本発明は、ビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置に関し、詳細には、走査ビームの走査線上の各場所でのビームの状態を高速に検出し、短時間で全走査域のビームの状態を判定するビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、LD(レーザダイオード)等の光源から出射される光ビームをコリメータレンズ等で整形して、回転多面鏡等により走査ビームに変調し、走査ビームに変調された光ビームを、fθレンズ、シリンドリカルレンズ、または、ミラー等の走査光学素子を経て、所望のビーム径、ビームプロファイルに加工して感光体面上に結像させる。画像形成装置は、感光体面上に結像した光ビームの光量分布状態から静電潜像を形成し、次いで、画像形成プロセスによりトナー画像を形成して、当該トナー画像を記録紙に転写し、記録紙上のトナー画像を定着して画像形成する。
そして、画像形成装置においては、所望のビーム径が得られないと、画像解像度の要求仕様を満たすことができず、ビームプロファイルが乱れて、ビームの十分な光量を得ることができず、サイドローブによるドットの太り等のノイズ画像が顕在化して、画像品質が悪化する。
この走査ビームは、光源に注入する点灯信号の変調により時間的にも空間的にも変化するため、画像形成装置の走査光学系の各光学素子の欠陥やゴミ等による局所的な光量の低下や光源制御部から光源に注入する点灯信号の時間的な変動が空間的なビーム径、光量等の特性に大きく影響を与える。
走査ビームは、静止ビームがその振幅を時間的に変化させながら、位置移動していく状態と捉えると、走査ビーム自体は微小時間での静止ビームの位置的な畳込みであり、微小時間でのビーム径、光量等の変動は、走査ビームの特性、さらには画像を構成するドットに直接影響を与えることになる。
そして、光源は高速に変調され、ビーム光束は高速で走査しているため、同一の走査時にビームの品質を検出、検査するためには、ビームの特性を走査している状態で高速に取得する必要がある。また、このビーム光束の検査は、画像形成装置が出荷された後の稼動状態においても行う必要があり、検査手段としては、小型でかつ簡易な構成が望まれる。そして、最終的には、感光体面上に形成される潜像の状態を、制御回路により変調され各光学素子を経て伝播してきた光ビームの露光光量分布状態から予測し、所望の潜像を形成するための光量分布状態になっているかを高精度に判断する必要がある。
走査光学系のビームの検証は、回転多面鏡を固定させた状態で、静止ビームを対象として、A.ビームをスリットでスキャンしスリットを通過した光量を時系列に検出することで光量分布を測定するスリットスキャン方法、B.2次元エリアセンサに結像してビームプロファイルを2次元的に検出する方法等がある。一方、回転多面鏡を回転させた状態で、走査ビームを対象として、C.光源を常時点灯状態にして走査させ、スリットを横切らせ、上記A.の方法のように、スリットを通過した光量を時系列で検出することで光量分布状態を検出する方法、D.光源を点滅状態にし、走査周期と同期を取りながら、走査点滅ビームの光量分布状態を2次元エリアセンサで検出する方法が主に用いられている。なお、他にも、ラインセンサを用いた方法やスリットに角度を持たせて主副走査方向のビーム径に対応した方法等がある。
上記A.によるスリットスキャン方式は、スリットを通過するビームの光量を時間的に取得する方法であるため、ビームが静止状態にあるときにのみ適用することができ、光源に注入する制御信号(光源駆動信号)等のビーム光束に対する影響を検出することができない。また、A.のスリットスキャン方式では、走査ビームが取得できないため、走査ビームの位置による変動を検出することができず、また、画像形成装置の回転多面鏡を任意の位置で停止させておくのが困難であり、スリットスキャン式の検出ヘッドが大型になるため、画像形成装置内に備えて、出荷後に画像形成装置内で検査することが困難である。
上記B.、D.の2次元エリアセンサを用いる方法は、走査ビームの特性を詳細に検出するのには適している。ところが、2次元エリアセンサは、ビームの露光自体は高速で可能であるが、露光したビーム光束のデータの掃出しに時間を要し、ビーム光束を高速に検査するには不向きであり、簡易に走査ビームを全走査域で短時間で検出するという要求に対しては、適していない。また、B.、D.の方法では、検出の解像度を高めるためにレンズ等の拡大光学系を必要とする等の要因から、構成も大きくなりやすいため、画像形成装置内に組み込むのが困難である。さらに、B.、D.の方法では、解像度を変更する際には、レンズの倍率を変更する等の手間がかかるだけでなく、解像度自体、画素サイズとレンズの倍率に制限されるため、解像度を任意に変更したり、向上させることが困難である。なお、当然のことながら、レンズの倍率を上げた場合、撮像範囲は、トレードオフの関係にあるため、狭くなる。したがって、同一撮像系を用いると、解像度を向上させた場合には、撮像範囲が狭まり、全走査範囲の検出に対して、撮像回数が増加し、検査、検出の時間を短縮させることができない。
上記C.のスリットを停止させておき、連続点灯ビームを走査して、スリットを通過してきたビーム光量の時間変化からビーム光束のプロファイルを検出する方法は、パルス発光したビームの特性検出が不可能であるため、光源に注入する制御信号の走査ビーム光束への影響を検出することができない。
そして、従来、走査ビームの焦点深度方向のビーム径を取得する装置であって、感光体と想定される回転ドラム表面に複数の開口を設け、開口には深度方向に異なる光路長となるように固定された複数のスリットでビームを切断することでビーム径を焦点深度を振って検出する光ビームのビーム径測定装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、楕円状ビームの短軸の向きがビーム走査方向とほぼ一致し、長軸の長さ2y、短軸の長さ2xの仕様の楕円状のビームの径を検査するビーム径検査装置において、1/tanθ={(y2 −x2 )/y2 }1/2 なる角度θでビーム走査方向と交差する1つの直線状のエッジを有するマスクパターンが形成されてなるマスクパターン形成体と、ビーム走査時に前記マスクパターン形成体を透過した光信号に基づいてビームが前記エッジを通過する際のビームの移動距離を計測し、この移動距離をビーム走査直角方向のビーム径の検査値として出力する検査手段を備えているビーム径検査装置が提案されている(特許文献2参照)。
すなわち、この従来技術は、光量受光手段に角度を持たせてスリットタイプのマスクパターンを装着し、スリットを通過してくる光量の移動距離を検出することによりビーム径を規定している。
さらに、本出願人は、先に、レーザ源を含むレーザビーム入射光学系、回転多面鏡およびレーザビーム出射光学系などからなる走査光学系の検査方法において、出射ビームの光軸方向にエリアセンサを移動しつつ、順次エリアセンサが検出したビーム像の主走査方向および副走査方向のビーム径を計算して各測定位置におけるビーム径の変化曲線を算出し、該変化曲線の最小値の位置から合焦点位置と非点収差を計測する走査光学系の検査方法及び検査装置(特許文献3参照)。すなわち、この従来技術は、エリアセンサにより走査ビームを受光し、受光位置を主走査方向、副走査方向に順次移動させることで、走査光学系の合焦点位置、非点収差等を検出している。
さらに、本出願人は、先に、光源から発光された後、走査光学系によって所定方向に走査される走査ビームの光量の分布を測定する走査光学系の走査ビーム光量分布測定方法において、前記走査ビームの走査方向と同方向に移動可能な二次元エリア受光素子を準備し、前記二次元エリア受光素子を前記走査ビームの走査方向に移動させながら前記受光素子で前記走査ビームを検出するとともに前記受光素子が受光した走査ビームを前記二次元エリアセンサの位置情報と関連付けてデータ格納手段に格納し、次いで、前記データ格納手段に格納された走査ビームのデータを用いて前記所定方向に走査される前記走査ビームの光量分布を解析する走査光学系の走査ビーム光量分布測定方法及び測定装置を提案している(特許文献4参照)。
