JP2007163227A - レーザ走査光学系の光学特性測定装置及びその光学特性測定方法 - Google Patents

レーザ走査光学系の光学特性測定装置及びその光学特性測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】走査光学系の光学特性である倍率誤差、走査線曲がり量及びビームスポット径を高精度に短時間で計測でき、その計測結果と設定された公差に基づいて被検査対象の走査レンズを良否判定して走査レンズの品質を検査する検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】検査装置1は、主走査方向及び副走査方向に移動可能な二軸構成の移動ステージ上に搭載されたビーム計測部17と、計測部CPU23とを備える。計測部CPU23は、主走査方向ビーム位置算出部37、副走査方向ビーム位置算出部38、ビーム径算出部39、光学特性算出部40及び良否判定部35を備え、光学特性算出部40は、ビーム位置と偏向角回転手段11の偏向角度とビーム径とから倍率誤差、走査線曲がり量及びビームスポット径を算出し、良否判定部35は、その算出結果及び設定公差に基づき良否判定を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ走査光学系の光学特性測定装置及びその光学特性測定方法に関し、特に、レーザビームプリンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置等に設けられた走査光学ユニット内で使用される走査レンズの品質が面精度、内部屈折率分布の大きさ等によって光学特性に及ぼす影響について設定された公差により良否判定する、走査光学系用の走査レンズの検査方法及び検査装置に関するものである。
レーザープリンタ装置、複写機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に用いられるレーザ走査光学ユニットは、主にレーザ光源、コリメートレンズ等の各種レンズ、ポリゴンミラー等の各種ミラー等で構成される走査光学系を有している。一般に、画像形成装置では、レーザ光源から発生されたレーザビームをコリメータレンズによって平行光に変換してポリゴンミラーに照射し、ポリゴンミラーの回転によって偏向する。このポリゴンミラーによって反射された光ビームは、結像レンズ及びミラー系によって感光体上に結像される。
感光体上の点像は、ポリゴンミラーの回転による主走査方向への走査を行い、また、感光体ドラムの回転によって副走査方向への走査を行って、感光体ドラム上に静電潜像を形成する。そして、この静電潜像が形成された感光体ドラムの表面にトナーを付着させて顕像化させることによりトナー像を形成し、このトナー像を転写紙に転写するとともに定着して、その転写紙に画像を形成することが知られている。
ここで、走査光学系に使用されている走査レンズの形状、面精度(うねり)、表面欠陥、内部欠陥等の異常があった場合、感光体上へ走査される走査ビームは、ビーム径太りや、主走査方向の走査位置ずれや、ビームの深度方向の合焦位置ずれによるピーク光量の低下を起こし、画像形成上の不良を発生させる原因となる。このため、走査レンズの集光特性を測定し、良品レンズを選別することが非常に重要となる。
これまで、ビーム径の評価は、ピンホール又はスリットを感光体ドラムの表面に相当する位置に設け、その直後に受光素子を設けて、静止ビームを受光させて、そのビーム径を算出することにより行われ、走査方向のレンズ両端部とレンズ中央部を含めた数ヶ所で測定され、それぞれの箇所において集光特性が仕様範囲に入っていれば良品と判断する方法がとられていた。
一方、レーザ走査光学系の高精細化の要求が高まるにつれて、走査レンズの要求性能は厳しくなり、集光ビーム径の狭小化と走査範囲におけるビーム径の均一化が必要となる。したがって、測定ポイント数を増やし評価精度を向上させることが必要とされ、かつ、測定ポイント数を増やしてもレンズ評価に要する時間を短くする方法が求められる。
しかしながら、従来通りの測定ポイント数でレンズ評価を行った場合は、レンズ選別が不十分となり、特性不良を有する走査レンズが後工程であるレーザ走査光学ユニット組立て調整工程に混入し、その結果、光学ユニットの組立て調整に多大な時間を要したり、レーザ走査光学ユニットに走査レンズを接着して組立てるような場合にはそのまま廃棄したりすることになるため、甚だしいコスト高を招くことになる。
そこで、走査光学系の発する走査ビームのビーム径を短時間に多くの測定点で計測する方法が種々提案され、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。同文献で開示された発明は、走査光学系の全走査領域において走査される走査ビームを走査させた状態で、CCDカメラで受光して動的な光量分布を測定することで、高精度にビーム径、倍率誤差及び走査線曲がり量の測定評価をできるようにしている。
また、特許文献2に開示されたものが知られている。同文献による発明は、Fθレンズを検査するレンズ選別装置であって、レーザ光の集光位置でCCDカメラに受光させ、レーザ光の走査運動に応じてCCDカメラを移動させ、得られた集光ビーム画像データからビーム径を算出し、算出手段の算出結果に基づいて被測定レンズの良否判定を行えるようにしている。
特開2002−86795号公報 特開2003−214985号公報
特許文献1に開示された技術では、走査状態のビームによる動的な光量分布の測定結果に基づいてビーム径を算出しているため、静止状態のビームの光量に比べて格段に小さく、CCDの感度を上げて測定をする必要がある。ところが、CCDの感度を上げることにより、外部からの遮光処理を施しても、CCDが持つ固有の暗電流がノイズとして混入する。また、LDを高速にON/OFF制御するパターン発光させるには、LDに待機電流として、バイアス電流をかけるため、それが暗電流ノイズとして混入する。さらに、LDの発光パターンにおいて発光時間のばらつきや発光光量の時間的なばらつきも生じる。加えて、ポリゴンミラーのジッタ成分が、ビーム径測定の測定ばらつきになる。
このように、動的なビームを測定対象とする場合、測定誤差の要因やその大きさが大きくなる。また、ビーム径の小径化に伴う公差が厳しくなってくると、これらに起因する測定ばらつきが無視できなくなってくる。そこで、測定回数を増やして平均化効果を狙う測定方法も考えられるが、この場合、動的な測定をすることによる測定時間短縮のメリットがなくなってしまうという問題点がある。
また、動的なビームを測定対象とする場合、ビームの主走査方向の位置を検出する際には、書出し位置が同期検知信号により決定されるために、測定対象となるビーム位置が主走査方向に揺らいでおり、時間的に不安定であった。このため、二つのビーム位置からビームの間隔を求めると、それぞれの位置での測定誤差によって、倍率誤差の測定精度を高められないという問題点がある。
特許文献2で開示された技術では、以下のような問題点がある。
1.Fθレンズの光学特性の検査項目として、倍率誤差に関する検査を行えない。
2.Fθレンズの光学特性の検査項目として、走査線曲がり量に関する検査を行えない。
3.Fθレンズの光学特性の検査項目として、倍率誤差と走査線曲がり量に関する検査を同時に行えない。
4.結像位置でのビーム画像を拡大検出するが、走査光学系の入射角度よりも対物レンズの開口角が小さいため、検出するビーム像が、対物レンズの鏡筒にかかってしまう。これを避けるために、レーザビームの走査面に垂直な方向に設定した回転軸を回転中心として前記CCDカメラを回転させる手段と、前記走査面内にあって走査方向と直交する方向に前記CCDカメラを移動させる手段とを必要とするために、装置が大掛かりになる。加えて、ビーム径は、回転手段によって回転した後、CCDカメラで拡大して撮像したビーム画像に基づいて算出されているために、実際の結像位置に結像した書込みビームのビーム径よりも小さく算出される。
5.走査光学系とCCDカメラの距離を変更できないため、深度方向に書込みビームの最も絞れる位置であるビームウェスト位置、及びそのときのビーム径であるビームウェスト径を測定できない。このため、主走査方向及び副走査方向のビームウェスト位置の調整を行えないから、被検レンズを検査したとき、非点収差が生じた場合でもそのままのビーム画像の基づいてビーム径を算出しなければならないために、測定誤差が大きくなる。
6.CCDカメラを副走査方向へ移動する手段がないために、走査光学系の走査線曲がり量や走査線傾き量が大きいFθレンズを検査する場合に、書込みビームがCCDカメラの副走査方向の画角から外れてしまってビーム画像を取得できず、ビーム径を算出できないため、Fθレンズの検査を行えない。
