JPH11264946A - 光走査装置および光走査装置用の線像結像光学系 - Google Patents

光走査装置および光走査装置用の線像結像光学系

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JPH11264946A
JPH11264946A JP6662598A JP6662598A JPH11264946A JP H11264946 A JPH11264946 A JP H11264946A JP 6662598 A JP6662598 A JP 6662598A JP 6662598 A JP6662598 A JP 6662598A JP H11264946 A JPH11264946 A JP H11264946A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光源側光学系のレイアウトが容易で、光学性能
の良い光走査装置を実現する。 【解決手段】光源側からの光束を線像結像光学系により
一方向的に集束させつつ、入射平面鏡により反射させて
光偏向器の偏向反射面近傍に線像として結像させ、光偏
向器による偏向光束を走査結像光学系により被走査面上
に光スポットとして集光させて上記被走査面の光走査を
行う光走査装置において、入射平面鏡14は、その鏡面
が主走査対応方向および副走査対応方向に対して傾けら
れ、光偏向器の偏向反射面への入射光束と偏向反射面に
よる反射光束とが副走査対応方向に有限の角をなし、1
方向にのみ正のパワーを有する線像結像光学系12にお
けるパワーの無い方向を主査応対方向に対して傾ける傾
き角:γを調整することにより、線像結像光学系12に
より偏向反射面近傍に結像する線像の長手方向が主走査
対応方向に合致するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は光走査装置および
光走査装置用の線像結像光学系に関する。
【0002】
【従来の技術】光偏向器により偏向される光束を、走査
結像光学系により被走査面上に光スポットとして集光さ
せて光走査を行う光走査装置は、光プリンタやデジタル
複写装置等の画像形成装置に関連して広く知られてい
る。このような光走査装置において、LD等の光源から
の光束はカップリングレンズによりカップリングされて
「以下の光学系に適合する光束」に変換され、シリンド
リカルレンズ等の線像結像光学系により副走査対応方向
(光源から被走査面に至る光路上で副走査方向に対応す
る方向)に集束され、光偏向器の偏向反射面近傍に主走
査対応方向(光源から被走査面に至る光路上で主走査方
向に対応する方向)に長い線像に結像される。これは、
走査結像光学系の結像における副走査対応方向の物点を
上記線像とすることにより、光偏向器における「面倒
れ」を補正するためである。光源側からの光束を偏向反
射面に入射させるための「光源側光学系」は、従来、光
偏向器における偏向反射面の回転軸に直交する面内で、
走査結像光学系と同一面内に配備されるのが一般的であ
った。このような場合、走査結像光学系の光軸と光源側
光学系の光軸とは互いに角をなすが、この「角」がある
程度小さくなると、光偏向器で偏向される光束が光源側
光学系により「ケラれる」ことになるので、上記角は
「ある程度の大きさ」が必要である。また、上記「角」
が大きくなると、偏向光束に所望の偏向角を確保するた
めに偏向反射面を大きくする必要があり、結果的に光偏
向器が大型化することになる。
【0003】このような問題を解消できる光学配置とし
て、図5(a),(b)に示す如きものが意図されてい
る。即ち、光源側からの光束を、図示されない線像結像
光学系により副走査対応方向に集束させつつ入射平面鏡
4に入射させ、入射平面鏡4により反射させて光偏向器
である回転多面鏡16の偏向反射面に入射させる。偏向
反射面による反射光束は回転多面鏡16の回転とともに
偏向し、走査結像光学系であるfθレンズ18に入射
し、「被走査面」の実体をなす光導電性の感光体20の
周面上に光スポットとして集光し感光体20の光走査を
行う。光源側からの光束の主光線は、図5(a)に示す
ように、回転多面鏡16の回転軸AXの方向からみる
