JP2007155420A - 観察用試料およびその作製方法ならびに透過電子顕微鏡による観察方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】観察対象が配置された部分が薄い観察用試料を容易に作製する。
【解決手段】観察用試料は、観察対象1を含み、第1の平面と第2の平面とを有している。第1の平面に対して第2の平面のなす角度は1.5°〜4.5°の範囲内である。第1の平面と第2の平面の間の最短距離は0.5μm以下である。観察用試料の作製方法は、素材10Mの接着用平面11Mと支持部材20の加工用平面21とを接着する工程と、素材10Mが観察用試料となるように、支持部材20および素材10Mに対して研磨を含む加工を施す工程とを備えている。接着する工程では、接着用平面11Mの外縁のうち観察対象1に最も近い部分が加工用平面21の外縁よりも内側に配置される。加工を施す工程では、支持部材20に第1の研磨面51が形成され、素材10Mに第2の研磨面52が形成される。接着用平面11Mは第1の平面となり、第2の研磨面52は第2の平面となる。
【選択図】図4
【解決手段】観察用試料は、観察対象1を含み、第1の平面と第2の平面とを有している。第1の平面に対して第2の平面のなす角度は1.5°〜4.5°の範囲内である。第1の平面と第2の平面の間の最短距離は0.5μm以下である。観察用試料の作製方法は、素材10Mの接着用平面11Mと支持部材20の加工用平面21とを接着する工程と、素材10Mが観察用試料となるように、支持部材20および素材10Mに対して研磨を含む加工を施す工程とを備えている。接着する工程では、接着用平面11Mの外縁のうち観察対象1に最も近い部分が加工用平面21の外縁よりも内側に配置される。加工を施す工程では、支持部材20に第1の研磨面51が形成され、素材10Mに第2の研磨面52が形成される。接着用平面11Mは第1の平面となり、第2の研磨面52は第2の平面となる。
【選択図】図4
Description
本発明は、透過電子顕微鏡等による観察に用いられる観察用試料およびその作製方法、ならびに観察用試料を用いた透過電子顕微鏡による観察方法に関する。
透過電子顕微鏡によって観察対象を観察するには、観察対象が配置された部分の厚さを、観察方法にもよるが例えば0.1μm以下程度に薄くした観察用試料を作製する必要がある。このような観察用試料の作製方法としては、粉砕法、イオンミリング法、電界研磨法、ミクロトーム法、集束イオンビーム(以下、FIBと記す。)法等の種々の方法がある。
ところで、製品の内部に存在する観察対象を透過電子顕微鏡によって観察する場合には、製品を研削や機械的な研磨によって薄片化して観察用試料を作製できれば都合がよい。このような製品の例としては、磁気抵抗効果素子を含む薄膜磁気ヘッドがあり、この場合の観察対象としては例えば磁気抵抗効果素子がある。
特許文献1には、透過電子顕微鏡による観察用の試料の作製方法として、試料を研磨して楔形の薄片を形成した後、この薄片の一部をFIBによって薄くする方法が記載されている。特許文献1に記載された楔形の薄片では、最も薄い部分の厚さは50μmとなっている。
特許文献2には、透過電子顕微鏡による観察用の試料の作製方法として、試料の一部を切削して楔形の部分を形成した後、この楔形の部分の一部をFIBによって薄くする方法が記載されている。
特許文献3には、透過電子顕微鏡による観察用の試料の作製方法として、保持具によって保持された試料を斜めに研磨する方法が記載されている。
特許文献4には、走査電子顕微鏡による観察用の試料の作製方法として、研磨面に現れる観察対象の断面の幅が大きくなるように、試料を斜めに研磨する方法が記載されている。
従来、機械的な研磨によって、透過電子顕微鏡によって観察対象が観察可能となる観察用試料を作製することは極めて困難であった。それは、試料の研磨時に試料が破損し易いためである。以下、このことを、図8ないし図11を参照して詳しく説明する。図8ないし図11は、機械的な研磨によって楔形の観察用試料を作製する方法の一例を示す説明図である。
図8は、観察用試料の作製方法の一例における一工程を示す。この工程では、まず、観察対象101を含む素材110と、支持部材120とを用意する。素材110は、接着用平面111と、その反対側の平面112と、平面111の外縁と平面112の外縁とを接続する側面113とを有している。この素材110において、観察対象101は、接着用平面111の近傍であって、側面113の一部の近傍に配置されている。支持部材120は、素材110が固定される固定用平面121と、その反対側の平面122と、平面121の外縁と平面122の外縁とを接続する側面123とを有している。
観察用試料の作製方法では、次に、接着用平面111と固定用平面121とを接着剤130を用いて接着することによって、素材110を、支持部材120の固定用平面121に固定する。このとき、素材110の側面113のうち観察対象101に最も近い部分は、支持部材120の側面123の近傍に配置される。接着剤130は、接着用平面111と固定用平面121との間に配置されるが、その一部は、平面111,121間からはみ出して側面113,123に付着する。次に、支持部材120を、図示しない研削・研磨用の治具に固定する。
次に、接着剤130のうち側面113,123に付着した部分を、例えば溶剤を用いて除去する。これは、接着剤130のうち側面113,123に付着した部分は、後述する測定の妨げになるためである。
