JP2007159349A - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機の運転状態に拘わらずに、電動機に通電される電流を検出する電流センサが正常であるか否かを迅速かつ精度良く判定し、電流センサの検出値に生じるオフセット誤差を適切に補正して、電動機を適切に制御する。
【解決手段】異常判定部33は、駆動−発電判定部29および電流検知可否判定部30および電流大小判定部32による各判定結果に加えて、電流大小判定部32から入力される各相電流指令*Iu,*Iv,*Iwを実電流とし、直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCを検出値として、実電流と検出値との大小および符号を比較した比較結果に応じて、直流側電流センサ14bが異常(例えば、故障等)であるか、あるいは、正常であるかを判定し、正常であると判定した場合には、直流側電流センサ14bの検出値に対するオフセットを補正するためのオフセット補正値を算出する。
【選択図】図1
Description
また、従来、例えば電流センサにより検出された電動機の各相電流を1周期に亘って積算して得た積算値、あるいは、電流センサにより検出された電動機の各相電流の1周期に亘る正負の時間比からオフセットを算出し、このオフセットにより電流センサの検出値を補正する制御装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、電動機の各相電流を1周期に亘って積算、または、電流センサにより検出された各相電流の1周期に亘る正負の時間比を算出する場合には、演算負荷が増大してしまうと共に、各相電流の電流リップルや高調波成分によってオフセットの算出精度が低下してしまうという問題が生じる。
しかも、電流センサのオフセットを補正する処理の実行に先立って、電流センサが正常であるか否かを迅速かつ精度良く判定することが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電動機の運転状態に拘わらずに、電動機に通電される電流を検出する電流センサが正常であるか否かを迅速かつ精度良く判定し、電流センサの検出値に生じるオフセット誤差を適切に補正して、電動機を適切に制御することが可能な電動機の制御装置を提供することを目的とする。
さらに、請求項2に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、電流検出手段により直流側電流が検出されない場合であっても、迅速かつ精度良く電流検出手段が異常状態であるか否かを判定することができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、迅速かつ適切に電流検出手段の検出結果に対する信頼性を向上させることができる。
この実施形態による電動機の制御装置10(以下、単に、モータ制御装置10と呼ぶ)は、例えばハイブリッド車両に内燃機関11と共に駆動源として搭載されるブラシレスDCモータ12(以下、単に、モータ12と呼ぶ)を駆動制御するものであって、このモータ12は、内燃機関11と直列に直結され、界磁に利用する永久磁石を有する回転子(図示略)と、この回転子を回転させる回転磁界を発生する固定子(図示略)とを備えて構成されている。
そして、モータ制御装置10は、例えば図1に示すように、バッテリ13を直流電源とするパワードライブユニット(PDU)14と、制御部15とを備えて構成されている。
PDU14は、例えば図2に示すように、トランジスタのスイッチング素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar mode Transistor)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路14aと平滑コンデンサCとを具備するパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータ14Aを備え、モータ12と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ13が接続されている。
そして、ブリッジ回路14aと、バッテリ13の負極側端子との間には、PWMインバータ14Aの直流側電流(DCリンク電流)IDCを検出する直流側電流センサ14bが備えられている。
そして、PWMインバータ14Aの直流側には各スイッチング状態S1〜S8に応じて断続的に各相電流Iu,Iv,Iwが発生し、直流側電流センサ14bにより検出される直流側電流(DCリンク電流)IDCは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつ、あるいは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつの符号が反転したもの、あるいは、ゼロとなる。
そして、ハイ側U相およびV相トランジスタUH,VHとロー側W相トランジスタWLとがオン状態となる第2スイッチング状態S2である時刻t2から時刻t3の期間および時刻t6から時刻t7の期間では、DCリンク電流IDCはW相電流Iwの符号が反転した電流(−Iw)となる。
そして、ハイ側U相トランジスタUHとロー側V相およびW相トランジスタUL,WLとがオン状態となる第7スイッチング状態S7である時刻t3から時刻t4の期間および時刻t5から時刻t6の期間では、DCリンク電流IDCはU相電流Iuとなる。
そして、ハイサイドアームがオフ状態かつローサイドアームがオン状態となる第8スイッチング状態S8である時刻t4から時刻t5の期間では、DCリンク電流IDCはゼロとなる。
そして、この制御部15には、直流側電流センサ14bにより検出される直流側電流(DCリンク電流)IDCと、バッテリ13の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ13aから出力される検出値と、モータ12の回転子の回転角(つまり、所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角度)θを検出する回転センサ12aから出力される検出信号と、外部の制御装置(図示略)から出力されるトルク指令Trとが入力されている。
第1dq−3相変換部23は、回転センサ12aから入力される回転子の回転角θを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧*VuおよびV相出力電圧*VvおよびW相出力電圧*Vwに変換する。
