JP3911175B2 - 電圧変動補償装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、負荷に供給される電力系統の電圧が瞬時的に変動した際に、それを検出して電圧変動を補償する電圧変動補償装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
雷などにより電力系統の電圧が瞬時的に低下し、工場などの精密機器などが誤作動や一時停止することにより、生産ラインで多大な被害を被ることがある。このような被害を防ぐために、電力系統の瞬時的電圧低下などの電圧変動を監視して、電圧低下を補償する電圧変動補償装置が用いられている。
従来の電圧変動補償装置の概略構成図を図12に示す。図に示すように、送電線1からの電力は、変圧器2により降圧されて、電圧変動補償装置を介して需要家3(負荷)に接続され、電力が供給される。電圧変動補償装置は、直流電源4、インバータ5、平滑フィルタ6および大容量トランス7で構成される。
このような従来の電圧変動補償装置における、系統電圧の瞬時低下時(以下、瞬低時と称す)の電圧補償動作について以下に示す。
図13は、系統電圧の瞬低時の、系統電圧、電圧変動補償装置の補償電圧出力、および需要家3に供給される電圧をそれぞれ示したものである。図に示すように、系統電圧に瞬時的に電圧低下が発生すると、電圧変動を監視している検出部(図示せず)にて電圧低下を検出し、それに基づく給電制御により、電圧変動補償装置では、直流電源4とインバータ5とで交流電圧を発生させて、平滑フィルタ6と大容量のトランス7を介して電力系統に直列に接続することにより、電力系統の電圧低下を補償する。これにより、需要家3には、電圧低下した系統電圧に電圧変動補償装置から出力される補償電圧が加算されてほぼ正常な電圧で電力が供給される。
【0003】
上記のような電圧変動補償装置は、トランス7を介して電力系統に接続されるものであるが、近年、直列接続された複数個の電圧補償サブ回路で構成される電圧変動補償装置を直接電力系統に直列に接続するものが開発されており、図14に基づいて以下に説明する。
図14に示すように、送電線1からの電力は、変圧器2により降圧されて、電圧変動補償装置100を介して需要家3(負荷)に接続され、電力が供給される。電圧変動補償装置100は、図に示すように、複数の電圧補償ユニット15と制御回路16とで構成され、正負いずれかの極性で補償電圧を出力する電圧補償サブ回路PN1、PN2、PN3が電力系統に直列に接続される。各電圧補償ユニット15には、ダイオードが逆並列に接続された4個の半導体スイッチング素子9sw11〜9sw14、9sw21〜9sw24、9sw31〜9sw34から成るフルブリッジインバータ、およびエネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ10pn1〜10pn3で構成される各電圧補償サブ回路PN(PN1、PN2、PN3)と、充電コンデンサ10(10pn1〜10pn3)を充電するための充電ダイオード11と充電用トランス14の2次巻線13とが備えられる。また、充電コンデンサ10の充電電圧V1〜V3は、半導体スイッチング素子9(9sw11〜9sw14、9sw21〜9sw24、9sw31〜9sw34)のオン/オフ制御により正負いずれかの極性で電力系統に接続される。また、各電圧補償サブ回路PNの出力端には、各電圧補償サブ回路PNと並列に高速機械式の定常短絡スイッチ8が設けられる。
充電コンデンサ10は充電ダイオード11と充電用トランス14の2次巻線13によってそれぞれ異なる電圧が充電され、充電用トランス1次巻線12は、電力系統と接続される。各電圧補償サブ回路PN1、PN2、PN3内の充電コンデンサ10に充電される電圧の比は概ね2のべき乗比に設定されている。つまり、以下の関係を満足させる。
V3=2×V2=2×2×V1
【0004】
定常短絡スイッチ8および各半導体スイッチング素子9は制御回路16に接続される。この制御回路16の構成および動作について、図15に基づいて以下に説明する。
図15に示すように、系統電圧は制御回路16に入力され、設定電圧20と比較される。このとき設定電圧20は、正常時の系統電圧とする。両者の差を誤差増幅器21にて増幅し、さらに絶対値変換を施した後、A/Dコンバータ22にて3ビットのデジタル信号(D1〜D3)に変換する。系統電圧と設定電圧20との差が、充電コンデンサ10pn1の充電電圧V1と等しくなったとき、A/Dコンバータ22からの出力信号における最下位ビットD1のみが1、即ち゛001゛となるよう、また、同様に゛010゛・・・゛111゛の場合も、充電コンデンサ10の充電電圧の組み合わせと等しくなるように誤差増幅器21のゲインは予め調整しておく。
D1〜D3の信号のいずれかが1となると、NOR回路23を通して、信号z(=0)により定常短絡スイッチ8をオフする。
一方、電圧瞬低制御回路16に入力された系統電圧は、極性判定回路24にも入力され、極性が判定される。25は、各電圧補償サブ回路PNのインバータの駆動信号を発生する駆動信号発生器で、系統電圧の極性が正・負の場合に応じて、デジタル信号D1〜D3にてアクテイブとなる信号g11〜g14、g21〜g24、g31〜g34を選択する。
【0005】
例えば、図14で示す電圧補償サブ回路PN1においては、最下位ビットD1=1のときに、系統電圧の極性が正の場合、スイッチング素子9sw11、9sw14をオンし、スイッチング素子9sw12、9sw13をオフすることにより、充電電圧V1を正極性で出力する。また系統電圧の極性が負の場合、スイッチング素子9sw12、9sw13をオンし、スイッチング素子9sw11、9sw14をオフすることにより、充電電圧V1を負極性で出力する。またD1=0のとき、スイッチング素子9sw11〜9sw14、のうち上アーム側9sw12、9sw14あるいは下アーム側9sw11、9sw13のどちらか一方をオン状態とし他方をオフ状態として出力端を短絡し、電圧補償サブ回路PN1からの出力をほぼゼロとする。
通常時、即ちデジタル信号D1〜D3が全て0の時は、定常短絡スイッチ8はオン状態で、電流は定常短絡スイッチ8を流れる。また電力系統の電圧低下時には、誤差電圧に応じて発生されたデジタル信号D1〜D3によって選択された各電圧補償回路PN1、PN2、PN3において、補償電圧が出力される。これらの出力は、系統にて組み合わされ、゛000゛〜゛111゛の8階調の電圧出力を発生することができ、最大の補償電圧は、7×V1となる。
【0006】
このような従来の電圧変動補償装置100は、複数の電圧補償サブ回路PN1〜PN3を備えて補償電圧を階調制御により出力するため、系統電圧の瞬低時における高精度な電圧補償が可能であり、また直接系統電圧に接続するため装置全体が安価で小型に構成できるものである。
