JP5978679B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紙等の媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
レーザービームプリンタに代表される画像形成装置において、例えば、光源から出射された光ビームを偏向走査手段により主走査方向に偏向走査し、被走査面であるドラム(感光体)に向けて集光し、ドラム表面に潜像を形成するものが知られている。このような画像形成装置では、ドラム表面の潜像はドラムと現像ローラとに挟持された中間転写ベルトに転写され、中間転写ベルト上に潜像に対応する画像が形成される。
中間転写ベルト上に形成された画像において、主走査方向及び副走査方向に各々濃度変動が生じる場合がある。濃度変動の原因の一つとして、プロセスギャップ(PG)変動が考えられる。まず、画像の主走査方向の濃度変動について考える。この要因としてドラム(感光体)と現像ローラの平行性が考えられる。例えば、ドラムと現像ローラのお互いの平行性が崩れたときに、ドラムへの現像能力にばらつきが生じて、主走査方向に対して濃度変動を引き起こす場合がある。このとき、濃度変動は主走査方向に線形に変化していく。
次に、画像の副走査方向の濃度変動について考える。この要因の一つとして、ドラムの偏心が考えられる。例えば、ドラムの軸ぶれが発生すると、ドラムの回転軸から表面までの距離が異なる箇所が発生することになり、ドラムと現像ローラとのギャップに差が生じる箇所ができる。このギャップの差は現像ばらつきとなり、副走査方向の濃度変動として画像に影響を及ぼすこととなる。
別の要因として、ドラムの真円性が考えられる。例えば、真円のドラムAに対して、真円性の低いドラムBがあるとする。このときドラムBはその回転時において、回転角度によってドラムと現像ローラとのギャップに差が生じ、現像の変動要因となりうる。上記の要因によって、ドラム表面に形成される画像については副走査方向の濃度変動が生じる。この濃度変動は、ドラムの回転周期で起こる周期的なものとなる。
濃度変動の要因については、他にもドラムの電位ムラや、トナー供給やトナー除去、除電、クリーニング等の様々な要因があり、プロセスギャップ変動による濃度変動と組み合わさることによって主走査、副走査方向ともに動的な濃度変動が発生する。
このような濃度変動を低減するために、例えば、主走査方向における光学系の透過特性に応じた光量調整が行われている。又、副走査方向の補正に関しては、例えば、感光体の感度ムラに応じて補正データを作成して副走査方向に光量を変化させ、補正データと感光体の回転周期の位相ずれによる不具合を演算により回避する技術が知られている。
しかしながら、光学系の透過特性以外にも主走査方向の濃度変動発生要因があり、経時で主走査方向に濃度変動が発生する場合がある。更に、副走査方向にも複数の濃度変動発生要因があり、それが組み合わさることによって複雑な濃度変動が生じる場合がある。上記技術では、濃度補正のダイナミックレンジが狭いため高精度な濃度補正を実現することが困難である。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、濃度補正のダイナミックレンジを向上し高精度な濃度補正を実現可能とする画像形成装置を提供することを課題とする。
本画像形成装置は、光源と、感光体であるドラムと、前記光源から出射される光ビームを偏向走査手段により主走査方向に偏向走査し、走査結像手段により被走査面である前記ドラムに集光して、前記ドラム表面に潜像を形成する光走査装置と、前記ドラムと接して配置され、前記潜像に対応する画像が形成される無端ベルトと、を備えた画像形成装置であって、前記無端ベルト上に、画像面積率50%以上85%以下の濃度変動検出用パターンを形成するパターン形成手段と、前記ドラムの回転周期を検出する周期検出センサと、前記濃度変動検出用パターンの濃度変動を検出する濃度センサと、前記濃度センサの出力信号に基づいて、前記光源の露光パワーを前記濃度変動を低減するように補正する補正信号を生成する補正信号生成手段と、前記無端ベルト上に、前記光源の光量変動に対する濃度の変化量を算出するための濃度校正用パターンを形成する校正手段と、を有し、前記校正手段は、前記濃度校正用パターンを、前記光源の露光パワーの制御によって変更される3水準以上の露光パワーで、かつ、画像面積率50%以上85%以下で形成することを要件とする。
開示の技術によれば、濃度補正のダイナミックレンジを向上し高精度な濃度補正を実現可能とする画像形成装置を提供できる。