図9は、接着剤130のうち側面113,123に付着した部分を除去した後の接着用平面111と固定用平面121の近傍を示す説明図である。図9に示したように、接着剤130のうち側面113,123に付着した部分を除去すると、接着用平面111と固定用平面121の間に存在する接着剤130のうち、側面113,123の近傍の一部も除去されてしまう。その結果、側面113,123の近傍において、接着用平面111と固定用平面121の間に隙間が生じる。
図10は、次の工程を示す。この工程では、まず、研削装置を用いて、素材110を、平面112側から研削する。これにより、素材110に、後に研磨される平面114が形成される。平面114は、接着用平面111に対して非平行になるように形成される。また、平面114は、素材110において平面111,114間の距離が最小になる部分が観察対象101の近傍に配置されるように形成される。次に、例えば光学顕微鏡135を用いて、平面111,114間の距離が最小になる部分における素材110の厚さTを測定する。
図11は、次の工程を示す。この工程では、図10に示した工程において形成された平面114を、研磨装置を用いて研磨する。図11において、符号140は、研磨装置における研磨皿を示し、140aは研磨皿140の表面を示している。また、符号141は、研磨くず等の異物を示している。この研磨工程では、素材110の平面114が研磨皿140の表面140aに当接するように、研磨皿140上に素材110が配置され、素材110と研磨皿140とが相対的に移動される。平面114は、研磨されて研磨面115となる。この研磨工程における研磨量は、図10に示した工程で測定した厚さTから、研磨後における厚さTの目標値を引いた値とする。また、研磨工程の途中でも、適宜、例えば光学顕微鏡135を用いて、平面111と研磨面115との間の距離が最小になる部分における素材110の厚さTを測定し、この厚さTが目標値になるように研磨を制御する。研磨後の素材110は観察用試料なる。次に、支持部材120を治具から取り外す。次に、観察用試料を支持部材120から剥離する。
図8ないし図11に示した観察用試料の作製方法では、図11に示した素材110を研磨する工程において、素材110のうち、平面111と研磨面115との間の距離が最小になる部分およびその近傍の部分(以下、これらを尖端近傍部分と言う。)は、研磨面115の外縁の近傍に配置される。これに起因して、尖端近傍部分は、以下のような種々の理由により損傷を受け易い。まず、研磨皿140上に素材110を配置する際に、尖端近傍部分は研磨皿140の表面140aに衝突し易い。また、尖端近傍部分は、研磨皿140の表面140a上に存在する異物141や研磨スラリーに衝突するため、これらによって損傷を受け易い。また、尖端近傍部分は、研磨面115の外縁の近傍に配置され、尖端近傍部分の外側には研磨皿140の表面140aに当接する物が存在していないため、素材110のうち尖端近傍部分よりも研磨面115の中心に近い部分とは異なった摩擦抵抗を受ける。また、研磨皿140の表面140aの状態が劣化している場合には、尖端近傍部分は研磨皿140の表面140aにおける凹凸によって損傷を受け易い。また、尖端近傍部分と支持部材120との間には、接着剤130が除去されて生じた隙間が存在している。
このように、尖端近傍部分は損傷を受け易いことから、平面111と研磨面115との間の最短距離が小さくなるほど、尖端近傍部分において観察用試料は破損し易くなる。観察対象101は尖端近傍部分に配置されている。これらのことから、図8ないし図11に示した観察用試料の作製方法では、透過電子顕微鏡によって観察対象101が観察可能となる観察用試料を作製することは極めて困難である。例えば、図8ないし図11に示した観察用試料の作製方法では、観察対象101が配置された部分の厚さが3μmとなる観察用試料を作製とようとすると、歩留まりは10%以下となる。
特許文献1、2に記載された各方法では、FIBを用いて、試料の一部を薄くしている。しかしながら、FIBを用いて試料の一部を薄くする場合には、FIBによって観察対象が損傷を受け易いという問題点がある。
なお、以上の問題点は、透過電子顕微鏡による観察に用いられる観察用試料に限らず、薄くすることが必要な観察用試料であれば、他の方法による観察に用いられる観察用試料にも当てはまる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、第1の目的は、観察対象が配置された部分が薄く、観察対象を容易に観察できるようにした観察用試料を提供することにある。
本発明の第2の目的は、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料を容易に作製できるようにした観察用試料の作製方法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料を容易に作製でき、これにより観察対象を容易に観察できるようにした透過電子顕微鏡による観察方法を提供することにある。
本発明の観察用試料は、観察対象を含むものであって、第1の平面と、第1の平面に対して非平行な第2の平面とを有している。第1の平面に対して第2の平面のなす角度は1.5°〜4.5°の範囲内である。第1および第2の平面の間の最短距離は0.5μm以下である。
本発明の観察用試料では、第1の平面に対して第2の平面のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内であり、第1および第2の平面の間の最短距離が0.5μm以下であることから、観察対象が配置された部分を薄くすることが可能になる。
本発明の観察用試料において、観察対象は、第1および第2の平面の間の距離が最大になる部分よりも、第1および第2の平面の間の距離が最小になる部分の方に近い位置に配置されていてもよい。
