JP6942034B2 - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウェーハを個々のデバイスに分割するウェーハの加工方法に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板状のウェーハの表面に分割予定ラインが格子状に形成され、分割予定ラインによって区画された各領域にIC、LSI等のデバイスが形成されている。このようなウェーハの裏面には、ダイアタッチフィルム(DAF)と呼ばれるダイボンディング用の接着フィルムが貼着されている。接着フィルムは、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂等で厚さ5−150μmに形成されており、ウェーハと共に分割予定ラインに沿ってデバイス毎に分割される(例えば、特許文献1参照)。
一方で、ウェーハはエキスパンドテープを介して環状フレームに支持され、エキスパンドテープの拡張によって個々のデバイスに分割される。エキスパンドテープの拡張によってデバイス間隔が広がるが、エキスパンドテープの解除によって大きな弛みが生じて隣接するデバイス同士が接触する可能性がある。そこで、ウェーハの外周と環状フレームの内周の間のエキスパンドテープを加熱して熱収縮させることで、デバイス間隔を維持する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。デバイス間隔を広げた状態で維持することで、後のハンドリング等を容易にしている。
特開2009−028810号公報 特開2012−156400号公報
ところで、ウェーハの外周縁からエキスパンドテープ上に接着フィルムがはみ出していると、エキスパンドテープの熱収縮が接着フィルムによって阻害されるという問題があった。接着フィルムはエキスパンドテープよりも熱収縮性が低いため、エキスパンドテープと共に接着フィルムが加熱されても、接着フィルムによってエキスパンドテープの収縮が抑えられて弛みを除去することができない。このため、デバイス間隔を広げた状態を維持することが困難になっていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、接着フィルム付きのウェーハの分割後にデバイス間隔を広げた状態で維持可能なウェーハの加工方法を提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様のウェーハの加工方法は、表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するウェーハの加工方法であって、分割予定ラインに沿って分割され、または分割予定ラインに沿って破断起点が形成されたウェーハの裏面に該接着フィルムを装着するとともに該接着フィルム側にエキスパンド性を有するとともに所定温度以上の加熱で収縮性を発現するエキスパンドテープを貼着し該エキスパンドテープの外周部を環状フレームによって支持するウェーハ支持ステップと、該ウェーハ支持ステップを実施した後に、該エキスパンドテープを拡張して該複数のデバイス間を拡張すると共に該接着フィルムを個々のデバイスに沿って破断する接着フィルム破断ステップと、該接着フィルム破断ステップを実施した後、ウェーハの外周縁外側と該環状フレームの内周との間の領域を加熱して該エキスパンドテープを収縮させることで、隣接する該デバイス間の間隔を維持するデバイス間隔維持ステップとを含み、該接着フィルムは、該エキスパンドテープよりも弾性域が狭く且つ破断強度が低く構成され、該接着フィルム破断ステップを実施する前に、ウェーハの外周縁からはみ出した該接着フィルムを該エキスパンドテープの裏面側からピン部材で該接着フィルムの弾性域を超えて変形するように押し上げることで該接着フィルムを破断しつつ、該環状フレームと該ピン部材とを相対的に回転させてウェーハ外周に沿ってウェーハの外周縁からはみ出した該接着フィルムを破断する外周破断ステップを含み、該外周破断ステップにおいては、該接着フィルムの破断箇所で該エキスパンドテープが収縮することを特徴とする。
この構成によれば、接着フィルムがエキスパンドテープよりも弾性域が狭く且つ破断強度が低いため、エキスパンドテープがピン部材で押し上げられて、接着フィルムが弾性域を超えた破断強度以上に変形することでウェーハの外周側で破断される。このため、接着フィルムがエキスパンドテープの拡張によってデバイス間が広げられて、ウェーハの外周と環状フレームの内周の間が加熱されても、接着フィルムの破断によってエキスパンドテープの熱収縮が許容される。よって、エキスパンドテープの熱収縮が接着フィルムによって妨げられることがなく、デバイス間隔を広げた状態で維持することができる。