7.光学特性測定治具上の走査光学系には、レーザビームの光軸高さ及び傾きを変更できる手段を備えておらず、被検レンズに入射するレーザビームの副走査方向の位置を変更できないために、被検レンズの副走査方向の有効幅ぎりぎりを通るビームに対する光学特性の検査を行えない。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、走査光学系の光学特性である倍率誤差、走査線曲がり量及びビームスポット径を高精度に短時間で計測でき、その計測結果と設定された公差に基づいて被検査対象の走査レンズを良否判定することにより走査レンズの品質を検査する検査装置及び検査方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、請求項1記載の発明は、レーザ走査光学系の光学特性測定装置において、レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、前記レーザ光発生手段によるレーザ光を偏向するレーザ光偏向手段と、前記レーザ光偏向手段を高精度に回転位置決めする偏向角回転手段と、結像位置に書込みビームを結像させる光走査光学手段と、前記光走査光学手段を着脱可能とする着脱手段とからなるレーザ走査光学系を配置した光学特性測定治具と、前記書込みビームのビーム画像を前記結像位置で撮像し取得するビーム検出手段と、前記ビーム検出手段を主走査方向へ移動させる主走査方向移動手段と、前記ビーム検出手段を副走査方向へ移動させる副走査方向移動手段と、前記主走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の主走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する主走査方向ステージ位置検出手段と、前記副走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の副走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する副走査方向ステージ位置検出手段と、前記ビーム検出手段により取得したビーム画像に画像処理を施して撮像画面内のビーム重心位置を算出する画面内ビーム位置算出手段と、前記書込みビームの位置を算出するビーム位置算出手段と、前記偏向角回転手段の回転角度をビーム撮像のタイミングで検出する偏向角検出手段と、前記光走査光学手段の光学特性を算出する光学特性算出手段と、前記光学特性算出手段による光学特性に基づいて前記光走査光学手段の良否判定を行う良否判定手段とを有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、レーザ光発生手段と、レーザ光偏向手段と、偏向角回転手段と、光走査光学手段と、被検レンズの着脱手段とを配置した光学特性測定治具を具備し、書込みビームのビーム画像を結像位置で撮像し取得するためのビーム検出手段と、ビーム検出手段を主走査方向に移動させる主走査方向移動手段と、ビーム検出手段を副走査方向に移動させる副走査方向移動手段と、ビーム検出手段の主走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する主走査方向ステージ位置検出手段と、ビーム検出手段の副走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する副走査方向ステージ位置検出手段と、ビーム検出手段により取得したビーム画像から画像処理を施すことで撮像画面内のビーム重心位置を算出する画面内ビーム位置算出手段と、書込みビームの位置を算出するビーム位置算出手段と、レーザ光を偏向させるレーザ光偏向手段の回転角をビーム撮像のタイミングで検出する偏向角検出手段とを備え、さらに、光走査光学手段の光学特性を算出する光学特性算出手段と、算出した光学特性に基づいて光走査光学手段の良否を判定する良否判定手段とで構成している。例えば、倍率誤差は、画面内ビーム位置算出手段によるビーム重心位置及び主走査方向ステージ位置検出手段によるビーム検出手段の主走査方向位置から得られた書込みビームの主走査方向の位置と、偏向角回転手段による偏向角度とに基づいて、光学特性算出手段により求められる。このように、光学特性算出手段により走査光学系の光学特性を高精度に短時間で計測でき、良否判定手段により光学特性及び設定公差に基づいて被検査対象の走査レンズについて良否判定することで、レーザビームプリンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することが可能となる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記ビーム位置算出手段は、前記画面内ビーム位置算出手段によるビーム重心位置及び前記主走査方向ステージ位置検出手段によるビーム検出手段の主走査方向位置に基づいて前記書込みビームの主走査方向の位置を算出する主走査方向ビーム位置算出手段を有し、前記光学特性算出手段は、所定の2つの異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記主走査方向ビーム位置算出手段による2つの書込みビームの主走査方向位置から求めたビーム像の間隔と、前記偏向角回転手段の偏向角度とに基づいて、前記光走査光学手段の倍率誤差を算出することを特徴とする。
本請求項記載の発明では、画面内ビーム位置算出手段の算出結果(ビーム重心位置)及び主走査方向移動手段の検出結果(ビーム検出手段の主走査方向位置)に基づき書込みビームの主走査方向の位置を算出する主走査方向ビーム位置算出手段と、偏向角回転手段とを用いて、光学特性算出手段が倍率誤差を求める。すなわち、2つの異なる偏向角で偏向された書込みビームに対して、ビーム検出手段を主走査方向移動手段で移動させることで2つのビーム画像を取得し、演算で得られた撮像画面内のビーム重心位置とビーム検出手段の主走査方向位置とを用いて主走査方向のビームの間隔を計算し、レーザ走査光学系の倍率誤差の算出を行う。測定対象を静止ビームとすることで、ビームの主走査方向の位置が時間的に安定して停止しており、それぞれの位置でのビーム主走査方向の位置の測定誤差が小さく、倍率誤差の測定精度を高めることができる。これにより、倍率誤差の算出結果に基づいて被検レンズの良否判定を実施し、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項2に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記ビーム位置算出手段は、前記画面内ビーム位置算出手段によるビーム重心位置及び前記副走査方向ステージ位置検出手段によるビーム検出手段の副走査方向位置に基づいて前記書込みビームの副走査方向の位置を算出する副走査方向ビーム位置算出手段を有し、前記光学特性算出手段は、所定の複数の異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記副走査方向ビーム位置算出手段による複数の書込みビームの副走査方向位置に基づいて、前記光走査光学手段の走査線曲がり量を算出することを特徴とする。
本請求項記載の発明では、画面内ビーム位置算出手段の算出結果(ビーム重心位置)及び副走査方向移動手段の検出結果(ビーム検出手段の副走査方向位置)に基づき書込みビームの副走査方向の位置を算出する副走査方向ビーム位置算出手段を用いて、光学特性算出手段が走査線曲がり量を求める。すなわち、複数の異なる偏向角で偏向された書込みビームに対して、ビーム検出手段を副走査方向移動手段で移動させることで複数のビーム画像を取得し、演算で得られた撮像画面内のビーム重心位置とビーム検出手段の主走査方向位置とを用いて、各像高におけるビームの副走査方向のビーム位置を求め走査光学系の走査線曲がり量を算出する。この算出結果をもとに被検レンズの良否判定を実施し、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項4記載の発明は、請求項3に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記ビーム検出手段で取得したビーム画像に画像処理を施してビーム径を算出するビーム径算出手段を有し、前記光学特性算出手段は、像面上の複数像高で、前記書込みビームの主走査方向位置、前記書込みビームの副走査方向位置及び前記ビーム径を同時に算出し、前記算出結果に基づいて前記光走査光学手段の倍率誤差、走査線曲がり量及びビーム径を同時に算出することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、ビーム検出手段により取得したビーム画像から画像処理を施すことでビーム径を演算するビーム径算出手段をさらに有し、像面上における複数像高での書込みビームのビーム位置(主走査方向ビーム位置算出手段により得られた主走査方向位置及び副走査方向ビーム位置算出手段により得られた副走査方向位置)とビーム径とから、光学特性算出手段が倍率誤差、走査線曲がり量及びビームスポット径を同時に算出する。これにより、3つの光学特性を測定するのに要する計測時間を短縮することができる。また、測定対象を静止ビームとすることで、CCDカメラの感度を上げる必要がないのでS/Nを高められる。また、LDを高速にON/OFF制御するパターン発光させる必要がないので、LDの暗電流ノイズ(LED発光させるLD待機電流)も混入しないので、ビーム径の測定精度を高めることができる。このように、倍率誤差と走査線曲がりとビーム径の算出結果をもとに被検レンズの良否判定を実施し、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記ビーム検出手段は、前記書込みビームのビーム画像を拡大検出するビーム拡大検出手段を備え、前記ビーム拡大検出手段は、前記光走査光学手段における前記ビーム検出手段への入射角度より大きな開口角を有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、ビーム検出手段が書込みビームのビーム画像を拡大検出するビーム拡大検出手段を有し、例えば、対物レンズを使用した場合に、その開口角(N.A.=Newmerical Aperture)が光学特性測定治具上の走査光学系による前記ビーム検出手段への入射角度より大きなものを使用する。これにより、走査光学系の端の像高においても、ビーム検出手段の向きを変えることなく、そのままビームのビーム画像を取得することができ、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供するができる。