また、本発明の観察用試料において、観察対象を通過し第1および第2の平面間を接続する線分のうち最短のものの長さは0より大きく1.0μm以下であってもよい。
また、本発明の観察用試料は、透過電子顕微鏡を用いて観察対象を観察するために用いられるものであってもよい。
本発明の観察用試料の作製方法は、本発明の観察用試料を作製する方法であって、
第1の平面となる接着用平面を有し、観察対象を含み、後に研磨を含む加工が施されることによって観察用試料となる素材を用意する工程と、
加工用平面を有し、後に素材と共に研磨を含む加工が施される支持部材を用意する工程と、
接着用平面の外縁のうち観察対象に最も近い部分が加工用平面の外縁よりも内側に配置されるように、素材の接着用平面と支持部材の加工用平面とを接着する工程と、
加工用平面の一部を含む支持部材の一部が削られて、支持部材に加工用平面に対して非平行な第1の研磨面が形成され、素材の一部が削られて素材に第2の平面となる第2の研磨面が形成され、第1の研磨面と第2の研磨面は、加工用平面に対して非平行な仮想の1つの平面内に配置され、接着用平面に対して第2の研磨面のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内となり、接着用平面と第2の研磨面との間の最短距離が0.5μm以下となり、素材が観察用試料となるように、支持部材および素材に対して研磨を含む加工を施す工程と、
観察用試料を支持部材から剥離する工程とを備えている。
第1の平面となる接着用平面を有し、観察対象を含み、後に研磨を含む加工が施されることによって観察用試料となる素材を用意する工程と、
加工用平面を有し、後に素材と共に研磨を含む加工が施される支持部材を用意する工程と、
接着用平面の外縁のうち観察対象に最も近い部分が加工用平面の外縁よりも内側に配置されるように、素材の接着用平面と支持部材の加工用平面とを接着する工程と、
加工用平面の一部を含む支持部材の一部が削られて、支持部材に加工用平面に対して非平行な第1の研磨面が形成され、素材の一部が削られて素材に第2の平面となる第2の研磨面が形成され、第1の研磨面と第2の研磨面は、加工用平面に対して非平行な仮想の1つの平面内に配置され、接着用平面に対して第2の研磨面のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内となり、接着用平面と第2の研磨面との間の最短距離が0.5μm以下となり、素材が観察用試料となるように、支持部材および素材に対して研磨を含む加工を施す工程と、
観察用試料を支持部材から剥離する工程とを備えている。
本発明の観察用試料の作製方法では、接着用平面の外縁のうち観察対象に最も近い部分が加工用平面の外縁よりも内側に配置されるように、素材の接着用平面と支持部材の加工用平面とを接着し、支持部材に第1の研磨面が形成され、素材に第2の研磨面が形成されるように、素材および支持部材に対して研磨を含む加工を施すことにより、観察用試料の破損を防止しながら、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料を作製することが可能になる。
本発明の観察用試料作製方法によって作製される観察用試料において、観察対象は、第1および第2の平面の間の距離が最大になる部分よりも、第1および第2の平面の間の距離が最小になる部分の方に近い位置に配置されてもよい。
また、本発明の観察用試料の作製方法によって作製される観察用試料において、観察対象を通過し第1および第2の平面間を接続する線分のうち最短のものの長さは0より大きく1.0μm以下であってもよい。
また、本発明の観察用試料の作製方法において、接着する工程では、接着剤を用いて接着用平面と加工用平面とを接着し、接着剤は、接着用平面と加工用平面との間に配置されると共に、後に形成される第1の研磨面と第2の研磨面との間を埋める位置に配置されてもよい。
また、本発明の観察用試料の作製方法において、加工を施す工程では、第1の研磨面と第2の研磨面との間の距離を測定し、この距離に基づいて研磨の制御を行ってもよい。
また、本発明の観察用試料の作製方法において、加工を施す工程では、研磨時における第1の研磨面と第2の研磨面との間の距離の減少速度を求め、この減少速度に基づいて研磨の終了時期を決定してもよい。
また、本発明の観察用試料の作製方法において、加工を施す工程では、支持部材と素材にそれぞれ、後に研磨されることによってそれぞれ第1の研磨面と第2の研磨面になる第1の研削面と第2の研削面が形成されるように、支持部材および素材を研削する工程と、第1および第2の研削面を研磨する工程とを含んでいてもよい。
また、本発明の観察用試料の作製方法において、加工を施す工程では、支持部材および素材を研磨することによって、支持部材および素材を含む集合体に、第1および第2の研磨面を含む研磨面が形成され、接着する工程では、加工を施す工程において、集合体に形成される研磨面に平行な方向に関して、研磨面の外縁のうち観察対象に最も近い部分と観察対象との間の距離が100μm以上となるように、支持部材と素材との位置関係を規定してもよい。
本発明の透過電子顕微鏡による観察方法は、透過電子顕微鏡を用いて観察する観察対象を含む観察用試料を、本発明の観察用試料の作製方法を用いて作製する工程と、観察用試料に含まれる観察対象を、透過電子顕微鏡を用いて観察する工程とを備えたものである。
本発明の観察用試料によれば、第1の平面に対して第2の平面のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内であり、第1および第2の平面の間の最短距離が0.5μm以下であることから、観察対象が配置された部分を薄くすることが可能になり、これにより、観察対象を容易に観察することが可能になるという効果を奏する。
