JP2007162362A - ロックボルト施工方法およびそれに用いる施工機械 - Google Patents

ロックボルト施工方法およびそれに用いる施工機械 Download PDF

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Abstract

【課題】 この発明は、効率的にロックボルトを施工することができるロックボルト施工方法およびそれに用いる施工機械に関する。
【解決手段】ロックボルト施工機械により所定の孔を掘削し、掘削された孔内にある前記ロッドの中空内に孔壁保護パイプを挿入し、該孔壁保護パイプ内にロックボルトとなる鋼棒を孔底まで挿入し、前記孔からロッドを抜き取る。次いで孔壁保護パイプを抜き取り、あるいは抜き取らずに孔内にモルタルを注入して鋼棒を孔に一体に固着してなることを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

この発明は、効率的にロックボルトを施工することができるロックボルト施工方法およびそれに用いる施工機械に関する。
従来、ロックボルト施工方法として、単管(シングル)掘削と二重管掘削とが知られている。
単管掘削では、掘削後にロッドビットを抜管し、ロックボルトとしての鋼棒を挿入してからセメントミルクを注入する。
二重管掘削は、一般的に地質が悪いときに使用される工法で、掘削後、内管ロッドビットだけを抜管し、外管内に鋼棒を挿入したままセメントミルクを注入し、その後に外管を抜管している。
しかし、前記単管掘削の場合、地質が悪いときはセメントミルクが地中に浸透してしまい使用量が増加し、また、孔が潰れて鋼棒を孔底まで挿入できない場合がある。
また、掘削後に、セメントミルクをすぐに注入しないと孔が潰れて孔中にセメントミルクが行き渡らない虞れがあるため、都度孔1本ごとの少量のセメントミルクを現場で混練、注入しなければならず、効率が悪く不経済となる。また現場に混練装置を設置する必要がある。
一方、二重管掘削の場合、二重管でのロッド接続作業となり重労働である。
また、掘削後に外管を回収した後に、直ちにセメントミルクを注入する必要があり、この場合も都度孔1本ごとに少量のセメントミルクを現場で混練、注入するため効率が悪く不経済となるし、現場に混練装置を設置する必要もある。
更に、地質が悪いときはセメントミルクが地中に浸透し、使用量が増加するという問題もあった。
また、ロックボルト施工機械としては、従来、クレーンドリル、スカイドリル、アタッチドリル等の名称で知られているが、無足場工法では施工機械本体を法面に固定し掘削反力を取る方法が無かった。
更に、これらの無足場工法の機械では、シングル掘削のみしか対応できなかった。
特開平11−155619号
この発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その主たる課題は、効率よくロックボルトを施工する方法、およびそれに用いると共に無足場工法で法面に固定した際に掘削反力を取ることができるロックボルト施工機械を提供することにある。
上記課題を解決するために、
請求項1のロックボルト施工方法の発明では、
ロックボルト施工機械により所定の孔を掘削する第1工程と、
掘削された孔内にある前記ロッドの中空内に孔壁を保護するための孔壁保護パイプを挿入する第2工程と、
ロッド内に挿入された孔壁保護パイプ内にロックボルトを孔底まで挿入する第3工程と、
前記孔からロッドだけを抜き取る第4工程と、
前記孔壁保護パイプを孔から抜き取り、または孔内に残した状態で前記孔にモルタルを注入して、ロックボルトを孔に一体に固着する第5工程とからなることを特徴とする。
また、請求項2の発明では、
前記第1工法が、ロッドの内部にワイヤラインに接続されたインナビットアッセンブリを着脱可能に固定した状態で前記ロッドを給進して掘削を行なっており、第2工程の前にワイヤラインによりインナビットアッセンブリをロッドから引き抜いて回収してなることを特徴とする。
更に、請求項3の発明では、
前記第1工法が、外側となるロッド内にインナーロッドを設けた二重管掘削により掘削を行なっており、第2工程の前にインナーロッドを外側となるロッドから引き抜いて回収してなることを特徴とする。
請求項4のロックボルト施工機械の発明では、
請求項1から3に記載のロックボルト施工方法に用いるロックボルト施工機械であって、
ドリル装置を進退自在に摺動させるガイドセルと、
ガイドセルの先端に設けられたロッドクランプと、
該ロッドクランプの後方に設けられてロッドの接続・分離を行うロッドブレーカーと、