すなわち、この従来技術は、二次元エリア受光センサを主走査方向に移動可能とし、二次元エリア受光センサを移動させながら走査ビームを受光して、受光位置とビームの特性を関連付けてデータ格納部に取得データを格納している。
特開2002−51193号公報
特許第3040882号公報
特開2002−62220号公報
特開2002−86795号公報
しかしながら、このような従来の技術にあっては、小型で安価にかつ高速に走査ビームを検出して、画像の品質保証を速やかで安価にかつ適切に行う上で、改良の必要があった。
すなわち、特許文献1記載の従来技術にあっては、スリットでビームを切断しているため、スリット(回転ドラム)を固定して光源が常時点灯する時の走査ビームの光量の測定、または、回転ドラムを動作させたときの静止ビームのビーム径の測定を行う方法に限定されるという問題があった。すなわち、通常、約1000m/秒で走査している走査ビームに同期させて回転ドラムを動作させたり、微小時間で点滅するビームの点灯している瞬間をスリットで切断するというのは困難だからである。また、回転ドラム上に設けたスリットでビームを切断する方法を採用しているため、製品としての画像形成装置に搭載することができず、製品としての画像形成装置での検査を行うことができないという問題があった。
また、特許文献2記載の従来技術にあっては、高速での検出は可能であると思われるが、スリットを適用しているため、連続点灯している走査ビームのみの検出に限定され、ビーム光束を変調する光源への制御信号等の影響を検出することができないという問題があった。
さらに、特許文献3及び特許文献4記載の従来技術にあっては、ビームの特性を詳細に測定・検出するのには適しているが、2次元エリアセンサや対物レンズを利用しているため、小型化が困難であり、また、個々の構成部品が高価であり、製品としての画像形成装置に組み込むのには、その大きさ及び価格の面で改良の必要があった。
そこで、本発明は、プリンタ、複写装置等の画像形成装置の画像形成ユニットから出射された走査ビーム光束を、高速に、小型かつ安価で簡易な構成で検出し、対物レンズ等を用いずに、検出範囲と解像度とのトレードオフの関係に影響されること無く、解像度を任意に変更、向上させて、光源に注入する制御信号の時間的な変動や画像形成装置を構成する各光学素子の欠陥、ゴミ等による空間的な光量の変動による走査ビームのビーム径、光量等の特性の変動を検出して、量産時の検査工程や、出荷後の製品内での検査にも適用可能なビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置を提供することを目的としている。
すなわち、従来の1次元及び2次元CCDエリアセンサを用いた検出系では、画素サイズと対物レンズ等の拡大光学系のサイズにより解像度が決定され、倍率を向上させると、トレードオフの関係にある検出範囲が縮小されて、高解像度化と広範囲検出を同時に満たすことができない。また、スリットスキャン方式では、スリット幅で解像度が決定され、スリットを回転するタイプでは、当然ながら走査ビームには対応できない。
このような従来技術の不具合に対して、本発明では、検査、検出の解像度が光量を取得するサンプリングレートに依存するため、サンプリングレートを高速化するほど解像度が向上する。また、解像度を変更するには、サンプリングレートを変更するだけでよく、拡大光学系等の設置は不要であり、検査対象の画像形成ユニットや画像形成装置が変更となっても、サンプリングレートを変えることにより対応することができる。
また、本発明は、拡大光学系等の光学素子を設置する必要が無いため、最小では走査ビームのドット全体を取得することができるサイズの受光手段、例えば、PDのみを検出系として設置するだけでよく、PDのみのスペースを確保するだけであるため、製品としての画像形成装置内に組み込むことができ、製品出荷後でも製品内で、経時変化等の検査、計測を行うことができる。
さらに、点滅走査しているビームに対応した検査、測定において、撮像、データ読み出しに時間を要する2次元CCDエリアセンサに比較して、本発明は、サンプリングレートを高速化することで、検出時間を短くすることができる。
また、本発明は、時間軸上での光量変化を検査、測定に利用しているため、擬似的に導出した走査ビームプロファイルを用いて、感光体に形成される露光エネルギープロファイルを推定することができ、光源制御信号の変調にフィードバックすることができる。
具体的には、請求項1記載の発明は、静止状態のビーム光束の光量分布データを予めデータ格納手段に格納し、演算手段で、微小時間光量変化データと当該データ格納手段の当該静止状態の光量分布データとを掛け合わせて微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成することにより、走査ビームは静止ビームが時間的に光量を変動しながら、位置的に移動、畳込みされた状態であるとして、取得したまたは予め準備してある静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得し、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで検査精度を向上させるビーム光束検査装置を提供することを目的としている。
請求項2記載の発明は、受光手段を、ビーム光束の走査線上に複数設け、光量時間区分手段が当該各受光手段の出力する光量データから微小時間光量変化データを生成し、当該異なる位置の複数の受光手段で異なる時間に取得し光量時間区分手段が生成する微小時間光量変化データ同士を比較し、または、複数の受光手段で所定の時間に取得し光量時間区分手段の生成する微小時間光量変化データと所定の光量変化状態とを比較して、走査ビームの特性を取得することにより、より一層高速に、小型かつ低価格な部品からなる簡易な構成で走査ビームの特性を取得するとともに、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで解像度を変更可能とし、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く、解像度をより一層向上させるとともに、同一ビーム光束の異なる時間での光量、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することでより一層高精度な検査を行うビーム光束検査装置を提供することを目的としている。
請求項3記載の発明は、光量時間区分手段が、ビーム光束を発光、消灯、光量調整等の光源変調を行う光源変調時間よりも速い時間で、受光手段の出力する光量データを時間区分することにより、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く、解像度をより一層向上させ、より一層高精度な検査を行うビーム光束検査装置を提供することを目的としている。
請求項4記載の発明は、受光手段を、前記ビーム光束全体を受光して光量データを出力するとともに、当該受光位置を検出して出力するものとすることにより、ビーム光束の位置変動をも高速に検出し、走査ビームの光量分布データからビーム径、光量等に不具合が発生した場合に、走査線上の位置を関連付けられるようにして、ビーム光束に発生する不具合をより一層高精度に検出するビーム光束検査装置を提供することを目的としている。
