JP2007162802A - 回転軸シールとその製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造効率を高め、品質の安定した回転軸シールを安価に提供する。
【解決手段】金属製アウターケース2のかしめ加工を省略する。そして、モールド成形にてシール部4を形成すると同時に、アウターケース2とシールエレメント7とインナーケース3とシール部4とを、一体構造とする。
【選択図】図1
【解決手段】金属製アウターケース2のかしめ加工を省略する。そして、モールド成形にてシール部4を形成すると同時に、アウターケース2とシールエレメント7とインナーケース3とシール部4とを、一体構造とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転軸シールに係り、特にカーエアコン用コンプレッサ等に使用される回転軸シールに関する。
カーエアコン用コンプレッサ等は、高速化・高圧化・高温化等の傾向にあって、これに使用する回転軸シールへの要求が厳しい状況下にあり、本発明者等はこのような要求に答えるべく多くの回転軸シールの提案をしてきた(例えば、特許文献2,3参照)。
即ち、図4,図5は、夫々、特許文献2,3にて提案した回転軸シール31を例示し、流体収納室側(高圧側)に内フランジ部32を有し、かつ、ハウジング内面に対応する円筒部33を有する略L字状のアウターケース34に、ゴム製シール部35をモールド成形等にて一体固着し、かつ、図4と図5に実線にて示すように、アウターケース34の上記円筒部33の低圧側Bの端部33aは薄肉として形成し、その端部33a側から、PTFE等のシールエレメント36及び金属製インナーケース37を組み込み、矢印Cの如くかしめ加工して、端部33aを2点鎖線のように小内鍔状に折曲げて、シール部35を一体に有するアウターケース34と、シールエレメント36とインナーケース37を、一体状に組立てる構造であった。
なお、38はゴムリップ部であり、流体収納室側(高圧側)Aへ延伸状として、上記シール部35がその一部として備えている。また、シールエレメント36にはスクリュー溝39が形成されている。アウターケース34の内フランジ部32を被覆するU字状の軸心Lと直交状の鉛直壁部40をシール部35が有し、この鉛直壁部40の低圧側壁部とシールエレメント36の外周寄り円環部位とは、内フランジ部32とインナーケース37の間に強く圧着保持されるように、前述の矢印C方向へのかしめ加工が行われる。
従来から、ゴムリップ部38による静止時の密封作用、及び、軸の回転時のPTFEシールエレメント36(のスクリュー溝39)によるハイドロダイナミック作用の両方によって、カーエアコン用コンプレッサ等の既述の厳しい要求に応えている。
しかしながら、図4(特許文献2)や図5(特許文献3)に示した従来の回転軸シール31では、各部品をばらばらに製作し、アッセンブリを行う(組立てて一体構造とする)ため、アウターケース34の端部33aを(矢印C方向に)折り曲げるかしめ加工を必須としており、加工工数が増加し(製造工程が煩雑化し、)、かつ、アッセンブリラインのための大きな設備費用を要していた。
しかしながら、図4(特許文献2)や図5(特許文献3)に示した従来の回転軸シール31では、各部品をばらばらに製作し、アッセンブリを行う(組立てて一体構造とする)ため、アウターケース34の端部33aを(矢印C方向に)折り曲げるかしめ加工を必須としており、加工工数が増加し(製造工程が煩雑化し、)、かつ、アッセンブリラインのための大きな設備費用を要していた。
なお、従来から、いわゆるオイルシールに於ては、かしめ加工を省略した製法が行われている(特許文献1参照)。しかし、(インサート)金具とゴム製シール部のみから成る簡単な構成であって、図4と図5のアウターケース34とゴム製シール部35のみを予め一体にモールド成形しているのと同等の技術に過ぎないといえる。
特開平2−240460号公報
特開2004−019798号公報
特開2003−343737号公報
