JP3887007B2 - 電力出力装置 - Google Patents

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Description

この発明は、負荷に供給される電力系統の電圧が瞬時的に低下した際に、それを検出して電圧低下を補償する電圧変動補償装置に関するものである。
雷などにより電力系統の電圧が瞬時的に低下し、工場などの精密機器などが誤作動や一時停止することにより、生産ラインで多大な被害を被ることがある。このような被害を防ぐために、電力系統の瞬時的電圧低下などの電圧変動を監視して、電圧低下を補償する電圧変動補償装置が用いられている。
従来の電圧変動補償装置の概略構成図を図18に示す。図に示すように、送電線1からの電力は、変圧器2により降圧されて、電圧変動補償装置を介して需要家3(負荷)に接続され、電力が供給される。電圧変動補償装置は、直流電源4、インバータ5、平滑フィルタ6および大容量トランス7で構成される。
このような従来の電圧変動補償装置における、系統電圧の瞬時低下時(以下、瞬低時と称す)の電圧補償動作について以下に示す。
図19は、系統電圧の瞬低時の、系統電圧、電圧変動補償回路出力、および需要家3に供給される電圧をそれぞれ示したものである。図に示すように、系統電圧に瞬時的に電圧低下が発生すると、電圧変動を監視している検出部(図示せず)にて電圧低下を検出し、それに基づく給電制御により、電圧変動補償装置では、直流電源4とインバータ5とで交流電圧を発生させて、平滑フィルタ6と大容量のトランス7を介して電力系統に直列に接続することにより、電力系統の電圧低下を補償する。これにより、需要家3には、電圧低下した系統電圧に電圧変動補償装置からの出力電圧が加算されてほぼ正常な電圧で電力が供給される。
従来の電圧変動補償装置は、以上のように構成されているため、系統電圧が正常の場合にも、トランス7を介して負荷電流相当分がインバータ5に流れ、これにより、トランス7とインバータ5との損失が通常時にも発生し、大型の冷却装置が必要であった。
また、系統電圧の瞬低時には、平滑フィルタ6およびトランス7を介して電力系統に電圧供給するため、平滑フィルタ6やトランス7の容量が大きくなり、装置が大型化するという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、系統電圧の瞬低時における高精度な電圧補償が可能で、装置全体が安価で小型に構成できる電圧変動補償装置を得ることを目的とする。
この発明に係る電力出力装置は、
接続される負荷に電力を出力する電力出力装置であって、
それぞれ所定値の電力が蓄積される複数の電力蓄積手段を有し、それぞれ前記蓄積された電力を出力する複数の電力出力回路と、
前記複数の電力出力回路を制御して、所定値の第1の極性の電力、及び、前記第1の極性と逆極性の所定値の第2の極性の電力を前記負荷に出力させる制御回路と
を備え、
前記複数の電力出力回路は直列に接続され、
前記制御回路は、一の前記電力出力回路から出力される電力を、他の前記電力出力回路の前記電力蓄積手段に蓄積し、前記所定値の第1の極性の電力、または前記所定値の第2の極性の電力となるよう制御すること
としたものである。
この発明の電力出力装置によれば、電力蓄積手段に蓄積された電力を有効に利用できるとの効果がある。
参考例1.
以下、この発明の参考例1について詳細に説明する。図1は、この発明の参考例1による電圧変動補償装置の構成図である。送電線1からの電力は、変圧器2により降圧されて、電圧変動補償装置100を介して需要家3(負荷)に接続され、電力が供給される。
電圧変動補償装置100においては、図に示すように、電力系統に、電圧の極性に応じて選択される2つの電圧補償回路P、Nからなる補償ユニット110が複数個直列に接続される。この直列接続された複数個(この場合6個)の電圧補償回路N1、P1、N2、P2、N3、P3で構成される全補償回路120は、その出力端に全補償回路120と並列に、高速機械式の定常短絡スイッチ8を備える。
各電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3には、出力端に並列に備えられた瞬低切替スイッチ9、瞬低補償スイッチ10、エネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ11、および充電コンデンサ11を充電するための充電ダイオード12と充電用トランス200の2次巻線14とが備えられ、充電コンデンサ11の充電電圧はこの充電コンデンサ11に直列に接続された瞬低補償スイッチ10によって電力系統に接続される。また、瞬低切替スイッチ9および瞬低補償スイッチ10は、ダイオードが逆並列に接続された半導体スイッチング素子、例えばIGBTにて構成されている。なお、半導体スイッチング素子はIGBT以外の自己消弧型素子でも構わない。
充電コンデンサ11は充電ダイオード12と充電用トランス200の2次巻線14によって電圧が充電され、充電用トランス1次巻線13は、電力系統と接続される。なお、15は充電用トランス200のコアである。
1つの補償ユニット110内の2つの電圧補償回路P、Nは、それぞれ正・負の電圧発生をつかさどる。つまり、2つの充電ダイオード12p、12nの作用により、充電コンデンサ11pと充電コンデンサ11nとには共通の2次巻線14を用いてそれぞれ逆極性の電圧が同じ大きさで充電されている。
各補償ユニット110内の充電コンデンサ11((11p1,11n1)(11p2,11n2)(11p3,11n3))に充電される電圧の比は概ね2のべき乗比に設定されている。つまり、以下の関係を満足させる。
Vn3=2×Vn2=2×2×Vn1 (pも同様)