請求項5記載の発明は、微小時間光量変化データとデータ格納手段に格納されている静止状態のビーム光束の光量分布データとを掛け合わせて、微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成することにより、走査ビームは静止ビームが時間的に光量を変動しながら、位置的に移動、畳込みされた状態であるとして、取得したまたは予め準備してある静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得し、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで検査精度を向上させるビーム光束検査方法を提供することを目的としている。
請求項6記載の発明は、光量分布データ取得処理で使用する静止状態の光量分布データを取得する静止状態光量分布取得処理を実施することにより、取得した静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得し、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで、従来非常に時間のかかっていた全走査域での走査ビームの光量分布データを短時間で取得して、高精度な検査を行うビーム光束検査方法を提供することを目的としている。
請求項7記載の発明は、光量取得処理で取得した光量データとは異なる位置または異なる時間で走査しているビーム光束の微小時間の光量を取得する第2光量取得処理と、当該第2光量所得処理で取得した微小時間の光量と静止状態のビーム光束の光量分布データに基づいて走査しているビーム光束の各位置または各時間の光量分布データを取得する第2光量分布データ取得処理と、光量取得処理で取得し光量分布データ取得処理で所得した光量分布データと当該第2光量分布データ取得処理で取得した各位置または各時間の光量分布データと比較、または、所定の光量変化データと比較する比較処理と、を実施することにより、ビーム光束の不具合を顕在化し、取得した走査ビームの光量分布データからビーム光束に発生した不具合を高精度に検出するビーム光束検査方法を提供することを目的としている。
請求項8記載の発明は、静止状態のビーム光束の光量分布状態を、光源の自然発光状態での光量分布状態とビーム出射発光状態での光量分布状態とに区分し、当該光源を駆動させる光源駆動信号の大きさに基づいて、適用する光量分布状態を切り換えることにより、走査ビームの光量分布状態の低光量領域であるすその部分は、光源が自然発光状態とレーザ発光状態での光量分布の両方が存在するため、光源に注入される光源駆動信号の大きさに合わせて、適用する静止ビームの光量分布状態を切り換えることで、微小時間の光量データと静止ビームの光量分布データから取得した走査ビームの光量分布データを実際に近い状態で取得し、精度良く走査ビームの光量分布状態を取得して、取得した走査ビームの光量分布データからビーム光束に発生した不具合を高精度な検出するビーム光束検査方法を提供することを目的としている。
請求項9記載の発明は、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットを、請求項1〜4のいずれかに記載のビーム光束検査装置を搭載するものとすることにより、出荷後でも画像形成ユニット内でビーム光束の検査を実施できるようにし、高品質画像を維持し、不具合発生を監視することのできる画像形成ユニットを提供することを目的としている。
請求項10記載の発明は、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットを搭載し、当該静電潜像をトナーで現像して用紙にトナー像を形成する画像形成装置の当該画像形成ユニットとして、請求項9記載の画像形成ユニットを搭載することにより、出荷後でも画像形成ユニット内でビーム光束の検査を実施できるようにし、高品質画像を維持し、不具合発生を監視することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
請求項1記載の発明のビーム光束検査装置は、所定方向に走査されるビーム光束の全体を受光して光量データを出力する受光手段と、当該受光手段の出力する光量データを所定の微小時間間隔で区分して微小時間光量変化データを生成する光量時間区分手段と、を備え、前記受光手段で異なる時間に取得し前記光量時間区分手段の生成する微小時間光量変化データ同士を比較し、または、前記受光手段で所定の時間に取得し前記光量時間区分手段の生成する微小時間光量変化データと所定の光量変化状態とを比較して、前記走査ビームの特性を取得するビーム光束検査装置であって、静止状態のビーム光束の光量分布データを予め格納するデータ格納手段と、前記微小時間光量変化データと前記データ格納手段に格納されている静止状態のビーム光束の光量分布データとを掛け合わせて、微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成する演算手段とを具備することにより、上記目的を達成している。
上記構成によれば、静止状態のビーム光束の光量分布データを予めデータ格納手段に格納し、演算手段で、微小時間光量変化データと当該データ格納手段の当該静止状態の光量分布データとを掛け合わせて微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成することにより、走査ビームは静止ビームが時間的に光量を変動しながら、位置的に移動、畳込みされた状態であるとして、取得したまたは予め準備してある静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得し、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで検査精度を向上させることができる。
この場合、例えば、請求項2に記載するように、前記ビーム光束検査装置は、前記受光手段を、前記ビーム光束の走査線上に複数備え、前記光量時間区分手段が当該各受光手段の出力する光量データから前記微小時間光量変化データを生成し、当該異なる位置の複数の受光手段で異なる時間に取得し前記光量時間区分手段が生成する微小時間光量変化データ同士を比較し、または、前記複数の受光手段で所定の時間に取得し前記光量時間区分手段の生成する微小時間光量変化データと所定の光量変化状態とを比較して、前記走査ビームの特性を取得するものであってもよい。
上記構成によれば、受光手段を、ビーム光束の走査線上に複数設け、光量時間区分手段が当該各受光手段の出力する光量データから微小時間光量変化データを生成し、当該異なる位置の複数の受光手段で異なる時間に取得し光量時間区分手段が生成する微小時間光量変化データ同士を比較し、または、複数の受光手段で所定の時間に取得し光量時間区分手段の生成する微小時間光量変化データと所定の光量変化状態とを比較して、走査ビームの特性を取得するので、より一層高速に、小型かつ低価格な部品からなる簡易な構成で走査ビームの特性を取得することができるとともに、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで解像度を変更することができ、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く、解像度をより一層向上させることができるとともに、同一ビーム光束の異なる時間での光量、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することでより一層高精度な検査を行うことができる。
また、例えば、請求項3に記載するように、前記光量時間区分手段は、前記ビーム光束を発光、消灯、光量調整等の光源変調を行う光源変調時間よりも速い時間で、前記受光手段の出力する光量データを時間区分するものであってもよい。