従来、上述の如く、インサート(金具)とゴム製シール部のみ、又は、アウターケースとゴム製シール部のみの簡易な回転軸シール又は(そのための)部品に於て、モールド成形にてインサート(金具)やアウターケースと、ゴム製シール部とを、一体化する技術は知られていたとしても、カーエアコン用コンプレッサ等の過酷な使用条件(厳しい要求)下で使用に耐えるシールエレメントやインナーケース等の部品を具備する回転軸シールでは、簡略化した製造工程によって、高いシール性能で安定した品質のものを、安価に多量生産することは、至難なこととされてきた。
本発明はこのような従来の問題点を解決して、過酷な使用条件にも対応可能であり、簡略化した製造工程によって安価に製造可能な、高いシール性能を安定して発揮する回転軸シール及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、この目的を達成するために、金属製アウターケースと、金属製インナーケースと、回転軸に摺接するゴムリップ部を有するゴム製シール部と、上記回転軸に摺接するシールエレメントとを、備えた回転軸シールに於て、上記金属製アウターケースのかしめ加工を省略して、上記アウターケースとシールエレメントとインナーケースと上記シール部とを一体構造としたものである。
また、上記アウターケースの円筒部の内周面と、上記インナーケースの円筒部の外周面とが、(相互に圧接するように)嵌合(圧入嵌合)にて一体化されている。
また、上記アウターケースの円筒部の内周面と、上記インナーケースの円筒部の外周面とが、(相互に圧接するように)嵌合(圧入嵌合)にて一体化されている。
また、金属製アウターケースと、金属製インナーケースと、回転軸に摺接するゴムリップ部を有するゴム製シール部と、上記回転軸に摺接するシールエレメントとを、備えた回転軸シールに於て、上記金属製アウターケースのかしめ加工を省略して、上記シール部のモールド成形にて、上記アウターケースとシールエレメントとインナーケースと上記シール部とを一体構造としたものである。
また、上記アウターケースの円筒部の内周面と、上記インナーケースの円筒部の外周面との間に、上記シール部のモールド成形の際に浸入して形成されたゴム層が介在して上記アウターケースとインナーケースが一体化しているものである。
また、上記アウターケースは円筒部と低圧側内フランジ部とを有する断面略L字形であり、上記インナーケースは円筒部と低圧側内フランジ部とを有する断面略L字形であり、上記シールエレメントを上記両内フランジ部にて挾着保持すると共に、上記アウターケースとインナーケースが一体化しているものである。また、この回転軸シールは、カーエアコン用コンプレッサに使用される。
また、上記アウターケースの円筒部の内周面と、上記インナーケースの円筒部の外周面との間に、上記シール部のモールド成形の際に浸入して形成されたゴム層が介在して上記アウターケースとインナーケースが一体化しているものである。
また、上記アウターケースは円筒部と低圧側内フランジ部とを有する断面略L字形であり、上記インナーケースは円筒部と低圧側内フランジ部とを有する断面略L字形であり、上記シールエレメントを上記両内フランジ部にて挾着保持すると共に、上記アウターケースとインナーケースが一体化しているものである。また、この回転軸シールは、カーエアコン用コンプレッサに使用される。
そして、本発明に係る回転軸シールの製法は、金属製アウターケースと、金属製インナーケースと、シールエレメントを、該アウターケースとインナーケースにて上記シールエレメントを挾着状として、金型のキャビティ内に装入し、次に、流動化したゴム材料を上記キャビティ内に充填して、固化させ、シール部をモールド成形すると同時に、上記アウターケースとインナーケースとシールエレメントとを一体化する方法である。
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
即ち、従来のシールエレメントを有する(カーエアコン用コンプレッサ等に使用される)回転軸シールでは必須であったかしめ加工を省略したので、加工工数が低減でき、製造工程が簡略化されて、安価にシール性能の優れた回転軸シールを、安定した品質で多量生産可能となった。
