JP3472695B2 - 電子顕微鏡観察用試料の作成方法および電子顕微鏡観察用試料加工装置 - Google Patents
電子顕微鏡観察用試料の作成方法および電子顕微鏡観察用試料加工装置Info
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Description
用試料(以下、単に「試料」とする場合は電子顕微鏡観
察用試料のことをいう)を作成する電子顕微鏡観察用試
料の作成方法および電子顕微鏡観察用試料加工装置に関
し、特に基板材料から剥離しやすい積層構造の薄膜材料
の観察をするための試料の作成工程において使用される
電子顕微鏡観察用試料の作成方法および電子顕微鏡観察
用試料加工装置に関する。
としては、集束荷電粒子ビーム加工装置(集束イオンビ
ーム装置)を用いたものがある(特開平5−180739
号公報および特開平5−231998号公報参照)。上
記電子顕微鏡観察用試料の作成方法では、集束荷電粒子
ビーム加工装置を用いて試料を薄片化することにより電
子顕微鏡で観察可能な薄膜試料を作成する。また、上記
電子顕微鏡観察用試料の作成方法では、高速回転外周刃
を用いて試料を電子顕微鏡に装着するために都合のよい
大きさに切断し、その後に行う集束荷電粒子ビーム加工
装置による薄片化の加工時間を短縮すると共に、電子顕
微鏡観察に合わせて行われる特性X線分析の精度向上
(基板材料によるノイズの低減)のために、加工(切断・
溝掘り加工)を行っている。
子顕微鏡観察用試料の作成方法では、積層膜の材料が脆
かったり、積層している各層の界面や基板と積層膜との
界面で剥離が起こりやすかったりした場合には、高速回
転外周刃によって切断するとき、冷却と切り屑の洗浄の
ために用いられる高圧の洗浄・冷却液の力や、高速回転
外周刃の刃の送りによって与えられる(ひっかきの)力に
より、積層膜が剥がれるという問題がある。また、上記
積層膜の材料が柔かく粘りのある材料の場合には、高速
回転外周刃によって切断するとき、粘りのある材料が引
っ張られて、切断を必要としない部分まで材料がはがれ
たり、引きちぎられたりして、試料の分析ができず、材
料や製品の評価が行うことができない。
の界面および積層膜と基板材料との界面での剥離を防止
できる電子顕微鏡観察用試料の作成方法および電子顕微
鏡観察用試料加工装置を提供することにある。
め、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の作成方法は、表
面上に積層膜が形成された基板から薄膜である電子顕微
鏡観察用試料を作成するための電子顕微鏡観察用試料の
作成方法であって、上記積層膜と上記基板のうちの少な
くとも上記積層膜の一部を溝状に除去する工程と、上記
溝状に除去された部分で上記基板を切断する工程と、上
記基板を切断する工程の前に、上記溝状に除去された部
分の少なくとも上記積層膜の各層の端部を接着する接着
層を形成す る工程とを有することを特徴としている。
成方法では、上記積層膜と基板のうちの少なくとも積層
膜の一部を溝状に除去して、その溝状に除去された部分
で基板を高速回転外周刃等により切断する。そうして、
上記積層膜を基板に密着させた状態で所定の形状に切断
して、電子顕微鏡の試料を固定する装置に装着可能な大
きさの試料に加工する。その後、集束荷電粒子ビーム等
を用いてさらに上記試料の積層膜の部分を薄膜化して、
電子顕微鏡で積層膜が観察可能なようにする。このよう
に、上記積層膜と基板のうちの少なくとも積層膜の一部
を予め除去して、積層膜が除去された部分で基板を切断
するので、除去される部分の幅を高速回転外周刃等の幅
よりも広くすることによって、残された積層膜が切断さ
れず、積層膜を構成している各層の界面または積層膜と
基板材料の層間(界面)の密着力が弱く剥がれやすい場合
でも、積層膜の各層の界面および積層膜と基板材料との
界面での剥離を防止できる。さらに、試料の薄片化する
後の工程においても、積層膜の各層の界面または積層膜
と基板材料との界面での剥離を防止できる。
部が溝状に除去された部分の側壁に上記接着層が形成さ
れた場合、その積層膜を各層の端部で接着する。また、
上記積層膜と基板とが溝状に除去された部分の側壁に上
記接着層が形成された場合、その積層膜を各層の端部で
接着すると共に、積層膜と基板とを接着する。したがっ
て、上記積層膜の各層の界面や積層膜と基板材料との界
面で剥離しやすい場合でも、上記接着層によって積層膜
を接着すると共に、積層膜と基板とを接着するので、上
記基板を切断するときの積層膜の剥離を防止する効果を
高めることができる。
作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の作成方
法において、上記接着層は、上記積層膜の材料が溶融さ
れた後に凝固した溶融凝固層または上記積層膜の材料と
上記基板の材料とが溶融された後に凝固した溶融凝固層
であることを特徴としている。
成方法によれば、例えばレーザー加工装置のレーザー光
等により、上記積層膜と基板とのうちの少なくとも積層
膜の一部を溝状に除去するとき、レーザー光等によって
発生した熱により積層膜の材料や基板の材料を溶融させ
て飛散させる。このとき溶融した材料の一部が凝固し
て、上記接着層として溶融凝固層を形成するので、上記
積層膜と基板とのうちの少なくとも積層膜の一部を溝状
に除去する工程で上記接着層を簡単に形成でき、別に接
着層を形成する工程を行わないので、加工時間を短縮で
きる。
作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の作成方
法において、上記接着層は、上記積層膜の各層の材料が
混合されたミキシング層または上記積層膜の各層の材料
と上記基板の材料とが混合されたミキシング層であるこ
とを特徴としている。
成方法によれば、例えば集束荷電粒子ビーム等により、
上記積層膜と基板とのうちの少なくとも積層膜の一部を
溝状に除去するとき、集束荷電粒子ビーム等の効果によ
って積層膜の材料や基板の材料を飛散させる。このとき
飛散せずに残った材料が混合されて、上記接着層として
ミキシング層を形成するので、上記積層膜と基板のうち
の少なくとも積層膜の一部を溝状に除去する工程で接着
層を簡単に形成でき、別に接着層を形成する工程を行わ
ないので、加工時間を短縮できる。
作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の作成方
法において、上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも
上記積層膜の一部が溝状に除去された部分の側壁に接着
層となる材料を付着させたことを特徴としている。
成方法によれば、上記積層膜と基板のうちの少なくとも
積層膜の一部が溝状に除去された部分の側壁に例えば金
属または金属酸化膜等の材料を付着させて接着層を形成
する。そうして、上記積層膜が溝状に除去された部分の
側壁または上記積層膜と基板のうちの少なくとも積層膜
の一部が溝状に除去された部分の側壁に形成される接着
層の強度をさらに高めることができる。
作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の作成方
法において、上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも
上記積層膜の一部を溝状に除去する工程において、レー
ザー光または集束荷電粒子ビームによって、上記積層膜
と上記基板のうちの少なくとも上記積層膜の一部を溝状
に除去することを特徴としている。
成方法によれば、上記レーザー光または集束荷電粒子ビ
ームにより、上記積層膜の上側から基板側に向かって積
層膜と基板のうちの少なくとも積層膜の一部を溝状に除
去して、その除去された部分の側壁に、レーザー光等に
よって部分的に溶融(溶接)された層を形成する。また
は、その除去された部分の側壁に、集束荷電粒子ビーム
のエネルギーにより材料の表面改質すなわち表面の材料
が混合された層を形成する。上記積層膜の材料と基板材
料のうちの少なくとも積層膜の材料が溶融または混合さ
れた層によって、積層膜を各層の端部で接着すると共
に、積層膜と基板とを接着するので、積層膜の剥離を防
止する効果を高めることができる。また、この場合、レ
ーザー光または集束荷電粒子ビームにより溝状に除去す
るので、上記積層膜や基板に機械的な力を与えにくく、
信頼性を向上できる。
作成方法は、請求項1乃至4のいずれか1つの電子顕微
鏡観察用試料の作成方法において、上記積層膜と上記基
板のうちの少なくとも上記積層膜の一部を溝状に除去す
る工程において、上記積層膜の観察すべき領域の周囲を
溝状に除去して島状の積層膜部を形成することを特徴と
している。
成方法によれば、上記基板を切断する前に、観察を必要
とする領域の周囲を除去して観察目的の積層膜部分を島
状に残し、その島状の積層膜部の周囲の側壁に接着層を
形成する。そうして、微細な島状の積層膜部に切断して
分割することによって、後の工程の島状の積層膜部の薄
膜化の処理時間を短縮できる。
作成方法は、請求項6の電子顕微鏡観察用試料の作成方
法において、上記島状の積層膜部を貫通して上記基板に
達する貫通穴を形成する工程と、上記貫通穴の内壁に接
着層を形成する工程とを有することを特徴としている。
成方法によれば、例えばレーザー光または集束荷電粒子
ビーム等を用いて、上記島状の積層膜部を貫通して上記
基板に到達する貫通穴をあける。そして、上記貫通穴の
内壁に、例えば積層膜と基板材料のうちの少なくとも積
層膜が溶融(または混合)された材質の接着層を形成させ
て、積層膜の密着性を高めて、上記島状の積層膜部の剥
離を防ぐ効果をさらに高めることができる。
工装置は、表面上に積層膜が形成された基板から薄膜で
ある電子顕微鏡観察用試料を作成するための電子顕微鏡
観察用試料加工装置において、上記積層膜と上記基板の
うちの少なくとも上記積層膜の一部を溝状に除去すると
共に、上記溝状に除去された部分の少なくとも上記積層
膜の各層の端部を接着する接着層を形成するレーザー加
工装置または集束荷電粒子ビーム加工装置と、上記溝状
に除去された部分で上記基板を切断する高速回転外周刃
加工装置と、上記レーザー加工装置または上記集束荷電
粒子ビーム加工装置と上記高速回転外周刃加工装置とに
共有され、上記基板が固定される試料ステージと、上記
レーザー加工装置または上記集束荷電粒子ビーム加工装
置により上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも上記
積層膜の一部を溝状に除去する工程と上記高速回転外周
刃加工装置により上記基板を切断する工程とを上記試料
ステージから上記基板を外すことなく連続して行うよう
に、上記レーザー加工装置または上記集束荷電粒子ビー
ム加工装置と上記高速回転外周刃加工装置および上記試
料ステージを制御する制御装置とを備えたことを特徴と
している。
装置によれば、レーザー光または集束荷電粒子ビームに
よる加工軌跡がプログラムされた上記制御装置によっ
て、レーザー加工装置または集束荷電粒子ビーム加工装
置により、上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも積
層膜の一部を溝状に除去する。その後、上記高速回転外
周刃加工装置により、その溝状に除去された部分で基板
を位置ずれなく切断する。この場合、上記高速回転外周
刃加工装置と、レーザー加工装置または集束荷電粒子ビ
ーム加工装置とは、加工位置を制御する試料ステージを
共用しており、高速回転外周刃による加工は、加工物を
目的の位置で正確に切断することができる。このとき、
上記レーザー加工装置のレーザー光または集束荷電粒子
ビーム加工装置の集束荷電粒子ビームを照射するときの
照射位置を決めるのに、上記高速回転外周刃加工装置の
精度の高いステージ制御手段を上記試料ステージに活用
することで、上記試料ステージの移動を高い精度で行う
ことが可能になる。また、上記レーザー加工装置または
集束荷電粒子ビーム加工装置の工程と高速回転外周刃加
工装置の工程とを一連の工程として上記制御部により制
御すると共に、加工用の上記試料ステージを共有するこ
とにより、作業工程を連続自動化することができる。こ
うして、薄片化加工のための予備加工を一台の装置で行
う。
工装置は、請求項8の電子顕微鏡観察用試料加工装置に
おいて、上記制御装置は、上記レーザー加工装置または
上記集束荷電粒子ビーム加工装置による加工条件と上記
試料ステージの移動条件とがプログラムとして予め登録
されて、試料作成に適した条件のプログラムが呼び出さ
れると共に、新たな試料作成における上記レーザー加工
装置または上記集束荷電粒子ビーム加工装置による加工
条件と上記試料ステージの移動条件とが新たなプログラ
ムとして登録可能なデータベースを有することを特徴と
している。
装置によれば、上記制御装置のデータベースに、上記レ
ーザー加工装置または上記集束荷電粒子ビーム加工装置
による加工条件と上記試料ステージの移動条件とをプロ
グラムとして予め登録する。そして、加工時に試料作成
に適した条件のプログラムをデータベースから呼び出
す。また、新たな試料作成における上記レーザー加工装
置または上記集束荷電粒子ビーム加工装置による加工条
件と上記試料ステージの移動条件とを新たなプログラム
としてデータベースに登録する。したがって、上記試料
ステージの移動条件や上記レーザー加工装置による加工
条件を電子顕微鏡の試料作成に適した条件をプログラム
として予め登録されたデータベースから随時呼び出して
同一条件で加工できる。さらに、新たに加工条件をプロ
グラムとしてデータベースに追加できるようにすること
により、加工毎の条件設定作業を簡便にし、かつ均一な
加工条件を常に提供できる。
加工装置は、請求項8の電子顕微鏡観察用試料加工装置
において、上記レーザー加工装置のレーザー光の軸また
は上記集束荷電粒子ビーム加工装置の集束荷電粒子ビー
ムの軸と光軸とが同軸構造で、かつ、上記試料ステージ
に固定された上記基板の加工位置を観察可能な光学顕微
鏡を備え、上記レーザー加工装置または上記集束荷電粒
子ビーム加工装置と上記光学顕微鏡との位置合わせをす
るためのヘアラインを、上記光学顕微鏡像中に結像する
ように上記光学顕微鏡に設けたことを特徴としている。
工装置によれば、上記光学顕微鏡(例えば高速回転外周
刃加工装置の切断位置を合わせ用)に上記レーザー加工
装置または集束荷電粒子ビーム加工装置をハーフミラー
等を用いて同軸上に配置すると共に、光学顕微鏡像中に
結像するようにヘアラインを設けることによって、レー
ザー加工位置と高速回転外周刃による加工位置を光学顕
微鏡で容易に確認でき、レーザー加工装置のレーザース
