JP2007163365A - 電子部品の電気特性評価装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触時に、評価装置の電気接触子の表面に付着したとしても、かかる付着物を、その接触時に有効に剥離除去して、安定な電気特性を得ることができる、電子部品の電気特性評価装置等を提供する。
【解決手段】本発明の電子部品の電気特性評価装置1は、導電性材料でコーティングした電気接点11を底部にもつ電子部品2の電気接点11に対し、所定の押圧力で接触させる電気接触子5を表面にもつ導体プレート6を有し、電気接触子5は、前記電気接点11の端縁12と交差する方向に延びる尾根状表面部13をもち、導体プレート6の、電気接触子5が位置する部分の周囲に切り込み部10を形成して、電気接触子5の電気接点11との接触時に、前記電気接点11の端縁12が、前記電気接触子5の尾根状表面部13上を摺動するように弾性変形する可動片部分9を導体プレート6に設けることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、各種電子機器等に装着されるICチップを実装した成形パッケージのような電子部品の電気特性評価装置および方法に関するものであって、特に、電子部品の電気接点を構成する半田めっきのような導電性材料の一部が、接触時に、評価装置の電気接触子の表面に付着したとしても、かかる付着物を、その接触時に有効に剥離除去して、安定な電気特性を得る技術に関する。
電子部品の接触電気抵抗のような電気特性を測定するための方法としては、例えば、特許文献1に記載されたようなスプリングコネクタを用いる方法が知られている。
実開平4−105462号公報
かかる方法は、ピンと、このピンをスライド自在に収容するチューブと、ピンをチューブから突出する方向に常時押圧付勢するコイルスプリングとで構成されたスプリングコネクタのピンの先端を、所定の押圧力で電子部品の電気接点に接触させることにより、接触電気抵抗のような電気特性を測定するものである。
しかしながら、スプリングコネクタを用いて電気特性を測定する方法は、例えば、電子部品の電気接点を構成する半田めっきのような軟質な導電性材料の一部が、接触時に、スプリングコネクタのピンの先端に付着しやすく、かかる付着物がピンの先端に付着したままだと、その後、別の電子部品の電気特性を測定する際に、電気特性(特に接触電気抵抗)の測定値を安定させることができなくなる場合がある。
かかる場合、スプリングコネクタのピンの先端の付着物を剥離除去するための作業が定期的に必要となり、そのたび毎に、電気特性の測定作業を停止させなくてはならず、これは、特に、多数の電子部品の電気特性を1台の電気特性評価装置で行う場合に、効率が極めた悪かった。
この発明の目的は、電気接触子の表面形状と電気接触子を設ける導体プレート形状の適正化により、電子部品の電気接点を構成する半田めっきのような導電性材料の一部が、接触時に、評価装置の電気接触子の表面に付着したとしても、かかる付着物を、その接触時に有効に剥離除去して、安定な電気特性を得ることができる、電子部品の電気特性評価装置および方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明に従う電子部品の電気特性評価装置は、導電性材料でコーティングした電気接点を底部にもつ電子部品の電気接点に対し、所定の押圧力で接触させる電気接触子を表面にもつ導体プレートを有し、該電気接触子の前記電気接点との接触により、電子部品の電気特性を測定する電気特性測定装置において、前記電気接触子は、前記電気接点の端縁と交差する方向に所定の間隔をおいて延びる複数本の尾根状表面部をもち、前記導体プレートの、電気接触子が位置する部分の周囲に、スリット状の切り込み部を形成して、電気接触子の前記電気接点との接触時に、前記電気接点の端縁が、前記電気接触子の尾根状表面部上を摺動するように弾性変形する舌状の可動片部分を導体プレートに設けることにある。
前記導電性材料は半田めっきであることが、この発明の効果を顕著に発揮できる点で好ましい。
前記所定の押圧力は、0.05〜1Nの範囲であることが好ましい。
前記尾根状表面部は、前記電気接点の端縁に対し実質的に直交する方向に延びることが好ましい。
前記尾根状表面部の配設間隔は、20〜200μmの範囲であることが好ましい。
前記尾根状表面部は、先端が尖った略三角断面形状を有することが好ましい。
前記電気接点の端縁の前記尾根状表面部上の接触時における摺動長さは、5〜200μmの範囲であることが好ましい。
前記導体プレートは、弾性部材上に位置することが好ましい。