第1の実施の形態に係る画像形成装置を例示する模式図である。 濃度センサを例示する模式図である。 濃度変動検出用パターンに関して説明するための図である。 副走査方向の濃度補正方法に関して説明するための図である。 主走査方向の濃度補正方法に関して説明するための図(その1)である。 主走査方向の濃度補正方法に関して説明するための図(その2)である。 主走査方向の濃度補正方法に関して説明するための図(その3)である。 濃度校正に関して説明するための図(その1)である。 濃度校正に関して説明するための図(その2)である。 画像面積率と色差変動との関係について例示する図である。 第1の実施の形態に係る濃度変動補正に関するフローチャートの一例である。 第1の実施の形態に係る濃度変動補正手段を例示する機能ブロック図である。 第2の実施の形態に係る濃度変動検出用パターンを例示する図である。 複数のドラムを有する画像形成装置を例示する図である。 第3の実施の形態に係る濃度変動検出用パターンを例示する図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
〈第1の実施の形態〉
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置を例示する模式図である。図1を参照するに、画像形成装置10は、画像処理手段11と、光源駆動装置12と、光源13と、光走査装置15と、ドラム16と、中間転写ベルト17と、濃度センサ18と、ホームポジションセンサ19(以降、HPセンサ19と称する場合がある)とを有する。
画像形成装置10において、濃度センサ18は、中間転写ベルト17上に形成されたトナーパターンの濃度を読み取り、トナーの付着量を電圧に変換した出力信号である濃度信号Vを画像処理手段11に出力する。濃度センサ18は、例えば、LEDで発光した光を中間転写ベルト17へ照射し、中間転写ベルト17上のトナー濃度に応じて得られる正反射光や拡散反射光を受光素子で検出する構成等とすることができる。
HPセンサ19は、ドラム16の回転周期を検出する周期検出センサであり、ホームポジション信号W(以降、HP信号Wと称する場合がある)を画像処理手段11に出力する。なお、後述のように、画像形成装置10は、複数の濃度センサや複数のHPセンサを有してもよい。
画像処理手段11は、例えばCPU、ROM、RAM、メインメモリ等を含み、画像処理手段11の各種機能は、ROM等に記録されたプログラムがメインメモリに読み出されてCPUにより実行されることによって実現できる。但し、画像処理手段11の一部又は全部は、ハードウェアのみにより実現されてもよい。又、画像処理手段11は、物理的に複数の装置により構成されてもよい。
画像処理手段11は、入力された濃度信号V及びHP信号Wに基づいて濃度変動を検出し、主走査方向及び副走査方向の濃度変動を補正する光量補正量を演算して光量制御信号Aを生成し、光源駆動装置12に出力する。光源駆動装置12は、光量制御信号Aに基づいて光源13を駆動する。
光源13としては、例えば、半導体レーザ等を用いることができる。半導体レーザとしては、例えば、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER;垂直共振器面発光レーザ)等を用いることができる。
光源13から出射される光ビームは、光走査装置15により感光体であるドラム16に集光され、ドラム16の表面に潜像が形成される。光走査装置15は、例えば、光源13から出射される光ビームを主走査方向に偏向走査する偏向走査手段(図示せず)や、偏向走査された光ビームを被走査面であるドラム16に集光する走査結像手段(図示せず)等を有する。
その後、現像や転写の過程を経て、中間転写ベルト17に光源13の発光量や発光時間に基づいた量のトナーが付着し、所定の画像が形成される。なお、中間転写ベルト17は、ドラム16と接して配置され、潜像に対応する画像が形成される無端ベルトである。
このように、画像形成装置10では、主走査方向及び副走査方向の濃度変動を補正する光量制御信号Aに基づいた光量で光源13の発光レベル制御を行う。これにより、主走査方向及び副走査方向の各々の濃度変動を光源13の光量制御により低減できる。
但し、主走査方向及び副走査方向の何れか一方の濃度変動のみに基づいた光量制御信号Aを生成することにより、主走査方向及び副走査方向の何れか一方の濃度変動のみを補正することも可能である。なお、主走査方向は中間転写ベルト17の搬送方向に対して垂直方向であり、副走査方向は中間転写ベルト17の搬送方向である。