と、回転軸AXとfθレンズ18の光軸とを実質的に含
む平面内で入射平面鏡に入射して反射され、回転多面鏡
16の偏向反射面に入射する。光源側からの光束の主光
線は、図5(b)に示すように、回転多面鏡16の回転
軸に直交する方向から見ると、回転多面鏡16の回転軸
に直交する方向から入射平面鏡4に入射する。入射平面
鏡4の鏡面は、図5(b)に示すように、副走査対応方
向(図の上下方向)に対して角:θだけ傾けられ、入射
平面鏡4による反射光線(主光線)は、入射平面鏡4へ
の入射光線に対して「2θ」だけ傾いて偏向反射面に入
射する。従って、偏向反射面への入射光線と偏向光束の
主光線とは、副走査対応方向(図5(b)の上下方向)
において、互いに角:4θをなすことになる。なお、光
源側からの光束は、図示されない線像結像光学系の作用
により、回転多面鏡16の偏向反射面位置に「主走査対
応方向に長い線像」として結像する。
【0004】図5(a),(b)に示す光学配置の利点
は、入射平面鏡4を介して回転多面鏡16の偏向反射面
に入射する光束が、実質的に回転多面鏡16の回転軸と
fθレンズ18の光軸とを含む平面内になるので、偏向
反射面を小さくしても大きい偏向角を実現でき、回転多
面鏡を小型化できることである。図5(a),(b)に
示す光学配置において、入射平面鏡4の「副走査対応方
向に対する傾き角:θ」を2度に設定した。このとき、
偏向反射面へ入射する光束と偏向光束とは副走査対応方
向において互いに「8度の角」をなす。このような光学
配置で、fθレンズ18の光学特性を良好に補正したと
きの主・副走査方向の像面湾曲を図5(c)に示す。破
線で示す主走査方向の像面湾曲も実線で示す像面湾曲も
共に良好に補正されている。図5(a),(b)に示す
光学配置では、回転多面鏡16による光束偏向が、fθ
レンズ18の光軸と回転多面鏡16の回転軸とを含む平
面に対して対称的に行われるため、偏向反射面近傍に結
像する「主走査対応方向に長い線像」と偏向反射面との
回転多面鏡の回転に伴うずれ(所謂「サグ」)も主走査
方向の中央部に対して主走査方向の各側に対して対称的
に発生するので、像面湾曲は主・副走査方向とも、図5
(c)に示すように「光スポットの像高:0に対して対
称的」に発生している。
【0005】図5(a),(b)の光学配置は上記の如
き利点を有するが、レイアウトの面から見ると、光源側
光学系と光偏向器とを「空間的に互いに干渉し合わな
い」ようにレイアウトするのが難しい。そこでレイアウ
トの面から、図5の光学配置を改良した光学配置とし
て、図6(a),(b)に示す如きものが考えられる。
即ち、入射平面鏡14を、図6(a)に示すように「主
走査対応方向に対して角:α傾ける」と共に、図6
(b)に示すように「副走査対応方向に対して角:β傾
ける」ことにより、光源10側から線像結像光学系12
を経て入射平面鏡14に至る光路を図6(a)のよう
に、回転多面鏡16から離すのである。このような光学
配置だと、光学系のレイアウトは、図5(a),(b)
に示すものに比してずっと容易になる。なお、図6
(a)において符号11はカップリングレンズ、符号A
Pはビーム整形用のアパーチュアを示す。図6(a),
(b)に示す光学配置で、入射平面鏡14の主走査対応
方向に対する傾き角:αを30.04度、副走査対応方
向に対する傾き角:βを2.31度に設定すると、入射
平面鏡14に反射されて回転多面鏡16の偏向反射面に
入射する光束の主光線は、図5の光学配置と同様に、回
転多面鏡16の回転軸に直交する平面に対して4度の角
をなし、偏向反射面への入射光束と偏向光束とは副走査
対応方向において8度の角をなして分離する。光源側光
学系における線像結像光学系12により、偏向反射面へ
の入射光束を偏向反射面近傍に線像として結像させ、図
5に示したfθレンズ18で、感光体20上に光スポッ
トを集光して光走査を行うようにした場合、偏向光束に
関する像面湾曲は、図6(c)のように、図5の場合
(同図(c))に比して劣化することが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、光源側光
学系のレイアウトが容易で、なおかつ光学性能の良い光
