JP2007162213A - 外壁構造材 - Google Patents

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JP2007162213A JP2005355631A JP2005355631A JP2007162213A JP 2007162213 A JP2007162213 A JP 2007162213A JP 2005355631 A JP2005355631 A JP 2005355631A JP 2005355631 A JP2005355631 A JP 2005355631A JP 2007162213 A JP2007162213 A JP 2007162213A
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Abstract

【課題】サイディング材の反りおよびタイルの割れ等の問題を低減することができるとともに、サイディング材として表層が亜鉛めっき鋼板やアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板で形成されているものを用いた場合もタイルのはがれ等がない耐久性に優れた外壁構造材を提供する。
【解決手段】タイルが、窯業系サイディングボード表面に接着剤を用いて接着されてなる外壁構造材であって、前記接着剤が、接着剤の硬化後の伸び率がJIS K6251準拠の3号ダンベルで30〜500%であり、かつ、接着剤の硬化後のJIS K6253タイプAデュロメータで測定したゴム硬度が20〜80となる変成シリコーン系樹脂接着剤であることを特徴としている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、タイルが、サイディング材表面に接着剤を用いて接着されてなる外壁構造材に関する。
タイルが、サイディング材としての窯業系サイディングボード表面に接着剤を用いて接着されてなる外壁構造材がすでに提案されている(特許文献1参照)。
また、鋼板に石膏ボードを裏打ちしたようなサイディング材を用い、サイディング材の表層となる鋼板にタイルを接着した外壁構造材もある。
従来の上記外壁構造材の場合、接着剤として、比較的硬い弾性接着剤が用いられているため、タイルとサイディング材との間にある接着剤層の弾性率が高いものとなってしまう。したがって、夏場にサイディング材が反ってしまったり、輸送中にタイルが割れる等のクレームが発生している。
また、最近では、耐久性を重視して、サイディング材に用いられる鋼板として、亜鉛めっき鋼板やアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板が用いられるようになってきているが、従来タイルの用いられてきた接着剤の場合、亜鉛めっき鋼板やアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板に対する接着性に問題がある。
特開平11−350704号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、サイディング材の反りおよびタイルの割れ等の問題を低減することができるとともに、サイディング材として表層が亜鉛めっき鋼板やアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板で形成されているものを用いた場合もタイルのはがれ等がない耐久性に優れた外壁構造材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の外壁構造材(以下、「請求項1の外壁構造材」と記す)は、タイルが、窯業系サイディングボード表面に接着剤を用いて接着されてなる外壁構造材であって、前記接着剤が、接着剤の硬化後の伸び率がJIS K6251準拠の3号ダンベルで30〜500%であり、かつ、接着剤の硬化後のJIS K6253タイプAデュロメータで測定したゴム硬度が20〜80となる変成シリコーン系樹脂接着剤であることを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の外壁構造材(以下、「請求項2の外壁構造材」と記す)は、請求項1の外壁構造材において、サイディング材の少なくとも表層が亜鉛めっき鋼板またはアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板で形成されていることを特徴としている。
本発明の請求項3に記載の外壁構造材(以下、「請求項3の外壁構造材」と記す)は、請求項1または請求項2の外壁構造材において、接着剤が、シリル基含有ポリアルキレンオキサイドと、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体とを主成分として含むことを特徴としている。
本発明の請求項4に記載の外壁構造材(以下、「請求項4の外壁構造材」と記す)は、請求項3の外壁構造材において、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体が、1分子あたり0.7〜4個のシリル基を含み、重量平均分子量が2000〜50000であることを特徴としている。
本発明において、サイディング材としては、窯業系サイディングボード、鋼板、鋼板に石膏ボードを裏打ち材として貼り付けたもの等が挙げられる。
上記窯業系サイディングボードとは、主原料としてセメント質原料および繊維質原料等を用いて板状に成形し、養生・硬化させたものである。
セメント質原料としては、例えば、セメント、石灰質原料、ケイ酸質原料、スラグ、石膏等が挙げられる。
繊維質原料としては、例えば、ガラス繊維、ロックウール、金属繊維等の無機質繊維、パルプ、木繊維、木片、ポリエチレン、ビニロン、ポリプロピレン等の有機質繊維が挙げられる。
また、必要に応じて、パーライト、シラスバルーン、ゼオライト、バーミキュライト、炭酸カルシウム、スチレンビーズ等の粒状有機発砲体、着色材料、その他の充填材も添加されることがある。
このような窯業系サイディングボードの具体例としては、例えば、硬質木片セメント板、木繊維混入セメント・ケイ酸カルシウム板、繊維混入セメントパーライト板、繊維混入パーライトセメント板、繊維混入スラグセメント板、スラグセメントパーライト板、繊維混入フライアッシュスラグセメント板、スラグ石膏セメント板、繊維混入ケイ酸カルシウム板、繊維ケイ酸カルシウム板押出し成形板、パルプ混入軽量セメント押し出し成形板、繊維混入軽量成形板、セメント押し出し成形板などが挙げられ、積水化学工業社製のシンセライト等市販のものを用いることができる。