以降、画像形成装置10の主要な構成要素について、より詳細に説明する。図2は、濃度センサを例示する模式図である。図2(a)は中間転写ベルト17上にトナーが付着していない場合を示し、図2(b)は中間転写ベルト17上にトナーが付着している場合を示している。
図2を参照するに、濃度センサ18は、発光素子181と、正反射光受光素子182と、拡散反射光受光素子183とを有する。発光素子181は、例えば発光ダイオード(LED)であり、正反射光受光素子182及び拡散反射光受光素子183は、例えば、フォトダイオード(PD)である。
図2(a)に示すように中間転写ベルト17上にトナーが付着していない場合には、発光素子181から照射された光は、中間転写ベルト17からの正反射光が大きくなり、正反射光受光素子182に多くの光が入射される。一方、中間転写ベルト17上での拡散反射光は小さいため、拡散反射光受光素子183にはほとんど光が入射されない。
図2(b)に示すように中間転写ベルト17上にトナー50が付着している場合には、正反射光は小さくなり、正反射光受光素子182の出力信号は小さくなる。一方、拡散反射光は大きくなり、拡散反射光受光素子183の出力信号は大きくなる。
このように、トナー50が付着していない場合と、付着している場合とで、正反射光受光素子182及び拡散反射光受光素子183の各々の検出信号レベルが相違する。これにより、中間転写ベルト17上のトナー50の濃度を検出することが可能となる。但し、正反射光受光素子182及び拡散反射光受光素子183の各々の検出信号レベルが実際の画像濃度とどのように対応しているかについては、上記構成だけでは判別できない。これについては、図8及び図9を参照しながら後述する。
図3は、濃度変動検出用パターンに関して説明するための図である。本実施の形態では、図3に示すように、ドラム16の回転に伴い検出されるHP信号Wに同期して、中間転写ベルト17上に濃度変動検出のための濃度変動検出用パターン20を形成する。HP信号Wに対し、濃度変動検出用パターン20を例えばΔtだけ遅延した時間から形成することにより、ドラム16の特定の位置での濃度変動を濃度センサ18a、18b、及び18cにより高精度に検出することが可能となる。又、HP信号Wをトリガ信号として、濃度センサ18a、18b、及び18cにより濃度変動検出用パターン20から濃度変動を示す濃度信号を繰り返し検出することにより、より高精度な濃度信号の取得が可能となる。
図4は、副走査方向の濃度補正方法に関して説明するための図である。HP信号Wをトリガ信号として、濃度センサ18a、18b、及び18cにより濃度変動検出用パターン20から濃度変動を示す濃度信号を検出できる。例えば、濃度センサ18aからドラム16の周期Tdと同一周期の濃度信号Vaを検出できる。
又、濃度信号Vaに基づいて、補正信号Haとして、濃度変動Vaと逆位相でありドラム16の周期Tdと同一周期である正弦波信号を生成できる。濃度変動Vaと逆位相の補正信号Haを用いて光源13の光量信号を制御することにより濃度変動検出用パターンを形成すると、形成された濃度変動検出用パターンの副走査方向の濃度変動を低減することが可能となる。
つまり、補正信号Haを用いて補正された濃度変動検出用パターンを例えば濃度センサ18aで検出すると、濃度信号Vxのような、濃度信号Vaよりも振幅の小さな信号が得られる。なお、濃度センサ18aの出力信号である濃度信号Vaに代えて、濃度センサ18b又は18cの出力信号に基づいて補正信号を生成して、副走査方向の濃度変動を低減してもよい。又、濃度センサ18a〜18cの出力信号の平均値に基づいて補正信号を生成して、副走査方向の濃度変動を低減してもよい。
このように、主走査方向に並設された複数の濃度センサ18a、18b、及び18cのうちの少なくとも1つの濃度センサの出力信号とHPセンサ19の出力信号とに基づいて、主走査方向と直交する副走査方向の濃度変動を補正する補正信号Haを生成できる。そして、補正信号Haに基づいた光量で光源13の発光レベル制御を行うことにより、副走査方向の濃度変動を低減できる。なお、補正信号Haは正弦波の周期パターンでなくてもよく、状況に応じて、例えば、三角波の周期パターンや台形波の周期パターン等とすることができる。
図5は、主走査方向の濃度補正方法に関して説明するための図である。前述の図3に示すように、主走査方向に並んだ複数の濃度センサ(この場合には、3つの濃度センサ18a、18b、及び18c)を用いて濃度変動検出用パターン20を検出した場合、前述した副走査方向の周期変動に加え、図5に示すように、主走査方向に信号レベルの異なる濃度信号Va、Vb、及びVcが得られる。