本発明の一態様のウェーハの加工方法において、該ウェーハ支持ステップを実施する前に、ウェーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さよりも深い分割溝を形成する分割溝形成ステップと、該分割溝形成ステップが実施されたウェーハの表面に保護部材を貼着する保護部材貼着ステップと、該保護部材貼着ステップが実施されたウェーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウェーハを個々のデバイスに分割する裏面研削ステップと、を実施する。
本発明によれば、ウェーハの外周縁からはみ出した接着フィルムを破断することで、接着フィルム付きのウェーハの分割後にデバイス間隔を広げた状態で維持することができる。
本実施の形態のウェーハの斜視図である。 比較例のウェーハの加工方法の説明図である。 本実施の形態のウェーハの加工方法の説明図である。 本実施の形態のウェーハの加工方法の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態のウェーハの加工方法について説明する。図1は、本実施の形態のウェーハの斜視図である。図2は、比較例のウェーハの加工方法の説明図である。
図1に示すように、ウェーハWの表面には分割予定ライン(不図示)が格子状に形成されると共に、複数の分割予定ラインに区画された各領域にデバイスD(図3参照)が形成されている。このウェーハWは分割予定ラインに沿って個々のデバイスチップ(デバイス)Cに分割されており、エキスパンドテープTに設けたダイボンディング用の接着フィルムAに貼着されている。エキスパンドテープTの外周には環状フレームFが貼着され、個々のデバイスチップCがエキスパンドテープTを介して環状フレームFに支持されている。接着フィルムAは、エキスパンドテープTの拡張によってデバイスチップCに沿って分割される。
図2に示すように、一般的なエキスパンド装置では、エキスパンドテープTの拡張解除によってウェーハWの外周と環状フレームFの内周の間に弛み35が生じる。ウェーハWの分割後のデバイスチップC同士が接触しないように、エキスパンドテープTの弛み35をヒータ33で熱収縮(ヒートシュリンク)させている。しかしながら、ウェーハWの外周と環状フレームFの内周の間には、ウェーハWからはみ出した接着フィルムAが存在しており、この接着フィルムAによってエキスパンドテープTの熱収縮が阻害されて、デバイス間隔を広げたままで維持することができない。
より詳細には、エキスパンドテープTと接着フィルムAとでは熱収縮性が異なっており、接着フィルムAはエキスパンドテープTが熱収縮する温度まで加熱しても収縮しない。このため、ウェーハWから接着フィルムAがはみ出した箇所においてエキスパンドテープTの弛み35が十分に収縮せず、エキスパンドテープTの拡張解除によってデバイスチップCの間隔が狭くなる。このように、エキスパンドテープTの弛んだ箇所を集中的に加熱しただけでは、加熱箇所に接着フィルムAが存在すると、デバイス間隔を十分に維持することができない。
そこで、本実施の形態のウェーハの分割方法では、エキスパンドテープTの弛み35を熱収縮させる前に、ウェーハWの外周縁からはみ出した接着フィルムAを破断するようにしている。接着フィルムAに予め破断させておくことで、エキスパンドテープTが収縮しても接着フィルムAが破断箇所に沿って隆起して、エキスパンドテープTの収縮が許容される。よって、ウェーハWの外周縁から接着フィルムAがはみ出している場合であっても、エキスパンドテープTの熱収縮によってデバイス間隔を広げた状態で維持することが可能になっている。
以下、ウェーハの加工方法について説明する。図3及び図4は、本実施の形態のウェーハの加工方法の説明図である。図3Aは分割溝形成ステップ、図3Bは保護部材貼着ステップ、図3Cは裏面研削ステップ、図3Dはウェーハ支持ステップのそれぞれ一例を示す図である。図4A及び図4Bは外周破断ステップ、図4Cは接着フィルム破断ステップ、図4D及び図4Eはデバイス間隔維持ステップのそれぞれ一例を示す図である。