ポットまたは集束荷電粒子ビーム加工装置のビームスポ
ットの形状の把握などの条件設定を容易に行える。した
がって、上記試料ステージに固定された上記基板の位置
合わせと、レーザー加工装置または集束荷電粒子ビーム
加工装置と光学顕微鏡との軸合わせと、高速回転外周刃
加工装置の加工位置合わせとの効率化を図ることができ
る。
用試料の作成方法および電子顕微鏡観察用試料加工装置
を図示の実施の形態により詳細に説明する。
鏡観察用試料の作成方法の積層膜を除去して溝を形成す
る工程を示す概念図であり、図2は図1の要部Aの拡大
図である。
に示す)が形成されたシリコンウエハ基板、2は上記基
板1に照射されるレーザー光、3は上記レーザー光2に
より基板1に形成される溝である。
2を用いて積層膜から基板1に達する深さまで溶融させ
て飛散させ、積層膜4を切断分割するような溝3を描
く。そして、溝3を例えば井桁状に形成することによっ
て、基板1の中央部に島状積層膜部5を形成する。この
場合、レーザー加工により縦横二本ずつ溝3を形成した
ため、形成される島状積層膜部5は一箇所であるが、レ
ーザー加工により形成される溝の数を増やすことで、複
数の島状積層膜部を容易に形成できる。
剥がれを防ぐ効果をさらに高めるため、レーザー光2を
用いて島状積層膜部5を貫通する貫通穴6を形成する。
している。図4に示すように、レーザー光により形成さ
れた溝3と貫通穴6の底面と側壁には、レーザー光によ
って発生した熱により積層膜4および基板1の材料が溶
融した薄膜が溶融凝固層7として残っている。上記溝3
と貫通穴6の側壁には、主に積層膜4の材料が溶融した
ものに基板材料が一部付着した状態となり、ほぼ均一の
材質の薄膜が付着した状態になる。また、上記溝3と貫
通穴6の底面は、主に基板材料が溶融した後に固化した
ものである。また、上記溝3と貫通穴6の側壁と底面と
の境目は、積層膜3と基板材料とが混ざりあった材質と
なる場合が多い。
いて積層膜4を島状に加工したが、集束荷電粒子ビー
ム,電気メス,アーク加工機または微細なトーチ等の局部
加熱が可能な方法・装置を用いて加工してもよい。上記
集束荷電粒子ビームを用いた場合、荷電粒子ビームの入
射すなわち注入により積層膜または基板材料の結晶を有
するときは、側壁または底面は非結晶化し、相互の材料
同士が荷電粒子ビームの効果により溶解というよりも混
合されて、積層膜4の剥がれを防ぐミキシング層を形成
する。また、上記積層膜4と基板材料との界面でなく、
積層膜4中の各層の界面で剥がれる場合は、溝3の深さ
は、基板材料に達する深さに必ずしもする必要はなく、
積層膜4中の剥がれる界面の位置よりも深くすればよ
い。
固定するために、さらに各種の材料を接着層として付着
させてもよい。例えば、加工溝を作成する場合に金属を
含むけん濁液を塗布して、加工溝のエッジ部にレーザー
光を照射することによって、加工溝の側壁および底面に
接着層を形成する。また、真空中でレーザー光を照射す
ることが可能なレーザー加工装置を用いて、金属等を含
むガスを加工溝に噴射しながらレーザー光を照射するこ
とによって、金属膜を付着させて接着層を形成する。ま
た、集束荷電粒子ビーム加工装置を用いて、真空中でレ
ーザー光の照射と同様に金属を含む分子ガスを噴射し
て、集束荷電粒子ビームで加工溝のエッジ部を走査する
ことによって、金属膜を付着させて接着層を形成する。
この場合に用いるガスとしては、例えばWx(CO)yを
用いると、接着層としてタングステン膜を付着させるこ
とができる。また、金属膜に限らず金属酸化膜(シリコ
ン酸化膜なども含む)等を付着させることもガス種を選
択することによって可能である。さらに、接着強度を高
めるために、必要に応じて、上述と同様に貫通穴6の内
壁を覆うか、または、貫通穴6を埋めるアンカーを打っ
てもよい。
るようにレーザー光を用いて基板1を加工し、同時に接
着層4を形成する場合は、加工溝の深さは積層膜より深
く、基板材料に到達するほどの深さが必要な場合があ
る。この場合、加工の深さが深すぎると、加工時間が長
くなってしまうので、適正な加工深さが望ましい。さら
に、加工溝の幅は、次の工程で用いる高速回転外周刃加
工装置の刃の厚さより通常幅を広くすることによって、
電子顕微鏡の観察対象とならない不要な積層膜の領域を
高速回転外周刃により切断するときに、目的の島状積層
膜部5以外の積層膜4の領域を除去することなく、基板
上に積層膜を付着させたままで、切り出しが可能とな
る。そのレーザー加工による溝3の幅の目安としては、
高速回転外周刃10で切断するときに起こりやすい基板
材料の欠け(チッピング)の切りしろを考慮すると、高速
回転外周刃の端面から約2μmの切りしろを設けること
によって、基板材料の欠け(チッピング)を防止すること
ができる。さらに、レーザー加工を行わないで切断する
と、刃の端面から約15〜20μm幅に基板材料の欠け
(チッピング)が起こる場合が多いので、基板材料だけを
切断するときでも切りしろを多く取る必要がある。そこ
で、後の集束荷電粒子ビーム加工装置による試料の薄片
化の処理時間を短縮するためにも、レーザー加工などに
より積層膜を除去し、チッピングを起こしにくくするこ
とは、実作業上非常に重要である。上記高速回転外周刃
により基板を切断するときは、切り粉の除去と冷却を目
的にした高圧の水(切削・冷却水)を切断箇所に注入して
いるので、剥がれやすい積層膜の場合に上記島状積層膜
部を形成せずに基板を切断すると、その高圧の水または
高速回転外周刃の切削の抵抗のために積層膜が剥がれて
しまう。
することによって形成された溝3に沿って基板1を切断
する様子を示しており、図6は図5に続いてさらに基板
1を切断して電子顕微鏡観察用の試料を作成する途中の
様子を示している。図5のように、試料を電子顕微鏡に
装着可能な大きさにするため、島状に加工した部分(積
層膜部5)を残すように、高速回転外周刃10を用いて
溝3に沿って基板1を切断した後、図6に示すように、
基板1を切断して、断面L字形状の基板部1aを有する
電子顕微鏡観察用の試料9を形成する。そして、図7に
示すように、島状積層膜部5以外の積層膜は除去する。
時間化・効率化や電子顕微鏡による観察・分析のときの
精度向上を図るために、図6に示すように、試料9の基
板部1aの断面形状がL字型になるように加工してい
る。このL字型の断面形状の目的としては、上記溝3の
形成後の加工工程の短時間化・効率化するという目的の
ほかに、電子顕微鏡でエネルギー分散型特性X線分析装
置を用いて分析を行うときに、基板材料によるノイズ
(不要X線)の発生を極力抑えて、分析精度を向上させる
目的もある。
ーム加工装置による加工工程を順に示している。図8は
図7の状態から基板部1aを分離した試料9を示してお
り、図9は電子顕微鏡観察用に切り出した試料9の全体
像を示している。この実施形態では、電子顕微鏡内の分
析精度を良好にするために試料9の基板部1aの断面形
状をL字型に加工したが、試料の断面形状を“凸”状に
成形する方法や厚さを極めて薄く仕上げた板状にしても
よい。また、図9に示すように、島状積層膜部5の積層
膜の部分(図9中点線で示す部分)をさらに薄片化するた
め、集束荷電粒子ビーム11により最終の状態(図10
に示す)に加工する。このようにして、図10に示すよ
うに、集束荷電粒子ビーム加工により薄片化された薄膜
部8の膜厚dは10nm〜100nm程度である。なお、図