鋼板としては、特に限定されないが、例えば、耐食性等、より耐久性を求めるためには、請求項2の外壁構造材のように、亜鉛めっき鋼板またはアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板を用いることが好ましい。
本発明の外壁構造材に用いられる変成シリコーン系樹脂接着剤は、接着剤の硬化後の伸び率がJIS K6251準拠の3号ダンベルで30〜500%であり、かつ、接着剤の硬化後のJIS K6253タイプAデュロメータで測定したゴム硬度が20〜80となるものに限定されるが、その理由は、伸び率が30%未満では、反り改善効果が見られず、500%より大きいと接着強度が弱くなりタイルのずれが生じたりして耐久性が損なわれ、ゴム硬度が20未満では、接着強度が弱くなりタイルの落下が生じたりして耐久性が損なわれ、80より大きいとタイルに亀裂発生等の問題が起きやすくなるためである。
上記変成シリコーン系樹脂接着剤としては、上記伸び率およびゴム硬度を満足するものであれば、特に限定されないが、請求項3の外壁構造材のように、シリル基含有ポリアルキレンオキサイドと、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体とを主成分として含むものを用いることが好ましい。
上記シリル基含有ポリアルキレンオキサイドとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイド等を主鎖に含むものが挙げられ、硬化後の伸びがよく、粘性的に取り扱いしやすいという点で、ポリプロピレンオキサイドを主鎖として含むものが好適である。
また、シリル基含有ポリアルキレンオキサイドを構成するシリル基は、加水分解性基が珪素原子に結合した基である。
珪素原子に結合した加水分解性基としては、例えば、水素、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシド基などが挙げられ、反応後に有害な副生成物を生成しないので、アルコキシ基が好適である。
上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基等を挙げることができる。これらの内、メトキシ基、エトキシ基等が好適である。
アルコキシ基が珪素原子に結合した上記アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基等のトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基等のジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基等のモノアルコキシシリル基を挙げることができる。シリル基含有ポリアルキレンオキサイドは、これらのアルコキシシリル基を単独または2種以上有していてもよい。
さらに、上記シリル基含有ポリアルキレンオキサイドは、上記シリル基を1分子あたり少なくとも平均1個有することが好ましい。
上記シリル基含有ポリアルキレンオキサイドは、重量平均分子量が、4000〜50000のものが好ましく、10000〜40000のものがより好ましい。すなわち、重量平均分子量が、4000未満の場合、硬化後の硬化体の伸び率が充分でなくなり、弾性機能が低下し、50000を超えると、粘度が高すぎて、配合工程での作業性が低下する虞がある。また、シリル基含有ポリアルキレンオキサイドの分子量分布(Mw/Mn)としては、1.6以下のものが作業性と伸びとのバランスに優れているため好ましい。
上記のようなシリル基含有ポリアルキレンオキサイドとしては、例えばカネカ社製の商品名MSポリマーS−203、S−303、サイリルポリマーSAT−200、SAT−350、SAT−400、旭硝子社製の商品名エクセスターESS−3620、ESS−2420、ESS2410、ESS3430等の市販のものを使用することができる。
上記シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体は、主鎖が本質的に(メタ)アクリル酸エステル重合体で形成されていれば、特に限定されないが、請求項4の外壁構造材のように、1分子あたり0.7〜4個のシリル基を含み、重量平均分子量が2000〜50000であるものが好ましい。すなわち、重量平均分子量が2000より少ないと、硬化体が脆くなり、50000より大きいと、接着付与効果が少なくなる虞があり、シリル基の数が、0.7個より少ないと接着付与効果が少なくなり、4個より多いと硬化物が脆くなる虞がある。
上記変成シリコーン系樹脂接着剤が、成分中にシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体を含むと、サイディング材が亜鉛めっき鋼板またはアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板の場合でも、接着性がより良好なものとなる。
また、上記変成シリコーン系樹脂接着剤が、成分中にシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体を含むことにより、タイル間に目地埋めしない空目地仕様のときでも、接着剤の耐候性が良好となる。
上記シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体の主鎖部分を形成するアクリル酸エステルモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−[(メタ)アクリロイルオキシ]エチル2−ヒドロキシプロピルフタル酸等や、以下に示す化合物1〜20の(メタ)アクリル酸エステルモノマー等を挙げることができる。
[化合物1]
CH2=CH−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物2]
CH2=C(CH3)−C(O)O−CH2CH2O−[C(O)CH2CH2CH2CH2CH2O]n−H
(n=1〜10)
[化合物3]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物4]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−H
(n=1〜12)
[化合物5]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物6]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−H
(n=1〜12)