図3Aに示すように、先ず分割溝形成ステップが実施される。分割溝形成ステップでは、切削装置(不図示)のチャックテーブル10上に、ウェーハWが表面を上方に向けた状態でチャックテーブル10に保持される。ウェーハWの径方向外側で切削ブレード11が分割予定ラインに位置合わせされ、ウェーハWの後述する仕上がり厚さtよりも深い位置に切削ブレード11が降ろされる。この切削ブレード11に対してチャックテーブル10が切削送りされることで、ウェーハWの表面側から分割予定ラインに沿ってハーフカットされて、デバイスチップCの仕上がり厚さtよりも深い分割溝12が形成される。
図3Bに示すように、分割溝形成ステップを実施した後には保護部材貼着ステップが実施される。保護部材貼着ステップでは、ウェーハWの表面にBG(Back Grind)テープ等の保護部材15が貼着される。保護部材15によってウェーハWの表面が全体的に覆われることで、後段の裏面研削ステップにおいてウェーハWの表面のデバイスDがチャックテーブル20(図3C参照)上の研削屑等の異物から保護される。なお、保護部材貼着ステップは、マウンタ装置(不図示)によって実施されてもよいし、オペレータの手作業によって実施されてもよい。
図3Cに示すように、保護部材貼着ステップを実施した後には裏面研削ステップが実施される。裏面研削ステップでは、研削装置(不図示)のチャックテーブル20上に保護部材15を介してウェーハWが保持され、ウェーハWの上方に研削手段21が位置付けられる。チャックテーブル20が回転されると共に研削手段21の研削ホイール22が回転しながらウェーハWに近づけられ、ウェーハWの裏面と研削砥石23が接触することでウェーハWが仕上がり厚さtまで研削される。これにより、ウェーハWの裏面から分割溝12が表出して、ウェーハWが個々のデバイスチップCに分割される。
図3Dに示すように、裏面研削ステップを実施した後にはウェーハ支持ステップが実施される。ウェーハ支持ステップでは、分割予定ラインに沿って分割されたウェーハWの裏面に接着フィルムA付きのエキスパンドテープTが貼着される。エキスパンドテープTの上面には紫外線硬化型の粘着層が塗布されており、粘着層を介してエキスパンドテープTに接着フィルムAが積層されている。すなわち、ウェーハW(デバイスチップC)の裏面に接着フィルムAが装着されると共に接着フィルムA側にエキスパンドテープTが貼着されている。また、エキスパンドテープTの外周部は環状フレームFによって支持されている。
エキスパンドテープTは、エキスパンド性を有すると共に所定温度以上の加熱で収縮性を発現する材質で形成されている。接着フィルムAは、いわゆるDAF(Dai Attach Film)であり、エキスパンドテープTから剥離されてデバイスチップCのダイボンディングに使用される。また、接着フィルムAは、エキスパンドテープTよりも弾性域が狭く、且つ破断強度が低く構成され、エキスパンドテープTのようなエキスパンド性や収縮性を有していない。また、デバイスチップCの裏面にエキスパンドテープTが貼着された後には、デバイスチップCの表面から保護部材15が剥離される。なお、ウェーハ支持ステップは、マウンタ装置(不図示)によって実施されてもよいし、オペレータの手作業によって実施されてもよい。
図4Aに示すように、ウェーハ支持ステップを実施した後には外周破断ステップが実施される。外周破断ステップでは、ウェーハWの外周縁からはみ出した接着フィルムAの下方にピン部材25が位置付けられる。ピン部材25がエキスパンドテープTの裏面側から押し上げられて、エキスパンドテープTが局所的に引き伸ばされると共に、接着フィルムAが局所に破断される。ピン部材25と環状フレームFが相対的に1回転されることで、ウェーハWの外周に沿って、ウェーハWの外周縁からはみ出した接着フィルムAがリング状に破断される。
より詳細には、図4Bに示すように、後段のデバイス間隔維持ステップで加熱される箇所、すなわちウェーハWの外周と環状フレームFの内周の間に先端が細くなったピン部材25が位置付けられる。ピン部材25によってエキスパンドテープTが下側から突き上げられると、ピン部材25の先端によってエキスパンドテープTが山なりに変形する。エキスパンドテープTの変形によって接着フィルムAには引っ張り応力が局所的に作用すると共に、エキスパンドテープTを介したピン部材25の突き上げによって接着フィルムAには剪断応力が局所的に作用する。