上記構成によれば、光量時間区分手段が、ビーム光束を発光、消灯、光量調整等の光源変調を行う光源変調時間よりも速い時間で、受光手段の出力する光量データを時間区分するので、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く、解像度をより一層向上させることができ、より一層高精度な検査を行うことができる。
また、例えば、請求項4に記載するように、前記受光手段は、前記ビーム光束全体を受光して光量データを出力するとともに、当該受光位置を検出して出力するものであってもよい。
上記構成によれば、受光手段を、前記ビーム光束全体を受光して光量データを出力するとともに、当該受光位置を検出して出力するものとしているので、ビーム光束の位置変動をも高速に検出することができ、走査ビームの光量分布データからビーム径、光量等に不具合が発生した場合に、走査線上の位置を関連付けられるようにして、ビーム光束に発生する不具合をより一層高精度に検出することができる。
請求項5記載の発明のビーム光束検査方法は、所定方向に走査されるビーム光束の光量の時間変化を取得する光量取得処理と、当該光量取得処理で取得した各時間に区分された光量データと静止状態の光量分布データとを掛け合わせて微小時間での光量分布データを取得する光量分布データ取得処理と、当該光量分布データ取得処理で取得した各微小時間の光量分布データを所定の距離だけずらして積算する積算処理と、微小時間光量変化データとデータ格納手段に格納されている静止状態のビーム光束の光量分布データとを掛け合わせて、微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成する演算処理と、を行って、走査されているビーム光束の光量分布状態を取得することにより、上記目的を達成している。
上記構成によれば、所定方向に走査されるビーム光束の光量の時間変化を取得する光量取得処理と、当該光量取得処理で取得した各時間に区分された光量データと静止状態の光量分布データとを掛け合わせて微小時間での光量分布データを取得する光量分布データ取得処理と、当該光量分布データ取得処理で取得した各微小時間の光量分布データを所定の距離だけずらして積算する積算処理と、微小時間光量変化データとデータ格納手段に格納されている静止状態のビーム光束の光量分布データとを掛け合わせて、微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成する演算処理と、を行って、走査されているビーム光束の光量分布状態を取得するので、走査ビームは静止ビームが時間的に光量を変動しながら、位置的に移動、畳込みされた状態であるとして、取得したまたは予め準備してある静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得して、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能とし、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで検査精度を向上させることができる。
この場合、例えば、請求項6に記載するように、前記ビーム光束検査方法は、前記光量分布データ取得処理で使用する前記静止状態の光量分布データを取得する静止状態光量分布取得処理を実施してもよい。
上記構成によれば、光量分布データ取得処理で使用する静止状態の光量分布データを取得する静止状態光量分布取得処理を実施するので、取得した静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得して、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させることができ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで、従来非常に時間のかかっていた全走査域での走査ビームの光量分布データを短時間で取得して、高精度な検査を行うことができる。
また、例えば、請求項7に記載するように、前記ビーム光束検査方法は、前記光量取得処理で取得した光量データとは異なる位置または異なる時間で前記走査しているビーム光束の微小時間の光量を取得する第2光量取得処理と、当該第2光量所得処理で取得した微小時間の光量と静止状態のビーム光束の光量分布データに基づいて前記走査しているビーム光束の各位置または各時間の光量分布データを取得する第2光量分布データ取得処理と、前記光量取得処理で取得し前記光量分布データ取得処理で所得した光量分布データと当該第2光量分布データ取得処理で取得した前記各位置または各時間の光量分布データと比較、または、所定の光量変化データと比較する比較処理と、を実施してもよい。
上記構成によれば、光量取得処理で取得した光量データとは異なる位置または異なる時間で走査しているビーム光束の微小時間の光量を取得する第2光量取得処理と、当該第2光量所得処理で取得した微小時間の光量と静止状態のビーム光束の光量分布データに基づいて走査しているビーム光束の各位置または各時間の光量分布データを取得する第2光量分布データ取得処理と、光量取得処理で取得し光量分布データ取得処理で所得した光量分布データと当該第2光量分布データ取得処理で取得した各位置または各時間の光量分布データと比較、または、所定の光量変化データと比較する比較処理と、を実施するので、ビーム光束の不具合を顕在化することができ、取得した走査ビームの光量分布データからビーム光束に発生した不具合を高精度に検出することができる。
さらに、例えば、請求項8に記載するように、前記ビーム光束検査方法は、前記静止状態のビーム光束の光量分布状態を、光源の自然発光状態での光量分布状態とビーム出射発光状態での光量分布状態とに区分し、当該光源を駆動させる光源駆動信号の大きさに基づいて、適用する光量分布状態を切り換えてもよい。
上記構成によれば、静止状態のビーム光束の光量分布状態を、光源の自然発光状態での光量分布状態とビーム出射発光状態での光量分布状態とに区分し、当該光源を駆動させる光源駆動信号の大きさに基づいて、適用する光量分布状態を切り換えるので、走査ビームの光量分布状態の低光量領域であるすその部分は、光源が自然発光状態とレーザ発光状態での光量分布の両方が存在するため、光源に注入される光源駆動信号の大きさに合わせて、適用する静止ビームの光量分布状態を切り換えることで、微小時間の光量データと静止ビームの光量分布データから取得した走査ビームの光量分布データを実際に近い状態で取得することができ、精度良く走査ビームの光量分布状態を取得して、取得した走査ビームの光量分布データからビーム光束に発生した不具合を高精度な検出することができる。
請求項9記載の発明の画像形成ユニットは、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットにおいて、前記請求項1〜4のいずれかに記載のビーム光束検査装置を搭載していることにより、上記目的を達成している。
上記構成によれば、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットを、請求項1〜4のいずれかに記載のビーム光束検査装置を搭載するものとしているので、出荷後でも画像形成ユニット内でビーム光束の検査を実施することができ、高品質画像を維持することができるとともに、不具合発生を監視することができる。
請求項10記載の発明の画像形成装置は、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットを搭載し、当該静電潜像をトナーで現像して用紙にトナー像を形成する画像形成装置において、前記画像形成ユニットとして前記請求項9記載の画像形成ユニットを搭載していることにより、上記目的を達成している。