上記従来の電圧変動補償装置100の動作は、系統電圧の1相のみについて説明したが、実際には図16に示すように、3相交流(a相、b相、c相)のそれぞれの相について、コンデンサ10a、10b、10cを備えた電圧変動補償装置100a、100b、100cを直列に接続して独立に電圧変動を補償している。なお、トランス7を介して電力系統に接続される従来の電圧変動補償装置についても同様に、各相にそれぞれ電圧変動補償装置を備えて独立に電圧変動を補償している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電圧変動補償装置は、以上のように系統電圧の各相をそれぞれ独立に補償しており、図17のフローチャートに示すように、系統電圧の変動を検出すると(s1)、各相(a相、b相、c相)にそれぞれ必要な補償電圧(Vta、Vtb、Vtc)を演算し、それらが各相の出力可能な電圧、即ちコンデンサの電圧(Va、Vb、Vc)以下の時(s2)、各相に補償電圧(Vta、Vtb、Vtc)を出力する(s3)。s2において、必要な補償電圧がコンデンサの電圧を越える相が存在すると、電圧変動に対する補償が不可能となる(s4)。
このように、電圧変動補償装置が出力可能な補償電圧が、必要補償電圧に満たない相が1相でもあると補償不可となるため、コンデンサの電圧低下が最も大きい相で補償可能時間が決定され、他の相のエネルギを有効利用できず補償不可に陥りやすいという問題点があった。
【0008】
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、電圧系統の各相の電圧変動を補償する電圧変動補償装置において、各相のエネルギ蓄積手段のエネルギを全体として有効利用し、出力可能な補償電圧が必要補償電圧に満たない相が存在しても、継続して電圧補償できることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る請求項1記載の電圧変動補償装置は、電力系統における電圧変動の監視、およびそれに基づく給電制御を行う制御部と、該電力系統の各相にそれぞれ直列に接続し、エネルギ蓄積手段に蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する各相電圧補償回路とを備えて、負荷に供給される電圧変動を抑える装置構成であって、上記電力系統の電圧変動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相電圧に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルを重畳して演算された各相補償電圧を上記各相電圧補償回路から出力して、上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑えるものである。
【0010】
またこの発明に係る請求項2記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記各相電圧補償回路からの出力エネルギが概均等となるように決定するものである。
【0011】
またこの発明に係る請求項3記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補償電圧の大きさが概均等となるように、重畳する出力電圧ベクトルを決定するものである。
【0012】
またこの発明に係る請求項4記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該各エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、上記各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の差を無くすように決定するものである。
【0013】
またこの発明に係る請求項5記載の電圧変動補償装置は、請求項4において、各エネルギ蓄積手段の検出電圧の平均値を算出し、該平均値に基づいて上記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の許容範囲を設定し、各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルは、上記許容範囲を越えた相の補償電圧が上記許容範囲を越えた相のエネルギ蓄積手段の検出電圧より小さくなるように決定するものである。
【0014】
またこの発明に係る請求項6記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、エネルギ蓄積手段は、複数相の電圧補償回路で共用とするものである。
【0015】
またこの発明に係る請求項7記載の電圧変動補償装置は、請求項1または6において、各相電圧補償回路の異常を検出する手段を備え、各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記手段により異常検出された電圧補償回路からの補償電圧出力を0とするように決定するものである。
【0016】
またこの発明に係る請求項8記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、共用のエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、電力系統の電圧変動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相電圧が上記エネルギ蓄積手段の検出電圧以下の場合、重畳する出力電圧ベクトルを0ベクトルとし、該検出電圧を超える相がある場合、上記各相補償電圧が該検出電圧以下となるように上記重畳する出力電圧ベクトルを決定するものである。
【0017】
またこの発明に係る請求項9記載の電圧変動補償装置は、請求項2〜5のいずれかにおいて、電力系統の各相にそれぞれ直列に接続される各相電圧補償回路は、それぞれ異なる電圧が蓄積されてエネルギ蓄積手段を構成するエネルギ蓄積部を備え該エネルギ蓄積部に蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する複数の電圧補償サブ回路を直列に接続して構成され、上記複数の電圧補償サブ回路内の上記エネルギ蓄積部にそれぞれ蓄積される異なる電圧の絶対値を、最も小さい電圧(絶対値)に対して概2倍(K=0、1、2、・・・)とし、上記電圧補償サブ回路をバイパスするための高速機械式の短絡スイッチを、1つもしくは直列接続された複数の上記電圧補償サブ回路の出力端毎に備えて、各相補償電圧出力時には、各相における上記複数の電圧補償サブ回路の中から所望の組み合わせを選択し、その出力電圧の総和で上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑えるものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について説明する。図1はこの発明の実施の形態1による電圧変動補償装置200の概略構成図である。
図1(a)に示すように、送電線1からの電力は、変圧器2により降圧されて、電圧変動補償装置200を介して需要家3(負荷)に接続され、電力が供給される。電圧変動補償装置200は図1(b)に示すように、3相交流(a相、b相、c相)のそれぞれの相について、エネルギ蓄積手段としてのコンデンサ10a、10b、10cを備えた各相電圧補償回路110a、110b、110cを直列に接続し、制御部として全相で共通の制御回路30を備えて、この制御回路30からの指令により、各相電圧補償回路110a、110b、110cから各相に補償電圧を出力して電圧変動を補償する。
【0019】
各相電圧補償回路110a、110b、110cの詳細な構成は図2に基づいて以下に説明する。
