JP2007163369A - バイオセンサおよび測定・分析システム、並びに、その検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】矩形のプリント基板7と、プリント基板7の表面に載せた銅箔6と、この銅箔6の上に設けた裏電極3と表電極2との間に挟んだ水晶振動子である水晶ブランク1と、裏電極3と、表電極2の左右2箇所を固定する銀ペースト4と、水晶ブランク1と表電極2とを除いた全体を覆うシリコン5と、それぞれの電極に接続されたリード線8,8と、を備えたことを特徴とするバイオセンサ10である。
【選択図】図1
Description
図9の(a)に示すように、水晶振動子20には、水晶板21の両面に電極22が取り付けられ、各電極22にはリード線23が取り付けられている。図9の(b)に示すように、リード線23を液体媒体中に浸漬する場合は、接着材によって被覆されている。
図9の(c)に示すように、水晶振動子20の片面は絶縁性薄板25が接着剤24によって接着されている。
また、水晶振動子20の上部には接着剤24(図9の(c)参照)が形成され、さらに、水晶振動子20の下部には、接着剤24が施してあるため、水晶振動子20の接着剤24の上下のバランスが悪く、電気的特性にもよくないという問題があった。
さらに、容器自身は特別に作らなければならないので厄介であった。
他面の前記バイオセンサ(10)を標準側として、この標準側から得られるデータと、の差分から測定・分析することを特徴とする。
つまり、水晶振動子の等価定数のばらつきや電気的特性の個体差が小さく、また、水晶振動子のバランスがよく、電気的特性がよい水晶振動子であるバイオセンサを提供することができる。
1.従来の片面封止では専用の容器を用意し、裏面の電極部近辺が中空になるように組み立てなければならなかったのに対し、本発明のバイオセンサは、プリント基板をベースにして、その表面上に銅箔をエッチングし、銅箔と銅箔の間に上に水晶ブランクを実装することにより、容易に従来の容器に代わる容器を形成できる。
2.プリント基板の両面銅箔のものを使用すると、簡単にプリント基板の両面に水晶ブランクを実装できるので、従来の容器を作る方法と比較すると、格段に簡単にできる。
3.プリント基板を使用することにより、一度に大量のエッチングをすることができることから、大量生産に最適である。
4.プリント基板のパターン設計で考慮すれば、パターンに沿ったシリコンの塗布や、パターン間へシリコンの塗布ができるため、個体差の小さいQCMが製造できる。
5.プリント基板の銅箔の厚みで封止裏面の空間容積が決まってしまうので、個体差を極力小さくできる。
サブレーの式…ΔF=−F2・Δm/NρA ………(1)
F=基本周波数[Hz] 、N=167000[Hz・cm] (伝搬定数)
A=電極面積[cm2] 、ρ=2.65g/cm3 (水晶密度)
Δm質量を求めるため、(1)式に代入すると、
Δm=14.6775×10E−12=14.7pg
となり、1Hz当り抗原の質量変化は、14.7pg(14.7ピコg)と、求めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1の(a)は第1実施の形態の水晶振動子の斜視図、(b)は図1の(a)に示すa部を拡大した平面図である。図1の(a)に示すように、平面視でプリント基板7は、矩形をなし、先端に丸みを付したプリント基板(7)で形成されている。また、その後端から、2本のリード線8,8が延設されており、先端部には円盤状の水晶ブランク1を覆うように表電極2と裏電極3が配置され、それぞれのリード線8,8に接続されている。
サイズは、20×6×0.8mmであるが、これ以上大きくてもよいし、小さくても構わない。
図1の(c)に示すように、プリント基板7上に銅箔6を載せ、この銅箔6の上に裏電極3と、水晶ブランク1と、裏電極3とを挟み、左右の2箇所に銀ペースト4で固定し、これを挟むようにして、シリコン樹脂5で覆っている。
そして、重ね合わせた裏電極3と、水晶ブランク1と、表電極2とを、平面視で楕円状に形成された銀ペースト4,4によって左右の2箇所に固定されている様子が分かる。
なお、検体液に差し込むタイプをディップタイプといい、センサが容器の底面あるいは側面などにあらかじめ設置されているタイプをウェルタイプと呼んでいる。
図2は第2実施の形態を示し、図1の(b)に示すA−A線の断面図である。なお、すでに図1において説明した構成と同じ構成には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。図2に示すように、バイオセンサ11の断面図と、図1の(c)に示す断面図との相違点は、図1の(c)に示すバイオセンサ10がプリント基板7の表面に重ねて配置されているのに対し、この第2実施の形態に示すバイオセンサ11は、これをプリント基板7の両面に2個のバイオセンサ10,10が配置されている点にある。
つまり、一方のバイオセンサを液中に浸漬して反応させ、他方のバイオセンサを反応させないようにすることにより、それらの反応の差分を求めて結果を得るQCMのバイオセンサ10である。
したがって、プリント基板7の両面におのおの水晶振動子である振動ブランク1を取り付けることにより、2つのデータの差を分析することができる信号と、ノイズの比が小さいデータが得られるため、その結果として、検査精度の向上を図ることができる。