上記構成によれば、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットを搭載し、当該静電潜像をトナーで現像して用紙にトナー像を形成する画像形成装置の当該画像形成ユニットとして、請求項9記載の画像形成ユニットを搭載しているので、出荷後でも画像形成ユニット内でビーム光束の検査を実施することができ、高品質画像を維持することができるとともに、不具合発生を監視することができる。
請求項1記載の発明のビーム光束検査装置によれば、静止状態のビーム光束の光量分布データを予めデータ格納手段に格納し、演算手段で、微小時間光量変化データと当該データ格納手段の当該静止状態の光量分布データとを掛け合わせて微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成することにより、走査ビームは静止ビームが時間的に光量を変動しながら、位置的に移動、畳込みされた状態であるとして、取得したまたは予め準備してある静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得し、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで検査精度を向上させることができる。
請求項2記載の発明のビーム光束検査装置によれば、受光手段を、ビーム光束の走査線上に複数設け、光量時間区分手段が当該各受光手段の出力する光量データから微小時間光量変化データを生成し、当該異なる位置の複数の受光手段で異なる時間に取得し光量時間区分手段が生成する微小時間光量変化データ同士を比較し、または、複数の受光手段で所定の時間に取得し光量時間区分手段の生成する微小時間光量変化データと所定の光量変化状態とを比較して、走査ビームの特性を取得するので、より一層高速に、小型かつ低価格な部品からなる簡易な構成で走査ビームの特性を取得することができるとともに、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで解像度を変更することができ、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く、解像度をより一層向上させることができるとともに、同一ビーム光束の異なる時間での光量、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することでより一層高精度な検査を行うことができる。
請求項3記載の発明のビーム光束検査装置によれば、光量時間区分手段が、ビーム光束を発光、消灯、光量調整等の光源変調を行う光源変調時間よりも速い時間で、受光手段の出力する光量データを時間区分するので、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く、解像度をより一層向上させることができ、より一層高精度な検査を行うことができる。
請求項4記載の発明のビーム光束検査装置によれば、受光手段を、前記ビーム光束全体を受光して光量データを出力するとともに、当該受光位置を検出して出力するものとしているので、ビーム光束の位置変動をも高速に検出することができ、走査ビームの光量分布データからビーム径、光量等に不具合が発生した場合に、走査線上の位置を関連付けられるようにして、ビーム光束に発生する不具合をより一層高精度に検出することができる。
請求項5記載の発明のビーム光束検査方法によれば、所定方向に走査されるビーム光束の光量の時間変化を取得する光量取得処理と、当該光量取得処理で取得した各時間に区分された光量データと静止状態の光量分布データとを掛け合わせて微小時間での光量分布データを取得する光量分布データ取得処理と、当該光量分布データ取得処理で取得した各微小時間の光量分布データを所定の距離だけずらして積算する積算処理と、微小時間光量変化データとデータ格納手段に格納されている静止状態のビーム光束の光量分布データとを掛け合わせて、微小時間での光量分布データ及び走査している状態でのビーム光束の光量分布データを生成する演算処理と、を行って、走査されているビーム光束の光量分布状態を取得するので、走査ビームは静止ビームが時間的に光量を変動しながら、位置的に移動、畳込みされた状態であるとして、取得したまたは予め準備してある静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得して、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させることができ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで検査精度を向上させることができる。
請求項6記載の発明のビーム光束検査方法によれば、光量分布データ取得処理で使用する静止状態の光量分布データを取得する静止状態光量分布取得処理を実施するので、取得した静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得して、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させることができ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで、従来非常に時間のかかっていた全走査域での走査ビームの光量分布データを短時間で取得して、高精度な検査を行うことができる。
請求項7記載の発明のビーム光束検査方法によれば、光量取得処理で取得した光量データとは異なる位置または異なる時間で走査しているビーム光束の微小時間の光量を取得する第2光量取得処理と、当該第2光量所得処理で取得した微小時間の光量と静止状態のビーム光束の光量分布データに基づいて走査しているビーム光束の各位置または各時間の光量分布データを取得する第2光量分布データ取得処理と、光量取得処理で取得し光量分布データ取得処理で所得した光量分布データと当該第2光量分布データ取得処理で取得した各位置または各時間の光量分布データと比較、または、所定の光量変化データと比較する比較処理と、を実施するので、ビーム光束の不具合を顕在化することができ、取得した走査ビームの光量分布データからビーム光束に発生した不具合を高精度に検出することができる。
請求項8記載の発明のビーム光束検査方法によれば、静止状態のビーム光束の光量分布状態を、光源の自然発光状態での光量分布状態とビーム出射発光状態での光量分布状態とに区分し、当該光源を駆動させる光源駆動信号の大きさに基づいて、適用する光量分布状態を切り換えるので、走査ビームの光量分布状態の低光量領域であるすその部分は、光源が自然発光状態とレーザ発光状態での光量分布の両方が存在するため、光源に注入される光源駆動信号の大きさに合わせて、適用する静止ビームの光量分布状態を切り換えることで、微小時間の光量データと静止ビームの光量分布データから取得した走査ビームの光量分布データを実際に近い状態で取得することができ、精度良く走査ビームの光量分布状態を取得して、取得した走査ビームの光量分布データからビーム光束に発生した不具合を高精度な検出することができる。
請求項9記載の発明の画像形成ユニットによれば、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットを、請求項1〜4のいずれかに記載のビーム光束検査装置を搭載するものとしているので、出荷後でも画像形成ユニット内でビーム光束の検査を実施することができ、高品質画像を維持することができるとともに、不具合発生を監視することができる。