[化合物7]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物8]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜12)
[化合物9]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)m
(m,n=1〜12)
[化合物10]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−(CH2CH2CH2CH2O)m
(m,n=1〜12)
[化合物11]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜10)
[化合物12]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−CH3
(n=1〜30)
[化合物13]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物14]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−CH3
(n=1〜10)
[化合物15]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物16]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−[CH2CH(CH3)O]m−H
(m,n=1〜10)
[化合物17]
CH2=CH−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物18]
CH2=C(CH3)−C(O)O−[CH2CH(CH3)O]n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
[化合物19]
CH2=CH−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−CH=CH2
(n=1〜20)
[化合物20]
CH2=C(CH3)−C(O)O−(CH2CH2O)n−C(O)−C(CH3)=CH2
(n=1〜20)
また、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体は、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーを単独重合、あるいは2種以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーあるいはその他の重合性モノマーと共重合させることによって得られるが、共重合体とする場合、上記(メタ)アクリル酸エステルモノマーの内、メチルメタアクリレートを含むこと好ましく、メチルメタアクリレートとブチルアクリレートとを含むことがより好ましい。
すなわち、共重合体成分として、メチルメタアクリレートを含むと、例えば、ポリエステル被覆鋼板のようなプラスチック材料に対しても密着性が良好になる。
また、上記シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体を形成する他の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、インデン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、安息香酸ビニル、珪皮酸ビニル等のビニルエステル基を持つ化合物;無水マレイン酸、N−ビニルピロリドン、N−ビニルモルフォリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−アミルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、トリチレングリコールメチルビニルエーテル、安息香酸(4−ビニロキシ)ブチル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ブタン−1,4−ジオール−ジビニルエーテル、ヘキサン−1,6−ジオール−ジビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−ジビニルエーテル、イソフタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、グルタル酸ジ(4−ビニロキシ)ブチル、コハク酸ジ(4−ビニロキシ)ブチルトリメチロールプロパントリビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル3−アミノプロピルビニルエーテル、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルビニルエーテル、ウレタンビニルエーテル、ポリエステルビニルエーテル等のビニロキシ基を持つ化合物を挙げることができる。
上記シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体の製法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、フリーラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法、UVラジカル重合法、リビングアニオン重合法、リビングカチオン重合法、リビングラジカル重合法等の各種重合法を用いることができる。モノマーの重合性に応じて適宜の上記重合法を選択すればよい。
上記シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体のシリル基としては、上記シリル基含有ポリアルキレンオキサイドと同様のシリル基が挙げられる。
また、シリル基の導入法としては、特に限定されないが、例えば、シリル基を持つ開始剤による重合を開始する方法、シリル基を持つ連鎖移動剤を用いる方法、シリル基を持つ共重合性モノマーを用いる方法等の重合と同時にシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−123192号公報、特開昭57−179210号公報、特開昭59−78220号公報、特開昭60−23405号公報)や、アルケニル基を持った(メタ)アクリル酸エステル重合体を合成し、その後、ヒドロシリル化によってアルコキシシリル基を導入する方法(例えば、特開昭54−40893号公報、特開平11−80571号公報)等の公知の方法が挙げられる。