また、請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記光学特性測定治具を光軸方向に移動させる光軸方向移動手段を有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、光学特性測定治具を光軸方向に移動する光軸方向移動手段を有する。これにより、結像位置からずらした位置でビーム径を測定することができ、走査光学系の深度余裕を算出することが可能となる。そして、これをもとに、主走査ビームと副走査ビームのビームウェスト位置を算出でき、各ビームウェスト位置の設計値とのずれ量や非点収差に基づく被検レンズの良否判定が可能な、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記主走査方向ステージ位置検出手段は、前記ビーム検出手段によるビーム検出位置の主走査移動方向の延長線と平行に、ビーム検出位置近傍に設置され、前記副走査方向ステージ位置検出手段は、前記ビーム検出手段によるビーム検出位置の副走査移動方向の延長線上に設置されることを特徴とする。
本請求項記載の発明では、主走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の主走査方向の位置を検出する主走査方向ステージ位置検出手段による位置検出精度と、副走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の副走査方向の位置を検出する副走査方向ステージ位置検出手段による位置検出精度とについてアッベ誤差低減を用いることによって、ビーム位置の測定精度をアップさせることができる。これにより、倍率誤差の測定精度と走査線曲がりの測定精度を高められ、この測定結果に基づく被検レンズの良否判定が可能な、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項8記載の発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、各像高でのビームの結像位置が予め設計された位置から主走査方向及び/又は副走査方向にずれた場合でも、前記ビーム検出手段がビーム画像を取得するために、前記主走査方向移動手段及び/又は副走査方向移動手段の移動量を予測して追従制御するビーム追従制御手段を有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、主走査方向移動手段及び副走査方向移動手段の移動量を制御するビーム追従制御手段を有する。ビーム検出手段を主走査方向に移動させる主走査方向移動手段と、副走査方向に移動させる副走査方向移動手段と、ビーム追従制御手段とにより、レーザ光を偏向させるレーザ光偏向手段の偏向角度によってビーム結像位置が移動しても、ビーム検出手段でビーム画像を確実に取得できる。これにより、確実な被検レンズの良否判定が可能な、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項9記載の発明は、請求項8に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記ビーム追従制御手段は、ビーム像の画面内捕捉アルゴリズムとして、スパイラルボックスサーチ機能を備えることを特徴とする。
本請求項記載の発明では、ビーム追従制御手段にスパイラルボックスサーチ機能が付加される。これにより、予測した位置でビーム画像が取得することができない場合でも、その周辺を渦巻状にビーム検出手段を移動させ、この動作をビーム像が検出範囲内で撮像できるまで継続させることが可能となり、静止ビーム計測において、ビーム検出手段がビーム画像を確実に取得することができる。このように、確実な被検レンズの良否判定が可能となる、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項10記載の発明は、請求項1から9のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置において、前記レーザ光発生手段と前記レーザ光偏向手段との間に配置される光学素子を移動させて、前記レーザ光の光軸高さを変更する光軸高さ変更手段を有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、光学特性測定治具上に配置したレーザ光発生手段とレーザ光偏向手段の間に、レーザ光の光軸高さを変更できる光軸高さ変更手段を有する。これにより、レーザ光を偏向させた後、被検レンズに対しレーザ光が透過する副走査方向の位置を変えて、結像させたビームのビーム径を測定することで、被検レンズの副走査方向の有効幅全域においてビーム径の検査を行うことができ、その結果に基づいて被検レンズの良否判定を実施することが可能となる、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査装置を提供することができる。
また、請求項11記載の発明は、レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、前記レーザ光発生手段によるレーザ光を偏向するレーザ光偏向手段と、前記レーザ光偏向手段を高精度に回転位置決めする偏向角回転手段と、結像位置に書込みビームを結像させる光走査光学手段と、前記光走査光学手段を着脱可能とする着脱手段とからなるレーザ走査光学系を配置した光学特性測定治具及びビーム検出手段を有するレーザ走査光学系の光学特性測定装置が行う測定方法であって、前記書込みビームのビーム画像を前記結像位置で撮像し取得するビーム検出工程と、前記ビーム検出手段を主走査方向へ移動させる主走査方向移動工程と、前記ビーム検出手段を副走査方向へ移動させる副走査方向移動工程と、前記主走査方向移動工程により移動したビーム検出手段の主走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する主走査方向ステージ位置検出工程と、前記副走査方向移動工程により移動したビーム検出手段の副走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する副走査方向ステージ位置検出工程と、前記ビーム検出工程により取得したビーム画像に画像処理を施して撮像画面内のビーム重心位置を算出する画面内ビーム位置算出工程と、前記書込みビームの位置を算出するビーム位置算出工程と、前記偏向角回転手段の回転角度をビーム撮像のタイミングで検出する偏向角検出工程と、前記光走査光学手段の光学特性を算出する光学特性算出工程と、前記光学特性算出工程による光学特性に基づいて前記光走査光学手段の良否判定を行う良否判定工程とを有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、レーザ光発生手段と、レーザ光偏向手段と、偏向角回転手段と、光走査光学手段と、被検レンズの着脱手段とを配置した光学特性測定治具及びビーム検出手段を具備したレーザ走査光学系の光学特性測定装置の測定方法で、書込みビームのビーム画像を結像位置で撮像し取得するためのビーム検出工程と、ビーム検出手段を主走査方向に移動させる主走査方向移動工程と、ビーム検出手段を副走査方向に移動させる副走査方向移動工程と、ビーム検出手段の主走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する主走査方向ステージ位置検出工程と、ビーム検出手段の副走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する副走査方向ステージ位置検出工程と、ビーム検出工程により取得したビーム画像から画像処理を施すことで撮像画面内のビーム重心位置を算出する画面内ビーム位置算出工程と、書込みビームの位置を算出するビーム位置算出工程と、レーザ光を偏向させるレーザ光偏向手段の回転角をビーム撮像のタイミングで検出する偏向角検出工程とを有し、さらに、光走査光学手段の光学特性を算出する光学特性算出工程と、算出した光学特性に基づいて光走査光学手段の良否を判定する良否判定工程とから構成される。例えば、走査線曲がり量は、画面内ビーム位置算出工程によるビーム重心位置及び副走査方向ステージ位置検出工程によるビーム検出手段の副走査方向位置から得られた書込みビームの副走査方向の位置に基づいて、光学特性算出工程により求められる。このように、光学特性算出工程により走査光学系の光学特性を高精度に短時間で計測でき、良否判定工程により光学特性及び設定公差に基づいて被検査対象の走査レンズについて良否判定することで、レーザビームプリンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することが可能となる。
また、請求項12記載の発明は、請求項11に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記ビーム位置算出工程は、前記画面内ビーム位置算出工程によるビーム重心位置及び前記主走査方向ステージ位置検出工程によるビーム検出手段の主走査方向位置に基づいて前記書込みビームの主走査方向の位置を算出する主走査方向ビーム位置算出工程を有し、前記光学特性算出工程は、所定の2つの異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記主走査方向ビーム位置算出工程による2つの書込みビームの主走査方向位置から求めたビーム像の間隔と、前記偏向角回転手段の偏向角度とに基づいて、前記光走査光学手段の倍率誤差を算出することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、画面内ビーム位置算出工程の算出結果(ビーム重心位置)及び主走査方向移動工程の検出結果(ビーム検出手段の主走査方向位置)に基づき書込みビームの主走査方向の位置を算出する主走査方向ビーム位置算出工程と、偏向角回転手段の偏向角度とを用いて、光学特性算出工程により倍率誤差を求める。すなわち、2つの異なる偏向角で偏向された書込みビームに対して、ビーム検出手段を主走査方向移動工程で移動させることで2つのビーム画像を取得し、演算で得られた撮像画面内のビーム重心位置とビーム検出手段の主走査方向位置とを用いて主走査方向のビームの間隔を計算し、レーザ走査光学系の倍率誤差の算出を行う。測定対象を静止ビームとすることで、ビームの主走査方向の位置が時間的に安定して停止しており、それぞれの位置でのビーム主走査方向の位置の測定誤差が小さく、倍率誤差の測定精度を高めることができる。これにより、倍率誤差の算出結果に基づいて被検レンズの良否判定を実施し、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