請求項10記載の発明の画像形成装置によれば、光源から出射されたビームを感光体上に走査して静電潜像を形成する画像形成ユニットを搭載し、当該静電潜像をトナーで現像して用紙にトナー像を形成する画像形成装置の当該画像形成ユニットとして、請求項9記載の画像形成ユニットを搭載しているので、出荷後でも画像形成ユニット内でビーム光束の検査を実施することができ、高品質画像を維持することができるとともに、不具合発生を監視することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1〜図5は、本発明のビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置の第1の実施の形態を示す図であり、図1は、本発明のビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置の第1の実施の形態に適用されるビーム光束検査装置1の要部概略構成図である。
図1において、ビーム光束検査装置1は、画像形成ユニット10及びPD(フォトダイオード)2とアナログ/デジタル変換回路3等を備えており、画像形成ユニット10は、LD(レーザダイオード)ユニット11、回転多面鏡12、fθレンズ13等を備えている。
画像形成ユニット10は、LDユニット11から出射されたレーザビームを回転多面鏡12で反射して、fθレンズ13を通して、図示しない感光体位置である結像位置Ptに結像させる。
ビーム光束検査装置1のPD(受光手段)2は、結像位置Ptの近傍に配設され、画像形成ユニット10のLDユニット11から出射されて結像位置Pt近傍に照射されるビーム光束を受光して、受光光量に対応するアナログの光量信号をアナログ/デジタル変換回路3に出力する。
アナログ/デジタル変換回路(光量時間区分手段)3は、PD2から入力される光量信号を所定の微小時間間隔でサンプリングして、ビーム光束の微小時間光量変化データを取得する。
PD2が結像位置Ptの近傍に設置されているのは、ビーム光束の光量の総和が結像位置及びその前後で不変として、光軸方向に移動しても光量の時間変化に差異が無いためであり、このように結像位置Ptの近傍にPD2を設置しているため、画像形成ユニット10の用いられている製品としての画像形成装置の内部にビーム光束検査装置1を設置する場合にも、ビーム光束の検出の際に、感光体の位置を移動して結像位置Ptに受光手段であるPD2を位置決めする必要がない。
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態のビーム光束検査装置1は、画像形成ユニット10に組み込まれており、画像形成ユニット10の出射するビーム光束をレーザビームの結像位置Pt近傍で受光して検出する。
すなわち、画像形成ユニット10は、LDユニット11から出射されたレーザビームを回転多面鏡12で反射し、fθレンズ13を通して、図示しない感光体位置である結像位置Ptに結像させる。この結像位置Pt近傍に、ビーム光束検査装置1のPD2が配設されており、PD2は、画像形成ユニット10のLDユニット11から出射されて結像位置Pt近傍に照射されるビーム光束を受光して、受光光量に対応するアナログの光量信号をアナログ/デジタル変換回路3に出力する。
アナログ/デジタル変換回路3は、PD2から入力される光量信号を微小時間間隔でサンプリングして、図2に示すようなビーム光束の微小時間光量変化データを取得する。
この微小時間光量変化データは、LDユニット11が点滅状態の点灯したビーム光束全体をPD2で受光しているため、LDユニット11が点灯しているときのビーム光束の全体光量を示すものである。
そして、この取得した微小時間光量変化データを、図3に示す異なる時間に取得したビーム光束の微小時間光量変化データと比較、あるいは、図4に示す設計上または理論上取得されると予測される微小時間光量変化データと比較する。
この微小時間光量変化データの比較の方法は、各微小時間の光量データの差分を、その時の光量の平均値で除算して、光量の平均値に対して任意に規定した割合以上であると不具合と決定する。
また、微小時間の光量データ同士の相関をとり、相関係数の値により両者が一致しているかどうかを判断する。
相関係数は、比較する微小時間の光量データを、I1(t)、I2(t)、それぞれの光量データの平均値を、I1、I2、相関係数を、Rとすると、相関係数Rが、次式(1)で導かれる。
そして、次式(2)を分散分析のtのパラメータ値で評価して、一致度を判定する等の検査を行う。
このように、本実施の形態のビーム光束検査装置1は、所定方向に走査されるビーム光束の全体をPD2で受光して光量データを出力し、PD2の出力する光量データを、アナログ/デジタル変換回路3で、所定の微小時間間隔で区分して微小時間光量変化データを生成して、PD2で異なる時間に取得しアナログ/デジタル変換回路3の生成する微小時間光量変化データ同士を比較し、または、PD2で所定の時間に取得しアナログ/デジタル変換回路3の生成する微小時間光量変化データと所定の光量変化状態とを比較して、走査ビームの特性を取得している。
したがって、高速に、小型かつ低価格な部品からなる簡易な構成で走査ビームの特性を取得するとともに、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで解像度を変更することができ、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く、解像度を向上させることができるとともに、同一ビーム光束の異なる時間での光量、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで高精度な検査を行うことができる。
また、受光素子としてPD2を単体で適用する点で、CCDエリアセンサ、画像入力ボード、対物レンズ等の組み合わせと比較した場合、低コストな装置構成となる。
上記実施の形態のビーム光束検査装置1においては、画像形成ユニット10のLDユニット11から出射されたビーム光束を受光する受光手段としては、1個のPD2を設けるものに限るものではなく、例えば、図5に示すように、複数、例えば、3個のPD2a〜2cを結像位置Ptの近傍に主走査方向に並べて配設してもよい。
この場合、上記比較方法で、それぞれのPD2a〜2cからの微小時間の光量データ同士を比較し、または、それぞれの微小時間の光量データを、設計値または理論値から予測される光量データと比較する。
また、上記実施の形態のビーム光束検査装置1では、アナログ/デジタル変換回路3のサンプリングレートを、LDユニット11の制御信号である光源駆動信号のクロックよりも高速に設定してもよい。
このようにすると、LDユニット11の発光、消灯、光量調整等の光源変調時間よりも高速の時間で、ビーム光束を時間区分した光量を取得することができる。
図6〜図19は、本発明のビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置の第2の実施の形態を示す図であり、図6は、本発明のビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置の第2の実施の形態を適用したビーム光束検査装置20の要部概略構成図である。
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態のビーム光束検査装置1と同様のビーム光束検査装置20に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の実施の形態のビーム光束検査装置1と同様の構成部分には、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図6において、ビーム光束検査装置20は、上記第1の実施の形態と同様の画像形成ユニット10、PD2及びアナログ/デジタル変換回路3等を備えているとともに、パーソナルコンピュータ21を備えており、画像形成ユニット10は、上記第1の実施の形態と同様に、LD(レーザダイオード)ユニット11、回転多面鏡12、fθレンズ13等を備えている。
