JP2007159312A - 電力変換装置及び制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非対称事故中において最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行う。
【解決手段】一方の3相電力系統から供給される3相交流電力を第1〜第3の単相交流電力に変換する第1の変圧器と、第1〜第3の単相交流電力を第4〜第6の単相交流電力に変換する第1〜第3の交流/直流/交流変換手段と、第4〜第6の単相交流電力を3相交流電力に変換して他方の3相電力系統に供給する第2の変圧器と、他方の3相電力系統における地絡事故の発生を検出し地絡検出信号を出力する地絡検出手段と、他方の3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する電圧属性検出手段と、地絡検出信号に同期して健全相の送電電圧の位相を取得し、送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御する制御手段とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換装置及び制御方法に関する。
3相電力系統に使用される電力変換器(交直変換器等)は、他励式変換器と自励式変換器とに大別される。他励式変換器は、一線地絡等の非対称事故時において運転継続不能となる場合があり、これにより非対称事故中は安定した電力供給を行えなくなるという欠点がある。一方、自励式変換器は、非対称事故時において送電電力は低下するものの運転継続が可能であり、ある程度の送電安定性を確保することができる。
例えば、特開平07−200084号公報には、3相電力系統において、1線地絡等の非対称系統事故が発生した場合の電力変換装置の制御方法に関する技術が開示されている。この技術は、3相電力系統の3相交流電圧を実部,虚部に分けて測定し、瞬時対称座標法により正相分の位相を演算することで、3相の内1線が地絡して送電電圧が零になっても精度良く位相を検出し、該位相に基づいて電力変換装置を制御することにより当該電力変換装置を停止させることなく運転を継続可能にするものである。
特開平07−200084号公報
ところで、上記のような送電電力の低下は最小限に抑えることが望ましいが、一般には自励式変換器は3相変換器であるが故に、3相交流平衡条件(3相電圧または電流の総和は常に零)に制約されるため、非対称事故中に送電可能な有効電力は事故状況(事故点、地絡抵抗等)や系統条件(系統インピーダンス、短絡容量等)に依存してほぼ決まってしまい、積極的に送電電力を確保するには限界があった。また、これら事故状況及び系統条件の変化によって送電電力が変動するため、安定した電力供給を行うことができなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、非対称事故中において最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明では、電力変換装置に係わる第1の解決手段として、一方の3相電力系統から供給される3相交流電力を独立した第1〜第3の単相交流電力に変換する第1の変圧器と、前記第1〜第3の単相交流電力をそれぞれ独立して直流電力に変換すると共に該直流電力を第4〜第6の単相交流電力に変換する第1〜第3の交流/直流/交流変換手段と、前記第4〜第6の単相交流電力を3相交流電力に変換して他方の3相電力系統に供給する第2の変圧器と、他方の3相電力系統における地絡事故の発生を検出して地絡検出信号を出力する地絡検出手段と、他方の3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する電圧属性検出手段と、前記地絡検出信号に同期して前記電圧属性検出手段から交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し、当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
また、電力変換装置に係わる第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、前
記制御手段は、一線地絡事故が発生した場合、前記電圧属性検出手段から交流電圧属性として2相の各健全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、各健全相の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の健全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給されるように前記第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御する、という手段を採用する。
また、電力変換装置に係わる第3の解決手段として、上記第1または2の解決手段にお
いて、前記制御手段は、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるように前記第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御する、という手段を採用する。
また、電力変換装置に係わる第4の解決手段として、上記第1〜3のいずれかの解決手
段において、前記制御手段は、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御することを特徴とする、という手段を採用する。
また、電力変換装置に係わる第5の解決手段として、直流電源から供給される直流電力