定常短絡スイッチ8、瞬低切替スイッチ9、瞬低補償スイッチ10は、検出制御部としての電圧瞬低制御回路16に接続される。また、系統電圧も電圧瞬低制御回路16に入力される。この電圧瞬低制御回路16の構成および動作について、以下に説明する。
図2は、電圧瞬低制御回路16の詳細を示す回路図である。また、図3は、図1で示した電圧変動補償装置100による電圧補償の動作と電圧瞬低制御回路16の制御動作との関係を示す波形図である。
図2に示すように、系統電圧は電圧瞬低制御回路16に入力され、目標電圧25と比較される。このとき目標電圧25は、正常時の系統電圧とする。両者の差を誤差増幅器26にて増幅し、さらに絶対値変換を施した後、A/Dコンバータ27にて3ビットのデジタル信号(D1〜D3)に変換する。系統電圧と目標電圧25との差が、充電コンデンサ11p1の充電電圧Vp1と等しくなったとき、A/Dコンバータ27からの出力信号における最下位ビットのみが1、即ち゛001゛となるよう、誤差増幅器26のゲインは予め調整しておく。
D1〜D3の信号のいずれかが1となると、NOR回路28を通して、信号Z(=0)により定常短絡スイッチ8をオフする。
一方、電圧瞬低制御回路16に入力された系統電圧は、極性判定回路29にも入力され、極性が判定される。次いで、系統電圧の極性が正・負の場合に応じて、デジタル信号D1〜D3にてアクテイブとなる信号YpもしくはYn、XpもしくはXnをAND回路30および反転器31を経て選択する。Xp、Xnは瞬低補償スイッチ10の駆動信号で、Yp、Ynは瞬低切替スイッチ9の駆動信号であり、瞬低切替スイッチ9と瞬低補償スイッチ10とは常に逆極性にて動作するよう反転器31にて構成されている。
系統電圧が正常時、即ちデジタル信号D1〜D3が全て0の時は、定常短絡スイッチ8はオン(信号Zは1)、瞬低切替スイッチ9はオン(信号Yは1)、瞬低補償スイッチ10はオフ状態(信号Xは0)にあり、電流は定常短絡スイッチ8を流れる。このとき充電コンデンサ11は充電用トランス200によって一定の電圧に充電されている。充電用トランス200は、充電コンデンサ11を充電するのみの働きでよいから、小容量のもので済む。
次に、瞬低時の補償動作を図3に基づいて説明する。
時刻t0において、系統電圧に瞬時的に電圧低下が発生したとする。時刻t0以降に誤差増幅回路26の出力には誤差電圧が発生する。それに応じて、A/Dコンバータ27の出力には、誤差電圧に応じてデジタル信号D1〜D3が発生する。それと同時に、信号Zが0となり、定常短絡スイッチ8はオフする。
時刻t0〜t1は系統電圧の極性が正であるから、デジタル信号D1〜D3は、それぞれp側素子に伝達される。最下位ビットの信号D1が1のとき、電圧補償回路P1において、Xp1が1、Yp1が0となり、瞬低補償スイッチ10p1がオン、瞬低切替スイッチ9p1がオフして、充電コンデンサ11p1の電圧Vp1が瞬低補償スイッチ10p1により出力される。信号D2が1のときは、電圧補償回路P2において、Xp2が1、Yp2が0となり、瞬低補償スイッチ10p2がオン、瞬低切替スイッチ9p2がオフして、充電コンデンサ11p2の電圧Vp2が瞬低補償スイッチ10p2により出力される。同様に、最上位ビットの信号D3が1のとき、電圧補償回路P3において充電コンデンサ11p3の電圧Vp3が出力される。なお、各デジタル信号D1〜D3のうち0となる信号については、例えば最下位ビットの信号D1が0のとき、電圧補償回路P1において、Xp1が0、Yp1が1であるので、瞬低切替スイッチ9p1によって出力端が短絡されて電圧補償回路P1からの出力はほぼゼロとなる。これらの出力は、系統にて組み合わされ、゛000゛〜゛111゛の8階調の電圧出力を発生することができ、最大の補償電圧は、7×Vp1となる。
時刻t1〜t2までは、系統電圧の極性が負であるから、デジタル信号D1〜D3は、それぞれn側素子に伝達されて、電圧補償回路N1〜N3において同様に補償電圧を出力し、最大の補償電圧は、7×Vn1となる。
ところで、上記説明では、充電コンデンサ11の電圧変化は考慮せず、理想的な状態の動作説明であるが、実際にはコンデンサ容量は有限であるため、充電コンデンサ11にはサグ(電圧の低下)が発生する。例えば充電コンデンサ11p3の充電電圧Vp3にサグが発生した場合、図2で示した電圧瞬低制御回路16を用いて上述したような2進の信号(D1〜D3)を形成し、電圧補償動作させると、図4に示すように、充電電圧Vp3のサグによって、発生する補償電圧にひずみが生じてしまう。
このため、図2で示したA/Dコンバータ27で2進の信号を出力するA/D変換を、上記充電コンデンサ11のサグを考慮して行うのが良く、これについて以下に示す。
図5は、充電コンデンサ11の電圧低下を考慮したA/D変換を行うA/Dコンバータ27の詳細を示す構成図である。図において、50(50-1、50-2、50-3)はコンパレータ、51-1、51-2は演算プロセッサなどを用いた演算回路である。また、各電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3内の充電コンデンサ11は電圧検出器を備えて電圧をモニタしており、電圧検出値V3、V2、V1をA/Dコンバータ27に入力する。なおこの場合、V3、V2、V1は、それぞれp側素子の充電コンデンサ11p3、11p2、11p3の電圧検出値とする(図1参照)。
図5に示すように、まず、誤差増幅器26の出力V3inとV3の電圧をコンパレータ50-3にて比較し、V3in≧V3のとき1、V3in<V3のとき0としてD3を形成する。次に、演算回路51-2において、D3が1なら、V2in=V3in−V3とし、D3が0のときはV2in=V3inとする。ここでV2inは、D3の信号状態において補償電圧を出力した場合の、補償できていない電圧を表す。次に、V2inとV2とをコンパレータ50-2にて比較しD2を出力する。次に先と同様に演算回路51-1にて、V1inを演算する。V1inは、D3とD2の信号状態において補償電圧を出力した場合の、補償が不足する電圧を表す。最後にV1inとV1とをコンパレータ50-1にて比較し、D1を決定する。