本発明の観察用試料の作製方法では、接着用平面の外縁のうち観察対象に最も近い部分が加工用平面の外縁よりも内側に配置されるように、素材の接着用平面と支持部材の加工用平面とを接着し、支持部材に第1の研磨面が形成され、素材に第2の研磨面が形成されるように、素材および支持部材に対して研磨を含む加工を施すことにより、観察用試料の破損を防止しながら、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料を作製することが可能になる。これにより、本発明によれば、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料を容易に作製することが可能になるという効果を奏する。
本発明の透過電子顕微鏡による観察方法では、観察対象を含む観察用試料を、本発明の観察用試料の作製方法を用いて作製する。従って、本発明によれば、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料を容易に作製することが可能になり、これにより観察対象を容易に観察することが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本実施の形態に係る観察用試料について説明する。図1は、本実施の形態に係る観察用試料を示す斜視図である。本実施の形態に係る観察用試料は、例えば透過電子顕微鏡を用いて観察対象を観察するために用いられるものである。
図1に示したように、本実施の形態に係る観察用試料10は、第1の平面11と、第1の平面11に対して非平行な第2の平面12と、第1の平面11の外縁と第2の平面12の外縁とを接続する側部13とを有している。第1の平面11に対して第2の平面12のなす角度θは、1.5°〜4.5°の範囲内である。第1の平面11と第2の平面12の間の最短距離T11は0.5μm以下である。この最短距離T11は、0.2μm以下であることが好ましい。
図1には、平面11,12の形状が、いずれも矩形である例を示している。しかし、平面11,12の形状は、矩形に限らず任意である。図1に示したように、平面11,12の形状が矩形である場合、側部13は4つの部分13A,13B,13C,13Dを含んでいる。部分13Aは、平面11,12間の距離が最小になる位置に配置されている。部分13Bは、平面11,12間の距離が最大になる位置に配置されている。部分13C,13Dは、それぞれ、平面11,12間の距離が変化する位置に配置されている。平面11,12の最短距離T11の取り得る最小値は0である。最短距離T11が0より大きい場合には、部分13Aは平面となる。最短距離T11が0の場合には部分13Aは線分となる。部分13B,13C,13Dは、いずれも平面である。
第1の平面11と第2の平面12の間の最長距離T12、すなわち部分13Bの幅は、30〜100μmの範囲内であることが好ましい。部分13A,13B間の距離L10は、300〜3000μmの範囲内であることが好ましい。部分13C,13D間の距離W10は、100〜3000μmの範囲内であることが好ましい。
観察用試料10は、観察対象1を含んでいる。観察用試料10において、観察対象1は、平面11,12間の距離が最大になる部分すなわち部分13Bよりも、平面11,12間の距離が最小になる部分すなわち部分13Aの方に近い位置に配置されている。
観察用試料10において、観察対象1を通過し平面11,12間を接続する線分のうち最短のものの長さ、すなわち観察対象1が配置された部分の厚さは0より大きく1.0μm以下である。この厚さは、0.5μm以下であることが好ましい。
なお、角度θが1.5°よりも小さい場合には、観察用試料10が全体的に薄くなるため、観察用試料10の取り扱いが難しくなる。また、角度θが4.5°よりも大きい場合には、観察用試料10において観察対象1が配置された部分の厚さを十分に小さくすることが難しくなる。これらのことから、本実施の形態では、角度θを、1.5°〜4.5°の範囲内としている。
次に、図2ないし図6を参照して、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法について説明する。図2は、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法における一工程を示す説明図である。本実施の形態に係る観察用試料の作製方法では、まず、観察対象1を含み、後に研磨を含む加工が施されることによって観察用試料10となる素材10Mを用意する。素材10Mは、第1の平面11となる接着用平面11Mと、その反対側の平面12Mと、平面11Mの外縁と平面12Mの外縁とを接続する側部13Mとを有している。例えば、平面11M,12Mの形状は矩形であり、側部13Mはそれぞれ平面からなる4つの側面を含み、素材10Mの形状は直方体形状である。観察対象1は、素材10M内において、側部13Mにおける1つの側面13Maに近い位置に配置されている。
また、本実施の形態では、後に素材10Mと共に研磨を含む加工が施される支持部材20を用意する。支持部材20は、加工用平面21と、その反対側の平面22と、平面21の外縁と平面22の外縁とを接続する側部23とを有している。例えば、平面21,22の形状は矩形であり、側部23はそれぞれ平面からなる4つの側面を含み、支持部材20の形状は直方体形状である。支持部材20の主要な部分を構成する材料は、素材10Mの主要な部分を構成する材料と同じであることが好ましい。