また、請求項13記載の発明は、請求項12に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記ビーム位置算出工程は、前記画面内ビーム位置算出工程によるビーム重心位置及び前記副走査方向ステージ位置検出工程によるビーム検出手段の副走査方向位置に基づいて前記書込みビームの副走査方向の位置を算出する副走査方向ビーム位置算出工程を有し、前記光学特性算出工程は、所定の複数の異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記副走査方向ビーム位置算出工程による複数の書込みビームの副走査方向位置に基づいて、前記光走査光学手段の走査線曲がり量を算出することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、画面内ビーム位置算出工程の算出結果(ビーム重心位置)及び副走査方向移動工程の検出結果(ビーム検出手段の副走査方向位置)に基づき書込みビームの副走査方向の位置を算出する副走査方向ビーム位置算出工程を用いて、光学特性算出工程により走査線曲がり量を求める。すなわち、複数の異なる偏向角で偏向された書込みビームに対して、ビーム検出手段を副走査方向移動手段で移動させることで複数のビーム画像を取得し、演算で得られた撮像画面内のビーム重心位置とビーム検出手段の主走査方向位置とを用いて、各像高におけるビームの副走査方向のビーム位置を求め走査光学系の走査線曲がり量を算出する。この算出結果をもとに被検レンズの良否判定を実施し、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
また、請求項14記載の発明は、請求項13に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記ビーム検出工程で取得したビーム画像に画像処理を施してビーム径を算出するビーム径算出工程を有し、前記光学特性算出工程は、像面上の複数像高で、前記書込みビームの主走査方向位置、前記書込みビームの副走査方向位置及び前記ビーム径を同時に算出し、前記算出結果に基づいて前記光走査光学手段の倍率誤差、走査線曲がり量及びビーム径を同時に算出することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、ビーム検出工程により取得したビーム画像から画像処理を施すことでビーム径を演算するビーム径算出工程をさらに有し、像面上における複数像高での書込みビームのビーム位置(主走査方向ビーム位置算出工程により得られた主走査方向位置及び副走査方向ビーム位置算出工程により得られた副走査方向位置)とビーム径とから、光学特性算出工程が倍率誤差、走査線曲がり量及びビームスポット径を同時に算出する。これにより、3つの光学特性を測定するのに要する計測時間を短縮することができる。また、測定対象は、静止ビームとすることで、CCDカメラの感度を上げる必要がないのでS/Nを高められる。また、LDを高速にON/OFF制御するパターン発光させる必要がないので、LDの暗電流ノイズ(LED発光させるLD待機電流)も混入しないので、ビーム径の測定精度を高めることができる。このように、倍率誤差と走査線曲がりとビーム径の算出結果をもとに被検レンズの良否判定を実施し、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
また、請求項15記載の発明は、請求項11から14のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記ビーム検出工程は、前記書込みビームのビーム画像を拡大検出するビーム拡大検出工程を有し、前記ビーム拡大検出工程は、前記光走査光学手段における前記ビーム検出手段への入射角度より大きな開口角をもって拡大検出することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、ビーム検出工程が書込みビームのビーム画像を拡大検出するビーム拡大検出工程を有し、例えば、対物レンズを使用した場合に、その開口角(N.A.=Newmerical Aperture)が光学特性測定治具上の走査光学系による前記ビーム検出手段への入射角度より大きなものを使用して拡大検出する。これにより、走査光学系の端の像高においても、ビーム検出手段の向きを変えることなく、そのままビームのビーム画像を取得することができ、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供するができる。
また、請求項16記載の発明は、請求項11から15のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記光学特性測定治具を光軸方向に移動させる光軸方向移動工程を有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、光学特性測定治具を光軸方向に移動する光軸方向移動工程を有する。これにより、結像位置からずらした位置でビーム径を測定することができ、走査光学系の深度余裕を算出することが可能となる。そして、これをもとに、主走査ビームと副走査ビームのビームウェスト位置を算出でき、各ビームウェスト位置の設計値とのずれ量や非点収差に基づく被検レンズの良否判定が可能な、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
また、請求項17記載の発明は、請求項11から16のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記主走査方向ステージ位置検出工程は、前記ビーム検出工程によるビーム検出位置の主走査移動方向の延長線と平行に、ビーム検出位置近傍で検出し、前記副走査方向ステージ位置検出工程は、前記ビーム検出工程によるビーム検出位置の副走査移動方向の延長線上で検出することを特徴とする。
本請求項記載の発明では、主走査方向移動工程により移動したビーム検出手段の主走査方向の位置を検出する主走査方向ステージ位置検出工程による位置検出精度と、副走査方向移動工程により移動したビーム検出手段の副走査方向の位置を検出する副走査方向ステージ位置検出工程による位置検出精度とについてアッベ誤差低減を用いることによって、ビーム位置の測定精度をアップさせることができる。これにより、倍率誤差の測定精度と走査線曲がりの測定精度を高められ、この測定結果に基づく被検レンズの良否判定が可能な、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
また、請求項18記載の発明は、請求項11から17のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、各像高でのビームの結像位置が予め設計された位置から主走査方向及び/又は副走査方向にずれた場合でも、前記ビーム検出工程によりビーム画像を取得するために、前記主走査方向移動工程及び/又は副走査方向移動工程の移動量を予測して追従制御するビーム追従制御工程を有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、主走査方向移動工程及び副走査方向移動工程の移動量を制御するビーム追従制御工程を有する。ビーム検出手段を主走査方向に移動させる主走査方向移動工程と、副走査方向に移動させる副走査方向移動工程と、ビーム追従制御工程とにより、レーザ光を偏向させるレーザ光偏向手段の偏向角度によってビーム結像位置が移動しても、ビーム検出手段でビーム画像を確実に取得できる。これにより、確実な被検レンズの良否判定が可能な、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
また、請求項19記載の発明は、請求項18に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記ビーム追従制御工程は、ビーム像の画面内捕捉アルゴリズムとして、スパイラルボックスサーチ機能を備えることを特徴とする。
本請求項記載の発明は、ビーム追従制御工程にスパイラルボックスサーチ機能を備える。これにより、予測した位置でビーム画像が取得することができない場合でも、その周辺を渦巻状にビーム検出手段を移動させ、この動作をビーム像が検出範囲内で撮像できるまで継続させることが可能となり、静止ビーム計測において、ビーム検出手段がビーム画像を確実に取得することができる。このように、確実な被検レンズの良否判定が可能となる、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
また、請求項20記載の発明は、請求項11から19のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法において、前記レーザ光発生手段と前記レーザ光偏向手段との間に配置される光学素子を移動させて、前記レーザ光の光軸高さを変更する光軸高さ変更工程を有することを特徴とする。
