JPH083768A - 平面tem試料作成方法 - Google Patents

平面tem試料作成方法

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JPH083768A
JPH083768A JP14171094A JP14171094A JPH083768A JP H083768 A JPH083768 A JP H083768A JP 14171094 A JP14171094 A JP 14171094A JP 14171094 A JP14171094 A JP 14171094A JP H083768 A JPH083768 A JP H083768A
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JP
Japan
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sample
observation target
target site
main surface
edge surface
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Application number
JP14171094A
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English (en)
Inventor
Koji Fukumoto
晃二 福本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平面TEM観察において特定部位の観察を可
能にする。 【構成】 まず、試料51の表面に観察対象部位1を表
示するマーキング2、3を施す。つぎに、観察対象部位
1の付近が最も薄く(10μm以下に)なるように試料
51の裏面をディンプル状に研磨する。つぎに、試料5
1にダイシング加工を施すことにより、観察対象部位1
からの距離Xが10μm〜20μm程度となるような縁
面54を形成する。最後に、FIB(集束イオンビー
ム)を縁面54側から試料51の表面に沿って選択的に
入射することによって、観察対象部位1の近傍を最終的
に(0.1μm〜0.2μm程度に)薄膜化する。 【効果】 あらかじめ特定された部位の平面TEM観察
が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体基板な
どに好適な平面TEM試料作成方法に関し、特に、特定
部位の観察を可能にするための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体基板に作り込まれるLSI(大規
模集積回路)では、半導体基板中の欠陥の存在によっ
て、その機能あるいは特性が大きく影響される。透過型
電子顕微鏡(以下、「TEM」と略称する)を用いた観
察では、観察対象部位における結晶性(例えば欠陥の状
態など)の評価が可能であるために、LSIの開発の過
程などにおいては、TEMを用いた半導体基板の評価が
広く行われている。
【0003】TEMを用いて、半導体基板のような平板
状の試料の表面あるいは内部を観察する方法として、電
子ビームを主面の法線方向に入射して観察を行う平面T
EM観察と、主面に沿った方向に入射して観察を行う断
面TEM観察の2種類の観察法が知られている。それぞ
れに長所があって、半導体基板の評価を行う際には、目
的に応じていずれかの観察法が選択して用いられる。
【0004】ところで、TEM観察を行うためには、試
料の観察対象部位を薄膜化する必要がある。図6は、半
導体基板の平面TEM観察用試料を作成するために、最
も広く行われている従来の方法を示す工程図である。従
来の方法では、まず図6(a)の斜視図および図6
(b)の正面断面図に示すように、半導体基板の試料1
1を直径が3mmφ、厚さT1が100μm程度のディ
スク状に切り出す。切出しには超音波ディスクカッタが
用いられる。
【0005】つぎに、図6(c)に示すように、ディン
プルグラインダを用いて、ディスク状の試料11の一方
主面をディンプル状に研磨する。形成されたディンプル
面12の最深部における試料11の厚さ、すなわち、試
料11の最も薄い部分における厚さT2は、約10μm
となる。
【0006】つぎに、図6(d)に示すように、ディン
プル面12に、数keVに加速されたArイオンを照射
することによって、イオンエッチングを行う。イオンエ
ッチングは、試料11の中央部が開口するまで実行され
る。その結果、図6(e)の平面図および図6(f)の
正面断面図に示すように、試料11の中央部に貫通孔1
3が形成される。環状となった試料11は、周辺部から
中央部の貫通孔13へと向かって、その厚さが減少して