即ち、従来のシールエレメントを有する(カーエアコン用コンプレッサ等に使用される)回転軸シールでは必須であったかしめ加工を省略したので、加工工数が低減でき、製造工程が簡略化されて、安価にシール性能の優れた回転軸シールを、安定した品質で多量生産可能となった。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1は本発明に係る回転軸シール1の実施の一形態を示す要部拡大断面図であり、図2は図1のさらに拡大して示した要部断面図であり、図3は本発明に係る回転軸シールの製法を簡略化して示す要部断面説明図である。
図1は本発明に係る回転軸シール1の実施の一形態を示す要部拡大断面図であり、図2は図1のさらに拡大して示した要部断面図であり、図3は本発明に係る回転軸シールの製法を簡略化して示す要部断面説明図である。
この回転軸シール1は、金属製アウターケース2と、金属製インナーケース3と、(図示省略の)回転軸に摺接するゴムリップ部5を有するゴム製シール部4と、上記回転軸に摺接するスクリュー溝6を有するシールエレメント7とを、備えている。
そして、金属製アウターケース2は、図4,図5にて述べたところの矢印C方向へのかしめ加工を全く省略して、全体が一体構造として組立てられている。具体的には、シール部4はモールド成形(射出モールド成形又はコンプレッションモールド成形)によって成形されるが、アウターケース2とシールエレメント7とインナーケース3と上記シール部4とを、上記モールド成形によって、一体構造として成る。
そして、金属製アウターケース2は、図4,図5にて述べたところの矢印C方向へのかしめ加工を全く省略して、全体が一体構造として組立てられている。具体的には、シール部4はモールド成形(射出モールド成形又はコンプレッションモールド成形)によって成形されるが、アウターケース2とシールエレメント7とインナーケース3と上記シール部4とを、上記モールド成形によって、一体構造として成る。
アウターケース2は、円筒部8と低圧側Bの内フランジ部9とを有し、断面略L字形である。また、インナーケース3は、円筒部10と低圧側Bの内フランジ部11とを有する断面略L字形である。しかも、インナーケース3の内フランジ部11は、低圧側Bへ僅かに突出状と凸部12が形成され、インナーケース3の円筒部10が、アウターケース2の円筒部8内に嵌合するように組立てられた構造であるが、シールエレメント7は、アウターケース2・インナーケース3の両内フランジ部9,11にて挾着保持される。かつ、図2に示すように、両円筒部8,10の嵌合間隙部Gには、シール部4の形成の際に、浸入して形成された(薄膜)ゴム層13が介在している。このように浸入形成されて固化したゴム層13によって、アウターケース2の円筒部8と、インナーケース3の円筒部10が、一体化している。
また、他の実施の形態について説明すると、モールド成形の前に、アウターケース2の円筒部8の内周面と、インナーケース3の円筒部10の外周面とが、相互に圧接するように、両円筒部8,10を圧入嵌合して一体化し、その後、モールド成形用金型内へ設置して、シール部4をモールド成形して、全体を一体化する。
インナーケース3とアウターケース2の嵌合公差は、機械的に圧入して嵌合させる。この圧入嵌合はプレス機を使用し、又は、ハンマー等で叩いて行えば良い。なお、このように圧入して図3に示すような中間品を作成した場合にも、嵌合間隙部Gが形成されないというものではなく、そこにモールド成形の際に流動化したゴム材料が流入して、(機械的一体化及び薄膜のゴム層13による一体化の併用によって)一層強固な一体構造となる。
インナーケース3とアウターケース2の嵌合公差は、機械的に圧入して嵌合させる。この圧入嵌合はプレス機を使用し、又は、ハンマー等で叩いて行えば良い。なお、このように圧入して図3に示すような中間品を作成した場合にも、嵌合間隙部Gが形成されないというものではなく、そこにモールド成形の際に流動化したゴム材料が流入して、(機械的一体化及び薄膜のゴム層13による一体化の併用によって)一層強固な一体構造となる。