をそれぞれ独立して第1〜第3の単相交流電力に変換する第1〜第3の直流/交流変換手段と、前記第1〜第3の単相交流電力を3相交流電力に変換して3相電力系統に供給する変圧器と、前記3相電力系統における地絡事故の発生を検出して地絡検出信号を出力する地絡検出手段と、前記3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する電圧属性検出手段と、前記地絡検出信号に同期して前記電圧属性検出手段から交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し、当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第1〜第3の直流/交流変換手段を制御する制御手段とを具備する、という手段を採用する。
また、電力変換装置に係わる第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、前
記制御手段は、一線地絡事故が発生した場合、前記電圧属性検出手段から交流電圧属性として2相の各健全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、各健全相の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の健全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給されるように前記第1〜第3の直流/交流変換手段を制御する、という手段を採用する。
また、電力変換装置に係わる第7の解決手段として、上記第5または6の解決手段にお
いて、前記制御手段は、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるよう
に前記第1〜第3の直流/交流変換手段を制御する、という手段を採用する。
また、電力変換装置に係わる第8の解決手段として、上記第5〜7いずれかの解決手段
において、前記制御手段は、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第1
〜第3の直流/交流変換手段を制御する、という手段を採用する。
一方、制御方法に係わる第1の解決手段として、一方の3相電力系統から供給される3
相交流電力を独立した第1〜第3の単相交流電力に変換する第1の工程と、前記第1〜第3の単相交流電力をそれぞれ独立して直流電力に変換すると共に当該直流電力を第4〜第6の単相交流電力に変換する第2の工程と、前記第4〜第6の単相交流電力を3相交流電力に変換して他方の3相電力系統に供給する第3の工程と、前記他方の3相電力系統における地絡事故の発生を検出して地絡検出信号を出力する第4の工程と、前記他方の3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する第5の工程と、前記地絡検出信号に同期して前記交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第2の工程を制御する第6の工程とを有する、という手段を採用する。
また、制御方法に係わる第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、一線地絡事故が発生した場合、前記第5の工程で、前記交流電圧属性として2相の各健全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、前記第6の工程では、各健全相の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の健全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給されるように前記第2の工程を制御する、という手段を採用する。
また、制御方法に係わる第3の解決手段として、上記第1または2の解決手段において
、前記第6の工程では、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるよう
に前記第2の工程を制御する、という手段を採用する。
また、制御方法に係わる第4の解決手段として、上記第1〜3いずれかの解決手段にお
いて、前記第6の工程では、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第2
の工程を制御する、という手段を採用する。
また、制御方法に係わる第5の解決手段として、直流電源から供給される直流電力をそ
れぞれ独立して第1〜第3の単相交流電力に変換する第1の工程と、前記第1〜第3の単相交流電力を3相交流電力に変換して3相電力系統に供給する第2の工程と、前記3相電力系統における地絡事故の発生を検出して地絡検出信号を出力する第3の工程と、前記3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する第4の工程と、前記地絡検出信号に同期して交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し、当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第1の工程を制御する第5の工程とを有する、という手段を採用する。
また、制御方法に係わる第6の解決手段として、上記第5の解決手段において、一線地絡事故が発生した場合、前記第4の工程で、前記交流電圧属性として2相の各健全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、前記第5の工程では、各健全相の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の健全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給されるように前記第1の工程を制御する、という手段を採用する。
また、制御方法に係わる第7の解決手段として、上記第5または6の解決手段において
、前記第5の工程では、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるよう
に前記第1の工程を制御する、という手段を採用する。
また、制御方法に係わる第8の解決手段として、上記第5〜7いずれかの解決手段にお
いて、前記第5の工程では、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第1
の工程を制御する、という手段を採用する。
本発明によれば、一方の3相電力系統の3相交流電力を一度3相交流平衡条件に制約されない3つの単相交流電力に変換し、これらを3つの交流/直流/交流変換手段にてそれぞれ独立に制御して電力変換を行い、第2の変圧器によって再び3相交流電力に変換して他方の3相電力系統に供給する構成となっている。すなわち、一線地絡等の非対称事故が発生した場合でも、健全相に供給する電流をそれぞれ独立に制御することが可能になる。従って、非対称事故中において、健全相の送電電圧の位相と同位相の電流が当該健全相に供給されるように、上記交流/直流/交流変換手段を制御することで、最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことが可能となる。
また、本発明の電力変換装置は、直流電源から供給される直流電力を3つの直流/交流
変換手段にてそれぞれ独立に単相交流電力への変換を行い、変圧器によって3相交流電力に変換して3相電力系統に供給する構成を採用することができる。従って、燃料電池や蓄電池等の直流電源を3相交流電力に変換する電力変換装置として用いることにより、直流電源と3相電力系統とが連系した電力系統において、非対称事故中であっても最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係わる電力変換装置の構成概略図である。なお、図1において、本電力変換装置Rは第1の電力系統Aと第2の電力系統Bとを連系しているものである。
電力変換装置Rは、例えば系統周波数60Hzの3相交流電力(つまり第1の電力系統Aの3相交流電力)を、系統周波数50Hzの3相交流電力(つまり第2の電力系統Bの3相交流電力)に変換するものである。この電力変換装置Rは、その構成要素として、第1の変圧器R1、第1のコンバータ回路R2、第2のコンバータ回路R3、第3のコンバータ回路R4、平滑コンデンサR5、R6、R7、第1のインバータ回路R8、第2のインバータ回路R9、第3のインバータ回路R10、第2の変圧器R11、第1の零相変流器R12、第1の計測用変圧器R13、第1の計測用変流器R14、第1の電力制御部R15、第1のPWM信号発生回路R16、第2の零相変流器R17、第2の計測用変圧器R18、第2の計測用変流器R19、第2の電力制御部R20及び第2のPWM信号発生回路R21を備えている。
第1の変圧器R1は、1次側コイルと2次側コイルとがY−Δ結線されたものであるが、2次側のΔ結線は、一般的な3相変圧器のように各相のコイルの終端を次の相のコイルの始端に順次接続するような結線はなされておらず、各相のコイルは完全に他相と独立するような結線となっている。すなわち、第1の変圧器R1は、第1の電力系統Aから1次側コイルに入力される3相交流電力を、2次側コイルにおいて3相交流平衡条件に制約されることのない独立した3つの単相交流電力に変換するものである。このように、第1の変圧器R1は、2次側コイルから第1の電力系統Aの各相(a相、b相、c相)の供給電力に対応する第1の単相交流電力Paを第1のコンバータ回路R2に、第2の単相交流電力Pbを第2のコンバータ回路R3に、第3の単相交流電力Pcを第3のコンバータ回路R4にそれぞれ出力する。なお、1次側コイルのY結線の中性点は抵抗接地されている。
第1のコンバータ回路R2、第2のコンバータ回路R3及び第3のコンバータ回路R4は、複数の半導体スイッチング素子、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のブリッジ回路で構成されており、このIGBTをPWM(Pulse Width Modulation)制御することにより各単相交流電力をそれぞれ直流電力に変換するものである。すなわち、第1のコンバータ回路R2は、第1の変圧器R1から入力された第1の単相交流電力Paを第1の直流電力Pa1に変換して平滑コンデンサR5及び第1のインバータ回路R8に出力する。同様に、第2のコンバータ回路R3は、第1の変圧器R1から入力された第2の単相交流電力Pbを第2の直流電力Pb1に変換して平滑コンデンサR6及び第2のインバータ回路R9に出力する。また、第3のコンバータ回路R4は、第1の変圧器R1から入力された第3の単相交流電力Pcを第3の直流電力Pc1に変換して平滑コンデンサR7及び第3のインバータ回路R10に出力する。
平滑コンデンサR5、R6、R7は、上記第1〜第3の直流電力Pa1〜Pc1に含まれている交流成分を低減するために設けられているものである。
第1のインバータ回路R8、第2のインバータ回路R9、第3のインバータ回路R10は、複数のIGBTのブリッジ回路で構成されており、このIGBTをPWM制御することにより上記各直流電力をそれぞれ単相交流電力に変換するものである。すなわち、第1のインバータ回路R8は、第1のコンバータ回路R2から入力された第1の直流電力Pa1を第4の単相交流電力Pa2に変換して第2の変圧器R11に出力する。同様に、第2のインバータ回路R9は、第2のコンバータ回路R3から入力された第2の直流電力Pb1を第5の単相交流電力Pb2に変換して第2の変圧器R11に出力する。また、第3のインバータ回路R10は、第3のコンバータ回路R4から入力された第3の直流電力Pc1を第6の単相交流電力Pc2に変換して第2の変圧器R11に出力する。これら第4〜第6の単相交流電力Pa2〜Pc2は第2の電力系統Bの系統周波数(50Hz)と同じ周波数に変換されたものである。
第2の変圧器R11は、1次側コイルに上記第1の変圧器R1の2次側コイルと同様、各相のコイルが完全に他相と独立するような結線がなされており、これら各コイルに入力された上記第4〜第6の単相交流電力Pa2〜Pc2を2次側コイル(Y結線)において3相交流電力に変換して第2の電力系統Bに出力する。なお、2次側コイルのY結線の中性点は抵抗接地されている。