本請求項記載の発明は、レーザ光発生手段とレーザ光偏向手段の間においてレーザ光の光軸高さを変更する光軸高さ変更工程を有する。これにより、レーザ光を偏向させた後、被検レンズに対しレーザ光が透過する副走査方向の位置を変えて、結像させたビームのビーム径を測定することで、被検レンズの副走査方向の有効幅全域においてビーム径の検査を行うことができ、その結果に基づいて被検レンズの良否判定を実施することが可能となる、画像形成装置等で使用される走査レンズの品質を検査する検査方法を提供することができる。
本発明によれば、走査光学系の光学特性である倍率誤差、走査線曲がり量及びビームスポット径を高精度に短時間で計測でき、その計測結果と設定された公差に基づいて被検査対象の走査レンズを良否判定することにより走査レンズの品質を検査する検査装置及び検査方法が実現される。
以下、本発明の実施形態について説明する。まず、本実施形態における走査光学系用レンズの検査装置の概略構成について説明する。次に、該検査装置の測定システムについて説明する。続いて、該検査装置が行う測定動作、測定方法等を述べ、そして、該検査装置による検査例に触れる。
まず、本発明の実施形態における走査光学系用レンズの検査装置の概略構成について詳説する。図1は、本実施形態の走査光学系用レンズの検査装置の概略構成図であり、図2は、該検査装置の側面図である。検査装置1には走査光学系2を配置した光学特性測定用治具3が備えられており,この光学特性測定用治具3上に被検査対象レンズである走査レンズ4が着脱可能な取付治具5によって固定されている。
走査光学系2は、レーザダイオードからなるレーザ光源6と、コリメータレンズ7と、NDフィルタ8と、シリンドリカルレンズ9と、偏向ミラー10と、偏向角回転手段11と、走査レンズ4から構成され、光学特性測定用治具3上に配置される。偏向ミラー10はレーザ光を偏向し、偏向角回転手段11は偏向ミラー10の偏向角度を自動で高精度に回転位置決めし、走査レンズ4は被検レンズでありFθ特性を有する。なお、レーザ光は、走査光学系2により感光体像位置Rに結像するように設計されている。
また、レーザ電源12と偏向角回転手段11とは、検査装置1に対して入出力できるようコネクタ接続されている。レーザ光を発光するレーザ光源6は、検査装置1からの指令により、レーザ電源12によってON/OFF制御される。偏向角回転手段11の回転角度は、内蔵されているロータリエンコーダ25によって検出することができる。検査装置1は、この感光体像位置Rにビーム計測部17が配置されている。
ビーム計測部17は、主走査方向移動ステージ18上に副走査方向移動ステージ19を載せた構成からなる二軸構成の移動ステージ上に搭載されており、主走査方向移動ステージ18は、主走査方向に延在する固定ベース20上に設けられた主走査直動ガイド21に沿って移動可能としている。副主走査方向移動ステージ19は、主走査方向移動ステージ18上に搭載され、副走査直動ガイド22に沿って移動可能としている。主走査方向移動ステージ18及び副走査方向移動ステージ19は、計測部CPU23からの指令により、制御コントローラ24を介して主走査方向及び副走査方向に駆動される。これにより、ビーム計測部17は、ビーム走査領域内の任意の主走査方向位置と副走査方向位置で走査ビームのビーム画像を検出することができる。
また、走査光学系2を配置した光学特性測定用治具3を光軸方向に移動する光軸方向移動ステージ26が設けられ、光学特性測定用治具3とビーム計測部17との相対的な間隔を任意に自動に変えられるようにしている。光軸方向移動ステージ26は、計測部CPU23からの指令により、制御コントローラ24を介して、光学特性測定用治具3が光軸方向に移動するように駆動される。
また、図に示すように、光学特性測定用治具3上に配置された走査光学系2のうち、レーザ光源6と偏向ミラー10との間にある光学素子として、シリンドリカルレンズ9が配置されている。さらに、CYL上下方向移動ステージ36が、シリンドリカルレンズ9を上下方向に移動できるように配置されている。上述したステージは、検査装置1に対して入出力できるようコネクタ接続されている。
そして、ビーム計測部17を主走査方向に移動させる主走査方向移動ステージ18の位置を検出するためのリニアスケール27は、固定ベース20に沿って配置されており、主走査方向移動ステージ18に取り付けられた位置検出ヘッド28によって、主走査方向移動ステージ18の位置を検出することができる。
また、ビーム計測部17を副走査方向に移動させる副走査方向移動ステージ19の位置を検出するためのレーザ測長器29と、固定ベース20からコラム上に配設された門型部材31に沿って配置されている反射用バーミラー30とによって、副走査方向移動ステージ19の位置を検出することができる。
このとき、主走査方向移動ステージ18の移動に伴うビーム計測部17の位置を検出するリニアスケール27が、ビーム計測部17の検出するビーム検出位置の主走査移動方向の延長線と平行に、ビーム検出位置近傍に配置する。また、副走査方向移動ステージ19の移動に伴うビーム計測部17の位置を検出するレーザ測長器29の光路が、ビーム計測部17の検出するビーム検出位置の副走査移動方向の延長線上を通過するように配置する。
図3は、ビーム計測部17の概略構成図である。図で示すように、ビーム計測部17は、CCDカメラ13と、対物レンズ14と、結像レンズ15と、遮光筒16とから構成されており、CCDカメラ13の前段に対物レンズ14と結像レンズ15とを設け、対物レンズ14と結像レンズ15との間の光束が平行になるような無限遠補正光学系を構成している。これにより、結像レンズ15にて、CCDカメラ13の受光素子上に撮像したビーム画像を拡大した画像を取得できるようにしている。また、CCDカメラ13に外部よりノイズ光が入ることを避けるために、対物レンズ14と結像レンズ15との間と、結像レンズ15とCCDカメラ13の受光素子との間には、遮光筒16a及び16bが設けられ、遮光されている。
このとき、対物レンズ14の開口角(N.A.=Newmerical Aperture)は、光学特性測定用治具3上の走査光学系2から入射する角度よりも大きなものを選定する。一般的には、対物レンズ14の開口角は、拡大倍率が大きいほど大きい値となるが、拡大倍率をあまりに大きくすると、拡大検出されるビーム画像がCCDカメラ13の画角から外れやすくなるというトレードオフの関係になっている。本実施形態においては、拡大倍率20倍の対物レンズ14を選定している。また、CCDカメラ13の画素サイズは6μm×6μmで画素数は60万画素(600×800)のものを選定している。これにより、ビーム計測部17が走査光学系の端部側にあっても、ビーム計測部17の検出方向を変えることなく、ビーム画像を取得することができる。
次に、本発明の実施形態における走査光学系用レンズの検査装置の測定システムについて図1を参照しながら説明する。
検査装置1は、走査光学系2のレーザ光源6を発光制御する発光制御手段12に対して発光指令を行う。また、検査装置1は、計測部CPU23からの指令により、感光体像位置R上に結像させる像高に応じ、予め設計された偏向ミラー10の偏向角に対応する指令値で、制御コントローラ24を介して、偏向角回転手段11を回転位置決めするよう指令を出す。
そして、検査装置1は、ビーム計測部17の主走査方向の移動量に応じて、制御コントローラ24を介して、主走査方向移動ステージ18の位置決め指令を行う。また、ビーム計測部17の副走査方向の移動量に応じて、制御コントローラ24を介して、副走査方向移動ステージ19の位置決め指令を行う。
そして、検査装置1は、走査光学系2を配置した光学特性測定用治具3を光軸方向への移動量に応じて、制御コントローラ24を介して、光軸方向移動ステージ31の位置決め指令を行う。また、走査光学系2を配置した光学特性測定用治具3内で、シリンドリカルレンズ9を上下方向への移動量に応じて、制御コントローラ24を介して、CYL上下方向移動ステージ36の位置決め指令を行う。
このとき、偏向角回転手段11の回転角度は、内蔵されているロータリエンコーダ25によって検出され、偏向角データ保存部32に保存される。
また、主走査方向移動ステージ18の移動に伴うビーム計測部17の主走査方向位置の変化は、リニアスケール27及び位置検出ヘッド28によって検出され、位置データ保存部33に保存される。また、副走査方向移動ステージ19の移動に伴うビーム計測部17の副走査方向位置の変化は、レーザ測長器29によって検出され、位置データ保存部33に保存される。
また、CCDカメラ13で撮像されたビーム画像は、電気信号に変換し、画像信号として、直ちに画像データ処理部34に転送される。転送完了と同時にクリア信号を送信し、蓄積した電荷をクリアし、次の検出に備えて検出可能状態に戻す。なお、本実施形態のCCDカメラ13は、受光量をA/D変換して、例えば、10bitのデータに変換し、1024階調の画像データを使用している。
このとき、主走査方向移動ステージ18の位置は、リニアスケール27により、CCDカメラ13からの撮像のタイミングと同期して、位置データ保存部33に転送される。また、同様に、副走査方向移動ステージ19の位置も、レーザ測長器29により、CCDカメラ13からの撮像のタイミングと同期して、位置データ保存部33に転送される。
画像データ処理部34では、撮像したビーム画像を画像処理することで、その画面内で主走査方向と副走査方向のビーム位置の演算と、主走査方向と副走査方向のビーム径の演算とを行う。
主走査方向ビーム位置算出部37は、位置データ保存部33に保存された主走査方向移動ステージ18の位置情報と、画像データ処理部34で算出された画面内のビーム主走査位置の情報とに基づいて、ビームの主走査位置を算出する。また、副走査方向ビーム位置算出部38は、位置データ保存部33に保存された副走査方向移動ステージ18の位置情報と、画像データ処理部34で算出された画面内のビーム副走査位置の情報から、ビームの副走査位置を算出する。