濃度信号Va、Vb、及びVcを、HP信号Wを元に1周期分若しくは複数周期分サンプリングすることで、図6に示すように、主走査方向の濃度変動を検出することができる。主走査方向の濃度変動は、図7に示すように、濃度信号Va、Vb、及びVcを線形補間して補間信号Sxを生成し、補間信号Sxを反転して補正信号Hbを生成し、補正信号Hbを用いて光源13の光量信号を制御することにより低減することが可能となる。
なお、以上の説明は便宜上副走査方向と主走査方向に分けて行ったが、実際には、副走査方向の補正信号Haと主走査方向の補正信号Hbとを独立に生成し、補正信号Haと補正信号Hbとを重畳した光量制御信号A(図1参照)を生成して光源13を駆動する。これにより、主走査方向及び副走査方向の各々の濃度変動を光源13の光量制御により低減できる。
図8及び図9は、濃度校正に関して説明するための図である。濃度補正を行うためには、光量変動に対する濃度の変動量を知る必要がある。図8に示すように、光源13の露光パワーの制御によってパターンを形成する光量を順に増やし、濃度が異なる11水準(11種類)の矩形状のパターンを有する濃度校正用パターン25を副走査方向に描き、副走査ライン上で濃度センサ18aが濃度校正用パターン25を構成する各パターンに対応する濃度信号V(V〜V11を含む)を検出する場合を考える。なお、図8では、光量を基準光量に対して−10%〜+10%まで2%間隔で変化させている。
このとき、濃度を変えるために増加した光量と濃度校正用パターン25を構成する各パターンとの間には、略線形の関係がある。又、濃度信号V(V〜V11を含む)と濃度校正用パターン25を構成する各パターンの濃度との間にも略線形の関係があるので、図9に示すように、光量と濃度信号V(V〜V11を含む)との間の略線形の関係性データを取得することができる。
又、実際に印字して画像濃度を測色計やスキャナ等で測定し、濃度信号V(V〜V11を含む)との対応をとることにより、実際の画像濃度と濃度信号V(V〜V11を含む)との相関を取ることができる。なお、濃度センサ18bが及び18cについても、同様にして、実際の画像濃度と濃度信号との相関を取ることができる。
なお、図8では濃度校正用パターン25を光源13の露光パワーの制御によって変更される11水準の露光パワーで形成する例を示したが、濃度校正用パターン25を光源13の露光パワーの制御によって変更される3水準以上の露光パワーで形成することにより、光源13の光量変動に対する濃度の変化量を算出できる。
本実施の形態では、図3に示した濃度変動検出用パターン20と図8に示した濃度校正用パターン25の画像面積率を各々50%以上85%以下に設定している。頁内の濃度変動を補正する際、目視や濃度センサによるセンシングの点から、色差を0.2刻みで変化させることで良好に補正が可能となる。画像面積率が50%以上85%以下の場合、図10に示すように、光量を+10%変化させた時の紙上色差変動が4程度となる。従って、色差を0.2刻みで変化させるためには、光量制御分解能が±0.5%で良いことになる。
一方、画像面積率が50〜85%以外の場合では、色差を0.2刻みで変化させるには、光量制御分解能が±1%程度となり、光量変化の上下限を考慮すると濃度補正のダイナミックレンジが狭くなってしまう。なお、画像面積率は、ある濃度パターンを出力する際の網点や万線の基本マトリックスがどのくらい専有されているかを示す数値であり、網点面積率と称する場合もある。例えば、市松模様状の濃度のパターンであれば、画像面積率は50%となる。紙上の画像面積率は、例えば、CCDや分光器から逆算して算出できる。
このように、濃度変動検出用パターン20の画像面積率を50%以上85%以下とすることにより、濃度補正のダイナミックレンジが広くなるため、ドラム16に起因する濃度変動について、高精度な濃度補正用の濃度変動データを取得可能となり、簡易な構成で濃度変動を低減可能な画像形成装置10を実現できる。濃度校正用パターン25についても同様である。
ここで、図11及び図12を参照しながら、濃度変動補正について更に詳しく説明する。図11は、第1の実施の形態に係る濃度変動補正に関するフローチャートの一例である。図12は、第1の実施の形態に係る濃度変動補正手段を例示する機能ブロック図である。なお、図12に示す濃度変動補正手段30の校正手段30a、パターン形成手段30b、補正信号生成手段30cは、画像処理手段11、光源駆動装置12、光源13、光走査装置15等により実現できる。