8,図9および図10で集束荷電粒子ビームにより加工
される試料9を固定する方法等は省略している。
着するために用いる中空リング状の電子顕微鏡用試料台
12にサンプル(試料9)を固定した状態を示している。
上記電子顕微鏡用試料台12に試料9を装着した状態で
集束荷電粒子ビームによる加工を行うため、集束荷電粒
子ビームの入射が妨げられないように、電子顕微鏡用試
料台12の一部(切除領域13)を切除している。上記電
子顕微鏡の試料台12(メッシュ・試料ホルダー)の形状
の制約を受けるサンプルの大きさは、長さa,幅b,高さ
cとし、L字型の部分を厚さt,高さhとして、高さh
を20μm以上で可能な限り大きい値とした。また、上
記サンプルの長さaは約15mm、幅bは約1μm、高さ
cはシリコン基板の厚さの300〜800μm程度であ
る。また、L字型の部分の積層膜4を有する側の厚さt
は、40μm以下で可能な限り薄くする。上記シリコン
基板の場合では、基板の強度を確保するために厚さtは
2〜3μm程度としている。なお、化合物半導体(例えば
ガリウム砒素)基板では、L字型の部分の積層膜を有す
る側の厚さtは、大きめとなり20μm程度である。こ
の厚さtと高さhは、高速回転外周刃切断装置の性能に
より加工精度が変わってくるので、高速回転外周刃切断
装置の性能に応じて、厚さtはできるだけ小さくする一
方、高さhはできるだけ大きくする。そうすることで、
分析精度の向上と作業効率の向上を図ることができる。
工を行った後に電子顕微鏡用試料台12に試料9を装着
する方法と、電子顕微鏡用試料台12に試料9を装着し
た後に集束荷電粒子ビーム加工装置による加工を行う方
法とがある。後者は、電子顕微鏡用試料台12を予め固
定しているために、集束荷電粒子ビーム加工装置による
加工等を繰り返し行うときは、試料9の取り扱いが容易
にできる。
めの予備加工を行う電子顕微鏡観察用試料加工装置の概
略構成を示し、レーザー加工装置と高速回転外周刃加工
装置およびその装置を制御する制御装置等のブロック図
を併せて示している。また、図13は上記高速回転外周
刃加工装置による切断方向である第1方向とその第1方
向に対して直角の第2方向を示している。
用試料加工装置は、試料基板20が固定される試料ステ
ージ21と、上記試料ステージ21をX軸方向に移動さ
せるスクリューネジ23と、上記スクリューネジ23を
回転駆動するX軸制御モータ24とを備えている。上記
試料ステージ21は、試料基板20を水平面に沿って回
転させる回転台22を有している。また、上記電子顕微
鏡観察用試料加工装置は、ステージ50と、上記ステー
ジ50にアーム36を介して取り付けられた光学顕微鏡
30と、上記光学顕微鏡30に光軸が同軸になるように
取り付けられたレーザー加工装置31と、上記光学顕微
鏡30に取り付けられた撮像装置32と、上記光学顕微
鏡30をX軸方向とY軸方向に微動させる光学顕微鏡微
動装置33とを備えている。また、上記電子顕微鏡観察
用試料加工装置は、上記試料基板20を切断する高速回
転外周刃10とその高速回転外周刃10をスピンドル3
4を介して回転駆動するモータ35とを有する高速回転
外周刃加工装置40を備えている。上記高速回転外周刃
加工装置40は、ステージ50に取り付けられると共
に、上記ステージ50は、Y軸制御モータ26により回
転するスクリューネジ25によってY軸方向に移動する
と共に、Z軸制御モータ28により回転するスクリュー
ネジ27によってZ軸方向に移動する。上記試料ステー
ジ21は、レーザー加工装置31と高速回転外周刃加工
装置40とに共有されている。
顕微鏡30の画像は、撮像装置32より表示装置46に
送られて表示される。この撮像装置32の撮像素子とし
ては、小型化のためにCCD撮像素子を用いる場合が多
く、CCD撮像素子は、用途・加工試料の種類・状態に
応じてカラー・白黒を適切に使い分ける。この場合、上
記光学顕微鏡30に落射式光源を用いて、通常の落射明
視野観察モードを使う場合が多い。しかしながら、試料
基板20の凹凸が少なく明視野観察像を得にくい場合
は、暗視野観察モードや微分干渉観察モードを用いるこ
とによって、加工位置を探すのが容易になる。また、上
記レーザー加工装置31は、ハーフミラーを使用するこ
とにより撮像装置32と光学顕微鏡30の光軸と同じ光
軸で使用することができるようにしている。さらに、上
記光学顕微鏡30には、試料基板20の加工位置を合わ
せやすくするために、顕微鏡像中に後述するヘアライン
を設けている。
としてヘアラインのみを示しており、このヘアライン
は、円形のヘアラインを3重構造とした同心円ヘアライ
ン51と、X方向に加工を行うためにX方向に沿って設
けられた主ヘアライン52と、その主ヘアライン52に
直角方向にY方向に設けられた副ヘアライン53とから
なる。上記ターゲットとなる円を描く同心円ヘアライン
51,主ヘアライン52および副ヘアライン53により
軸合わせが容易となる。また、上記光学顕微鏡30の倍
率毎に同心円ヘアライン51円形の大きさが実際にはど
の程度の大きさであるかを割り出しておくことによっ
て、同心円ヘアライン51と比較することによって、レ
ーザースポットの大きさの計測も同時に確認する。
ステージを走査する)により溝3(図1に示す)を形成す
るのに要するレーザービームの走査数などを目標寸法と
の関係から、予めに計算して設定する。
は、上記レーザー加工装置31を制御するレーザーパル
スコントロール部41と、上記高速回転外周刃10を回
転させるスピンドル34の回転を制御するスピンドルコ
ントロール部42と、上記X軸制御モータ24,Y軸制
御モータ26,Z軸制御モータ28と試料ステージ21
に固定された試料基板20を水平面に沿って回転させる
回転台20を制御するX・Y・Z・θコントロール部43
と、上記レーザーパルスコントロール部41,スピンド
ルコントロール部42およびX・Y・Z・θコントロール
部43を制御するコンピュータ44と、加工手順のプロ
グラムが登録された加工手順プログラムデータベース4
5と、上記撮像装置32からの映像を表示する表示装置
46とを備えている。上記レーザーパルスコントロール
部41,スピンドルコントロール部42,X・Y・Z・θコ
ントロール部43,コンピュータ44および加工手順プ
ログラムデータベース45で制御装置を構成している。
において、後の工程で使用させる電子顕微鏡に挿入可能
な特有の試料形状に合わせるために、適切な寸法で切断
するための加工寸法を予めプログラムとして加工手順プ
ログラムデータベース45に登録して、加工する材料の
堅さ,観察目的の積層膜の厚さによりレーザー光の条件
(パルス間隔やパワーの設定など)を、加工手順プログラ
ムデータベース45に登録されたプログラムに基づいて
コンピュータ44に設定する。また、レーザー光による
加工の後の高速回転外周刃10による加工についても、
加工する材料の堅さ,観察目的の積層膜の厚さにより、
高速回転外周刃10の送り速度,切り込み深さや使用す
る高速回転外周刃10の種類,刃の厚さ等を、加工手順
プログラムデータベース45に登録されたプログラムに
基づいて制御装置に設定する。なお、高速回転外周刃1
0については、適切な刃の種類,厚さなどの寸法を操作
する者に認識させ、必要に応じて刃の交換を促すような
表示を表示装置46により行う。
制御・加工手順を示しており、図15のフローチャート