第1の零相変流器R12は、第2の電力系統Bの各相に接続されており、当該各相のいずれかに地絡が生じた場合に発生する零相電流を検出することで地絡の発生を検知し、当該地絡の発生を示す地絡検出信号を第1の電力制御部R15へ出力する。第1の計測用変圧器(電圧属性検出手段)R13は、第2の電力系統Bの各相に接続されており、大きな電圧値である各相の送電電圧を計測可能な電圧値に変換するものであり、第1の電力制御部R15の要求に応じて、健全相の送電電圧(対地電圧)の実効値及び位相を検出し、これら実効値及び位相を示す電圧属性信号を第1の電力制御部R15に出力する。
第1の計測用変流器R14は、第2の電力系統Bの各相に流れる電流を計測し、当該各相の電流値を示す電流計測信号を第1の電力制御部R15に出力する。第1の電力制御部R15は、上記第1の零相変流器R12から入力される地絡検出信号及び第1の計測用変流器R14から入力される電流計測信号に基づいて地絡相を判定し、第1の計測用変圧器R13に健全相の送電電圧(対地電圧)の実効値及び位相の検出及び電圧属性信号の出力を要求する。さらに、この第1の電力制御部R15は、上記電圧属性信号に基づいて、健全相に所定の送電電圧及び電流が供給されるように、第1のPWM信号発生回路R16を制御するための地絡時電力制御信号を当該第1のPWM信号発生回路R16に出力する。なお、第1の電力制御部R15は、第2の電力系統Bにおいて地絡が発生していない時(第1の零相変流器R12から地絡検出信号が入力されない場合)は、通常運転用の通常時電力制御信号を第1のPWM信号発生回路R16に出力する。
第1のPWM信号発生回路R16は、上記IGBTのゲートのオン/オフを制御するPWM信号を生成するものであり、第1の電力制御部R14から入力される地絡時電力制御信号及び通常時電力制御信号に基づいてPWM信号を生成して、第1のインバータ回路R8、第2のインバータ回路R9及び第3のインバータ回路R10に出力する。
一方、第2の零相変流器R17は、第1の電力系統Aの各相に接続されており、当該各相のいずれかに地絡が生じた場合に発生する零相電流を検出することで地絡の発生を検知し、当該地絡の発生を示す地絡検出信号を第2の電力制御部R20へ出力する。第2の計測用変圧器R18は、第1の電力系統Aの各相に接続されており、大きな電圧値である各相の送電電圧を計測可能な電圧値に変換するものであり、第2の電力制御部R20の要求に応じて、健全相の送電電圧(対地電圧)の実効値及び位相を検出し、これら実効値及び位相を示す電圧属性信号を第2の電力制御部R20に出力する。
第2の計測用変流器R19は、第1の電力系統Aの各相に流れる電流を計測し、当該各相の電流値を示す電流計測信号を第2の電力制御部R20に出力する。第2の電力制御部R20は、上記第2の零相変流器R17から入力される地絡検出信号及び第2の計測用変流器R19から入力される電流計測信号に基づいて地絡相を判定し、第2の計測用変圧器R18に健全相の送電電圧(対地電圧)の実効値及び位相の検出及び電圧属性信号の出力を要求する。さらに、この第2の電力制御部R20は、上記電圧属性信号に基づいて、健全相に所定の送電電圧及び電流が供給されるように、第2のPWM信号発生回路R21を制御するための地絡時電力制御信号を当該第2のPWM信号発生回路R21に出力する。なお、第2の電力制御部R20は、第1の電力系統Aにおいて地絡が発生していない時は、通常運転用の通常時電力制御信号を第2のPWM信号発生回路R21に出力する。
第2のPWM信号発生回路R21は、上記IGBTのゲートのオン/オフを制御するPWM信号を生成するものであり、第2の電力制御部R20から入力される地絡時電力制御信号及び通常時電力制御信号に基づいてPWM信号を生成して、第1のコンバータ回路R2、第2のコンバータ回路R3及び第3のコンバータ回路R4に出力する。
上記の構成要素の内、第1のコンバータ回路R2、平滑コンデンサR5及び第1のインバータ回路R8は単相交流/直流/単相交流変換器を構成しており、また、第2のコンバータ回路R3、平滑コンデンサR6及び第2のインバータ回路R9も同様に単相交流/直流/単相交流変換器を構成し、第3のコンバータ回路R4、平滑コンデンサR7及び第3のインバータ回路R10も同様に単相交流/直流/単相交流変換器を構成している。すなわち、本電力変換装置Rは、3つの単相交流/直流/単相交流変換器を備え、第1の変圧器R1から出力される3つの単相交流電力をそれぞれの単相交流/直流/単相交流変換器を独立に制御することによって電力変換を行っている。これが本電力変換装置Rの構成上の最大の特徴である。
次に、上記のような構成の本電力変換装置Rの非対称事故時における動作について説明する。なお、以下では、第1の電力系統Aから第2の電力系統Bに電力供給する場合を想定し、非対称事故時として第2の電力系統Bのa相に一線地絡が発生した場合について説明する。
図2は、第1の電力制御部R15の動作フローチャート図である。まず、第1の電力制御部R15は、第1の零相変流器R12から地絡検出信号が入力されたか否かを判定する(ステップS1)。このステップS1において、「NO」、つまり地絡が発生していない場合、第1の電力制御部R15は、通常運転(周波数変換)を行うための通常時電力制御信号を第1のPWM信号発生回路R16に出力する(ステップS2)。第1のPWM信号発生回路R16は、上記通常時電力制御信号に基づいて生成したPWM信号を第1のインバータ回路R8、第2のインバータ回路R9及び第3のインバータ回路R10に出力する。一方、第2の電力制御部R20も、通常時電力制御信号を第2のPWM信号発生回路R21に出力し、当該第2のPWM信号発生回路R21は、上記通常時電力制御信号に基づいて生成したPWM信号を第1のコンバータ回路R2、第2のコンバータ回路R3及び第3のコンバータ回路R4に出力する。これら各コンバータ回路及びインバータ回路によって上記PWM信号に基づく電力変換が行われ、通常運転が行われる。