本発明の外壁構造材に用いられる接着剤中には、必要に応じて、1分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を有する化合物、シラノール縮合触媒、脱水剤、各種の充填材、タレ防止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、顔料、溶剤、香料等を配合することができる。
上記1分子中にアミノ基及びアルコキシシリル基を有する化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N’−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。これらは、単独または2種以上を併用して使用できる。
上記シラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレートビス(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオクチル酸オキサイド等の錫化合物、アルコキシシリル基を有する錫化合物(例えば、日東化成社製U−303、U−700)、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタネート系化合物、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミン類や、他の酸性触媒及び塩基性触媒が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を併用することができる。
上記脱水剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシラン化合物類、オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル等の加水分解性エステル化合物類が挙げられ、これらは単独または2種以上を併用して使用することができる。
上記充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、シリカ、二酸化チタン、クレー、タルク、カーボンブラック、ガラスバルーン等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を併用することができる。
上記タレ防止剤としては、例えば、水添ひまし油、脂肪酸ビスアマイド、ヒュームドシリカ等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート等のヒンダートアミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
本発明にかかる外壁構造材は、以上のように、タイルが、サイディング材表面に接着剤を用いて接着されてなる外壁構造材であって、前記接着剤が、接着剤の硬化後の伸び率がJIS K6251準拠の3号ダンベルで30〜500%であり、かつ、接着剤の硬化後のJIS K6253タイプAデュロメータで測定したゴム硬度が20〜80となる変成シリコーン系樹脂接着剤であるので、サイディング材の反りおよびタイルの割れ等の問題を低減することができるとともに、サイディング材として表層が亜鉛めっき鋼板やアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板で形成されているものを用いた場合もタイルのはがれ等がない耐久性に優れたものとすることができる。
以下に、本発明の具体的な実施例をその比較例と対比させて詳しく説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体として、主鎖部分がブチルアクリレートと、メチルメタクリレートとの共重合体からなり、シリル基としてトリメトキシシリル基が1分子あたり1.7個で、重量平均分子量が4000である重合体Xを用意した。
この重合体X10重量部と、シリル基含有ポリアルキレンオキサイド(カネカ社製MSポリマーS−303)100重量部と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製エピコート828)20重量部と、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3− (トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン10重量部と、充填材としてのコロイダル炭酸カルシウム(平均粒径0.07μm)50重量部と、ヒンダート系光安定剤としてのビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(三共社製商品名サノールLS770)1重量部と、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール(チバスペシャリティケミカルズ社製商品名チヌビン327)1重量部と、充填材としての二酸化チタン(石原産業社製商品名CR97)20重量部と、ビニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)3重量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)4重量部と、シラノール縮合触媒(日東化成社製ジブチル錫系シラノール縮合触媒、商品名ネオスタンU−700)2重量部とを外部から湿気が入らないように密封された混合攪拌機を用いて減圧下で均一に混合して変成シリコーン樹脂系接着剤(以下、「接着剤1」と記す)を得た。
亜鉛めっき鋼板(縦1000mm、横1000mm、厚さ0.5mm)と、石膏ボード(縦1000mm、横1000mm、厚さ5mm)とを上記接着剤1を用いて接着するとともに、23℃、湿度50%の雰囲気中で1週間養生してサイディング材を得た。なお、サイディング材の接着層の厚さは0.3mmであった。
このサイディング材を鋼板側が上になるように水平面に置き、鋼板全面に接着剤1を塗布量0.7kg/m2で塗布した後、モザイクタイル(60mm×60mm)をくしめ鏝を用いて貼り付けて、外壁構造材サンプルを得た。なお、目地部の目地幅は5mmとした。
(実施例2)
重合体Xの配合割合を20重量部とするとともに、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3− (トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンの配合割合を5重量部およびビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合割合を10重量部とした以外は、実施例1と同様にして変成シリコーン樹脂系接着剤(以下、「接着剤2」と記す)を得た。