おり、貫通孔13の端縁は薄膜状態となっている。この
薄膜部が平面TEMによる観察対象部位として選択され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
平面TEM試料作成方法では、ディンプルグラインダに
よる研磨とイオンエッチングとを組み合わせて薄膜化が
行われる。このため、観察に適する薄膜部の位置をあら
かじめ精密に設定することは困難であるという問題点が
あった。このため上述したように、適切に薄膜化が行わ
れた部位を選んで観察に供するという、不特定部位の評
価が行われていた。
【0008】LSIが作り込まれた半導体基板では、そ
の中に各種の半導体層が微細に形成されており、しかも
上述したように各半導体層における欠陥の状態がLSI
の動作、特性に大きく影響するので、半導体基板におけ
る特定部位のTEM観察の必要性は高い。
【0009】この発明は、従来の方法における上記のよ
うな問題点を解消するためになされたもので、平面TE
M観察において特定部位の観察を可能にする平面TEM
試料作成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる請求項
1に記載の平面TEM試料作成方法は、(a) 平板状の試
料に切断加工を施すことによって、前記試料における主
面の輪郭の一部をなす縁面を、観察対象部位に近接して
形成する工程と、(b) 当該縁面側から前記試料の主面に
沿って集束イオンビームを選択的に入射することによっ
て、当該試料を選択的にエッチングし、その結果、前記
観察対象部位を含む前記試料中の領域を薄膜化する工程
と、を備えることを特徴とする。
【0011】この発明にかかる請求項2に記載の平面T
EM試料作成方法は、請求項1に記載の方法において、
前記工程(a)における前記切断加工が、充填剤を用いて
前記試料を埋め込むとともに試料台へ固着させた上で実
行されることを特徴とする。
【0012】この発明にかかる請求項3に記載の平面T
EM試料作成方法は、請求項1に記載の方法において、
前記観察対象部位が前記試料の一方主面上に特定されて
おり、(c) 前記工程(a)に先だって、前記観察対象部位
において略最深となるように、前記試料における前記観
察対象部位とは反対側の主面をディンプル状に研磨する
工程、をさらに備えることを特徴とする。
【0013】この発明にかかる請求項4に記載の平面T
EM試料作成方法は、請求項1に記載の方法において、
(d) 前記工程(b)に先だって、前記試料の少なくとも一
方主面を前記縁面に沿って帯状に切除することによっ
て、前記観察対象部位を含む帯状の領域を予備的に薄膜
化する工程、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】この発明にかかる請求項5に記載の平面T
EM試料作成方法は、請求項1に記載の方法において、
(e) 前記工程(a)に先だって、前記試料の少なくとも一
方主面に前記観察対象部位を表示するマーキングを施す
工程、をさらに備えることを特徴とする。
【0015】この発明にかかる請求項6に記載の平面T
EM試料作成方法は、請求項1に記載の方法において、
前記観察対象部位が前記試料の主面から一定深さの地点
に特定されており、(f) 前記工程(a)の後でしかも前記
工程(b)の前に、前記縁面上に前記観察対象部位を表示
するマーキングを施す工程、をさらに備えることを特徴
とする。
【0016】この発明にかかる請求項7に記載の平面T
EM試料作成方法は、請求項6に記載の方法において、
前記工程(f)が、(f-1) 端縁に沿って平坦な表面上に配
列するパターンが形成されたスケール用基板を準備する
工程と、(f-2) 前記スケール用基板と前記試料とを近接
ないし隣接させることによって、前記平坦な表面と前記
縁面とを並列配置させた状態で、前記パターンを用いて
前記縁面に沿った距離を計測することによって、前記マ
ーキングを施すべき地点を同定する工程と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0017】
【作用】
<請求項1に記載の発明の作用>この発明の方法では、
あらかじめ形成された縁面から集束イオンビームを選択
的に入射することによって、観察対象部位を含む領域を
選択的に薄膜化する。すなわち、試料中のあらかじめ特
定された部位を平面TEM観察に適するように薄膜化す
る。
【0018】<請求項2に記載の発明の作用>この発明
の方法では、充填剤を用いて前記試料を埋め込むととも
に試料台へ固着させた上で切断加工が実行されるので、
切断加工にともなう観察対象部位の損傷が防止される。
【0019】<請求項3に記載の発明の作用>この発明
の方法では、観察対象部位において略最深となるよう
に、観察対象部位とは反対側の主面をディンプル状にあ