また、ステップS1において、「YES」、つまりa相に一線地絡が発生した場合、第1の電力制御部R15は、第1の計測用変流器R14から入力される電流計測信号(各相に流れる電流)から地絡相をa相と判定する(ステップS3)。続いて、第1の電力制御部R15は、第1の計測用変圧器R13に対し、健全相、つまりb相の送電電圧の実効値V及び位相φと、c相の送電電圧の実効値V及び位相φとを検出し、これら健全相の電圧属性情報を示す電圧属性信号を出力するように要求し、上記健全相の電圧属性情報を取得する(ステップS4)。
そして、第1の電力制御部R15は、上記のように取得したb相送電電圧の実効値V及び位相φと、c相送電電圧の実効値V及び位相φとから下記条件式(1)〜(3)に基づいて、地絡事故中にb相に供給すべき電流の実効値I及び位相θと、c相に供給すべき電流の実効値I及び位相θとを決定する(ステップS5)。
Figure 2007159312
つまり、上記条件式(1)〜(3)からわかるように、b相の送電電圧の実効値Vと電流の実効値Iとの積が、c相の送電電圧の実効値Vと電流の実効値Iとの積と等しくなるように、b相電流の実効値I及びc相電流の実効値Iを決定し、また、b相及びc相共に、送電電圧の位相と同相になるように各相電流の位相を決定する。
このように、健全相において、送電電圧の位相と同相になるように各相電流の位相を制御することにより、一線地絡事故中の送電電力を最大限確保することができる。また、一線地絡事故中における健全相の送電電圧は事故条件によってほぼ決まってしまうため、事故前の値から変化する場合があり、その値によっては、b相の送電電力とc相の送電電力とに不平衡が生じるため、安定した電力供給を行えなくなる場合もある。従って、上記条件式(1)を適用することによって、b相の送電電力とc相の送電電力とに不平衡が生じることを防止することができる。
なお、上記条件式(1)を適用することにより、b相の送電電力とc相の送電電力とに不平衡が生じることを防ぐことはできるが、これら2相の健全相から得られるトータルの送電電力はある程度低下してしまう。従って、供給可能な送電電力の最大値を重視する場合、上記条件式(1)は必須でなく、例えば次のような電流制御を行うこともできる。
まず、最も大きな送電電力を確保可能な電流制御方法について説明する。
通常、地絡事故中において過大な電流が流れることを防ぐために、電力変換装置の電流供給能力の100%以下となるような電流が供給されるように電流リミッタを設けることが一般的である。そこで、この電流供給能力に冗長性を持たせる、すなわち通常運転では電流供給能力の100%以下の電流を供給し、地絡事故中には100%より大きな電流を健全相に供給する。なお、この場合、上記条件式(1)は必要なく、条件式(2)及び(3)のみを満足すれば良い。
また、上記の電流制御方法よりは送電電力は小さくなるが、電流供給能力に冗長性を持たせない場合、電流供給能力の100%の電流を健全相に供給するようにしても良い。この場合も、上記条件式(1)は必要なく、条件式(2)及び(3)のみを満足すれば良い。上記条件式(1)〜(3)を適用した場合、この電流制御方法よりさらに送電電力が小さくなるが、この場合も事故前と同等または可能な限り大きな電流を供給することが望ましい。なお、実運用上は、事故前に各相に供給されていた有効電力に可能な限り近い有効電力を供給するように電流制御を行う。
さて、第1の電力制御部R15は、上記のように決定された実効値及び位相を有するb相及びc相電流が、b相及びc相に対応するインバータ回路にて生成されるように地絡時電力制御信号を第1のPWM信号発生回路R16に出力する(ステップS6)。
なお、通常、事故相であるa相には電流の供給を停止するが、事故前と同様の電流が出力されるように第1のPWM信号発生回路R16を制御することもできる。このように事故相にも電流を出力することによって、健全な第1の電力系統Aに悪影響を及ぼすことを防ぐこともできる。この場合、事故相には過大な電流が流れるため、電流リミッタを設ける必要がある。
第1のPWM信号発生回路R16は、上記のような地絡時電力制御信号に基づいてPWM信号を生成すると共に、当該PWM信号を各相に対応する第2の変圧器R11の1次側コイルに単相交流電力を供給しているインバータ回路(第1のインバータ回路R8、第2のインバータ回路R9及び第3のインバータ回路R10)に出力する。これらのインバータ回路は、PWM信号に基づいてIGBTをスイッチングすることにより、上記ステップS5で決定された電流を第2の変圧器R11を介して第2の電力系統Bに供給する。つまり、健全相であるb相には、上記条件式(1)及び(2)を満たす実効値及び位相を有するb相電流が供給され、c相には上記条件式(1)及び(3)を満たす実効値及び位相を有するc相電流が供給される。
以上のように、各条件式(1)〜(3)を満たす電流を健全相に供給することによって、非対称事故中において最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことが可能となる。その原理について以下詳細に説明する。
まず、第2の電力系統Bのa相、b相、c相の送電電圧の瞬時電圧をv、v、v、瞬時電流をi、i、iとし、下記(4)〜(9)式のように定義する。
Figure 2007159312
上式(4)〜(9)において、V、V、Vはそれぞれ各相の送電電圧の実効値であり、また、I、I、Iはそれぞれ各相電流の実効値である。一方、図3のベクトル図に示すように、φはvを基準ベクトルとしたvの位相であり、同様にφもvを基準ベクトルとしたvの位相である。また、θ、θ、θはそれぞれvを基準ベクトルとしたi、i、iの位相である。ωは角周波数(2π・f)であり、fは第2の電力系統Bの系統周波数(50Hz)である。また、tは時間である。
また、第2の電力系統Bの3相交流電力の瞬時電力pは下記(10)式で表される。
