11からのフィルム状接着剤620のはみ出しが抑制されていることで、半導体装置の製造が妨げられることがない。また、はみ出している余分のフィルム状接着剤620が半導体チップ11の回路形成面等、目的外の場所へ付着することが抑制される。また、はみ出している余分のフィルム状接着剤620が折り畳まれて、はみ出していないフィルム状接着剤620自体に付着することが抑制され、ダイボンディング後の半導体チップの高さが一部で高くなり、半導体チップが全体として斜めに傾くことが抑制される。したがって、得られた半導体装置は、良好な特性を有するものとなる。
なお、ここまでは、半導体ウエハの回路形成面とは反対側の面(裏面)に、フィルム状接着剤を貼付する場合について説明したが、本発明においては、フィルム状接着剤に代えて、樹脂膜を形成するための樹脂膜形成用フィルムを用いることもできる。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(半導体ウエハの加工(加工半導体ウエハの製造))
ハーフカットダイサー(DISCO社製「DFD6361」)を用い、厚さが750μmである8インチのシリコンウエハに対して、その表面から40μmの深さまでハーフカットを行い、溝を形成した(溝形成工程)。このとき、ブレードとしてはDISCO社製「27HECC」を用い、ダイシング速度を30mm/秒とした。
次いで、テープラミネーター(リンテック社製「RAD3510」)を用いて、シリコンウエハの前記溝の形成面に、バックグラインドテープ(リンテック社製「E−3125KL」)を貼付した。
次いで、グラインダー(DISCO社製「DFG8760」)を用いて、シリコンウエハの前記溝が形成されていない部位の厚さtが50μmとなるまで(すなわち、シリコンウエハの前記溝の底部における厚さtが10μmとなるまで)、シリコンウエハの前記溝の形成面とは反対側の面を研削し、加工シリコンウエハを得た(研削工程)。
(半導体チップの製造)
上記で得られた加工シリコンウエハに対して、バックグラインドテープ上で前記溝に沿ってローラーを転がすことによって、バックグラインドテープの貼付面側から適度な力を加えて、前記溝の部位において加工シリコンウエハを分割し、複数個のシリコンチップを得た(分割工程)。
(ピックアップ時のフィルム状接着剤のはみ出し量の評価)
上記で得られた、1枚のバックグラインドテープに貼付された状態の複数個のシリコンチップについて、そのバックグラインドテープの貼付面とは反対側の面(すなわち前記研削面)に、1枚のダイシングダイボンディングシート(リンテック社製「LD01D−7」)をそのフィルム状接着剤によって貼付した(貼付工程)。このときのダイシングダイボンディングシートの貼付は、フルオートマルチウェハマウンター(リンテック社製「RAD−2700」)を用いて、貼付温度60℃、貼付速度20mm/秒の条件で行った。
次いで、バックグラインドテープを剥離させて、1枚のダイシングダイボンディングシートのフィルム状接着剤に、複数個のシリコンチップが貼付された評価用試料を得た。
次いで、得られた評価用試料に対して、ピックアップ装置(キャノンマシナリー社製「BESTEM−D02」)を用いて、1段階目の突き上げ量150μm、2段階目の突き上げ量300μm、突き上げ速度20mm/分の条件で、5ピン突き上げ方式によって、フィルム状接着剤を切断し(切断工程)、切断したフィルム状接着剤とともに9個のシリコンチップをダイシングダイボンディングシートの支持シートから引き離し(引き離し工程)、ピックアップを行った。そして、ピックアップしたシリコンチップを、これに貼付されている切断後のフィルム状接着剤によって、透明なポリエチレンテレフタレート製フィルム(以下、「PETフィルム」と略記する)上にボンディングした。
次いで、前記PETフィルムのシリコンチップをボンディングした面とは反対側の面(すなわち裏面)を介して、光学顕微鏡を用いてシリコンチップを観察することで、フィルム状接着剤のシリコンチップからのはみ出し量を測定した。このとき、フィルム状接着剤の、シリコンチップの周縁部に一致する部位から、切断部に相当する端部までの長さのうちの最大値を、そのフィルム状接着剤のはみ出し量として採用した。そして、9個のシリコンチップについての前記はみ出し量の平均値を算出したところ、4μmであった。
[比較例1]
(半導体チップの製造)
ハーフカットダイサー(DISCO社製「DFD6361」)を用い、厚さが750μmである8インチのシリコンウエハに対して、その表面から80μmの深さまでハーフカットを行い、溝を形成した。このとき、ブレードとしてはDISCO社製「27HECC」を用い、ダイシング速度を30mm/秒とした。