そして、実施例1と同様にして外壁構造材サンプルを得た。
(実施例3)
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3− (トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンの配合割合を25重量部およびビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合割合を50重量部とした以外は、実施例1と同様にして変成シリコーン樹脂系接着剤(以下、「接着剤3」と記す)を得た。
そして、実施例1と同様にして外壁構造材サンプルを得た。
(実施例4)
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3− (トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンの配合割合を1重量部およびビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合割合を3重量部とした以外は、実施例1と同様にして変成シリコーン樹脂系接着剤(以下、「接着剤4」と記す)を得た。
そして、実施例1と同様にして外壁構造材サンプルを得た。
(比較例1)
重合体X、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3− (トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンおよびビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして変成シリコーン樹脂系接着剤(以下、「接着剤5」と記す)を得た。
そして、実施例1と同様にして外壁構造材サンプルを得た。
(比較例2)
重合体X、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3− (トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンおよびビスフェノールA型エポキシ樹脂を配合せず、コロイダル炭酸カルシウムの配合割合を30重量部とした以外は、実施例1と同様にして変成シリコーン樹脂系接着剤(以下、「接着剤6」と記す)を得た。
そして、実施例1と同様にして外壁構造材サンプルを得た。
(比較例3)
重合体Xを配合せず、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3− (トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンの配合割合を50重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の配合割合を100重量部およびコロイダル炭酸カルシクムの配合割合を80重量部とした以外は、実施例1と同様にして変成シリコーン樹脂系接着剤(以下、「接着剤7」と記す)を得た。
そして、実施例1と同様にして外壁構造材サンプルを得た。
上記実施例1〜4および比較例1〜3で得られた外壁構造材サンプルの養生後の硬化体のゴム硬度、伸び率、各外壁構造材サンプルをそれぞれ南向きにおいた状態で3ヶ月間露天に曝露した時のタイルの落下の有無を調べるとともに、曝露後タイルをサイディング材から手で剥離させた場合の接着状態を観察し、その結果を接着剤組成とともに表1に示した。
なお、接着状態に関しては、凝集破壊を○、界面破壊を×と表した。また、ゴム硬度については、接着剤を厚さ3mmになるように塗布し、23℃湿度50%で1ヶ月養生後、タイプAデュロメータを用いて23℃湿度50%下で測定した。
伸び率については、接着剤を厚さ3mmになるように塗布し、23℃湿度50%で1ヶ月養生後、JIS K6251準拠の3号ダンベルに切り出し、23℃湿度50%の条件下で500mm/分の速度で引っ張り、亀裂が入ったときの標線間距離を読み取り、初期に対する変化率を伸び率とした。
Figure 2007162213
また、亜鉛めっき鋼板に接着剤1〜7をそれぞれ0.7kg/m2塗布し、23℃湿度50%で2週間養生後、サンシャインウエザロメーターを用いて、JIS A1415に基づいて、ブラックパネル温度63℃、降雨サイクル12分/60分の条件で硬化した接着剤に紫外線を照射し、2000時間照射後の耐候性を調べ、その結果を表2に示した。なお、耐候性の評価は、外観異常なしを○、白化またはクラック発生を×とした。
Figure 2007162213
上記表1および表2から、本発明のように、接着剤の硬化後の伸び率がJIS K6251準拠の3号ダンベルで30〜500%であり、かつ、接着剤の硬化後のJIS K6253タイプAデュロメータで測定したゴム硬度が20〜80となる変成シリコーン系樹脂接着剤を用いてタイルをサイディング材に接着することによって得られる外壁構造材は、サイディング材の反りおよびタイルの割れ等の問題を低減することができるとともに、サイディング材として表層が亜鉛めっき鋼板やアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板で形成されているものを用いた場合もタイルのはがれ等がない耐久性に優れたものとなることがよくわかる。

Claims (4)

  1. タイルが、サイディング材表面に接着剤を用いて接着されてなる外壁構造材であって、前記接着剤が、接着剤の硬化後の伸び率がJIS K6251準拠の3号ダンベルで30〜500%であり、かつ、接着剤の硬化後のJIS K6253タイプAデュロメータで測定したゴム硬度が20〜80となる変成シリコーン系樹脂接着剤であることを特徴とする外壁構造材。
  2. サイディング材の少なくとも表層が亜鉛めっき鋼板またはアルミニウム−亜鉛合金めっき鋼板で形成されている請求項1に記載の外壁構造材。
  3. 接着剤が、シリル基含有ポリアルキレンオキサイドと、シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体とを主成分として含む請求項1または請求項2に記載の外壁構造材。
  4. シリル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体が、1分子あたり0.7〜4個のシリル基を含み、重量平均分子量が2000〜50000である請求項3に記載の外壁構造材。
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