JPH0719844A - ウエーハの表面粗さ測定方法 - Google Patents

ウエーハの表面粗さ測定方法

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JPH0719844A
JPH0719844A JP16243293A JP16243293A JPH0719844A JP H0719844 A JPH0719844 A JP H0719844A JP 16243293 A JP16243293 A JP 16243293A JP 16243293 A JP16243293 A JP 16243293A JP H0719844 A JPH0719844 A JP H0719844A
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清 三谷
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喜一郎 浅子
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多層構造を有する半導体ウエーハを含むウエ
ーハの表面粗さを非破壊及び非接触で正確に測定するこ
とができる測定方法を提供すること。 【構成】 入射方向に平行なビーム状のX線を臨界角以
下の低角度でウエーハに入射させ、ウエーハ最表面から
発せられる蛍光X線又はウエーハ最表面で散乱する散乱
X線の強度を測定する操作を、表面粗さが既知の複数の
ウエーハに対して繰り返すことによってX線強度とウエ
ーハ表面粗さとの相関関係(検量線L)を求め、表面粗
さが未知の被測定ウエーハに対してX線強度を測定し、
その測定値に基づいて前記相関関係(検量線L)から被
測定ウエーハの表面粗さを求める。本発明によれば、波
長の短いX線は例えばSOIウエーハのSOI層も透過
することがないため、SOIウエーハ等の多層構造を有
する半導体ウエーハを含むウエーハの表面粗さを非破壊
及び非接触で正確に測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層構造を有する半導
体ウエーハを含むウエーハの表面粗さを測定する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体ウエーハの表面粗さを測
定する方法としては、ウエーハ表面に微小な針を接触さ
せてその上下動を増幅してウエーハの表面粗さを測定す
る触針式(例えば、Rank Taylor Hobson社製タリステッ
プ(Talystep)を用いる方式)、原子間力を利用してウ
エーハの表面粗さを測定するAFM法、位相シフト干渉
法を利用した機器(WYKO社製、型式:TOPO−3
D等)を用いてウエーハの表面粗さを測定する方法、レ
ーザ表面検査装置(日立電子エンジニアニング(株)社
製、型式:LS−6000)を用いて可視光レーザをウ
エーハに低角度で入射させてその散乱光をによってウエ
ーハの表面粗さを相対的に測定する方法等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各種の
測定法には以下のような問題がある。
【0004】即ち、触針式ではウエーハ表面に針が接触
するため、ウエーハ表面に微細な傷が発生したり、金属
元素等のコンタミネーションが生ずる虞れがあり、プロ
セス中での測定は不可能である。
【0005】又、前記AFM法は、ウエーハ表面の凹凸
を非常に高精度に測定することができるが、サンプルの
セッティング等が難しい上、測定領域が非常に狭く、測
定に要する時間が長いという欠点があり、測定のインラ
イン化が難しい。
【0006】更に、前記位相シフト干渉法を利用した機
器による測定法は、ウエーハ表面の凹凸を非接触でnm
オーダーまで測定可能であるが、測定に可視光を用いる
ために光学的に透明なウエーハに対する測定は原理的に
不可能である。又、シリコンウエーハの表面粗さの測定
は可能であっても、可視光はシリコンに対してμmオー
ダーの侵入深さを有しているため、シリコン層(以下、
SOI層と称す)/埋め込みシリコン酸化膜(以下、埋
め込み酸化膜と称す)/シリコン支持基板の構造を持つ
SOIウエーハのSOI層最表面の表面粗さを本方法で
測定しようとすると、SOIウエーハに形成されている
数μm厚のSOI層を可視光が通過してしまい、SOI
ウエーハ表面での反射光とSOI層と埋め込み酸化膜と
の界面での反射光とが同時に検出されてしまい、SOI
ウエーハの表面粗さを正確に測定することができない。
【0007】更に又、前記可視光レーザを用いる測定法
も、光学的に透明なウエーハや光学的にレーザ光を透過
してしまう薄膜を最上層に有するSOIウエーハ等の多
層構造を有するウエーハに対する測定は原理的に不可能
である。