に従って上記電子顕微鏡観察用試料加工装置による加工
処理を以下に説明する。
プS1で電子顕微鏡観察用試料加工装置の初期化の作業
のために光学顕微鏡30とレーザー加工装置(発振装置)
31および高速回外周刃10の軸合わせを行う。
定を行う。すなわち、上記レーザー加工装置31の光軸
(レーザースポットの位置)と光学顕微鏡30のヘアライ
ン(同心円ヘアライン51,主ヘアライン52,副ヘアラ
イン53)の位置を合わせることによって、レーザー加
工装置31と光学顕微鏡30の相対的位置を合わせるの
である。図12では、レーザー加工装置31の光軸微動
装置は省略しているが、光学顕微鏡30の視野内のほぼ
中央にレーザースポットが照射されるように、レーザー
スポットの位置合わせを行う。その後、上記レーザー痕
に合うように、同心円ヘアライン51,主ヘアライン5
2,副ヘアライン53の微動を行う。また、図12で
は、光学顕微鏡30のヘアラインの微動装置も省略して
いる。次に、高速回転外周刃10の加工や予備試料や基
板材料の周辺部の不要な部分の切断を行って切断痕を形
成し、その切断痕に対して先に軸合わせを行った光学顕
微鏡30の同心円ヘアライン51,主ヘアライン52,副
ヘアライン53の位置を合わせるように、一体化された
光学顕微鏡30とレーザー加工装置31を光学顕微鏡微
動装置33により移動させて、ヘアライン・レーザース
ポット・高速回転外周刃10の加工位置の位置合わせを
行う。
上の電子顕微鏡観察の目標とする場所を光学顕微鏡30
上でサンプルの確認を行う。
ータを利用するか否かを判断して、過去の加工データを
利用する場合は、ステップS5に進み、過去のデータを
加工手順プログラムデータベース45から読み出し、ス
テップS6に進む。一方、ステップS4で過去の加工デ
ータを利用しない場合は、ステップS6に進む。
行う。つまり、サンプルの場所の確認を行ったら目標と
する加工形状を点検し、まず、レーザーによる加工形状
(パターン)を決定するのである。このとき、ステップS
20で加工データの変更・データベースの追加を行う。
すなわち、ステップS6で決定された方針に基づいてレ
ーザーの出力,レーザーのパルス時間(幅)およびレーザ
ースポットの大きさ等を決めると共に、レーザーの走査
領域を決めて、その加工条件を加工手順のプログラムと
して加工手順プログラムデータベース45に登録するの
である。
スコントロール部41とX・Y・Z・θコントロール部4
3は、加工データ(プログラム)に基づいてコンピュータ
44により制御されて、レーザー光による溝と貫通穴の
加工を行う。
10による第1方向の切断を行う。このステップS8で
切断する手順は、通常図13の第1方向すなわち図11
中「a」で示される試料の長手方向の寸法を決める方向
の切断を先に行う。
による加工について過去に同様の加工を行っていれば、
加工手順プログラムデータベース45から加工データを
呼び出すことで、加工作業毎に新たにプログラムを作成
することなく、レーザー加工および高速回転外周刃10
による加工を行うことができる。上記高速回転外周刃1
0による加工は、レーザー加工により形成された溝の内
側に回転刃を走行させて、積層膜の剥がれを誘発せずに
切断作業を行う。上記高速回転外周刃10による加工手
順は、予め作成したプログラムによって刃の走行位置を
決めているので、レーザー加工を行った後に試料ステー
ジ21から試料基板20を移動させることなく、切断作
業を行う。
グ)を極力避けることが重要であるため、高速回転外周
刃10の回転数は、非常に高速にすることが望ましく、
25000rpm(回転数/分)以上で、できれば3000
0rpmから35000rpmで加工を行う。また、上記高速
回転外周刃10の走行速度は、ゆっくりの方がチッピン
グの少ない良好な切断が行え、試料基板20上に形成さ
れた積層膜と基板材料の種類(硬さ・粘性など)や使用さ
れる回転刃の材質にもよるが、2〜3mm/秒以下である
ことが望ましく、シリコン基板を用いたアルミ積層膜な
どの場合は、1〜0.5mm/秒程度の切断速度を用い
る。
ジ21の回転台22を90度回転させる。
ち試料の幅(図11に示す厚さtや幅bおよび高さh)の
寸法を決める加工(切断)を行う。
試料を試料ステージ21から取り外して、この電子顕微
鏡観察用試料加工装置による加工処理を終了する。
装置により加工された試料を集束荷電粒子ビーム加工装
置(図示せず)により薄片化して、図10に示す薄片部8
を形成し、透過型電子顕微鏡用の試料として仕上げる。
察用試料は、図11に示すように、電子顕微鏡用試料台
12に装着され、電子顕微鏡中で薄片部8に電子ビーム
14を透過させて、超高分解能の電子顕微鏡像を得る。
とを予め除去して、積層膜4が除去された部分で基板1
を切断するので、除去された部分の幅を高速回転外周刃
10の幅よりも広くすることによって、積層膜4の各層
の界面および積層膜4と基板材料との界面での剥離を防
止することができる。さらに、上記基板1から切断され
た試料9の薄片化工程においても、積層膜4の各層の界
面または積層膜4と基板材料との界面での剥離を防止す
ることができる。
よって積層膜4を各層の端部で接着すると共に、積層膜
4と基板1とを接着するので、積層膜4の各層の界面や
積層膜4と基板材料との界面で剥離しやすい場合でも、
基板1を切断するときの積層膜4の剥離を防止する効果
を高めることができる。
ー光により積層膜4と基板1の上部とを溝状に除去する
とき、レーザー光によって発生した熱により積層膜4の
材料と基板1の材料とを溶融させて飛散させて、溶融し
た材料の一部が凝固して、接着層である溶融凝固層7を
形成するので、積層膜4と基板1の上部とを溝状に除去
する工程のときに接着層を簡単に形成でき、別に接着層
を形成する工程を行わないので、加工時間を短縮するこ
とができる。この場合、上記積層膜4と基板1の上部と
の除去をレーザー光により行うので、機械的な力を与え
にくい。なお、レーザー光の代わりに集束荷電粒子ビー
ムを用いて、集束荷電粒子ビームのエネルギーにより材
料の表面改質すなわち表面の材料が混合された層を形成
してもよい。
ビームにより積層膜4と基板1のうちの少なくとも積層
膜4の一部を溝状に除去する場合、飛散せずに残った材
料が混合されて、接着層としてミキシング層を形成する
ので、積層膜と基板のうちの少なくとも積層膜の一部を
溝状に除去する工程で接着層を簡単に形成でき、別に接
着層を形成する工程を行わないので、加工時間を短縮す
ることができる。
くとも積層膜4の一部が溝状に除去された部分の側壁に
例えば金属または金属酸化膜等の材料を付着させて接着
層を形成することによって、その溝状に除去された部分
の側壁を接着する接着層の強度をさらに高めることがで
きる。
必要とする領域の周囲を除去して観察目的の積層膜部分
を島状に残し、その島状の積層膜部5の周囲の側壁に接
着層(溶融凝固層7)を形成して、微細な島状の積層膜部
5にすることによって、後の工程の島状の積層膜部5を
薄膜化の処理時間を短縮することができる。
を貫通して基板1に到達する貫通穴6をあけて、その貫
通穴6の内壁に、積層膜4と基板材料のうちの少なくと
も積層膜4が溶融された材質の接着層としての溶融凝固
層7を形成させて、積層膜4の密着性を高め、上記島状
の積層膜部5の剥離を防ぐ効果をさらに高めることがで
きる。なお、レーザー光の代わりに集束荷電粒子ビーム