また、ビーム径算出部39は、画像データ処理部34で演算された主走査方向と副走査方向のビーム径を格納する。
計測部CPU23に良否判定部35を備えており、光学特性算出部40が行う各工程、すなわち倍率誤差算出工程、走査線曲がり算出工程及びビーム径算出工程での算出結果に基づいて走査レンズ4の良否判定を行う。なお、計測部CPU23は、主走査方向ビーム位置算出部37、副走査方向ビーム位置算出部38、ビーム径算出部39及び光学特性算出部40を備えている。
ところで、レーザ光は、走査光学系2により感光体像位置Rに結像するように設計されているが、被検査対象の走査レンズ4は、形状のばらつきなどによって、偏向ミラー10の偏向角が同じであっても、実際に結像する位置が主走査方向、副走査方向ともに設計された位置からずれる。形状のばらつきは像高によっても異なるので、感光体像位置Rに配置したビーム計測部17の位置も主走査方向及び副走査方向に調整して、結像位置のビーム画像を取得する必要がある。
そこで、ビーム計測部17の位置を調整量に応じて移動させることとし、このときの主走査方向の位置調整に際して主走査方向移動ステージ18を用いる。また、副走査方向の位置の調整にあたっては副走査方向移動ステージ19を用いる。
また、ビーム画像が、検出画面から完全に無くなる場合は、後述するスパイラルボックスサーチ機能を使い、所定のアルゴリズムで、ビーム計測部17を主走査方向と副走査方向に移動させ、検出画面内にビーム画像を取り込むことができるようにしている。
次に、本発明の実施形態における走査光学系用レンズの検査装置が行う測定動作について図1に基づいて説明する。
まず、光学特性測定用治具3上に被検査対象である走査レンズ4を取付治具5に固定させてから検査特性値の測定を開始する。
次に、検査装置1より、走査光学系2に対してレーザ光源系6からレーザ光を連続照射させる。出射したレーザ光は、コリメータレンズ7によって平行化され、シリンドリカルレンズ9によって偏向ミラー10の鏡面に線状になるように集光され、NDフィルタ8によって光量を調整される。その後、偏向角回転手段11により回転する偏向ミラー10において偏向され、被検査レンズでありFθ特性を有する走査レンズ4を介して、感光体像位置Rに結像する。このとき、レーザ光の結像位置が、予め設定された主走査方向の位置にくるように、偏向ミラー10を偏向角回転手段11によって所定角度毎に回転位置決めすることで、予め設定された主走査方向の位置に等間隔にビームを結像させることができる。
次に、感光体像位置R上に結像した書込みビームに対し、ビーム計測部17を移動させる。このとき、主走査方向への移動には主走査方向移動ステージ18を用い、副走査方向への移動には副走査方向移動ステージ19を用いる。
そして、ビーム計測部17のCCDカメラ13にてビーム画像として撮像される。撮像したビーム画像は、電気信号に変換して、CCDカメラ13から直ちに画像データ処理部34に転送される。このとき、主走査方向移動ステージ18の現在位置は、CCDカメラ13からの撮像のタイミングと同期して、位置データ保存部33に転送される。また、同様に、副走査方向移動ステージ29の現在位置も、CCDカメラ13からの撮像のタイミングと同期して、位置データ保存部33に転送される。画像データ処理部34では、撮像したビーム画像を画像処理することで、その画面内で主走査方向と副走査方向のビーム位置の演算と、主走査方向と副走査方向のビーム径の演算とを行う。
画像データ処理部34で演算されたビーム径及び画面内ビーム位置と、位置データ保存部33に保存された主走査方向移動ステージ及び副走査方向移動ステージの位置情報と、偏向角データ保存部32に保存された偏向角度情報とに基づいて、光学特性算出部40が光学特性、すなわち倍率誤差、走査線曲がり量、ビーム径の算出を行う。そして、計測部CPU23に備えた良否判定部35は、光学特性算出部40の行う各工程、つまり倍率誤差算出工程、走査線曲がり量算出工程及びビーム径算出工程での算出結果に基づいて、走査レンズ4の良否判定を行う。
これらの一連の動作をFθレンズ走査面内全域のおいて所定回数繰り返し行う。走査光学系2の走査幅全域における測定が終了すると、その結果に基づいてレンズの良否を自動判定する。それと同時に、制御コントローラ24によって各ステージは測定開始点に自動復帰し、次の被検査レンズの検査を行えるように準備する。
次に、本発明の実施形態における走査光学系用レンズの検査装置が行う測定方法について説明する。
図4は、本実施形態の走査光学系用レンズ検査装置の各検査特性値の測定方法を示す図で、ある評価像高において、測定対象の静止ビームを対物レンズ14で拡大してCCDカメラ13で取得したビーム画像を模式的に示したものである。取得したビーム画像に画像処理を施すことにより、主走査方向及び副走査方向のビーム径(Dx,Dy)と画面内での主走査方向及び副走査方向のビーム位置(dx,dy)とを同時に求めている。これにより,主走査方向及び副走査方向のビーム位置は,画面内のビーム位置(dx,dy)と計測部の位置(X,Y)とを加算することにより求められる。本実施形態では、画像処理で求まるビーム位置は重心位置を採用している。
倍率誤差の検査を行う場合は、偏向角回転手段11の偏向角度を所定ピッチで回転させ、同時に、主走査方向移動ステージ18を移動させて、評価像高を所定ピッチ変えて測定することで検査を行う。光学特性算出部40が行う倍率誤差算出工程において、主走査方向ビーム位置データを用いて求めた2つのビーム画像の主走査方向ビーム位置と、偏向角回転手段11の偏向角度とから、走査光学系の倍率誤差を算出する。主走査方向のビーム位置測定精度は,CCD13の画面内のビーム位置検出精度と、移動に伴うビーム計測部17の主走査方向の位置検出精度によって決まる。
走査線曲がりの検査を行う場合は、偏向角回転手段11の偏向角度を所定ピッチで回転させ、同時に、副走査方向移動ステージ19を移動させて,評価像高を所定ピッチ変えて測定することで検査を行う。光学特性算出部40が行う走査線曲がり算出工程において、副走査方向ビーム位置データをもとに走査線曲がりの評価を行う。副走査方向のビーム位置測定精度は,CCD13の画面内のビーム位置検出精度と、移動に伴うビーム計測部17の副走査方向の位置検出精度によって決まる。
ビーム径の検査を行う場合は、主走査方向移動ステージ18を移動させて,評価像高を所定ピッチで変えて測定することで検査を行う。光学特性算出部40が行うビーム径算出工程にて、各像高で取得した主走査方向及び副走査方向のビーム径(Dx,Dy)をもとに評価を行う。
また、本実施形態では、特定の像高において、光軸方向移動手段26を移動させてビーム径を測定した結果に基づいて、測定した深度カーブを測定することができる。測定像高を複数で測定することにより、走査レンズの深度余裕を検査することができる。
図5は、本実施形態において検査装置のビーム追従制御方法を説明した図である。ビーム画像は、常にCCDカメラ13の画面内中央で測定するアルゴリズムを採用して取得される。そこで、所定の検出位置にて検出されたビーム像において、ビーム画面中心からの位置ずれ量を求める。主走査方向については、現在検出した位置と次の検出位置までの設計上計算された主走査方向の距離を求め、先ほど求めた主走査方向の位置ずれ量を加算して、主走査方向にビーム検出手段17を移動させる。また、副走査についても、主走査方向の場合と同様の方法で求めた副走査方向の位置ずれ量を修正する量だけ、副走査方向にビーム検出手段17を移動させる。以上のようにして、画面内中央でビーム画像を取得する追従制御を行う。
図6は、本検査装置のビームサーチ方法を説明した図である。上述したビーム追従制御手段を用いても、ビームを検出画面内で捕えることができなかった場合、同図に示すような軌道で追従するスパイラルボックスサーチ機能を使用する。この方法は、検出しようとした初期位置に対して、ビーム計測部17の主走査方向と副走査方向にそれぞれ、所定の移動量を機械的に付与して、渦巻状に位置を変えて、周辺部に隠れたビーム画像を検出する方法である。
また、CYL上下方向移動ステージ36を上下動させた場合には、被検査対象の走査レンズを通過する光束の高さを変えることができ、これにより、有効幅内で通過する位置を変えて検査を行うことが可能となる。
次に、本発明の実施形態における走査光学系用レンズの検査装置による検査例を説明する。
走査レンズ4にはプラスチックレンズを用いる。また、偏向ミラー10の偏向角を偏向角回転手段11により、3°ピッチでさせることで、走査ビームの結像位置の位置決めを行う。なお、このとき用いた偏向角回転手段11は、サーボモータ駆動で、回転角度をロータリエンコーダ25で検出しながら回転制御することができ、指令できる回転角度分解能は、0.002°である。また、ビーム計測部17を搭載した主走査方向移動ステージ18には、同じくサーボモータ駆動でき、位置決め最小分解能が0.1μmで、位置決め長さは500mmのものを使用する。
測定は、走査光学系2の有効使用範囲内を25mmピッチとし、13ポイントで行う。ビーム計測部17は走査光学系2の結像位置に配置され、主走査方向に300mm移動する。この走査光学系2では、感光体結像位置R上に50μmの円形ビームに集光されるよう設計されている。
また、測定は、前述のように、各測定像高で、主走査方向及び副走査方向のビーム径(Dx,Dy)と、画面内での主走査方向及び副走査方向のビーム位置(dx,dy)とを同時に算出して、これらのDx、Dy、dx、dyの4つのデータを用いて、光学特性算出部40の行う倍率誤差算出工程、走査線曲がり算出工程及びビーム径算出工程にて演算し、倍率誤差、走査線曲がり及びビーム径が計算される。