このように、図5に示すようなA/Dコンバータ27を用いて、電力系統の電圧低下量を増幅した誤差増幅器26の出力を2進数の信号(D1〜D3)にA/D変換する際、各充電コンデンサ11の電圧を随時検出した電圧検出値V3、V2、V1と照合して2進数の信号の各ビット信号を決定する。このため、充電コンデンサ11の電圧状態に応じて、電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3を選択して動作させる信号を決定するから、精度のよい補償が実現できる。それにより、充電コンデンサ11にサグが発生した場合でも、補償電圧にひずみが発生しないため、充電コンデンサ11の静電容量値を低減できる。
また上記参考例1では、直列接続された複数個の電圧補償回路N1、P1、N2、P2、N3、P3で構成される全補償回路120が直接電力系統に直列に接続されているため、従来のような大型のトランスが不要である。また、全補償回路120と並列に、高速機械式の定常短絡スイッチ8を備えて、系統電圧510が正常時には定常短絡スイッチ8が導通して電流をバイパスするため、正常時の装置ロスはほとんどゼロとなり、冷却装置が小容量でよく、装置全体が安価で小型化できる。
また、系統電圧が瞬時低下したときには、それぞれ異なる電圧が充電された充電コンデンサ11を有する複数個の電圧補償回路N1、P1、N2、P2、N3、P3をディジタル階調制御により組み合わせを選択して、出力電圧の総和で電圧補償するため、きめ細かい電圧補償が可能になり、出力フィルタが不要または小型でよい。また、一般に用いられるPWM制御の場合などで出力フィルタの帯域分に相当する応答遅れが発生するのに比して、制御方式がデジタル階調制御であるため、リアルタイムで電圧を補償でき、さらに精度良く電圧補償が可能である。
また、各電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3の充電コンデンサ11に充電される電圧は、Vn3=2×Vn2=2×2×Vn1(pも同様)としたため、補償電圧を等間隔で高精度に階調制御できる。
さらに充電コンデンサ11は、電力系統に接続された充電用トランス200を介して、系統電圧の正常時にゆっくり充電できるため、充電用トランス200は小容量で十分であり、充電回路は小型・安価となる。また、自動的に充電が行われるため装置が簡素化される。
なお、上記実施の形態では、A/Dコンバータ27で用いたV3、V2、V1は、それぞれp側素子の充電コンデンサ11p3、11p2、11p1の電圧検出値としたが、瞬時低下した電圧の大きさが、系統電圧の極性によらずほぼ一定の場合、n側素子の各充電コンデンサ11nの電圧もp側素子とほぼ同様に電圧状態が推移するため、p側、n側のいずれの電圧を検出してその絶対値を用いてもよい。
また、p側用とn側用の2個のA/Dコンバータ27を備えて、それぞれ対応する充電コンデンサ11の電圧検出値を入力して2進数の信号(D1〜D3)を発生させてもよく、その場合は、極性判定回路29(図2参照)の出力に合わせて、2個のA/Dコンバータ27のいずれかの出力信号を選択して用いる。これにより、さらに精度の高い補償が実現できる。
さらにまた、電圧検出器をp側用とn側用との双方に備え、極性判定回路29の出力に合わせて、p側、n側のいずれかの電圧検出器を選択して、その電圧検出値を用いてもよい。
また、上記参考例1では、全補償回路120の出力端に全補償回路120と並列に、定常短絡スイッチ8を1個備えたが、図6に示すように、各電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3の出力端毎に並列に備えても良い。また、一対の電圧補償回路P、Nから成る各補償ユニット110の出力端毎に、定常短絡スイッチ8を備えても良い。このように定常短絡スイッチ8が複数個備えられても、制御方式は1個の場合と同様であり、通常時には全ての定常短絡スイッチ8を閉じて全ての電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3をバイパスし、電力系統の電圧低下時には全ての定常短絡スイッチ8を開放して電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3からの電圧出力により電力系統の電圧低下を補償する。
さらにまた、上記参考例1では、一対の電圧補償回路P、Nで補償ユニット110を構成したが、図7に示すように、1つの電圧補償回路PNで正負の電圧を出力する各補償ユニット110を構成しても良い。
図7(a)に示す例では、電圧補償回路PN1は、ダイオードが逆並列に接続された4個の半導体スイッチング素子17a〜17dから成るフルブリッジインバータ、およびエネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ18を備え、充電コンデンサ18の充電電圧Vpn1は、半導体スイッチング素子17a〜17dのオン/オフ制御により正負いずれかの極性で電力系統に接続される。また図7(b)に示す例では、電圧補償回路PN1は、ダイオードが逆並列に接続された2個の半導体スイッチング素子19p1、19n1から成るハーフブリッジインバータ、ダイオードが逆並列に接続された2個の半導体スイッチング素子20p1、20n1が逆方向に直列接続されて、電圧補償回路PN1の出力端に並列に接続される瞬低切替スイッチ、およびエネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ21p1、21n1を備え、半導体スイッチング素子19、20のオン/オフ制御により正負いずれかの極性の補償電圧が出力される。
参考例2.