Figure 2007159312
ここで、a相に地絡が発生した場合を考え、a相電流i=0とすると、上記(10)式は下記(11)式となる。
Figure 2007159312
上記(11)式に上記(4)〜(9)式を代入すると、下記(12)式のようになる。
Figure 2007159312
ここで、有効電力は上記(12)式で表される瞬時電力pの平均値である。上記(12)式において、2ωtを含む項は平均すると零になるので無視しても良い。従って、瞬時電力pの平均値、つまり有効電力を最大にするには、上記(12)式において、cos(θ−φ)=1及びcos(θ−φ)=1となればよい。これより、健全相のみで有効電力を最大にするための上記条件式(2)、(3)が得られる。すなわち、健全相の送電電圧の位相と同相になるように当該健全相電流の位相を決定することで、最大の有効電力を得ることができる。
また、上述したように、地絡事故中における健全相の送電電圧の実効値は、事故前の値から変化する場合があり、その値によっては、b相の送電電力とc相の送電電力とに不平衡が生じるため、安定した電力供給を行えなくなる場合もある。従って、上記条件式(1)を追加することによって、b相に供給される電力とc相に供給される電力とに不平衡状態が発生することを防止することもできる。
次に、本実施形態による電力変換装置の制御方法の有効性を検証したシミュレーション結果を示す。このシミュレーションは、従来の電力変換装置、つまり3相交流平衡条件に制約されており、健全相電流の制御は行わず、事故相を含めた各相に電流リミッタを設けただけの電力変換装置を用いた場合の3相電力系統モデルと、本実施形態による電力変換装置Rを用いた場合の3相電力系統モデルとについて、それぞれa相に一線地絡が生じた場合の送電率の変化を検証したものである。ここで、送電率とは3相で1pu送電時を100%としたときの送電電力を示している。つまり、一線地絡事故時の最大電力は約66%となる。
図4は、従来の電力変換装置を用いた場合の送電率の変化を示すものである。この図において、縦軸は送電率、横軸は短絡容量比を示す。また、特性曲線1は事故点率0、特性曲線2は事故点率0.5、特性曲線3は事故点率0.9の場合を示す。ここで、事故点率とは、地絡が生じた位置を示し、値が高いほど電力変換装置から遠方で地絡が生じたことを示している。
この図4に示すように、従来の電力変換装置を用いた場合、短絡容量比が低い値であれば50%近い送電率を確保することができるが、短絡容量比が高くなるほど送電率は大きく低下してしまう。つまり、短絡容量比の値によって送電率は大きく変動することになり(図4では最大30%程度変動する)、安定した電力供給が行えなくなることがわかる。また、事故点率によっても、送電率に差が生じることがわかる。
一方、図5は、本実施形態による電力変換装置Rを用いた場合の送電率の変化を示すものである。この図において、縦軸は送電率、横軸は短絡容量比を示す。また、特性曲線4は事故点率0、特性曲線5は事故点率0.5、特性曲線6は事故点率0.9の場合を示す。
この図5に示すように、本実施形態による電力変換装置Rを用いた場合、短絡容量比が高いほど送電率が高く、短絡容量比が低いほど送電率が低くなる。しかしながら、送電率の最大値は約65%、つまり2相の健全相で供給可能な送電率の最大値である66%に限りなく近い値にすることができ、尚且つ送電率の最小値も60%近い値を確保することができるため、送電率の変動も少ない。また、事故点率の違いによる送電率の差も非常に小さいことがわかる。
このように、本実施形態による電力変換装置Rを用いることによって、一線地絡事故が生じた場合でも、最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことができるという効果が立証された。
以上のように、上記条件式(1)〜(3)を満足するような健全相電流を第2の電力系統Bに供給するためには、各健全相について独立に電流制御を行う必要があるが、従来の3相電力変換装置では3相交流平衡条件に制約されてしまうため、上記のような独立制御が困難であった。しかしながら、本電力変換装置Rでは、上述したように第1の電力系統Aの3相交流電力を一度3相交流平衡条件に制約されない3つの単相交流電力に変換し、これらを3つの単相交流/直流/単相交流変換器にてそれぞれ独立に制御して電力変換を行い、第2の変圧器R11によって再び3相交流電力に変換して供給する構成となっている。従って、一線地絡等の非対称事故が発生した場合でも、健全相に供給する電流をそれぞれ独立に制御することが可能になり、その結果、上記条件式(1)〜(3)を満足するように健全相電流を制御することで、最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、a相に一線地絡が生じた場合について説明したが、これに限
らず、他の相に一線地絡が生じた場合でも同様の制御を行うことによって、最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことが可能となる。また、一線地絡ではなく、2相に地絡が生じる二線地絡事故が生じた場合であっても、残り1相の健全相において、送電電圧の位相と同相になるように、電流の位相を制御し、さらに可能な限り電流の実効値を高くすることによって、最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことが可能となる。
(2)上記実施形態では、第1の電力系統Aから第2の電力系統Bに電力供給する場合を想定し、第2の電力系統Bに非対称事故が発生した場合について説明したが、これに限定されず、第2の電力系統Bから第1の電力系統Aに電力供給し、第1の電力系統Aに非対称事故が発生した場合であっても、第2の電力制御部20にて第1の電力系統A側の健全相の電流制御を行うことによって同様の効果を得ることができる。なお、このように第2の電力系統Bから第1の電力系統Aに電力供給する場合、インバータ回路とコンバータ回路との機能が逆転する。