ガイドセルの外方にリンクを介して連結されて、法面のフレームに着脱可能に固定するフレームクランプと、
ガイドセルとフレームクランプとの間に介設されてクランプ位置を縦方向に調整する縦方向調整シリンダと、
フレームクランプが左右に離間した一対のクランプ構成部を有しており、該一対のクランプ構成部間に架け渡されてクランプ位置を横方向に調整する横方向調整シリンダとを有することを特徴とする。
また、請求項5の発明では、
前記ガイドセルの中途位置に設けられてガイドセルに接近乃至離間してインナーロッドを保持するインナーロッド用ポジショナを装着してなることを特徴とする。
この発明のロックボルト施工方法では、セメントミルクの代わりにモルタルを使用するので、地中に浸透することがなく、計画量通りの施工ができる。
モルタルはミキサーで運搬することができるので、現場に混練装置を設置する必要がない。
また、掘削後に、ロッド内に孔壁保護のため、特殊な薄肉パイプまたは樹脂製パイプを挿入するので孔壁を保護することができる。
この特殊パイプ内に鋼棒を孔底まで挿入してから、ロッドを抜管して、その後モルタル注入するが、孔壁は前記特殊パイプで保護してあるので、1つの孔に鋼棒を挿入する都度、モルタルを注入する必要がなく、多数の孔を掘削し鋼棒が挿入された状態で、まとめてモルタルを注入することができるので、作業を効率化することができ、またモルタルの使用量がまとまった量になり無駄がない。
また、この発明のロックボルト施工機械では、ガイドセルの外方にリンクを介して法面のフレームに着脱可能に固定するフレームクランプを設け、クランプ位置は縦方向調整シリンダと横方向調整シリンダとで縦横に現場状況に合わせて調整することができるので、無足場工法であっても、十分な掘削反力を取ることができる。
また、インナーロッド用ポジショナを装着することで、単管掘削だけでなく、二重管掘削にも対応することができる。
以下に、この発明のロックボルト施工機械および施工方法の好適実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1から図5に示すロックボルト施工機械1は、ドリルヘッド3をスライド部材4で進退自在に摺動させるガイドセル2を有している。
このガイドセル2の先端には、掘削ロッドを締め付けるロッドクランプ5が設けられており、該ロッドクランプ5の後方には連結された掘削ロッドを切り離すためのロッドブレーカー6が形成された公知の構成からなっている。
ロッドクランプ5は、ガイドセル2の先端に設けられてロッドを挟圧、締結する左右一対のクランプ構成部を有する公知構成からなっている。
ロッドブレーカー6は、前記ロッドクランプ5の後方に設けられてロッドの接続・分離を行う一対のクランプ構成部を有する公知構成からなっている。
前記ガイドセル2にはスライド部材4がガイドセル2の長さ方向に摺動可能に取り付けられている。
このスライド部材4上にはドリルヘッド3が固定されており、スライド部材4と一体となってガイドセル2上を進退動する。
また、ドリルヘッド3の先端にはクリーニングスイベル7が取り付けられているる。
一方、ガイドセル2の先端側には、法面のフレームに固定するためのフレームクランプ20が設けられている。
フレームクランプ20は、断面チャンネル状で前方へ突出する左右一対のアーム部21、22と、該アーム部21、22の先端で直交する方向で外向きに突出するクランプ部23、24と、前記アーム部21、22上に架け渡された上部取付部25とからなっている。
前記クランプ部23、24には、それぞれ内側(ガイドセルの中心線に向かう方向)に退動可能に突出して、法面のフレームを挟圧し緊締する一対のクランプ構成部23a、24aが設けられている。
前記ガイドセル2の先端側には、ロッドクランプ5とロッドブレーカー6の間に形成された左右一対の下部側板8に、それぞれ左右一対に形成された第1、第2リンク部材11、12の基端側が枢着されており、ガイドセル2の下方に離間して配置されたフレームクランプ20の上部取付部25の両側に前記第1、第2リンク部材11、12の先端側が枢着されている。
また、ガイドセル2には、ロッドブレーカー6の後方の下部ブラケット26に縦方向調整シリンダ13の固定端が枢着され、伸縮端は前記フレームクランプ20の上部取付部25の略中央部分に枢着しており、その伸縮動によりフレームクランプ20を図2および図4で実線で示す前進位置と点線で示す後退位置とに変位しうるようになっている。
また、前記フレームクランプ20の上部取付部25には横方向調整シリンダ14の一端が枢着されており、該横方向調整シリンダ14の他端はアーム部21の延出片27に枢着されている。