次に、接着用平面11Mの外縁のうち観察対象1に最も近い部分が加工用平面21の外縁よりも内側に配置されるように、素材10Mの接着用平面11Mと支持部材20の加工用平面21とを接着剤30を用いて接着する。このとき、接着剤30は、接着用平面11Mと加工用平面21との間に配置されると共に、側部13Mにおける4つの側面のうち観察対象1に最も近い1つの側面13Maと加工用平面21とによって形成される隅部25を埋めるように配置されている。次に、支持部材20を、図示しない研削・研磨用の治具に固定する。
図3は、次の工程を示す。この工程では、まず、研削装置を用いて、支持部材20、素材10Mおよび接着剤30を研削する。以下、この工程を研削工程と言う。この研削工程により、加工用平面21の一部を含む支持部材20の一部が削られて、支持部材20に加工用平面21に対して非平行な第1の研削面31が形成され、素材10Mの一部が削られて素材10Mに接着用平面11Mに対して非平行な第2の研削面32が形成され、接着剤30の一部が削られて、残った接着剤30によって接着剤層33が形成される。接着剤層33は第3の研削面34を有している。研削面31,32,34は、加工用平面21および接着用平面11Mに対して非平行な仮想の1つの平面内に配置されている。また、接着用平面11Mに対して研削面31,32,34のなす角度は、作製しようとする観察用試料10における第1の平面11に対して第2の平面12のなす角度θと等しく、1.5°〜4.5°の範囲内である。研削面31,32,34はそれぞれ、後に研磨されて、第1の研磨面51、第2の研磨面52および第3の研磨面54となる。
次に、接着剤層33に気泡等による欠陥がないか確認する。接着剤層33に欠陥がない場合には、研削工程を終了する。接着剤層33に欠陥がある場合には、その欠陥に接着剤を補填した後、研削面31,32,34が平坦になるように、研削面31,32,34をわずかに研削して、研削工程を終了する。
次に、例えば光学顕微鏡35を用いて、研削面31,32間の距離L1を測定する。この測定された距離L1は、後に行われる研磨の制御に利用される。
図4は、次の工程を示す。この工程では、研磨装置を用いて、研削面31,32,34を研磨する。以下、この工程を研磨工程と言う。図4において、符号40は、研磨装置における研磨皿を示し、40aは研磨皿40の表面を示している。また、符号41は、研磨くず等の異物を示している。この研磨工程では、研削面31,32,34が研磨皿40の表面40aに当接するように、支持部材20、素材10Mおよび接着剤層33を含む集合体50が研磨皿40上に配置され、集合体50と研磨皿40とが相対的に移動される。研削面31,32,34は、研磨されて研磨面51,52,54となる。
研磨工程において、接着剤層33は研磨面51,52の間を埋める位置に配置されている。そのため、接着用平面11Mと加工用平面21とを接着する工程では、後に形成される研磨面51,52の間を埋める位置に接着剤30を配置する。
図5は、研磨終了前における研磨面51,52,54の近傍を示す説明図である。図6は、研磨終了後における研磨面51,52,54の近傍を示す説明図である。ここで、図5に示したように、研磨面51,52間の距離をL2とする。また、図6に示したように、距離L2の取り得る最小値をL2mとする。また、接着剤層33のうち、接着用平面11Mと加工用平面21との間に配置された部分の厚さをT3とする。図6から分かるように、最小値L2mは、T3/sinθで与えられる。例えば、厚さT3を0.1μmとし、角度θを3°とすると、最小値L2mは約2μmとなる。
また、図5に示したように、接着用平面11Mと研磨面52との間の最短距離をT2とする。距離L2から最小値L2mを引いた値は最短距離T2に比例する。また、距離L2から最小値L2mを引いた値と、最短距離T2は、いずれも研磨の進行に従って減少する。従って、最短距離T2の目標値から、距離L2の目標値を求めることができる。また、最短距離T2の現在値と目標値との差から、距離L2の現在値と目標値との差を求めることができる。研磨工程では、例えば光学顕微鏡35を用いて距離L2を測定し、この距離L2に基づいて、距離L2が目標値になるように研磨の制御を行う。具体的には、距離L2の現在値と目標値との差から、距離L2が目標値となるまでに必要な研磨量を求めることができるので、この必要な研磨量だけ研磨すればよい。
研磨開始前における距離L2は、図3に示した研削工程終了後の研削面31,32間の距離L1と等しい。従って、研磨工程では、まず、距離L1から、距離L2が目標値となるまでに必要な研磨量を求めることができる。研磨時における距離L2の減少速度が予め分かっている場合には、この減少速度と上記の必要な研磨量とに基づいて、距離L2が目標値となるまでに必要な研磨時間を求めることができる。また、研磨開始前における距離L2の値は分かっているので、研磨工程の途中で、1回以上、距離L2を測定すれば、研磨時における距離L2の減少速度を求めることができる。このようにして求めた距離L2の減少速度に基づいて、研磨の終了時期を決定してもよい。
なお、研磨工程では、距離L2が目標値に近づくに従って研磨の精度が高くなるように、距離L2に応じて研磨方法を変えてもよい。例えば、距離L2の現在値と目標値との差が20μmになるまでは、精度は低いが研磨速度は大きい研磨方法を用いて研磨を行い、距離L2の現在値と目標値との差が20μmに達してからは、例えば0.1μmのダイヤモンドスラリーを使用した研磨のような精度の高い研磨方法を用いて研磨を行ってもよい。