走査装置の実現を課題とする。この発明はまた、上記光
走査装置に好適に用いられる線像結像光学系の実現を別
の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の光走査装置は
「光源側からの光束を線像結像光学系により一方向的に
集束させつつ、入射平面鏡により反射させて光偏向器の
偏向反射面近傍に線像として結像させ、光偏向器による
偏向光束を走査結像光学系により被走査面上に光スポッ
トとして集光させて、被走査面の光走査を行う光走査装
置」であって、以下の如き特徴を有する(請求項1)。
即ち、入射平面鏡は、その鏡面が主走査対応方向および
副走査対応方向に対して傾いており、光偏向器の偏向反
射面への入射光束と偏向反射面による反射光束とが副走
査対応方向に有限の角をなし、1方向にのみ正のパワー
を有する線像結像光学系におけるパワーの無い方向を主
査応対方向に対して傾ける傾き角を調整することによ
り、線像結像光学系により偏向反射面近傍に結像する線
像の長手方向が主走査対応方向に合致するようにした。
光源側において、光源としては半導体レーザ(LD)や
LEDを好適に利用することができる。光源からの光束
はカップリングレンズにより以下の光学系にカップリン
グされるが、カップリング後の光束は「平行光束」とな
ることも「弱い発散性の光束もしくは弱い集束性の光
束」となることもできる。「光偏向器」としては、3面
以上の偏向反射面をもつ回転多面鏡や回転2面鏡、回転
単面鏡等を利用できる。「走査結像光学系」は、fθ機
能のような光走査等速化機能を持つアナモルフィックな
レンズや、結像機能と光走査等速化機能とを持つ凹面
鏡、あるいはレンズと凹面鏡の組合せ等として実現でき
る。
【0008】上記請求項1記載の光走査装置において、
光偏向器による光束の偏向が、入射平面鏡側から偏向反
射面に入射する入射光束の主光線と、偏向反射面の回転
軸を含む平面に対して略対称的に行われるようにするこ
とができる(請求項2)。請求項1または2記載の光走
査装置において、「線像結像光学系」としては、「凹シ
リンドリカルミラー」を用いることができるが、勿論、
凸のシリンドリカルレンズを用いることができる(請求
項3)。線像結像光学系としてシリンドリカルレンズを
用いる場合、これを「平凸のシリンドリカルレンズと
し、凸シリンダ面の母線方向を、シリンドリカルレンズ
のコバ面である取付基準面に対して傾けた形態のもの」
とすることができる(請求項4)。あるいはまた、線像
結像光学系を「シリンドリカルレンズと、該シリンドリ
カルレンズと一体で取付基準面を有する取付部とを有
し、シリンドリカルレンズと取付部とがモールド成形加
工により形成され、取付部における取付基準面に対し
て、シリンドリカルレンズのパワーの無い方向を傾け
た」ものを用いることもでき(請求項5)、この場合
に、シリンドリカルレンズを平凸レンズとし、平レンズ
面が取付部の片面と同一面であるように構成できる(請
求項6)。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の光走査装置の実施の1
例を図1に即して説明する。煩雑を避けるため、混同の
虞れが無いと思われるものについては、図6におけると
同一の符号を用いた。LDである光源10からの光束
は、カップリングレンズ11により以後の光学系にカッ
プリングされ、アパーチュアAPにより周辺光束を除去
されてビーム成形され、「線像結像光学系」としてのシ
リンドリカルレンズ12を透過して1方向的に集束され
つつ入射平面鏡14に入射して反射され、「光偏向器」
としての回転多面鏡16の偏向反射面に入射し、偏向反
射面近傍に線像に結像する。偏向反射面による反射光束
は、回転多面鏡16の回転に伴い等角速度的に偏向しつ
つ走査結像光学系であるfθレンズ18に入射し、感光
体20の周面(被走査面の実体をなす)上に光スポット
として集光し、感光体20を等速的に光走査する。
【0010】ここで、図6に即して説明した光学配置の
場合に、像面湾曲が劣化する原因を説明する。図6
(a),(b)に示した光学配置では、カップリングレ
ンズ11によりカップリングされた光束は、アパーチュ