この横方向調整シリンダ14の伸縮動によって、上部取付部25がアーム部21に対して横方向に変位するので、上部取付部25および第1、第2リンク部材11、12を介してガイドセル2を横方向に調整しうるようになっている。
本実施例ではガイドセル2の中途位置には、伸縮アーム部31を介してガイドセル2に接近乃至離間するインナーロッド用ポジショナ30を取り付けている。
このインナーロッド用ポジショナ30は、二重管掘削を行う場合に、アウターロッドR’を孔10中に残した状態で引き抜いたインナーロッドR”を一時的に保持するために使用される(図9参照)。
ロックボルト施工機械1が単管掘削と二重管掘削の両方を行う場合には、単管掘削時にはインナーロッド用ポジショナ30をガイドセル2から離間した待機位置に保持しておけばよく、汎用性に優れるが、単管掘削のみを行うのであればガイドセル2にインナーロッド用ポジショナを取り付けなくてもよい。
次に、このロックボルト施工機械1を用いたロックボルト施工方法について説明する。
まず、地上にてロック・ビットを前記施工機械1に装着した後、クレーン等に取り付けられたロックボルト施工機械1を、図6に示すようにクレーンなどを移動調節して予め決められた掘削位置に概ね合わせる。
次に、フレームクランプ20の縦・横方向調整シリンダ13、14によりフレームFと前記施工機械1を締結固定するのに最適位置に調節し、握持固定する。
その後、前記縦・横方向調整シリンダ13、14により掘削位置を微調整し合わせる。
次に、図7に示すようにドリルヘッド3の給進によりロッドビットにより法面を削孔し、図8に示すように所定の孔10を掘削する(第1工程)。
ここで、単管掘削の場合は、ロッドRを孔10内に残したままとする。
二重管掘削の場合は、アウターロッドR’は孔10内に残したまま、インナーロッドだけを引き抜くが、この際にインナーロッド用ポジショナ30をガイドセル2に接近させておき、引き抜いたインナーロッドをインナーロッド用ポジショナ30に保持させて、アウターロッドの抜管に備えることができる。
前記単管掘削の場合は、ロッドRを孔10内に残したままであるが、PN手法(パーカッションワイヤラインノンコアツールス)の場合は、ワイヤラインによりインナビットアッセンブリをロッドから引き抜いて回収する。
次いで、図9に示すように、掘削された孔10内にある前記ロッドR(R’)の中空内に孔壁を保護するための孔壁保護パイプ40を挿入する(第2工程)。
孔壁保護パイプ40は、ロッドR(R’)の内壁面より僅かに小さい筒形状からなって孔壁が崩れないように一時的に保護しうる強度を有するパイプであればよい。
この孔壁保護パイプ40の素材は特に限定されないが、本実施例では、一例として薄肉の合成樹脂パイプからなっている。
また、この孔壁保護パイプ40は、有底であっても無底であってもよい。なお、孔壁保護パイプ40が鋼棒と共に固着する場合には、その周壁には後述の注入されるモルタルを内外に出入させる孔を有していることが好ましい。
そして、図10に示すように、ロッドR(二重管掘削の場合はアウターロッドR’)内に挿入された孔壁保護パイプ40の中に、更に、ロックボルトとなる鋼棒50を孔底まで挿入する(第3工程)。
次いで、図11に示すように、前記孔10からロッドR(二重管掘削の場合はアウターロッドR’)だけを抜き取り、孔壁保護パイプ40と鋼棒50とは孔10内に残留させる(第4工程)。
このようにして1日の作業予定数の孔10を削孔し、各孔10内には前述のように鋼棒50を内蔵した孔壁保護パイプ40を内蔵させておく。
これにより孔10は、孔壁保護パイプ40によって孔壁が崩壊しないように一時的に保護されている。
そこで、これらの孔10や孔壁保護パイプ40内に、次々とモルタルを注入していく。
これにより、図12に示すように、鋼棒50と鋼棒50が挿入された孔壁保護パイプ40とを孔10の孔壁に一体に固着することができる(第5工程)。
上記実施例1では第5工程において孔壁保護パイプ40を孔10内に残した状態で、モルタルを注入する方法を例示したが、孔壁保護パイプ40は、モルタルの注入まで孔壁が崩れないように一時的に保護すればよいのであり、モルタルの注入時には孔10内に無くてもよい。
孔壁保護パイプ40は、例えば、各孔10毎にモルタルの注入を行う直前に抜き取り、直ちにモルタルを注入する方法、またはモルタルの注入に合わせて抜き取る方法、あるいは、モルタル注入の準備が整ったときにまとめて全部または一部を抜き取り、抜き取った複数の孔内にモルタルを注入する方法などにより鋼棒50を孔10内に固定することができる。