次いで、テープラミネーター(リンテック社製「RAD3510」)を用いて、シリコンウエハの前記溝の形成面に、バックグラインドテープ(リンテック社製「E−3125KL」)を貼付した。
次いで、グラインダー(DISCO社製「DFG8760」)を用いて、シリコンウエハの厚さが50μmとなるまで、シリコンウエハの前記溝の形成面とは反対側の面を研削し、前記溝の部位においてシリコンウエハを分割して、複数個のシリコンチップを得た。
(ピックアップ時のフィルム状接着剤のはみ出し量の評価)
上記で得られたシリコンチップを用いた点以外は、実施例1と同じ方法で、フィルム状接着剤のシリコンチップからのはみ出し量を測定し、9個のシリコンチップについての前記はみ出し量の平均値を算出したところ、44μmであった。
上記結果から明らかなように、本発明の加工シリコンウエハを用いて得られた実施例1のシリコンチップを、切断後のフィルム状接着剤とともにピックアップすることによって、比較例1の従来のシリコンチップを、切断後のフィルム状接着剤とともにピックアップした場合よりも、フィルム状接着剤のシリコンチップからのはみ出しが顕著に抑制されていることを確認できた。
本発明は、半導体チップを用いた半導体装置の製造に利用可能である。
1’・・・半導体ウエハ、1a’・・・半導体ウエハの回路形成面(表面)、1b’・・・半導体ウエハの回路形成面とは反対側の面(裏面)、1・・・加工半導体ウエハ、10・・・溝、10a・・・溝の底部、11・・・半導体チップ、110・・・溝の底部における亀裂、
6・・・フィルム状接着剤複合シート、61・・・支持シート、62・・・フィルム状接着剤、62a・・・フィルム状接着剤の半導体チップの貼付面、62b・・・フィルム状接着剤の半導体チップの貼付面とは反対側の面、
・・・溝が形成されていない部位における加工半導体ウエハの厚さ、T・・・溝の底部における加工半導体ウエハの厚さ、
・・・溝が形成されていない部位における半導体ウエハの厚さ、t・・・溝の底部における半導体ウエハの厚さ

Claims (6)

  1. 半導体ウエハの回路が形成されている面に、前記回路と重ならないように溝を形成する工程と、
    前記溝を形成する工程の後に、前記半導体ウエハの前記回路が形成されている面とは反対側の面を研削する工程と、を有し、
    前記反対側の面を研削する工程において、前記溝が形成されていない部位における前記半導体ウエハの厚さtと、前記溝の底部における前記半導体ウエハの厚さtとが、t>t>0μmの関係を満たすように、前記反対側の面を研削する、半導体ウエハの加工方法。
  2. 前記反対側の面を研削する工程において、前記tが80μm以下となり、前記tが0.01〜25μmとなるように、前記反対側の面を研削する、請求項1に記載の半導体ウエハの加工方法。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体ウエハの加工方法によって半導体ウエハを加工した後、得られた加工半導体ウエハに対して力を加えることで、前記溝の部位において前記加工半導体ウエハを分割し、複数個の半導体チップを得る分割工程を有する、半導体チップの製造方法。
  4. 半導体ウエハの回路が形成されている面に、前記回路と重ならないように溝を形成する工程と、
    前記溝を形成する工程の後に、前記半導体ウエハの前記回路が形成されている面とは反対側の面を研削する工程と、を有し、
    前記反対側の面を研削する工程において、前記溝が形成されていない部位における前記半導体ウエハの厚さtが80μm以下となり、前記溝の底部における前記半導体ウエハの厚さtが0.01〜25μmとなるように、前記反対側の面を研削するとともに、さらに、研削中の前記半導体ウエハに対して、研削時の力を加えることで、前記溝の部位において前記半導体ウエハを分割し、複数個の半導体チップを得る、半導体チップの製造方法。
  5. さらに、得られた複数個の半導体チップの、前記回路が形成されている面とは反対側の面に、1枚のフィルム状接着剤を貼付する工程を有し、
    前記フィルム状接着剤は、その前記半導体チップの貼付面に対して垂直な方向に、前記貼付面とは反対側の面から力を加えることで切断又は開裂可能なものである、請求項3又は4に記載の半導体チップの製造方法。
  6. 半導体ウエハの回路が形成されている面に、前記回路と重ならないように溝を有する加工半導体ウエハであって、
    前記溝が形成されていない部位における前記加工半導体ウエハの厚さTが80μm以下であり、前記溝の底部における前記加工半導体ウエハの厚さTが25μm以下である、加工半導体ウエハ。
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