これにより、接着フィルムAの下面から上面に向かって亀裂が入って破断される。このとき、エキスパンドテープTが破断することがなく、接着フィルムAだけが破断されている。また、エキスパンドテープTは、ピン部材25による突き上げが解除されると元の状態に復帰される。すなわち、ピン部材25の突き上げ量は、エキスパンドテープTの変形が弾性域内に抑えられると共に、接着フィルムAが破断するまで変形するように調整されている。エキスパンドテープTに傷を付けることなく、ウェーハWの外周縁からはみ出した接着フィルムAだけが破断される。なお、外周破断ステップは、後述するエキスパンド装置で実施されてもよいし、オペレータの手作業によって実施されてもよい。
図4Cに示すように、外周破断ステップを実施した後には接着フィルム破断ステップが実施される。接着フィルム破断ステップでは、エキスパンド装置(不図示)の環状テーブル31上に環状フレームFがクランプ部32で保持され、ウェーハWと環状フレームFの間にチャックテーブル30の外縁が位置付けられている。環状テーブル31が下方に移動されることで、チャックテーブル30が相対的に突き上げられて、エキスパンドテープTが放射方向に拡張される。これにより、複数のデバイスチップCの間隔が拡張されると共に接着フィルムAが個々のデバイスDに沿って破断される。
この場合、エキスパンドテープTの拡張中はチャックテーブル30の吸引は停止され、チャックテーブル30の吸引力によってエキスパンドテープTの拡張が阻害されることがない。また、接着フィルムAのデバイスチップCに貼着された箇所の拡張は抑えられ、接着フィルムAのデバイスチップCに貼着されていない箇所だけが拡張される。上記したように、接着フィルムAはエキスパンドテープTよりも弾性域が狭く且つ破断強度が低いため、エキスパンドテープTの拡張によって接着フィルムAに引張力が作用してデバイスチップCの間で破断される。
また、ウェーハWの外周と環状フレームFの内周の間で接着フィルムAが破断されているため、接着フィルムAの破断箇所でエキスパンドテープTが拡張し易くなっている。これにより、複数のデバイスチップCのそれぞれの裏面に、分割予定ラインに沿って破断された小片状の接着フィルムAが貼着された状態が作り出される。なお、接着フィルム破断ステップでは、事前に接着フィルムAに対してレーザー光を照射して、個々のデバイスチップCに沿った破断起点を形成してもよい。これにより、接着フィルムAをより良好に分割することができる。
図4Dに示すように、接着フィルム破断ステップを実施した後にはデバイス間隔維持ステップが実施される。デバイス間隔維持ステップでは、環状テーブル31が上方に移動されることで、チャックテーブル30が環状テーブル31に相対的に接近されてエキスパンドテープTの拡張が解除される。このとき、チャックテーブル30上にエキスパンドテープTが吸引保持された状態で環状テーブル31が移動される。このため、エキスパンドテープTのテンションが緩んでも、チャックテーブル30にエキスパンドテープTの収縮が抑えられてデバイスチップCの間隔が拡張されたままで維持される。
また、ウェーハWの外周と環状フレームFの内周の間のエキスパンドテープTのテンションが緩むことで弛み35(図4E参照)が発生するが、ウェーハWの上方に位置付けられたヒータ33によってエキスパンドテープTの弛み35が熱収縮される。ヒータ33は、エキスパンドテープTの弛み35に対して遠赤外線をスポット照射しながらウェーハWの中心回りに旋回し、ウェーハWの外周と環状フレームFの内周の間の領域を加熱している。これにより、エキスパンドテープTのウェーハWの外周側が集中的に加熱され、エキスパンドテープTの弛み35が全周に亘って収縮される。
このとき、図4Eに示すように、エキスパンドテープTの弛み35は接着フィルムAの破断箇所に生じているため、エキスパンドテープTの弛み35が収縮することで接着フィルムAの破断箇所が狭められる。エキスパンドテープTの収縮によって接着フィルムAの破断面同士が衝突するが、接着フィルムAの破断箇所が僅かに隆起することでエキスパンドテープTの収縮変形が許容される。接着フィルムAの破断箇所でエキスパンドテープTが収縮することで、接着フィルムA付きのエキスパンドテープTであっても、接着フィルムAによってエキスパンドテープTの収縮が阻害されることがない。