つまり、直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつ、あるいは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつの符号が反転したもの、あるいは、ゼロとなることから、例えば上記表1に基づき、PWMインバータ14Aの各スイッチング状態S2〜S7において直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCを各相推定電流Ius,Ivs,Iwsとして設定する。
電流検知可否判定部30は、PWM信号生成部24から入力されるゲート信号に基づき、PWMインバータ14Aのスイッチング状態(つまり、ハイサイドアームがオン状態かつローサイドアームがオフ状態となる第1スイッチング状態S1またはPWMインバータ14Aのハイサイドアームがオフ状態かつローサイドアームがオン状態となる第8スイッチング状態S8)に応じてDCリンク電流IDCがゼロとなる時間区間であるゼロ区間であるか、あるいは、PWMインバータ14Aのスイッチング状態(つまり、第2スイッチング状態S1から第7スイッチング状態S7)に応じてDCリンク電流IDCがゼロよりも大きな値となる時間区間である非ゼロ区間であるかを判定し、この判定結果を異常判定部33に出力する。
電流大小判定部32は、各相電流指令*Iu,*Iv,*Iwが所定の下限値よりも大きいか否かを判定し、この判定結果を、各相電流指令*Iu,*Iv,*Iwと共に異常判定部33に出力する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS02に進み、このステップS02においては、直流側電流センサ14bが異常であると判定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS03に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS04に進む。
この判定結果が「YES」の場合には、上述したステップS02に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS05に進む。
そして、非ゼロ区間において直流側電流センサ14bにより検出されたDCリンク電流IDCをオフセット補正値として設定し、一連の処理を終了する。
12 モータ
14 PWMインバータ(インバータ)
14b 直流側電流センサ(電流検出手段)
15 制御部(制御手段)
25 オフセット補正部(直流側電流補正手段)
26 相電流推定部(相電流推定手段)
29 駆動−発電判定部(状態判定手段)
30 電流検知可否判定部(ゼロ判定手段、非ゼロ判定手段)
33 異常判定部(異常判定手段)
Claims (5)
- パルス幅変調信号により複数相の電動機への通電を順次転流させるインバータと、該インバータの直流側電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出された前記直流側電流に基づいて前記電動機の相電流を推定する相電流推定手段と、該相電流推定手段により推定された前記相電流に基づき前記インバータのスイッチング素子のオン/オフ状態を制御するスイッチング制御を実行する制御手段とを備える電動機の制御装置であって、
前記制御手段による前記スイッチング制御の実行時に、適宜のタイミングが、前記直流側電流がゼロとなる時間区間であるゼロ区間内のタイミングであるか否かを判定するゼロ判定手段と、
前記ゼロ判定手段により前記ゼロ区間内のタイミングであると判定されたタイミングで前記電流検出手段により所定値よりも大きな前記直流側電流が検出された場合に、前記電流検出手段が異常状態であると判定する異常判定手段とを備えることを特徴とする電動機の制御装置。 - 適宜のタイミングが、前記直流側電流がゼロよりも大きくなる時間区間である非ゼロ区間内のタイミングであるか否かを判定する非ゼロ判定手段を備え、
前記異常判定手段は、前記非ゼロ判定手段により前記非ゼロ区間内のタイミングであると判定されたタイミングで前記電流検出手段によりゼロとなる前記直流側電流が検出された場合に、前記電流検出手段が異常状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載の電動機の制御装置。 - 適宜のタイミングが、前記電動機の駆動状態および発電状態の何れの状態のタイミングであるかを判定する状態判定手段を備え、
前記異常判定手段は、前記状態判定手段により前記電動機の駆動状態であると判定されたタイミングで前記電流検出手段により前記直流側電流として発電電流が検出された場合、あるいは、前記状態判定手段により前記電動機の発電状態であると判定されたタイミングで前記電流検出手段により前記直流側電流として駆動電流が検出された場合に、前記電流検出手段が異常状態であると判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の制御装置。 - 前記ゼロ判定手段により前記ゼロ区間内であると判定されたタイミングで前記電流検出手段により前記所定値以下の前記直流側電流が検出された場合に、該直流側電流を前記電流検出手段の検出結果に対するオフセット値として設定し、該オフセット値に応じて前記電流検出手段の検出結果を補正する直流側電流補正手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかひとつに記載の電動機の制御装置。
- パルス幅変調信号により複数相の電動機への通電を順次転流させるインバータと、該インバータの直流側電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出された前記直流側電流に基づいて前記電動機の相電流を推定する相電流推定手段と、該相電流推定手段により推定された前記相電流に基づき前記インバータのスイッチング素子のオン/オフ状態を制御するスイッチング制御を実行する制御手段とを備える電動機の制御装置であって、
前記制御手段による前記スイッチング制御の実行時に、適宜のタイミングが、前記直流側電流がゼロよりも大きくなる時間区間である非ゼロ区間内のタイミングであるか否かを判定する非ゼロ判定手段と、
前記非ゼロ判定手段により前記非ゼロ区間内であると判定されたタイミングで前記電流検出手段によりゼロとなる前記直流側電流が検出された場合に、前記電流検出手段が異常状態であると判定する異常判定手段とを備えることを特徴とする電動機の制御装置。
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