図2に示すように、各相電圧補償回路110a、110b、110cは、複数(この場合3個)の電圧補償ユニット15で構成され、正負いずれかの極性で補償電圧を出力する電圧補償サブ回路PN1、PN2、PN3が電力系統に直列に接続される。各電圧補償ユニット15には、ダイオードが逆並列に接続された4個のIGBT9sw11〜9sw14、9sw21〜9sw24、9sw31〜9sw34から成るフルブリッジインバータ、およびエネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ10pn1〜10pn3で構成される各電圧補償サブ回路PN(PN1、PN2、PN3)と、充電コンデンサ10(10pn1〜10pn3)を充電するための充電ダイオード11と充電用トランス14の2次巻線13とが備えられる。また、充電コンデンサ10の充電電圧V1〜V3は、IGBT9(9sw11〜9sw14、9sw21〜9sw24、9sw31〜9sw34)のオン/オフ制御により正負いずれかの極性で電力系統に接続される。充電コンデンサ10(10pn1〜10pn3)は、各相電圧補償回路110a、110b、110cが備える各コンデンサ10a、10b、10c(図1参照)を詳細に示したものである。
【0020】
また、各相電圧補償回路110a、110b、110cの出力端には、並列に高速機械式の定常短絡スイッチ8が設けられる。なお、この定常短絡スイッチ8は、各電圧補償サブ回路PNと並列に複数個設けても良く、1つあるいは直列接続された複数の電圧補償サブ回路PNの出力端毎に設けられていれば良い。また、フルブリッジインバータはIGBT9以外の自己消弧型半導体スイッチング素子で構成しても良い。
充電コンデンサ10は充電ダイオード11と充電用トランス14の2次巻線13によってそれぞれ異なる電圧が充電され、充電用トランス1次巻線12は、電力系統と接続される。各電圧補償サブ回路PN1、PN2、PN3内の充電コンデンサ10に充電される電圧の比は概ね2のべき乗比に設定されている。つまり、以下の関係を満足させる。
V3=2×V2=2×2×V1
【0021】
各相電圧補償回路110a、110b、110cの定常短絡スイッチ8および各半導体スイッチング素子9は制御回路30に接続され、制御回路30からの指令信号z,g11〜g14,g21g〜24,g31〜g34により動作する。この制御回路30の構成および動作について、図3に基づいて以下に説明する。
図3に示すように、電力系統の各相の電流をモニタして観測される系統電圧Vx、Vy、Vz、系統電流Ix、Iy、Izはそれぞれ制御回路30に入力され、補償電圧算出部33において、系統電圧Vx、Vy、Vz、系統電流Ix、Iy、Izと、各相の設定電圧31、設定電流32とに基づいて、各線間電圧の電圧変動を補償するように各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。このとき設定電圧31、設定電流32は、正常時の系統電圧および系統電流とする。上記各相の補償電圧Via、Vib、Vicの算出は、補償電圧算出部33内の重畳電圧算出部34で算出される全相に共通の重畳電圧ベクトルV0を重畳してなされるもので、以下に詳述する。
【0022】
図4は、電力系統の各相の電圧、電流をベクトル図で示したもので、図4(a)に、正常時の各相の電圧ベクトルVna、Vnb、Vnc(以下、正常電圧ベクトルと称す)、電流ベクトルIna、Inb、Inc(以下、正常電流ベクトルと称す)、および瞬低による電圧変動時の各相の電圧ベクトルVsa、Vsb、Vsc(以下、瞬低電圧ベクトルと称す)を示す。なお、θsa、θsb、θscは電圧変動時の瞬低電圧ベクトルと正常電流ベクトルとの位相差を表している。図4(b)に示すように、各相の瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vna−Vsa、Vnb−Vsb、Vnc−Vsc(以下、Vta、Vtb、Vtcと表す)に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルである重畳電圧ベクトルV0を重畳(加算)して、図4(c)に示すように、各相の補償電圧である各相補償電圧ベクトルVia、Vib、Vicを算出する。このとき、重畳電圧ベクトルV0は、各相電圧補償回路110a、110b、110cにおける補償電圧出力時の出力エネルギが概均等になるように重畳電圧算出部34にて算出され、この算出方法の詳細については、後述する。
このように、各相の電圧変動によって変動した線間電圧を、概均等の出力エネルギで補償するように、重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。
【0023】
各相の補償電圧Via、Vib、Vicが算出されると、図3に示すように、増幅回路35にて増幅し、さらに絶対値変換を施した後、A/Dコンバータ36にて各相毎に3ビットのデジタル信号(D1〜D3)に変換する。各相の補償電圧Via、Vib、Vicの大きさが、充電コンデンサ10pn1の充電電圧V1と等しくなったとき、A/Dコンバータ36からの出力信号における最下位ビットD1のみが1、即ち゛001゛となるよう、また、同様に゛010゛・・・゛111゛の場合も、充電コンデンサ10の充電電圧の組み合わせと等しくなるように増幅回路35のゲインは予め調整しておく。
D1〜D3の信号のいずれかが1となると、NOR回路37を通して、信号z(=0)により各相電圧補償回路110a、110b、110cの定常短絡スイッチ8を全てオフする。なお、NOR回路37は各相毎に複数個(この場合3個み)備えても良く、その場合、対応する電圧補償回路110a、110b、110cの定常短絡スイッチ8に対して信号zを出力する。
【0024】
一方、算出された各相の補償電圧Via、Vib、Vicは、極性判定回路38にも入力され、極性が判定される。39a、39b、39cは、各相電圧補償回路110a、110b、110cに対して駆動信号ga、gb、gcを発生する駆動信号発生器であり、この各相の駆動信号ga、gb、gcは、各相電圧補償回路110a、110b、110c内の複数個の電圧補償サブ回路PNのインバータの12種の駆動信号g11〜g14,g21〜g24,g31〜g34でそれぞれ構成される。この駆動信号発生器39a、39b、39cにより、各相の補償電圧Via、Vib、Vicの極性が正・負の場合に応じて、デジタル信号D1〜D3にてアクテイブとなる信号を選択し、各相電圧補償回路110a、110b、110cに対し、駆動信号ga、gb、gcを発生する。
【0025】
例えば、図2で示す各相電圧補償回路110a、110b、110c内の電圧補償サブ回路PN1においては、最下位ビットD1=1のときに、系統電圧の極性が正の場合、スイッチング素子9sw11、9sw14をオンし、スイッチング素子9sw12、9sw13をオフすることにより、充電電圧V1を正極性で出力する。また系統電圧の極性が負の場合、スイッチング素子9sw12、9sw13をオンし、スイッチング素子9sw11、9sw14をオフすることにより、充電電圧V1を負極性で出力する。またD1=0のとき、スイッチング素子9sw11〜9sw14、のうち上アーム側9sw12、9sw14あるいは下アーム側9sw11、9sw13のどちらか一方をオン状態とし他方をオフ状態として出力端を短絡し、電圧補償サブ回路PN1からの出力をほぼゼロとする。他の電圧補償サブ回路PN2、PN3からの出力も、対応するビットのデジタル信号D2、D3に応じて同様に行われ、即ち、各相電圧補償回路110a、110b、110c内において、デジタル信号D1〜D3によって選択された各補償サブ回路PN1、PN2、PN3から補償電圧が出力される。これらの出力は、系統にて組み合わされ、゛000゛〜゛111゛の8階調の電圧出力を各相で発生することができ、最大の補償電圧は、7×V1となる。