次に、この発明の参考例2について説明する。
図8は、この発明の参考例2によるA/Dコンバータ27の詳細を示す構成図である。図に示すように、A/Dコンバータ27は各充電コンデンサ11の電圧を予測演算する予測演算回路52(52-1、52-2、52-3)を備えている。また、電力系統の系統電流をモニタしており、各予測演算回路52には、系統電流の電流値と、このA/Dコンバータ27からの出力である各デジタル信号(D1〜D3)内の対応する信号とが入力される。各予測演算回路52では、系統電流の電流値と各デジタル信号(D1〜D3)とによって、各充電コンデンサ11の電圧値を予測して演算する。演算結果は電圧算出値としての電圧予測演算値V1x〜V3xとして出力され、上記参考例1の図5で示した電圧検出値V1〜V3の替わりにコンパレータ50(50-1、50-2、50-3)に入力され、この他は、上記参考例1の図5で示したA/Dコンバータ27と同様に動作して各デジタル信号(D1〜D3)を出力する。
図9は、各予測演算回路52の一例を示したものである。ここでは、充電コンデンサ11p3(または11n3)の電圧を予測演算する予測演算回路52-3を代表に示している。デジタル信号D3が1の期間は、電圧補償回路P3が充電コンデンサ11p3からの補償電圧を出力しており、系統電流の電流値が積分回路54に入力され、積分される。その結果積分回路54の出力には、充電コンデンサ11p3の電圧低下量が演算され出力される。引き算器55において、充電コンデンサ11p3の初期充電電圧設定値Vp3から積分回路54の出力を引き算することによって、充電コンデンサ11p3の電圧予測演算値V3xを得る。
このように、図8に示すようなA/Dコンバータ27を用いて、電力系統の電圧低下量を増幅した誤差増幅器26の出力を2進数の信号(D1〜D3)にA/D変換する際、各充電コンデンサ11の電圧を予測演算により随時算出した電圧予測演算値V3x、V2x、V1xと照合して2進数の信号の各ビット信号を決定する。このため、上記参考例1と同様に、充電コンデンサ11の電圧状態に応じて、電圧補償回路P1〜P3、N1〜N3を選択して動作させる信号を決定することができ、精度のよい補償が実現できる。それにより、充電コンデンサ11にサグが発生した場合でも、補償電圧にひずみが発生しないため、充電コンデンサ11の静電容量値を低減できる。また、充電コンデンサ11の電圧を予測演算した電圧算出値を用いるため、各コンデンサ11に電圧検出器を備える必要がなく、安価な装置構成で上記効果が得られる。
参考例3.
次に、この発明の参考例3について説明する。
図10はこの発明の形態3による電圧変動補償装置の構成図である。図に示すように、上記参考例1の図1にて示した3つの補償ユニット110の他にサグ補償ユニット110Sが備えられている。サグ補償ユニット110Sの構成は、他の補償ユニット110のものと同様であり、それぞれ正、負の電圧発生をつかさどる2つのサグ電圧補償回路PS、NSから成り、各サグ電圧補償回路PS、NSは、出力端に並列に備えられた瞬低切替スイッチ9、瞬低補償スイッチ10、エネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ11、および充電コンデンサ11を充電するための充電ダイオード12と充電用トランス200の2次巻線14とが備えられ、充電コンデンサ11の充電電圧はこの充電コンデンサ11に直列に接続された瞬低補償スイッチ10によって電力系統に接続される。
このように構成される電圧変動補償装置100における電圧補償動作を図11に基づいて説明する。図において、Xpsはサグ電圧補償回路PS内の瞬低補償スイッチ10psの駆動信号である。
充電コンデンサ11p3の充電電圧Vp3にサグが発生すると、上述したように補償電圧に波形ひずみが発生する。このようなサグによる波形ひずみをサグ電圧補償回路PSを動作させることによって補正する。すなわち、図11において、Vp3の電圧が予め設定されたサグ補償切り換え電圧以下に低下した場合、それを検出して、駆動信号Xp3が1となるときは常にサグ電圧補償回路PSも補償電圧を出力させるよう駆動信号Xpsを1とする。サグ補償切換え電圧は、例えば、Vp3の電圧低下量がサグ電圧補償回路PSの充電コンデンサ電圧Vpsの初期充電電圧値に一致した点とする。それにより、Vp3のサグはサグ電圧補償回路PSによって補正され、補償電圧はひずみの少ない波形となる。
図12は、この参考例3による電圧瞬低制御回路16を説明したものであり、例えばVp3のサグを補正するものである。Vp3がサグ補償切換え電圧以下になったら、コンパレータ56とアンド回路57とによって、サグ電圧補償回路PSを電圧補償動作させるよう構成されている。これにより、充電コンデンサ11の電圧にサグが生じても、波形ひずみが生じなくなり、充電コンデンサ11の静電容量値を大幅に低減できる。それにより、安価な装置が構成できる。
なお、上記実施の形態では、全てp側素子について説明したが、n側素子についても同様であり、Vn3のサグはサグ電圧補償回路NSによって補正される。また、充電コンデンサ11p3、11n3の電圧のサグを補正する場合を説明したが、他の充電コンデンサ11のサグを補正するサグ電圧補償回路を備えても良い。
参考例4.