電子部品は、ICチップを実装した成形パッケージであり、電気接点は、成形パッケージの底部の両側に少なくとも1対設けられ、導体プレートは、フレキシブルプリント基板であり、成形パッケージの電気接点に対応して、フレキシブルプリント基板に、前記電気接触子を設けてなることがより好適である。
また、この発明に従う電子部品の電気特性評価方法は、導電性材料でコーティングした電気接点を底部にもつ電子部品の電気接点を、所定の押圧力で、導体プレート上に設けた電気接触子と接触させることにより、電子部品の電気特性を測定する電気特性測定方法において、前記電気接触子は、前記電気接点の端縁と交差する方向に所定の間隔をおいて延びる複数本の尾根状表面部をもち、前記導体プレートの、電気接触子が位置する部分の周囲に、スリット状の切り込み部を形成して、電気接触子の前記電気接点との接触時に、前記電気接点の端縁が、前記電気接触子の尾根状表面部上を摺動するように弾性変形する舌状の可動片部分を導体プレートに設けることにある。
この発明によれば、電気接触子の表面形状と電気接触子を設ける導体プレート形状の適正化により、電子部品の電気接点を構成する半田めっきのような導電性材料の一部が、接触時に、評価装置の電気接触子の表面に付着したとしても、かかる付着物を、その接触時に有効に剥離除去して、安定な電気特性を得ることができる、電子部品の電気特性評価装置および方法を提供することが可能になった。
次に、この発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら以下で説明する。
図1は、この発明に従う代表的な電子部品の電気特性評価装置の要部断面図、図2は、図1の測定部の要部拡大図、図3(a),(b)および(c)はベース部材の平面図、正面図および側面図、図4は、導体プレートであるフレキシブルプリント基板(FPC)の平面図、図5は、図4の点線の円で囲んだ部分の拡大図、図6は図5のI−I線上の断面図、図7(a)はカバー部材の平面図、図7(b)は同図(a)のII−II線上の断面図、図7(c)は同図(a)のIII−III線上の断面図、図8(a),(b)および(c)は、電子部品である、ICチップを実装した成形パッケージの正面図、底面図および側面図、そして、図9(a)および(b)は、電子部品の電気接点と導体プレートの電気接触子の接触時の状態を示す、平面図および側面図である。
なお、図中1はICチップを実装した成形パッケージ、2は電気特性評価装置の測定部、3はベース部材、4は弾性部材、5は電気接触子、6は導体プレート、そして、7はカバー部材7である。
図1に示す電気特性評価装置は、ICチップを実装した成形パッケージ1のような電子部品の接触電気抵抗を測定するための装置であり、その測定部2は、ベース部材3と、弾性部材4と、電気接触子5を設けた導体プレート6と、カバー部材7とで主に構成されている。
ベース部材3は、エンジニアリング成形樹脂で、硬質ウレタン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のような絶縁材料からなり、上面には、図3(a)、(b)および(c)に示すように、弾性部材4、導体プレート6およびカバー部材7を位置決め載置するため、少なくとも2個、図1では2個の位置決めピン8を有する。
弾性部材4は、例えばシリコンゴムやフッ素ゴムのような軟質ゴムからなり、ベース部材3の上面に位置決め載置され、後述する導体プレート6の舌状の可動片部分9が、接触時の押圧力により、押圧方向に弾性変形するのを容易にする。
導体プレート6は、導電性のよい銅箔が主に用いられ、図1では、ポリイミド上に銅箔でパターンニングされたフレキシブルプリント基板(FPC)の場合を示している。
導体プレート6であるフレキシブルプリント基板には、図8に示す電子部品1の電気接点11の配設数と同数、図4および図5では3対で計6個の電気接触子5を設けられている。
カバー部材7は、エンジニアリング成形樹脂で、硬質ウレタン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)のような絶縁材料からなり、内面には、図7(a)、(b)および(c)に示すように、ベース部材3との合体時に、ベース部材3の位置決めピン8を嵌入して連結される位置決め穴15を設けるとともに、ベース部材3上の位置決め載置した導体プレートの開口14と対応させた位置に、測定する電子部品を導入するための導入孔16を設ける。
また、導体プレート6の、電気接触子5が位置する部分の周囲に、図5に示すように、スリット状の切り込み部10を形成して、電気接触子5の前記電気接点11との接触時に、前記電気接点11の端縁12が、前記電気接触子5上を摺動するように弾性変形する舌状の可動片部分9が設けられている(図9(a),(b))。
なお、切り込み部10は、可動片部分9の弾性変形を容易にする点で設けることが好ましいが、この発明においては、必須の構成ではなく、必要に応じて設けることができる。