シール部4は、HNBR単独にて、あるいは、HNBRを基本とする配合ゴム材にて、構成したり、他のゴム材を用いる。シールエレメント7は元の形状は、図3に示すように、円環平板状であり、回転軸を挿入状として組立てると、断面L字状として、スクリュー溝(螺旋溝)6の側が回転軸の外周面に接触する。このシールエレメント7は、PTFE等のフッ素系樹脂が好適である。シールエレメント7は外径寄りの部分が、内フランジ部9と、内フランジ部11にて挾着保持されているが、凸部12がインナーケース3の内フランジ部11に形成され、シールエレメント7の外径寄りの部位を強く押圧し(面圧が高く)、内部リークを防止している。また、凸部12を設けなくても、インナーケース3の内径を拡大することでも同じ効果を得ることができる。シールエレメント7にスクリュー溝6を形成したことにより、回転軸の回転により流体を流体収納室側(高圧側)Aへ押し戻すポンピング作用(ハイドロダイナミック作用)をなし、回転中の密封性を向上させている。
従来例の図4・図5と比較すれば明らかなように、従来のアウターケース34の内フランジ部32は流体収納室側(高圧側)Aに配設されていたが、本発明では、アウターケース2の内フランジ部9は低圧側Bに配設されている。さらに、従来のインナーケース37の内フランジ部は流体収納室側(高圧側)Aに配設されていたが、本発明では、インナーケース3の内フランジ部11は低圧側Bに配設されている。このようにして、低圧側Bにて、シールエレメント7は両内フランジ部9,11にて挾持状に圧着保持されている。
そして、シール部4は、相互に嵌合した両円筒部8,10を外周面側から被覆する外周凹凸波状嵌着円筒壁部15と、両円筒部8,10の高圧側端面8a,10aを被覆する端面被覆壁部16と、インナーケース3の内部に対応するブロック状部17と、を具備し、このブロック状部17の高圧側Aの端面に、U字状の凹周溝18を形成すると共に、ブロック状部17の高圧側Aの内周端寄りから斜めに内径方向に、ゴムリップ部5が延伸状に連設される。
また、図1では、このゴムリップ部5の軸心方向位置と、端面被覆壁部16の軸心方向位置を、略一致させている。言い換えれば、凹周溝18を形成したことにより、ブロック状部17とゴムリップ部5は、略U字状断面を有している。また、図示省略の回転軸の外周面に接触するゴムリップ部5の接触内周端縁5aは、アウターケース2の高圧側Aの端面8aと、軸心方向略同一位置に配設される。この点について、従来例の図4・図5と比較すれば、ゴムリップ部5が高圧側Aへ殆ど突出せず、回転軸シール1の全体の幅寸法W0 は、著しく減少できて、コンパクト化が図られていることが判る。即ち、本発明では、アウターケース2の全幅寸法と略同一の全幅寸法W0 にコンパクト化されている。
このように、全幅寸法W0 がコンパクト化されているので、外的要因により、リップが傷ついたり、変形したりすることが抑制される。具体的には、回転軸シールの製造工程中や、そのシールを使ってカーエアコンのコンプレッサーを組み立てている最中に、外的要因による不良率を格段に少なくすることが可能となる。
このように、全幅寸法W0 がコンパクト化されているので、外的要因により、リップが傷ついたり、変形したりすることが抑制される。具体的には、回転軸シールの製造工程中や、そのシールを使ってカーエアコンのコンプレッサーを組み立てている最中に、外的要因による不良率を格段に少なくすることが可能となる。
また、上記凸部12について、全周にわたって連続状に形成している態様でも良いが、好ましくは、周方向に交互に凹凸状として凸部12を断続的に形成すれば、シールエレメント7を挾圧(押圧)する面圧が増大して、シールエレメント7の回転軸との共廻りを防止できる。さらにシールエレメント7と接触する部分は、のこぎりの歯状(ギザギザ)のようになっている方が保持力が向上するのでより好ましい。
次に、本発明に係る回転軸シールの製法を説明する。アウターケース2とシールエレメント7とインナーケース3を、図3に示すように、金型のキャビティ内に装入する。シールエレメント7は平板円環状として装入する。つまり、図3に示すように、アウターケース2の内フランジ部9、インナーケース3の内フランジ部11(特には、内フランジ部11に形成した凸部12)で、シールエレメント7を挟んで固定した状態で、金型(図示せず)内にセットする。次に、流動化ゴム材料を金型内に射出成形させ、図1の断面形状に示すゴムリップ部5を有する回転軸シール1を作製する。