らかじめ研磨するので、集束イオンビームを用いたエッ
チングに先だって、観察対象部位の近傍が予備的に薄膜
化される。このため、集束イオンビームを用いたエッチ
ングが効率よく行われる。
【0020】<請求項4に記載の発明の作用>この発明
の方法では、観察対象部位を含む帯状の領域が予備的に
薄膜化される。このため、集束イオンビームを用いたエ
ッチングが効率よく行われる。
【0021】<請求項5に記載の発明の作用>この発明
の方法では、観察対象部位を表示するマーキングが試料
の一方主面に施されるので、後続する縁面を形成する工
程、あるいはFIBによる選択的エッチングを施す工程
において、それらの工程を実行すべき位置の同定が容易
に行われる。
【0022】<請求項6に記載の発明の作用>この発明
の方法では、観察対象部位を表示するマーキングが縁面
上に施されるので、後続するFIBによる選択的エッチ
ングを施す工程において、選択的エッチングを施すべき
位置の同定が容易に行われる。
【0023】<請求項7に記載の発明の作用>この発明
の方法では、スケール用基板に形成されたパターンを、
あたかも物差しの目盛りとして使用することによって、
マーキングを施すべき縁面上の位置が同定されるので、
マーキングが正確かつ容易に施される。
【0024】
【実施例】
<第1実施例>はじめに、第1実施例の方法について説
明する。図1は、この実施例の平面TEM試料作成方法
を示す工程図である。図1において、51は評価対象と
される半導体基板である試料、1は観察対象部位、2,
3はこの観察対象部位を明示するために施されたマーキ
ングである。
【0025】この方法では、まず、図1(a)の平面図
に示すように、試料51の表面にマーキング2、3を施
す。マーキング2、3は、例えば、FIB(集束イオン
ビーム装置)を用いて金属膜をデポジションすることに
よって施される。FIBは、マスクを用いることなく微
細なパターン状に金属膜をデポジションすることを可能
にする。
【0026】試料51の厚さ(図1の紙面に垂直方向の
幅)が大きい場合には、さらに試料51の裏面に機械的
な研磨を施すことによって、後続する工程に都合の良い
適度な試料厚さ(例えば100μm程度)となるように
薄膜化を行う。
【0027】つぎに、図1(b)の平面図に示すよう
に、TEM観察用の試料ホルダに収納可能とするため
に、直径3mmの円形のディスク状に試料を切出し加工
する。この加工には、好ましくは、超音波ディスクカッ
タが用いられる。
【0028】つぎに、図1(c)の断面図に示すよう
に、ディンプルグラインダを用いてディスク状の試料5
1の裏面をディンプル状に研磨することによって、観察
対象部位1の付近をさらに薄膜化する。ディンプルグラ
インダを用いた研磨では、試料51に損傷を与えること
なく、最も薄い部位において10μm以下の厚さにまで
試料51の薄膜化を行うことが可能である。
【0029】観察対象部位1の付近、すなわち試料51
の最も薄い部分における厚さWは、約20μmとなるよ
うに研磨が行われる。なお、図1(b)に示した切出し
加工と、図1(c)に示した研磨加工とは、互いに順序
が入れ替わってもよい。
【0030】つぎに、図1(d)の平面図および図1
(e)の斜視図に示すように、試料51の切出し加工を
再び行う。この切出し加工では、縁面54の観察対象部
位1からの距離Xが10μm〜20μm程度となるよう
に平面状に切出しが行われる。切出すべき縁面54の位
置は、マーキング2、3を目印とすることによって容易
に同定される。また、この切出し加工には、好ましくは
半導体ウェハ用のダイシング装置が用いられる。
【0031】さらに好ましくは、図2の正面断面図に示
すように、試料51をワックス(充填剤)41で埋め込
むとともに、試料51をこのワックス41で試料台52
に固着させた状態でダイシング装置を用いた切出しが行
われる。切出し加工をこのように行うことによって、切
出し加工による観察対象部位1への損傷を低減すること
ができる。ワックス41は透明ないし半透明であるの
で、ワックス41を透かしてマーキング2、3を目視す
ることが可能である。なお、図1(e)では、試料51
の裏面(マーキング2、3の反対面)が現れている。
【0032】つぎに、図1(f)の斜視図に示すよう
に、FIBを用いて最終段階の薄膜化を行う。すなわ
ち、試料51をFIB加工用の治具(図示を略する)に
取り付けて、FIBによるエッチング加工を行う。FI
Bは、試料51の表面に沿った方向で、しかも縁面54
に垂直な方向から入射される。このように、FIBによ
る選択的なエッチング加工を施すことによって、観察対
象部位1を含む領域を局所的に薄膜化する。その厚さY
は、TEM観察に必要とされる0.1μm〜0.2μm
程度である。
【0033】FIBは、マスクを用いることなく、微細