(3)上記実施形態では、本電力変換装置Rを周波数変換のために使用していたが、これに限らず、例えば、北海道−本州間のように異なる電力系統間を直流送電によって連系する場合の電力変換装置としても用いることが可能である。
(4)上記実施形態では、2つの3相交流電力系統を連系する電力変換装置について説明したが、これに限定されず、例えば燃料電池や蓄電池等の直流電源を3相交流電力に変換する電力変換装置として構成することもできる。つまり、この電力変換装置は、直流電源から供給される直流電力を各々独立に単相交流電力に変換する3つのインバータ回路と、これら単相交流電力を3相交流電力に変換して3相電力系統に供給する変圧器と、3相電力系統における地絡事故の発生を検出する零相変流器と、3相の送電電圧を測定する計測用変圧器と、3相の送電電流を計測する計測用変流器と、健全相における送電電圧の位相と同位相となるように送電電流の制御を行う電力制御部と、当該電力制御部の制御の下にインバータ回路を制御するPWN信号発生回路とを備えている。
このように構成された電力変換装置によれば、直流電源と3相電力系統とが連系された電力系統において、非対称事故が発生した場合でも、残りの健全相によって最大限に送電電力を確保し、且つ安定した電力供給を行うことが可能となる。
(5)上記実施形態では、半導体スイッチング素子としてIGBTを用いたが、これに限らず、他の半導体スイッチング素子を使用しても良い。
本発明の一実施形態に係わる電力変換装置Rの構成概略図である。 本発明の一実施形態における第1の電力制御部R15の動作フローチャート図である。 本発明の一実施形態における第1の電力制御部R15の動作原理の説明のためのベクトル図である。 従来の電力変換装置を用いた場合の送電率変動を示す検証結果である。 本発明の一実施形態における電力変換装置Rを用いた場合の有効性を示す検証結果である。
符号の説明
A…第1の電力系統、B…第2の電力系統、R…電力変換装置、R1…第1の変圧器、R2…第1のコンバータ回路、R3…第2のコンバータ回路、R4…第3のコンバータ回路、R5、R6、R7…平滑コンデンサ、R8…第1のインバータ回路、R9…第2のインバータ回路、R10…第3のインバータ回路、R11…第2の変圧器、R12…第1の零相変流器、R13…第1の計測用変圧器、R14…第1の計測用変流器、R15…第1の電力制御部、R16…第1のPWM信号発生回路、R17…第2の零相変流器、R18…第2の計測用変圧器、R19…第2の計測用変流器、R20…第2の電力制御部、R21…第2のPWM信号発生回路

Claims (16)

  1. 一方の3相電力系統から供給される3相交流電力を独立した第1〜第3の単相交流電力に変換する第1の変圧器と、
    前記第1〜第3の単相交流電力をそれぞれ独立して直流電力に変換すると共に該直流電力を第4〜第6の単相交流電力に変換する第1〜第3の交流/直流/交流変換手段と、
    前記第4〜第6の単相交流電力を3相交流電力に変換して他方の3相電力系統に供給する第2の変圧器と、
    他方の3相電力系統における地絡事故の発生を検出して地絡検出信号を出力する地絡検
    出手段と、
    他方の3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する電圧属性検出手段と、
    前記地絡検出信号に同期して前記電圧属性検出手段から交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し、当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする電力変換装置。
  2. 前記制御手段は、一線地絡事故が発生した場合、前記電圧属性検出手段から交流電圧属
    性として2相の各健全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、各健全相
    の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の健
    全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧及
    び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給されるよ
    うに前記第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御することを特徴とする請求項1記
    載の電力変換装置。
  3. 前記制御手段は、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるように前
    記第1〜第3の交流/直流/交流変換手段を制御することを特徴とする請求項1または2
    記載の電力変換装置。
  4. 前記制御手段は、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第1〜第3の
    交流/直流/交流変換手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
    電力変換装置。
  5. 直流電源から供給される直流電力をそれぞれ独立して第1〜第3の単相交流電力に変換
    する第1〜第3の直流/交流変換手段と、
    前記第1〜第3の単相交流電力を3相交流電力に変換して3相電力系統に供給する変圧器と、
    前記3相電力系統における地絡事故の発生を検出して地絡検出信号を出力する地絡検出
    手段と、
    前記3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する電圧属性検出手段と、
    前記地絡検出信号に同期して前記電圧属性検出手段から交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し、当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第1〜第3の直流/交流変換手段を制御する制御手段と