【0026】
次に、重畳電圧ベクトルV0の算出方法の詳細について説明する。この重畳電圧ベクトルV0は、上述したように、各相電圧補償回路110a、110b、110cにおける補償電圧出力時の出力エネルギが概均等になるように重畳電圧算出部34にて算出される。
図4を用いて説明したように、各相補償電圧ベクトルVia、Vib、Vicは、各相の瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルである重畳電圧ベクトルV0を重畳して、以下の式(1)(2)(3)のように表される。
【0027】
【数1】
Figure 0003911175
【0028】
この時、各相電圧補償回路110a、110b、110cの出力エネルギPia、Pib、Picは、
【数2】
Figure 0003911175
となる。なお、・は内積を表している。
【0029】
正常時の系統電圧、系統電流はほぼ三相平衡状態であり、即ち正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncは120°づつ位相が異なっており、|Vna|=|Vnb|=|Vnc|=|Vn|、また正常電流ベクトルIna、Inb、Incも120°づつ位相が異なっており、|Ina|=|Inb|=|Inc|=|In|である。このため、任意の定数kを使って、
【数3】
Figure 0003911175
とおくと、
【0030】
式(4)(5)(6)は、
【数4】
Figure 0003911175
となる。
【0031】
式(8)(9)(10)において、k=1とすることにより、各相電圧補償回路110a、110b、110cの出力エネルギPia、Pib、Picをほぼ均等にすることができる。即ち、k=1のときの式(7)で示すV0が、求める重畳電圧ベクトルV0である。
【0032】
次に、電圧変動補償装置200全体の動作について、図5のフローチャートに基づいて、以下に説明する。
制御部30では、系統電圧変動を監視し(t1)、通常時(電圧変動が無い時)には、各相のデジタル信号D1〜D3は全て0であり、定常短絡スイッチ8はオン状態で、系統電力は抵抗の小さい定常短絡スイッチ8を通して負荷(需要家)3に供給されている。系統電圧変動が発生すると、各相電圧補償回路110a、110b、110cの出力エネルギPia、Pib、Picをほぼ均等にするように重畳電圧ベクトルV0を演算し(t2)、瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vta、Vtb、Vtcに、それぞれ重畳電圧ベクトルV0を重畳して、各相補償電圧Via、Vib、Vicを算出する(t3)。算出された各相補償電圧Via、Vib、Vicによる電圧が、各相電圧補償回路110a、110b、110cの出力可能な電圧、即ち各相におけるコンデンサ電圧の総和Va、Vb、Vc以下の時(t4)、各相電圧補償回路110a、110b、110cから各相補償電圧Via、Vib、Vicを出力することにより、各相の線間電圧の変動を補償する(t5)。t4において、各相補償電圧Via、Vib、Vicがコンデンサ電圧の総和Va、Vb、Vcを越える相が存在すると、電圧変動に対する補償が不可能となる(t6)。
【0033】
この実施の形態では、各相の電圧補償を行う際に、同じ重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相補償電圧Via、Vib、Vicを算出するため、線間電圧の電圧変動を補償して負荷3への電力供給の信頼性を保ちつつ、出力エネルギの各相のバランスを重畳電圧ベクトルV0によって調整することが可能になる。この場合、各相電圧補償回路110a、110b、110cの出力エネルギをほぼ均等にするように重畳電圧ベクトルV0を演算したため、各相電圧補償回路110a、110b、110cが個別に備えるコンデンサ10a、10b、10cのエネルギをほぼ均等に利用することができる。このため、各相で偏った電圧変動が発生しても、電圧変動補償装置200全体のコンデンサのエネルギを有効利用でき、その結果電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0034】
なお、この実施の形態では、重畳電圧ベクトルV0は、各相電圧補償回路110a、110b、110cにおける補償電圧出力時の出力エネルギが概均等になるように算出したが、電力系統がほぼ三相平衡状態であれば、各相補償電圧Via、Vib、Vicの電圧の大きさが概均等になるように、重畳電圧ベクトルV0を算出しても、出力エネルギは概均等となる。このため、制御を簡略とするため、各相補償電圧Via、Vib、Vicの電圧の大きさが概均等になるように、重畳電圧ベクトルV0を算出して用いることも可能である。
【0035】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
この実施の形態においても、上記実施の形態1で用いた同様の各相電圧補償回路110a、110b、110cを用い、各相の電圧補償を行う際に、同じ重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相補償電圧Via、Vib、Vicを算出するものであるが、この場合、各相電圧補償回路110a、110b、110cが個別に備えるコンデンサ10a、10b、10cにおける電圧の差を無くすように重畳電圧ベクトルV0を演算する。
図6は、この実施の形態による電圧変動補償装置が備える、制御部としての制御回路30aの構成を示す図であり、この制御回路30aからの指令により、各相電圧補償回路110a、110b、110cから各相に補償電圧を出力して電圧変動を補償する。
【0036】
以下、制御回路30aの構成および動作について説明する。図6に示すように、系統電圧Vx、Vy、Vz、および、各相電圧補償回路110a、110b、110c内の各コンデンサ10pn1〜10pn3の電圧をモニタした値Va1〜Va3、Vb1〜Vb3、Vc1〜Vc3はそれぞれ制御回路30aに入力される。入力されたコンデンサ電圧Va1〜Va3、Vb1〜Vb3、Vc1〜Vc3は、電圧加算部40で各相ごとにコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcが計算される。これらの各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcは平均値演算部41にて全相のコンデンサ平均電圧Vaveが計算される。比較演算部42にて各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差をそれぞれ計算し、計算結果の差の絶対値が、予め設定されたばらつきの許容値43以下であるかを電圧ばらつき判定部44で判定する。
【0037】