【0008】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、多層構造を有する半導体ウエ
ーハを含むウエーハの表面粗さを非破壊及び非接触で正
確、且つ、簡便に測定することができるウエーハの表面
粗さ測定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明は、入射方向に平行なビーム状のX線を臨界角以下
の低角度でウエーハに入射させ、ウエーハ最表面から発
せられる蛍光X線又はウエーハ最表面で散乱する散乱X
線の強度を測定する操作を、表面粗さが既知の複数のウ
エーハに対して繰り返すことによってX線強度とウエー
ハの表面粗さとの相関関係を求め、表面粗さが未知の被
測定ウエーハに対してX線強度を測定し、その測定値に
基づいて前記相関関係から被測定ウエーハの表面粗さを
求めることをその特徴とする。
【0010】
【作用】可視光よりも非常に波長が短いX線を臨界角
(入射X線が全反射する角度)以下の低角度でウエーハ
に入射させると、X線のウエーハへの侵入深さは数nm
と短いために該X線は例えばSOIウエーハのSOI層
も透過することがなく、入射X線によって励起されたウ
エーハマトリックスからの蛍光X線がウエーハ最表面か
ら発生するとともに、入射X線がウエーハ最表面で散乱
して散乱X線が発生する。そして、蛍光X線又は散乱X
線の強度を半導体検出器で測定する。
【0011】一方、研磨水準を変えて表面粗さを異なら
せた複数のウエーハ(以下、サンプルウエーハと称す)
の各表面粗さを、例えば位相シフト干渉法を利用した機
器を用いる従来の測定法によって測定するとともに、こ
れら各ウエーハに対する前記X線照射によって発生する
蛍光X線又は散乱X線の強度を測定する。
【0012】そして、各サンプルウエーハについて測定
された表面粗さと蛍光X線又は散乱X線の強度(以下、
X線強度と略称す)をプロットすると、両者には強い相
関が存在することが確認され、表面粗さとX線強度とは
正比例することが分かった。従って、表面粗さとX線強
度との関係を示す相関関係、例えば直線状の検量線が作
成される。
【0013】而して、表面粗さが未知の被測定ウエーハ
に対してX線を照射してそのときのX線強度を測定すれ
ば、その測定値に対応する被測定ウエーハの表面粗さを
前記検量線から求めることができる。この場合、前述の
ようにX線は例えばSOIウエーハのSOI層も透過す
ることがないため、SOIウエーハ等の多層構造を有す
る半導体ウエーハを含むウエーハの表面粗さを非破壊及
び非接触で正確に測定することができる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0015】図1は本発明方法を実施するための全反射
蛍光X線分析装置の構成図であり、同図において1はス
テージであって、これは3つの駆動モータMX,MY,MZ
によって図示の直交座標軸X,Y,Z方向に移動せしめ
られてその位置が任意に調整される。
【0016】そして、上記ステージ1上には被測定対象
であるウエーハWが載置され、同ステージ1の真上には
エネルギー分散型の半導体検出器2が設置されている。
【0017】又、ステージ1の一側(図1において左
側)には、X線発生装置3、モノクロメータ4及びスリ
ット5が、他側(図1において右側)にはスリット6及
びシンチレーションカウンタ(SC)7がそれぞれ配設
されている。
【0018】而して、本実施例においては、研磨水準を
変えて表面粗さを異ならせた複数(8枚)のシリコンウ
エーハWが用意され、各シリコンウエーハWが図1に示
すようにステージ1上にセットされ、該シリコンウエー
ハWに対してX線が照射される。
【0019】即ち、前記X線発生装置3から出射するX
線は、前記モノクロメータ4によって単色化され、更に
スリット5で絞られて入射方向に平行なビームとなって
ウエーハWに臨界角(X線がウエーハW上で全反射する
角度であって、本実施例では0.18°)以下の低角度
θ(本実施例では、θ=0.07°)で入射せしめられ
る。
【0020】すると、シリコンウエーハW表面で入射X
線によって励起されたシリコンマトリックスからの蛍光
X線がウエーハWの最表面から発生するとともに、入射
X線がウエーハWの最表面で散乱することによって散乱
X線が発生するが、これら蛍光X線又は散乱X線の強度
が前記半導体検出器2によって測定される。
【0021】以上の操作を全て(8枚)のシリコンウエ
ーハWに対して行ない、各ウエーハWについて蛍光X線
又は散乱X線の強度の測定値を得る。
【0022】一方、同じシリコンウエーハWの各々につ
いて、例えば位相シフト干渉法を利用した機器による従
来の測定法によってその表面粗さを測定する。
【0023】そして、各シリコンウエーハWについて測
定された表面粗さと蛍光X線強度及び表面粗さと散乱X