アAPによりビーム成形されたのちシリンドリカルレン
ズ12により1方向的に集光されるが、このとき、シリ
ンドリカルレンズ12の「パワーを持たない方向」は主
走査対応方向に平行となっており、シリンドリカルレン
ズ12を透過した光束は副走査対応方向に集束しつつ入
射平面鏡14に反射され、偏向反射面近傍に線像として
結像する。図2(a)は、シリンドリカルレンズにより
一方向的に集束する光束が入射平面鏡14により反射さ
れて線像LIを結像する様子を、図6(a)の図面に直
交する方向から見た様子を示している。シリンドリカル
レンズ側から入射平面鏡14に入射する光束FXは、図
2(a)の図面に直交する方向(副走査対応方向)にの
み集束している。光束FXの主走査対応方向両端部の光
線L1,L2を考えると、光線L1,L2は、それぞれ
入射平面鏡14上の点A,Bで反射されて線像LIを結
像する。このとき、図2(a)から分かるように、光線
L1と光線L2とで「入射平面鏡14から線像LIに至
る距離」が異なる。即ち、入射平面鏡14により反射さ
れてから線像LIが結像されるまでの距離は、光線L1
の方が光線L2よりも長い。入射平面鏡14は、前述の
如く副走査対応方向に対しても傾いているから、図2
(b)に示すように、光線L1とL2とは、入射平面鏡
14に反射された後は副走査対応方向に分離することに
なり、このため、結像される線像LIは「主走査対応方
向に長い線像」とならず、線像の長手方向が主走査対応
方向に対して傾いてしまう。これが、図6の光学配置で
像面湾曲が劣化する原因である。そこで、図1の実施の
形態では、図1(d)に示すようなシリンドリカルレン
ズ14を、図1(e)に示すように「主走査対応方向に
対して角:γだけ傾」けることにより、偏向反射面近傍
に結像する線像が「主走査対応方向に長い線像」となる
ようにした。図1の実施の形態では、図1(e)に示す
ように、シリンドリカルレンズ12を設けるハウジング
側の台座12Aを角:γだけ傾けることにより、光学配
置において、シリンドリカルレンズ12のパワーの無い
方向が、主走査対応方向に対して各:γだけ傾くように
した。
【0011】即ち、図1に即して実施の形態を説明した
光走査装置は、光源10側からの光束を線像結像光学系
12により一方向的に集束させつつ、入射平面鏡14に
より反射させて光偏向器16の偏向反射面近傍に線像と
して結像させ、光偏向器16による偏向光束を走査結像
光学系18により被走査面20上に光スポットとして集
光させて、被走査面20の光走査を行う光走査装置にお
いて、入射平面鏡14は、その鏡面が主走査対応方向お
よび副走査対応方向に対して傾いており、光偏向器16
の偏向反射面への入射光束と偏向反射面による反射光束
とが副走査対応方向に有限の角をなし、1方向にのみ正
のパワーを有する線像結像光学系12におけるパワーの
無い方向を主査応対方向に対して傾ける傾き角:γを調
整することにより、線像結像光学系12により偏向反射
面近傍に結像する線像の長手方向が主走査対応方向に合
致するようにしたものである(請求項1)。また、光偏
向器16による光束の偏向は、入射平面鏡14側から偏
向反射面に入射する入射光束の主光線と、偏向反射面の
回転軸AXを含む平面に対して略対称的に行われ(請求
項2)、線像結像光学系12は「シリンドリカルレン
ズ」により構成されている(請求項3)。上記「線像結
像光学系」は、図1(d)に示すごとき通常のシリンド
リカルレンズ12を傾けて用いても良いが、図3(a)
に示す如く、通常の、やや大型の凸の平凸シリンドリカ
ルレンズ120から、光軸LXを含む部分を、長手方向
が「光軸を含む母線BSに対して傾く」ように四辺形1
2Aの部分を切り出す(実際にはモールド加工で形成す
る)と、図3(b)に示すごとく「平凸のシリンドリカ
ルレンズ12aにより構成され、凸シリンダ面の母線方
向bsが、シリンドリカルレンズ12aのコバ面である
取付基準面KMに対して傾いているもの(請求項4)を
得ることができる。このシリンドリカルレンズ12aを
用いると、これを配備するハウジング側の台座は主走査
対応方向に平行なものでよく、ハウジングの製造が容易