測定結果の一例を図7及び図8に示す。図7は、結像したビームのビーム画像である。本実施形態の検査装置では、測定と同時にパソコンモニタに各測定点の測定結果が表示される。そして、全域の測定が終了すると、倍率誤差、走査線曲がり及びビーム径の測定結果がグラフとして図8のようにパソコンモニタに表示される。測定者はこのグラフを見て、瞬時に被検査レンズの良否判定を行うことができる。なお、本実施例では被検レンズの脱着時間を除くと検査に要する時間はおよそ20秒である。
従来において走査状態でビームの主走査方向の位置を検出する際には、書出し位置が同期検知信号により決定されるために、測定対象となるビーム位置が主走査方向に揺らいでおり、時間的に不安定であった。このため、2つのビーム位置からビームの間隔を求めると、それぞれの位置での測定誤差によって、倍率誤差の測定精度を高められない。これに対して、上記の実施形態によれば、静止ビーム計測であるため、測定対象となるビームの主走査方向の位置が時間的に安定して停止しており、それぞれの位置でのビーム主走査方向の位置の測定誤差が小さく、倍率誤差の測定精度を高められる。この測定結果をもとに被検レンズの良否判定の検査を行えるため、画像形成装置内で走査光学系に組み付けられる走査レンズの品質を保証することができる。
また、上記の実施形態によれば、走査光学系の走査線曲がり量を算出し、この算出結果をもとに被検レンズの良否判定の検査を行えるため、画像形成装置内で走査光学系に組み付けられる走査レンズの品質を保証することができる。
従来における走査状態でのビーム径測定では、LDの待機電流に起因する案電流ノイズやLD発光パターンの発光時間ばらつきにより測定精度を高められない。これに対して、上記の実施形態によれば、測定対象を静止ビーム計測とすることで、これらの問題がなく測定精度を高められることができる。
また、上記の実施形態によれば、各像高における走査光学系の倍率誤差と走査線曲がり量とビームスポット径とを同時に算出することできるので、3つの光学特性検査を同時に行うことができる。つまり、検査時間を短縮することも可能であり、同じ検査時間であれば評価ポイント増やすことで、信頼性を高める検査を行うことも可能となる。このため、画像形成装置内で走査光学系に組付けられる走査レンズが設計仕様を満足する品質であるかをより確実に保証することができる。
また、上記の実施形態によれば、ビーム拡大検出手段として使用した対物レンズの開口角(N.A.=Newmerical Aperture)が光学特性測定治具上の走査光学系によるビーム検出手段への入射角度より大きなものを使用することで、走査光学系の端の像高においても、ビーム検出手段の方向を変えることなく、そのままビームのビーム画像を取得することができる。さらに、CCDカメラへのビーム画像を拡大検出することで、CCDカメラの解像度を上げることができ、ビーム径及びビーム位置の測定精度を高めることができる。
また、上記の実施形態によれば、結像位置からずらした位置でビーム径を測定することができ、走査光学系の深度余裕を取得することが可能となる。そして、これをもとに、主走査ビームと副走査ビームのビームウェスト位置を算出でき、各ビームウェスト位置の設計値とのずれ量や非点収差に基づいて、被検レンズの良否判定を実施することができるので、画像形成装置内で走査光学系に組付けられる走査レンズが設計仕様を満足する品質であるか保証することができる。
また、上記の実施形態によれば、主走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の主走査方向の位置を検出する主走査方向ステージ位置検出手段による位置検出精度と、副走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の副走査方向の位置を検出する副走査方向ステージ位置検出手段による位置検出精度をアッベ誤差低減によって、ビーム位置の測定精度をアップさせることができる。これにより、倍率誤差の測定精度と走査線曲がりの測定精度を高められる。この測定結果をもとに被検レンズの良否判定の検査を行えるため、画像形成装置内で走査光学系に組付けられる走査レンズの品質を保証することができる。
また、上記の実施形態によれば、ビーム位置の測定結果をもとに,画面中心からのズレ量から、補正量として、主走査方向と副走査方向の位置補正量をそれぞれ算出し、次の測定ポイントで、設計値に補正量を予め加えた量だけビーム検出手段を移動させ、画面内中央近傍でビーム像を捕えられるようにすることができる。これにより、静止ビーム計測においても、ビーム検出手段がビーム画像を取得できる可能性を高めることができる。
また、上記の実施形態によれば、ビーム追従制御手段にスパイラルボックスサーチ機能を付加することで、予測した位置でビーム画像が取得することができない場合でも、その周辺を渦巻状にビーム検出手段を移動させ、この動作をビーム像が検出範囲内で撮像できるまで継続させることが可能となる。これにより、静止ビーム計測においても、ビーム検出手段がビーム画像を確実に取得することができる。
また、上記の実施形態によれば、光学特性測定治具上で、レーザ光源より発光されたレーザ光の光軸高さを変更することで、レーザ光を偏向させたのち、被検レンズに対しレーザ光が透過する副走査方向の位置を変えて、像面に書込みビームを結像させることができる。この書込みビームのビーム画像からビーム径を算出することで、被検レンズの副走査有効幅の範囲内を通過したビームであればそのビーム径を取得でき、この算出結果によって、被検レンズの有効幅全域に渡って良否判定の検査を行うことで、有効幅全域に渡って品質を保証することができる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置の側面図である。 本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置で使用されるビーム検出手段の概略構成図である。 本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置における測定方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置におけるビーム追従制御方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置におけるビーム追従制御方法を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置で撮像したビーム画像を表した図である。 本発明の実施形態に係る走査光学系用レンズの検査装置での各光学特性値の測定結果を表した図ある。
符号の説明
1 検査装置
2 走査光学系
3 光学特性測定用治具
4 走査レンズ
5 取付治具
6 レーザ光源
7 コリメータレンズ
8 NDフィルタ
9 シリンドリカルレンズ
10 偏向ミラー
11 偏向角回転手段
12 レーザ電源
13 CCDカメラ
14 対物レンズ
15 結像レンズ
16a,b 遮光筒
17 ビーム計測部
18 主走査方向移動ステージ
19 副走査方向移動ステージ
20 固定ベース
21 主走査直動ガイド
22 副走査直動ガイド
23 計測部CPU
24 制御コントローラ
25 ロータリエンコーダ
26 光軸方向移動ステージ
27 リニアスケール
28 位置検出ヘッド
29 レーザ測長器
30 反射用バーミラー
31 門型部材
32 偏向角データ保存部
33 位置データ保存部
34 画像データ処理部
35 良否判定部
36 CYL上下方向移動ステージ
37 主走査方向ビーム位置算出部
38 副走査方向ビーム位置算出部
39 ビーム径算出部
40 光学特性算出部

Claims (20)

  1. レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、前記レーザ光発生手段によるレーザ光を偏向するレーザ光偏向手段と、前記レーザ光偏向手段を高精度に回転位置決めする偏向角回転手段と、結像位置に書込みビームを結像させる光走査光学手段と、前記光走査光学手段を着脱可能とする着脱手段とからなるレーザ走査光学系を配置した光学特性測定治具と、
    前記書込みビームのビーム画像を前記結像位置で撮像し取得するビーム検出手段と、
    前記ビーム検出手段を主走査方向へ移動させる主走査方向移動手段と、
    前記ビーム検出手段を副走査方向へ移動させる副走査方向移動手段と、
    前記主走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の主走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する主走査方向ステージ位置検出手段と、
    前記副走査方向移動手段により移動したビーム検出手段の副走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する副走査方向ステージ位置検出手段と、
    前記ビーム検出手段により取得したビーム画像に画像処理を施して撮像画面内のビーム重心位置を算出する画面内ビーム位置算出手段と、
    前記書込みビームの位置を算出するビーム位置算出手段と、
    前記偏向角回転手段の回転角度をビーム撮像のタイミングで検出する偏向角検出手段と、
    前記光走査光学手段の光学特性を算出する光学特性算出手段と、
    前記光学特性算出手段による光学特性に基づいて前記光走査光学手段の良否判定を行う良否判定手段とを有することを特徴とするレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  2. 前記ビーム位置算出手段は、前記画面内ビーム位置算出手段によるビーム重心位置及び前記主走査方向ステージ位置検出手段によるビーム検出手段の主走査方向位置に基づいて前記書込みビームの主走査方向の位置を算出する主走査方向ビーム位置算出手段を有し、