図11及び図12を参照するに、まず、ステップS401では、校正手段30aは、例えば図8に示すような濃度校正用パターンを、中間転写ベルト17上の濃度センサ18a、18b、及び18cに対応する位置に形成する。この際、校正手段30aは、光源13の露光パワーの制御によって変更される3水準以上の露光パワーで(図8の例では11水準)、かつ、画像面積50%以上85%以内で一様な濃度校正用パターンを形成する。次に、ステップS403では、校正手段30aは、濃度校正用パターン25に対応する濃度センサ18a、18b、及び18cの各々の濃度信号を取得する。
次に、ステップS405では、校正手段30aは、例えば図9に示すような光源13の発光パワー(光量)と各濃度信号レベルとの相関データを取得し、メモリ等に保存する。これにより、濃度校正用パターン25と濃度センサ18a、18b、及び18cから得られる各々の濃度信号との間の相関が取れるようになる。つまり、中間転写ベルト17上に形成される画像の濃度と濃度信号の振幅との対応が分かり、濃度信号に対する濃度の大きさが判別可能となる(校正される)。
次に、ステップS407では、パターン形成手段30bは、例えば図3に示すような濃度変動検出用パターン20をHPセンサ19の検出したドラム16の回転周期で中間転写ベルト17上の濃度センサ18a、18b、及び18cに対応する位置に形成する。この際、パターン形成手段30bは、画像面積50%以上85%以内で一様な濃度変動検出用パターン20を形成する。
次に、ステップS409では、補正信号生成手段30cは、濃度変動検出用パターン20に対応する濃度センサ18a、18b、及び18cの各々の濃度信号(例えば、図5に示す濃度信号Va、Vb、及びVc)を取得する。次に、ステップS411では、補正信号生成手段30cは、副走査方向の濃度変動に対応する周期パターンを生成する。副走査方向の濃度変動に対応する周期パターンは、例えば、図5に示す濃度信号Va、Vb、及びVcを平均化した信号を正弦波で近似することにより取得できる。或いは、副走査方向の濃度変動に対応する周期パターンを、図5に示す濃度信号Va、Vb、及びVcのうちの少なくとも1つの濃度センサの出力信号を正弦波で近似することにより取得してもよい。
次に、ステップS413では、補正信号生成手段30cは、副走査方向の濃度変動に対応する周期パターンとは逆位相の正弦波信号である補正信号を生成する。次に、ステップS415では、補正信号生成手段30cは、ステップS413で生成した補正信号のパターンを、例えば、A/D変換してメモリ等に保存する。なお、補正信号の周期パターンのうちの1周期分のみを基準パターンとして保存すればよい。
次に、ステップS417では、補正信号生成手段30cは、濃度変動検出用パターン20に対応する濃度センサ18a、18b、及び18cの各々の濃度信号(例えば、図5に示す濃度信号Va、Vb、及びVc)について、濃度センサ毎に平均値(例えば、図6参照)を取得する。
次に、ステップS419では、補正信号生成手段30cは、主走査方向の濃度変動に対応する近似式(例えば、図7に示す補間信号Sxのパターンを示す式)を生成する。次に、ステップS421では、補正信号生成手段30cは、主走査方向の濃度変動を補正するための発光パワー補正式(例えば、図7に示す補正信号Hbのパターンを示す式)を生成する。次に、ステップS423では、補正信号生成手段30cは、ステップS421で生成した発光パワー補正式をメモリ等に保存する。
その後、補正信号生成手段30cは、ステップS415で保存した補正信号のパターンとステップS423で保存した発光パワー補正式とに基づいて、両者を重畳した光量制御信号Aを生成し、画像形成装置10が画像を形成する際に、光量制御信号Aに基づいた光量で光源13の発光レベル制御を行う。これにより、主走査方向及び副走査方向の各々の濃度変動を光源13の光量制御により低減できる。つまり、図11の方法で濃度変動補正を行うことにより、中間転写ベルト17上に主走査方向及び副走査方向の濃度変動が低減された高画質の像が得られる。
このように、濃度変動検出用パターンの画像面積率を50%以上85%以下とすることにより、濃度補正のダイナミックレンジが広くなるため、ドラムに起因する濃度変動について、高精度な濃度変動補正用の濃度変動データを取得可能となり、簡易な構成で濃度変動を低減可能な画像形成装置を実現できる。