になり、シリンドリカルレンズ12aの取付も容易であ
る。あるいはまた図3(c)に示すように、線像結像光
学系を、シリンドリカルレンズ121と、シリンドリカ
ルレンズ121と一体で、取付基準面KM1を有する取
付部122とを有し、シリンドリカルレンズ121と取
付部122とがモールド成形加工により形成され、取付
部122における取付基準面KM1に対してシリンドリ
カルレンズ121のパワーの無い方向が傾いているもの
により構成することも可能である(請求項5)。この場
合にも、ハウジング側の台座は主走査対応方向に平行な
ものでよく、ハウジングの製造が容易になり、シリンド
リカルレンズ12aの取付も容易である。なお、図3
(c)に示す線像結像光学系ではシリンドリカルレンズ
121は平凸レンズであり、平レンズ面が取付部122
の片面(裏面側)と同一面であり、成形による製造が容
易である(請求項6)。
【0012】
【実施例】具体的な実施例を挙げる。光学配置は図1
(a),(b)に示す如くである。LDである光源10
からの光束は、カップリングレンズ11により実質的な
平行光束に変換され、アパーチュアAPでビーム整形さ
れた後、焦点距離:68.5mmのシリンドリカルレン
ズ12により、一方向に集束されつつ入射平面鏡14に
より反射され、光偏向器である回転多面鏡16の偏向反
射面近傍に線像として結像し、回転多面鏡16による偏
向光束は、走査結像光学系18により被走査面の実体を
なす感光体20上に光スポットとして集光され、被走査
面20の光走査を行う。回転多面鏡16による光束の偏
向は、入射平面鏡14側から偏向反射面に入射する入射
光束の主光線と、偏向反射面の回転軸AXを含む平面に
対して略対称的に行われる(請求項2)。走査結像光学
系を構成する単玉レンズによるfθレンズ18は図5に
即して説明したもので、図5(a),(b)の如き光学
配置に対して図5(c)の如き良好な像面湾曲を示す。
図1(a)に示す、入射平面鏡14の主走査対応方向に
対する傾き角:αを30.04度、図1(b)に示す、
入射平面鏡14の副走査対応方向に対する傾き角:βを
2.31度に設定すると、入射平面鏡14による反射光
束の主光線の偏向反射面への入射角:δは図5に示す光
学配置の場合と同じく「4度」になる。なお、光源側か
ら入射平面鏡14への光束入射角:ηは60度である。
【0013】線像結像光学系であるシリンダレンズ12
の「パワーを持たない方向」が主走査対応方向となす
角:γを、先ずγ=0とした(このとき光学配置は図6
(a),(b)に示す如きものとなる)。アパーチュア
APの開口部の中心を原点として、主走査対応方向をX
軸、副走査対応方向をY軸として、座標(X,Y)とし
て、(0,0),(3mm,0),(−3mm,0),(0,
1.5mm),(0,−1.5mm)を通る光線C1,R
1,R2,R3,R4を光線追跡し、これら光線が入射
平面鏡14の鏡面に入射する位置と、偏向反射面近傍に
線像として結像する位置における座標を求めた。結果を
図4(b)に示す。図4では、上の図が「入射平面鏡に
おける光線入射位置」であり、下の図が「線像結像位置
における光線位置」である。図4(b)下図から、図6
(a),(b)の光学配置では、シリンドリカルレンズ
12により結像する線像が「主走査対応方向(横軸方
向)から旋回」しているのが分かる。因みに、図5
(a),(b)に示すごとき光学配置の場合には、図4
(c)下図のように、シリンドリカルレンズ12による
線像は「主走査対応方向に合致」して結像している。実
施例の場合において、シリンドリカルレンズ12のパワ
ーを持たない方向が主走査対応方向に対してなす角:γ
を「γ=2.31度」に設定したところ、線像の結像位
置における各光線の座標は図4(a)下図に示すように
(線像は実質的に主走査対応方向に合致している)、図
4(c)下図と同様になった。このとき、fθレンズ1
8による像面湾曲は図1(c)に示す如きものとなっ
た。図1(c)と図5(c)を比較すれば明らかなよう
に、上記実施例においても図5の光学配置と実質的に同
じく良好な光学性能が得られていることが分かる。
【0014】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明によれ