エキスパンドテープTのウェーハWの周囲だけが熱収縮されているため、チャックテーブル30によるエキスパンドテープTの吸引保持が解除されても、隣接するデバイスチップC間に十分な間隔が維持される。このようにして、エキスパンドテープTの拡張によって接着フィルムAが分割されると、紫外線の照射によってエキスパンドテープTの粘着層が硬化されて、接着フィルムAに対するエキスパンドテープTの貼着力が低下する。そして、エキスパンドテープTから接着フィルムA付きのデバイスチップCがピックアップされて、基板等に対するダイボンディングに使用される。
以上のように、本実施の形態のウェーハWの加工方法によれば、接着フィルムAがエキスパンドテープTよりも弾性域が狭く且つ破断強度が低いため、エキスパンドテープTがピン部材25で押し上げられて、接着フィルムAが弾性域を超えた破断強度以上に変形することでウェーハWの外周側で破断される。このため、接着フィルムAがエキスパンドテープTの拡張によってデバイスチップCの間隔が広げられて、ウェーハWの外周と環状フレームFの内周の間が加熱されても、接着フィルムAの破断によってエキスパンドテープTの熱収縮が許容される。よって、エキスパンドテープTの熱収縮が接着フィルムAによって妨げられることがなく、デバイスチップCの間隔を広げた状態で維持することができる。
なお、本実施の形態では、分割後のウェーハに接着フィルム付きのエキスパンドテープを貼着して、接着フィルムを分割する構成にしたが、この構成に限定されない。ウェーハは分割されていなくてもよく、ウェーハに分割予定ラインに沿って破断起点が形成されていればよい。したがって、分割溝形成ステップ、保護部材貼着ステップ、裏面研削ステップを実施する代わりに、破断起点が形成されたウェーハを用意して、このウェーハに対してウェーハ支持ステップ、外周破断ステップ、接着フィルム破断ステップ、デバイス間隔維持ステップが実施されてもよい。なお、破断起点は、ウェーハの分割時の起点になればよく、例えば、レーザー加工溝、切削溝、スクライブライン、改質層で形成されていてもよい。また、改質層とは、レーザー光線の照射によってウェーハWの内部の密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲と異なる状態となり、周囲よりも強度が低下する領域のことをいう。改質層は、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域であり、これらが混在した領域でもよい。
また、本実施の形態では、分割溝形成ステップで切削ブレードによってウェーハの表面側に分割溝を形成する構成にしたが、この構成に限定されない。分割溝形成ステップは、ウェーハの表面側から仕上がり厚さ以上の深さの分割溝を形成可能であればよく、例えば、レーザーアブレーション、プロファイラによって分割溝が形成されてもよい。なお、レーザーアブレーションとは、レーザー光線の照射強度が所定の加工閾値以上になると、固体表面で電子、熱的、光科学的及び力学的エネルギーに変換され、その結果、中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスタ、電子、光が爆発的に放出され、固体表面がエッチングされる現象をいう。
また、本実施の形態では、裏面研削ステップでウェーハの裏面を研削して裏面に分割溝を表出させる構成にしたが、研削後にウェーハの裏面を研磨してもよい。これにより、研削時に生じた研削歪をウェーハの裏面から除去して抗折強度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、外周破断ステップでは、ピン部材によってウェーハの外周縁からはみ出した接着フィルムを全周に亘って破断する構成にしたが、この構成に限定されない。外周破断ステップでは、エキスパンドテープの収縮を許容するように接着フィルムを破断していればよく、例えば、ウェーハの外周に沿って断続的に接着フィルムを破断してもよい。また、環状フレームに対してピン部材を動かして接着フィルムを破断してもよいし、ピン部材に対して環状フレームを動かして接着フィルムを破断してもよい。
また、本実施の形態では、接着フィルム破断ステップでは、環状テーブルを下方に移動させることでエキスパンドテープを拡張する構成にしたが、この構成に限定されない。環状テーブルとチャックテーブルの相対的な移動によってエキスパンドテープを拡張すればよく、チャックテーブルを上方に移動させてエキスパンドテープを拡張してもよい。