この作用効果は、シリコン樹脂の弾性素質により水晶ブランク1が物理的運動と弾性により自由度が増し、発振しやすさの目安となるQ値が増加する。また、シリコンの塗布量や位置が規制されることにより、個体差をより少なくできる。
図4は、測定・分析システムの構成を示す構成図である。
図4に示すように、2個のバイオセンサ10,10と、2個の発振回路16,16と、同軸ケーブルで接続された周波数カウンタ17と、周波数カウンタ17に接続されたデータ処理を行うパーソナルコンピュータ(PC)18とから構成されている。それぞれの電極に接続されたリード線8a、8bを発振回路16に接続する。この発振回路16から同軸ケーブルを介して周波数カウンタ17に接続され、その周波数カウンタ17にはパーソナルコンピュータ(PC)18が接続されている。
つまり、生体反応(結合)以外は、温度、圧力、外部ノズル、等の変化・影響が両方の水晶ブランク(水晶振動子)に拘わるので、その差を除去すれば、反応以外の影響を取り除くことができる。
一面(表面)のバイオセンサ10を測定側とする。他面(裏面)のバイオセンサ10を標準側とする。一面(表面)のバイオセンサ10(測定側)の表電極2の表面には、たとえば、免疫測定の場合は、生体分子である抗体を付着させておき、他面(裏面)のバイオセンサ10(標準側)には、抗体を付着させないことにするとよい。
そうすると、一面(表面)のバイオセンサ10(測定側)の表電極の表面には、選択的抗原が付着して反応が起きる。このように、抗体抗原反応が起きると質量変化を起こすことになる。しかし、他面(裏面)のバイオセンサ10(標準側)には、前もって抗体を付着させないため、抗原は付着しないことから、両者の周波数に差分が生じ、サブレーの式により、前記したように、抗原の質量を求めることができる。
図5は、免疫反応の前処理による周波数のシフトを示すグラフである。縦軸に周波数変化(HZ)、横軸に時間をとると、周波数のシフトEは、金電極の化学修飾による周波数変化を表している。また、つぎの周波数のシフトFは、抗体の固定化による周波数変化を表している。このように、前処理による質量の増加が、その処理ごとに周波数の変化として捉えることができ、その着膜量、または、固定化量が判る。
は、図1の(c)に示す断面のもう1つの変形例を示し、(a)平面図、(b)は(a)に示すC−C線の切断図である。図7の(b)に示すように、バイオセンサ10″は、プリント基板7の上面には銅箔6が設けられ、その銅箔6の上に裏電極3と、水晶ブランク1と、表電極2とを重ね、左右2箇所を固定する銀ペースト4で固定する。そして、水晶ブランク1と表電極2とを除いた全体を覆うシリコン樹脂5の代わりに樹脂15によって覆っても構わない。
2 表電極
3 裏電極
4 銀ペースト
5 シリコン樹脂
6 銅箔
7 プリント基板
8 リード線
9 ケース
10,10′,10″,11 バイオセンサ
15 樹脂
16 発振回路
17 周波数カウンタ
18 パーソナルコンピュータ(PC)
Claims (5)
- 矩形のプリント基板(7)と、
前記プリント基板(7)の表面に載せた銅箔(6)と、
前記銅箔(6)の上に形成された裏電極(3)と表電極(2)との間に挟んだ水晶振動子である水晶ブランク(1)と、
前記裏電極(3)と、前記表電極(2)の左右2箇所を固定する銀ペースト(4)と、
前記水晶ブランク(1)と前記表電極(2)とを除いた全体を覆うシリコン樹脂(5)と、
それぞれの電極に接続されたリード線(8,8)と、
を備えたことを特徴とするバイオセンサ(10)。 - 前記矩形のプリント基板(7)の表面上と、前記プリント基板(7)の裏面上との両面に水晶ブランク(1)を設けたこと特徴とする請求項1に記載の両面型のバイオセンサ(11)。
- 前記銅箔(6)と前記裏電極(3)との間に、前記シリコン樹脂(5)と前記銀ペースト(4)を装填したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバイオセンサ(12)。
- 前記バイオセンサ(11)と、
発振回路(16)と、
同軸ケーブルで接続された周波数カウンタ(17)と、
この周波数カウンタ(17)に接続されたデータ処理を行うパーソナルコンピュータ(18)と、から構成され、
前記バイオセンサ(11)の一面のバイオセンサ(10)を測定側として、この測定側から得られるデータと、
他面の前記バイオセンサ(10)を標準側として、この標準側から得られるデータと、の差分から測定・分析することを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサ(11)を使用した測定・分析システム。 - バイオセンサ(11)と、発振回路(16)と、同軸ケーブルで接続された周波数カウンタ(17)と、この周波数カウンタ(17)に接続されたデータ処理を行うパーソナルコンピュータ(18)とにより構成された検査方法は、
プリント基板(7)の表面と裏面の両面にバイオセンサ(10)を備えた前記バイオセンサ(11)であり、
一方のバイオセンサ(10)を測定側として、この測定側からのデータと、
他方のバイオセンサ(10)を標準側として、この標準側からのデータと、
の差分を測定・分析することを特徴とするバイオセンサ(11)を使用した検査方法。
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