研磨工程において、研磨面51,52,54は、加工用平面21および接着用平面11Mに対して非平行な仮想の1つの平面内に配置されている。また、接着用平面11Mに対して研磨面51,52,54のなす角度は、作製しようとする観察用試料10における第1の平面11に対して第2の平面12のなす角度θと等しく、1.5°〜4.5°の範囲内である。研磨工程では、最終的に、接着用平面11Mと研磨面52との間の最短距離T2が0.5μm以下となるようにする。研磨後は、接着用平面11Mは第1の平面11となり、研磨面52は第2の平面12となり、素材10Mは観察用試料10となる。
図6には、接着用平面11Mと研磨面52との間の最短距離T2が0となるように研磨を行った例を示している。ここで、観察対象1を通過し平面11,12間を接続する線分のうち最短のものの長さをT5とし、平面11,12間の距離が最小になる部分から、観察対象1を通過し平面11,12間を接続する線分のうち最短のものまでの距離をL5とする。図6に示した例において、例えば角度θを3°とし、距離L5を1μmとすると、長さT5は約0.05μmとなる。
本実施の形態において、支持部材20および素材10Mに対して研磨を含む加工を施す工程は、研削工程および研磨工程を含んでいる。この加工を施す工程では、図4に示したように、支持部材20および素材10Mを研磨することによって、支持部材20および素材10Mを含む集合体50に、研磨面51,52を含む研磨面が形成される。接着用平面11Mと加工用平面21とを接着する工程では、後に行われる加工を施す工程において、集合体50に形成される研磨面に平行な方向に関して、集合体50に形成される研磨面の外縁のうち観察対象1に最も近い部分と観察対象1との間の距離L4が100μm以上となるように、支持部材20と素材10Mとの位置関係を規定する。
本実施の形態では、研磨工程の終了後、観察用試料10が支持部材20に固定された状態で、観察用試料10を洗浄することが好ましい。これは、観察用試料10は、非常に薄いため、支持部材20から剥離した後に洗浄することが困難なためである。
次に、支持部材20を治具から取り外す。次に、観察用試料10を支持部材20から剥離する。この観察用試料10の剥離は、例えば以下のようにして行う。まず、観察用試料10および支持部材20をアセトン、ブタノン等の溶剤に浸す。次に、接着剤が溶けるまで(例えば10分〜60分)放置する。その後、溶剤から観察用試料10を取り出す。この観察用試料10の取り出しは、例えば、実体顕微鏡等を用いて観察用試料10を見ながら、ピンセットによって観察用試料10において最も厚い部分の近傍を掴んで行う。
ピンセットを用いて溶剤から取り出した観察用試料10は、例えば、別に用意した清浄な溶剤に4秒程度漬けた後、取り出して、清浄な紙の上に1秒程度載せる。その後、観察用試料10の取り扱いを容易にするために、観察用試料10において最も厚い部分の近傍に両面テープを接着する。この一連の作業は、ピンセットによって観察用試料10を掴んだままで行う。
次に、本実施の形態に係る透過電子顕微鏡による観察方法について説明する。本実施の形態に係る透過電子顕微鏡による観察方法は、前述の本実施の形態に係る作製方法によって観察用試料10を作製する工程と、観察用試料10に含まれる観察対象1を、透過電子顕微鏡を用いて観察する工程とを備えている。
図7は、観察する工程で用いる透過電子顕微鏡の構成の一例を示している。この透過電子顕微鏡は、電子線を発生させる電子銃61と、像を可視化するための蛍光板68と、電子銃61と蛍光板68との間に、電子銃61側から順に配置されたアノード62、第1収束レンズ63、第2収束レンズ64、対物レンズ65、中間レンズ66および投射レンズ67を備えている。第1収束レンズ63と第2収束レンズ64は照射系を構成する。対物レンズ65、中間レンズ66および投射レンズ67は結像系を構成する。観察用試料10は、第2収束レンズ64と対物レンズ65との間に配置される。
図7に示した透過電子顕微鏡では、電子銃61から電子線が発生され、この電子線はアノード62によって加速される。この電子線は、第1収束レンズ63と第2収束レンズ64によって収束されて、観察用試料10に照射される。観察用試料10を透過した電子線は、対物レンズ65、中間レンズ66および投射レンズ67を経て、蛍光板68に投射される。蛍光板68には、電子線による観察用試料10の像が形成される。
以上説明したように、本実施の形態に係る観察用試料10では、第1の平面11に対して第2の平面12のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内であり、平面11,12間の最短距離が0.5μm以下であることから、観察対象1が配置された部分を極めて薄くすることが可能になる。従って、この観察用試料10を用いることにより、透過電子顕微鏡によって観察対象1を容易に観察することが可能になる。
従来、本実施の形態に係る観察用試料10のような形状の試料を、破損させずに、機械的な研磨によって作製することは極めて困難であった。しかし、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法によれば、本実施の形態に係る観察用試料10を、破損を防止しながら、容易に作製することができる。本実施の形態に係る観察用試料の作製方法によって観察用試料10を作製したときの歩留まりは80%以上であった。