また、本実施の形態では、ウェーハとしては、半導体基板、無機材料基板、パッケージ基板等の各種ワークが用いられてもよい。半導体基板としては、シリコン、ヒ化ガリウム、窒化ガリウム、シリコンカーバイド等の各種基板が用いられてもよい。無機材料基板としては、サファイア、セラミックス、ガラス等の各種基板が用いられてもよい。半導体基板及び無機材料基板はデバイスが形成されていてもよいし、デバイスが形成されていなくてもよい。パッケージ基板としては、CSP(Chip Size Package)、WLCSP(Wafer Level Chip Size Package)、EMI(Electro Magnetic Interference)、SIP(System In Package)、FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)用の各種基板が用いられてもよい。また、ウェーハとして、デバイス形成後又はデバイス形成前のリチウムタンタレート、リチウムナイオベート、さらに生セラミックス、圧電素子が用いられてもよい。
また、本実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態及び変形例は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
また、本実施の形態では、本発明をダイボンディング用の接着フィルムの分割に適用した構成について説明したが、他の接着フィルムの分割に適用することも可能である。
以上説明したように、本発明は、接着フィルム付きのウェーハの分割後にデバイス間隔を広げた状態で維持することができるという効果を有し、特に、接着フィルムを半導体デバイスチップに沿って分割するウェーハの加工方法に有効である。
12 :分割溝
15 :保護部材
25 :ピン部材
33 :ヒータ
A :接着フィルム
D :デバイス
F :環状フレーム
T :エキスパンドテープ
W :ウェーハ

Claims (2)

  1. 表面に複数の分割予定ラインが格子状に形成されているとともに該複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成されたウェーハを、分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割するとともに、各デバイスの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを装着するウェーハの加工方法であって、
    分割予定ラインに沿って分割され、または分割予定ラインに沿って破断起点が形成されたウェーハの裏面に該接着フィルムを装着するとともに該接着フィルム側にエキスパンド性を有するとともに所定温度以上の加熱で収縮性を発現するエキスパンドテープを貼着し該エキスパンドテープの外周部を環状フレームによって支持するウェーハ支持ステップと、
    該ウェーハ支持ステップを実施した後に、該エキスパンドテープを拡張して該複数のデバイス間を拡張すると共に該接着フィルムを個々のデバイスに沿って破断する接着フィルム破断ステップと、
    該接着フィルム破断ステップを実施した後、ウェーハの外周縁外側と該環状フレームの内周との間の領域を加熱して該エキスパンドテープを収縮させることで、隣接する該デバイス間の間隔を維持するデバイス間隔維持ステップとを含み、
    該接着フィルムは、該エキスパンドテープよりも弾性域が狭く且つ破断強度が低く構成され、
    該接着フィルム破断ステップを実施する前に、ウェーハの外周縁からはみ出した該接着フィルムを該エキスパンドテープの裏面側からピン部材で該接着フィルムの弾性域を超えて変形するように押し上げることで該接着フィルムを破断しつつ、該環状フレームと該ピン部材とを相対的に回転させてウェーハ外周に沿ってウェーハの外周縁からはみ出した該接着フィルムを破断する外周破断ステップを含み、
    該外周破断ステップにおいては、該接着フィルムの破断箇所で該エキスパンドテープが収縮することを特徴とするウェーハの加工方法。
  2. 該ウェーハ支持ステップを実施する前に、ウェーハの表面側から分割予定ラインに沿ってデバイスの仕上がり厚さよりも深い分割溝を形成する分割溝形成ステップと、該分割溝形成ステップが実施されたウェーハの表面に保護部材を貼着する保護部材貼着ステップと、該保護部材貼着ステップが実施されたウェーハの裏面を研削して裏面に該分割溝を表出させ、ウェーハを個々のデバイスに分割する裏面研削ステップと、を実施する、請求項1記載のウェーハの加工方法。
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