線強度をプロットすると、図2及び図3に示す結果とな
り、表面粗さと各X線強度との間には強い相関が存在
し、X線強度は表面粗さに正比例することが確認され
た。従って、図2に示すように、表面粗さと蛍光X線強
度との関係を示す直線状の検量線Lが作成され、又、図
3に示すように、表面粗さと散乱X線強度との関係を示
す同じく直線状の検量線L’が作成される。
【0024】而して、表面粗さが未知の被測定対象であ
るシリコンウエーハに対して図1に示す装置を用いてX
線を照射してそのときの蛍光X線強度又は散乱X線強度
を測定すれば、その測定値に基づいて図2に示す検量線
L又は図3に示す検量線L’からシリコンウエーハの表
面粗さを求めることができる。
【0025】ここで、具体例として、SOIウエーハの
表面粗さを求めた結果について説明する。
【0026】被測定対象であるSOIウエーハとして
は、イオンインプランテーション法によって形成された
埋め込み酸化膜を有し、そのSOI層の厚さが0.1μ
mのものを2枚(サンプル1,2とする)用いた。
【0027】そして、2枚のSOIウエーハ(サンプル
1,2)の各々について図1に示す装置を用いて蛍光X
線強度を測定したところ、表1に示すように、それぞれ
128.3cps,90.9cpsの蛍光X線強度の測
定値が得られ、これらの測定値に対応する表面粗さを図
2に示す検量線Lから求めると、表1に示すように、そ
れぞれ2.17nm,0.963nmの値が得られた。
【0028】一方、各SOIウエーハからサンプルを切
り出して触針式、AFM法等の従来の測定法によってそ
の表面粗さを直接測定すると、表1に示すように、各サ
ンプル1,2について2.48nm,0.94nmの実
測値が得られた。
【0029】
【表1】 ところで、SOIウエーハに照射されるX線の波長は可
視光のそれに比して非常に短く、該X線のSOIウエー
ハへの入射角θを前述のように臨界角(0.18°)以
下の0.07°に設定すれば、入射X線のSOIウエー
ハへの侵入深さは数nmオーダーであって、SOI層の
厚さ0.1μmよりも小さいため、X線はSOI層を透
過することがなく、SOIウエーハの表面粗さは正確に
求められ、表1はこのことを実証している。即ち、表1
によれば、サンプル1,2について本発明方法によって
求められた表面粗さ(検量線Lから求めた表面粗さ)
2.17nm、0.963nmは、実測値である2.4
8nm,0.94nmに非常に近似している。
【0030】従って、本発明方法によれば、SOIウエ
ーハ等の多層構造を有する半導体ウエーハを含むウエー
ハの表面粗さを非破壊及び非接触で正確に求めることが
できる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、入射方向に平行なビーム状のX線を臨界角以下
の低角度でウエーハに入射させ、ウエーハ最表面から発
せられる蛍光X線又はウエーハ最表面で散乱する散乱X
線の強度を測定する操作を、表面粗さが既知の複数のウ
エーハに対して繰り返すことによってX線強度とウエー
ハの表面粗さとの相関関係を求め、表面粗さが未知の被
測定ウエーハに対してX線強度を測定し、その測定値に
基づいて前記相関関係から被測定ウエーハの表面粗さを
求めるため、多層構造を有する半導体ウエーハを含むウ
エーハの表面粗さを非破壊及び非接触で正確に測定する
ことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための全反射蛍光X線分
析装置の構成図である。
【図2】ウエーハ表面粗さと蛍光X線強度との関係を示
す図である。
【図3】ウエーハ表面粗さと散乱X線強度との関係を示
す図である。
【符号の説明】
2 半導体検出器 3 X線発生装置 4 モノクロメータ 5,6 スリット W ウエーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相原 健 群馬県安中市磯部2丁目13番1号信越半導 体株式会社半導体磯部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射方向に平行なビーム状のX線を臨界
    角以下の低角度でウエーハに入射させ、ウエーハ最表面
    から発せられる蛍光X線又はウエーハ最表面で散乱する
    散乱X線の強度を測定する操作を、表面粗さが既知の複
    数のウエーハに対して繰り返すことによってX線強度と
    ウエーハの表面粗さとの相関関係を求め、表面粗さが未
    知の被測定ウエーハに対してX線強度を測定し、その測
    定値に基づいて前記相関関係から被測定ウエーハの表面
    粗さを求めることを特徴とするウエーハの表面粗さ測定
    方法。
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