なパターン状にイオンを高精度で選択的に入射すること
が可能な技術である。このためFIBは、図1(f)に
示すように、試料51の縁面54を選択的にイオンエッ
チングするのに最適である。
【0034】FIBによるエッチング加工に先立って、
ディンプル状の研磨加工によって観察対象部位1の近傍
が予備的に薄膜化されているので、FIBによるエッチ
ング加工が短時間で効率よく行われる。また、FIBに
よるエッチング加工を施すべき位置の同定は、マーキン
グ2、3を目印とすることによって容易に行われる。さ
らに、選択的なエッチングにFIBが用いられるので、
あらかじめ設定された観察対象部位1を目標とした薄膜
化が、高い位置精度をもってしかも容易に行われる。
【0035】以上の工程によって、試料51の表面上に
あらかじめ特定された観察対象部位1の平面TEM観察
が可能となる。なお、マーキング2、3は、金属膜をデ
ポジションする方法だけでなく、例えばFIBを用いた
エッチング、あるいはレーザーを用いた溝形成などによ
って、試料51の表面に溝状に形成してもよい。
【0036】<第2実施例>つぎに、第2実施例の方法
について説明する。図3は、この実施例の平面TEM試
料作成方法を示す工程図である。図3において、61は
評価対象とされる半導体基板の試料である。
【0037】この方法では、まず、図3(a)の平面図
に示すように、試料61の表面に、第1実施例の方法と
同要領でマーキング2、3を施す。また、試料61の厚
さ(図3の紙面に垂直方向の幅)が大きい場合には、さ
らに試料61の裏面に機械的な研磨を施すことによっ
て、後続する工程に都合の良い適度な試料厚さ(例えば
100μm程度)となるように薄膜化を行う。
【0038】つぎに、図3(b)の平面図および図3
(c)の斜視図に示すように、試料61を、一辺A、他
辺Bがそれぞれ3mm、0.5mm程度である矩形形状
に切出す。この切出し加工では、縁面64の観察対象部
位1からの距離Xが10μm〜20μm程度となるよう
に平面状に切出しが行われる。
【0039】切出すべき縁面64の位置は、マーキング
2、3を目印とすることによって容易に同定される。ま
た、この切出し加工には、好ましくは半導体ウェハ用の
ダイシング装置が用いられる。さらに、図2に示した方
法と同様に、ワックスによる埋め込み状態で切出し加工
を行ってもよい。なお、図3(c)では、試料61の裏
面(マーキング2、3の反対面)が現れている。
【0040】つぎに、図3(d)の斜視図に示すよう
に、試料61の裏面を縁面64に沿って帯状に切除する
ことによって、観察対象部位1を含む帯状の薄膜領域6
5を形成する。この切除加工には、好ましくは半導体ウ
ェハ用のダイシング装置が用いられる。この工程によっ
て形成される薄膜領域65の厚さZは、約20μm程度
である。
【0041】つぎに、図3(e)の斜視図に示すよう
に、FIBを用いて最終段階の薄膜化を行う。すなわ
ち、試料61をFIB加工用の治具(図示を略する)に
取り付けて、FIBによるエッチング加工を行う。FI
Bは、試料61の表面に沿った方向で、しかも縁面64
に垂直な方向から入射される。このように、FIBによ
る選択的なエッチング加工を施すことによって、観察対
象部位1を含む領域を局所的に薄膜化する。その厚さY
は、TEM観察に必要とされる0.1μm〜0.2μm
程度である。
【0042】FIBによるエッチング加工に先立って薄
膜領域65が予備的に形成されているので、FIBによ
るエッチング加工が短時間で効率よく行われる。また、
FIBによるエッチング加工を施すべき位置の同定は、
マーキング2、3を目印とすることによって容易に行わ
れる。さらに、選択的なエッチングにFIBが用いられ
るので、高い位置精度での薄膜化が容易に行われる。
【0043】以上の工程によって、試料51の表面上に
あらかじめ特定された観察対象部位1の平面TEM観察
が可能となる。
【0044】<第3実施例>つぎに、第3実施例の方法
について説明する。図4は、この実施例の平面TEM試
料作成方法を示す工程図である。図4において、71は
評価対象とされる半導体基板の試料である。この実施例
の方法では、試料作成の対象とされる試料71の観察対
象部位が、試料71の表面から一定の深さを有する深部
に特定されている点が、第1および第2実施例の方法と
は特徴的に異なっている。
【0045】この方法では、まず、図4(a)の斜視図
に示すように、試料71に切出し加工を施すことによっ
て観察対象部位の近傍に縁面74を形成する。この切出
し加工には、好ましくは半導体ウェハ用のダイシング装
置が用いられる。さらに、図2に示した方法と同様に、
ワックスによる埋め込み状態で切出し加工を行ってもよ
い。
【0046】そして切り出された縁面74に、マーキン