さらに、可動片部分9の一端に位置する電気接触子5は、前記電気接点11の端縁12と交差する方向、具体的には前記端縁12に対し80°以上の角度の方向に所定の間隔をおいて延びる複数本の尾根状表面部13を有する。
尾根状表面部13は、例えば貴金属めっきのような高導電性材料で形成することが好ましい。
尾根状表面部13の形状は、電気接触子5の前記電気接点11との接触時に、前記電気接点11の端縁12が、前記電気接触子5上を摺動して、電気接触子5に固着した半田等の付着物を剥離除去できる形状、好適には、先端が尖った形状であればよく、図6に示す断面形状の他、三角波形状等が挙げられる。
加えて、導体プレート6に設けられた3対の電気接触子5は、導体プレート6の中央位置に設けた矩形状の開口14内に突出させ、かつ、向かい合い配置にすることが、可動片部分9の弾性変形を容易にする点で好ましい。
また、電子部品1は、図8に示すように、半田めっきや金めっきのような導電性材料でコーティングした電気接点11を底部に有する。
そして、上記構成を有する電気特性測定装置1は、電子部品1の電気接点11を、所定の押圧力Fで、導体プレート6上に設けた可動片部分9の電気接触子5と接触させることにより、電子部品1の電気特性を測定する。
前記所定の押圧力Fは、0.05〜1Nの範囲であることが好ましい。前記押圧力Fが0.05N未満では、可動片部分9の弾性変形量が小さく、押圧方向への移動距離が短いため、電子部品1の電気接点11の端縁12が、尾根状表面部13を摺動する距離も小さくなり、尾根状表面部13上の付着物を十分に擦り落とすことができなくなる傾向があるからであり、また、前記押圧力が1N超えでは、電子部品1に対する負荷が大きくなって、電子部品1の性能に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
尾根状表面部13は、前記電気接点11の端縁12に対し実質的に直交する方向に延びることが特に好ましい。接触時の可動片部分9の弾性変形による電気接触子5の押圧方向(図9では下側方向)への移動に伴って、電子部品1の電気接点11の端縁12が、尾根状表面部13の延在方向に沿って移動する結果、尾根状表面部13に固着した半田めっき等の付着物が、接触中に尾根状表面部13から電気接点11の端縁12によって容易に擦り落とすことができるからである。
尾根状表面部13の配設間隔Dは、20〜200μmの範囲であることが好ましい。前記配設間隔Dが20μm未満だと、めっきにより尾根状表面部を形成する場合に、十分な高低差を得ることができなくなるおそれがあるからであり、200μm超えだと、尾根状表面部13間に異物が入りやすくなり、ブラッシング等の清浄化処理によって異物を除去する際に、尾根状表面部13が側面から押されて破損するおそれがあるからである。
電気接点11の端縁12の前記尾根状表面部13上の接触時における摺動長さLは、5〜200μmの範囲であることが好ましい。前記摺動長さLが5μm未満だと、接触時に付着物を十分に擦り落とすことができなくなるおそれがあるからであり、200μm超えだと、可動片部分9が弾性変形ではなく塑性変形するようになる傾向があるからである。
また、導体プレート6は、弾性部材4上に配置することが、可動片部分9の弾性変形を容易にする点で好ましい。
以下、この発明に従う電気特性測定方法の一例を説明する。
まず、搬送部材(図示せず)に分離可能に固定した電子部品1を、水平状態を維持したまま、電気特性測定装置の導入孔16から下降させる。
次に、導入孔16から導入した電子部品1を、その電気接点11がベース部材3上に位置決め載置した弾性部材3および導体プレート6の電気接触子5と接触するまで、さらに下降させるとともに、電気接触子に対し、所定の押圧力Fで、電子部品の電気接点を押圧する。
この接触時に、電気特性を測定するが、それと同時に、導体プレート6の舌状の可動片部分9が、図9に示すように、押圧方向に弾性変形することに伴い、電気接点11の端縁12が、電気接触子5の尾根状表面部13上を点接触で摺動することになる結果として、仮に尾根状表面部13に半田等の付着物が固着していたとしても、かかる摺動作用によって、簡単に付着物を擦り落とすことができ、その結果、電気接触子に固着した付着物を剥離除去する工程を行うことなく、常に安定した電気特性を測定することができる。
尚、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。なお、この発明において、上記電気特性測定装置の測定部1は、電気接触子5に電気接続された、測定部1からはみ出した導体プレート6の裏面の導体部分が、接続時(測定時)には、図1に示す押圧部材17により、基板(図示せず)の電気接点に接触するように押圧されるなどの態様により、図示しない公知の測定系(電流計や電圧計等)と接続され、これにより、電気特性を測定することは言うまでもない。