パーソナルコンピュータ21は、ハードディスク等の記憶装置(データ格納手段)及び演算処理を行う演算手段であるCPU(Central Processing Unit )等を備えている。パーソナルコンピュータ21の記憶装置には、画像形成ユニット10の静止状態の光量分布データが予め格納されている。
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態のビーム光束検査装置20は、画像形成ユニット10の出射するビーム光束をレーザビームの結像位置Pt近傍で受光して検出して、パーソナルコンピュータ21の記憶装置に格納するとともに、光量分布データを算出する。
すなわち、画像形成ユニット10は、LDユニット11から出射されたレーザビームを回転多面鏡12で反射し、fθレンズ13を通して、図示しない感光体位置である結像位置Ptに結像させる。
この結像位置Pt近傍に、ビーム光束検査装置20のPD2が配設されており、PD2は、画像形成ユニット10のLDユニット11から出射されて結像位置Pt近傍に照射されるビーム光束を受光して、受光光量に対応するアナログの光量信号をアナログ/デジタル変換回路3に出力する。
アナログ/デジタル変換回路3は、PD2から入力される光量信号を微小時間間隔でサンプリングして、ビーム光束の微小時間光量変化データを取得し、取得した微小時間光量変化データをパーソナルコンピュータ21に送信して、パーソナルコンピュータ21が内部の記憶装置に格納する光量取得処理を行う。
パーソナルコンピュータ21は、アナログ/デジタル変換回路3から微小時間光量変化データが送信されてきて記憶装置に格納すると、当該微小時間光量変化データと、予め記憶装置に格納されている画像形成ユニット10の静止状態の光量分布データを掛け合わせて、微小時間での光量分布データ及び走査している状態のビーム光束の光量分布データを算出する。すなわち、パーソナルコンピュータ21は、静止状態の光量分布データと微小時間の光量データとを時間軸上で掛け合わせて、距離軸上で畳込み積分を行う光量分布データ取得処理を行う。
すなわち、例えば、図7に示すような画像形成ユニット10の結像位置で回転多面鏡12が静止している状態のビーム光量分布データを予め取得して、パーソナルコンピュータ21の記憶装置に格納する。
この回転多面鏡12が静止している状態のビーム光量分布データは、例えば、2次元光量分布データを取得するには、2次元CCDカメラによる取得、積算光量分布データの取得には、同様に2次元CCDカメラで取得した後、ピクセルデータを縦横方向に積算する方法やスリットスキャン方式の受光装置で取得する方法を用いて取得することができる。
そして、この光量分布データとしては、上述のように、微小時間の光量データと掛け合わせるため、図8に示すビームの断面の光量分布データよりも、図9に示す2次元光量分布データまたは図10に示す2次元光量を縦横方向に積算した積算データを用いる。
例えば、図9の2次元光量分布データを適用すると、副走査方向のビーム径をも取得することができる。
そして、図10の積算光量分布データと微小時間の光量データとを掛け合わせると、図11に示すような微小時間の光量分布データを得ることができ、この微小時間の光量分布データを、微小時間の間に走査ビームが走査する距離だけずらして、重ね合せ、それぞれの光量分布データを積算する積算処理を行うと、図12に示す光量分布データとなる。
これは時間軸で振幅を変化させた光量分布データを走査距離を示す長さの軸で畳込み積分したものに等しい。この積分結果が走査ビームの光量分布データとなる。
この光量分布データの振幅の1/e2や1/e等の割合のところの幅で走査ビームのビーム幅を規定する等の評価を行うことができる。
ここで、微小時間は、アナログ/デジタル変換回路3のサンプリングレートと規定し、その微小時間における走査ビームの走査距離の導出は、回転多面鏡の回転数を、r〔rpm〕、印刷幅を、d〔m〕、回転多面鏡12の面数を、n〔面〕とし、印刷に有効となる走査幅の割合をv〔%〕とすると、回転多面鏡12の1回転にかかる時間が、60/r〔sec〕、回転多面鏡12の1面分が走査する時間が、60/r/n〔sec〕、回転多面鏡12の1面が走査する距離が、d/(v/100)〔m〕となり、走査ビームが結像面で走査する速度はVs〔 m/sec〕は、次式(3)で得られる。
Vs={d/(v/100)}/(60/r/n)・・・(3)
この(3)式で得られる速度Vsとサンプリングレートの積により移動距離が導出される。
そして、アナログ/デジタル変換回路3でのビーム光束のサンプリングレートを高速にすると、その間に走査ビームが移動する距離を小さくすることができ、光量分布状態の変化をその移動量で分割して検出することができるため、サンプリングレートの長さによって、見かけの解像度を細分化することができる。その際、レンズによる検出光学系の解像度向上に伴う、倍率拡大と検出範囲の縮小というトレードオフの影響はない。
そして、上記手順において、ビーム光束が静止状態の積算光量分布データを、走査ビームの微小時間毎の光量に応じて振幅を変化させて、掛け合わせるため、静止時の積算光量分布データが光量によりそのプロファイルが相似性を有している必要がある。
いま、静止状態の生産光量分布データの光量変動に伴うプロファイルは、図13のように示され、図13で示した各光量でのプロファイルの振幅を一致させたときのプロファイルは、図14のように示されるが、図14に示したように、光量変動によらずプロファイルが一致している場合は、積算光量分布データは、唯一の光量時のプロファイルを取得すればよいことになる。
ところが、これらのプロファイルが一致しない場合は、光量によるプロファイルの推移を取得し、光量に応じて掛け合わせる積算光量分布データを用意する必要がある。そして、より精度を高めるためには、後述するように、LDユニット11の自然発光状態とレーザ発光状態でのプロファイルをそれぞれ用意する必要がある。
このように、本実施の形態のビーム光束検査装置20は、所定方向に走査されるビーム光束の光量の時間変化を取得する光量取得処理と、当該光量取得処理で取得した各時間に区分された光量データと静止状態の光量分布データとを掛け合わせて微小時間での光量分布データを取得する光量分布データ取得処理と、当該光量分布データ取得処理で取得した各微小時間の光量分布データを所定の距離だけずらして積算する積算処理と、を行って、走査されているビーム光束の光量分布状態を取得している。
したがって、走査ビームは静止ビームが時間的に光量を変動しながら、位置的に移動、畳込みされた状態であるとして、取得したまたは予め準備してある静止ビームの光量分布状態と、高速に取得可能な走査ビーム光束の微小時間の光量に掛け合わせ、畳込むことで、走査ビームの光量分布状態を取得して、区分する微小時間の長さを任意の値に設定することで光量分布状態の解像度を変更可能として、従来の光学倍率と検出範囲のトレードオフの影響を受けること無く解像度を向上させることができ、異なる時間、または、異なる時間に取得したビーム光束や設計値や理論値から予測されるビーム光束と比較することで、すなわち、時間を要するビーム光束の光量分布データ取得と、高速化可能な走査ビームの微小時間の光量データの取得を分離することで、従来非常に時間のかかっていた全走査域での走査ビームの光量分布データを短時間で取得して、高精度な検査を行うことができる。
また、上記所定の時間または所定の位置で走査ビームの光量分布データを取得し、他方、異なる時間、または、異なる場所で取得したビーム光束の光量から微小時間の光量にサンプリングして、これらの微小時間の光量と静止ビームの光量分布データとから、走査ビームの光量分布データを導出し、ビーム径や光量を比較する。
また、ビーム光束の光量が、設計値や理論値から、図15に示すように予測されていた場合に、この予測された光量データをサンプリングレートと同一の時間で区分し、静止ビームの光量分布データを掛け合わせて、予測された走査ビームの光量分布データを取得し、走査ビームの実測された光量分布データと設計値または理論値との比較をする。