グ4を施す。マーキング4は、観察対象部位の深さDを
明示する。マーキング4を形成するには、FIB装置を
用いて、試料71の形状観察が可能な二次電子像を観察
しつつ、試料71の厚さを基準とすることによって、表
面から所定の深さDの地点にマーキング4を施すとよ
い。
【0047】さらに、好ましくは、図5の平面図に示す
ように、互いの間隔が既知であるパターン82が平坦な
表面上の端縁近傍に配設されたスケール用基板81を試
料71に近接させ、そのパターン82をスケールとして
用いることによって、マーキング4を施すべき地点すな
わち試料71の表面73からの深さDの地点を同定して
もよい。そうすることによって、マーキング4を施すべ
き位置の同定を容易にしかも精度よく行うことができ
る。
【0048】スケール用基板81は、例えば試料71と
同様の半導体基板であり、パターン82は、例えばアル
ミニウムあるいはポリシリコンで形成される。パターン
82は、好ましくは、等ピッチPで配設されている。こ
のピッチPは、例えば、10μm程度に選ばれる。
【0049】また、試料71の厚さが大きい場合には、
さらに試料71の表面もしくは裏面、またはそれらの双
方に機械的な研磨を施すことによって、後続する工程に
都合の良い適度な試料厚さ(例えば100μm程度)と
なるように薄膜化を行う。研磨は、薄膜化後の試料71
にもマーキング4が残るように行われる。
【0050】つぎに、図4(b)の斜視図に示すよう
に、試料71を、一辺A、他辺Bがそれぞれ3mm、
0.5mm程度である矩形形状に切出す。この切出し加
工は、マーキング4が表示される縁面74をそのまま残
すように行われる。また、この切出し加工には、好まし
くは半導体ウェハ用のダイシング装置が用いられる。
【0051】つぎに、図4(c)の斜視図に示すよう
に、試料71の表面および裏面を縁面74に沿って帯状
に切除することによって、マーキング4で表示される深
さDの地点を含む帯状の薄膜領域75を形成する。この
切除加工には、好ましくは半導体ウェハ用のダイシング
装置が用いられる。この工程によって形成される薄膜領
域75の厚さZは、約20μm程度である。
【0052】つぎに、図4(d)の斜視図に示すよう
に、FIBを用いて最終段階の薄膜化を行う。すなわ
ち、試料71をFIB加工用の治具(図示を略する)に
取り付けて、FIBによるエッチング加工を行う。FI
Bは、試料71の表面に沿った方向であって、しかも縁
面74に垂直な方向から入射される。このような、FI
Bによる選択的なエッチング加工を施すことによって、
観察対象部位を含む領域を局所的に薄膜化する。その厚
さYは、TEM観察に必要とされる0.1μm〜0.2
μm程度である。
【0053】FIBによるエッチング加工に先立って薄
膜領域75が予備的に形成されているので、FIBによ
るエッチング加工が短時間で効率よく行われる。また、
FIBによるエッチング加工を施すべき深さ方向の位置
の同定は、マーキング4を目印とすることによって容易
に行われる。さらに、選択的なエッチングにFIBが用
いられるので、高い位置精度での薄膜化が容易に行われ
る。
【0054】以上の工程によって、試料51の表面から
所定の深さDの地点にあらかじめ特定された観察対象部
位の平面TEM観察が可能となる。
【0055】
【発明の効果】
<請求項1に記載の発明の効果>この発明の方法では、
あらかじめ形成された縁面から集束イオンビームを選択
的に入射することによって、観察対象部位を含む領域を
選択的に薄膜化する。すなわち、試料中のあらかじめ特
定された部位を平面TEM観察に適するように薄膜化す
る。このため、この方法を用いて作成された試料では、
あらかじめ特定された部位について平面TEM観察を行
うことが可能である。
【0056】<請求項2に記載の発明の効果>この発明
の方法では、充填剤を用いて前記試料を埋め込むととも
に試料台へ固着させた上で切断加工が実行されるので、
切断加工にともなって観察対象部位へ損傷が付与される
ことを防止することができる。
【0057】<請求項3に記載の発明の効果>この発明
の方法では、観察対象部位において略最深となるよう
に、観察対象部位とは反対側の主面をディンプル状にあ
らかじめ研磨するので、集束イオンビームを用いたエッ
チングに先だって、観察対象部位の近傍が予備的に薄膜
化される。このため、後続して実行される集束イオンビ
ームを用いたエッチングを短時間で容易に行い得る。
【0058】<請求項4に記載の発明の効果>この発明
の方法では、観察対象部位を含む帯状の領域が予備的に
薄膜化されるので、後続して実行される集束イオンビー
ムを用いたエッチングを短時間で容易に行い得る。
【0059】<請求項5に記載の発明の効果>この発明
の方法では、観察対象部位を表示するマーキングが試料
の一方主面に施されるので、後続する縁面を形成する工