    を具備することを特徴とする電力変換装置。
  6. 前記制御手段は、一線地絡事故が発生した場合、前記電圧属性検出手段から交流電圧属
    性として2相の各健全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、各健全相
    の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の健
    全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧及
    び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給されるよ
    うに前記第1〜第3の直流/交流変換手段を制御することを特徴とする請求項5記載の電
    力変換装置。
  7. 前記制御手段は、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるように前
    記第1〜第3の直流/交流変換手段を制御することを特徴とする請求項5または6記載の
    電力変換装置。
  8. 前記制御手段は、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第1〜第3の
    直流/交流変換手段を制御することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の電力変
    換装置。
  9. 一方の3相電力系統から供給される3相交流電力を独立した第1〜第3の単相交流電力に変換する第1の工程と、
    前記第1〜第3の単相交流電力をそれぞれ独立して直流電力に変換すると共に当該直流電力を第4〜第6の単相交流電力に変換する第2の工程と、
    前記第4〜第6の単相交流電力を3相交流電力に変換して他方の3相電力系統に供給する第3の工程と、
    前記他方の3相電力系統における地絡事故の発生を検出して地絡検出信号を出力する第
    4の工程と、
    前記他方の3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する第5の工程と、
    前記地絡検出信号に同期して前記交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第2の工程を制御する第6の工程と
    を有することを特徴とする制御方法。
  10. 一線地絡事故が発生した場合、前記第5の工程で、前記交流電圧属性として2相の各健
    全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、前記第6の工程では、各健全
    相の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の
    健全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧
    及び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給される
    ように前記第2の工程を制御することを特徴とする請求項9記載の制御方法。
  11. 前記第6の工程では、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるよう
    に前記第2の工程を制御することを特徴とする請求項9または10記載の制御方法。
  12. 前記第6の工程では、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第2の工
    程を制御することを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の制御方法。
  13. 直流電源から供給される直流電力をそれぞれ独立して第1〜第3の単相交流電力に変換
    する第1の工程と、
    前記第1〜第3の単相交流電力を3相交流電力に変換して3相電力系統に供給する第2の工程と、
    前記3相電力系統における地絡事故の発生を検出して、地絡検出信号を出力する第3の
    工程と、
    前記3相電力系統における健全相の交流電圧属性を検出する第4の工程と、
    前記地絡検出信号に同期して交流電圧属性として健全相の送電電圧の位相を取得し、当該送電電圧の位相と同位相の電流が健全相に供給されるように前記第1の工程を制御する第5の工程と
    を有することを特徴とする制御方法。
  14. 一線地絡事故が発生した場合、前記第4の工程で、前記交流電圧属性として2相の各健
    全相についてそれぞれ送電電圧の実効値及び位相を取得し、前記第5の工程では、各健全相の送電電圧の位相と同位相の電流が各健全相にそれぞれ供給されるように、且つ2相の健全相の内、一方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積と、他方の健全相の送電電圧及び電流の実効値の積とが等しくなるような実効値を有する電流が各健全相に供給されるように前記第1の工程を制御することを特徴とする請求項13記載の制御方法。
  15. 前記第5の工程では、事故前より大きな実効値を有する電流が健全相に供給されるよう
    に前記第1の工程を制御することを特徴とする請求項13または14記載の制御方法。
  16. 前記第5の工程では、事故相には事故前と同等の電流が供給されるように前記第1の工
    程を制御することを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載の制御方法。
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