を用いて、集束荷電粒子ビームのエネルギーにより上記
貫通穴を形成して、その貫通穴の内壁に積層膜の材料と
基板材料のうちの少なくとも積層膜の材料が混合された
層を形成してもよい。
転外周刃加工装置40と試料ステージ21とを、レーザ
ーパルスコントロール部41,スピンドルコントロール
部42,X・Y・Z・θコントロール部43,コンピュータ
44および加工手順プログラムデータベース45で構成
された制御装置により制御することによって、レーザー
加工装置31と高速回転外周刃加工装置40の工程とを
一連の工程として制御すると共に、試料ステージ21を
共有することにより、作業工程を連続自動化することが
できる。
レーザー加工装置31による加工条件を電子顕微鏡の試
料作成に適した条件を、登録済みの加工手順プログラム
データベース45から随時呼び出して同一条件で加工で
きると共に、新たに加工条件を加工手順プログラムデー
タベース45に追加できるようにすることによって、加
工毎の条件設定作業を簡便にし、かつ均一な加工条件を
常に提供することができる。
切断位置を合わせるための光学顕微鏡30にハーフミラ
ー等を用いてレーザー加工装置31を同軸上に配置する
と共に、光学顕微鏡像中に結像するようにヘアライン
(同心円ヘアライン51,主ヘアライン52,副ヘアライ
ン53)を設けることによって、試料ステージ21に固
定された基板1の位置合わせと、レーザー加工装置31
と光学顕微鏡30との軸合わせと、高速回転外周刃加工
装置40の加工位置合わせの効率化を図ることができ
る。
荷電粒子ビーム加工装置により行う方法について説明し
たが、集束荷電粒子ビーム加工装置を用いずに従来の機
械研磨の後に集束荷電粒子ビームの斜め方向照射により
試料の薄片化を行う方法(例えば特開平4−19447
号公報の中で従来方法として記載した方法)において
も、剥離しやすい積層膜の断面観察用の試料を作成する
場合、積層膜の各層間または基板材料からの積層膜の剥
離が起こり、問題となっていた。この場合の積層膜の剥
離防止のための試料の予備加工方法として、この発明の
電子顕微鏡観察用試料の作成方法および電子顕微鏡観察
用試料加工装置を用いてもよい。すなわち、貼り合わさ
れる試料の領域にライン状に溝を形成して島状加工を行
い、高速回転外周刃加工装置で所定の大きさ(例えば約
1.5mm×1.0mm)に切断して、この試料を2個以上接着剤
で貼り合わせ、直線状の溝を形成した方向に対して直角
方向の断面からの観察を行えるように研磨・荷電粒子ビ
ーム加工を行えば、剥がれやすい積層膜材料でも電子顕
微鏡による観察が可能な試料作成が可能となる。
膜部5の積層膜4を貫通する貫通穴6を設けたが、貫通
穴の形状や数は、島状積層膜部やその積層膜等に応じて
適宜設定すればよい。なお、上記島状積層膜部の端面の
接着層としての溶融凝固層により島状積層膜部の積層膜
の各層の界面または積層膜と基板材料との界面におけ剥
離を十分に防ぐことができる場合は、島状積層膜部に貫
通穴を形成しなくてもよい。
明の電子顕微鏡観察用試料の作成方法は、表面上に積層
膜が形成された基板から薄膜である電子顕微鏡観察用試
料を作成するための電子顕微鏡観察用試料の作成方法で
あって、上記積層膜と基板のうちの少なくとも上記積層
膜の一部を溝状に除去し、その溝状に除去された部分で
基板を切断するものであり、上記基板を切断する工程の
前に、上記溝状に除去された部分の少なくとも上記積層
膜の各層の端部を接着する接着層を形成するものであ
る。
観察用試料の作成方法によれば、非常に剥がれやすい積
層膜の構成膜の界面や積層膜と基板との界面を有する材
料であっても、高速回転外周刃等による切断が可能にな
り、電子顕微鏡に装着可能な大きさに切断する加工にお
いても、集束荷電粒子ビーム加工装置等による試料の薄
膜化の加工時間を短縮させるための断面L字状または断
面凸状にする加工においても、積層膜の各層の界面およ
び積層膜と基板材料との界面での剥離を防止することが
できる。したがって、良好な電子顕微鏡観察用試料の作
成が短時間で、破損などの失敗もなく行うことができ
る。
基板材料との界面で剥離しやすい場合でも、上記接着層
によって積層膜を各層の端部で接着すると共に、積層膜
と基板とを接着するので、上記基板を切断するときの積
層膜の剥離を防止する効果を高めることができる。
試料の作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の
作成方法において、上記接着層は、上記積層膜の材料が
溶融された後に凝固した溶融凝固層または上記積層膜の
材料と上記基板の材料とが溶融された後に凝固した溶融
凝固層であるものである。
観察用試料の作成方法によれば、レーザー光等の熱によ
り溶融された積層膜の材料や基板材料が凝固して、上記
接着層として溶融凝固層を形成するので、積層膜と基板
のうちの少なくとも積層膜の一部を溝状に除去する工程
のときに接着層を簡単に形成でき、別に接着層を形成す
る工程を行わないで、加工時間を短縮することができ
る。
試料の作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の
作成方法において、上記接着層は、上記積層膜の各層の
材料が混合されたミキシング層または上記積層膜の材料
と基板の材料とが混合されたミキシング層であるもので
ある。
観察用試料の作成方法によれば、集束荷電粒子ビーム等
のエネルギーにより混合された積層膜の材料や基板材料
が凝固して、上記接着層として上記ミキシング層を形成
するので、積層膜と基板のうちの少なくとも積層膜の一
部を溝状に除去する工程で接着層を簡単に形成でき、別
に接着層を形成する工程を行わないで、加工時間を短縮
することができる。
試料の作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の
作成方法において、上記積層膜と上記基板のうちの少な
くとも積層膜の一部が溝状に除去された部分の側壁に接
着層となる材料を付着させたものである。
観察用試料の作成方法によれば、上記積層膜と基板のう
ちの少なくとも積層膜の一部が溝状に除去された部分の
側壁に例えば金属または金属酸化膜等の材料を付着させ
て接着層を形成することによって、溝状に除去された部
分の側壁を接着する接着層の強度をさらに高めることが
できる。
試料の作成方法は、請求項1の電子顕微鏡観察用試料の
作成方法において、上記積層膜と基板のうちの少なくと
も積層膜の一部を溝状に除去する工程において、レーザ
ー光または集束荷電粒子ビームによって、上記積層膜と
基板のうちの少なくとも積層膜の一部を溝状に除去する
ものである。
観察用試料の作成方法によれば、上記レーザー光または
集束荷電粒子ビームにより積層膜の材料と基板材料のう
ちの少なくとも積層膜の材料が溶融または混合された層
によって、積層膜を各層の端部で接着すると共に、積層
膜と基板とを接着するので、積層膜等に機械的な力を与
えることなく、積層膜の剥離を防止する効果を高めるこ
とができる。
試料の作成方法は、請求項1乃至4のいずれか1つの電
子顕微鏡観察用試料の作成方法において、上記積層膜と
基板のうちの少なくとも積層膜の一部を溝状に除去する
工程において、上記積層膜の観察すべき領域の周囲を溝
状に除去して島状の積層膜部を形成するものである。
観察用試料の作成方法によれば、上記基板を切断する前