ば新規な光走査装置および光走査装置用の線像結像光学
系を実現できる。この発明の光走査装置は、光源側光学
系配備のレイアウトが容易で且つ、良好な光走査を実現
できる。請求項2記載の光走査装置は「サグの発生が、
主走査方向の中央部に対して主走査方向の各側に対して
対称的」になるので、サグの影響を主走査対応方向に光
軸対称な線像結像光学系で容易に補正できる。この発明
の線像結像光学系は、シリンドリカルレンズにより構成
でき、光学系を配備するハウジングの製造が容易であ
り、シリンドリカルレンズ自体の取付も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光走査装置の実施の1形態を説明す
るための図である。
【図2】この発明の原理を説明するための図である。
【図3】この発明の線像結像光学系の実施の形態を説明
するための図である。
【図4】実施例を説明するための図である。
【図5】従来技術とその問題点を説明するための図であ
る。
【図6】図5の光学配置の改良例とその問題点を説明す
るための図である。
【符号の説明】
10 光源 11 カップリングレンズ 12 シリンドリカルレンズ 14 入射平面鏡 18 fθレンズ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源側からの光束を線像結像光学系により
    一方向的に集束させつつ、入射平面鏡により反射させて
    光偏向器の偏向反射面近傍に線像として結像させ、上記
    光偏向器による偏向光束を走査結像光学系により被走査
    面上に光スポットとして集光させて上記被走査面の光走
    査を行う光走査装置において、 上記入射平面鏡は、その鏡面が主走査対応方向および副
    走査対応方向に対して傾けられ、光偏向器の偏向反射面
    への入射光束と上記偏向反射面による反射光束とが副走
    査対応方向に有限の角をなし、 1方向にのみ正のパワーを有する線像結像光学系におけ
    るパワーの無い方向を主査応対方向に対して傾ける傾き
    角を調整することにより、上記線像結像光学系により偏
    向反射面近傍に結像する線像の長手方向が主走査対応方
    向に合致するようにしたことを特徴とする光走査装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光走査装置において、 光偏向器による光束の偏向が、入射平面鏡側から偏向反
    射面に入射する入射光束の主光線と、上記偏向反射面の
    回転軸を含む平面に対して略対称的に行われることを特
    徴とする光走査装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の光走査装置におい
    て、 線像結像光学系がシリンドリカルレンズにより構成され
    たことを特徴とする、光走査装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の光走査装置に用いられる線
    像結像光学系であって、 平凸のシリンドリカルレンズにより構成され、凸シリン
    ダ面の母線方向が、シリンドリカルレンズのコバ面であ
    る取付基準面に対して傾いていることを特徴とする、光
    走査装置用の線像結像光学系。
  5. 【請求項5】請求項3記載の線像結像光学系であって、 シリンドリカルレンズと、該シリンドリカルレンズと一
    体で取付基準面を有する取付部とを有し、上記シリンド
    リカルレンズと取付部とはモールド成形加工により形成
    され、上記取付部における取付基準面に対して、上記シ
    リンドリカルレンズのパワーの無い方向が傾いているこ
    とを特徴とする、光走査装置用の線像結像光学系。
  6. 【請求項6】請求項5記載の線像結像光学系であって、 シリンドリカルレンズは平凸レンズであり、平レンズ面
    が取付部の片面と同一面であることを特徴とする、光走
    査装置用の線像結像光学系。
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