この発明によれば、電気接触子の表面形状と電気接触子を設ける導体プレート形状の適正化により、電子部品の電気接点を構成する半田めっきのような導電性材料の一部が、接触時に、評価装置の電気接触子の表面に付着したとしても、かかる付着物を、その接触時に有効に剥離除去して、安定な電気特性を得ることができる、電子部品の電気特性評価装置および方法を提供することが可能になった。
この発明に従う代表的な電子部品の電気特性評価装置の要部断面図である。 図1の測定部の要部拡大図である。 (a),(b)および(c)は、ベース部材の平面図、正面図および側面図である。 導体プレートであるフレキシブルプリント基板(FPC)の平面図である。 図4の点線の円で囲んだ部分の拡大図である。 図5のI−I線上の断面図である。 (a)はカバー部材の平面図であり、(b)は(a)のII−II線上の断面図、および(c)は(a)のIII−III線上の断面図である。 (a),(b)および(c)は、電子部品である、ICチップを実装した成形パッケージの正面図、底面図および側面図である。 電子部品の電気接点と電気接触子の接触状態を説明するための図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
符号の説明
1 成形パッケージ
2 電気特性評価装置の測定部
3 ベース部材
4 弾性部材
5 電気接触子
6 導体プレート
7 カバー部材
8 位置決めピン
9 舌状の可動片部分
10 切り込み部
11 電気接点
12 電気接点の端縁
13 尾根状表面部
14 開口
15 位置決め穴
16 導入孔
17 押圧部材

Claims (10)

  1. 導電性材料でコーティングした電気接点を底部にもつ電子部品の電気接点に対し、所定の押圧力で接触させる電気接触子を表面にもつ導体プレートを有し、該電気接触子の前記電気接点との接触により、電子部品の電気特性を測定する電気特性測定装置において、
    前記電気接触子は、前記電気接点の端縁と交差する方向に所定の間隔をおいて延びる複数本の尾根状表面部をもち、
    前記導体プレートの、電気接触子が位置する部分の周囲に、スリット状の切り込み部を形成して、電気接触子の前記電気接点との接触時に、前記電気接点の端縁が、前記電気接触子の尾根状表面部上を摺動するように弾性変形する舌状の可動片部分を導体プレートに設けることを特徴とする電子部品の電気特性評価装置。
  2. 前記導電性材料は半田めっきである請求項1記載の電子部品の電気特性評価装置。
  3. 前記所定の押圧力は、0.05〜1Nの範囲である請求項1または2記載の電子部品の電気特性評価装置。
  4. 前記尾根状表面部は、前記電気接点の端縁に対し実質的に直交する方向に延びる請求項1、2または3記載の電子部品の電気特性評価装置。
  5. 前記尾根状表面部の配設間隔は、20〜200μmの範囲である請求項1〜4のいずれか1項記載の電子部品の電気特性評価装置。
  6. 前記尾根状表面部は、先端が尖った略三角断面形状を有する請求項1〜5のいずれか1項記載の電子部品の電気特性評価装置。
  7. 前記電気接点の端縁の前記尾根状表面部上の接触時における摺動長さは、5〜200μmの範囲である請求項1〜6のいずれか1項記載の電子部品の電気特性評価装置。
  8. 前記導体プレートは、弾性部材上に位置する請求項1〜7のいずれか1項記載の電子部品の電気特性評価装置。
  9. 電子部品は、ICチップを実装した成形パッケージであり、電気接点は、成形パッケージの底部の両側に少なくとも1対設けられ、導体プレートは、フレキシブルプリント基板であり、成形パッケージの電気接点に対応して、フレキシブルプリント基板に、前記電気接触子を設けてなる請求項1〜8のいずれか1項記載の電子部品の電気特性評価装置。
  10. 導電性材料でコーティングした電気接点を底部にもつ電子部品の電気接点を、所定の押圧力で、導体プレート上に設けた電気接触子と接触させることにより、電子部品の電気特性を測定する電気特性測定方法において、
    前記電気接触子は、前記電気接点の端縁と交差する方向に所定の間隔をおいて延びる複数本の尾根状表面部をもち、
    前記導体プレートの、電気接触子が位置する部分の周囲に、スリット状の切り込み部を形成して、電気接触子の前記電気接点との接触時に、前記電気接点の端縁が、前記電気接触子の尾根状表面部上を摺動するように弾性変形する舌状の可動片部分を導体プレートに設けることを特徴とする電子部品の電気特性評価方法。
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