次に、この発明の参考例4について説明する。この参考例4では、各補償ユニット100内の充電コンデンサ11の電圧の設定方法について説明する。
充電コンデンサ11は有限の静電容量しか備えていないから、必ずサグが発生する。サグが大きくなると、補償可能な電圧が小さくなる。このため、サグが発生しても系統電圧の電圧低下量を補償しきれるように、予め充電コンデンサ11には大きな充電電圧を設定する。例えば、系統電圧の瞬低(所定の継続時間内)における最大電圧低下量をΔVmaxとするならば、以下のように各電圧を設定する。
Vp3、Vn3>(ΔVmax/7)×4
Vp2、Vn2>(ΔVmax/7)×2
Vp1、Vn1>(ΔVmax/7)×1
設定の仕方によっては、それぞれの電圧の関係が上述したような2倍(K=0、1、2)の関係からわずかながらずれる可能性があるが、概2倍の関係にあれば、補償電圧精度が低下することはない。
このような、電圧設定をすることによって、充電コンデンサ11にサグが発生しても、電圧は低下するものの、十分な補償電圧は確保できる。これにより、充電コンデンサの静電容量値を小さく設計でき、安価な装置が実現できる。
参考例5.
次に、この発明の参考例5について説明する。この参考例5では各補償ユニット100内の充電コンデンサ11の静電容量値の設定方法について説明する。
上述したように、充電コンデンサ11は有限の静電容量しか備えていないから、必ずサグが発生する。そのため、例えばいずれの充電コンデンサ11も同じ静電容量値に選んでおくと、サグの大きさは概ね同じとなるが、初期充電電圧に対するサグの割合が異なるため、電圧の概2倍の関係がくずれてしまう。このため、以下のように静電容量値を選定する。なお、例えば充電コンデンサ11p1の静電容量値をCp1と表す。
Cp1(Cn1)≒2×Cp2(Cn2)
Cp2(Cn2)≒2×Cp3(Cn3)
このように、充電コンデンサ11の静電容量は充電電圧が高いほど小さく設定し、静電容量値にも概2倍の関係をもたらすことにより、同一電流が流れた場合においては、初期充電電圧に対するサグの割合が同じになるから、サグが発生した場合の、各充電コンデンサ11の電圧の関係はやはり概2倍の関係が保たれる。このため、電圧サグが生じた場合でも、精度のよい電圧補償が実現できる。
なお、各充電コンデンサ11の静電容量値を以下のように選定しても良い。
Cp1(Cn1)≧2×Cp2(Cn2)
Cp2(Cn2)≧2×Cp3(Cn3)
このように設定することによって、同じ電流が流れた場合でも、充電電圧の低い充電コンデンサ11の電圧は低下しにくくなり、概2倍の関係が損なわれにくく、電圧サグが生じた場合でも、精度のよい電圧補償が可能になる。
参考例6.
次に、この発明の参考例6について説明する。
一般に装置仕様を決定する場合、瞬低時の需要家3での最大の低下電圧保証値を考慮する必要がある。例えば、電圧低下保証値をVzとすると、需要家3への供給電圧の電圧低下量はVz以下となるように電圧補償する必要がある。
この電圧低下保証値Vzより充電コンデンサ11の最小電圧Vp1、Vn1が大きく設定されていると、上述した例えば図5で示したA/Dコンバータ27でのA/D変換では、D2、D3を決定した後に予想される補償電圧の残り分が、Vz以上であってもV1以下の場合には、D1は1とはならない。そのため、電圧変動補償装置100は電圧を出力する能力を有しているにも係わらず、需要家に供給される電圧は、正常時からVz以上低下してしまう。
このため、電圧低下保証値Vzより充電コンデンサ11の最小電圧Vp1、Vn1が大きく設定されている場合のA/D変換について以下に示す。
図13はこの参考例6によるA/Dコンバータ27の詳細を示す構成図である。
図に示すように、誤差増幅器26の出力V3inとV3の電圧をコンパレータ50-3にて比較し、V3in≧V3のとき1、V3in<V3のとき0としてD3aを形成する。次に、演算回路51-1において、D3aが1なら、V2in=V3in−V3とし、D3aが0のときはV2in=V3inとする。ここでV2inは、D3aの信号状態において補償電圧を出力した場合の、補償できていない電圧を表す。次に、V2inとV2とをコンパレータ50-2にて比較しD2aを出力する。次に先と同様に演算回路51-2にて、V1inを演算する。V1inは、D3aとD2aの信号状態において補償電圧を出力した場合の、補償が不足する電圧を表す。次にV1inとV1とをコンパレータ50-1にて比較し、D1aを決定する。
次に、このように決定されたデジタル信号(D1a〜D3a)によって各電圧補償回路P、Nが動作して補償電圧を出力した場合の補償できていない電圧ΔVを演算回路58で求める。演算回路59では、ΔV≧Vzのときadd=1として、論理演算回路60において、デジタル信号(D1a〜D3a)による2進数と加算される。
例えば、D1a=1、D2a=0、D3a=0とすると、add=1のとき以下のような論理演算が行われる。
001+1=010
この結果、D1=0、D2=1、D3=0の信号が出力される。
このように演算回路59でΔV≧Vzのとき、充電コンデンサ11の最小電圧Vp1(Vn1)に対応する電圧分を加算した補償電力が得られるように、デジタル信号(D1〜D3)を決定するため、需要家3への供給電圧の電圧低下量はVz以下となる。
この実施の形態では、コンデンサ11の充電電圧の最小電圧を電圧低下保証値Vzより大きく設定した場合でも、正常時の電圧からVzを引いた電圧値以上を需要家3に供給する機能が優先して働く。それにより、各電圧補償回路P、N内の充電コンデンサ11の電圧を高く設定することができ、充電コンデンサ11の静電容量を小さくすることができる。このような制御を施した場合、需要家3への供給電圧が、正常値より増加することがあるが、電圧の増加量が小さければ、問題はない。
実施の形態1.