本実施の形態に係る観察用試料の作製方法では、接着用平面11Mの外縁のうち観察対象1に最も近い部分が加工用平面21の外縁よりも内側に配置されるように、素材10Mの接着用平面11Mと支持部材20の加工用平面21とを接着する。そして、支持部材20に第1の研磨面51が形成され、素材10Mに第2の研磨面52が形成されるように、素材10Mおよび支持部材20に対して研磨を含む加工を施す。これにより、観察用試料10の破損を防止しながら、観察対象1が配置された部分が薄い観察用試料10を作製することが可能になる。以下、本実施の形態によれば、観察用試料10の破損を防止できる理由について詳しく説明する。
まず、本実施の形態では、図4に示したように、素材10Mに形成される第2の研磨面52の外縁のうち観察対象1に最も近い部分は、支持部材20、素材10Mおよび接着剤層33を含む集合体50に形成される研磨面の外縁よりも内側に配置される。また、第2の研磨面52の外縁のうち観察対象1に最も近い部分の外側には、接着剤層33に形成された第3の研磨面54と、支持部材20に形成された第1の研磨面51とが存在している。従って、研磨皿40上に集合体50を配置する際に、研磨面52の外縁のうち観察対象1に最も近い部分が研磨皿40の表面40aに衝突することが防止される。また、研磨面52の外縁のうち観察対象1に最も近い部分は、研磨皿40の表面40a上に存在する異物41や研磨スラリーや研磨皿40の表面40aにおける凹凸による損傷を受け難い。また、本実施の形態では、接着剤30のうち接着用平面11Mと加工用平面21との間からはみ出た部分を除去する必要がないので、接着用平面11Mと加工用平面21との間に隙間は生じにくい。これらのことから、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法によれば、素材10Mを研磨して観察用試料10を作製する方法であるにもかかわらず、観察用試料10の破損を防止しながら、観察対象1が配置された部分が極めて薄い観察用試料10を容易に作製することが可能になる。
また、本実施の形態では、観察用試料10において、観察対象1は、平面11,12間の距離が最大になる部分すなわち部分13Bよりも、平面11,12間の距離が最小になる部分すなわち部分13Aの方に近い位置に配置されている。これにより、本実施の形態によれば、観察対象1が配置された部分をより薄くすることが可能になる。
また、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法では、接着用平面11Mと加工用平面21とを接着する工程では、後に形成される研磨面51,52の間を埋める位置に接着剤30を配置する。その結果、研磨工程において、接着剤層33が研磨面51,52の間を埋める位置に配置される。これにより、本実施の形態によれば、研磨工程において、観察用試料10の破損をより確実に防止することができる。
また、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法では、研磨工程において、研磨面51,52間の距離L2を測定し、距離L2が目標値になるように研磨の制御を行う。従って、本実施の形態によれば、所望の形状の観察用試料10を精度よく作製することができる。
研磨工程では、研磨時における距離L2の減少速度に基づいて、研磨の終了時期を決定してもよい。これにより、所望の形状の観察用試料10を精度よく作製することが容易になる。
また、本実施の形態では、研磨時において距離L2の変化量は研磨量に比例するが、距離L2の変化量は、研磨量に比べて非常に大きくなる。例えば、角度θが3°の場合には、距離L2の変化量は研磨量の約20倍となる。従って、本実施の形態によれば、距離L2に基づいて研磨を制御することによって、研磨量を精度よく制御することができる。
また、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法において、加工を施す工程は、研削工程および研磨工程を含んでいる。研削工程では、短時間で、素材10Mの形状を、作製しようとする観察用試料10の形状に近づけることができる。研磨工程では、素材10Mを精度よく研磨して観察用試料10を作製することができる。従って、本実施の形態によれば、効率よく、且つ精度よく、観察用試料10を作製することができる。
また、本実施の形態に係る観察用試料の作製方法では、研磨工程において集合体50に形成される研磨面に平行な方向に関して、集合体50に形成される研磨面の外縁のうち観察対象1に最も近い部分と観察対象1との間の距離L4が100μm以上となるように、支持部材20と素材10Mとの位置関係を規定する。これにより、本実施の形態によれば、研磨工程において、観察用試料10のうち、特に観察対象1が配置された部分の近傍における破損をより確実に防止することができる。
また、本実施の形態に係る透過電子顕微鏡による観察方法によれば、観察対象1が配置された部分が薄い観察用試料10を容易に作製することが可能になり、これにより観察対象1を容易に観察することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明の観察用試料およびその作製方法は、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料が必要な用途であれば、透過電子顕微鏡を用いて観察対象を観察する用途以外の用途にも適用することができる。例えば、層状の観察対象の両面または両面の近傍を種々の表面分析法を用いて観察するために、観察対象が配置された部分が薄い観察用試料が必要な場合にも、本発明の観察用試料およびその作製方法を適用することができる。
1…観察対象、10…観察用試料、11…第1の平面、12…第2の平面、13…側部、10M…素材、11M…接着用平面、20…支持部材、21…加工用平面、30…接着剤、33…接着剤層、51…第1の研磨面、52…第2の研磨面、54…第3の研磨面。