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは異なる濃度変動検出用パターンの例を示す。図13は、第2の実施の形態に係る濃度変動検出用パターンを例示する図である。図13を参照するに、中間転写ベルト17上には、濃度変動検出のための副走査方向を長手方向とする濃度変動検出用パターン20a、20b、及び20cが、主走査方向に複数配置された濃度センサ18a、18b、及び18cの各々の直下に配置されている。
濃度変動検出用パターン20a、20b、及び20cを形成することにより、図3に示す濃度変動検出用パターン20と比較し、同等の効果でトナーの消費量を抑えることが可能となる。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態では、複数の感光体を有するタンデムカラー機に本発明を適用する例を示す。図14は、複数のドラム(感光体)を有する画像形成装置を例示する図である。図14を参照するに、画像形成装置40は、無端状ベルトである中間転写ベルト17に沿って例えばシアン、マゼンダ、イエロー、及びブラック各色に対応した光走査装置45a、45b、45c、及び45dが並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれる画像形成装置である。中間転写ベルト17は、回転駆動される各種ローラに巻回されたエンドレスのベルトである。
光走査装置45a、45b、45c、及び45dは、各々光源(図示せず)を有し、各々の光源から出射される光線を偏向器(図示せず)や複数の光学系(図示せず)を経て各ドラム16a、16b、16c、及び16dに導光し、各ドラム16a、16b、16c、及び16d上に潜像を形成する。
各ドラム16a、16b、16c、及び16d近傍には、各々HPセンサ19a、19b、19c、及び19dが配置されている。HPセンサHPセンサ19a、19b、19c、及び19dの機能については、前述の第1の実施の形態で説明したHPセンサ19と同様である。
画像形成装置40において、各ドラム16a、16b、16c、及び16d毎にその回転タイミングや周期が多少異なる場合がある。すなわち、画像形成装置40の場合、シアン、マゼンダ、イエロー、及びブラック各色毎にドラムが異なるため、各ドラムのHP信号の生成タイミングもまた異なる。よって各色の濃度変動検出用パターンを中間転写ベルト17上に生成する場合には、各色毎に異なるHP信号のタイミングに応じて濃度検出パターンを生成する必要がある。これにより、画質の面では各ドラム16a、16b、16c、及び16d毎の濃度変動を効果的に低減した、色再現性の良い画像が得られる。
図15は、第3の実施の形態に係る濃度変動検出用パターンを例示する図である。図15において、主走査方向に並列に形成された濃度変動検出用パターン21a、21b、及び21cはシアンのパターン、主走査方向に並列に形成された濃度変動検出用パターン22a、22b、及び22cはマゼンダのパターン、主走査方向に並列に形成された濃度変動検出用パターン23a、23b、及び23cはイエローのパターン、主走査方向に並列に形成された濃度変動検出用パターン24a、24b、及び24cはブラックのパターンである。
又、図15において、HP信号Wcはシアンに対応するHPセンサ19aからの出力信号、HP信号Wmはマゼンダに対応するHPセンサ19bからの出力信号、HP信号Wyはイエローに対応するHPセンサ19cからの出力信号、HP信号Wbはブラックに対応するHPセンサ19dからの出力信号である。
図15では、HP信号Wcの2周期分シアンの濃度変動検出用パターン21a、21b、及び21cを生成し、次に副走査方向の異なる位置に、HP信号Wmの2周期分マゼンダの濃度変動検出用パターン22a、22b、及び22cを生成し、次に副走査方向の異なる位置に、HP信号Wyの2周期分イエローの濃度変動検出用パターン23a、23b、及び23cを生成し、次に副走査方向の異なる位置に、HP信号Wbの2周期分ブラックの濃度変動検出用パターン24a、24b、及び24cを生成している。
各HP信号の2周期分の濃度変動検出用パターンを形成する理由は、各HP信号の1周期分の濃度変動検出用パターンのみでは濃度センサで検出する際のSN比が小さい場合があるためである。従って、濃度センサで検出する際のSN比をより大きくするために、各HP信号の3周期分以上の濃度変動検出用パターンを形成してもよい。
各HP信号の複数周期分形成した濃度変動検出用パターンを各濃度センサで検出し、同じ位置の信号同士で平均化処理を行うことにより、ドラムの形状等に由来する周期的な濃度変動をより高精度に検出できる。従って、その濃度信号に基づいて補正信号を生成し、光源の光量制御をすることにより、濃度変動をより低減した高画質な画像形成装置を実現できる。