次に、この発明の実施の形態1について説明する。
電力系統の電圧低下量が比較的小さい場合、充電電圧の小さな充電コンデンサ11を有する電圧補償回路(例えばP1、N1)ばかりが動作して、それらの充電コンデンサ11のみ電圧サグが発生して電荷が急速になくなる。
この実施の形態1では、上記のように電圧低下量が小さい場合に、充電電圧が高い充電コンデンサ11の電荷を利用して、充電電圧が低い充電コンデンサ11の電圧サグを抑えるものであり、図14に基づいて以下に説明する。
3ビットのデジタル信号(D1〜D3)によって電圧補償回路P、Nが選択されて電圧補償動作を行う場合、電圧階調Sは1,2,3,4,5,6,7の7通り存在する。この電圧階調指令を実現するため、各ビットのデジタル信号(D1、D2、D3)の値を−1、+1の双方を可能として図に示すような論理テーブル62を作成する。なお、論理テーブル62内の論理が+1は放電動作、−1は充電動作することを表す。例えば、図1で示すような電圧変動補償装置100において、系統電流の位相と系統電圧の位相が同位相の場合で必要補償電圧が正の場合、論理が+1の場合にはP側の充電コンデンサ11pが放電、−1の場合にはN側の充電コンデンサ11nが充電するよう電圧補償回路P、Nを選択して動作させる。即ち、系統電圧に対して出力電圧が同極性の電圧補償回路Pの動作は放電動作(+1)となり、出力電圧が逆極性の電圧補償回路Nの動作は充電動作(−1)となり、放電電圧から充電電圧を差し引いた電圧が、全補償回路120から補償電圧として出力される。
つまり、論理テーブル62からわかるように、電圧階調S値として1を出力する場合、3通りの2進信号を選択することができる。例えば、D1に相当する補償ユニット110(電圧補償回路P1、N1)の電圧を充電することも放電することもできる。例えば、D1で動作する補償ユニット110をユニット1、D2で動作する補償ユニット110(電圧補償回路P2、N2)をユニット2とし、D3で動作する補償ユニット110(電圧補償回路P3、N3)をユニット3と呼ぶ。ユニット1の充電コンデンサ電圧11のみを増加したいときは、1−iiを選定する。ユニット1とユニット2の両方の充電コンデンサ11の電圧を増加したいときは、1−iiiを選定する。ユニット1の充電コンデンサ11の電圧を減らしたいときは、1−iを選定する。ここで電圧を増加するユニットをV1Δ(ユニット1)、V2Δ(ユニット2)で示す。即ち、V1Δが1のときはユニット1の電圧が増加される。つまり、それぞれのS値および増減したいユニットに従って、デジタル信号(D1,D2,D3)を選定することで、ユニット1とユニット2とユニット3の電圧を調整可能である。補償すべき電圧は必ず交流で発生するから、交流1周期で考えると、P側、N側の充電コンデンサ11の双方の電圧調整が可能になる。
なお、補償ユニット110が図7(a)で示したように1つの充電コンデンサ18pnから正負双方の電圧を出力する場合、系統電流の位相と系統電圧の位相が同位相の場合で、例えば必要補償電圧が正の場合において、論理が+1の場合には充電コンデンサ18pnが放電、−1の場合には充電コンデンサ18pnが充電するよう動作する。
次に、系統電圧の電圧低下量から、上述したような論理テーブル62内の(D1、D2、D3)から成る2進信号へのA/D変換について説明する。
図14に示すA/Dコンバータにおいて、A/Dコンバータ27aは、図5に示したA/Dコンバータと同じ動作をし、その出力をD1a、D2a、D3aとする。D1a、D2a、D3aによる電圧階調S値を演算回路61で演算し、論理テーブル62に入力する。演算回路61における電圧階調指令演算は、S=D3a×4+D2a×2+D1aである。また、演算回路63においては、モニタされている電圧V3を4で割った電圧より、V1の電圧が小さければ電圧増加信号V1Δを1と設定する。また、モニタされている電圧V3を2で割った電圧より、V2の電圧が小さければ電圧増加信号V2Δを1と設定する。つまり、V1Δが1の場合には、ユニット1の充電コンデンサ11の電圧がユニット3の充電コンデンサ11の電圧を基準とした場合の2進条件より低いことになり、ユニット1の充電コンデンサ11の電圧を増加する必要がある。V2Δが1の場合もユニット1の充電コンデンサ11に対して同様の意味となる。V1ΔとV2Δとの信号は、論理テーブル62に入力される。論理テーブル62では、S値とV1Δ、V2Δの値に該当する欄の2進信号(D1、D2、D3)を選定する。
このように、各充電コンデンサ11の電圧が概2倍の関係からずれないように、(D1、D2、D3)の信号を設定できる。そのため、常に精度のよい補償が可能となる。また、補償電圧がいずれの電圧レベルの場合でも、一部の電圧補償回路P、Nの充電コンデンサ11の電荷のみを使用せず、全ての電圧補償回路P、Nの充電コンデンサ11の電荷を有効に利用できる。従って、低い補償電圧が長時間続く場合においても、長時間に渡って確実に電圧補償を継続可能となる。その結果、充電コンデンサ11の静電容量値を小さく設定でき、安価な装置が構成できる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。
図15はこの実施の形態2による電圧変動補償装置の構成図である。図に示すように、正電圧を出力する3つの電圧補償回路P1、P2、P3と負電圧を出力する1つの電圧補償回路N0とを直列に電力系統に接続する。電圧補償回路P1、P2、P3は上記参考例1で示したものと同様で各充電コンデンサ11の電圧が概2倍の関係を有する。電圧補償回路N0は、3つの電圧補償回路P1、P2、P3の出力電圧の総和とほぼ等しい大きさで逆極性の電圧を出力する。
即ち、各充電コンデンサ22の電圧は、絶対値で以下の関係にある。
Vp3=Vp2×2=Vp1×4