に、観察を必要とする領域の周囲を除去して観察目的の
積層膜部分を島状に残し、その島状の積層膜部の周囲の
側壁に接着層を形成することによって、微細な島状の積
層膜部にすることによって、後の工程の島状の積層膜部
の薄膜化の処理時間を短縮することができる。
試料の作成方法は、請求項6の電子顕微鏡観察用試料の
作成方法において、上記島状の積層膜部を貫通して上記
基板に達する貫通穴を形成する工程と、上記貫通穴の内
壁に接着層を形成する工程とを有するものである。
観察用試料の作成方法によれば、レーザー光または集束
荷電粒子ビーム等を用いて、上記島状の積層膜部を貫通
して上記基板に到達する貫通穴をあけて、その貫通穴の
内壁に接着層を形成することによって、積層膜の密着性
を高めて、上記島状の積層膜部の剥離を防ぐ効果をさら
に向上することができる。
試料加工装置は、表面上に積層膜が形成された基板から
薄膜である電子顕微鏡観察用試料を作成するための電子
顕微鏡観察用試料加工装置において、上記積層膜と基板
のうちの少なくとも積層膜の一部を溝状に除去すると共
に、上記溝状に除去された部分の少なくとも上記積層膜
の各層の端部を接着する接着層を形成するレーザー加工
装置または集束荷電粒子ビーム加工装置と、上記溝状に
除去された部分で基板を切断する高速回転外周刃加工装
置と、上記レーザー加工装置または集束荷電粒子ビーム
加工装置と高速回転外周刃加工装置とに共有され、基板
が固定される試料ステージと、上記レーザー加工装置ま
たは集束荷電粒子ビーム加工装置により積層膜と基板の
うちの少なくとも積層膜の一部を溝状に除去する工程と
高速回転外周刃加工装置により基板を切断する工程とを
試料ステージから基板を外すことなく連続して行うよう
に、上記レーザー加工装置または集束荷電粒子ビーム加
工装置と高速回転外周刃加工装置および上記試料ステー
ジを制御する制御装置とを備えたものである。
観察用試料加工装置によれば、上記レーザー加工装置ま
たは集束荷電粒子ビーム加工装置により、上記試料ステ
ージに固定された基板の少なくとも積層膜の一部を予め
溝状に除去して、上記溝状に除去された部分の少なくと
も上記積層膜の各層の端部を接着する接着層を形成す
る。そして、上記高速回転外周刃加工装置により積層膜
が除去された部分で基板を切断するとき、除去される部
分の幅を高速回転外周刃の幅よりも広くすることによっ
て、残された積層膜を切断することなく、積層膜の各層
の界面および積層膜と基板材料との界面での剥離を防止
することができる。また、上記基板から切断された試料
の薄片化する後の工程においても、積層膜の各層の界面
または積層膜と基板材料との界面での剥離を防止するこ
とができる。さらに、上記レーザー加工装置または集束
荷電粒子ビーム加工装置による除去工程と高速回転外周
刃加工装置による切断工程とを一連の工程として上記制
御部により制御すると共に、加工用の上記試料ステージ
を共有することにより、作業工程を連続自動化すること
ができる。また、研磨を用いて試料を電子顕微鏡に装着
可能な大きさに加工するときに劈開を行っただけでは積
層膜の剥離が起こるような場合は、劈開による加工方法
は使えないので、上記レーザー加工装置または集束荷電
粒子ビーム加工装置などによって積層膜を予め溝状に除
去した上で、試料の劈開または高速回転外周刃による加
工を行うことによって、できなかった加工が可能にな
る。また、一連の工程を1つの装置で行うことができ、
加工条件の設定を一回で済ませることができることと、
装置間の試料の移動に伴う位置合わせ作業時間が不要に
なることにより、加工時間を短縮することができる。例
えば、電子顕微鏡内に装着できるような形状に試料を作
成するのに研磨を用いる従来の方法では、ダイヤモンド
ペンによる傷入れと劈開および試料の表面保護のための
貼り合わせ時間と、機械研磨の時間とを考慮した所要時
間が3〜4時間であるのに対して、本発明の電子顕微鏡
観察用試料加工装置では、約20分程度(約10分の1)
に短縮することができる。また、上記試料ステージの共
有化によりレーザー光または集束荷電粒子ビームによる
加工の位置合せ精度を向上でき、最終的に電子顕微鏡観
察用試料とする集束荷電粒子ビーム加工装置等による薄
片化の加工の前に、試料の膜厚を薄く仕上げることがで
きる。その結果、後の工程の集束荷電粒子ビーム加工装
置等による加工時間までも短縮することでき、結果的に
電子顕微鏡観察の結果の信頼度も高めることができる。
試料加工装置は、請求項8の電子顕微鏡観察用試料加工
装置において、上記制御装置は、上記レーザー加工装置
または上記集束荷電粒子ビーム加工装置による加工条件
と上記試料ステージの移動条件とがプログラムとして予
め登録されて、試料作成に適した条件のプログラムが呼
び出されると共に、新たな試料作成におけるレーザー加
工装置または集束荷電粒子ビーム加工装置による加工条
件と試料ステージの移動条件とが新たなプログラムとし
て登録可能なデータベースを有するものである。
観察用試料加工装置によれば、上記試料ステージの移動
条件や上記レーザー加工装置による加工条件を電子顕微
鏡の試料作成に適した条件をプログラムとして予め登録
されたデータベースから随時呼び出して同一条件で加工
でき、さらに、新たに加工条件をプログラムとしてデー
タベースに追加可能にすることによって、加工毎の条件
の設定作業を簡便にし、かつ、均一な加工条件を常に提
供することができる。
用試料加工装置は、請求項8の電子顕微鏡観察用試料加
工装置において、上記レーザー加工装置のレーザー光の
軸または上記集束荷電粒子ビーム加工装置の集束荷電粒
子ビームの軸と光軸とが同軸構造で、かつ、上記試料ス
テージに固定された基板の加工位置を観察可能な光学顕
微鏡を備え、上記レーザー加工装置または集束荷電粒子
ビーム加工装置と光学顕微鏡との位置合わせをするため
のヘアラインを、光学顕微鏡像中に結像するように光学
顕微鏡に設けたものである。
鏡観察用試料加工装置によれば、上記光学顕微鏡に上記
レーザー加工装置または集束荷電粒子ビーム加工装置を
ハーフミラー等を用いて同軸上に配置すると共に、光学
顕微鏡像中に結像するようにヘアラインを設けることに
よって、レーザー光による加工位置または集束荷電粒子
ビームによる加工位置を光学顕微鏡により確認すること
ができ、レーザー光または集束荷電粒子ビームの形状・
寸法を常に監視しやすくできる。したがって、上記試料
ステージに固定された上記基板の位置合わせと、レーザ
ー加工装置または集束荷電粒子ビーム加工装置と光学顕
微鏡との軸合わせと、高速回転外周刃加工装置の加工位
置合わせの効率化を図ることができると共に、レーザー
加工装置のレーザースポットまたは集束荷電粒子ビーム
加工装置のビームスポットの形状を把握でき、レーザー
加工装置または集束荷電粒子ビーム加工装置の条件設定
を容易に行うことができる。
観察用試料の作成方法の積層膜の除去して溝を形成する
工程を示す概念図である。
なる島状積層膜部に貫通穴を形成する工程を示す拡大図
である。
る。
図である。
子を説明する図である。
鏡観察用試料を示す図である。
電子顕微鏡観察用試料を示す図である。
粒子ビームにより島状積層膜部を薄膜化するときの状態
を示す図である。
された状態を示す図である。
を切除した電子顕微鏡用試料台に取り付けて電子顕微鏡
で観察するときの状態を示す図である。
加工装置の概略構成を示す図である。