このようにすると、取得した走査ビームの光量分布データからビーム光束に発生した不具合を検出することができる。
さらに、ビーム光束検査装置20は、静止状態のビーム光束の光量分布状態を、光源であるLDユニット11の自然発光状態とレーザ発光状態での光量分布状態として、光源駆動信号の大きさにより適用する光量分布状態を切り換えてもよい。
すなわち、例えば、図16に示すように、LDユニット11の光源制御信号である注入電流量が変化しているものとし、図16では、画像を出力せず待機状態にあるとき(A部)と、画像を出力させるためにビーム光束を出射させるときの光源駆動状態にあるとき(B部)との制御信号である注入電流量を示している。
A部では、LDユニット11は自然発光状態にあり、静止状態で、図17に示すような光量分布状態となる。また、B部では。LDユニット11がレーザ発光状態にあり、静止状態で、図18に示すような光量分布状態となる。
そして、図19に示すような走査ビームの光量分布状態では、図19中C部では、自然発光状態の光量分布データが畳込み積分された状態であり、D部では、レーザ発光状態の光量分布データが畳込み積分された状態であり、E部では、光源への注入電流量の変化によるLDユニット11の駆動閾値として自然発光状態とレーザ発光状態の光量分布データが畳込み積分された状態となる。
したがって、光源であるLDユニット11への注入電流が駆動閾値を越えたタイミングで、適用する光量分布データを切り換える必要がある。
このように、走査ビームの光量分布状態の低光量領域であるすその部分は、光源であるLDユニット11が自然発光状態とレーザ発光状態での光量分布の両方が存在するため、走査ビームの光量分布状態を取得するためには、光源であるLDユニット11に注入する制御信号の大きさに合わせて、適用する静止ビームの光量分布状態を切り換え、精度よく走査ビームの光量分布状態を取得することができる。
なお、時間的なタイミングを一致させることが困難な場合は、微小時間の光量が待機状態から上昇しはじめるタイミングで、切り換えてもよい。
また、ビーム光束検査装置20は、画像形成ユニット10からのビーム光束を受光する受光素子としては、PD2に限るものではなく、例えば、PSD(Position Sensitive Diode)であってもよい。
すなわち、PDの表面抵抗を利用した非分割型のPSDを用いると、光量と位置を同時に検出することができ、走査状態のビーム光束の光量データに不具合を検出した場合、その位置を取得することができる。
また、受光素子としてPSDを用いると、走査ビームの光量分布データとPSDで取得されるビームの重心位置とを比較することで、光量の偏りによる位置ずれであるのか、画像形成ユニット10の回転多面鏡12や光源発光タイミング等の同期ずれによる位置ずれであるのかを判別することができる。
そして、上記各実施の形態において、画像形成ユニット10からのビーム光束を受光する受光素子は、移動して受光位置にセットできるようにしてもよい。
例えば、図20に示すように、受光素子として複数、例えば、3個のPD31a〜31cを用いる場合、画像形成ユニット10の結像位置側であって、感光体との間に挿入するようにする。例えば、各PD31a〜31cを主走査方向に配列するとともに、矢印で示す副走査方向に移動可能にスライド部材32a〜32cで保持して、測定時に、光路上に移動させて光路内に挿入する。なお、図20では、上記第1及び第2の実施の形態の画像形成ユニット10と同様の構成部分に同一の符号を付している。
また、PD31a〜31cは、主走査方向に並べて配列するものに限るものではなく、例えば、図21に示すように、複数のPD31a〜31cを光軸方向に重ねて配列してもよい。すなわち、受光素子は、光量のみを取得するものであるため、ビーム光束のスポット全体が受光されればよく、光軸方向に多少の位置ずれは許容されるからである。
さらに、ビーム光束のスポットは、通常、数10μmであるため、アナログ/デジタル変換回路3のサンプリングレートを速くすると、1つの受光素子、例えば、PDで複数の位置でのスポットを、同一走査時内で検出することができる。
そして、上記画像形成ユニット10をその画像形成ユニットとして搭載するプリンタ、ファクシミリ装置、複写装置に、上記各実施の形態のビーム光束検査装置1、20を搭載することで、光量分布を監視し、また、静止状態での光量分布データを格納する記憶装置と、微小時間の光量データと静止状態の光量分布データから走査ビームの光量分布データを導出する演算装置と、を搭載すると、当該画像形成商品が出荷された後であっても、走査ビーム光束の光量分布状態を監視でき、設計値や理論値から大きくずれた場合や、走査線上の位置により光量分布状態に生じた差異が大きいとき警告等を出すことが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
主に、電子写真方式の書込ユニット、感光体等からなる画像形成部を有する複写装置、プリンタ等の画像形成装置に適用され、例えば、複数の光源を有するLDアレイ、LED等の光源列を用いた画像製品や光記憶装置等の書き込み・読み出し装置の光学系等のビーム光束とビームを結像させる対象物の相対的な位置が変化する装置の動作状態で、結像対象物に対するビーム光束の光量分布状態を検出する技術にも利用することができる。
本発明のビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置の第1の実施の形態に適用されるビーム光束検査装置の要部概略構成図。
図1のビーム光束検査装置で取得されるビーム光束の微小時間光量変化データを示す図。
図2のとは異なる時間に取得したビーム光束の微小時間光量変化データを示す図。
設計上または理論上取得されると予測される微小時間光量変化データを示す図。
図1のPDを複数備えているビーム光束検査装置の要部概略構成図。
本発明のビーム光束検査装置、ビーム光束検査方法、画像形成ユニット及び画像形成装置の第2の実施の形態に適用されるビーム光束検査装置の要部概略構成図。
図6の画像形成ユニットの結像位置で回転多面鏡が静止している状態のビーム光量分布データを示す図。
ビームの断面の光量分布データを示す図。
ビームの2次元光量分布データ。
ビームの2次元光量を縦横方向に積算した積算データを示す図。
図10の積算光量分布データと微小時間の光量データとを掛け合わせて取得した微小時間の光量分布データを示す図。
図11の微小時間の光量分布データを微小時間の間に走査ビームが走査する距離だけずらして重ね合せてそれぞれの光量分布データを積算した光量分布データを示す図。
静止状態の生産光量分布データの光量変動に伴うプロファイルを示す図。
図13の各光量でのプロファイルの振幅を一致させたときのプロファイルを示す図。
設計値や理論値から予測されるビーム光束の光量データを示す図。
図6のLDユニットの光源制御信号である注入電流量の変化状態を示す図。
図6のLDユニットが自然発光状態である静止状態での光量分布状態を示す図。
図6のLDユニットがレーザ発光状態にある静止状態での光量分布状態を示す図。
図6の走査ビームの光量分布状態の一例を示す図。
走査方向に配列された複数のPDがスライド移動可能である例の画像形成ユニット部分の斜視図。
光軸方向に配列した複数のPDがスライド移動可能である例のPD部分の斜視図。
符号の説明
1 ビーム光束検査装置
2 PD
2a〜2c PD
3 アナログ/デジタル変換回路
10 画像形成ユニット
11 LDユニット
12 回転多面鏡
13 fθレンズ
Pt 結像位置
20 ビーム光束検査装置
21 パーソナルコンピュータ
31a〜31c PD
32a〜32c スライド部材