補償電圧算出部33aでは、系統電圧Vx、Vy、Vz、正常時の系統電圧である各相の設定電圧31、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vc、全相のコンデンサ平均電圧Vave、および電圧ばらつき判定部44の判定結果に基づいて、各線間電圧の電圧変動を補償するように各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。上記各相の補償電圧Via、Vib、Vicの算出は、図4で説明したように、各相の瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vta、Vtb、Vtc(Vna−Vsa、Vnb−Vsb、Vnc−Vsc)に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルである重畳電圧ベクトルV0を重畳して、各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。このとき、重畳電圧ベクトルV0は、各相電圧補償回路110a、110b、110cにおけるコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcのばらつきを無くすように、補償電圧算出部33a内の重畳電圧算出部34aにて算出され、この算出方法の詳細については、後述する。
【0038】
各相の補償電圧Via、Vib、Vicが算出されると、増幅回路35にて増幅し、さらに絶対値変換を施した後、A/Dコンバータ36にて、上記実施の形態1と同様に各相毎に3ビットのデジタル信号(D1〜D3)に変換する。
NOR回路37a、37b、37cは各相に対して備えられ、D1〜D3の信号のいずれかが1となると、対応する電圧補償回路110a、110b、110cの定常短絡スイッチ8に信号z(=0)を出力して定常短絡スイッチ8をオフする。
一方、算出された各相の補償電圧Via、Vib、Vicは、極性判定回路38で極性が判定され、上記実施の形態1と同様に、駆動信号発生器39a、39b、39cにより、各相の補償電圧Via、Vib、Vicの極性が正・負の場合に応じて、デジタル信号D1〜D3にてアクテイブとなる信号を選択し、各相電圧補償回路110a、110b、110cに対し、駆動信号ga、gb、gcを発生する。
【0039】
次に、重畳電圧ベクトルV0の算出方法の詳細について説明する。この重畳電圧ベクトルV0は、上述したように、各相電圧補償回路110a、110b、110cにおけるコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcのばらつきを無くすように重畳電圧算出部34aにて算出され、次の式(11)で表される。
V0=SaVna+SbVnb+ScVnc (11)
なお、Sa、Sb、Scの初期値は、Sa=Sb=Sc=0で、その時、V0=0となる。電圧ばらつき判定部44の判定結果が全相においてGO(許容値以下)であるとき、重畳電圧ベクトルV0=0となり、各相の補償電圧Via、Vib、Vicは、各相の瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vta、Vtb、Vtc(Vna−Vsa、Vnb−Vsb、Vnc−Vsc)と等しくなる。
【0040】
電圧ばらつき判定部44の判定結果がNGである相があるとき、即ち、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差が許容値を越える相が存在するとき、式(11)におけるSa、Sb、Scの値を、k=1として以下のように更新する。
コンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差が許容値を越える相をi相(iはa、b、cのいずれか1つまたは複数)とし、i相以外の相をj相とすると、
Si=Si+(Vi−Vave)/|Vn| (12)
Sj=Sj (13)
これにより得られるSa、Sb、Scの値を用いて、式(11)から、重畳電圧ベクトルV0を求める。
ここでは、コンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差が許容値を越える相について、重畳電圧ベクトルV0をシフトさせるもので、コンデンサ総和電圧が、コンデンサ平均電圧Vaveよりも大きい場合は当該相の順方向(+方向)にシフトさせ、コンデンサ平均電圧Vaveよりも小さいい場合は当該相の逆方向(−方向)にシフトさせて、重畳電圧ベクトルV0を求める。
【0041】
次に、演算された重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相の補償電圧Via、Vib、Vicを算出し、これらの補償電圧Via、Vib、Vicが各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vc以下であれば出力可能であるため、演算された重畳電圧ベクトルV0は採用される。
【0042】
ここで、算出された補償電圧Via、Vib、Vicで各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcを越える相があるとき、Sa、Sb、Scの値を、k=2として以下のように更新する。
Sa=Sa−(Via+V0−Va)/|Vn| (14)
Sb=Sb−(Vib+V0−Vb)/|Vn| (15)
Sc=Sc−(Vic+V0−Vc)/|Vn| (16)
なお、式中のV0、Via、Vib、Vicは、k=1のときのSa、Sb、Scの値を用いて、式(11)から得たV0と該V0を用いて算出した補償電圧Via、Vib、Vicの値である。
上記式(14)(15)(16)で得たSa、Sb、Scの値を用いて、式(11)から、再度重畳電圧ベクトルV0を求める。
【0043】
この実施の形態では、各相電圧補償回路110a、110b、110cのコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcのばらつきを無くすように重畳電圧ベクトルV0を演算し、この重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相補償電圧Via、Vib、Vicを算出する。このため、線間電圧の電圧変動を補償して負荷3への電力供給の信頼性を保ちつつ、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcをほぼ均等に低下させることができる。このため、電圧変動補償装置200全体のコンデンサのエネルギを有効利用でき、その結果電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0044】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2では、Sa、Sb、Scの値を式(12)により求めたが、定数βを用いて以下の式により求めても良い。
Si=Si+β(Vi−Vave)/|Vi−Vave| (17)
同様に、Sa、Sb、Scの値を式(14)(15)(16)の代わりに、定数γを用いて以下の式により求めても良い。
Sa=Sa−γSa/|Sa| (18)
Sb=Sb−γSb/|Sb| (19)
Sc=Sc−γSc/|Sc| (20)
上記式(17)〜(20)を用いることで、補償電圧の出力により急激に相電圧が変化することが抑制できて、電圧変動補償補償装置の誤作動などを防止し、電圧補償の信頼性が向上する。
【0045】
実施の形態4.