上述の射出成形の際のゴム材料の流入と充填と加圧によって、ゴム材料は図2のように両円筒部8,10の嵌合間隙部Gに浸入して、その後の加硫によって、両円筒部8,10を強固に一体化する(ゴム層13が形成される)。ところで、図3に示すように、シールエレメント7を挾持するように、アウターケース2とインナーケース3とが、圧入しないで嵌合する状態(遊嵌状)の場合には、ゴム層13の偏肉を防止するため、アウターケース及び/又はインナーケースに、接着剤又は粘着剤を塗布して相互位置を固定したり、コンピュータ制御によって相互位置を決定して、その状態下で、金型内にセットし、流動化ゴム材料を金型内に射出し、シール部4を成形し、かつ、嵌合間隙部Gに全周均一厚さにゴム層13を形成する。このゴム層13の厚さ寸法は、ゴムの強度、種類により異なるが、厚さは薄い方が好ましく、厚さが大きすぎると、ゴム層13の(周方向位置における)偏肉が起こり易い。
他の実施の形態としては、アウターケース2の内周面とインナーケース3の内周面が、圧入状に嵌合させる場合には、プレス機やハンマー等にて押込むように組み立てたり、金型の型閉め時に押込むように組み立てて、図3のような中間品を作製して、これを金型内にセットし、流動化ゴム材料を金型内に射出して、シール部4を形成する。微小な嵌合間隙部Gへ流動ゴム材料が浸入して、ゴム層13を形成し、このゴム層13による一体化、及び、前述の圧入状の嵌合(圧入嵌合)による機械的一体化の共働によって、一層強固な一体構造の回転軸シールが得られる。
なお、いずれの製造方法にあっても、ゴムと接触する金属製のインナーケース3・アウターケース2の表面に、接着剤を予め塗布しておけば、回転軸シールとしての強度及び製品寿命の点で望ましい。
なお、いずれの製造方法にあっても、ゴムと接触する金属製のインナーケース3・アウターケース2の表面に、接着剤を予め塗布しておけば、回転軸シールとしての強度及び製品寿命の点で望ましい。
以上述べたように、金型内でシール部4を形成すると同時に、アウターケース2とインナーケース3とシールエレメント7とを一体化でき、従来のかしめ加工を全く省略している。つまり、シール部4のゴムの射出成形又はコンプレッション成形時に、各部品のアッセンブリを行うことができる。
なお、インナーケース3の内フランジ部11に凸部12を形成しておけば、インナーケース3とアウターケース2の両内フランジ部11, 9の挾着面圧が(局部的に)高まって、回転軸シール1として内部リークを有効に防止できると共に、シールエレメント7と回転軸との共廻りを防止できるという利点がある。また、凸部12を設けなくても、インナーケース3の内径を拡大することでも同じ効果を得ることができる。
なお、インナーケース3の内フランジ部11に凸部12を形成しておけば、インナーケース3とアウターケース2の両内フランジ部11, 9の挾着面圧が(局部的に)高まって、回転軸シール1として内部リークを有効に防止できると共に、シールエレメント7と回転軸との共廻りを防止できるという利点がある。また、凸部12を設けなくても、インナーケース3の内径を拡大することでも同じ効果を得ることができる。
本発明は上述したように、金属製アウターケース2と、金属製インナーケース3と、回転軸に摺接するゴムリップ部5を有するゴム製シール部4と、上記回転軸に摺接するシールエレメント7とを、備えた回転軸シールに於て、上記金属製アウターケース2のかしめ加工を省略して、上記シール部4のモールド成形にて、上記アウターケース2とシールエレメント7とインナーケース3と上記シール部4とを一体構造としたものであるので、安価に高品質のものを多量生産可能であり、製造設備も簡略化できて能率良く生産可能である。
また、上記アウターケース2の円筒部8の内周面と、上記インナーケース3の円筒部10の外周面とが、相互に圧接するように上記両円筒部8,10を圧入嵌合にて一体化されているので、アウターケース2とインナーケース3の一体化強度は十分に大きく、(アウターケース34の図4・図5で述べたかしめ加工を省略しても、)十分な強度の一体構造のシールが得られる。
また、上記アウターケース2は円筒部8と低圧側内フランジ部9とを有する断面略L字形であり、上記インナーケース3は円筒部10と低圧側内フランジ部11とを有する断面略L字形であり、上記シールエレメント7を上記両内フランジ部9,11にて挾着保持すると共に、上記両円筒部8,10の嵌合間隙部Gに、上記シール部4の形成の際に浸入して形成されたゴム層13が介在して上記アウターケース2とインナーケース3が一体化しているので、十分な強度にてアウターケース2とインナーケース3が一体化できる。かつ、ゴム層13によって、内部リークの可能性も減少できる。さらに、シールエレメント7の姿勢が(がたつかず)安定すると共に、回転軸の回転摩擦力に連れ廻りすることもなく、回転軸の回転中は常に安定したハイドロダイナミック(ポンピング)作用を行う。