程、あるいはFIBによる選択的エッチングを施す工程
において、それらの工程を実行すべき位置の同定が容易
に行われる。
【0060】<請求項6に記載の発明の効果>この発明
の方法では、観察対象部位を表示するマーキングが縁面
上に施されるので、後続するFIBによる選択的エッチ
ングを施す工程において、選択的エッチングを施すべき
位置の同定が容易に行われる。
【0061】<請求項7に記載の発明の効果>この発明
の方法では、スケール用基板に形成されたパターンを物
差しの目盛りとして使用することによって、マーキング
を施すべき縁面上の位置が同定されるので、マーキング
を正確かつ容易に施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の方法を示す工程図である。
【図2】 第1実施例の方法を示す工程図である。
【図3】 第2実施例の方法を示す工程図である。
【図4】 第3実施例の方法を示す工程図である。
【図5】 第3実施例の方法を示す工程図である。
【図6】 従来の方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 観察対象部位、2,3,4 マーキング、41 ワ
ックス(充填剤)、51,61,71 試料、54,6
4,74 縁面、52 試料台、65,75薄膜領域、
74 表面(主面)、81 スケール用基板、82 パ
ターン。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 平板状の試料に切断加工を施すこと
    によって、前記試料における主面の輪郭の一部をなす縁
    面を、観察対象部位に近接して形成する工程と、 (b) 当該縁面側から前記試料の主面に沿って集束イオン
    ビームを選択的に入射することによって、当該試料を選
    択的にエッチングし、その結果、前記観察対象部位を含
    む前記試料中の領域を薄膜化する工程と、 を備えることを特徴とする平面TEM試料作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 前記工程(a)における前記切断加工が、充填剤を用いて
    前記試料を埋め込むとともに試料台へ固着させた上で実
    行されることを特徴とする平面TEM試料作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の方法において、前記観
    察対象部位が前記試料の一方主面上に特定されており、 (c) 前記工程(a)に先だって、前記観察対象部位におい
    て略最深となるように、前記試料における前記観察対象
    部位とは反対側の主面をディンプル状に研磨する工程、 をさらに備えることを特徴とする平面TEM試料作成方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法において、 (d) 前記工程(b)に先だって、前記試料の少なくとも一
    方主面を前記縁面に沿って帯状に切除することによっ
    て、前記観察対象部位を含む帯状の領域を予備的に薄膜
    化する工程、 をさらに備えることを特徴とする平面TEM試料作成方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の方法において、 (e) 前記工程(a)に先だって、前記試料の少なくとも一
    方主面に前記観察対象部位を表示するマーキングを施す
    工程、 をさらに備えることを特徴とする平面TEM試料作成方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法において、前記観
    察対象部位が前記試料の主面から一定深さの地点に特定
    されており、 (f) 前記工程(a)の後でしかも前記工程(b)の前に、前記
    縁面上に前記観察対象部位を表示するマーキングを施す
    工程、 をさらに備えることを特徴とする平面TEM試料作成方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法において、 前記工程(f)が、 (f-1) 端縁に沿って平坦な表面上に配列するパターンが
    形成されたスケール用基板を準備する工程と、 (f-2) 前記スケール用基板と前記試料とを近接ないし隣
    接させることによって、前記平坦な表面と前記縁面とを
    並列配置させた状態で、前記パターンを用いて前記縁面
    に沿った距離を計測することによって、前記マーキング
    を施すべき地点を同定する工程と、 を備えることを特徴とする平面TEM試料作成方法。
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