Vn0=(Vp1+Vp2+Vp3)
ところで、系統電圧が低下する場合には、系統の元のどこかで雷などによる短絡や地絡が起こった場合がほとんどであり、補償すべき電圧は交流である。従って、交流の補償電圧を発生するように、各電圧補償回路P1〜P3、N0から補償電圧を出力する。これらの電圧補償回路P1〜P3、N0の組み合わせによって、以下のように交流を発生することが可能である。Vp1=1Vと仮定すると、補償出力を−7〜7Vまで設定する場合には、図16に示す表のような信号を用いればよい。ここで、D1は電圧補償回路P1を動作させる制御信号であり、1の場合には補償電圧出力状態を表す。同様にD2は電圧補償回路P2を動作させる制御信号、D3は電圧補償回路P3を動作させる制御信号、D0は電圧補償回路N0を動作させる制御信号である。
このような電圧変動補償装置による電圧補償動作を図17に基づいて以下に示す。なお、系統電圧と系統電流とは同位相の状態を仮定している。
図に示すように、充電コンデンサ11n0の電圧Vn0は、負電圧の電圧補償動作中に電圧が低下する。しかし、充電コンデンサ11p3の電圧Vp3は、正電圧の電圧補償動作中は低下するが、負電圧の電圧補償動作中に電圧補償回路P3を動作させることにより、逆に電荷が充電され、電圧が回復する。充電コンデンサ11p1、11p2の電圧Vp1、Vp2においても同様となる。このように、電圧補償回路N0内の充電コンデンサ11n0以外の充電コンデンサ11の電圧は交流1周期間を見れば、変化しないことになる。
この実施の形態では、正電圧を出力する3つの電圧補償回路P1、P2、P3と負電圧を出力する1つの電圧補償回路N0とで、補償電圧出力を−7〜7までの階調制御でき、格段と簡略化できた安価な装置構成で精度の高い電圧補償が実現できる。また電圧補償回路P1、P2、P3内の充電コンデンサ11のサグは補償電圧をひずませる要因とはならず、それらの静電容量値を最大電圧を有する電圧補償回路N0内の充電コンデンサ11nと比べて十分に小さく選定でき、装置全体が安価となる。
また、上記各実施の形態では、各補償ユニット内の充電コンデンサに充電される電圧の比を概ね2のべき乗比に設定するようにしているが、他の電圧比の組み合わせにしてもよい。なお、電圧の比を概ね2のべき乗にすることで、その組み合わせによって供給可能な電圧値が重複されることがないので、最適なものとすることができる。
また、上記各実施の形態では、エネルギー蓄積手段としてコンデンサを用いたものを示しているが、例えばエネルギー蓄積手段としてバッテリーを用いたものにしてもよい。
この発明の参考例1による電圧変動補償装置の構成図である。 この発明の参考例1による電圧瞬低制御回路の詳細を示す回路図である。 この発明の参考例1による電圧変動補償装置の動作を説明する波形図である。 この発明の参考例1による充電コンデンサの電圧低下時の動作を説明する波形図である。 この発明の参考例1によるA/Dコンバータの詳細を示す構成図である。 この発明の参考例1の別例による電圧変動補償装置の構成図である。 この発明の参考例1の別例による電圧補償回路の構成図である。 この発明の参考例2によるA/Dコンバータの詳細を示す構成図である。 この発明の参考例2による予測演算回路の詳細を示す構成図である。 この発明の参考例3による電圧変動補償装置の構成図である。 この発明の参考例3による電圧変動補償装置の動作を説明する波形図である。 この発明の参考例3による電圧瞬低制御回路の詳細を示す回路図である。 この発明の参考例3によるA/Dコンバータの詳細を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるA/Dコンバータの詳細を示す構成図である。 この発明の実施の形態2による電圧変動補償装置の構成図である。 この発明の実施の形態2によるA/D変換された2進信号を示す図である。 この発明の実施の形態2による電圧変動補償装置の動作を説明する波形図である。 従来の電圧変動補償装置の概略構成図である。 従来の電圧変動補償装置の電圧補償動作を説明する図である。
符号の説明
1 送電線、3 負荷(需要家)、11 エネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ、16 検出制御部としての電圧瞬低制御回路、
18 エネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ、
21(21p1,21n1) エネルギ蓄積手段としての充電コンデンサ、
62 論理テーブル、100 電圧変動補償装置、120 全補償回路、
P1〜P3,N1〜N3,PN,N0 電圧補償回路、PS,NS サグ電圧補償回路、V1,V2,V3 電圧検出値、
V1x,V2x,V3x 電圧算出値としての電圧予測演算値、
Vz 所定の電圧量としての電圧低下保証値。

Claims (19)

  1. 接続される負荷に電力を出力する電力出力装置であって、
    それぞれ所定値の電力が蓄積される複数の電力蓄積手段が接続され、それぞれ前記蓄積された電力を出力する複数の電力出力回路と、
    前記複数の電力出力回路を制御して、所定値の第1の極性の電力、及び、前記第1の極性と逆極性の所定値の第2の極性の電力を前記負荷に出力させる制御回路と
    を備え、
    前記複数の電力出力回路は直列に接続され、
    前記制御回路は、一の前記電力出力回路から出力される電力を、他の前記電力出力回路に接続される前記電力蓄積手段に蓄積し、前記所定値の第1の極性の電力、または前記所定値の第2の極性の電力となるよう制御すること
    を特徴とする電力出力装置。
  2. 前記複数の電力蓄積手段は、それぞれ蓄積される電力値が異なること