また、金属製アウターケース2と、金属製インナーケース3と、シールエレメント7を、該アウターケース2とインナーケース3にて上記シールエレメント7を挾着状として、金型のキャビティ内に装入し、次に、流動化したゴム材料を上記キャビティ内に充填して、固化させ、シール部4をモールド成形すると同時に、上記アウターケース2とインナーケース3とシールエレメント7とを一体化する回転軸シールの製法によれば、煩雑な従来のかしめ加工が全く省略可能であり、製造工程の簡略化とコストダウンを達成でき、かつ、カーエアコン用コンプレッサ等のシールとして、過酷な使用条件(要求)に十分対応できる回転軸シールが確実に多量に生産可能となる。
2 アウターケース
3 インナーケース
4 ゴム製シール部
5 ゴムリップ部
6 スクリュー溝(螺旋溝)
7 シールエレメント
8,10 円筒部
9,11 内フランジ部
12 凸部
13 ゴム層
A 流体収納室側(高圧側)
B 低圧側
G 嵌合間隙部
3 インナーケース
4 ゴム製シール部
5 ゴムリップ部
6 スクリュー溝(螺旋溝)
7 シールエレメント
8,10 円筒部
9,11 内フランジ部
12 凸部
13 ゴム層
A 流体収納室側(高圧側)
B 低圧側
G 嵌合間隙部
Claims (7)
- 金属製アウターケース(2)と、金属製インナーケース(3)と、回転軸に摺接するゴムリップ部(5)を有するゴム製シール部(4)と、上記回転軸に摺接するシールエレメント(7)とを、備えた回転軸シールに於て、
上記金属製アウターケース(2)のかしめ加工を省略して、上記アウターケース(2)とシールエレメント(7)とインナーケース(3)と上記シール部(4)とを一体構造としたことを特徴とする回転軸シール。 - 上記アウターケース(2)の円筒部(8)の内周面と、上記インナーケース(3)の円筒部(10)の外周面とが、嵌合にて一体化されている請求項1記載の回転軸シール。
- 金属製アウターケース(2)と、金属製インナーケース(3)と、回転軸に摺接するゴムリップ部(5)を有するゴム製シール部(4)と、上記回転軸に摺接するシールエレメント(7)とを、備えた回転軸シールに於て、
上記金属製アウターケース(2)のかしめ加工を省略して、上記シール部(4)のモールド成形にて、上記アウターケース(2)とシールエレメント(7)とインナーケース(3)と上記シール部(4)とを一体構造としたことを特徴とする回転軸シール。 - 上記アウターケース(2)の円筒部(8)の内周面と、上記インナーケース(3)の円筒部(10)の外周面との間に、上記シール部(4)のモールド成形の際に浸入して形成されたゴム層(13)が介在して上記アウターケース(2)とインナーケース(3)が一体化している請求項3記載の回転軸シール。
- 上記アウターケース(2)は円筒部(8)と低圧側内フランジ部(9)とを有する断面略L字形であり、上記インナーケース(3)は円筒部(10)と低圧側内フランジ部(11)とを有する断面略L字形であり、上記シールエレメント(7)を上記両内フランジ部 (9)(11) にて挾着保持すると共に、上記アウターケース(2)とインナーケース(3)が一体化している請求項3記載の回転軸シール。
- カーエアコン用コンプレッサに使用される請求項1,2,3又は5記載の回転軸シール。
- 金属製アウターケース(2)と、金属製インナーケース(3)と、シールエレメント(7)を、該アウターケース(2)とインナーケース(3)にて上記シールエレメント(7)を挾着状として、金型のキャビティ内に装入し、次に、流動化したゴム材料を上記キャビティ内に充填して、固化させ、シール部(4)をモールド成形すると同時に、上記アウターケース(2)とインナーケース(3)とシールエレメント(7)とを一体化することを特徴とする回転軸シールの製法。
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