置により加工される基板に対する方向を示す図である。
置の光学顕微鏡に設けたヘアラインを示す図である。
置の動作を説明するフローチャートである。
島状積層膜部、6…貫通穴、7…溶融凝固層、8…薄膜
部、10…高速回転外周刃、11…集束荷電粒子ビー
ム、12…電子顕微鏡用試料台、13…切除領域、14
…電子ビーム、20…試料基板、21…試料ステージ、
22…回転台、23,25,27…スクリューネジ、24
…X軸制御モータ、26…Y軸制御モータ、28…Z軸
制御モータ、30…光学顕微鏡、31…レーザー加工装
置、32…撮像装置、33…光学顕微鏡微動装置、34
…スピンドル、35…モータ、40…高速回転外周刃加
工装置、41…レーザーパルスコントロール部、42…
スピンドルコントロール部、43…X・Y・Z・θコント
ロール部、44…コンピュータ、45…加工手順プログ
ラムデータベース、46…表示装置、50…ステージ。
Claims (10)
- 【請求項1】 表面上に積層膜が形成された基板から薄
膜である電子顕微鏡観察用試料を作成するための電子顕
微鏡観察用試料の作成方法であって、 上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも上記積層膜の
一部を溝状に除去する工程と、 上記溝状に除去された部分で上記基板を切断する工程
と、 上記基板を切断する工程の前に、上記溝状に除去された
部分の少なくとも上記積層膜の各層の端部を接着する接
着層を形成する工程 とを有することを特徴とする電子顕
微鏡観察用試料の作成方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の電子顕微鏡観察用試料
の作成方法において、 上記接着層は、上記積層膜の材料が溶融された後に凝固
した溶融凝固層または上記積層膜の材料と上記基板の材
料とが溶融された後に凝固した溶融凝固層であることを
特徴とする電子顕微鏡観察用試料の作成方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の電子顕微鏡観察用試料
の作成方法において、 上記接着層は、上記積層膜の各層の材料が混合されたミ
キシング層または上記積層膜の各層の材料と上記基板の
材料とが混合されたミキシング層であることを特徴とす
る電子顕微鏡観察用試料の作成方法。 - 【請求項4】 請求項1に記載の電子顕微鏡観察用試料
の作成方法において、 上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも上記積層膜の
一部が溝状に除去された部分の側壁に接着層となる材料
を付着させたことを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の
作成方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の電子顕微鏡観察用試料
の作成方法において、 上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも上記積層膜の
一部を溝状に除去する工程において、レーザー光または
集束荷電粒子ビームによって、上記積層膜と上記基板の
うちの少なくとも上記積層膜の一部を溝状に除去するこ
とを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の作成方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
電子顕微鏡観察用試料の作成方法において、 上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも上記積層膜の
一部を溝状に除去する工程において、上記積層膜の観察
すべき領域の周囲を溝状に除去して島状の積層膜部を形
成することを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の作成方
法。 - 【請求項7】 請求項6に記載の電子顕微鏡観察用試料
の作成方法において、 上記島状の積層膜部を貫通して上記基板に達する貫通穴
を形成する工程と、 上記貫通穴の内壁に接着層を形成する工程とを有するこ
とを特徴とする電子顕微鏡観察用試料の作成方法。 - 【請求項8】 表面上に積層膜が形成された基板から薄
膜である電子顕微鏡観察用試料を作成するための電子顕
微鏡観察用試料加工装置において、 上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも上記積層膜の
一部を溝状に除去すると共に、上記溝状に除去された部
分の少なくとも上記積層膜の各層の端部を接着する接着
層を形成するレーザー加工装置または集束荷電粒子ビー
ム加工装置と、 上記溝状に除去された部分で上記基板を切断する高速回
転外周刃加工装置と、 上記レーザー加工装置または上記集束荷電粒子ビーム加
工装置と上記高速回転外周刃加工装置とに共有され、上
記基板が固定される試料ステージと、 上記レーザー加工装置または上記集束荷電粒子ビーム加
工装置により上記積層膜と上記基板のうちの少なくとも
上記積層膜の一部を溝状に除去する工程と上記高速回転
外周刃加工装置により上記基板を切断する工程とを上記
試料ステージから上記基板を外すことなく連続して行う
ように、上記レーザー加工装置または上記集束荷電粒子
ビーム加工装置と上記高速回転外周刃加工装置および上
記試料ステージを制御する制御装置とを備えたことを特
徴とする電子顕微鏡観察用試料加工装置。 - 【請求項9】 請求項8に記載の電子顕微鏡観察用試料
加工装置において、 上記制御装置は、上記レーザー加工装置または上記集束
荷電粒子ビーム加工装置による加工条件と上記試料ステ
ージの移動条件とがプログラムとして予め登録されて、
試料作成に適した条件のプログラムが呼び出されると共
に、新たな試料作成における上記レーザー加工装置また
は上記集束荷電粒子ビーム加工装置による加工条件と上
記試料ステージの移動条件とが新たなプログラムとして
登録可能なデータベースを有することを特徴とする電子
顕微鏡観察用試料加工装置。 - 【請求項10】 請求項8に記載の電子顕微鏡観察用試
料加工装置において、 上記レーザー加工装置のレーザー光の軸または上記集束
荷電粒子ビーム加工装置の集束荷電粒子ビームの軸と光
軸とが同軸構造で、かつ、上記試料ステージに固定され
た上記基板の加工位置を観察可能な光学顕微鏡を備え、 上記レーザー加工装置または上記集束荷電粒子ビーム加
工装置と上記光学顕微鏡との位置合わせをするためのヘ
アラインを、上記光学顕微鏡像中に結像するように上記
光学顕微鏡に設けたことを特徴とする電子顕微鏡観察用
試料加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01255198A JP3472695B2 (ja) | 1998-01-26 | 1998-01-26 | 電子顕微鏡観察用試料の作成方法および電子顕微鏡観察用試料加工装置 |
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JPH11211632A JPH11211632A (ja) | 1999-08-06 |
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