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
10、40 画像形成装置
11 画像処理手段
12 光源駆動装置
13 光源
15、45a、45b、45c、45d 光走査装置
16、16a、16b、16c、16d ドラム
17 中間転写ベルト
18、18a、18b、18c 濃度センサ
19、19a、19b、19c、19d ホームポジションセンサ(HPセンサ)
20、20a、20b、20c、21a、21b、21c、22a、22b、22c、23a、23b、23c、24a、24b、24c 濃度変動検出用パターン
25 濃度校正用パターン
30 濃度変動補正手段
30a 校正手段
30b パターン形成手段
30c 補正信号生成手段
50 トナー
181 発光素子
182 正反射光受光素子
183 拡散反射光受光素子
特開2008−065270号公報

Claims (9)

  1. 光源と、
    感光体であるドラムと、
    前記光源から出射される光ビームを偏向走査手段により主走査方向に偏向走査し、走査結像手段により被走査面である前記ドラムに集光して、前記ドラム表面に潜像を形成する光走査装置と、
    前記ドラムと接して配置され、前記潜像に対応する画像が形成される無端ベルトと、を備えた画像形成装置であって、
    前記無端ベルト上に、画像面積率50%以上85%以下の濃度変動検出用パターンを形成するパターン形成手段と、
    前記ドラムの回転周期を検出する周期検出センサと、
    前記濃度変動検出用パターンの濃度変動を検出する濃度センサと、
    前記濃度センサの出力信号に基づいて、前記光源の露光パワーを前記濃度変動を低減するように補正する補正信号を生成する補正信号生成手段と、
    前記無端ベルト上に、前記光源の光量変動に対する濃度の変化量を算出するための濃度校正用パターンを形成する校正手段と、を有し、
    前記校正手段は、前記濃度校正用パターンを、前記光源の露光パワーの制御によって変更される3水準以上の露光パワーで、かつ、画像面積率50%以上85%以下で形成することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記パターン形成手段は、前記周期検出センサの検出した前記ドラムの回転周期で前記濃度変動検出用パターンを形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記パターン形成手段は、前記周期検出センサの検出した前記ドラムの回転周期の複数周期分の前記濃度変動検出用パターンを形成することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記濃度センサは、前記主走査方向に並設された複数の濃度センサを含み、
    前記補正信号生成手段は、各濃度センサの位置と各濃度センサの出力信号とに基づいて、前記主走査方向の濃度変動を補正する補正式を生成することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の画像形成装置。
  5. 前記濃度センサは、前記主走査方向に並設された複数の濃度センサを含み、
    前記補正信号生成手段は、各濃度センサのうちの少なくとも1つの濃度センサの出力信号と前記周期検出センサの出力信号とに基づいて、前記主走査方向と直交する副走査方向の濃度変動を補正する補正信号を生成することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の画像形成装置。
  6. 前記補正信号は、正弦波の周期パターンであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の画像形成装置。
  7. 前記補正信号は、三角波の周期パターンであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の画像形成装置。
  8. 前記補正信号は、台形波の周期パターンであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の画像形成装置。
  9. 前記光源は面発光レーザであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項記載の画像形成装置。
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