この孔壁保護パイプ40の抜き取るタイミングは、現場の状況や作業の進行状況に合わせて適宜に設定することができる。
上記方法によれば、孔壁保護パイプ40は繰り返し使用することができるので経済的である。
この発明は、上記工程からなるので、削孔しロックボルトを挿入する作業と、モルタルを注入する作業とをそれぞれ別にまとめて行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
この発明は、上記実施例の構成に限定されるものではなく、その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論である。
ロックボルト施工機械の実施例を示す平面図である。 同側面図である。 ロックボルト施工機械の要部を示す平面図である。 同側面図である。 同正面図である。 ロックボルト施工機械を法面のフランジに固定した状態の側面図である。 ロックボルト施工方法の削孔状態を示す説明図である。 孔を形成しロッドを残した状態の工程を示す説明図である。 孔内のロッドに孔壁保護パイプを挿入した工程を示す説明図である。 孔内のロッドに挿入された孔壁保護パイプに鋼棒を挿入した状態の一部を示す拡大説明図である。 ロッドを孔から引き抜き、鋼棒入りの孔壁保護パイプを孔内に残した状態の工程を示す説明図である。 孔内にモルタルを充填した状態の一部を示す拡大説明図である。 孔壁保護パイプを抜いてからモルタルを充填する状態の一部を示す拡大説明図である。
符号の説明
1 ロックボルト施工機械
2 ガイドセル
3 ドリルヘッド
4 スライド部材
5 ロッドクランプ
5a、5b クランプ構成部
6 ロッドブレーカー
6a、6b クランプ構成部
7 クリーニングスイベル
8 下部側板
10 孔
11 第1リンク部材
12 第2リンク部材
13 縦方向調整シリンダ
14 横方向調整シリンダ
20 フレームクランプ
21、22 アーム部
23、24 クランプ部
25 上部取付部
30 インナーロッド用ポジショナ
40 孔壁保護パイプ
50 鋼棒
L 中心線
F 法面のフレーム
R ロッド(単管)
R’ アウターロッド
R” インナーロッド

Claims (5)

  1. ロックボルト施工機械により所定の孔を掘削する第1工程と、
    掘削された孔内にある前記ロッドの中空内に孔壁を保護するための孔壁保護パイプを挿入する第2工程と、
    ロッド内に挿入された孔壁保護パイプ内にロックボルトを孔底まで挿入する第3工程と、
    前記孔からロッドだけを抜き取る第4工程と、
    前記孔壁保護パイプを孔から抜き取り、または孔内に残した状態で前記孔にモルタルを注入して、ロックボルトを孔に一体に固着する第5工程とからなることを特徴とするロックボルト施工方法。
  2. 第1工法が、ロッドの内部にワイヤラインに接続されたインナビットアッセンブリを着脱可能に固定した状態で前記ロッドを給進して掘削を行なっており、第2工程の前にワイヤラインによりインナビットアッセンブリをロッドから引き抜いて回収してなることを特徴とする請求項1に記載のロックボルト施工方法。
  3. 第1工法が、外側となるロッド内にインナーロッドを設けた二重管掘削により掘削を行なっており、第2工程の前にインナーロッドを外側となるロッドから引き抜いて回収してなることを特徴とする請求項2に記載のロックボルト施工方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のロックボルト施工方法に用いるロックボルト施工機械であって、
    ドリル装置を進退自在に摺動させるガイドセルと、
    ガイドセルの先端に設けられたロッドクランプと、
    該ロッドクランプの後方に設けられてロッドの接続・分離を行うロッドブレーカーと、
    ガイドセルの外方にリンクを介して連結されて、法面のフレームに着脱可能に固定するフレームクランプと、
    ガイドセルとフレームクランプとの間に介設されてクランプ位置を縦方向に調整する縦方向調整シリンダと、
    フレームクランプが左右に離間した一対のクランプ構成部を有しており、該一対のクランプ構成部間に架け渡されてクランプ位置を横方向に調整する横方向調整シリンダとを有することを特徴とするロックボルト施工機械。
  5. ガイドセルの中途位置に設けられてガイドセルに接近乃至離間してインナーロッドを保持するインナーロッド用ポジショナを装着してなることを特徴とする請求項4に記載のロックボルト施工機械。
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