Claims (13)
- 観察対象を含む観察用試料であって、
第1の平面と、前記第1の平面に対して非平行な第2の平面とを有し、
前記第1の平面に対して第2の平面のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内であり、
前記第1および第2の平面の間の最短距離が0.5μm以下であることを特徴とする観察用試料。 - 前記観察対象は、前記観察用試料において、第1および第2の平面の間の距離が最大になる部分よりも、第1および第2の平面の間の距離が最小になる部分の方に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の観察用試料。
- 前記観察対象を通過し前記第1および第2の平面間を接続する線分のうち最短のものの長さは0より大きく1.0μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の観察用試料。
- 透過電子顕微鏡を用いて前記観察対象を観察するために用いられるものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の観察用試料。
- 第1の平面と、前記第1の平面に対して非平行な第2の平面とを有し、前記第1の平面に対して第2の平面のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内であり、前記第1および第2の平面の間の最短距離が0.5μm以下であり、観察対象を含む観察用試料を作製する方法であって、
前記第1の平面となる接着用平面を有し、前記観察対象を含み、後に研磨を含む加工が施されることによって前記観察用試料となる素材を用意する工程と、
加工用平面を有し、後に前記素材と共に研磨を含む加工が施される支持部材を用意する工程と、
前記接着用平面の外縁のうち前記観察対象に最も近い部分が前記加工用平面の外縁よりも内側に配置されるように、前記素材の接着用平面と前記支持部材の加工用平面とを接着する工程と、
前記加工用平面の一部を含む前記支持部材の一部が削られて、前記支持部材に前記加工用平面に対して非平行な第1の研磨面が形成され、前記素材の一部が削られて前記素材に前記第2の平面となる第2の研磨面が形成され、前記第1の研磨面と第2の研磨面は、前記加工用平面に対して非平行な仮想の1つの平面内に配置され、前記接着用平面に対して前記第2の研磨面のなす角度が1.5°〜4.5°の範囲内となり、前記接着用平面と前記第2の研磨面との間の最短距離が0.5μm以下となり、前記素材が前記観察用試料となるように、前記支持部材および素材に対して研磨を含む加工を施す工程と、
前記観察用試料を前記支持部材から剥離する工程と
を備えたことを特徴とする観察用試料の作製方法。 - 前記観察対象は、前記観察用試料において、第1および第2の平面の間の距離が最大になる部分よりも、第1および第2の平面の間の距離が最小になる部分の方に近い位置に配置されることを特徴とする請求項5記載の観察用試料の作製方法。
- 前記観察用試料において、前記観察対象を通過し前記第1および第2の平面間を接続する線分のうち最短のものの長さは0より大きく1.0μm以下であることを特徴とする請求項5または6記載の観察用試料の作製方法。
- 前記接着する工程では、接着剤を用いて前記接着用平面と加工用平面とを接着し、前記接着剤は、前記接着用平面と加工用平面との間に配置されると共に、後に形成される前記第1の研磨面と第2の研磨面との間を埋める位置に配置されることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の観察用試料の作製方法。
- 前記加工を施す工程では、前記第1の研磨面と第2の研磨面との間の距離を測定し、この距離に基づいて研磨の制御を行うことを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の観察用試料の作製方法。
- 前記加工を施す工程では、研磨時における前記第1の研磨面と第2の研磨面との間の距離の減少速度を求め、この減少速度に基づいて研磨の終了時期を決定することを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の観察用試料の作製方法。
- 前記加工を施す工程では、前記支持部材と前記素材にそれぞれ、後に研磨されることによって前記第1の研磨面と第2の研磨面になる第1の研削面と第2の研削面が形成されるように、前記支持部材および素材を研削する工程と、前記第1および第2の研削面を研磨する工程とを含むことを特徴とする請求項5ないし10のいずれかに記載の観察用試料の作製方法。
- 前記加工を施す工程では、前記支持部材および素材を研磨することによって、前記支持部材および素材を含む集合体に、前記第1および第2の研磨面を含む研磨面が形成され、
前記接着する工程では、前記加工を施す工程において、前記集合体に形成される研磨面に平行な方向に関して、前記研磨面の外縁のうち前記観察対象に最も近い部分と前記観察対象との間の距離が100μm以上となるように、前記支持部材と素材との位置関係を規定することを特徴とする請求項5ないし11のいずれかに記載の観察用試料の作製方法。 - 透過電子顕微鏡を用いて観察する観察対象を含む観察用試料を、請求項5ないし12のいずれかに記載の観察用試料の作製方法を用いて作製する工程と、
前記観察用試料に含まれる前記観察対象を、透過電子顕微鏡を用いて観察する工程と
を備えた透過電子顕微鏡による観察方法。
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