また、上記実施の形態2では、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcにばらつきが発生すると、ばらつきを無くすように重畳電圧ベクトルV0を演算したが、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcが一定値(α)以上の電圧であれば、重畳電圧ベクトルV0を0として重畳させず、上記一定値(α)よりも電圧が低下した時点で、ばらつきを無くすように重畳電圧ベクトルV0を演算して用いても良い。
さらにまた、各相の瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vta、Vtb、Vtc(Vna−Vsa、Vnb−Vsb、Vnc−Vsc)が、全て、各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vc以下であるときは、重畳電圧ベクトルV0を0として重畳させず、上記各相電圧Vta、Vtb、Vtcのいずれかがコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vc以上になった時点で、上記実施の形態と同様に、ばらつきを無くすように重畳電圧ベクトルV0を演算して用いても良い。
【0046】
実施の形態5.
上記実施の形態2で用いた制御回路30aの別例を図7に示す。実施の形態2では、比較演算部42にて各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcと全相のコンデンサ平均電圧Vaveとの差をそれぞれ計算し、計算結果の差の絶対値が、予め設定されたばらつきの許容値43以下であるかを電圧ばらつき判定部44で判定した。この実施の形態では、電圧ばらつき判定部44aにおいて、ばらつきの許容値を、平均値演算部41で求められた全相のコンデンサ平均電圧Vaveの所定の定数倍とし、この平均電圧Vaveにばらつき許容値を加算した電圧と各相のコンデンサ総和電圧Va、Vb、Vcとで判定させる。
このように、常に一定の割合で電圧ばらつきを許容することから、許容値の不適切による制御エラーを起こりにくくすることが出来、また、ばらつきの許容値をコンデンサ平均電圧Vaveから容易に設定できるため、制御回路の構成が簡略化できる。
【0047】
上記実施の形態1〜5では、図2に示す各相電圧補償回路110a、110b、110cを電力系統の各相に、直接、直列に接続した電圧変動補償装置について説明したが、各相電圧補償回路110a、110b、110cは、フルブリッジインバータを用いるものに限るものではなく、また、トランスを介して電力系統の各相に直列に接続するもので、一般的なPWM制御により電圧変動を補償する装置であっても良く、上記実施の形態1〜5と同様に、重畳電圧ベクトルV0を演算し、この重畳電圧ベクトルV0を重畳して算出する各相補償電圧Via、Vib、Vicを用いて、各相の線間電圧の変動を補償する。
【0048】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6による電圧変動補償装置210について、図8に基づいて説明する。
図8に示すように、3相交流(a相、b相、c相)のそれぞれの相について、インバータ回路53a、53b、53cを備えた各相電圧補償回路120a、120b、120cを、高調波除去用の平滑フィルタ52a、52b、52cと大容量のトランス51a、51b、51cを介して電力系統に接続する。また、エネルギ蓄積手段として全相で共用するコンデンサ54と、制御部として全相で共通の制御回路50とを備えて、この制御回路50からの指令により、各相電圧補償回路120a、120b、120c内のインバータ回路53a、53b、53cを駆動することにより、共用コンデンサ54に蓄積された電圧から補償電圧を発生させ、電圧変動を補償する。
【0049】
このように構成される電圧変動補装置210の動作を図9のフローチャートに基づいて、以下に説明する。
制御回路50では、系統電圧変動を監視し(u1)、通常時(電圧変動が無い時)には、系統電力はそのまま負荷(需要家)3に供給されている。また、共用コンデンサ54の電圧Vabcをモニタした値を制御回路50に入力し、u1において、系統電圧変動が発生すると、瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscを正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncに補償するための各相電圧Vta、Vtb、Vtcを演算し、この各相電圧Vta、Vtb、Vtcが全てコンデンサ電圧Vabc以下の時(u2)、各相電圧補償回路120a、120b、120cから各相補償電圧としてVta、Vtb、Vtcを出力することにより、各相の電圧変動を補償する(u3)。u2において、各相電圧Vta、Vtb、Vtcでコンデンサ電圧Vabcを越える相が存在するとき、次ステップu5において算出する各相補償電圧Via、Vib、Vicが全てコンデンサ電圧Vabc以下となるように、重畳電圧ベクトルV0を演算し(u4)、上記各相電圧Vta、Vtb、Vtcに、それぞれ重畳電圧ベクトルV0を重畳して、各相補償電圧Via、Vib、Vicを算出する(u5)。次に、各相補償電圧Via、Vib、Vicが全てコンデンサ電圧Vabc以下であるか確認し(u6)、各相電圧補償回路120a、120b、120cから各相補償電圧Via、Vib、Vicを出力することにより、各相の線間電圧の変動を補償する(u7)。u6において、各相補償電圧Via、Vib、Vicでコンデンサ電圧Vabcを越える相が存在すると、電圧変動に対する補償が不可能となる(u8)。
【0050】
このような電圧補償を行う電圧変動補償装置で、例えば3相のうちの1相(a相)だけの電圧が大きく低下した場合で、補償に必要な相電圧Vtaがコンデンサ電圧Vabcよりも大きい場合の電圧補償動作について、図10を用いて説明する。図10は、電力系統の各相の電圧をベクトル図で示したもので、図10(a)に、正常電圧ベクトルVna、Vnb、Vncを示す。図10(b)に示すように、瞬低による電圧変動により発生する瞬低電圧ベクトルVsa、Vsb、Vscのうち瞬低電圧ベクトルVsaのみが大きく低下し、瞬低電圧ベクトルVsaを正常電圧ベクトルVnaに補償するための電圧Vta(Vna−Vsa)がコンデンサ電圧Vabcよりも大きくなったとする。このため、図10(c)に示すように、各相補償電圧Via、Vib、Vicがコンデンサ電圧Vabc以下となるように、重畳電圧ベクトルV0を決定して、算出された各相補償電圧Via、Vib、Vicを各相電圧補償回路120a、120b、120cから出力する。
【0051】
この実施の形態では、各相の電圧補償を行う際に、同じ重畳電圧ベクトルV0を重畳して各相補償電圧Via、Vib、Vicを算出することにより、単相あたりの系統電圧変動が電圧変動補償装置210の共用コンデンサ54の電圧よりも大きい時にも対応して補償することができ、線間電圧の電圧変動を補償して負荷3への電力供給の信頼性を保ちつつ、電圧変動補償装置210の共用コンデンサ54のエネルギを有効利用でき、その結果電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0052】
なお、図9で示した補償動作において、u3にて、各相補償電圧としてVta、Vtb、Vtcを出力して各相の電圧変動を補償する補償動作途中に、各相電圧Vta、Vtb、Vtcでコンデンサ電圧Vabcを越えるものが生じたとき、それを検出して制御回路50内の制御を切り換えることにより、u4からの処理に切り換えるようにすれば、継続して電圧変動補償が行える。
【0053】
また、共用コンデンサ54は全相で共用するものとしたが、複数相で共用させるコンデンサを複数個備えることも可能である。
【0054】
実施の形態7.