    を特徴とする請求項1に記載の電力出力装置。
  3. 前記複数の電力出力回路は、前記第1の極性の電力、及び前記第2の極性の電力を出力可能であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の電力出力装置。
  4. 前記複数の電力出力回路は、それぞれ、複数のスイッチング素子をフルブリッジに構成した回路であること
    を特徴とする請求項3に記載の電力出力装置。
  5. 前記スイッチング素子は、ダイオードが逆並列に接続された半導体スイッチング素子であること
    を特徴とする請求項4に記載の電力出力装置。
  6. 前記制御回路は、
    所定期間において、所定の電力出力回路から出力される電力と、前記所定の電力出力回路に接続される電力蓄積手段に蓄積される電力とが等しくなるように、前記複数の電力出力回路を制御すること
    を特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の電力出力装置。
  7. 前記所定期間は、周期性を有すること
    を特徴とする請求項6に記載の電力出力装置。
  8. 前記制御回路は、
    前記第1の極性の電力と、前記第2の極性の電力とが交互に出力されるように、かつ、所定の前記第1の極性の電力が出力される期間と、前記第1の極性の電力が出力される期間に続く前記第2の電力が出力される期間とからなる期間において、前記所定の電力出力回路が出力する電力と、前記所定の電力出力回路に接続される電力蓄積手段に蓄積される電力とが等しくなるように、前記複数の電力出力回路を制御すること
    を特徴とする請求項6または7に記載の電力出力装置。
  9. 前記制御回路は、
    出力する電力値の絶対値が最も大きい最大電力出力回路が出力する電力を、前記最大電力出力回路以外の電力出力回路に接続される蓄積手段に蓄積すること
    を特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の電力出力装置。
  10. 前記複数の電力出力回路が出力する電力値は、出力する電力値が最も小さい最小電力出力回路から出力される電力の絶対値に対して、それぞれ略2倍(Kは0以上の整数)であること
    を特徴とする請求項3から9のいずれか1項に記載の電力出力装置。
  11. 前記複数の電力出力回路は、前記第1の極性の電力を出力する第1の電力出力回路と、前記第2の極性の電力を出力する第2の電力出力回路とを有し、
    前記制御回路は、前記第2の極性の電力を出力する期間に、前記第2の電力出力回路から出力される電力を前記第1の電力回路に接続される電力蓄積手段に蓄積すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の電力出力装置。
  12. 前記第1の電力出力回路は、複数個あり、
    前記第2の電力出力回路は、1個であること
    を特徴とする請求項11に記載の電力出力装置。
  13. 前記第2の電力出力回路が出力する電力の絶対値は、前記複数の第1の電力出力回路が出力する電力の総和の絶対値よりも大きいこと
    を特徴とする請求項12に記載の電力出力装置。
  14. 前記制御回路は、
    所定期間において、所定の前記第1の電力出力回路から出力される電力と、前記所定の第1の電力出力回路に接続される電力蓄積手段に蓄積される電力とが等しくなるように、前記第1の電力出力回路と前記第2の電力出力回路を制御すること
    を特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載の電力出力装置。
  15. 前記制御回路は、
    前記第1の極性の電力と前記第2の極性の電力とが交互に出力されるように、かつ、
    所定の前記第1の極性の電力が出力される期間と、前記第1の極性の電力が出力される期間に続く前記第2の電力が出力される期間とからなる期間において、前記所定の前記第1の電力出力回路が出力した電力と、前記所定の第1の電力出力回路に接続される電力蓄積手段に蓄積される電力とが等しくなるよう、前記第1の電力出力回路と前記第2の電力出力回路を制御すること
    を特徴とする請求項14に記載の電力出力装置。
  16. 前記制御回路は、
    前記複数の第1の電力回路のうち、出力する電力値の絶対値が最も大きい最大電力出力回路が出力する電力を、前記最大電力出力回路以外の前記第1の電力出力回路に接続される蓄積手段に蓄積すること
    を特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の電力出力装置。
  17. 前記複数の第1の電力出力回路が出力する電力値は、前記複数の第1の電力出力回路のうち、出力する電力値が最も小さい最小電力出力回路から出力される電力の絶対値に対して、それぞれ略2倍(Kは0以上の整数)であること
    を特徴とする請求項11から16のいずれか1項に記載の電力出力装置。
  18. 前記第1の極性の電力が出力される期間と、前記第2の極性の電力が出力される期間とは、時間的な長さが互いに等しく、かつ、交互に存在すること
    を特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の電力出力装置。
  19. 前記第1の極性の電力が出力される期間と、前記第2の極性の電力が出力される期間とは、それぞれ、出力される電力値が漸増する期間と、出力される電力値が漸減する期間とを有すること
    を特徴とする請求項18に記載の電力出力装置。
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