    前記光学特性算出手段は、所定の2つの異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記主走査方向ビーム位置算出手段による2つの書込みビームの主走査方向位置から求めたビーム像の間隔と、前記偏向角回転手段の偏向角度とに基づいて、前記光走査光学手段の倍率誤差を算出することを特徴とする請求項1に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  3. 前記ビーム位置算出手段は、前記画面内ビーム位置算出手段によるビーム重心位置及び前記副走査方向ステージ位置検出手段によるビーム検出手段の副走査方向位置に基づいて前記書込みビームの副走査方向の位置を算出する副走査方向ビーム位置算出手段を有し、
    前記光学特性算出手段は、所定の複数の異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記副走査方向ビーム位置算出手段による複数の書込みビームの副走査方向位置に基づいて、前記光走査光学手段の走査線曲がり量を算出することを特徴とする請求項2に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  4. 前記ビーム検出手段で取得したビーム画像に画像処理を施してビーム径を算出するビーム径算出手段を有し、
    前記光学特性算出手段は、像面上の複数像高で、前記書込みビームの主走査方向位置、前記書込みビームの副走査方向位置及び前記ビーム径を同時に算出し、前記算出結果に基づいて前記光走査光学手段の倍率誤差、走査線曲がり量及びビーム径を同時に算出することを特徴とする請求項3に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  5. 前記ビーム検出手段は、前記書込みビームのビーム画像を拡大検出するビーム拡大検出手段を備え、
    前記ビーム拡大検出手段は、前記光走査光学手段における前記ビーム検出手段への入射角度より大きな開口角を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  6. 前記光学特性測定治具を光軸方向に移動させる光軸方向移動手段を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  7. 前記主走査方向ステージ位置検出手段は、前記ビーム検出手段によるビーム検出位置の主走査移動方向の延長線と平行に、ビーム検出位置近傍に設置され、
    前記副走査方向ステージ位置検出手段は、前記ビーム検出手段によるビーム検出位置の副走査移動方向の延長線上に設置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  8. 各像高でのビームの結像位置が予め設計された位置から主走査方向及び/又は副走査方向にずれた場合でも、前記ビーム検出手段がビーム画像を取得するために、前記主走査方向移動手段及び/又は副走査方向移動手段の移動量を予測して追従制御するビーム追従制御手段を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  9. 前記ビーム追従制御手段は、ビーム像の画面内捕捉アルゴリズムとして、スパイラルボックスサーチ機能を備えることを特徴とする請求項8に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  10. 前記レーザ光発生手段と前記レーザ光偏向手段との間に配置される光学素子を移動させて、前記レーザ光の光軸高さを変更する光軸高さ変更手段を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定装置。
  11. レーザ光を発生させるレーザ光発生手段と、前記レーザ光発生手段によるレーザ光を偏向するレーザ光偏向手段と、前記レーザ光偏向手段を高精度に回転位置決めする偏向角回転手段と、結像位置に書込みビームを結像させる光走査光学手段と、前記光走査光学手段を着脱可能とする着脱手段とからなるレーザ走査光学系を配置した光学特性測定治具及びビーム検出手段を有するレーザ走査光学系の光学特性測定装置が行う測定方法であって、
    前記書込みビームのビーム画像を前記結像位置で撮像し取得するビーム検出工程と、
    前記ビーム検出手段を主走査方向へ移動させる主走査方向移動工程と、
    前記ビーム検出手段を副走査方向へ移動させる副走査方向移動工程と、
    前記主走査方向移動工程により移動したビーム検出手段の主走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する主走査方向ステージ位置検出工程と、
    前記副走査方向移動工程により移動したビーム検出手段の副走査方向の位置をビーム撮像のタイミングで検出する副走査方向ステージ位置検出工程と、
    前記ビーム検出工程により取得したビーム画像に画像処理を施して撮像画面内のビーム重心位置を算出する画面内ビーム位置算出工程と、
    前記書込みビームの位置を算出するビーム位置算出工程と、
    前記偏向角回転手段の回転角度をビーム撮像のタイミングで検出する偏向角検出工程と、
    前記光走査光学手段の光学特性を算出する光学特性算出工程と、
    前記光学特性算出工程による光学特性に基づいて前記光走査光学手段の良否判定を行う良否判定工程とを有することを特徴とするレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  12. 前記ビーム位置算出工程は、前記画面内ビーム位置算出工程によるビーム重心位置及び前記主走査方向ステージ位置検出工程によるビーム検出手段の主走査方向位置に基づいて前記書込みビームの主走査方向の位置を算出する主走査方向ビーム位置算出工程を有し、
    前記光学特性算出工程は、所定の2つの異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記主走査方向ビーム位置算出工程による2つの書込みビームの主走査方向位置から求めたビーム像の間隔と、前記偏向角回転手段の偏向角度とに基づいて、前記光走査光学手段の倍率誤差を算出することを特徴とする請求項11に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  13. 前記ビーム位置算出工程は、前記画面内ビーム位置算出工程によるビーム重心位置及び前記副走査方向ステージ位置検出工程によるビーム検出手段の副走査方向位置に基づいて前記書込みビームの副走査方向の位置を算出する副走査方向ビーム位置算出工程を有し、
    前記光学特性算出工程は、所定の複数の異なる偏向角度で偏向されたビームについて、前記副走査方向ビーム位置算出工程による複数の書込みビームの副走査方向位置に基づいて、前記光走査光学手段の走査線曲がり量を算出することを特徴とする請求項12に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  14. 前記ビーム検出工程で取得したビーム画像に画像処理を施してビーム径を算出するビーム径算出工程を有し、
    前記光学特性算出工程は、像面上の複数像高で、前記書込みビームの主走査方向位置、前記書込みビームの副走査方向位置及び前記ビーム径を同時に算出し、前記算出結果に基づいて前記光走査光学手段の倍率誤差、走査線曲がり量及びビーム径を同時に算出することを特徴とする請求項13に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  15. 前記ビーム検出工程は、前記書込みビームのビーム画像を拡大検出するビーム拡大検出工程を有し、
    前記ビーム拡大検出工程は、前記光走査光学手段における前記ビーム検出手段への入射角度より大きな開口角をもって拡大検出することを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  16. 前記光学特性測定治具を光軸方向に移動させる光軸方向移動工程を有することを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  17. 前記主走査方向ステージ位置検出工程は、前記ビーム検出工程によるビーム検出位置の主走査移動方向の延長線と平行に、ビーム検出位置近傍で検出し、
    前記副走査方向ステージ位置検出工程は、前記ビーム検出工程によるビーム検出位置の副走査移動方向の延長線上で検出することを特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  18. 各像高でのビームの結像位置が予め設計された位置から主走査方向及び/又は副走査方向にずれた場合でも、前記ビーム検出工程によりビーム画像を取得するために、前記主走査方向移動工程及び/又は副走査方向移動工程の移動量を予測して追従制御するビーム追従制御工程を有することを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  19. 前記ビーム追従制御工程は、ビーム像の画面内捕捉アルゴリズムとして、スパイラルボックスサーチ機能を備えることを特徴とする請求項18に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
  20. 前記レーザ光発生手段と前記レーザ光偏向手段との間に配置される光学素子を移動させて、前記レーザ光の光軸高さを変更する光軸高さ変更工程を有することを特徴とする請求項11から19のいずれか1項に記載のレーザ走査光学系の光学特性測定方法。
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