上記実施の形態1〜6において、各相電圧補償回路110a、110b、110c(120a、120b、120c)の異常を検出する手段を備え、異常が発生した各相電圧補償回路110a、110b、110c(120a、120b、120c)が出力する補償電圧が0となるように、重畳電圧ベクトルV0を決定して、その他の各相電圧補償回路110a、110b、110c(120a、120b、120c)が出力する各相補償電圧を算出する。これにより、いずれかの相の各相電圧補償回路110a、110b、110c(120a、120b、120c)が補償不可能に陥っても、他の相のみで、線間電圧変動の補償を継続することが可能となる。
【0055】
実施の形態8.
ところで、実際の電力系統では、図11で示すように、電力系統は分岐されて、例えば、電圧変動補償装置200、210を直列に接続して負荷3に供給する線間電圧の補償を行う配電線以外に、電圧補償対象外の需要家に供給される系統61や、母線零相電圧検出のための系統が存在し、母線零相電圧検出器60や配電線零相電流検出器62を備えて、母線零相電圧や配電線零相電流を監視し、地絡保護を行っている場合がある。このため、上記各実施の形態により電圧変動の補償動作を行う際、以下のような対応に留意する必要がある。
1.母線零相電圧検出器60または配電線零相電流検出器62の異常検出しきい値以下に収まる範囲で、重畳電圧ベクトルV0を制限するか、または電圧変動補償装置200、210が動作している時には、母線零相電圧検出器61の動作を無視する。
2.電圧変動補償装置200、210に別途母線零相電圧検出器を組み込み、重畳電圧ベクトルV0を常に母線零相電圧検出器の動作しきい値以下となるように制御する。
3.重畳電圧ベクトルV0を重畳して補償電圧を出力する時間を母線零相電圧検出器60の異常判定タイマーの動作しきい時間以内となるように制御する。
4.母線零相電圧検出器60の動作しきい値を、あらかじめ電圧変動補償装置200、210内の制御回路30、50に設定しておき、重畳電圧ベクトルV0ををこの値以下となるように制御する。
5.母線零相電圧検出器60の動作ステータス信号により、母線零相電圧検出器60が動作中には、重畳電圧ベクトルV0を重畳する制御を行わないようにする。
【0056】
例えば、上記実施の形態2、3において重畳電圧ベクトルV0を演算するためのSa、Sb、Scの値に、上限を設定できるようにしておくと、上述した母線零相電圧や配電線零相電流を監視するための対応が容易に行える。
【0057】
【発明の効果】
この発明に係る請求項1記載の電圧変動補償装置は、電力系統における電圧変動の監視、およびそれに基づく給電制御を行う制御部と、該電力系統の各相にそれぞれ直列に接続し、エネルギ蓄積手段に蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する各相電圧補償回路とを備えて、負荷に供給される電圧変動を抑える装置構成であって、上記電力系統の電圧変動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相電圧に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルを重畳して演算された各相補償電圧を上記各相電圧補償回路から出力して、上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑えるため、線間電圧の電圧変動を補償して負荷への電力供給の信頼性を保ちつつ、出力エネルギの各相のバランスを、重畳する出力電圧ベクトルによって調整することが可能になる。
【0058】
またこの発明に係る請求項2記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記各相電圧補償回路からの出力エネルギが概均等となるように決定するため、各相のエネルギ蓄積手段のエネルギをほぼ均等に利用することができ、全体のエネルギを有効利用できて、電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0059】
またこの発明に係る請求項3記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補償電圧の大きさが概均等となるように、重畳する出力電圧ベクトルを決定するため、各相のエネルギ蓄積手段のエネルギをほぼ均等に利用することができ、全体のエネルギを容易に有効利用できて、電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0060】
またこの発明に係る請求項4記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該各エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、上記各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の差を無くすように決定するため、各相のコンデンサ電圧をほぼ均等に低下させることができ、全体のコンデンサのエネルギを有効利用できて、電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0061】
またこの発明に係る請求項5記載の電圧変動補償装置は、請求項4において、各エネルギ蓄積手段の検出電圧の平均値を算出し、該平均値に基づいて上記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の許容範囲を設定し、各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルは、上記許容範囲を越えた相の補償電圧が上記許容範囲を越えた相のエネルギ蓄積手段の検出電圧より小さくなるように決定するため、補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、容易で確実に、各エネルギ蓄積手段の検出電圧の差を無くすように決定できる。
【0062】
またこの発明に係る請求項6記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、エネルギ蓄積手段は、複数相の電圧補償回路で共用とするため、共用のエネルギ蓄積手段から各相に出力される出力エネルギの各相のバランスを、重畳する出力電圧ベクトルによって調整して、電圧変動補償可能時間を延長する。
【0063】
またこの発明に係る請求項7記載の電圧変動補償装置は、請求項1または6において、各相電圧補償回路の異常を検出する手段を備え、各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記手段により異常検出された電圧補償回路からの補償電圧出力を0とするように決定するため、いずれかの相の各相電圧補償回路に以上が発生しても、線間電圧変動の補償を継続することが可能となる。
【0064】
またこの発明に係る請求項8記載の電圧変動補償装置は、請求項1において、各相電圧補償回路は、共用のエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、電力系統の電圧変動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相電圧が上記エネルギ蓄積手段の検出電圧以下の場合、重畳する出力電圧ベクトルを0ベクトルとし、該検出電圧を超える相がある場合、上記各相補償電圧が該検出電圧以下となるように上記重畳する出力電圧ベクトルを決定するため、単相あたりの電圧変動が共用のコンデンサ電圧よりも大きい時にも、線間電圧変動の補償を継続することが可能となり、コンデンサのエネルギを有効利用できて、電圧変動補償可能時間を延長することができる。
【0065】
またこの発明に係る請求項9記載の電圧変動補償装置は、請求項2〜5のいずれかにおいて、電力系統の各相にそれぞれ直列に接続される各相電圧補償回路は、それぞれ異なる電圧が蓄積されてエネルギ蓄積手段を構成するエネルギ蓄積部を備え該エネルギ蓄積部に蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する複数の電圧補償サブ回路を直列に接続して構成され、上記複数の電圧補償サブ回路内の上記エネルギ蓄積部にそれぞれ蓄積される異なる電圧の絶対値を、最も小さい電圧(絶対値)に対して概2倍(K=0、1、2、・・・)とし、上記電圧補償サブ回路をバイパスするための高速機械式の短絡スイッチを、1つもしくは直列接続された複数の上記電圧補償サブ回路の出力端毎に備えて、各相補償電圧出力時には、各相における上記複数の電圧補償サブ回路の中から所望の組み合わせを選択し、その出力電圧の総和で上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑えるため、安価で小型な装置構成で、全体のエネルギを有効利用できる効果的で高精度な電圧補償により、線間電圧変動の補償が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償装置の概略構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による各相電圧補償回路の構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償装置の制御回路の構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償装置の動作を説明する電圧、電流のベクトル図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による電圧変動補償装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2による電圧変動補償装置の制御回路の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態5による電圧変動補償装置の制御回路の構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態6による電圧変動補償装置の概略構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による電圧変動補償装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態6による電圧変動補償装置の動作を説明する電圧のベクトル図である。
【図11】 この発明の実施の形態8による電圧変動補償装置の動作を説明する図である。
【図12】 従来の電圧変動補償装置の概略構成図である。
【図13】 従来の電圧変動補償装置の動作を説明する図である。
【図14】 従来の別例による電圧変動補償装置の構成図である。
【図15】 図14における電圧変動補償装置の制御回路の構成図である。
【図16】 従来の電圧変動補償装置による3相交流電圧補償を示す図である。
【図17】 従来の電圧変動補償装置による3相交流電圧補償の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 負荷、8 短絡スイッチ、
10,10a,10b,10c エネルギ蓄積手段としてのコンデンサ、
30,30a 制御部としての制御回路、31 正常電圧としての設定電圧、
33,33a 補償電圧算出部、34,34a 重畳電圧算出部、
39a,39b,39c 各相電圧補償回路駆動制御部、41 平均値演算部、
44,44a 電圧ばらつき判定部、50 制御部としての制御回路、
54 共用のエネルギ蓄積手段としての共用コンデンサ、
110a〜110c,120a〜120c 各相電圧補償回路、
200,210 電圧変動補償装置、
PN1,PN2,PN3 電圧補償サブ回路、V0 重畳電圧ベクトル、
Via,Vib,Vic 各相補償電圧ベクトル、
Va1〜Va3,Vb1〜Vb3,Vc1〜Vc3 コンデンサ検出電圧、
Vx,Vy,Vz 系統電圧。

Claims (9)

  1. 電力系統における電圧変動の監視、およびそれに基づく給電制御を行う制御部と、該電力系統の各相にそれぞれ直列に接続し、エネルギ蓄積手段に蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する各相電圧補償回路とを備えて、負荷に供給される電圧変動を抑える電圧変動補償装置において、上記電力系統の電圧変動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相電圧に、それぞれ同じ出力電圧ベクトルを重畳して演算された各相補償電圧を上記各相電圧補償回路から出力して、上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑えることを特徴とする電圧変動補償装置。
  2. 各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記各相電圧補償回路からの出力エネルギが概均等となるように決定することを特徴とする請求項1記載の電圧変動補償装置。
  3. 各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各相補償電圧の大きさが概均等となるように、重畳する出力電圧ベクトルを決定することを特徴とする請求項1記載の電圧変動補償装置。
  4. 各相電圧補償回路は、それぞれ独立したエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該各エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該各エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、上記各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の差を無くすように決定することを特徴とする請求項1記載の電圧変動補償装置。
  5. 各エネルギ蓄積手段の検出電圧の平均値を算出し、該平均値に基づいて上記各エネルギ蓄積手段の検出電圧の許容範囲を設定し、各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルは、上記許容範囲を越えた相の補償電圧が上記許容範囲を越えた相のエネルギ蓄積手段の検出電圧より小さくなるように決定することを特徴とする請求項4記載の電圧変動補償装置。
  6. エネルギ蓄積手段は、複数相の電圧補償回路で共用とすることを特徴とする請求項1記載の電圧変動補償装置。
  7. 各相電圧補償回路の異常を検出する手段を備え、各相補償電圧演算時に重畳する出力電圧ベクトルを、上記手段により異常検出された電圧補償回路からの補償電圧出力を0とするように決定することを特徴とする請求項1または6記載の電圧変動補償装置。
  8. 各相電圧補償回路は、共用のエネルギ蓄積手段から各相補償電圧を出力し、該エネルギ蓄積手段をコンデンサで構成して該エネルギ蓄積手段の電圧検出手段を備え、電力系統の電圧変動時に、各相の出力電圧を正常電圧に補償するための各相電圧が上記エネルギ蓄積手段の検出電圧以下の場合、重畳する出力電圧ベクトルを0ベクトルとし、該検出電圧を超える相がある場合、上記各相補償電圧が該検出電圧以下となるように上記重畳する出力電圧ベクトルを決定することを特徴とする請求項1記載の電圧変動補償装置。
  9. 電力系統の各相にそれぞれ直列に接続される各相電圧補償回路は、それぞれ異なる電圧が蓄積されてエネルギ蓄積手段を構成するエネルギ蓄積部を備え該エネルギ蓄積部に蓄積された直流電圧を交流に変換して出力する複数の電圧補償サブ回路を直列に接続して構成され、上記複数の電圧補償サブ回路内の上記エネルギ蓄積部にそれぞれ蓄積される異なる電圧の絶対値を、最も小さい電圧(絶対値)に対して概2倍(K=0、1、2、・・・)とし、上記電圧補償サブ回路をバイパスするための高速機械式の短絡スイッチを、1つもしくは直列接続された複数の上記電圧補償サブ回路の出力端毎に備えて、各相補償電圧出力時には、各相における上記複数の電圧補償サブ回路の中から所望の組み合わせを選択し、その出力電圧の総和で上記電力系統における線間電圧の電圧変動を抑えることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の電圧変動補償装置。
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